JP4778013B2 - デューティ検出回路およびcdr回路 - Google Patents

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本発明は、入力データのデューティを検出するデューティ検出回路、およびデューティ検出回路を用いて入力データのデューティを補正してデータを識別するCDR回路に関するものである。
図12に従来のデューティ検出回路を示す(例えば、特許文献1参照)。従来のデューティ検出回路は、図12のように、入力データDinを入力とするドライバ40と、抵抗Rfと容量Cfとからなるローパスフィルタ(LPF)50により構成されている。
このデューティ検出回路の動作を説明するために、入力データDinとしてクロックのような交播パターンが入力される場合の波形図を図13(A)、図13(B)に示す。入力データDinは、「H」,「L」,「H」,「L」のごとく「H」と「L」が繰り返し現れる信号列であり、入力データDinの1ビット分である「H」は、デューティが100%のときに、1UI(ユニットインターバル)の時間Tsecだけハイレベルが続き、「L」は1UIの時間Tsecだけローレベルが続く。入力データDinは起点よりNビット入力される。
ドライバ40は、入力データDinが「H」のときに電流Iで容量Cfを充電し、入力データDinが「L」のときに電流Iで容量Cfを放電する。入力データDinのデューティが100%のときは、ドライバ40の出力が「H」になる時間と「L」になる時間が均等であるため、ドライバ40が容量Cfを充放電する動作はバランスし、デューティ検出回路の出力Outの電位はVoのまま一定となる。
次に、入力データDinの「H」のデューティが1UIに対してδだけ少なくなった場合を考える。このときは、入力データDinの「L」のデューティは、1UIに対してδだけ大きくなる。容量Cfの充放電電流Iの時間をT・(1±δ)とする。また、交播パターンなので、入力されたNビットのうちの「H」のビット数と「L」のビット数を等しくN/2とすると、出力Outの電位Voからの電位差ΔV1は以下のように表される。
ΔV1={(1−δ)・T・I・N/2−(1+δ)・T・I・N/2
−(T・I・N/2−T・I・N/2)}・(1/C)
=−δ・I・T・(1/C)・N ・・・(1)
このように、従来技術によると、交播パターンでは、デューティの100%からの差分δに比例し、且つ入力ビット数Nに比例した電位差ΔV1が、デューティ検出結果として、出力Outに表われる。
特開平11−243327号公報
図13(C)、図13(D)は、図12に示した従来のデューティ検出回路に、交播パターンでない入力データDinが入力された場合に、デューティを正確に検出できないことを示す波形図である。入力データDinは、「H」ビットの連続や、「L」ビットの連続を含むが、十分長い時間で見ると、「H」ビットのビット数と「L」ビットのビット数が一致する信号列を仮定する。
ここで、入力データDinの「H」のデューティが1UIに対してδだけ少なくなった場合を考える。このとき、入力データDinの「L」のデューティは、1UIに対してδだけ大きくなる。このδが見えるのは入力データDinに「H」から「L」または「L」から「H」の遷移があった場合に限られるため、式(1)に、入力データDinの遷移確率ηを導入すると、出力Outの電位Voからの電位差ΔV1’は以下のように表される。
ΔV1’=η{(1−δ)・T・I・N/2−(1+δ)・T・I・N/2
−(T・I・N/2−T・I・N/2)}・(1/C)
=−η・δ・I・T・(1/C)・N ・・・(2)
ここで、入力データDinにnビット連続する「L」ビットが現れた場合に着目する。この場合、出力Outの電位Voからの電位差ΔV1’に加わる電位差ΔV2は、式(2)において、δを1、ηを1、Nをnと置き換えて表される。
ΔV2=−I・T・(1/C)・n ・・・(3)
すなわち、入力データDinにnビット連続する「L」ビットが現れた場合には、デューティの100%からの差分を表す比例係数(η・δ・N)が、(n+η・δ・N)となり、(η・δ)が0.5×0.1=0.05程度の値をとることを考えると、デューティの差分を表す係数(η・δ・N)が、入力データDinのパターンに依存する係数nより十分大きく表示されるようにするためには、連続ビット数nの200倍程度のビット数Nを検出する必要がある。
よって、従来のデューティ検出回路では、交播パターン以外の入力データDinのデューティを検出するには、多数のビットを受信しなければならず、正しい検出値を得るまでに長い時間を要し、また、入力データDinのパターンの影響により出力Outの電位が式(3)のごとく大きく変動するため、検出精度も高くできないという問題点があった。
なお、以上のような問題点は、デューティ検出回路を利用するCDR(Clock Data Recovery )回路においても発生する。CDR回路は、入力データからクロックを再生して、そのクロックにより入力データを識別するものであるが、入力データのデューティが100%から大きくずれていると、正常な識別動作ができない。そこで、CDR回路では、デューティ検出回路とデータデューティ補正回路とを用いて、入力データのデューティを補正した上で、データ識別を行う。したがって、デューティ検出回路を利用するCDR回路においても上記の問題点が発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、入力データが交播パターン以外の場合であっても、高速かつ高精度にデューティを検出することができるデューティ検出回路を提供することを目的とする。
また、本発明は、入力データのデューティを高速かつ高精度に補正してデータ識別を行うことができるCDR回路を提供することを目的とする。
本発明のデューティ検出回路は、入力データとこの入力データに周波数および位相が同期したクロックとを入力とし、前記入力データを前記クロックに同期してラッチして基準パルス幅を示すパルス信号を出力するフリップフロップと、前記入力データの平均電圧レベルと前記パルス信号の平均電圧レベルとの差を、前記入力データのデューティ100%からの変動分を示す検出信号として出力する出力回路とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のデューティ検出回路の1構成例において、前記出力回路は、一端に第1の電源電位が与えられる第1の電流源と、一端に第2の電源電位が与えられる第2の電流源と、前記第1の電流源の他端と検出信号出力端子との間に設けられ、前記入力データを制御入力とする第1のスイッチと、前記第2の電流源の他端と前記検出信号出力端子との間に設けられ、前記パルス信号を制御入力とする第2のスイッチと、前記検出信号出力端子と前記第2の電源電位との間に設けられたコンデンサとからなることを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路は、デューティ検出回路と、このデューティ検出回路から出力された検出信号のレベルに応じて、データ識別の対象となる入力データのデューティを補正した補正データを出力するデータデューティ補正回路と、前記補正データのエッジタイミングに同期した再生クロックを生成するクロック再生回路と、前記再生クロックによって前記補正データのデータ識別を行うデータ識別回路とを備え、前記デューティ検出回路は、前記補正データと前記再生クロックとを入力とし、前記補正データのデューティ100%からの変動分を示す検出信号を、デューティ補正量を示す信号として出力することを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例において、前記クロック再生回路は、前記補正データのエッジを検出するゲーティング回路と、このゲーティング回路で検出されたエッジに位相同期した前記再生クロックを生成するゲーテッドVCOとからなることを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例において、前記データデューティ補正回路は、前記入力データの立ち上がり時間と立ち下がり時間の両方あるいはそのどちらかを延伸する遅延回路と、この遅延回路の出力を前記検出信号で閾値判定して出力する閾値回路とからなることを特徴とするものである。
本発明のデューティ検出回路によれば、入力データの同符号連続の影響を受けにくいため、従来のデューティ検出回路と同一の精度で、従来より数百倍程度高速にデューティ検出が可能となる。また、従来のデューティ検出回路と同一の検出時間では、著しく高い精度でデューティ検出を行うことが可能となる。また、本発明では、簡単な回路構成で高速かつ高精度なデューティ検出が可能となる。
また、本発明のCDR回路によれば、入力データの同符号連続の影響を受けることなく、高速かつ高精度なデューティ補正を行うことができ、入力データのデューティが100%から大きくずれている場合でも正常な識別動作が可能となる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るデューティ検出回路の構成を示すブロック図である。
本実施の形態のデューティ検出回路は、入力データDinと入力データDinに周波数および位相が同期したクロックCKとを入力とし、入力データDinをクロックCKに同期してラッチして基準パルス幅(1UI)を示すパルス信号Refを出力するD型フリップフロップ(以下、FFとする)1と、入力データDinの平均電圧レベルとパルス信号Refの平均電圧レベルとの差を、入力データDinのデューティ100%からの変動分を表す検出信号Outとして出力する出力回路2とを備えている。
出力回路2は、一端に電源電圧+V(第1の電源電位)が与えられる電流源3と、一端に接地電位(第2の電源電位)が与えられる電流源4と、電流源3の他端とデューティ検出回路の検出信号出力端子との間に設けられ、入力データDinを制御入力とするスイッチ5と、電流源4の他端とデューティ検出回路の検出信号出力端子との間に設けられ、パルス信号Refを制御入力とするスイッチ6と、検出信号出力端子と接地との間に設けられたコンデンサ7とから構成される。
次に、本実施の形態のデューティ検出回路の動作を説明する。図2(A)〜図2(C)はFF1の動作を示す波形図である。δは入力データDinの100%からのデューティ変動分である。つまり、入力データDinは、デューティ変動分δだけパルス幅が増減する。
FF1は、入力データDinと入力データDinに周波数および位相が同期したクロックCKとを入力とし、入力データDinをクロックCKの立ち下がりに同期してラッチして、基準パルス幅(1UI)を示すパルス信号Refを出力する。
図3(A)、図3(B)は出力回路2の動作を示す波形図である。図3(A)、図3(B)の例は、入力データDinの「H」のデューティが100%に対してδだけ少ない場合を示している。
電流源3は、スイッチ5がオン状態のときコンデンサ7を充電する。電流源4は、スイッチ6がオン状態のときコンデンサ7を放電する。スイッチ5は、入力データDinが「H」のときのみオン状態になる。スイッチ6は、パルス信号Refが「H」のときのみオン状態になる。
入力データDinのデューティが100%のときは、入力データDinが「H」である時間とパルス信号Refが「H」である時間とが均等、すなわちスイッチ5がオン状態である時間とスイッチ6がオン状態である時間とが均等になるため、コンデンサ7の充電動作と放電動作は均衡し、デューティ検出回路の出力である検出信号Outの電位はVoのまま一定となる。
一方、図3(A)のような入力データDinが入力されると、コンデンサ7を放電する時間に比べてコンデンサ7を充電する時間がδ・T(Tは1UIの時間)だけ短くなるため、デューティ検出回路から出力される検出信号Outの電位はVoから以下のΔVだけ低下する。
ΔV=−η・δ・T・I・(1/C)・N ・・・(4)
式(4)において、ηは入力データDinの遷移確率であり、ランダムパターンで0.5、交播パターンで1.0である。また、Iはコンデンサ7の充放電電流、Cはコンデンサ7の容量、Nは入力されたビット数である。式(4)は、前記の式(2)と同じであり、本実施の形態においても、従来と同様に入力データDinの100%からのデューティ変動分δにより、電位差ΔVが表わされることを示している。
なお、入力データDinの「H」のデューティが100%に対してδだけ多い場合は、コンデンサ7を放電する時間に比べてコンデンサ7を充電する時間がδ・Tだけ長くなるため、図3(B)の場合と反対にデューティ検出回路から出力される検出信号Outの電位はVoよりも上昇する。このときのVoからの電位差は、式(4)に示した電位差ΔVを正符号にした値である。
本実施の形態と図12に示した従来のデューティ検出回路との違いは、入力データDinが同符号連続すると、スイッチ5,6はオフ状態のままとなるか、あるいはオン状態のままとなり、コンデンサ7の充電動作と放電動作が均衡し、デューティ検出回路の出力信号Outの電位が保持される点にある。つまり、図3(A)のように入力データDinの「L」がnビット連続する場合には、入力データDinとパルス信号Refが共に「L」のままとなって、スイッチ5,6はオフ状態のままとなり、入力データDinの「H」が連続する場合には、入力データDinとパルス信号Refが共に「H」のままとなって、スイッチ5,6はオン状態のままとなる。
したがって、従来のデューティ検出回路で見られたような、式(3)で表される電位差ΔV2は全く発生せず、電位差ΔVに影響を与えることがないので、従来のようにローパスフィルタの値を単位ビットの数千倍の長さに設定する必要がない。コンデンサ7の容量は、1回の充放電時の電位変化がΔV(あるいはデューティ補正の精度)に影響を与えない程度に設定すれば良い。これにより、ΔVの変化の時定数は、従来のデューティ検出回路の数十分の1程度に高速化でき、従来に比べて数十倍高速にデューティ検出が可能である。こうして、本実施の形態では、入力データDinの100%からのデューティ変動分δを、少ないビット数のデータから正確に検出することができ、高速かつ高精度なデューティ検出が可能となる。
また、発明者は、図1のFF1の代わりに、図4に示すような回路を用いるデューティ検出回路を提案した(特願2007−075749)。401,402はFF、403,405は排他的論理和回路、404,406は論理積回路である。図4の回路を用いる場合には、デューティ100%からの差分をパルス幅で表す信号Errを図1のスイッチ5に入力して、スイッチ5のオン/オフを制御すると共に、パルス信号Refによりスイッチ6のオン/オフを制御すればよい。
しかしながら、図4に示した回路では、伝達周波数帯域の狭い排他的論理和回路や論理積回路を使用しているため、高速動作時にエラーが発生するという問題点があった。
これに対して、本実施の形態では、このようなエラーが発生することはなく、高速な入力データDinに対しても正常にデューティを検出することができる。また、図4の回路と同様の機能を1個のFFで実現できるので、回路規模を削減することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
CDR回路は、データデューティ補正回路10と、デューティ検出回路11と、クロック再生回路12と、データ識別回路13とを備えている。デューティ検出回路11としては、第1の実施の形態で説明したものが使用される。
図6はクロック再生回路12とデータ識別回路13の構成の1例を示すブロック図である。クロック再生回路12は、ゲーティング回路120と、ゲーテッドVCO(Voltage Controlled Oscillator)121とから構成される。ゲーティング回路120は、バッファ122と、遅延回路123と、否定論理積回路124とからなり、ゲーテッドVCO121は、インバータ125,126と、否定論理積回路127とからなる。
ゲーティング回路120は、入力データDinの立ち上がりエッジを検出する。ゲーテッドVCO121は、入力データDinの立ち上がりエッジに位相同期した再生クロックCKを生成する。データ識別回路13は、FFで構成される。
図7(A)〜図7(C)を用いてクロック再生回路12とデータ識別回路13の動作を説明する。図7(A)〜図7(C)は、入力データDinのデューティが100%の場合を示している。ゲーティング回路120は、図7(A)に示す入力データDinの立ち上がりエッジで幅1/2UIのパルスを発生し、ゲーテッドVCO121の否定論理積回路127に入力することで、再生クロックCKの位相を入力データDinの位相に一致させる。結果として、入力データDinの立ち上がりエッジに位相同期した再生クロックCKが、クロック再生回路100から出力される(図7(B))。
データ識別回路13では、データ入力端子Dに入力データDinが入力され、クロック入力端子Cに再生クロックCKが入力される。再生クロックCKは、入力データDinと位相が一致している。データ識別回路13を構成するFFは、再生クロックCKの立ち下がりエッジを起点として入力データDinを波形整形し、再生された出力データDoutを出力端子Qから出力する(図7(C))。
図8はデータデューティ補正回路10の構成の1例を示すブロック図である。データデューティ補正回路10は、ドライバ101と、コンデンサ102と、閾値回路103とから構成される。
入力データDaをドライバ101の入力に接続し、ドライバ101の出力にコンデンサ102と閾値回路103の入力とを接続する。コンデンサ102の他端は、接地される。ドライバ101とコンデンサ102とは、入力データDaの立ち上がり時間と立ち下がり時間の両方あるいはそのどちらか一方を延伸する遅延回路を構成している。
閾値回路103は、入力データDaの立ち上がり時間と立ち下がり時間の両方あるいはどちらか一方を延伸した信号を、デューティ検出回路11の出力である検出信号Outで閾値判定して出力し、この閾値回路103の出力がデータデューティ補正回路10の出力である補正データDinとなる。
次に、図9(A)〜図9(C)を用いてデータデューティ補正回路10の動作を説明する。データデューティ補正回路10のドライバ101の出力に接続されたコンデンサ102により、ドライバ101の出力であるデータDa2は、図9(A)に示す入力データDaの立ち上がり時間と立ち下がり時間が延伸されたデータとなる(図9(B))。次段の閾値回路103は、検出信号Outの電圧レベルを閾値THとして、入力データDa2の電圧が閾値THを越えると、出力端子に「H」レベルの補正データDinを出力し、入力データDa2の電圧が閾値THを下回ると、出力端子に「L」レベルの補正データDinを出力する回路である(図9(C))。
入力データDaの立ち上がり時間と立ち下がり時間を延伸したデータDa2に対し、入力データDaとしてデューティが100%の信号が入力されたとき、出力データDoutのデューティが100%となる検出信号Outの電圧レベルを検出信号Outの中心電位(第1の実施の形態のVo)に設定する。検出信号Outが中心電位Voより低くなると、データデューティ補正回路10は、入力データDaよりデューティの大きい信号を補正データDinとして出力する。また、検出信号Outが中心電位Voより高くなると、データデューティ補正回路10は、入力データDaよりデューティの小さい信号を補正データDinとして出力する。以上、データデューティ補正回路10は、検出信号Outのレベルに応じて入力データDaのデューティを補正して補正データDinとして出力する。
デューティ検出回路11の出力である検出信号Outを、データデューティ補正回路10の閾値として使用し、データデューティ補正回路10の出力である補正データDinをデューティ検出回路11の入力として使用することにより、図10(A)に示すように入力データDaのデューティが100%のときには、検出信号Outは中心電位Voに止まり(図10(B))、入力データDaがそのまま補正データDinとして出力される(図10(C))。クロック再生回路12とデータ識別回路13の動作は先に説明したとおりであり、データ識別回路13から出力データDoutが出力される(図10(E))。
一方、図11(A)に示すように入力データDaのデューティが100%より極めて小さい場合には、検出信号Outが中心電位Voより低い電位に移動し(図11(B))、入力データDaのデューティが増やされて補正データDinとして出力される(図11(C))。したがって、入力データDaのデューティが100%より小さい場合であっても、データ識別回路13では正常な識別動作が行われ、正常な出力データDoutが出力される(図11(E))。
なお、特に図示していないが、入力データDaのデューティが100%より極めて大きい場合には、検出信号Outが中心電位Voより高い電位に移動し、入力データDaのデューティが減じられて補正データDinとして出力される。したがって、入力データDaのデューティが100%より大きい場合であっても、データ識別回路13では正常な識別動作が行われ、正常な出力データDoutが出力される。
ここで、本実施の形態のデータデューティ補正に要する時間について言及する。本実施の形態では、従来の増幅回路等で行われているような、入力データそのものの平均値をとり、「H」レベルの時間と「L」レベルの時間に見合った補正信号を使用していない。その理由は、この従来方法では、補正信号の電位変動が、入力データの同一符号の連続ビット長に大きく依存するためである。つまり、入力データの連続ビット長が長くなるほど、平均する時間を長く設定しないと、補正信号の電圧レベルが連続信号の終わりまでに大きく変動して、デューティも大きく変動してしまうためである。
これに対し、本実施の形態では、第1の実施の形態で説明したデューティ検出回路11を用いることにより、入力データDaの同一符号の連続ビット長に依存せずに、デューティ検出回路11のコンデンサ7の出力の平均値の変動のみに注目して、データデューティ補正時間を決定することができる設計自由度を持つ。結果として、本実施の形態では、同一符号の連続ビットが長く続く入力データDaに対しても、デューティ補正を高速に行うことができる。
本実施の形態の特徴をまとめれば次の通りである。まず、本実施の形態では、入力データDaのデューティが100%から大きくずれている場合でも正常な識別動作を可能とする。すなわち、入力データDaのデューティが100%からずれている場合、デューティ検出回路11からデューティ補正量を示す検出信号Outを得ることができ、この検出信号Outに応じて、データデューティ補正回路10で入力データDaのデューティ補正を行うことで、正常な識別動作を可能とする。次に、本実施の形態では、入力データDaのデューティの検出を、データの「H」レベルと「L」レベルの平均値ではなく、入力データDaの立ち下がりエッジと再生クロックCKとの時間位置の比較で行っているため、入力データDaの連続符号長に依存せずに、デューティ補正が完了する時間を決定できる。結果として、本実施の形態では、同一符号の連続ビットが長く続く入力データDaに対しても、デューティ補正を高速に実現することができる。
本発明は、入力データのデューティを検出する技術、および入力データからクロックを再生して、そのクロックにより入力データを識別する技術に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るデューティ検出回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るデューティ検出回路のD型フリップフロップの動作を示す波形図である。 本発明の第1の実施の形態に係るデューティ検出回路の出力回路の動作を示す波形図である。 従来のデューティ検出回路の別の例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路のクロック再生回路とデータ識別回路の構成の1例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路のクロック再生回路とデータ識別回路の動作を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路のデータデューティ補正回路の構成の1例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路のデータデューティ補正回路の動作を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路において入力データのデューティが100%の場合の動作を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路において入力データのデューティが100%より小さい場合の動作を示す波形図である。 従来のデューティ検出回路の構成を示すブロック図である。 従来のデューティ検出回路の動作を示す波形図である。
符号の説明
1…D型フリップフロップ、2…出力回路、3,4…電流源、5,6…スイッチ、7…コンデンサ、10…データデューティ補正回路、11…デューティ検出回路、12…クロック再生回路、13…データ識別回路。

Claims (5)

  1. 入力データとこの入力データに周波数および位相が同期したクロックとを入力とし、前記入力データを前記クロックに同期してラッチして基準パルス幅を示すパルス信号を出力するフリップフロップと、
    前記入力データの平均電圧レベルと前記パルス信号の平均電圧レベルとの差を、前記入力データのデューティ100%からの変動分を示す検出信号として出力する出力回路とを備えることを特徴とするデューティ検出回路。
  2. 請求項1に記載のデューティ検出回路において、
    前記出力回路は、
    一端に第1の電源電位が与えられる第1の電流源と、
    一端に第2の電源電位が与えられる第2の電流源と、
    前記第1の電流源の他端と検出信号出力端子との間に設けられ、前記入力データを制御入力とする第1のスイッチと、
    前記第2の電流源の他端と前記検出信号出力端子との間に設けられ、前記パルス信号を制御入力とする第2のスイッチと、
    前記検出信号出力端子と前記第2の電源電位との間に設けられたコンデンサとからなることを特徴とするデューティ検出回路。
  3. 請求項1または2に記載のデューティ検出回路と、
    このデューティ検出回路から出力された検出信号のレベルに応じて、データ識別の対象となる入力データのデューティを補正した補正データを出力するデータデューティ補正回路と、
    前記補正データのエッジタイミングに同期した再生クロックを生成するクロック再生回路と、
    前記再生クロックによって前記補正データのデータ識別を行うデータ識別回路とを備え、
    前記デューティ検出回路は、前記補正データと前記再生クロックとを入力とし、前記補正データのデューティ100%からの変動分を示す検出信号を、デューティ補正量を示す信号として出力することを特徴とするCDR回路。
  4. 請求項3に記載のCDR回路において、
    前記クロック再生回路は、
    前記補正データのエッジを検出するゲーティング回路と、
    このゲーティング回路で検出されたエッジに位相同期した前記再生クロックを生成するゲーテッドVCOとからなることを特徴とするCDR回路。
  5. 請求項3に記載のCDR回路において、
    前記データデューティ補正回路は、
    前記入力データの立ち上がり時間と立ち下がり時間の両方あるいはそのどちらかを延伸する遅延回路と、
    この遅延回路の出力を前記検出信号で閾値判定して出力する閾値回路とからなることを特徴とするCDR回路。
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