次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した構成を説明する。
図1乃至図3に示すように、スロットマシン10は、箱状に形成された筐体12を備えている。この筐体12の略中央には、リールユニット14が設けられている。このリールユニット14は、水平方向に並んで配置された3つのリール帯14A、14B、14Cを備えている。各リール帯14A、14B、14Cは回転可能に設けられており、その外周面には所定の図柄がそれぞれ表示されている。
また、リールユニット14の上方には、遊技全体を司る後述の主制御基板84(図8参照)が格納された主制御基板ユニット16と、各リール帯14A、14B、14Cを駆動するための後述の回胴基板90(図8参照)が格納された回胴基板ユニット18がそれぞれ設けられている。
また、リールユニット14の下方には、リヤスピーカ20が設けられている。また、リヤスピーカ20の下方には、投入された遊技メダルが収集されるホッパ22と、遊技メダルを回収する回収ボックス24と、遊技メダルを払い出すメダル払出装置26と、スロットマシン10全体に電源を供給するための後述の電源基板92(図8参照)が格納された電源ユニット28などがそれぞれ設けられている。
また、電源ユニット28の前面側には、スロットマシン10の電源を投入するための電源スイッチ30が設けられている。また、メダル払出装置26の払出口31から後述のコインシュータ32の受入口34に向けて払い出された遊技メダルは、コインシュータ32を通って、後述の遊技メダル排出口36から排出されるようになっている。
また、図1乃至図3に示すように、筐体12の前面側には、前面扉38が開閉可能に設けられている。前面扉38の前面の略中央部には、前面扉38の前面から遊技者側に突出した操作部40が形成されている。この操作部40の前面には、各リール帯14A、14B、14Cの回転を開始するためのスタートレバー42が設けられている。また、この操作部40の前面には、回転した各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止するための各回胴停止ボタン44A、44B、44Cがそれぞれ設けられている。なお、各回胴停止ボタン44A、44B、44Cは、各リール帯14A、14B、14Cにそれぞれ対応している。また、操作部40の前面には、返却ボタン46が設けられている。この返却ボタン46とは、投入した遊技メダルがスロットマシン10の内部で詰まった場合に、遊技メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
また、操作部40の上面の遊技者から見て右側には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口48が設けられている。また、操作部40の上面の遊技者から見て右側であって遊技メダル投入口48の近傍には、精算ボタン50が設けられている。この精算ボタン50とは、スロットマシン10の内部に貯留されている遊技メダルを外部に排出する際に操作するボタンである。また、操作部40の上面の遊技者から見て左側には、クレジットとして貯留されている遊技メダルを投入するための投入ボタン51が設けられている。なお、遊技メダルの貯留とは、遊技メダルを実際に払い出す代わりに遊技メダルの枚数を記憶しておくことをいう。
また、図4乃至図7に示すように、操作部40の上面中央側には、開口部52が形成されている。また、操作部40の上面には、開口部52を開放又は閉塞するための開閉板54が設けられている。すなわち、開閉板54は、開口部52の遊技者から見て右側部分を開放又は閉塞する右側開閉板54Rと、開口部52の遊技者から見て左側部分を開放又は閉塞する左側開閉板54Lと、で構成されている。右側開閉板54R及び左側開閉板54Lは水平方向にスライド可能に設けられており、右側開閉板54R及び左側開閉板54Lがスライドすることにより開口部52の開放又は閉塞が可能となる。また、図8に示すように、右側開閉板54R及び左側開閉板54Lのスライドは、モータあるいはソレノイドなどの第1駆動部64(図8参照)により実現される。なお、この第1駆動部64による駆動は、サブ制御基板86により制御される。
また、図3乃至図7に示すように、操作部40の内部(前面扉38の裏面側)には、空間部Mが形成されている。この空間部Mは、開口部52と連通するように形成されている。この空間部Mには、可動ユニット56が収納されている。可動ユニット56は、前面扉38の裏面側からネジなどで固定されており、着脱可能に組み付けられている。この可動ユニット56は、平板状の土台部58を備えている。この土台部58の大きさは、開口部52の大きさと同一か略同一となるように設定されている。また、土台部58の上面には、装飾部としての3体のキャラクタ物60R、60M、60Lが設けられている。具体的には、遊技者から見て右側には第1の姿勢をとっている人をモチーフにした右側キャラクタ物60Rが設けられており、この右側キャラクタ物60Rの遊技者から見て左側には第2の姿勢をとっている人をモチーフにした中央キャラクタ物60Mが設けられており、この中央キャラクタ物60Mの遊技者から見て左側には第3の姿勢をとっている人をモチーフにした左側キャラクタ物60Lが設けられている。各キャラクタ物60R、60M、60Lの姿勢はそれぞれ固定されていてもよいし、手足を動かすことにより姿勢が適宜変化するように構成してもよい。
また、土台部58の上面には、LEDなどで構成される複数の照明部62が取り付けられている。この照明部62は、垂直方向に向かって射光するものである。なお、各照明部62の射光は、サブ制御基板86により制御される。
また、図4乃至図7に示すように、土台部58の下面には、土台部58を上下方向に移動させるための第2駆動部66が着脱可能に接続されている。この第2駆動部66は、空間部Mの内部に着脱可能に設けられている。第2駆動部66として、例えば、プランジャ型のソレノイドが用いられている。なお、第2駆動部66として、ソレノイドの代わりに、モータやカムを用いて土台部58を上下方向に移動させてもよい。また、この第2駆動部66による駆動は、サブ制御基板86により制御される。
ここで、土台部58が操作部40の上面と面一になり、可動ユニット56が開口部52の外部に完全に露出した場合には、各キャラクタ物60R、60M、60Lが後述の表示窓68の前方に位置しないように、各キャラクタ物60R、60M、60Lの大きさが設定されている。これにより、可動ユニット56が開口部52の外部に完全に露出した場合でも、表示窓68に各キャラクタ物60R、60M、60Lが被ってしまうことがない。
また、前面扉38の前面であって操作部40の上方の位置には、各リール帯14A、14B、14Cの外周面に表示された各図柄を遊技者に視認させるための表示窓68が形成されている。遊技者は、この表示窓68を通して、回転表示・停止表示する各リール帯14A、14B、14Cの外周面に表示された各図柄を確認することができる。
また、表示窓68の遊技者から見て右側には、遊技の状態を表示する表示パネル70が設けられている。
また、前面扉38の前面であって表示窓68の上方の位置には、演出表示装置72が設けられている。この演出表示装置72は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。また、演出表示装置72の左右両側には、スピーカ74がそれぞれ設けられている。また、スピーカ74の上方には、各種のランプ類76が設けられている。
また、前面扉38の前面であって操作部40の下方の位置には、遊技メダルが外部に排出される遊技メダル排出口36が形成されている。
また、図3に示すように、前面扉38の裏面側上部には、サブ制御基板ユニット78が設けられている。また、サブ制御基板ユニット78の左右両側には、スピーカ74が接続されている。このサブ制御基板ユニット78の内部には、サブ制御基板86が格納されており、主制御基板84の制御信号を受けて演出表示装置72、各種ランプ類76、スピーカ74、第1駆動部64、第2駆動部66及び各照明部62などを用いて行われる各種演出の制御を司っている。
また、前面扉38の裏面側であってサブ制御基板ユニット78の下方の位置には、表示窓68が設けられている。また、前面扉38の裏面側であって表示窓68の下方の位置には、扉基板88が格納された扉基板ユニット80が設けられている。前面扉38の裏面側であって扉基板ユニット80の下方には、操作部40の内部である空間部Mが位置している。なお、この空間部Mには、上述した可動ユニット56が収納される。また、前面扉38の裏面側であって空間部Mの下方には、投入された遊技メダルの通路となるコインセレクタ82が設けられている。また、前面扉38の裏面側であってコインセレクタ82の下方には、遊技メダルを遊技メダル排出口36に導くためのコインシュータ32が設けられている。上記コインセレクタ82は、遊技メダル投入口48から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、企画寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー42を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはコインセレクタ82によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパ22内に投入され、規格を満足していない遊技メダルは、コインシュータ32を通って遊技メダル排出口36に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバー42が操作された後に遊技メダルが投入された場合には、コインセレクタ82内の通路が切り換わり、投入された遊技メダルはコインシュータ32を通って遊技メダル排出口36に返却される。また、コインセレクタ82の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルはメダルセンサによって検出され、その検出信号が主制御基板84に出力されるようになっている。
次に、第1実施形態の遊技機の電気的構成について説明する。
図8に示すように、スロットマシン10には、主制御基板84を中心として、サブ制御基板86、扉基板88、回胴基板90、電源基板92等が電気的に接続されている。
主制御基板84は、スロットマシン10で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板84には、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて搭載されており、前面扉38に搭載された扉基板88から、スタートレバー42が操作されたことを示す信号を受け取って、後述の遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板86、扉基板88、回胴基板90などに対して制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、これら各種基板の動作を制御している。
サブ制御基板86は、上記主制御基板84と同様に、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板86には、各種のランプ類76や、各種のスピーカ20、74、演出表示装置82、回胴バックライト94などが接続されている。ここで、回胴バックライト94とは、各リール帯14A、14B、14Cの内部に設けられており、各リール帯14A、14B、14Cの外周面に表示された各図柄を裏側から照らすライトである。サブ制御基板86は、主制御基板84から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類76、各種スピーカ20、74、演出表示装置72、回胴バックライト94にそれぞれ制御信号を出力することにより、これらを用いた各種演出を行っている。
また、サブ制御基板86には、第1駆動部64と第2駆動部66とがそれぞれ電気的に接続されている。このため、サブ制御基板86により第1駆動部64に対して駆動に関する制御信号が出力されると、第1駆動部64はその制御信号に基づいて右側開閉板54R及び左側開閉板54Lを水平方向にスライドさせる。これにより、操作部40の上面に形成された開口部52を開放したり、あるいは閉塞したりすることが可能になる。また、サブ制御基板86により第2駆動部66に対して駆動に関する制御信号が出力されると、第2駆動部66はその制御信号に基づいて可動ユニット56を上下方向に移動(昇降)させる。これにより、空間部Mに収納された可動ユニット56を開口部52の外部に移動させることができ、あるいは開口部52の外部にある可動ユニット56を空間部Mに収納することが可能となる。
また、サブ制御基板86には、照明部62が電気的に接続されている。このため、サブ制御基板86から照明部62に対して射光に関する制御信号が出力されることにより、照明部62の射光が制御される。具体的には、照明部62の射光パターンや射光タイミングなどが制御される。
ここで、サブ制御基板86の第1駆動部64、第2駆動部66及び照明部62に対する制御は、サブ制御基板86のRAM(図示省略)に格納された所定のプログラムに基づいて実行される。具体的には、サブ制御基板86のRAMには、遊技に関する所定の条件(例えば、後述の「BB遊技」や「RB遊技」など)が成立すると、各開閉板54R、54Lが第1駆動部64により駆動されて開口部52を開放させ、可動ユニット56が可動する前に可動ユニット56の土台部58の上面に設けられた複数の照明部62を射光させ、その後、可動ユニット56を第2駆動部66により駆動されて開口部52の外部に移動させるためのプログラムが記憶されている。また、RAMには所定の遊技状態(「BB遊技」や「RB遊技」以外の遊技状態)のときに、開口部52の外部に移動された可動ユニット56が第2駆動部66により駆動されて空間部Mに収納させた後、各開閉板54R、54Lが第1駆動部64により駆動されて開口部52を閉塞させるためのプログラムが記憶されている。
扉基板88には、コインセレクタ80と、貯留されている遊技メダルを投入するための各種投入ボタン51と、各リール帯14A、14B、14Cの回転を開始させるためのスタートレバー42と、回転している各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させるための回胴停止ボタン44A、44B、44Cと、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン50と、遊技の状態を表示する各種の表示パネル70などが接続されている。また、扉基板88は、主制御基板84とデータをやり取り可能に接続されている。このため、前面扉38に設けられたスタートレバー42、回胴停止ボタン44A、44B、44C、投入ボタン51、精算ボタン50などを操作すると、扉基板88を介して、その信号を主制御基板84に供給することが可能となる。また、コインセレクタ80に設けられたメダルセンサの検出信号も、扉基板88を介して主制御基板84に出力される。
回胴基板90には、3つの各リール帯14A、14B、14Cをそれぞれ回転させるための回胴モータ96A、96B、96Cと、それぞれのリール帯14A、14B、14Cの回転位置を検出するための回胴センサ98A、98B、98Cと、が電気的に接続されている。回胴基板90は、回胴センサ98A、98B、98Cによって各リール帯14A、14B、14Cの回転位置を検出しながら、回胴モータ96A、96B、96Cを駆動することにより、それぞれのリール帯14A、14B、14Cを所定の回転位置で停止させることが可能となっている。なお、第1実施形態の遊技機では、回胴モータ96A、96B、96Cとして、ステッピングモータが用いられている。
また、メダル払出装置26は、中継基板100を介して、主制御基板84に接続されている。このメダル払出装置26は、主制御基板84からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。また、メダル払出装置26には、遊技メダルが払い出されたことを検知するために、図示しない払出センサが設けられている。遊技メダルが払い出されると、払出センサで検知して、その検出信号が主制御基板84に出力される。
また、これら各種基板で消費される電力は、電源基板92から供給されている。電源基板92には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板に供給している。図8では、電源基板92から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。
次に、スロットマシン10における遊技の進行について説明する。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口48から遊技メダルを投入して、メダルのベットを行う。ベットする遊技メダル数は、通常、1枚または3枚に固定されている。なお、遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、投入ボタン51を押すことにより、所定枚数の遊技メダルをベットすることも可能である。
遊技メダルをベットして、スタートレバー42を操作すると、3つのリール帯14A、14B、14Cが一斉に回転を開始する。各リール帯14A、14B、14Cの外周面には複数の図柄が表示されているため、各リール帯14A、14B、14Cが回転すると、これら図柄が変動表示される。また、図1に示すように、前面扉38の操作部40には各リール帯14A、14B、14Cに対応する各回胴停止ボタン44A、44B、44Cが設けられている。このため、各リール帯14A、14B、14Cの回転中に回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押すと、押した回胴停止ボタンに対応するリール帯の回転が停止され、これに伴い、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つのリール帯14A、14B、14Cの回転を停止させると、それぞれのリール帯14A、14B、14Cで何れかの図柄が停止表示されて、所定の図柄組合せが得られることになる。こうして得られた図柄組合せが、いわゆる「小役」と呼ばれる遊技役を成立させる組合せである場合には、成立した遊技役に応じた遊技メダルが払い出される。ベットした遊戯メダル数が3枚であった場合には、1枚だけベットした場合の3倍の遊技メダルの払い出しを受けることができる。
また、次の理由から、ベットする遊技メダル数が多くなるほど、遊技役を成立させ易くなっている。前面扉38に設けられた表示窓68は、各リール帯14A、14B、14Cに表示された3つの図柄を表示可能な大きさに設けられている。このため、各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させると、それぞれのリール帯14A、14B、14Cで3つずつの図柄が停止表示されることになるから、横方向には上段・中段・下段の3組の図柄組合せが得られ、斜め方向には2組の図柄組合せが得られる。このように図柄組合せが得られる方向は「ライン」と呼ばれ、結局、横方向には3ライン、斜め方向には2ラインの、合計5ラインが存在していることになる。ここで、ベットされた遊技メダルが3枚の場合は、これら5ラインが全て有効となり、何れかのライン上で遊技役の図柄組合せを揃えればよいが、1枚しか遊技メダルをベットしなかった場合は、有効なラインが限定され、他のラインで遊技役の図柄組合せが揃っても、遊技役を成立させることはできない。すなわち、ベットする遊戯メダルの数が多い方が、遊技役を成立させ易くなっている。
また、遊技役には、「小役」の他に、いわゆる「ボーナス役」と呼ばれる役も設けられており、ボーナス役を成立させる図柄組合せが得られた場合には、遊技状態が遊技者に有利な状態に切り換わる。このボーナス役には、いわゆる「レギュラーボーナス役(RB役)」と「ビッグボーナス役(BB役)」とが設けられている。RB役の場合は、遊技役を成立させる図柄組合せの種類が増加し、これら遊技役が成立する確率が高くなる「RB遊技」が行われる。また、BB役の場合は、RB役よりも遊技者にとってさらに有利な遊技状態、すなわち、所定枚数(例えば、465枚)の遊技メダルが払い出されるまで「RB遊技」を複数回行うことが可能な遊技状態に切り換わる。その結果、BB役が成立すると、遊技者は多量の遊技メダルを獲得することが可能となる。
以上のように、スロットマシン10では、遊技メダルをベットしてスタートレバー42を操作することにより各リール帯14A、14B、14Cを一斉に回転させた後、回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押して各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させる。そのときに得られた図柄組合せによって、遊技メダルが払い出されたり、あるいは有利な遊技状態に切り換わったりしながら遊技が進行していく。そして、BB役が成立した場合に最も多量の遊技メダルを獲得することができるから、遊技者はBB役を成立させることを常に願いながら、遊技を継続することになる。
こうした遊技の進行は、主制御基板84によって制御されている。以下では、主制御基板84が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
図9に示すように、遊技制御処理においては、先ず、遊技メダルがベットされているか否かが判断される(S10)。具体的には、S10においては、遊技メダルが遊技メダル投入口48から投入されたか否か、あるいは投入ボタン51が操作されたか否かが判断される。遊技メダル投入口48から投入された遊技メダルは、コインセレクタ80を通過する際にコインセレクタ80内に設けられたメダルセンサによって検出される。また、投入ボタン51には接点スイッチ(図示省略)が内蔵されており、投入ボタン51が操作されると接点スイッチによって検出される。そして、メダルセンサや接点スイッチからの検出信号は扉基板88を経由して主制御基板84に出力されるので、主制御基板84はこれらの検出信号に基づいて遊技メダルがベットされたか否かを判断する。なお、「リプレイ役」と呼ばれる特殊な遊技役が成立した場合には、遊技者は遊技メダルをベットしなくても自動的にベットされるので、「リプレイ役」が成立した場合にも、遊技メダルがベットされたものと判断される(S10:YES)。
S10において、遊技メダルがベットされていないと判断された場合には(S10:NO)、当該判断処理を繰り返し行うことによって、遊技メダルがベットされるまで待機する。一方、遊技メダルがベットされたと判断されれば(S10:YES)、スタートレバー42が操作されたか否かが判断される(S20)。ここで、スタートレバー42には、検出センサが組み込まれており、スタートレバー42を操作すると、その動きを検出することが可能となっている。主制御基板84は、この検出センサの検出信号の出力に基づいて、スタートレバー42が操作されたか否かを判断することができる。そして、遊技メダルがベットされたにも拘わらず、スタートレバー42が操作されていないと判断された場合(S20:NO)には、スタートレバー42が操作されるまで、当該判断処理を繰り返しながら待機状態となる。一方、スタートレバー42が操作されたことが確認されたら(S20:YES)、遊技を進行させるべく、以下の一連の処理が実行される。
スタートレバー42が操作されると、直ちに内部抽選処理が行われる(S30)。この内部抽選処理では、スタートレバー42が操作されたタイミングで内部抽選用の乱数を1つ取得して、取得した乱数に応じて、遊技役を内部的に抽選する処理を行う。ここで、遊技役が成立するためには、その遊技役に対応する所定の図柄組合せが得られるように、3つのリール帯14A、14B、14Cを停止させなければならないが、それに先立ってスロットマシン10の内部では、何れの遊技役を成立させるかの抽選が行われており、この抽選に当選しなければ、回胴停止ボタン44A、44B、44Cをどのようなタイミングで押しても、遊技役の図柄組合せで各リール帯14A、14B、14Cを停止させることはできないようになっている。そこで、スタートレバー42が操作されたら、先ず初めに内部抽選を行って、何れの遊技役を成立させるか、あるいは何れの遊技役も成立させないかを決定しておくのである。なお、内部抽選は、内部抽選用の乱数を周期的に更新しておき、スタートレバー42が操作されたタイミングに従って乱数を取得して、得られた乱数に基づいて遊技役の当否を決定している。
内部抽選処理(S30)が実行されると、続いて、回胴回転始動処理が主制御基板84により開始される(S40)。回胴回転始動処理(S40)では、所定の条件が満足されているか否か判断して、条件が満たされている場合は、3つのリール帯14A、14B、14Cを一斉に回転させる処理である。本実施形態の回胴回転始動処理では、スタートレバー42が操作され、かつ、前回にリール帯14A、14B、14Cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)以上経過していた場合にリール帯14A、14B、14Cの回転を開始することとして、主制御基板84から各回胴モータ96A、96B、96Cに対して駆動信号を出力する処理が行われる。
こうして3つのリール帯14A、14B、14Cが一斉に回転させられると、主制御基板84により、各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させるための回胴回転停止処理が行われる(S50)。この回胴回転停止処理(S50)では、各リール帯14A、14B、14Cの回転が開始され、回転速度が一定となってから所定時間(例えば、30秒)以内に回胴停止ボタン44A、44B、44Cが押されると、それぞれのリール帯14A、14B、14Cで停止表示される図柄が決定され、その後、リール帯14A、14B、14Cの回転速度が減速されて、決定された図柄の位置でリール帯14A、14B、14Cが停止される制御が行われる。また、停止表示される図柄を決定する際には、先に行われた内部抽選の結果が参照され、何れの遊技役にも当選していなかった場合は、遊技役が成立する図柄組合せを避けるように、各リール帯14A、14B、14Cの停止図柄が決定される。
図9に示した回胴回転停止処理(S50)では、以上のようにして、各リール帯14A、14B、14Cでの停止図柄を決定し、決定した図柄で各リール帯14A、14B、14Cを停止させる処理が行われる。なお、以上については、各リール帯14A、14B、14Cの回転速度が一定速度に達してから所定時間(例えば、30秒)以内に、回胴停止ボタン44A、44B、44Cが押された場合について説明したが、所定時間が経過しても回胴停止ボタン44A、44B、44Cが押されない場合には、時間が経過した時点でボタンが押されたものとして、上述した処理が行われる。
以上のように、3つのリール帯14A、14B、14Cを停止させたら、主制御基板84により入賞が成立しているか否かが判断される(S60)。ここで、「入賞」とは、内部抽選で遊技役に当選した後、その遊技役を成立させる図柄組合せが、有効ライン上に停止表示されることをいう。回胴回転停止処理(S50)において説明したように、内部抽選では遊技役に当選していても、回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押すタイミングによっては、その遊技役に対応する図柄組合せが得られるとは限らない。そこで、主制御基板84は、各リール帯14A、14B、14Cの回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判断するのである。
ここで、本実施形態のスロットマシン10に設定されている各種の遊技役と、それら遊技役を成立させるための図柄組合せの一例について、図10に基づいて説明する。図10では、各遊技役に入賞したときに払い出される遊技メダルの枚数も示されている。図10に示すように、本実施形態のスロットマシン10では、「BB役」、「RB役」、「ベルの小役」、「プラムの小役」、「チェリーの小役」、「リプレイ役」などの遊技役が設定されている。「BB役」に対応する図柄組合せは、「7−7−7」(赤字)あるいは「7−7−7」(青字)の図柄組合せに設定されている。また、「RB役」に対応する図柄組合せは、「バー−バー−バー」の図柄組合せに設定されている。また、「ベルの小役」に対応する図柄組合せは「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが設定されており、「プラムの小役」に対応する図柄組合せは「プラム−プラム−プラム」の図柄組合せが設定されている。また、「チェリーの小役」は、左のリール帯14Aが「チェリー」の図柄で停止表示すれば、他のリール帯14B、14Cはどのような図柄で停止表示されても成立するように設定されている。さらに、「リプレイ役」に対応する図柄組合せは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せに設定されている。図9のS60では、各リール帯14A、14B、14Cの回転が停止して、有効ライン上に得られた図柄組合せが、これら何れかの図柄組合せに該当しているか否かが判断される。そして、何れの図柄組合せにも該当していない(すなわち、入賞していない)と判断された場合(S60:NO)には、図9の遊技制御処理の先頭の処理(S10)に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理が再度実行される。
次に、何れかの入賞が成立したと判断された場合(S60:YES)には、先ず初めに、入賞した遊技役がリプレイ役であるか否かが主制御基板84により判断される(S70)。そして、リプレイ役に入賞していた場合(S70:YES)には、リプレイ役に入賞した遊技に投入されていた枚数の遊技メダルが自動的に再投入された後(S80)、図9に示す遊技制御処理の先頭の処理(S10)に戻って遊技メダルがベットされたか否かが判断される。この結果、ベットされていれば次の処理(S20)に進行し、ベットされていなければ再び遊技メダルがベットされるまで待機する。
一方、入賞した遊技役がリプレイ役ではなかった場合(S70:NO)には、「BB役」、「RB役」、「ベルの小役」、「プラムの小役」、「チェリーの小役」の何れかに入賞していることになるので、入賞した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出すメダル払出処理が実行される(S90)。このメダル払出処理(S90)は、主制御基板84の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を求めた後、主制御基板84からメダル払出装置26に対して制御信号を出力することによって行われる。メダル払出装置26は、受け取った制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルの払い出しを行う。
こうして遊技メダルが払い出されたら、次に、入賞した遊技役が「RB役」であるか否かが主制御基板84により判断される(S100)。RB役に入賞していた場合(S100:YES)は、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が実行された後(S110)、S10の処理に戻って上述した一連の処理が行われる。ここで、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)とは、次のような遊技である。すなわち、所定回数(例えば、12ゲーム)の遊技が行われるか、所定回数(例えば、8回入賞するまで)だけ入賞が成立するまでの間、遊技役を成立させる図柄の組合せが増加し、そして内部抽選で当選する確率も高い確率に設定されている。このため、レギュラーボーナス遊技では、遊技者は多量の遊技メダルを獲得することが可能であり、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。なお、レギュラーボーナス遊技中は、RB役やBB役に入賞することはない。
一方、入賞した遊技役が「RB役」ではないと判断された場合(S100:NO)には、「BB役」であるか否かが主制御基板84により判断される(S120)。BB役に入賞していた場合(S120:YES)には、ビッグボーナス遊技(BB遊技)が実行された後(S130)、S10の処理に戻って上述した一連の処理が行われる。ここで、ビッグボーナス遊技(BB遊技)とは、所定枚数(例えば、465枚)の遊技メダルが払い出されるまで、前述したレギュラーボーナス遊技を複数回、連続的に発生させることが可能な遊技状態である。つまり、ビッグボーナス遊技は、「RB役」の入賞が成立するまでの導入遊技と、「RB役」の入賞成立後のレギュラーボーナス遊技と、から構成されるもので、所定枚数(例えば、465枚)の遊技メダルが払い出されるまで、導入遊技とレギュラーボーナス遊技とを繰り返し行う遊技である。そして、ビッグボーナス遊技中に払い出された遊技メダルの枚数が所定枚数(例えば、465枚)に到達すると、ビッグボーナス遊技は終了する。このため、ビッグボーナス遊技は、上述したレギュラーボーナス遊技よりも、更に多量の遊技メダルを獲得することが可能であり、遊技者にとってさらに有利な遊技状態となっている。
これに対して、入賞した遊技役が「BB役」でもないと判断された場合(S120:NO)には、「リプレイ役」、「RB役」、「BB役」の何れでもないから、「小役」に入賞していたことになる。この小役の入賞に対する遊技メダルの払い出しは、S90で既に行われている。このため、この場合には、図9に示す遊技制御処理の先頭の処理(S10)に戻って遊技メダルがベットされたか否かが判断された後、上述した一連の処理が繰り返される。
以上のように、本実施形態のスロットマシン10では、遊技メダルを投入し、スタートレバー42を操作して内部抽選を行い、回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押して、各リール帯14A、14B、14Cの図柄を、内部抽選に当選した遊技役に対応する図柄組合せで停止表示させることを繰り返すことによって遊技が進行していく。そして、入賞が成立した場合には、入賞した遊技役に応じた枚数の遊技メダルが、メダル払出装置26から払い出され、メダル排出口36から排出される。
次に、第1実施形態の遊技機の作用について説明する。
図1、図4及び図6に示すように、遊技をする前には、可動ユニット56は、操作部40の内部に形成された空間部Mに収納されている。この状態では、遊技者は、可動ユニット56を視認することができない。また、操作部40の開口部52は各開閉板54R、54Lにより閉塞された状態となっているため、空間部Mに埃やゴミなどが混入することを防止できる。また、開口部52は各開閉板54R、54Lで閉塞されているため、各開閉板54R、54Lの上面のスペースを別の用途に使用することができる。さらに、可動ユニット56が操作部40の内部にある空間部Mに収納されているため、遊技者がスタートレバー42や回胴停止ボタン44A、44B、44Cを操作する際に可動ユニット56が邪魔になることがない。
ここで、遊技に関して所定の条件が成立し、BB遊技やRB遊技に突入すると、サブ制御基板86から第1駆動部64に制御信号が出力される。サブ制御基板86から第1駆動部64に制御信号が出力されると、右側開閉板54R及び左側開閉板54Lが第1駆動部64により水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部52が開放される。
次に、開口部52が開放されると、サブ制御基板86から照明部62に射光に関する制御信号が出力される。これにより、照明部62は垂直方向に射光する。なお、このとき、複数の照明部62は、それぞれ別々の射光タイミング及び射光パターンで射光制御されることにより、遊技者に認識を一層高めることができる。また、照明部62は可動ユニット56を構成する土台部58に取り付けられているため、開口部52が開放されると、可動ユニット56が出でくることを遊技者に明確に認識させることができる。この結果、遊技者の遊技に対する意識を高めることができ、遊技者を遊技に一層集中させることができる。
次に、サブ制御基板86から第2駆動部66に制御信号が出力される。図2、図5及び図7に示すように、サブ制御基板86から第2駆動部66に制御信号が出力されると、可動ユニット56が第2駆動部66により上方向に移動される。そして、土台部58が操作部40の上面と面一になる位置に到達すると、第2駆動部66による駆動が停止される。このとき、各キャラクタ物60R、60M、60Lは、開口部52の外部に位置している状態となる。このように、各キャラクタ物60R、60M、60Lが遊技者の目前にいきなり登場してくるため、遊技環境の演出を一層華やかにすることができる。また、遊技者に有利な遊技状態(「BB役」あるいは「RB」役)が成立していることも相まって、遊技者の気分を高揚させ、遊技により一層集中させることができる。この結果、遊技性をさらに向上させることができる。
ここで、各キャラクタ物60R、60M、60Lの上側先端部は表示窓68の下方に位置しているため、表示窓68に各キャラクタ物60R、60M、60Lが被ってしまうことがない。これにより、遊技者が表示窓68を介して図柄を見る際に、各キャラクタ物60R、60M、60Lが遊技者の視線上に入ることがない。このため、遊技者が各リール帯14A、14B、14Cの外周面に表示された図柄を見るときに、可動ユニット56が邪魔して図柄が見難くなってしまうことを防止できる。この結果、可動ユニット56によって遊技者が回胴停止ボタン44A、44B、44Cを押すタイミングが狂わされることがないため、可動ユニット56が遊技者の操作性に悪影響を及ぼすことを防止できる。
また、土台部58の大きさは、開口部52の大きさと同一又は略同一となるように設定されているため、土台部58と操作部40の上面が面一になったときに土台部58と開口部52の内側との間に隙間が生じることがない。これにより、可動ユニット56が開口部52の外部に移動したときに開口部52の内側と土台部58との間から操作部40の内部にある空間部Mに異物が混入してしまうことを防止できる。
さらに、可動ユニット56を操作部40内部の空間部Mに設けることにより、操作部40内部の既存のスペースを有効に利用することができる。これにより、可動ユニット56を設けるための部材やスペースをスロットマシンに別途設ける必要がなく、既存の構成部材のスペースを可動ユニット56の収納部としてそのまま用いることができる。この結果、可動ユニット56を設ける場合にスロットマシン10の大きな設計変更が伴うことがなく、また、スロットマシン10の製造コストが増加することを防止できる。さらに、スロットマシン10を大型化させる必要もない。
また、可動ユニット56が操作部40に対して着脱可能に設けられているため、可動ユニット56のみをスロットマシン10から取り外し、別のスロットマシンにそのまま装着することができる。これにより、可動ユニット56の互換性を向上させることができる。また、可動ユニット56のメンテナンス時には、可動ユニット56のみをスロットマシン10から取り外すことにより、メンテナンス作業の効率を上げることができる。なお、第1駆動部64及び第2駆動部66も操作部40に対して着脱可能に設けることにより、第1駆動部64及び第2駆動部66のみをスロットマシン10から取り外し、別のスロットマシンにそのまま装着することができ、また、第1駆動部64及び第2駆動部66のみをスロットマシン10から取り外して容易にメンテナンス作業をすることができる。さらに、可動ユニット56や各駆動部64、66が商品寿命の際は、可動ユニット56や各駆動部64、66をスロットマシン10から取り出して新しいものに換えるだけで容易に対処することができる。また、可動ユニット56の着脱作業は前面扉38を開放しないと行えないようになっており、遊技者が勝手に可動ユニット56を取り外そうとしても、可動ユニット56が前面扉38の裏面側に固定されているので、可動ユニット56の盗難、紛失を防ぐことができる。
また、可動ユニット56をスロットマシン10の操作部40に設けることにより、スロットマシン10の操作部40がパチンコ機の操作部と比較して比較的高い位置に設けられているため、可動ユニット56を遊技者の目線の高さで移動させることができる。これにより、可動ユニット56の移動を遊技者に確実に認識させることができる。
一方、BB役やRB役の遊技が終了すると、サブ制御基板86から第2駆動部66に制御信号が出力される。サブ制御基板86から第2駆動部66に制御信号が出力されると、可動ユニット56が第2駆動部66により下方向に移動される。これにより、可動ユニット56は、操作部40の内部にある空間部Mに収納される。
そして、サブ制御基板86から第1駆動部64に制御信号が出力される。サブ制御基板86から第1駆動部64に制御信号が出力されると、第1駆動部64により右側開閉板54R及び左側開閉板54Lが水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部52が閉塞される。このように、可動ユニット56が操作部40の内部にある空間部Mに完全に収納されるため、可動ユニット56が遊技者の操作に対して邪魔になることがない。
また、可動ユニット56が空間部Mに収納されると、サブ制御基板86から照明部62に制御信号が出力され、各照明部62の射光が停止される。
なお、図11に示すように、操作部40の上面上であって開口部52又はその近傍に、可動ユニット56が開口部52の外部に移動したときに各キャラクタ物60R、60M、60Lを覆う透明のカバー部材102を設けるようにしてもよい。これにより、可動ユニット56が開口部52の外部に露出したときに、各キャラクタ物60R、60M、60Lは常にカバー部材102で覆われることになる。この結果、可動ユニット56に直接接触することができなくなるため、可動ユニット56が破損等してしまうことを防止できる。また、カバー部材102は透明であるため、内部の可動ユニット56をカバー部材102の外部から容易に視認することができる。また、カバー部材102を空間部Mに収納できる程度の大きさに設定し、可動ユニット56の各キャラクタ物60R、60M、60Lを常に覆うことができるようにカバー部材102を土台部58に設け、カバー部材102を可動ユニット56と共に移動させるように構成してもよい。
上述した実施形態では、可動ユニット56が移動するのはBB遊技やRB遊技が開始された時としたが、内部抽選によってBB役やRB役が当選してからBB遊技やRB遊技が開始されるまでの遊技中(BB又はRB内部当選状態)に可動ユニット56が移動するものとしてもよい。こうすることで、可動ユニット56が移動した時にBB役又はRB役に内部当選していることを遊技者に報知することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明する。
図1に示すように、第2実施形態に係る遊技機であるパチンコ機200の前面部は、主として外枠202と、中枠204と、前面枠206と、上皿部208と、下皿部210と、から構成されている。
図12乃至図15に示すように、外枠202は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠204は、全体がプラスチック製で、外枠202に対して開閉可能に軸支されている。
前面枠206は全体がプラスチック製であり、前面枠206には遊技盤(図省略)を前方から視認するべく、遊技盤に形成された遊技領域(図示省略)の形状に対応して略円形に形成された開口部212が形成されている。また、前面枠206の裏面には、ガラス板214がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤に形成された遊技領域はガラス板214の後方に位置するようになっている。なお、本実施形態では、ガラス板214を前面枠206の裏面側に取り付けた構成を例にとり説明したが、例えば、前面枠206の前面側にガラス枠により取り付けてもよい。また、ガラス板214に替えて、透明な樹脂板を前面枠206に取り付けることができる。
また、この前面枠206は、パチンコ機200の前面部全体の約2/3のサイズを占め、中枠204の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16の上部中央には、2個のLED216がそれぞれ取り付けられている。
また、前面枠206の下方には、前面扉207が中枠204の左端に対して開閉可能となるように軸支されている。この前面扉207には、遊技側に突出する上皿部208が設けられている。この上皿部208の表面中央部には、所定の効果音を出力するスピーカ218が設けられている。また、上皿部208のスピーカ218の両側には、各種操作スイッチ220がそれぞれ取り付けられている。
ここで、上皿部208の上面上であって左右両側には、開口部(図示省略)がそれぞれ形成されている。また、上皿部208には、駆動により開口部を開放又は閉塞する開閉板(開閉部)が設けられている。この開閉板(開閉部)は、上皿部208に着脱可能に設けられた第1駆動部280(図16参照)により駆動され、水平方向にスライドする。また、上皿部208の内部には、開口部と連通する空間部Mが形成されている。また、空間部Mの内部には、可動ユニット222が着脱可能に設けられている。この可動ユニット222は、土台部224と、土台部224の上面に取り付けられたキャラクタ物226と、で構成されている。また、土台部224には、上皿部208に着脱可能に設けられた第2駆動部282(図16参照)が接続されている。土台部224は、第2駆動部282により駆動され、上下方向に移動する。さらに、土台部224には、垂直方向に射光する複数の照明部284(図16参照)が取り付けられている。
また、第1駆動部280、第2駆動部282及び照明部284はサブ制御基板256とそれぞれ電気的に接続されており、これら各部はサブ制御基板256からの制御信号を受けて作動する。
なお、第1駆動部280、第2駆動部282及び照明部284は、第1実施形態の遊技機に用いられる第1駆動部64、第2駆動部66及び照明部62と同様の構成である。
また、上皿部208の下側には、下皿部210が設けられている。この下皿部210の略中央には、パチンコ機200の内部から遊技球を排出するための排出口228が形成されている。また、下皿部210の遊技者から見て右側には、発射装置ユニットを操作するための発射ハンドル230が設けられている。さらに、下皿部210の遊技者から見て左側には、灰皿240が設けられている。
次に、パチンコ機200を構成する電子制御装置250について説明する。
図16に示すように、電子制御装置250は、主制御基板252と、払出制御基板254と、サブ制御基板256と、発射制御基板258と、を備えている。
主制御基板252は、CPU252Aと、ROM252Bと、を備えている。また、主制御基板252は、中継端子板260を介して、始動口スイッチ262と、大入賞口スイッチ264と、ゲートスイッチ268と、カウントスイッチ270と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板252は、中継端子板272を介して、普通電動役物ソレノイド274と、大入賞口ソレノイド276と、図柄表示装置278と、にそれぞれ電気的に接続されている。
また、主制御基板252のCPU252Aは、ROM252Bに記憶されたデータに基づいて、普通電動役物ソレノイド274、大入賞口ソレノイド276、図柄表示装置278及びサブ制御基板256をそれぞれ制御する。また、主制御基板252のCPU252Aは、遊技全体を司り主として当否判定(例えば、普通図柄抽選処理、特別図柄抽選処理)などの遊技状態を判断するものであり、この判断した遊技状態に沿った遊技環境を実現させるようにサブ制御基板256及び払出制御基板254を直接的に制御する。また、主制御基板252のCPU252Aは、第1駆動部280、第2駆動部282、照明部284、演出表示基板286、アンプ基板288、装飾駆動基板290及び演出ボタン基板292をサブ制御基板256を介して間接的に制御する。
払出制御基板254は、中継端子板294を介して、ガラス枠スイッチ296と、外部タンクスイッチ298と、タンクスイッチ300と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板254は、中継端子板302を介して、エラーLED304に電気的に接続されている。また、払出制御基板254は、下皿満タンスイッチ306に電気的に接続されている。また、払出制御基板254は、中継端子板308を介して、球貸表示基板310と、球貸装置312と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、球貸表示基板310には、球貸スイッチ314と、返却スイッチ316と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板254は、中継端子板318を介して、払出モータ320と払出スイッチ322にそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板254は、発射制御基板258に電気的に接続されている。
図16及び図17に示すように、サブ制御基板256は、第1駆動部280と、第2駆動部282と、照明部284と、演出表示基板286と、アンプ基板288と、装飾駆動基板290と、演出ボタン基板292と、がそれぞれ電気的に接続されている。
また、演出表示基板286は、演出表示装置324と演出表示ROM326にそれぞれ電気的に接続されている。
また、アンプ基板288には、所定の効果音を出力する各種スピーカ218が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板290には、各種LED・ランプ216が電気的に接続されている。さらに、演出ボタン基板292には、操作スイッチ220が電気的に接続されている。
また、図18に示すように、発射制御基板258は、発射駆動基板328を介して、発射モータ330と、発射停止スイッチ332と、タッチスイッチ334にそれぞれ電気的に接続されている。また、発射制御基板258は、球送りソレノイド336に電気的に接続されている。
次に、第2実施形態に係る遊技機の作用について説明する。
なお、第1実施形態に係る遊技機の作用と同様の作用及び効果については、その説明を適宜省略する。
図12及び図14に示すように、遊技をする前には、可動ユニット222は、上皿部208の内部に形成された空間部Mに収納されている。この状態では、遊技者は、可動ユニット222を視認することができない。また、上皿部208の開口部は開閉板により閉塞された状態となっているため、空間部Mに埃やゴミなどが混入することを防止できる。また、開口部は開閉板で閉塞されているため、開閉板の上面のスペースを別の用途に使用することができる。さらに、可動ユニット222が上皿部208の内部にある空間部Mに収納されているため、遊技者が発射ハンドル230を操作する際に可動ユニット222が邪魔になることがない。
ここで、遊技に関して所定の条件が成立し、大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や通常大当り遊技)に突入すると、サブ制御基板256から第1駆動部280に制御信号が出力される。サブ制御基板256から第1駆動部280に制御信号が出力されると、開閉板が第1駆動部280により水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部が開放される。
次に、開口部が開放されると、サブ制御基板256から照明部284に射光に関する制御信号が出力される。これにより、照明部284は垂直方向に射光する。なお、このとき、複数の照明部284は、それぞれ別々の射光タイミング及び射光パターンで射光制御されることにより、遊技者に認識を一層高めることができる。また、照明部284は可動ユニット222を構成する土台部224に取り付けられているため、開口部が開放されると、可動ユニット222が出でくることを遊技者に明確に認識させることができる。この結果、遊技者の遊技に対する意識を高めることができ、遊技者を遊技に一層集中させることができる。
次に、サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信号が出力される。図13及び図15に示すように、サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信号が出力されると、可動ユニット222が第2駆動部282により上方向に移動される。そして、土台部224が上皿部208の上面と面一になる位置に到達すると、第2駆動部282による駆動が停止される。このとき、キャラクタ物226は、上皿部208の外部に位置している状態となる。このように、キャラクタ物226が遊技者の目前にいきなり登場してくるため、遊技環境の演出を一層華やかにすることができる。また、遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技)が成立していることも相まって、遊技者の気分を高揚させ、遊技により一層集中させることができる。この結果、遊技性をさらに向上させることができる。
また、土台部224の大きさは、開口部の大きさと同一又は略同一となるように設定されているため、土台部224と上皿部208の上面が面一になったときに土台部224と開口部の内側との間に隙間が生じることがない。これにより、可動ユニット222が上皿部208の外部に移動したときに開口部の内側と土台部224との間から上皿部208の内部にある空間部Mに異物が混入してしまうことを防止できる。
さらに、可動ユニット222を上皿部208内部の空間部Mに設けることにより、上皿部208内部の既存のスペースを有効に利用することができる。これにより、可動ユニット222を設けるための部材やスペースをパチンコ機200に別途設ける必要がなく、既存の構成部材のスペースを可動ユニット222の収納部としてそのまま用いることができる。この結果、可動ユニット222を設ける場合にパチンコ機200の大きな設計変更が伴うことがなく、また、パチンコ機200の製造コストが増加することを防止できる。さらに、パチンコ機200を大型化させる必要もない。
また、可動ユニット222が上皿部208に対して着脱可能に設けられているため、可動ユニット222のみをパチンコ機200から取り外し、別のパチンコ機にそのまま装着することができる。これにより、可動ユニット222の互換性を向上させることができる。また、可動ユニット222のメンテナンス時には、可動ユニット222のみをパチンコ機200から取り外すことにより、メンテナンス作業の効率を上げることができる。なお、第1駆動部280及び第2駆動部282も上皿部208に対して着脱可能に設けることにより、第1駆動部280及び第2駆動部282のみをパチンコ機200から取り外し、別のパチンコ機にそのまま装着することができ、また、第1駆動部280及び第2駆動部282のみをパチンコ機200から取り外して容易にメンテナンス作業をすることができる。さらに、可動ユニット222や各駆動部280、282が商品寿命の際は、可動ユニット222や各駆動部280、282をパチンコ機200から取り出して新しいものに換えるだけで容易に対処することができる。
一方、大当たり遊技が終了すると、サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信号が出力される。サブ制御基板256から第2駆動部282に制御信号が出力されると、可動ユニット222が第2駆動部282により下方向に移動される。これにより、可動ユニット222は、上皿部208の内部にある空間部Mに収納される。
そして、サブ制御基板256から第1駆動部280に制御信号が出力される。サブ制御基板256から第1駆動部280に制御信号が出力されると、第1駆動部280により開閉板が水平方向にスライドさせられる。これにより、開口部が閉塞される。このように、可動ユニット222が上皿部208の内部にある空間部Mに完全に収納されるため、可動ユニット222が遊技者の操作に対して邪魔になることがない。
なお、上述した第1および第2実施形態では、照明部62が射光するタイミングを開閉板54が開口部52を開放したときに射光するものとしたが、照明部62が射光するタイミングとして開閉板54が開口部52を開放する前に射光するものとしてもよい。こうすることで、開口部52が開放されてから照明部62が射光する間に一瞬の時間差が生じてしまうことを防止することができる。
また、上述した第1および第2実施形態では、開閉板54が開口部52を閉鎖している状態では空間部Mに収容された可動ユニット56を視認することはできないようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、開閉板54をマジックミラーで形成し、所定の条件で開閉板54に向けて照明部62を射光することとしてもよい。マジックミラーに射光することで空間部Mに収容された可動ユニット56が視認可能となり、遊技者に特別な演出が開始されたことを報知することができる。したがって、可動ユニット56が操作部40の外部に移動してくること予期させる効果的な演出を行うことができるので遊技の興趣を高めることができる。