JP4775113B2 - カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
このブラックマトリックス(51)は、ガラス基板(50)上に、ブラックマトリックス形成用の黒色フォトレジストを用いてフォトリソグラフィ法によって形成された樹脂ブラックマトリックス(51)である。
樹脂ブラックマトリックスの膜厚が、例えば、1.0μm程度と厚くなると、図1に示すように、樹脂ブラックマトリックス(51)端部にその周縁部を重ねて形成された着色画素(52)は、その周縁部が樹脂ブラックマトリックス(51)の端部上にて突起(54)となる。
従って、上記樹脂ブラックマトリックス(51)の端部上の突起(54)、或いは着色画素(52)上の異物などの影響を避けて、面内ムラのない表示を得るために、IPS方式
の液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの場合には平坦化処理として、例えば、オーバーコート層の形成が行われる。
また、近年、カラーフィルタのコントラストを向上させるために、顔料の粒径を微細にする方向へと進んでいるが、これによって耐薬品性が低下することも一因として加わってきている。
縦電界方式(例えば、TN方式)の液晶表示装置に用いるカラーフィルタ上に設けられる透明電極層は、一般にインジウムとすずの複合酸化物(ITO)などの無機物が用いられるため、着色画素のイオン性不純物の溶出や耐薬品性を向上させる保護膜としての働きも担っていた。ところが、IPS方式の液晶表示装置に用いるカラーフィルタでは保護膜としての働きも担ってきた透明電極層が存在しない。
このオーバーコート層(53)は、前記突起や異物などの影響を避ける平坦化処理と兼ねたオーバーコート層である。
IPS方式の液晶表示装置に用いられるカラーフィルタのコストダウンに関しては、オーバーコート層の収率向上、オーバーコート層の工程簡略、オーバーコート層の削除などの課題が挙げられる。
この散布されたスペーサーは、面内分布が不均一になってしまうため、基板間のギャップの分布が悪くなってしまう。また、このスペーサーは透明な粒子であることから、画素内に液晶と一諸にスペーサーが入っていると、黒色表示時にスペーサーを介して光がもれてしまう。
このような問題を解決する技法として、フォトレジストを用い、フォトリソグラフィ法により、図1に示すように、例えば、画素間のブラックマトリックスの位置にスペーサー機
能を有するフォトスペーサー(突起部)(PS)を形成する方法が開発され実用されている。このような液晶表示装置用カラーフィルタを用いた液晶表示装置では、フォトスペーサー(PS)が画素内を避けた位置に形成されているので、上記コントラストの改善がみられる。
フォトスペーサーは、第一フォトスペーサー(PS−1)と第二フォトスペーサー(PS−2)で構成されている。
しかし、フォトスペーサーの密度を十分に高くすると塑性変形や破壊は防げるが、パネル内に真空気泡(低温気泡)が発生するといった問題がある。
このため、フォトスペーサーの密度は、温度による液晶の熱膨張及び熱収縮に追従してフォトスペーサーが弾性変形するように、適正な密度に設定することにしている。
第二フォトスペーサー(PS−2)は第一フォトスペーサー(PS−1)より高さの低いフォトスペーサーである。この第二フォトスペーサー(Ps−2)は、パネルに過剰な荷重が加わった際に、その荷重を分散させ第一フォトスペーサー(PS−1)の塑性変形、破壊を防ぐためのものである。
フォトスペーサーを同時に形成する方法である。
図3は、この方法を説明する断面図である。図3に示すように、ブラックマトリックス(51)、着色画素(52)、及びオーバーコート層(53)が順次に形成されたガラス基板(50)上にフォトレジスト層(60)が形成され、その上方には近接露光のギャップ(G)を設けてフォトマスク(PM1)が配置されている。
フォトマスク(PM1)上の、第一フォトスペーサー(PS−1)の形成に対応したパターン(開口部)の幅(W1)は、形成される第一フォトスペーサー(PS−1)の幅と略同一である。
従って、図3中、点線で示す現像後の第二フォトスペーサー(PS−2)の高さは、第一フォトスペーサー(PS−1)の高さ(H1)より低い高さ(H2)を有したものに形成される。
また、この方法では、常にフォトスペーサーの幅は、W1>W2の関係にあるので、第二フォトスペーサー(PS−2)の耐荷重性を高めたい際の問題として幅の狭い点が残されている。
1)前記樹脂ブラックマトリックスが形成された透明基板上に、複数色の着色画素を順次に形成する際に、複数色内の1色の着色画素の膜厚を、他の複数色の着色画素の膜厚より厚く形成し、
2)該複数色の着色画素が形成された透明基板上の全面に、前記オーバーコート層及びフォトスペーサーを形成するためのフォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形成し、3)前記フォトスペーサーの形成に対応したパターンが設けられたフォトマスクを介した露光、及び現像処理を行い、
前記膜厚を厚く形成した1色の着色画素上にフォトスペーサーを形成し、同時に該1色の着色画素上以外の部分上にオーバーコート層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
1)前記樹脂ブラックマトリックス及び第一色目の着色画素が形成された透明基板上に第二色目以降の着色画素を順次に形成する際に、第二色目以降の着色画素の形成と同時に前記第一色目の着色画素上に、第二フォトスペーサー用の中間層を構成する第二色目以降の
スペーサーパターンを順次に積層して形成し、
2)且つ、前記樹脂ブラックマトリックス及び第一色目の着色画素が形成された透明基板上に第二色目以降の着色画素を順次に形成する際に、第二色目以降の着色画素内の1色の着色画素の膜厚を、他の複数色の着色画素の膜厚より厚く形成し、
3)前記樹脂ブラックマトリックス、複数色の着色画素、及び第一色目の着色画素上に第二フォトスペーサー用の中間層を構成する第二色目以降のスペーサーパターンが順次に積層して形成された透明基板上の全面に、前記オーバーコート層、第一フォトスペーサー、及び第二フォトスペーサーを形成するためのフォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形成し、
4)前記第一フォトスペーサーの形成に対応したパターンが設けられたフォトマスクを介した露光、及び現像処理を行い、
前記膜厚を厚く形成した1色の着色画素上に第一フォトスペーサーを形成し、同時に第一色目の着色画素上に第一フォトスペーサーの高さより低い高さの第二フォトスペーサーを形成し、また同時に該1色の着色画素上及び第二フォトスペーサー上以外の部分上にオーバーコート層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
1色の着色画素上に第一フォトスペーサーを形成し、同時に第一色目の着色画素上に第一フォトスペーサーの高さより低い高さの第二フォトスペーサーを形成し、また同時に1色の着色画素上及び第二フォトスペーサー上以外の部分上にオーバーコート層を形成するので、従来のオーバーコート層を形成する単独の工程を廃し、これによる工程数の低減及び収率向上によって廉価なカラーフィルタを製造することができ、且つ、十分に硬化し、任意な幅を有する第二フォトスペーサーを形成し、これにより第二フォトスペーサーのオーバーコート層からの剥離及び耐荷重性の問題を解消したカラーフィルタを製造することができるIPS方式の液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの製造方法となる。
図4(a)〜(d)は、本発明によるカラーフィルタの製造方法の第一の発明の一実施例を説明する断面図である。この例は着色画素が3色の場合である。また、他の2色の着色画素の膜厚より厚く形成する1色の着色画素が、3色の着色画素を順次に形成する際の最後の順の着色画素である場合である。
第三色目の着色画素(52−3)の膜厚(T2)は、第一色目の着色画素(52−1)及び第二色目の着色画素(52−2)の膜厚(T1)より厚く形成する。
この第三色目の着色画素(52−3)では、膜厚が厚いために、樹脂ブラックマトリックス(51)端部に重ねた周縁部の突起の高さは低くなり表示品質への影響は少ないものとなっている。
次に、フォトスペーサー(PS)の形成に対応したパターンが設けられたフォトマスク(PM2)を介した露光(L)、現像、及びベーキングを行い、膜厚を厚く形成した第三色目の着色画素(52−3)上にフォトスペーサー(PS)を形成する。また、同時に第三色目の着色画素(52−3)上以外の部分(樹脂ブラックマトリックス(51)、第一色目の着色画素(52−1)、第二色目の着色画素(52−2))上にオーバーコート層(53)を形成する。
場合には、ある1色の着色画素は、複数色の着色画素を順次に形成する際の最後の着色画素であることが好ましい。
一般に、相応の膜厚を有する前色の着色画素が設けられている透明基板上に、着色フォトレジストを塗布して着色フォトレジスト層を形成すると、前色の着色画素の影響を受けて着色フォトレジスト層の膜厚は不均一になり易い。この不均一な状態は前色の着色画素の膜厚が厚いものほど大きくなるためである。
第三色目の着色画素(52−3)として、緑色の着色画素を形成すると、図4(d)に示すように、着色画素(52−3)の上部は露出したものとなり、イオン性不純物の溶出は防止されないものとなるからである。
また、ポジ型のフォトレジストとしては、ノボラック系フォトレジストが広く用いられているが、露光、現像、ベーキングが行われ皮膜として形成されると、波長400nm〜450nmの領域にて数%の吸収を有する皮膜となる。この吸収は青色の着色画素の透過率を減少させることになるので、青色の着色画素上にオーバーコート層(53)を設けることは避けたほうがよい。
また、青色の着色画素はオーバーコート層から露出した状態であるので、オーバーコート層が形成される透明基板上の面積が2/3に減少し、オーバーコート層への異物の付着などに起因する収率は向上したものとなる。
第二色目の着色画素(52−2)の形成と同時に第一色目の着色画素(52−1)上に、第二フォトスペーサー(PS−2)用の中間層を構成する第二色目のスペーサーパターン(P2)を形成する。この第二色目のスペーサーパターン(P2)の形成は、第二色目の着色画素(52−2)及び第二色目のスペーサーパターン(P2)の形成に対応したパターンが設けられたフォトマスク(図示せず)を介した露光、現像処理により形成する。
この第三色目のスペーサーパターン(P3)の形成は、第三色目の着色画素(52−3)及び第三色目のスペーサーパターン(P3)の形成に対応したパターンが設けられたフォトマスク(図示せず)を介した露光、現像処理により形成する。
これは、第三色目の着色画素(52−3)の幅(W6)が、中間層(P2、P3)の幅(W5)より広いので、透明なフォトレジストを同時に塗布した際には、第三色目の着色画素(52−3)上ではフォトレジスト層(60)の膜厚が厚く塗布されるからである。
二フォトスペーサー(PS−2)を形成するための透明なフォトレジストの塗布は1回の塗布で行うのであるが、この塗布は、第三色目の着色画素(52−3)の膜厚、幅、オーバーコート層(53)の膜厚、中間層(P2、P3)の膜厚、幅、フォトレジストの粘度などの諸条件を適宜に勘案して行う。
また、青色の着色画素はオーバーコート層から露出した状態であるので、オーバーコート層が形成される透明基板上の面積が2/3に減少し、オーバーコート層への異物の付着などに起因する収率は向上したものとなる。
更に、中間層(P2、P3)上に形成される第二フォトスペーサー(PS−2)は、十分に硬化されたものとなり、また、任意な幅を有するので、第二フォトスペーサーのオーバーコート層からの剥離及び耐荷重性の問題は解消したものとなる。
51・・・(樹脂)ブラックマトリックス
52・・・着色画素
52−1・・・第一色目の着色画素
52−2・・・第二色目の着色画素
52−3・・・第三色目の着色画素
53・・・オーバーコート層
54・・・突起
60・・・フォトレジスト層
G・・・近接露光のギャップ
L・・・露光光
P2・・・第二色目のスペーサーパターン
P3・・・第三色目のスペーサーパターン
PM1、PM2、PM3・・・フォトマスク
PS・・・フォトスペーサー
PS−1・・・第一フォトスペーサー
PS−2・・・第二フォトスペーサー
Claims (6)
- 透明基板上に樹脂ブラックマトリックス、複数色の着色画素、オーバーコート層、及びフォトスペーサーが形成された液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの製造方法において、
1)前記樹脂ブラックマトリックスが形成された透明基板上に、複数色の着色画素を順次に形成する際に、複数色内の1色の着色画素の膜厚を、他の複数色の着色画素の膜厚より厚く形成し、
2)該複数色の着色画素が形成された透明基板上の全面に、前記オーバーコート層及びフォトスペーサーを形成するためのフォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形成し、3)前記フォトスペーサーの形成に対応したパターンが設けられたフォトマスクを介した露光、及び現像処理を行い、
前記膜厚を厚く形成した1色の着色画素上にフォトスペーサーを形成し、同時に該1色の着色画素上以外の部分上にオーバーコート層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記1色の着色画素が、複数色の着色画素を順次に形成する際の最後の順の着色画素であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
- 透明基板上に樹脂ブラックマトリックス、複数色の着色画素、オーバーコート層、第一フォトスペーサー、及び第二フォトスペーサーが形成された液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの製造方法において、
1)前記樹脂ブラックマトリックス及び第一色目の着色画素が形成された透明基板上に第二色目以降の着色画素を順次に形成する際に、第二色目以降の着色画素の形成と同時に前記第一色目の着色画素上に、第二フォトスペーサー用の中間層を構成する第二色目以降のスペーサーパターンを順次に積層して形成し、
2)且つ、前記樹脂ブラックマトリックス及び第一色目の着色画素が形成された透明基板上に第二色目以降の着色画素を順次に形成する際に、第二色目以降の着色画素内の1色の着色画素の膜厚を、他の複数色の着色画素の膜厚より厚く形成し、
3)前記樹脂ブラックマトリックス、複数色の着色画素、及び第一色目の着色画素上に第二フォトスペーサー用の中間層を構成する第二色目以降のスペーサーパターンが順次に積層して形成された透明基板上の全面に、前記オーバーコート層、第一フォトスペーサー、及び第二フォトスペーサーを形成するためのフォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形成し、
4)前記第一フォトスペーサーの形成に対応したパターンが設けられたフォトマスクを介した露光、及び現像処理を行い、
前記膜厚を厚く形成した1色の着色画素上に第一フォトスペーサーを形成し、同時に第一色目の着色画素上に第一フォトスペーサーの高さより低い高さの第二フォトスペーサーを形成し、また同時に該1色の着色画素上及び第二フォトスペーサー上以外の部分上にオーバーコート層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記1色の着色画素が、複数色の着色画素を順次に形成する際の最後の順の着色画素であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法を用いて製造したことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項5記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする液晶表示装置。
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