JP4776547B2 - ヒドロホルミル化の改良 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒドロホルミル化における改良またはヒドロホルミル化に関する改良に関する。
ヒドロホルミル化は、原料オレフィンより一個より多くの炭素原子を含有するアルデヒド類およびアルコール類を形成するために、触媒の存在下で、オレフィンを一酸化炭素および水素と反応する周知のプロセスである。このプロセスは何年もの間商業的に行われてきたが、原理的に技術的に二つのグループに分けられる。一つは、低圧または中圧のオキソ・プロセス群として知られていて、低圧において必要な安定性を提供する有機リン配位子を持つロジウムの有機金属錯体の触媒としての用途を一般に含み、10〜50バール(Bar)の圧力で働く。第二のプロセス群は、高圧または中圧のプロセス群として知られていて、一般にコバルトまたはロジウム・ベース触媒の使用を含み、通常50〜350バールの圧力で働く。一般に低圧プロセスは、エチレン、プロピレンおよびn-ブテンのような、非分岐で末端の、主として低オレフィンのヒドロホルミル化に使用され、n-ヘキセン-1、n-オクテン-1およびフィッシャー-トロプシュ・プロセスによって生産される高炭素数末端オレフィンの混合物を含む。高圧または中圧のプロセスは、線状内部および分岐高オレフィン(たとえば5個以上の炭素原子を含むもの)のヒドロホルミル化に主として使われる。このプロセスは「高級アルコール」として知られているもの、またはアルデヒドまたはC6〜C15の範囲、特にC9〜C13の範囲にある酸を生成するために広く使われる。このような物質は、アルデヒドおよびフタル酸のエステル、シクロヘキサン・ジカルボン酸のエステル、トリメリト酸またはアジピン酸のエステル、ピロメリト酸の種々の異性体のエステル、およびポリオール・エステル、エトキシレートのような潤滑性エステルまたは可塑剤の生成において、またサルフェートまたはエトキシサルフェートのような界面活性剤誘導体においても、通常使われる。
ヒドロホルミル化は通常、連続またはバッチ・プロセスである大容量リアクターにおいて行われる。本発明は、2つ以上のリアクターにおいて行われるヒドロホルミル化と関係する。
本発明は、高圧または中圧で連続的に作用するヒドロホルミル化の改善、およびコバルト・ベース触媒の使用(他の触媒系を使用することもできるが)と関連する。
原料の使用の効率性における最大規模の工業化学プロセスの改良と同様に、未反応原料の再利用の最適化および反応条件の最適化、原料バランスおよび他の変数が最も重要である。数パーセントの変換、生産高および効率性の改良は、極めて重要な改良である。
高圧および中圧ヒドロホルミル化(時にはOXOとして知られる)反応は、高圧条件のために反応中に液体中に少なくとも部分的に溶解される、標準的にガス原料と液体原料の反応を含み、ガス原料はまた液相中に液滴または気泡として混入されても良い。未反応原料は反応後放出される。本発明は、反応系においてこのような廃ガスのリサイクル(再使用)を最適化することに関係する。本発明は、反応条件を最適化するために、およびこれによるヒドロホルミル化反応の変換および生産の最適化をするために、特に新鮮なガス原料およびリサイクルガスを合わせたものの使用によるガス利用の最適化と特に関係する。
発明を解決するための手段
高圧ヒドロホルミル化において含まれる開始液体は、オレフィンオリゴマー化単位から得られるもののようなオレフィンの混合物であるオレフィンを含む。たとえば、オレフィンは、リン酸触媒化オリゴマー化C3およびC4オレフィンおよびこれらの混合物によって得られるC5〜C12オレフィンの混合物であるオレフィンであっても良い。オレフィン混合物が使用される場合には、所望の炭素数を持つアルデヒド類およびアルコール類の生成に適切な炭素数の比較的狭い沸点切断混合物を得るためにそれらを断片化しても良い。代わりに、他のオリゴマー化技術によって、オレフィンを得ても良い。たとえば、オクトール(Octol(商標))プロセスのようなニッケル酸化物触媒を使ったブテンの二量化、またはニッケル塩を用い、ジメルゾル(Dimersol(商標))プロセルの範囲のようなジ・アルキル・アルミニウム・ハロゲン化物、またはゼオライト触媒を含む、エチレン、プロピレンおよび/またはブテンのオリゴマー化プロセスである。このオレフィンをエチレン成長プロセスから得ても良い。その場合においてそれらはしばしば線状アルファオレフィンまたは正規のアルファオレフィンと呼ばれる。またはそれらはフィッシャー-トロプシュ・プロセスから得られる混合物であることもできる。それは主として末端オレフィンを含み、それらの最長アルキル鎖に沿って幾つかの側鎖を示す。
高中圧ヒドロホルミル化において含まれるガスは、一酸化炭素および水素を含み、しばしば合成のガスまたは「合成ガス」として知られる混合物中に供給される。部分酸化技術(POX)、または水蒸気改質(SR)、またはしばしば自己熱改質(ATR)と呼ばれるこれらの組合せの使用によって、合成ガスを得ることができる。それは、メタン、天然ガス、エタン、プロパンおよび/またはブタンのような石油コンデンセート、ナフサまたは他の軽い沸騰炭化水素液体、ガソリンまたは蒸留液のような石油液体ばかりではなく、ヒドロホルミル化を含む種々のプロセスからの副産物およびより重い油を含む、ほとんどあらゆる炭素含有原料から、また石炭およびバイオマスや廃棄プラスチックのような他の個体原料からの副産物からも発生することができる。液体原料に関して、水蒸気改質装置は実際の改質装置の反応に入る前に、原料の一部をメタンに変換するための前改質装置を含んでも良い。ガス原料蒸気は窒素、ヘリウム、アルゴン、メタンおよび二酸化炭素のような不活性成分を含むこともできる。それらは、ほとんどは不活性であるけれど、希釈効果を持ち反応温度を制御するのを補助することができるという点において重要である。不活性ガスを有する問題点は、それらの濃度は時間が経過すると変化し、ヒドロホルミル化工程におけるそれらの効果を変える可能性があるということである。窒素、ヘリウムおよびアルゴンは、酸素の供給と一緒に、或いは、空気または濃縮空気が合成ガスの発生用原料として使われるとき、不純物として入る可能性がある。また、天然ガスまたはメタン原料はこのような不活性ガスを含む可能性がある。合成ガス発生中に不完全変換から、またはフロー・スキーム(流れの概要)において含まれる可能性のあるメタン生成リアクターから、メタンを取り除くことができる。原料レベルが変化し、作用条件が変化する可能性があるときは、これらの不活性ガスのレベルも変化する可能性がある。
酸性ガス吸収装置/再生装置システムがこれらのガスの下流に含まれる場合には、二酸化炭素レベルは、合成ガス発生の反応条件によって、または吸収装置および再生装置の効率によって、制御される。その結果、新鮮な合成ガス中の二酸化炭素レベルは、変化しすぎる傾向にある。
本発明に含まれるガスは、新鮮なガスおよび未反応のリサイクルガスである。本発明の重要な観点は、リアクター中のガスの適切なバランスを得るためのリサイクルガスの使用である。ガスの圧縮は、特にガスが中高圧レベルまで上げられるとき、エネルギー大量消費的であり、また、ガスの圧縮は、ガスがかなりの量の水素を含むとき、エネルギー使用において特に非効率である。ヒドロホルミル化反応生成物から未反応ガスを分離することおよびリアクターへこのオフガスの部分的リサイクルは、ヒドロホルミル化リアクターにガス原料の全体利用を改良するための周知の方法である。このガスのリサイクルを用いて、新鮮なガス中の不活性ガスの存在のおかげで、不活性ガスはこのシステムでは増加し、水素および一酸化酸素のような反応性成分の分圧を減少させる。オフガスの混合物の一部をパージすることは、不活性ガスの過度の増加を避けるための典型的な解である。
ヒドロホルミル化反応は連続的反応でもまたはバッチ反応であっても良いが、本発明は、連続的反応と関係している。本発明が関係する反応は、先頭または前方リアクターとしてガスリフト・リアクターを含み、もっと好適にはループ・リアクターを含む連続する2つ以上のリアクター中で発生する。連続リアクターは、一つまたは数個の反応容器内で、明確な分離した区画から作製されても良い。代替的に、連続リアクターの一つのリアクターを、それ自体、連続に又は並行に構成される異なる容積で作製することもできる。
主要ヒドロホルミル化反応は、アルデヒドを生成するために、一酸化炭素および水素を用いたオレフィンの反応である。
オレフィン+CO+H2・・・・→アルデヒド
この反応は、等モル量のCOおよびH2を消費する。その反応速度は水素対COの比に比例する。新鮮な原料の合成ガスが等モル量のCOおよび水素を含まないとき、このH2/CO比は、反応がヒドロホルミル化リアクターゾーンを通って進行するにつれて、当然変化するはずである。
また、COおよびH2は必ずしも等モル比で消費される必要のない、多くの競合的および連続的ガス消費反応が存在する。
オレフィン+H2・・・・→パラフィン
オレフィン+CO+H2O・・・・→酸
アルデヒド+H2・・・・→アルコール
アルデヒド+CO+H2・・・・→ギ酸エステル
アルデヒドは、ヘミアセタール、R1-CHOH-O-R2を形成するためにアルコールと一緒に凝縮することができる。これらは余り安定ではなく、不飽和エーテルを形成するために水を分離する。
これは再びガス消費反応を行うことができる。
不飽和エーテル+H2・・・・→ジ-アルキル・エーテル
不飽和エーテル+CO+H2・・・・→エーテル・アルデヒド
すべてのこれらの他のガス消費反応はまた、各々のリアクター全体および連続リアクター全体に存在するCOおよび水素の品質に影響を与える。これらの反応速度はまた、必ずしも一定ではないこれらの反応ゾーンの各々の特定場所における条件および濃度に依存する。それゆえ、COおよび水素の存在は、絶対的には反応ゾーン全体では一定ではない。また、COおよび水素の存在は、直列の2つ以上のリアクターが使われる場合特に、相対的には少なくなることもある。
反応ゾーンのその部分での所望の範囲内において、2番目およびそれに続くどんなリアクターにおいてもCOおよび水素の濃度や割合をコントロールする必要がある。本発明は、このようなコントロールを提供する。
アルコールを生成する工業的ヒドロホルミル化プラントにおいて、主としてアルデヒド、または、アルコール、アルデヒドおよびギ酸エステルの混合物からなるヒドロホルミル化の少なくとも一部の生成物は、潜在的に種々の他の化合物と一緒に、アルデヒドおよびギ酸エステルをアルコールへ変換し、不純物レベルを減少するために水素化される。ある触媒に関して、これらのギ酸エステルは、他のものの間で、アルコールおよび一酸化炭素に分かれ、水の存在の下で、水性ガスシフト反応を行い、水素と二酸化炭素を生成することができる。代替的に、ギ酸エステルは、アルコールおよびギ酸を形成するために加水分解することができ、その後で一酸化酸素と水素に分解できる。この形成される水素は、その後で水素化反応に関与するために利用できる。概して、水素化反応は典型的に、化学量論的に過剰な水素を用いて行われ、その結果未反応の水素の流れを生じる。一面において、その結果本発明はまた、この流れの使用と関係し、連続する2つ以上のリアクターを含むヒドロホルミル化反応において、第二および後続のリアクター内の最適ガス・バランスを提供する。他の流れと同様に、この水素オフガスは窒素やメタンのような不活性ガスを含んでも良い。それはまた、最初に説明したように二酸化炭素を含んでも良い。しかし、通常それは大量の一酸化炭素は含まない。何故ならこれは、水素化工程において使用される多くの触媒上で行われる水性ガスシフト反応(H2O+CO⇔CO2+H2)の平衡に反するからである。水素化からくるオフガス中の一酸化炭素は通常1モル%以下であり、好適には0.5モル%以下であり、もっと好適には0.4モル%以下である。
WO94/29018から、連続するリアクター中でヒドロホルミル化反応を行うことは既知である。またWO94/29018から、新鮮なオレフィンおよび新鮮な合成ガスを第一および第二のリアクターへ供給することも既知である。この分割された原料は、有益であると分かる。何故なら、第一のリアクターがガスリフト・リアクターまたは好適にはループ・リアクターであるとき、第一のリアクターの内部流体の循環および混合は、下方へ移動する部分と比較すると、リアクターの上方へ移動する部分においてさらに多くのガスを持つことによって生じる密度差によって引き起こされ、またそのとき、オレフィン供給量が、特に反応に必要なガスの付加量と結合して、ある限界以上に増大すると、第一のリアクターが不安定になりうるからである。先頭リアクターへ供給されうるオレフィンの最大量は多くの要因に依存し、またプロセスされている特定のオレフィンの反応度にも依存する。新鮮なオレフィン原料が第一および第二のリアクター間で分割される場合は、もっと安定する条件を実現できる。合成ガスの最適量は第一のリアクターへ供給される場合、存在する大量のガスのために、流体力学的不安定さが存在しうる。これらの不安定さはまた、リアクターの温度変動につながりうる。これは、リミット・サイクルとしても知られている、周期的な固有の定常状態条件につながりうる。さらなる増大がリミット・サイクルを大きくする可能性があり、結局、もっと深刻な条件の多様性につながり、通常は暴走または、開始時にはリアクターをスタート不能にする。この状態は、温度や触媒濃度を調整することによって管理することも可能である。しかし、好適には、不安定さのリスクと帰結を軽減するために、新鮮な合成ガスの一部は第二のリアクターへ供給される。先頭のガスリフト・リアクター内の可能な不安定性に対処するための別の方法は、2つの先頭リアクターを並行して提供することであり、両方に独立して供給され、両方から二番目の位置にある第三のリアクターへそれらの生成物を供給する。この方法はさらに、オレフィンの分割原料および/または二番目の位置にあるリアクターへの新鮮な合成ガスと組み合わせることもできるし、また本発明の目的の第二のリアクターにおいて組み合わせることもできる。US特許4320237も連続するリアクターを用いている。
US特許3378590は、一つのヒドロホルミル化リアクターとコバルト触媒を使って、オレフィンおよび合成ガスをヒドロホルミル化する。ヒドロホルミル化反応中に未反応であるガスはヒドロホルミル化リアクターへリサイクルされる。US特許3378590において、コバルト・カルボニルを含むヒドロホルミル化の生成物は、アルデヒドがアルコールへ水素化され、金属カルボニルが金属と一酸化炭素へ分解される水素化ゾーンへ移動する。未反応水素および一酸化炭素の混合物をヒドロホルミル化リアクターへリサイクルすることができる。
US特許4049725において、水素および一酸化炭素の混合物は、この水素化がヒドロホルミル化反応において使われる後に獲得される部分的に水素消耗した廃棄流れやアルデヒドの水素化に使われる。
一酸化炭素に対する水素の比は、ヒドロホルミル化反応の開始の重要な尺度である。ファルベの本「一酸化炭素を用いた新合成」の17ページに彼が述べているように、反応速度はその比に直接に比例する。彼はまた、各々の温度およびコバルト濃度に関して、コバルトカルボニル触媒を安定にするためには、一酸化炭素の最小分圧で存在しなければならず、その結果、そのコバルトからコバルトとしてまたは金属としてメッキは起こらない、ということを述べている。結果として、最小の一酸化炭素の存在のこれらの必要性の範囲内で、水素濃度が高くなるとさらに良くなる。
ヒドロホルミル化反応は通常、リアクターへ供給される反応性原料を全部変換しない。その結果、ヒドロホルミル化の生成物は未反応原料、特に一酸化炭素および水素を含む。殆どの反応が起こった後でさえ、従来適用される過剰な一酸化炭素は触媒の安定性を保証する。リアクターセクションの後部において反応速度を上げた状態を保つために、水素過剰は通常望ましい。
ヒドロホルミル化の生成物(主にアルデヒドおよびアルコールだが、少しのギ酸エステルや重い原料を含む可能性もある)は、通常少なくとも部分的に、それ自体として、またはオプションとして蒸留後に、水素付加リアクターへ供給される。これは通常触媒除去後に行われ、生成物はその後、アルコールを生成するために水素化される。水素化リアクター中に過剰の水素が存在し、それは使い残され廃棄ストリーム(流れ)となる。オプションとして、ヒドロホルミル化反応から一部のアルデヒドを分離して、アルデヒドとして使用しても良いし、またはカルボン酸へ変換しても良い。
その結果、アルコールの商用生産において多くのガス・ストリーム(流れ)が存在し、本発明は、ヒドロホルミル化反応全体およびヒドロホルミル化と水素化との両方を含むプロセス中のガス利用の最適化と関係している。
本発明の一つの観点に従って、第二のリアクター中のガス組成を調整するために、ヒドロホルミル化が、連続する少なくとも2つのリアクター中で起こる場合や、未反応ガスが少なくとも第二のリアクターへリサイクルされる場合に、オレフィンのヒドロホルミル化のプロセスが提供される。
第二の観点に従って、本発明は、ヒドロホルミル化生成物を形成するために連続する少なくとも2つのリアクター中で、一つ以上のオレフィンを触媒的にヒドロホルミル化し、ヒドロホルミル化生成物から触媒残留物を除去し、その結果実質的に触媒フリーのヒドロホルミル化生成物を水素化することを含む、アルコールの生成用プロセスを提供する。ここで、水素化工程からの未反応水素は、ヒドロホルミル化工程において使われる連続するリアクターのうちの少なくとも二番目の位置にあるリアクターへリサイクルされる。
第三の観点に従って、本発明は、ヒドロホルミル化生成物を形成するために連続する少なくとも2つのリアクター中で、一つ以上のオレフィンを触媒的にヒドロホルミル化し、実質的に触媒フリーヒドロホルミル化生成物を形成するために、ヒドロホルミル化生成物から触媒残留物を除去し、その結果実質的に触媒フリーのヒドロホルミル化生成物を水素化することを含む、アルコールの生成用プロセスを提供する。ここで、ヒドロホルミル化工程からの未反応ガスは、ヒドロホルミル化工程において使われる連続するリアクターのうちの少なくとも二番目の位置にあるリアクターへリサイクルされる。また、水素化工程からの未反応水素は、ヒドロホルミル化工程において使われる連続するリアクターのうちの少なくとも二番目の位置にあるリアクターへリサイクルされる。
第四の観点に従って、本発明は、高中圧ヒドロホルミル化反応を提供する。ここで、ヒドロホルミル化触媒の存在下で、一つ以上のオレフィンを一酸化炭素および水素を用いて反応し、ここで、ヒドロホルミル化は連続する少なくとも2つのリアクター中で行われ、第一のリアクターへの原料は以下の混合物を含む。
i)オレフィン
ii)一酸化炭素
iii)水素
iv)ヒドロホルミル化反応からの未反応ガス原料を含むリサイクルガス
また、第二のリアクターへの原料は以下を含む。
i)第一のリアクターからの未反応生成物
ii)ヒドロホルミル化反応からの未反応ガス原料を含むリサイクルガス
さらに好適な実施形態において、ヒドロホルミル化は連続する少なくとも3つのリアクター中で行われ、第三のリアクターへの原料は以下を含む。
i)第二のリアクターからの反応生成物
ii)ヒドロホルミル化反応からの未反応ガス原料を含むリサイクルガス
さらに好適な実施形態において、ヒドロホルミル化は連続する4つのリアクター中で行われ、第四のリアクターへの原料は第三のリアクターからの反応生成物からなる。必要に応じてさらにリアクターを含んでも良い。オプションとして、ガスリッチ水素および/またはリサイクルガスの一部を、第四のおよび/または後続のリアクターの原料へ付加しても良い。
本発明はさらに、本発明の種々のプロセスの作業用装置を提供する。
ヒドロホルミル化は典型的には、ヒドロホルミル化触媒の存在下において高温高圧で行われる。最適の温度および圧力は、オレフィンの炭素数、オレフィンの構造(線状か分岐状か、分岐構造、オレフィン結合の位置)、および原料中のオレフィン濃度において、オレフィン原料の性質に依存する。原料は通常、飽和および不飽和の(主としてオレフィン)原料の混合物である。典型的な圧力は、50〜350barg(バール)、好適には150または250〜350barg、最適には275〜325bargである。典型的な温度は、120〜185℃または190℃、好適には165または170〜180℃または185℃である。あるオレフィン原料は好適には、オレフィン反応性または反応選択性の理由で、100または120〜140℃のような低温度でヒドロホルミル化しても良い。高圧ヒドロホルミル化において使われる触媒は、ロジウムかコバルトのどちらかの触媒である。好適には、活性コバルト触媒はヒドロコバルトカルボニルであり、ロジウム触媒はロジウムカルボニルを含む。コバルトを使う場合、原料のオレフィン量に関して、コバルト濃度は、典型的には0.8重量%コバルトまで、好適には0.02または0.05重量%〜0.8重量%コバルト、もっと好適には0.1重量%〜0.5重量%で使っても良い。ロジウムを使う場合、オレフィン原料に対して重量で、0.1〜200ppm、好適には0.2〜50ppm、もっと好適には0.3〜20ppm、さらにもっと好適には重量で0.4〜5ppmのように、かなり濃度を低くしても良い。
オレフィン原料中に前もって吸収しておよび/または新鮮な触媒として、触媒を供給しても良い。触媒は好適にはオレフィン原料中に吸収して供給される。コバルトの場合には、最初のコバルト種はジコバルト・オクトカルボニルCo2(CO)8、または酸を持つコバルト塩、たとえばコバルト炭酸塩または適度な強さの別の酸を持つコバルト塩、および好適には有機酸を持つコバルト塩である。このような有機塩は、たとえばギ酸または酢酸を持っても良いし、或いはオレイン酸、ステアリン酸、またはナフテン酸のような高い分子量の酸を持っても良いし、或いはヒドロホルミル化工程またはその下流の触媒除去工程における副産物として作られ、さらに水素化処理を長持ちさせる、より重いカルボン酸を持っても良く、最終的にはアルデヒドまたはアルコール蒸留工程の重いオキソ化蒸留副産物になる。触媒はまたコバルト酸化物または水酸化物でも良い。このコバルト原料は、カルボニル形態にそれを変換するために、分離リアクターにおいて前処理しても良いし、またはこの変換はヒドロホルミル化リアクター自体において起こっても良い。ヒドロホルミル化条件で、2つのコバルトカルボニルの間でそれ自体平衡に達すると考えられる。
式1
Figure 0004776547
ヒドリドコバルトテトラカルボニル(HCo(CO)4)は、一般に活性触媒形態または少なくとも活性触媒形態への前駆体であると信じられている。ヒドロホルミル化反応の水素分圧が高くなればなるほど、および温度が高くなればなるほど、ヒドロコバルト・カルボニルの濃度が大きくなり、その結果反応速度が大きくなる。
より高温の影響および/または一酸化炭素のより低い分圧下で、ジコバルトオクタカルボニルは、一酸化炭素を分離し、コバルト・クラスター形態を形成する。このコバルト・クラスター形態は、徐々にもっと多くのコバルトおよびより少ないカルボニル機能を含み、ほとんど一酸化炭素を含まず、コバルト金属の状態に近いか金属的である形態で、コバルト化合物が溶液から出てくるところまで、反応媒体中にだんだん溶解しなくなる。この現象は、「コバルト・メッキ」と呼ばれる。コバルトの形態を含むこれらのクラスターおよびカルボニルは、ヒドロホルミル化反応に関して非活性である。所定の温度およびコバルト濃度において、コバルトカルボニルの安定度を維持するために、およびコバルトが溶液から出てきて、装置の内部に堆積するのを防止するために、ある分圧の一酸化炭素が必要とされる。その結果、活性ヒドロホルミル化触媒の濃度および安定度は、一定の作業条件の下で、ガス組成(たとえば不活性ガスのレベルおよびH2や一酸化炭素のレベル)によって影響を受ける。
ヒドロホルミル化反応は高発熱であり、反応は通常は速い。ある程度までの排熱量および熱放出速度は、ヒドロホルミル化を受けているオレフィンの性質および構造に依存する。一般に、オレフィンの分岐が少なくなればなるほど、および二重結合が終端炭素に近くなればなるほど、それはますます反応度が大きくなる傾向にある。分岐オレフィンの場合、反応度は分岐に対する二重結合の配置に依存する。二重結合が2つの分岐の間に配置されるオレフィンは、たとえば低い反応度を持つ。
反応速度は、反応温度に対して実質的に指数関数的関係を持つ。
その結果、形成される生成物の変動や触媒からのコバルト金属から出てくるメッキの変動を引き起こす可能性のある、反応温度の変動を最小化するようにヒドロホルミル化反応の条件をコントロールすることも重要である。反応の暴走を防止するために、コントロールは安全目的のためにも重要である。したがって、ガス利用を最適化することに加えて、本発明によるガスプロファイルの慎重な管理は、反応の歩留まりを向上させ、反応温度が高すぎる場合に発生する可能性があるリアクター内におけるコバルトからのメッキを最小化するか除去するという有用な効果を用いて、反応温度を最適化するのを助ける。この場合において、大規模なクリーニングが必要になり、たとえば硝酸を用いて行われ、リアクターが運転中止となるか、装置を置きかえなければならなくなる。
二番目の位置にあるリアクターへガスをリサイクルすることは、もっと多くの遊離ガスおよび/またはもっと多くの水素を第二およびそれ以降のすべてのリアクターへ供給する手段を提供するが、先頭位置にあるリアクターを通してそれほど過剰なガスおよび/または水素を押出す必要はない。この場合、このようなガスは水力学的または流体力学的不安定性および温度不安定性を引き起こす可能性がある。
従って、本発明は、二番目のおよびその後のすべてのヒドロホルミル化リアクターへ供給される、原料の量および組成を調整しコントロールする手段を提供し、この結果リアクター中で造り出される温度およびガス体積および組成物をコントロールする。この結果、本発明の技術は、一定で安定な条件のもとで、より高い変換、より高い歩留まり、より高い選択性およびより良好な作業安定性を生じる。
コバルト触媒の場合において、新鮮な合成ガス中で一酸化炭素に対する水素の比は通常、約1.3:1であり、この比において、コバルトから生じるメッキが実質的に回避されるか、許容されるほど充分に低くなる。しかし、アルデヒド類およびアルコール類へのオレフィン類の変換が起こる第一のリアクターにおける反応のために、一酸化炭素に対する水素の比はアルコールまたはアルデヒドへの変換の程度に依存して変化するだろう。このことは、アルコールへの変換が、アルデヒドの生成において使われる水素の2倍を必要とするからである。従って、二番目のおよびその後の(使われる場合)リアクターにおける水素レベルを補充する必要があるかも知れない。また、これを、リサイクルガスの組成をバランスさせることによって、および/またはヒドロホルミル化の最終生成物中のアルデヒドをアルコールへ変換することによって、本発明に従って行うことができる。線状オレフィンがプロセスされているとき、一番目のリアクターにおいて一酸化炭素に対する水素の比をより低くすること(たとえば、1:1または1.1:1)が好適な場合もある。しかし、原料の好適な比にかかわりなく、ヒドロホルミル化反応区域にわたって、それはコントロールされる必要があり、本発明は、そのコントロールの有用な技術を提供する。
高オレフィン変換を保証する好適な実施形態において、反応システムは、連続する少なくとも3つのヒドロホルミル化リアクターを含む。二番目のリアクターに関して上述したのと同じ理由で、水素リッチガス(オプションとして、ヒドロホルミル化反応からの、および/または下流ヒドロホルミル化区域からの新鮮な合成ガスおよびリサイクルガスからなる)が、二番目のリアクターからの反応生成物と一緒に三番目のリアクターへ供給される。本発明の範囲内ではあるけれど、だいたい等しいサイズまたは容積のループ・リアクターの場合において、三番目のリアクターへ新鮮なオレフィン原料を使う際に利点は殆どないことを我々は発見した。
さらに好適な実施形態において、リアクターシステムは、最終の、たとえば5%までのオレフィンの変換が起こる四番目のリアクターを含む。いくつかの例において、この段階においてリサイクルガスの1部または水素リッチガスを付加することが好適な場合もあるけれど、この例において、三番目のリアクターの反応生成物以外の四番目のリアクターへどんな原料も供給する必要が必ずしもないということを我々は見出した。
さらに実施形態は直列になった4つ以上(たとえば、6個)のリアクターも含む。またそれらは、直列に2段のリアクターで構成されても良い。各々の段はオプションとして、液体生成物リサイクル機能を提供しても良く、それは、このようなリサイクルガスを冷却し、適度な温度コントロールを維持するために望ましい多くの点にわたって、リアクターへそのリサイクルガスの注入を分割する。このような段階冷却液体の一部は、その場所において温度コントロールの補助をするために、上流または下流のリアクターへ反れていく可能性もある。
本発明に使われるヒドロホルミル化リアクターは、US特許3,830,846、US4,320,237、WO01/14297、GB1,308,206に記載されているような好適にはガス・リフト・リアクターである連続リアクターであり、もっと好適にはUS4312837、US4379124、またはWO97/29018に記載されているようなループ・リアクターである。このリアクターは温度コントロール用冷却コイルまたは被覆カバーを有して提供される。また好適には原料は、リアクターの底から導入され、リアクターの上部から主として取り去られる。一方、取り去られない原料は、内部または外部リアクター・ループを回ってリサイクルされる。従って、本発明の合成ガスは、溶解したコバルトまたは取り込まれたコバルトを潜在的に含むオレフィン、コバルト含有の潜在的に水流または炭化水素流、およびリサイクルガスは一番目のリアクターの底部から供給される。反応生成物は一番目のリアクターの上部から取り去られ、その後二番目のリアクターの底部へ供給され、そこで、それは新鮮なオレフィンおよび新鮮な合成ガスと一緒に混合される。反応生成物はその後、二番目のリアクターの上部から取り去られる。好適な反応システムにおいて、二番目のリアクターからの反応生成物は三番目のリアクターの底部へ供給され、そこでそれは、オプションとしてさらに多くの新鮮な合成ガスおよび/またはリサイクル・ガスと一緒に混合される。この反応生成物はその後、三番目のリアクターの上部から取り去られる。さらなる実施形態において、三番目のリアクターからの生成物はその後、4番目のリアクターの底へ供給され、最終のヒドロホルミル化反応生成物が4番目のリアクターの上部から取り去られる。直列のすべてのリアクターは、ガスリアクター、またはループ・リアクターとすることもできる。そうでない場合は、最初の位置にあるリアクターだけ、およびオプションとして二番目および/または三番目の位置にあるリアクターはガスリフト・リアクターであっても良いし、残りは上で説明した垂直チューブ状リアクターであっても良い。分離水ストリーム(流れ)が、リアクターのいずれにも、通常は連続リアクターの一番目に供給される場合、二相の水/有機物流れが、そのリアクターの底部から除去されても良いし、オプションとして、フロースキームにおける
下流の場所に供給されても良いし、好適にはヒドロホルミル化リアクターが下流に配置されても良い(WO01/14297に説明されている)。
多くの構造材料がヒドロホルミル化リアクターを作るときに使われてきた。特に高圧プロセスに関して必要な強度が要求される。ヒドロホルミル化リアクターへ水を注入する場合、腐食耐性も必要とされる。このことにより、プロセス媒体と接触が行われる場所で腐食耐性を提供する高品質ステンレス鋼を内面へライニングして、主な構造材料として高強度鋼を連結するリアクター設計を実現してきた。オーステナイト微細構造を持つとともに、22-23%Cr、4.5-6,5%Ni、3.0-3.5%Mo、0.14-0.20%Nおよび最大0.025%Alを含む二重ステンレス鋼は、ヒドロホルミル化リアクターの好適な構造原料である。この二重ステンレス鋼は、高圧において、有機酸、一酸化炭素、水素および炭化水素を持つプロセス媒体に対して必要な腐食耐性を満足する。この二重ステンレス鋼はまた、たとえば、硝酸のような無機酸で酸洗浄をすることにより、長時間にメッキ析出したどんなコバルト金属も溶解することを可能にする。この構造材料の降伏強度は、プロセス外郭構造およびコンディショナー・チューブの壁もその厚みを最小化することを可能とする、オーステナイトステンレス鋼の降伏強度よりも、設計温度においては高く、その結果被覆カバーのまたはコンディショナー外郭構造面の冷却原料への熱伝導を改良する。二重ステンレス鋼の熱伝導特性はまた、オーステナイトステンレス鋼の熱伝導特性より、それ自体良好である。二重ステンレス鋼はまた、冷却水に対して良好な腐食耐性を持つ。二重ステンレス鋼は、オーステナイトステンレス鋼と比較すると、プロセス媒体のこの材料の疲労耐性限界の理由でも、好適な材料である。
ヒドロホルミル化反応における温度コントロールは、リアクターの適切な温度測定を必要とする。これは通常、プロセス流動体へリアクター壁から拡張する、標準的なサーモウエルの内部に取り付けられる熱電対を使って行われる。高圧プロセスにおいて、これらの標準的な温度測定装置は、必要とされる高い壁の厚みのために反応が遅いという問題がある。その結果、フランジ・リング熱電対の使用が好適である。デステックやグレイロック・リングのような金属シール・リングは通常、装置の個々の部品間の連結をシールするために使われ、これらはフランジを使って一緒にボルト締めされる。これらの円形シールリングは、円形のリングと交叉する中空の棒を用いて取り付けられても良く、リングの一方の側面に溶接されても良く、棒の空洞の内部で熱電対にアクセスするために穴があけられる。他方の側面に、棒は閉じられ、好適には長さ方向に支持されるだけである。その結果、たとえば熱膨張のために、軸方向変位量が許容される。このような中空の棒は、たとえば、4〜15mmの範囲の外径、および3〜5mmの内径を持つ。この薄い壁厚みは、棒の内部の熱電対によって、正確な温度測定およびプロセス流動体の温度変化に対する測定のすばやい応答を提供する。2つ以上の熱電対を、棒の長さ方向に提供しても良いし、その全体長さかまたは半分だけの長さのどちらかに沿って伸ばしても良い。その結果、必要なら、放射温度プロファイルを測定しても良い。
連続するリアクターを通過した後で、ヒドロホルミル化反応の最終生成物はアルコール、アルデヒド、未反応オレフィン、パラフィン、ギ酸エステル、および重いオキソ留分の混合物を含み、エーテル、エステル、ヘミ-アセタール、エーテル・アルデヒド、エーテル・アルコール、その他、水素、一酸化炭素、一般的に触媒残留物および不活性原料のような高濃縮生成物および二量体を含む。生成物はその後、精製され、その成分に分離されなければならない。
この精製は、他の工程の間で溶解され混入された触媒種の除去を含み、これらはさらに使用するためにリサイクルされても良い。反応生成物は通常、約175℃および275バールゲージ圧力においてガス液体混合物である。また高い圧力のために一定の通常ガス原料が、溶解され、または液相に混入される。コバルト触媒化反応に関して、精製の最初の工程は高圧でのコバルトの除去であっても良い。また好適な方法は、最終のヒドロホルミル化リアクターに続くデコバルター容器の反応生成物への、オプションとして熱い希釈した苛性ソーダおよび/または炭酸ソーダの注入による。好適にこの場合には、最終リアクターからの反応生成物は、好都合なことに長い垂直の被覆されたパイプであるデコバルターの底部へ供給される。デコバルターにおいて、コバルトの大部分は、NaCo(CO)4、ヒドロコバルトカルボニルの水溶性ソーダ塩へ変換される。炭酸ソーダが使われるか二酸化炭素が存在する場合、少量のコバルトが固体炭酸コバルトへ変換される。二酸化炭素や炭酸ソーダがない場合は、コバルトは固体水酸化コバルトへ変換される。
最終のヒドロホルミル化リアクターからの、苛性ソーダおよび/または炭酸塩および反応生成物が、生成物の集中的混合を避ける方法でデコバルターへ導入される場合、デコバルトはもっと有効であるということを、我々は見出した。油相(反応生成物)および水相(希釈苛性ソーダ)が徐々に接触する場合、その多くは水溶性ナトリウム塩に変換されるので、炭酸コバルトとして失われるコバルトは少なくなる。ヒドロホルミル化の反応生成物および希塩基はそれゆえ、徐々に、および他の原料の流れとともに乱流を最小にして、原料を混合させるテーパーのついた開口部を持つ、1つ以上の分離注入ノズルを通して、好適に導入される。乱流を最小化することはまた、注入ポイントにおける一酸化炭素の分圧の下降を最小にし、そのポイントにおけるコバルトメッキを最小にする。我々は、反応生成物の注入のために、時にはディフューザと呼ばれる、ノズル軸に対して2〜10°、好適には4〜8°、最適には6°のテーパーのついた開口部の使用は特に有用であるということを見出した。
デコバルター条件は、中和がヒドロコバルト・カルボニルをコバルト・カルボニル・ナトリウムへ変換するという場合である。この方法において、廃水中のコバルトの存在を避けることができる。好適な条件は、コバルト中和のために必要な量以上に、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの化学量論的過剰を使うことである。30〜200%、たとえば100〜200%、好適には50または100または140〜180%の過剰が有益である。デコバルターは通常、125または140〜170℃、好適には155〜165℃の範囲内の温度において働く。二酸化炭素および/または炭酸塩は、7.8〜8.5の範囲内で下流で分離する水のpHを中和するために、デコバルター中に存在する。さらに可能な実施形態をUS5130107に見つけることができる。
高圧におけるアルカリ・デコバルト化法に代わって、ファルベル(J.Falbe)が、WO 01/14297,US 4625067, US 5130107, US 5235112, US 5237104, US 5237105, US 5321168, US 5354908, US 5410090, US, 5457240, FR 1089983, EP 642488, EP 643683, WO 03/082788 and WO 03/082789において記載したように、コバルトを酸性および/または酸化性の方法によってコバルトを除去しても良い。これらのプロセスの幾つかは、ヒドロホルミル化において使われる圧力および温度に近い条件で、ヒドロホルミル化生成物から触媒除去を行うが、他のプロセスは、通常ヒドロホルミル化生成物中に含まれているガスの少なくとも一部を分離した後で、より厳しくない条件、より低温および/またはより低圧力でそれを行っても良い。酸性方法は通常、ギ酸および/または酢酸のような低分子有機酸を利用する。それらは、付加的に放出工程を含んでも良く、この工程で、コバルトの一部HCo(CO)4のような揮発性形態のコバルトの一部は液体ヒドロホルミル化生成物からガスを使って放出され、アブソーバー(吸収装置)に運ばれ、そこでそれは、原料オレフィンまたは重い副生成物のような適切な液体へ吸収される。酸化性方法は酸素または酸素含有ガスまたは空気に使用を含んでも良い。この方法はコバルト価の全部または一部だけを、それらのゼロ原子価および/またはそれらの等価な+2原子価へ変換しても良い。コバルト価の一部または全部をコバルト塩、好適には水溶性の塩、もっと好適にはギ酸コバルトまたは酢酸コバルトのような有機酸からの塩へ変換しても良い。オレフィン原料、重い副生成物または別の適切な液体のような有機酸中に溶解された形態で、またはカルボニルの形態で、または塩として、(それは、水溶性または油性であっても良いし、適切な有機担体に、または水に溶解された他のどんな適切なカルボン酸塩のナフテン酸塩、ギ酸、酢酸、オレイン酸塩であっても良い)コバルト価をヒドロホルミル化反応へ供給しても良いし、またはリサイクルしても良い。
オプションとしてデコバルト化し、デコバルト化中に形成される分離水相と結合したヒドロホルミル化生成物は、溶解ガス、混入ガス、水およびヒドロホルミル化生成物自体から構成される。それは、できれば冷却後に、高圧のオフガスとして液相から遊離ガスを分離する高圧セパレーターへ供給されても良い。典型的に、高圧セパレーターは250バール以上の圧力で動作する。好適な圧力は250〜300バールの範囲内にあり、最適には260〜270バールである。そのガスは分離されて、リサイクルに必要な量は、オフガス・リサイクル・コンプレッサー・システムへ送られる。過剰なガスは何でも廃棄されても良い。このようなパージは、リサイクルガス組成をコントロールするために使われても良い。さらに、過剰窒素および他の非凝縮性ガスのような不要ガスはまた、少なくとも部分的に取り除いても良く、この結果、本発明によるガスのリサイクルは、ヒドロホルミル化リアクター中の窒素のような不活性ガスの望ましくない凝集を生じないことを保証する。
高圧リアクター中に残された液体はその後、できれば冷却後に、中間圧力(中圧)のセパレーターへ供給されても良く、そこで圧力を高圧セパレーターからの液体中に溶解および/または混入したガスの大部分は、中間の圧力オフガスとして解放される。幾つかのプロセスにおいて、一つより多くのセパレーターを使うのは有用であり、その場合において、2つ以上の中圧セパレーターを使っても良いし、高圧セパレーターからの液体生成物が結合され、一つの中圧セパレーターへ供給されても良い。繰り返して言えば、どんな過剰ガスでも廃棄しても良いし、メタンのような不要ガスを取り除いても良く、この結果、本発明によるガスのリサイクルは、中圧オフガス中に存在するメタンまたは他の不活性ガスの過剰凝集による水素および一酸化炭素の不足、を生じないことを保証する。中圧セパレーターの圧力は通常50〜200バールの間にあり、好適には80〜120または150バールの間にあり、もっと好適には90〜110バールであり、また我々は100バールが特に有用であるということを見出した。圧力の減少により、溶解ガス、特に未反応の水素および一酸化炭素、およびメタンを解放し、そのうちの一部をその後のリサイクルのために、オフガス・リサイクル・コンプレッサー・システムへ送ることができる。残りはその後、通常パージ流れとして廃棄される。従って、本発明で使われるリサイクル原料を生成するために、オフガス・リサイクル・コンプレッサー・システムにおいて、高圧セパレーターおよび中圧セパレーターの両方からのオフガスを結合することができる。
ガスのバランス(オレフィンと触媒化ヒドロホルミル化反応のために、ヒドロホルミル化リアクターへ供給される、特に水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素およびメタンのバランス)を調整するために、リサイクルコンプレッサーへの流れ並びに高圧および中圧セパレーターからのパージ流れを使っても良い。必要な場合には、外部原料からの水素の混和によって、または下流または水素化単位からのオフガスを使うことによって、水素量を調整しても良い。
中圧セパレーターからの液体の圧力をその後、さらに減少しても良いし、できれば冷却後に、液体を低圧セパレーターおよび/または洗浄処理へ送っても良く、そこでさらに、水流によって触媒価をヒドロホルミル化生成物から抽出しても良い。この洗浄処理は1つまたは一連の混合および分離工程であっても良いし、または逆流または並流抽出タワーの形態であっても良い。この工程は熱せられまたはプリヒートされることから恩恵を受けることもある。一つの理由は、この抽出/洗浄工程が、たとえばいわゆるCo−Co塩(Co(Co(CO)4)2)および一酸化炭素へCo2(CO)8の不均化のような化学反応と関連するからである。我々は、このような洗浄処理におけるナトリウムのレベルが低く保持されている場合は、アルカリ・デコバルト化プロセスを用いて、触媒価のさらなる減少がもっと有効であることを見出した。
所望の組成を持つヒドロホルミル化用リサイクル流れを生成するために、必要な新鮮な水素が付加される場合は、高圧および中圧セパレーターからのリサイクル用オフガス、およびオプションとして下流の水素化リアクターからの水素流を、一つまたは一組のリサイクル・コンプレッサーへ供給しても良い。リサイクル・コンプレッサー・システムは一連の(連続する)ガス・コンプレッサー工程を含み、その工程で、ヒドロホルミル化反応において必要な圧力までガス圧力を徐々に増加させる。直列の3つのガスコンプレッサーまたは3つの圧縮段階を持つ一つのコンプレッサーを含む、段階的なリサイクル・コンプレッサー・システムを使用することは特に好ましい。このようなシステムにおいて、水素化工程から高圧セパレーターおよびヒドロホルミル化工程からの中圧セパレーターからのオフガスを最初のコンプレッサー段階(これは、3つが使われる最初のコンプレッサーでも良い)へ供給しても良く、これは、通常40〜60の間、たとえば50および60バールの吸引圧力で働く。下流の水素化リアクター(これは通常、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素およびメタンを含む)からのオフガスとして水素を最初の段階(コンプレッサーまたはコンプレッサー段階)へ供給しても良い。その後、この最初のコンプレッサー(段階)において形成される混合ガスを、オプションとしてヒドロホルミル化工程から中圧セパレーターからのガスと混合したものを、その圧力が十分である場合、二番目のコンプレッサー(段階)へ供給しても良い。そこでは、圧力を、たとえば、140〜180バール、好適には150〜170バールの範囲内まで増加しても良い。我々は、160バールは特に有益であるということを見出した。二番目のコンプレッサーの生成物をその後、三番目のコンプレッサー(段階)へ通しても良いし、また、リサイクルガス原料の所望の組成を保証するために、二番目および一番目のような他のヒドロホルミル化リアクターへ、高圧セパレーターからの添加ガスを導入しても良い。その後、3番目のコンプレッサー(段階)において圧力を上げても良いし、3番目のコンプレッサー(段階)からの生成物を、本発明に従った二番目および最初のおよび/または三番目のヒドロホルミル化リアクターへ供給しても良い。
代替的に、下流の水素化プロセスは200バールのような高圧において働く場合は、水素化単位からのオフガスも高圧になっていて、圧力が高くなっているリサイクル・ガス圧縮回路の場所において導入することもできるし、あるいは、水素化圧力がヒドロホルミル化圧力より高い場合は、ヒドロホルミル化プロセスにおける好適な場所へ直接に注入することもできる。
ヒドロホルミル化反応の効果的な作業は、温度、圧力、原料の供給速度、リアクターの空間速度および化学プロセス条件のような物理的な条件の組合せの最適化に依存する。化学条件は、各々のリアクターにおいて、オレフィン原料の性質、オレフィン原料の組成比と水素を含む他のガス、一酸化炭素と窒素のような不活性ガス、触媒濃度と同様に二酸化炭素とメタンを含む。リサイクルされるオフガスの量、二番目へ供給されるオレフィンおよび合成ガスの量、並びにオプションとして後続のリアクターは、これらの多くの変動に依存する。しかし、高圧セパレーターからのオフガス圧力を定着させ、オフガスの組成をモニターすることによって、(このオフガスは水素、一酸化炭素および種々の不活性ガスを含む)上流のヒドロホルミル化リアクターにおいてガス組成物を制御するために、ヒドロホルミル化反応の終わりにおいて水素および一酸化炭素分圧を計算することが可能であり、また使うことも可能である。高い一酸化炭素分圧はコバルト触媒の安定性を増大させ、高い水素分圧は好ましいヒドロホルミル化反応速度を保証する。これらの要求は、高レベルの不活性ガスの凝集(それは、もっと多くの有効ガスのパージを可能にし、全部のガス利用を改良する)の要求と相いれない。何故なら、無用な水素や一酸化炭素を不活性ガスとともにパージする必要があるからであり、それは、装置の一定の設計圧力の制限内で、高圧のオフガスの水素量および一酸化炭素量が低くなる原因となり、この結果、ヒドロホルミル化においてもまたそのようになるからである。その結果、最適のコントロール・ポイントはこれらの反対に作用する条件の間の妥協点となる。ヒドロホルミル化における水素の消費は一酸化炭素の消費よりも大きいので、本発明は、二番目のヒドロホルミル化リアクターへ供給されるリサイクルガスにおいて水素の割合を増加させることによって、この問題を克服できる。リサイクルガスの組成をコントロールし、リサイクルガスの一定量を最初のおよび/または3番目のまたは後続のリアクターへ流用するためのこのオプション(選択)は、リアクター列の間のいずれのリアクターにおいてもガスプロファイルをコントロールすることを可能にする。
概括的な手引きとして、ヒドロホルミル化反応の終わりにおいて圧力は、ヒドロホルミル化リアクターのコバルトメッキを避けるために、170バール以上、最適には240バール以上に保たれるべきであることを我々は見出した。高圧セパレーターからのオフガスの一酸化炭素量は、COの分圧は75バール以上、77バール以上がもっと良く、好適には84バール以上である結果であるということ、その理由として、分圧がこれらのレベル以下に落ちる場合、コバルトメッキはヒドロホルミル化リアクター中で発生する可能性があること、を我々は見出した。同様に、高圧セパレーターからのオフガスの水素量は、水素の分圧が、望ましくは75バール以上、77バール以上がもっと良く、好適には84バール以上、もっと好適には91バール以上、である結果であり、その理由として、分圧がこれらのレベル以下に落ちる場合、反応速度の下降があることが挙げられる。合成ガス組成、全体圧力および/またはヒドロホルミル化反応を通じた圧力下降および種々の流れにおける不活性ガスの割合をチェックし、適切な調整をすることによって、これらの問題をコントロールしても良い。本発明による直列した2つ以上のリアクターの使用は、ヒドロホルミル化反応の効率性および効果的作業に重要な寄与をする。
ヒドロホルミル化反応の別の重要な観点は、反応温度および温度コントロールである。この反応は発熱性が高く、発生した温度は、オレフィンの反応度、反応性原料の濃度および比、並びに存在する不活性原料の触媒濃度および体積に依存する。従って、存在する反応性原料の量および比を調整するために、リサイクルガスを使うことができ、反応温度のコントロールの要素として、リサイクルガスの組成を調整することができる。リアクターはまた、冷却システムを伴って提供される。これらは、内部冷却コイルまたはパイプ、またはリアクターの被覆カバー、またはWO01/29018において開示されたリアクターの一部をなす熱交換器、またはこれらの組合せであっても良い。ループリアクターの一部としてのこのような熱交換器は通常、ループの脚部の下方に、好適には脚部の下部分に、配置され、またコンディショナーとしてしばしば知られている。反応する流動体からこのような冷却システムのいずれの壁への熱移動の速度、およびこの結果のリアクター冷却は、反応する流動体が冷却システムの壁に対して高い速度を持つときに、改良される。この結果、平均温度およびリアクター全体の温度分布、並びに温度コントロールはまた、反応原料がリアクター内で流れる速度、およびリアクター冷却システムの有効性によって、決定される。最小限としても、リアクター内側の循環する液体の流速は、リアクターへの供給速度より少なくとも6倍大きくなるはずである。好適には反応混合物は、1秒あたり0.3メートル、もっと好適には1秒あたり0.5メートル〜2.0メートル、最適には0.8〜1.2m/sの速度で流れるが、但し、上方部分は下方部分と異なる断面を持っても良く、この結果その速度は異なるリアクター部分において異なっても良いということを理解する必要がある。
好適なガスリフト・リアクターの好適な使用において、反応物質の混合程度をコントロールする場合や温度分布に関して、リアクター中の循環は重要である。このようなリアクターにおいて、上方へ移動する流動体と下方へ移動する流動体との間の密度差によって、液体の循環が起こる。この密度差は、上昇する液体および下降する液体間の遊離ガスの存在における差によって引き起こされる。リアクター列の先頭位置にあるループリアクター中で充分に混合した反応混合物を得るために、ループ内の循環速度はリアクターへの原料の供給速度の少なくとも6倍であるということを我々は見出した。我々はまた、リアクターの出口温度およびコンディショナーの入り口温度の間の温度差が20℃以上ある場合、循環が不十分になる可能性があることが分かった。好適にはこの温度差は20℃より小さく、たとえば16または10℃以下であり、好適には5℃以下である。しかし好適な差は、ヒドロホルミル化されるオレフィンの反応度および他の作業条件に依存する。
冷却水またはアルカノール(たとえばメタノール)のような別の媒体が、各々のリアクターの一部として(存在する場合)提供される冷却システムへ提供される。特にリアクター列の初期のリアクターに冷却システムを有して提供することもできる。このような冷却システムは、各々のリアクターに関して被覆カバーおよびコンディショナーを含んでも良い。冷却水または冷却媒体の流速は、熱伝導を高めるために、好適には実質的に一定で大きい。この結果、冷却システムは、被覆カバーおよび/またはコンディショナーに循環用のポンプセットアップを含んでも良い。ループ・リアクターにおいて、冷却水循環は好適には、プロセス流体フローと逆流状態にある。熱水の液体またはガスをこのシステムから除去しても良いし、冷たい水をそこに導入しても良い。リアクターのサイズおよびリアクターから発生する計算上の熱に従って、この冷たい水の流速が選ばれる。170℃〜190℃の温度範囲で行われる反応に関して、冷却水は140℃〜170℃の範囲の温度を持ち、導入される冷たい水は90または100〜125℃の温度を持っても良い。原料オレフィンの反応性が低い場合、たとえばそれは高炭素数であるので、反応流体へ熱を供給するために冷却システムを利用しても良い。
ヒドロホルミル化反応の選択性を改良するために、ヒドロホルミル化リアクターへ水を注入しても良い。水の注入はギ酸エステルおよび重い副産物の形成を減少させることを我々は発見した。使用時、水は一番目のリアクターへ注入されるべきで、使用される二番目および後続のリアクターへ水を注入しても良いが、このことは必ずしも本質的ではないことを我々は発見した。ガスリフト・リアクターにおいて、底部においてよどんだ遊離水の相の体積が増大すると、それはリアクター内流体の循環に対して障害になりうるし、または障害物にさえなりうる。遊離水が底部から連続的に除去されるガスリフト・リアクターはWO01/14297に記載されている。全く水の除去能力がない場合、導入される水の量は好適には10または20%以下であるべきである。これにより、リアクター中のよどんだ遊離水相の形成を避けることができる。流体フローが、水を分散化形態および循環状態に保持するくらい充分である限りは、溶解限界以上の水が許容される場合もある。反応混合物中の水の溶解度は、反応混合物の組成および温度に依存する。オレフィン原料の重量に基づいて2重量%以下の水が一番目のリアクターで使われるべきであり、通常は1.0重量%〜1.75重量%(特に1.5重量%)が使われるべきであることを発見した。オレフィン原料の重量は、通常その原料の95重量%以上(しばしば、原料の約99重量%)の原料中の不飽和原料の重量である。先頭リアクターの容積は相対的に小さく、そのリアクター出口で達成したオレフィン変換が制限される場合、その原料中の水の好適なレベルは低くても良い。(たとえば、約0.6重量%)水が二番目のリアクターへ注入される場合、同様の考慮がリアクターの設計に依存して適用されて良い。二番目のリアクター中の異なる液体組成のために、水の溶解度はこのリアクター中で異なっても良いし、オレフィン原料に基づいて存在する2.5重量%の水の全部を使うことが望ましい。これらの水のレベルは、対応するプロセス・ストリーム(流れ)の異なる水の溶解度のため、処理されるオレフィンの種類およびアルコール生成物に依存する、ということを理解する必要がある。注入される水の分配は個々のリアクター段階のサイズに依存することを理解する必要もある。
水の注入は、生成されるアルコールの単位あたりの一酸化炭素の利用と同様にオレフィンの利用において重要な改良を提供することを我々は発見した。その水は、反応剤と水の良好な混合を保証し、水に対するオレフィンの供給比率における大きな変動を防止する方法で、リアクターへ注入されるべきである。
従って、水が完全操業可能なリアクターへ注入されることは好適である。また、ループ・リアクターが使われる場合、水が注入されるとき、0.6メートル/秒以上の速度で原料が循環していることは好適である。水およびオレフィンが連続的にオレフィン対水の所望の割合でリアクターへ導入されることも好適である。ヒドロホルミル化反応の効率を最適化するために、統合化し最適化しなければならない所定の変動範囲に関して、次の表が、使う可能性のある条件の指針として提供される。
Figure 0004776547
Figure 0004776547
本発明は、次の図を参照することにより説明される。
図1は、本発明に従ったヒドロホルミル化によるアルコール生成の全部のプロセスの概要図である。それは、リサイクル・コンプレッサーを含み、リサイクル・コンプレッサーへ供給されるヒドロホルミル化反応からの水素オフガス・ストリーム(流れ)の源を説明する。
図2は、図1に示される全体プロセスに対する代替実施形態である。
本発明は、図1を参照することにより説明される。図1は、本発明によるガス循環を用いたヒドロホルミル化設備を示す図である。
図1は、一番目のリアクター(100)、二番目のリアクター(101)およびオプションとしての後続リアクター(105まで)を含む、連続するヒドロホルミル化リアクターを示す。ヒドロホルミル化反応の後で、その生成物は熱交換器(106)で冷却され、その後、高圧セパレーター(108)および低圧セパレーター(109)へ通される。その後、ヒドロホルミル化生成物は水素化器(110)へ通され、その水素化生成物は別の高圧セパレーター(111)へ移動する。ヒドロホルミル化反応生成物からの水および/または触媒の除去と関連した工程は、このフロー図では示されていない。この処理工程(120)、(121)および(122)はすべてコンプレッサーであり、リサイクルガス・コンプレッサー・システムを一緒に作り上げている。
従って、オレフィン(1)および合成ガス(2)はヒドロホルミル化リアクター(100)へ供給され、その後、この生成物は二番目のヒドロホルミル化リアクター(101)へ移動し、そこには新鮮な合成ガス(3)が注入される。(必要な場合)一定の原料オレフィン(30)を一番目のリアクターへバイパスしても良い。その後、リアクター(101)の生成物は、それらが使われる場合には、後続のリアクター((105)まで)へ移動しても良い。その後、ヒドロホルミル化の最終生成物(4)は冷却交換器(106)へ移動し、冷却された生成物(5)は高圧セパレーター(107)へ移動し、そこで、未反応ガス原料(6)および液体または液体類へスプリットされる。(ここで、未反応水素の大部分は回収される)その後、分かれた液体または液体類(16)は、中圧セパレーター(108)へ移動し、そこで、それらはもっと多くの未反応ガス原料(17)(大部分の未反応一酸化炭素を含む)および液体原料(19)に分かれる。その後、液体原料(19)は低圧セパレーター(109)へ移動し、そこで、低圧オフガス(21)を放出する。その後、液体ヒドロホルミル化生成物(22)は水素化リアクター部分(110)へ移動する。そこへ、原料(22)の触媒水素化のために水素(23)が供給される。水素化後(これは、連続するリアクターにおいて行われても良い)に、水素化された原料(24)は別の高圧セパレーターへ移動し、そこで未反応水素(26)は水素化生成物(25)から分離される。
ガス原料(6)、(17)および水素(26)はすべて、その後、二番目および後続位置に配置されたヒドロホルミル化リアクター中に存在するガスをコントロールし調整するために、ガスリサイクルで使うこともできる。水素(26)は、必要なら、別の源からの新鮮な水素(27)と合わせても良いし、リサイクルガス・コンプレッサー・システム(29)における第一段コンプレッサーへ供給されても良い。オプションとして、中圧セパレーターからの一定のまたは全部のオフガス(17)はこの水素リッチガスと合わせても良い。コンプレッサーからの第一段ストリーム(流れ、13)は、圧力レベルが許容する場合、第二段コンプレッサー(121)へ供給されるストリーム(14)をつくり出すために、中圧セパレーターからの一定のまたは全部のオフガス(31)と合わせることもできる。ストリーム(17)を運ぶラインは、好適には、不活性原料および他のどんな過剰な不要ガスも除去できるように、パージ手段(20)を有して供給される。
同様に、ガス・ストリーム(流れ)(6)は、ストリーム(7)へ供給され、第三段コンプレッサー(122)へ供給されるストリーム(8)をつくるために、第二段コンプレッサー(121)を出たストリーム(7)と合わせられる。ストリーム(6) を運ぶラインは、好適には、不活性原料および他のどんな過剰な不要ガスも除去できるように、パージ手段(18)を有して供給される。
図2において、ヒドロホルミル化リアクター・シリーズの前部は、2つのリアクター(100,200)が先頭位置において提供されるようにスプリットされ、またオレフィン原料(1、31)と一緒に、および合成ガス(2、32)と一緒に供給される。その後、これらの2つの先頭リアクターの生成物は合わさって、二番目の位置にあるリアクター(101)へ送られる。オプションとして、オレフィン原料(30)および/または合成ガス(3)の一部もまたこのリアクターに送られる。図2のこのフロー図の残りは、図1の等価部分と同じである。先頭位置(100、200)にある一つまたはすべてのリアクターに送られるリサイクルガス(9)の一部を有する可能性は、図2に示されていない。
ヒドロホルミル化リアクター・シリーズの前部は、さらに2つより多くの先頭リアクタ
ーに分離されても良く、オプションとして二番目の位置にある一つより多くのリアクター有しても良い。リサイクルガス(9)の一部を受ける一つ以上のリアクターでも良い。これらの変化は、本発明のさらなる代替の実施形態と考えられる。
図1は、本発明に従ったヒドロホルミル化によるアルコール生成の全体プロセスの概要図である。 図2は、図1に示される全体プロセスに対する代替実施形態である。
符号の説明
1・・・オレフィン、2、3・・・合成ガス、
101〜105・・・リアクター、106・・・熱交換器、108・・高圧セパレーター、
109・・・低圧セパレーター、110・・・水素化器、
120〜122・・・コンプレッサー、

Claims (29)

  1. ヒドロホルミル化生成物を形成するために一酸化炭素および水素を用いた一つ以上のオレフィン類のヒドロホルミル化を含む製造方法であって、前記ヒドロホルミル化が直列の少なくとも2つのヒドロホルミル化リアクター中で起こり、ヒドロホルミル化または後続処理段階からの未反応ガスが、上記直列の少なくとも2つのヒドロホルミル化リアクターのうち少なくとも二番目の位置にあるヒドロホルミル化リアクターへリサイクルされ、前記ヒドロホルミル化生成物が高圧セパレーターへ供給され、かつ高圧セパレーターからのオフガスの一酸化炭素量は、その一酸化炭素の分圧が75バール以上であるようになされていることを特徴とする、製造方法。
  2. アルコールを形成するためのヒドロホルミル化生成物を水素化するための工程を含む製造方法であって、前記製造方法は、オレフィン(類)を触媒的にヒドロホルミル化すること、実質的に触媒フリーのヒドロホルミル化生成物を形成するために、ヒドロホルミル化生成物から触媒残留物を除去すること、およびその後で実質的に触媒フリーのヒドロホルミル化生成物を実質的に水素化することを含むとともに、リサイクルされる上記未反応ガスは水素化工程からの未反応水素を含むことを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. リサイクルされる上記未反応ガスは、上記ヒドロホルミル化反応からの未反応ガスおよび上記水素化工程からの未反応水素を含むことを特徴とする、請求項2記載の製造方法。
  4. ヒドロホルミル化は、50〜350バールの圧力で実施される高圧または中圧ヒドロホルミル化製造方法であるとともに、上記オレフィン(類)は、ヒドロホルミル化触媒の存在下で一酸化炭素および水素と反応され、上記直列の少なくとも2つのヒドロホルミル化リアクターのうち一番目のリアクターへの原料は、次のi)〜iv)の混合物を含むことを特徴とし、
    i) オレフィン(類)
    ii) 一酸化炭素
    iii)水素
    iv) ヒドロホルミル化反応からの未反応ガス原料を含むリサイクルガス
    および二番目の位置にあるリアクターへの原料は、
    i) 一番目のリアクターからの反応生成物、および
    ii) ヒドロホルミル化反応からの未反応ガス原料を含むリサイクルガス
    の混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方法。
  5. 上記ヒドロホルミル化は直列の少なくとも3つのリアクター中で行われ、前記直列の少なくとも3つのリアクターのうち三番目の位置にあるリアクターへの原料は、
    i) 二番目の位置にあるリアクターからの反応生成物、および
    ii)ヒドロホルミル化反応からのガス原料を含むリサイクルガス
    を含むことを特徴とする、請求項4記載の製造方法。
  6. 上記ヒドロホルミル化は直列の4つのリアクター中で行われ、前記直列の4つのリアクターのうち四番目の位置にあるリアクターへの原料は三番目の位置にあるリアクターからの反応生成物からなることを特徴とする、請求項4または5記載の製造方法。
  7. 上記ヒドロホルミル化は、50〜350バールの圧力で行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の製造方法。
  8. 上記ヒドロホルミル化は、120〜185℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかの項に記載の製造方法。
  9. ヒドロホルミル化触媒を用いる製造方法であって、供給される前記触媒は上記オレフィン原料中に吸収されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかの項に記載の製造方法。
  10. ロジウム触媒またはコバルト触媒から選択されるものを含むヒドロホルミル化触媒を使うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかの項に記載の製造方法。
  11. 上記触媒はコバルト触媒であり、ヒドロホルミル化に使われる合成ガス中の一酸化炭素に対する水素のモル比が1.3:1であることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
  12. 上記触媒はコバルト触媒であり、上記ヒドロホルミル化生成物は、上記ヒドロホルミル化リアクターの下流にオプションとして設置されたデコバルター容器中において、ヒドロホルミル化反応生成物への苛性ソーダおよび/または炭酸ソーダの注入によって精製されることを特徴とする、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 化学量論的に100〜200%過剰な、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムが使われることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
  14. 上記デコバルターは155〜165℃の範囲の温度で作業されることを特徴とする、請求項12または13に記載の製造方法。
  15. 上記触媒はコバルト触媒であり、前記コバルトは酸性処理および/または酸化処理によって除去されることを特徴とする、請求項10または11に記載の製造方法。
  16. 上記酸性処理はギ酸および/または酢酸を使うことを特徴とする、請求項15に記載の製造方法。
  17. 上記酸化処理は酸素、酸素含有ガス、または空気を使うことを特徴とする、請求項15または16に記載の製造方法。
  18. 一酸化炭素の分圧は77バール以上である、請求項1〜17のいずれかの項に記載の製造方法。
  19. 上記高圧セパレーターは、250バール以上の圧力で動作することを特徴とする、請求項18に記載の製造方法。
  20. リサイクルに必要な上記高圧セパレーターからのガス量が、オフガスのリサイクル・コンプレッサー・システムへ送られることを特徴とする、請求項18または19に記載の製造方法。
  21. 上記高圧セパレーター中に残された液体は中圧セパレーターへ供給されるとともに、その中圧セパレーターの圧力は、高圧セパレーターから液体中に溶解または混入されるガスが上記中圧セパレーターからのオフガスとして解放されるレベルまで減少することを特徴とする、請求項18〜20のいずれかの項に記載の製造方法。
  22. 上記中圧セパレーターの圧力は80〜120バールの間にあることを特徴とする、請求項21に記載の製造方法。
  23. 前記中圧オフガスの一部は、後続のリサイクル用のオフガス・リサイクル・コンプレッサー・システムへ送られることを特徴とする、請求項21または22に記載の製造方法。
  24. 上記リサイクルは、連続するガス・コンプレッサー段階を含むコンプレッサー・システムを使うとともに、前記コンプレッサー・システムの圧力をヒドロホルミル化反応において必要な圧力まで徐々に増加することを特徴とする、請求項1〜23のいずれかの項に記載の製造方法。
  25. 上記リサイクル・コンプレッサー・システムは直列の3つのガス・コンプレッサー段階を含むことを特徴とする、請求項24に記載の製造方法。
  26. ヒドロホルミル化工程からの高圧セパレーターオフガスおよび中圧セパレーターオフガスは、上記直列の3つのガス・コンプレッサー段階のうち50〜60バールの間の吸引圧力で好適に動作する一番目のコンプレッサー段階へ(存在するときは、ヒドロホルミル化段階からの未反応ガスと一緒に)供給されることを特徴とする、請求項25に記載の製造方法。
  27. 上記直列の3つのガス・コンプレッサー段階のうち一番目のコンプレッサー段階から排出されるガス混合物が、オプションとして中圧セパレーターオフガスと一緒に、二番目のコンプレッサー段階へ供給されるとともに、二番目のコンプレッサー段階の圧力は、140〜180バールの範囲内まで増加することを特徴とする、請求項26に記載の製造方法。
  28. 上記直列の3つのガス・コンプレッサー段階のうち二番目のコンプレッサー段階から排出されるガス混合物が、オプションとして高圧セパレーターオフガスと一緒に、三番目のコンプレッサー段階へ供給されることを特徴とする、請求項27に記載の製造方法。
  29. 二相ステンレス鋼がヒドロホルミル化リアクターの少なくとも1つまたは任意のそれらの関連の装置の構成素材として使われることを特徴とする、請求項1〜28のいずれかの項に記載の製造方法。
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