JP4780778B2 - パネルの連結構造 - Google Patents

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この発明は、例えば冷蔵庫やクリーンルーム等を構成するパネルの連結構造に関するものである。
一般に、冷蔵庫やクリーンルーム等の間仕切や壁は、表面に面材を具備すると共に側端面に枠材を具備し、かつ、両面板と枠材とで形成される空間内に例えば発泡ポリウレタン等の断熱材やハニカムコア材等の心材が充填されたパネルを連結した構造となっている。その連結部には高い気密性が要求されている。
このように構成されるパネル同士を連結する構造として、枠材に断面略L型のジョイント部を形成し、隣接するパネルのジョイント部間に気密材を挟み込み、目地空間に断面コ型の目地材を嵌合し、目地材の脚先端をジョイント部に係止する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−217885号公報(特許請求の範囲、図2)
しかしながら、特開平11−217885号公報に記載の連結構造においては、ジョイント部と目地材の嵌合部は目地の内部に位置するため、目地材を目地の奥まで挿入しなければならない。また、ジョイント部の間に気密材が適正に挟み込まれているかを確認する作業が必要となる。そのため、嵌合部が目視で確認しづらくなる上、パネル同士の連結作業、又は目地材の交換作業が非常に面倒であるなどの問題がある。
また、目地材自体が非常に縦長で、かつジョイント部先端との間に空間が生じるので、外力による目地材の変形で連結部の気密性が低下する懸念がある。
上記問題を解決するために、特開平11−217885号公報に記載のものは、ジョイント部の間に気密材を挟み込み、又は目地材の脚を短くする代わりにパネルと目地を面一にするためにコーキング材を用いる構造が採用されている。しかし、このような構造においては、構成部材が多くなり、連結作業に手間を要すると共に、目地材の交換が難しくなるという問題がある。
上記問題を解決するには、ジョイント部をパネル表面付近まで延ばして、目地材とジョイント部先端とを接触させることが考えられる。しかし、断面略L型のジョイント部をそのまま延ばすと、枠材の一部及び目地材が細長いコの字形状、すなわち高いトング比を有することとなるので、製造が困難かつ容易に破損するという問題が生ずる。したがって、ジョイント部を単に長くするのは好ましくない。
また、ジョイント部の設置位置をパネル中心付近から表面付近に移動させることも考えられるが、パネルによっては、その面材が側端面に巻き込まれて枠材の一部を覆っており、ジョイント部と干渉してしまう虞があり、これにおいても好ましくない。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたのもので、高い気密性と施工性を有するパネルの連結構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、表面に面材を具備すると共に側端面に枠材を具備し、上記面材の端部が巻き込まれて枠材の一部を覆うパネル同士の連結構造であって、 互いに隣接するパネルの側端面の枠材は、該枠材から目地中心側に延設されるジョイント部を有し、 上記ジョイント部は、該ジョイント部の先端にあって目地中心線に沿設されると共に隣接する同士が接し、かつ、接した状態で目地材が嵌合される目地嵌合部と、ジョイント部の基端部にあってジョイント部を支える起立部と、上記目地嵌合部と上記起立部との間にあって目地嵌合部をパネル表面側の近傍部位に配置するための導入部とからなり、 上記導入部は、上記起立部の先端側から目地中心線側及びパネルの表面側又は裏面側に向かって延在する傾斜部を有し、 上記目地材は、パネル接合時の上記ジョイント部との嵌合状態において、上記パネルの面材表面と同一面上に位置する表面部と、該表面部の内面付近に延設され上記目地嵌合部と嵌合する嵌合脚部とからなり、かつ、少なくとも上記嵌合脚部が柔軟性を有する部材にて形成されている、ことを特徴とする。
このように構成することにより、枠材の目地嵌合部を不必要に長くすることなく、すなわち高いトング比を持たせることなくパネル表面側の近傍部位に配置することができる。また、目地嵌合部はジョイント部の基端部に設けられる起立部との間に導入部を介して設けられるので、目地嵌合部は側端面に巻き込まれた面材に干渉することなく配置することができる。また、目地材は、パネル表面側の近傍部位に配置されたジョイント部の目地嵌合部に、柔軟性を有する嵌合脚部が嵌合して、表面部をパネル面材の表面と同一面上に位置、すなわち面一にすることができる。この場合、枠材の目地嵌合部(ジョイント部先端)がパネル表面側の近傍部位に位置するので、目地材の嵌合脚部を軟質にすることが可能となり、嵌合部で気密を保たせることができる。
この発明において、上記目地材は、少なくとも嵌合脚部が柔軟性を有する部材にて形成されるものであれば、その材質は合成樹脂や合成ゴム等の任意の材質でよく、例えば表面部をアルミニウム合金製の押出形材等の硬質に形成し、嵌合脚部を軟質に形成してもよい。また、好ましくは、上記目地材を熱可塑性エラストマにて形成する方がよい(請求項2)。
このように構成することにより、目地材自体に気密性を持たせることができ、目地材とパネルとの接触を密着させることができる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1記載の発明によれば、枠材の目地嵌合部を不必要に長くすることなく(すなわち高いトング比を持たせることなく)、また、目地嵌合部は側端面に巻き込まれた面材に干渉することなく、パネル表面側の近傍部位に配置することができるので、目地嵌合部の位置を外部から容易に確認することができ、目地材の取り付けを容易にすることができると共に、パネル交換作業や目地材の交換作業を容易に行うことができる。また、目地材は、パネル表面側の近傍部位に配置されたジョイント部の目地嵌合部と嵌合する嵌合脚部が柔軟性を有しているので、高い気密性を有した状態で嵌合が可能となり、気密材やコーキング材を用いることなく、高い気密性を持たせることができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、目地材自体に気密性を持たせることができ、目地材とパネルとの接触を密着させることができるので、上記(1)に加えて、更に気密性の向上及び施工性の向上を図ることができる。
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係るパネルの連結構造の一例を示す断面図、図2は、パネルを連結する前の状態を示す断面図である。
この発明に係るパネルの連結構造は、表面に面材11を具備すると共に側端面に枠材20を具備するパネル10同士の連結するもので、枠材20に設けられたジョイント部21同士を接触し、接触されたジョイント部21に目地材30を嵌合して、パネル10同士を連結するものである。
この場合、上記パネル10は、図1,図2及び図3に示すように、一対の面材11の側辺部間に枠材20を介在し、両面材11と枠材20とで形成された空間部内に例えば発泡ポリウレタン等の断熱材からなる心材12が充填されている。なお、面材11の端部は、パネル10の側端面に巻き込まれて枠材20の一部を覆っている。
上記枠材20は、例えば耐熱性を有する塩化ビニル等の合成樹脂製部材にて形成されている。この枠材20は、図1,図2及び図3に示すように、パネル中心部に外方が開口する凹条22を有し、凹条22に対してパネル10の表裏面側に一対の中空矩形部23を有する枠材本体24と、枠材本体24の両中空矩形部23から目地中心側に延設される一対のジョイント部21とを具備している。
上記ジョイント部21は、該ジョイント部21の先端にあって目地中心線Cに沿設されると共に隣接する同士が接し、かつ、接した状態で目地材30が嵌合される目地嵌合部25と、ジョイント部21の基端部にあってジョイント部21を支える起立部26と、目地嵌合部25と起立部26との間にあって目地嵌合部25をパネル表面側の近傍部位に配置するための導入部27とからなる。
この場合、起立部26は、枠材本体24の側端面から略直角に突設されている。また、導入部27は、起立部26の先端からパネル10の表裏面側に直交状に折曲された第1の折曲部27aと、該第1の折曲部27aの先端から目地中心線側及びパネル10の表面側又は裏面側に向かって延在する傾斜部27bと、該傾斜部27bの先端から目地中心線側に向かって折曲されて目地嵌合部25のパネル中心側端部に連結する第2の折曲部27cとからなっている。
このように形成される導入部27によって、目地嵌合部25をパネル表面側(具体的には、パネル10の表面側又は裏面側)の近傍部位に配置することができると共に、目地嵌合部25のトング比を低くすることができ、かつ、目地嵌合部25とパネル10の側端面に巻き込まれている面材11の端部とに距離を持たせて、目地材30の取り付けのための導入空間を確保している。
また、目地嵌合部25は、目地中心線Cに沿う直状片25aの先端部に、パネル表裏面側からパネル中心側に向かって勾配を有する膨隆部25bが形成されている。
一方、上記目地材30は、パネル接合時のジョイント部21との嵌合状態において、面材11の表面と同一面上、すなわち面一となる表面部31と、該表面部31の内面付近に延設され目地嵌合部25と嵌合する嵌合脚部32とで構成されている。この場合、目地材30は、少なくとも嵌合脚部32が柔軟性を有する部材、例えば熱可塑性エラストマにて形成されている。
なお、表面部31は、外表面側の中央部に凹状面31aを有し、両側部には、先端に向かって狭小テーパ状のフィン部31bを有している。また、嵌合脚部32は、表面部31の内面から突設される一対の弾性変形可能な脚片32aを有し、両脚片32aの先端部には、目地嵌合部25の膨隆部25bに係合する一対の爪部32bが対峙して設けられている。
上記のように形成される目地材30は、隣接するパネル10の枠材20に設けられたジョイント部21の目地嵌合部25同士が接触された状態で、パネル10の外方から目地部側に挿入されて、目地嵌合部25に嵌合される。このとき、嵌合脚部32は、目地部内に挿入される際に、弾性変形して目地嵌合部25の膨隆部25bを乗り越えた後、再び元の状態に復元して、目地嵌合部25の膨隆部25bに爪部32bが係合する。すなわち、いわゆるスナップ嵌合によって目地材30は、両パネル10の接触された目地嵌合部25に嵌合する。また、嵌合状態において、目地材30の表面部31の両端のフィン部31bが両パネル10の面材11に接触すなわち密接されて、表面部31がパネル表面(具体的には、パネル表面又は裏面)と面一となる。なお、目地材30のフィン部31bは必ずしも面材11に接触しなくてもよく、表面部31がパネル表面と面一になっていればよい。
上記のように構成されるパネル10を連結するには、まず、連結される両パネル10の側端面に設けられた枠材20同士を近接して、両枠材20から延設されたジョイント部21の目地嵌合部25を接触(当接)する。この状態では、目地嵌合部25はパネル表面側の近傍部位に位置しているので、作業者は、目地嵌合部25を目視により容易に確認することができる。この状態で、両パネル10の表面又は裏面の外方から目地部に向かって目地材30を挿入すると、嵌合脚部32はパネル10の面材11の側端面に干渉することなく目地部内に挿入され、上述したように、嵌合脚部32は弾性変形して目地嵌合部25にスナップ嵌合する。この状態で、柔軟性を有する嵌合脚部32が目地嵌合部25に嵌合するので、気密材やコーキング材を用いることなく、気密性が維持される。また、目地材30の表面部31の両端のフィン部31bが両パネル10の面材11に接触(密接)されて、表面部31がパネル表裏面と面一となる。
なお、上記実施形態では、目地材30が熱可塑性エラストマにて形成される場合について説明したが、目地材30は少なくとも嵌合脚部32が柔軟性を有する部材にて形成されるものであれば任意の材質のものでもよい。例えば、目地材30の表面部31をアルミニウム合金製の押出形材等の硬質に形成し、嵌合脚部を軟質に形成してもよい。この場合、表面部31を形成するアルミニウム合金製押出形材の内方側面に狭隘開口状の凹溝を形成し、嵌合脚部32を形成する軟質部材を凹溝に嵌合して、目地材30を形成することができる。
この発明に係るパネルの連結構造の一例を示す断面図である。 パネルの連結前の状態を示す断面図である。 この発明におけるパネルを示す断面斜視図である。 この発明における目地材を示す斜視図である。
符号の説明
10 パネル
11 面材
20 枠材
21 ジョイント部
25 目地嵌合部
26 起立部
27 導入部
30 目地材
31 表面部
32 嵌合脚部
C 目地中心線

Claims (2)

  1. 表面に面材を具備すると共に側端面に枠材を具備し、上記面材の端部が巻き込まれて枠材の一部を覆うパネル同士の連結構造であって、
    互いに隣接するパネルの側端面の枠材は、該枠材から目地中心側に延設されるジョイント部を有し、
    上記ジョイント部は、該ジョイント部の先端にあって目地中心線に沿設されると共に隣接する同士が接し、かつ、接した状態で目地材が嵌合される目地嵌合部と、ジョイント部の基端部にあってジョイント部を支える起立部と、上記目地嵌合部と上記起立部との間にあって目地嵌合部をパネル表面側の近傍部位に配置するための導入部とからなり、
    上記導入部は、上記起立部の先端側から目地中心線側及びパネルの表面側又は裏面側に向かって延在する傾斜部を有し、
    上記目地材は、パネル接合時の上記ジョイント部との嵌合状態において、上記パネルの面材表面と同一面上に位置する表面部と、該表面部の内面付近に延設され上記目地嵌合部と嵌合する嵌合脚部とからなり、かつ、少なくとも上記嵌合脚部が柔軟性を有する部材にて形成されている、
    ことを特徴とするパネルの連結構造。
  2. 請求項1記載のパネルの連結構造において、
    上記目地材は、熱可塑性エラストマにて形成される、ことを特徴とするパネルの連結構造。
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