JP4780934B2 - 感圧性接着テープ - Google Patents
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Description
シール作業を機械貼りで行う場合には、シール用の粘着テープ(感圧性接着テープ)を巻回したロールの切り替え作業を効率よく行うために、「オートチェンジャー」と称される粘着テープロールの自動切り替え装置が使用される。オートチェンジャーは、「ステージ」と称されるターンテーブルの上に設置された複数個の粘着テープロールを、ターンテーブルの回転に伴い回転させて、ロールの切り替えを行う。
図1は、オートチェンジャーにおけるシール作業中の状態(定常状態)を示す模式的断面図であり、図2はステージが回転して粘着テープ(B)が巻回されているロールに切り替わる状態を示す断面図である。
図1において、粘着テープ(A)のロール1、及び粘着テープ(B)のロール2がターンテーブル(ステージ)4上に設置されている。粘着テープ(A)のロール1が現時点で作動中のロールであり、粘着テープ(A)5がオートチェンジャーのテープ繰り出し口6から缶シーラーの方向へ引き出されて供給されている。粘着テープ(B)のロール2は、待機中のテープロールであり、粘着テープ(A)の残量が所定量より少なくなると、図2に示すように、ステージが反時計回りに回転し始め、粘着テープ(B)のロール2の外周縁7が粘着テープ(A)の部分拡大断面図における粘着剤層5’と接触する位置まで回転する。
図2において、粘着テープ(B)のロール2の外周縁7が粘着テープ(A)の粘着剤層5’と接触すると、押さえロール8が粘着テープ(B)のロール2の外周縁7に近づくように移動し、粘着テープ(A)5をロール2に押しつける。
粘着テープ(A)が缶シーラーの方向へ繰り出されると、これに連動して粘着テープ(B)のロール2が時計回りに回転する。この回転により、ロール2の外周縁まで巻回されている粘着テープ(B)の繰り出し先端部9が粘着テープ(A)の粘着剤層5’と接触し、粘着テープ(A)の繰り出しに伴い粘着テープ(B)10が引き出される。
粘着テープ(B)が引き出された後は、粘着テープ(A)のみがカッター11により、例えば、押さえロール8の上方の位置で切断される。粘着テープ(A)の切断後、押さえロール8が粘着テープ(B)から離れるように移動して、元の位置に戻り、図1のような定常状態に戻る。この状態でテープの切り替え作業が完了し、今度は粘着テープ(B)のロール2から粘着テープ(B)が繰り出されて、缶シール作業を続行することができる。
以上がオートチェンジャーの作動原理の一例である。
すなわち、図1に示すように、従来の粘着テープ(B)ではリードテープ12(図3参照)が貼付されている繰り出し先端部9が外側にカールしていることがあるので、この場合にはステージが回転して粘着テープ(A)の粘着剤層と接触する場合に、粘着テープ(B)の繰り出し先端部がカールしたままの状態で接触することになる。この時の接触部分の状態を図3(a)に拡大して示す。図3(a)の部分拡大図から明らかなように、このまま粘着テープ(A)5が缶シーラーの方向へ引っ張られると、粘着テープ(B)10の繰り出し先端部9は折れ曲がり、この部分で剥離力が生じることになる。すなわち、粘着テープ(A)と粘着テープ(B)とが接着することなく剥がれてしまい、粘着テープ(B)の繰り出し及び切り替え作業がスムーズに行われず、シール作業が中断することがあった。
ここで、前記粘着力を低減させた領域は、非粘着部と粘着部とからなることができる。
また、前記粘着力を低減させた領域は、強粘着部と弱粘着部とからなることができる。
また、前記粘着力を低減させた領域は、貫通孔を有する非粘着性基材が貼着されていて、該貫通孔から前記粘着剤層の一部が表出していてもよい。
また、前記粘着力を低減させた領域は、端部領域に貫通孔が形成されたテープの該貫通孔から粘着剤層の一部が露出するように該端部が折り曲げられており、一端部の粘着剤層同士が重ね合わされていることができる。
また、前記粘着力を低減させた領域は、貫通孔を有する弱粘着性基材が貼着されていて、該貫通孔から前記粘着剤層の一部が表出していてもよい。
また、前記粘着力を低減させた領域は、弱粘着性基材を貼着して形成されていることができる。
また、前記非粘着性基材または弱粘着性基材は、センサーに応答する機能を有することができる。
また、前記非粘着性基材または弱粘着性基材は、金属性材料から形成されていてもよい。
また、前記金属材料はアルミニウム箔であってもよい。
また、前記感圧性接着テープは、オートチェンジャーを具備した自動貼付装置で用いられることができる。
本発明の感圧性接着テープの製造方法は、広幅基材の一方の面に粘着剤層を形成し、ロール状に巻回した後、巻回端の粘着剤層に粘着力を低減させた領域を形成し、所定幅に切断することにより感圧性接着テープを形成することを特徴とする。
ここで、前記粘着力を低減させた領域は、貫通孔を有する非粘着性基材又は貫通孔を有する弱粘着性基材を貼着させることにより形成することができる。
繰り出し先端部の粘着力は、先端部以外の粘着剤層の粘着力の約70%以下であることが好ましく、特に5〜40%程度であることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。繰り出し先端部の粘着力の低減量が70%以下であれば、オートチェンジャーによる粘着テープの切り替えがスムーズに行われる。なお、5%未満の場合には、繰り出し先端部の自背面への接着維持が十分でなく、カールが発生し易くなる傾向がある。
図4(a)、(b)に示すように、貫通孔を1つ以上有する非粘着性基材13を、感圧性接着テープの一端である繰り出し先端部9の粘着剤層14’上に貼着することにより、粘着力を低減することができる。この場合、貫通孔の数は図4(a)に示すように1つでもよいし、図4(b)に示すように複数であってもよく、特に限定されるものではない。また、孔の形状や大きさも特に限定されるものではないが、例えば、円形、楕円形や、三角形、四角形等の多角形等、適宜、選択することができるが、例えば、孔の総面積を繰り出し先端部の面積の2〜50%程度にすることが、カール防止及び繰り出し時の剥離容易性の観点から好ましい。
また、繰り出し先端部9の粘着剤層14’を全て被覆しないような面積の非粘着性基材13を貼り合わせることもできる。かかる場合にも、貼着する非粘着性基材の形状や大きさは特に限定されるものではなく、適宜選択されるものとする。例えば、図4(c)に示すように、細長い非粘着性基材13を複数個、平行に粘着テープの長手方向に、または図4(d)に示すように、粘着テープの長手方向と垂直な方向に貼着してもよい。あるいは、図4(e)に示すように、例えば円形等の適当な形状、大きさの非粘性基材を適当な数だけ貼着することにより、繰り出し先端部の粘着力を低減させることができる。かかる場合においても、非粘着性基材の形状、大きさ、個数等は適宜選択されるものとする。さらに、図4(f)に示すように、コの字形状の非粘着性基材を繰り出し先端部の3端部が非粘着部となるように貼着してもよい。
用いられる非粘着性基材としては、各種プラスチックフィルム、紙、金属箔、不織布、金属ラミプラスチックフィルム等が挙げられる。特に、非粘着性基材を図4に示すような形態に打ち抜き加工する場合には、金属ラミプラスチックフィルムが打ち抜き加工性の点から好ましい。
基材を繰り出し先端部に貼着することにより、粘着力を低減させてもよい。
例えば、図5(a)に示すように、粘着テープ14の繰り出し先端部9の粘着剤層14’全面を覆うように、弱粘着性基材15を貼着してもよい。かかる場合には、弱い粘着力を有する粘着剤層が外側となるように弱粘着性基材を貼り合わせ、また、該弱い粘着力を粘着テープの先端がカールせず、かつテープ切り替え時には、容易に剥離出来る程度の粘着力とする。かかる構成では、粘着テープの繰り出し先端部の全域で粘着力を有することになるので、カールをより確実に防止することができる。
図5(b)に示すように、貫通孔を有する弱粘着性基材を繰り出し先端部に貼着してもよいし、図5(c)に示すように、コの字形状の弱粘着性基材を繰り出し先端部の3端部が弱粘着部となるように貼着してもよい。後者の形態でも、3端部で粘着テープを仮止めすることができるので、効果的にカール防止を達成することができる。
図6(b)は、例えば、打ち抜き形状の一部に切れ目(20)を入れ、この切れ目を入れずに残しておいた部分(21)で打ち抜き形状の切片(22)を内側に折り曲げ、この折り曲げた切片(22)を粘着剤層の間に挟み込んで接着することにより形成される。この態様においても、貫通孔から粘着剤層14’の一部が基材14”面に露出(表出)し、一端部に粘着力を低減させた領域が形成されている。
実施例1
支持体(基材)として幅18mmのポリ塩化ビニルフィルムを用い、該支持体の片面に天然ゴム系粘着剤を塗布して感圧性接着テープを作製した。感圧性接着テープはボール芯(75φ)にロール状に巻回した(長さ50m)。次いで、その繰り出し先端部(先端から20mmの長さ)に、非粘着性基材として、直径6mmの貫通孔を中央部に有するポリエチレンテレフタレートフィルム(長さ20mm、幅18mm、厚み50μm)を貼付して、本発明の感圧性接着テープを作製した。
得られた感圧性接着テープを、オートチェンジャー付き自動缶シール機(日東精機(株)製、「CS−200」)を用いて、自動テープ切り替えテストを行ったところ、現繰り出しテープから待機テープへの自動繰り出しは100%成功した。
実施例1において、非粘着性基材を直径6mmの貫通孔を中央部に有するアルミニウム箔(長さ20mm、幅18mm、厚み20μm)に替えた以外は実施例1と同様にして、粘着力を低減させた領域を有する感圧性接着テープを作製した。
得られた感圧性接着テープを用いて、実施例1と同様に自動テープ切り替えテストを行ったところ、待機テープへの自動切り替えは100%成功した。
また、アルミニウム箔の存在が光センサーに検知されて、切り替え前のテープ(現繰り出しテープ)の切断も自動的に行うことができた。
支持体(基材)として幅18mmのポリプロピレンフィルムを用い、該支持体の片面にアクリル系粘着剤を塗布して感圧性接着テープを作製した。感圧性接着テープはボール芯(75φ)にロール状に巻回した(長さ50m)。次いで、その繰り出し先端部(先端から20mmの長さ)に、非粘着性基材として、直径6mmの貫通孔を中央部に有するアルミニウム箔(長さ20mm、幅18mm、厚み50μm)を貼付して、粘着力を低減させた領域を有する感圧性接着テープ作製した。
得られた感圧性接着テープを、オートチェンジャー付き自動缶シール機(日東精機(株)製、「CS−4500」)を用いて、自動テープ切り替えテストを行ったところ、現繰り出しテープから待機テープへの自動切り替えは100%成功した。
また、アルミニウム箔の存在が光センサーに検知されて、切り替え前のテープ(現繰り出しテープ)の切断も自動的に行うことができた。
実施例1において、非粘着性基材の替わりに、穴の開いてないポリエチレンテレフタレートフィルム(長さ20mm、幅18mm、厚み50μm)を貼付して感圧性接着テープを非粘着性の繰り出し先端部を有する感圧性接着テープを作製した。
次いで、得られた感圧性接着テープを用いて、実施例1と同様にして、自動テープ切り替えテストを行ったところ、待機テープの自動切り替えの成功率は60%であった。
実施例3において、非粘着性基材の替わりに、穴の開いてないアルミニウム箔(長さ20mm、幅18mm、厚み20μm)を貼付して非粘着性の繰り出し先端部を有する感圧性接着テープを作製した。
次いで、得られた感圧性接着テープを用いて、実施例1と同様にして、自動テープ切り替えテストを行ったところ、待機テープの自動切り替えの成功率は10%であった。
実施例1において、非粘着性基材に替えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(長さ20mm、幅18mm、厚み50μm)の片面に、感圧性接着テープの粘着剤層の粘着力の約30%の粘着力を有する天然ゴム系粘着剤を塗布した弱粘着性基材を、その弱粘着剤層面を外側にして感圧性接着テープの繰り出し先端部に貼付した以外は、実施例1と同様にして本発明の感圧性接着テープを作製した。
得られた感圧性接着テープをオートチェンジャー付き自動缶シール機(日東精機(株)製、「CS−200」)を用いて、自動テープ切り替えテストを行ったところ、現繰り出しテープから待機テープへの自動繰り出しは100%成功した。
実施例1と同様にして感圧性接着テープを作製した。得られた感圧性接着テープの先端から10mmの長さの部分に、そこを中心とする直径6mmの貫通孔を形成した後、先端から20mmの長さのところで粘着剤同士が重なるように感圧性接着テープを折り曲げ、接着させて先端部(先端から20mmの長さ)に粘着力を低減させた領域を形成し、本発明の感圧性接着テープを得た。得られた感圧性接着テープを用いて実施例1と同様に自動テープ切り替えテストを行ったところ、現繰り出しテープから待機テープへの自動切り替えは100%成功した。
2 粘着テープ(B)のロール
4 ターンテーブル(ステージ)
5 粘着テープ(A)
5’ 粘着剤層
6 オートチェンジャーのテープ繰り出し口
7 ロール1の外周縁
8 押さえロール
9 繰り出し先端部
10 粘着テープ(B)
11 カッター
12 リードテープ
13 非粘着性基材
14 粘着テープ
14’ 粘着剤層
14” 基材
15 弱粘着性基材
16 広幅原反の感圧性接着テープ
17 リードテープ
18 所定幅
19 切断線
20 切れ目
21 切れ目を入れずに残しておいた部分
22 切片
Claims (7)
- 基材の一方の面に粘着剤層を形成しロール状に巻回し、オートチェンジャーを具備した自動貼付装置で用いられる感圧性接着テープにおいて、粘着剤層の一端部に粘着力を低減させた領域を有し、該粘着力を低減させた領域の粘着力が、前記粘着剤層の粘着力の5%以上、70%以下の粘着力であることを特徴とする感圧性接着テープ。
- 前記粘着力を低減させた領域が、非粘着部と粘着部とからなることを特徴とする請求項1に記載の感圧性接着テープ。
- 前記粘着力を低減させた領域が、強粘着部と弱粘着部とからなることを特徴とする請求項1に記載の感圧性接着テープ。
- 前記粘着力を低減させた領域が、弱粘着性基材を貼着して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感圧性接着テープ。
- 前記弱粘着性基材が、センサーに応答する機能を有することを特徴とする請求項4に記載の感圧性接着テープ。
- 前記弱粘着性基材が、金属性材料から形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の感圧性接着テープ。
- 前記金属材料がアルミニウム箔であることを特徴とする請求項6に記載の感圧性接着テープ。
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