JP4774323B2 - 回路遮断器のハンドルロック装置 - Google Patents

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本発明は、回路遮断器に関し、特に遮断器出力をオン/オフ操作する操作ハンドルをロックする回路遮断器のハンドルロック装置に関する。
回路遮断器は出力をオン/オフ操作する操作ハンドルを備えている。この操作ハンドルは、非常灯等の常時オン状態を保つ必要がある負荷が接続されている場合や、特定の条件の下でしかオン操作できない負荷が接続されている場合は、間違ってオフ操作或いはオン操作される事がないように、ロック装置によりオン状態或いはオフ状態でロックできるよう構成されたものがある。例えば、特許文献1では、操作ハンドルを覆うキャップを装着してロックする構造となっている。
一方、回路遮断器は小型化される傾向にあり、操作ハンドルに関しても、回動操作して出力オンの状態にした際に、遮断器ケース上面に操作ハンドルが平行になるよう傾倒され、遮断器ケース上面から突出する部位がなくなるフラットタイプの操作ハンドルを設けたものがある。このようなフラットタイプの操作ハンドルをロックするロック装置としては、特許文献2に記載された構造のものがある。これは、遮断器ケース上面の操作ハンドルの回動方向となる部位に嵌合溝を設け、その溝にロック部材を嵌合させて操作ハンドルをロックさせている。
特開2000−11842号公報 特開2001−307577号公報
しかし、上記特許文献1の操作ハンドルを覆う構成のものは、遮断器ケースから突出している操作ハンドルを覆うので、全体の突出量が更に大きくなってしまい、回路遮断器を収容する分電盤等の内部空間を広く採らなければ成らなかった。また、キャップを固定する部材も必要なため、コスト高となっていた。
また、引用文献2の構成は、部品点数が1つであり、また板状であるため安価に構成できるが、オン状態の操作ハンドルをロックする場合、操作ハンドル上を覆う構成であるため、操作ハンドルに遮断器ケースから突出する部位が無くてもロック部材により突起部が発生してしまう。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、装着したロック部材が操作ハンドルより突出する事がない回路遮断器のハンドルロック装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、出力をオン/オフ操作するための操作ハンドルをオン状態或いはオフ状態でロックする回路遮断器のハンドルロック装置であって、遮断器ケース上面に設けられた操作ハンドルの回動方向となる前後双方の面に形成した一対の嵌合凹部と、前記嵌合凹部に挿入する挿入片を備えて操作ハンドルをロック操作するロック部材とから成り、前記一対の嵌合凹部のうち、一方の嵌合凹部は、操作ハンドルオン位置で露出し、且つ遮断器ケース上面に平行に配置されると共に、他方の嵌合凹部は、操作ハンドルオフ位置で露出し、且つ遮断器ケース上面に平行に配置されるよう形成され、オン状態及びオフ状態の双方において前記ロック部材を露出した一方の前記嵌合凹部に挿入することで操作ハンドルはロックされることを特徴とする。
この構成により、ロック部材を操作ハンドルの嵌合凹部に挿入することでロックできる。また、ロック操作は遮断器ケース上でスライド操作してロックすることが可能であり、ロック部材はロックした状態で遮断器ケース上面に平行に配置できる。従って、オン状態及びオフ状態の双方においてケース上での突出量を最小に抑えることができ、操作ハンドルより上方に突出することがない。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、嵌合凹部内に、挿入された挿入片を係止する係止手段を備えたことを特徴とする。
この構成により、嵌合凹部に挿入したロック部材は係止されるので、別途抜け止め手段を設ける必要がない。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発明において、一対の嵌合凹部は、双方とも操作ハンドル側面に形成した溝であると共に、遮断器ケース上面の操作ハンドルに隣接する左右にはロック部材の挿入を案内する案内壁を備えて成ることを特徴とする。
この構成により、側面を切り欠くだけなので嵌合凹部、係止手段を容易に作製できるし、ロック部材の挿入は案内されるのでロック操作が容易である。
本発明によれば、ロック操作は遮断器ケース上でスライド操作してロックすることが可能であり、ロック部材はロックした状態で遮断器ケース上面に平行に配置できる。従って、オン状態及びオフ状態の双方においてケース上での突出量を最小に抑えることができ、操作ハンドルより上方に突出することがない。
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る回路遮断器のハンドルロック装置の一例を示し、回路遮断器の斜視図を示している。図1は出力オフ状態でロック部材挿入前の状態、図2は出力オフ状態でロックした状態、図3は出力オン状態でロック部材挿入前の状態、図4はオン状態でロックした状態を示している。尚、図1のみ背面方向から見た回路遮断器を示している。
各図において、1は回路遮断器の遮断機構が組み込まれている遮断器ケース、2は遮断器ケース背面に設けた電源側端子、3はケース前面に設けた負荷側端子、4は遮断器出力をオン/オフ操作する操作ハンドル、5は操作ハンドル4をロックして操作不可とするロック部材である。
この回路遮断器は、単相3線式電路に対応するよう形成され、電源側端子2、負荷側端子3の双方は縦に3端子を配置して構成されている。電源側端子2はプラグイン式で形成され、負荷側端子3は速結端子で形成されており、何れも挿入するだけで連結されるよう構成されている。そして、双方とも中央を中性端子、上下の端子を電圧端子として配置され、負荷側端子3の中央の端子口3bと、上側端子口3a或いは下側端子口3cの一方に電線を接続することで100V電圧の出力を得ることができ、上下両端の端子口3a,3cに電線を接続することで200V電圧の出力を得ることができるようになっている。
また、操作ハンドル4は、オフ操作状態では遮断器ケース1から上方に突出した状態にあり、オン操作状態では遮断器ケース1上面に略平行に成る角度まで傾倒される構成となっている。
一方、操作ハンドル4を設けた遮断器ケース1上面には、操作ハンドル4の左右に隣接して操作ハンドル4の操作方向に平行に配置された保護壁7が設けられている。この保護壁7は、オン操作した操作ハンドル4を収容して保護するよう形成され、オン状態の操作ハンドル4と略同一の高さで形成されている。また、この保護壁7は、ロック部材5のスライド操作を案内する案内壁としても使用される。
上記構成の回路遮断器において、ハンドルロック装置は次のように構成されている。操作ハンドル4の背面には、オフ状態をロックするための第1の嵌合凹部9aが凹設されている。この第1の嵌合凹部9aは、オフ状態で遮断器ケース1上面に露出し、且つ露出した状態で遮断器ケース1上面に平行になるよう形成されている。
図5(a)は、図2のロック状態の操作ハンドル4近傍を拡大した回路遮断器の縦断面図を示し、第1の嵌合凹部9aは、操作ハンドル4の側面を切り欠いて溝状に形成され、内部下面にはロック部材5を係止するための係止凹部(係止手段)10が設けられている。
また、操作ハンドル4の前面には、オン状態をロックするための第2の嵌合凹部9bが凹設されている。この第2の嵌合凹部9bは、オン状態で遮断器ケース1上面に露出し、且つ露出した状態で遮断器ケース1上面に平行になるよう形成されている。
図5(b)は、図4のロック状態の操作ハンドル4近傍を拡大した回路遮断器の縦断面図を示し、第2の嵌合凹部9bは、操作ハンドル4の側面を切り欠いて溝状に形成され、内部上面にはロック部材5を係止するための係止凹部10が設けられている。尚、第1の嵌合凹部9a、第2の嵌合凹部9b共に、操作ハンドル4の同一側面に形成されている。
一方、ロック部材5は、四角形板状の摘み部12と、その端部に突設した嵌合凹部9a,9bに挿入する挿入片13とで形成されている。摘み部12は、左右に形成されている保護壁7の間隔に合わせて形成され、挿入片13は、嵌合凹部9a,9bと略同一形状で形成され、係止凹部10に係止する係止突起5aが設けられている。
このようにハンドルロック装置を形成することで、出力オフ時のロック操作は、図1に示すように、後方から操作ハンドル4の背面に露出した第1嵌合凹部9aにロック部材5を挿入操作して実施される。この操作は、保護壁7,7で囲まれた空間にロック部材5を配置した後、スライド操作して挿入片13を第1嵌合凹部9aに挿入して嵌合させる。この嵌合操作で係止凹部10に係止突起5aが係止される。
また、出力オン時のロック操作は、図3に示すように、前方から操作ハンドル4の前面に露出した第2嵌合凹部9bに、ロック部材5を挿入操作して実施される。この操作は、保護壁7,7で囲まれた空間の前方にロック部材5を配置した後、スライド操作して挿入片13を第2嵌合凹部9bに挿入して嵌合させる。この嵌合操作で係止凹部10に係止突起5aが係止される。
このように、ロック部材を操作ハンドルの嵌合凹部に挿入することでロックできる。そして、ロック操作は遮断器ケース上でスライド操作してロックするので、ロック部材はロックした状態で遮断器ケース上面に平行に配置できる。従って、オン状態及びオフ状態の双方においてケース上での突出量を最小に抑えることができ、操作ハンドルより上方に突出することがない。
また、嵌合凹部に挿入するだけで係止されるので、別途抜け止め手段を設ける必要がないし、嵌合凹部は操作ハンドルの左右を切り欠いて形成されるので、嵌合凹部及び係止手段を容易に作製できる。
更に、ロック部材は保護壁に案内されるので挿入操作が容易であるし、嵌合凹部が溝状に形成されても、保護壁によりロック部材は支持されるので外れる事がない。
尚、上記実施形態では、嵌合凹部9a,9bを操作ハンドル4に一対設けているが、操作ハンドル4の左右側面に溝を設けて、操作ハンドル4を挟持するようにロック部材5の挿入片13を構成しても良い。
図6は、ハンドルロック装置の他の形態を示している。16は遮断器ケース、17は操作ハンドル、18はロック部材であり、オン位置、オフ位置の双方において操作ハンドル17は遮断器ケース16から突出した状態にある。
そして、操作ハンドル17基部の前面及び背面には、オン位置或いはオフ位置において露出する嵌合凹部としての孔19が一対穿設されている。この孔19は、双方とも操作ハンドル17の中央に形成され、露出した状態では遮断器ケース16上面に連続して平行に配置されるよう形成されている。
一方、ロック部材18は、四角形板状の摘み部21の一端に孔19に挿入する挿入片22が突設され、摘み部21の左右側部には、挿入した状態で遮断器ケースに係止する突起23が設けられている。そして、遮断器ケース16には操作ハンドル17の左右に隣接して、ロック部材18の操作を案内する案内壁24が設けられ、その前端及び後端には突起23を係止する係止凹部25が設けられている。
こうして、ロック操作する場合、前方或いは後方からロック部材18をスライド操作することで操作ハンドル17はロックされるし、ロック部材17は遮断器ケース16に係止する。
このように、操作ハンドルの前後面に孔を穿設してロック部材の挿入片を挿入するよう構成しても良いし、ロック部材の摘み部と遮断器ケースとの間で抜け止め構造を設けても良い。
尚、上記実施形態は何れも、操作ハンドル4,17に設けた嵌合凹部に挿入片13,22を挿入して係止させてロックする構成であるが、操作ハンドル4,17の前後面に溝を設けて、ロック部材5,18にその溝に係止する突起を設けるだけでもロックは可能である。この場合はロック部材は遮断器ケースに係止させれば良い。
本発明に係る回路遮断器の斜視図であり、オフ操作状態で操作ハンドルロック前の状態を示している。 図1の操作ハンドルロック後の状態を示す斜視図である。 図1の回路遮断器をオン操作した状態で操作ハンドルロック前の状態を示している。 図3の操作ハンドルロック後の状態を示す斜視図である。 操作ハンドル近傍を拡大した回路遮断器の縦断面図を示し、(a)は図2の状態、(b)は図4の状態である。 本発明に係る回路遮断器のハンドルロック装置の他の形態を示す要部斜視図である。
符号の説明
1・・遮断器ケース、4・・操作ハンドル、5・・ロック部材、7・・保護壁(案内壁)、9a,9b・・嵌合凹部、10・・係止凹部(係止手段)、12・・摘み部、13・・挿入片、16・・遮断器ケース、17・・操作ハンドル、18・・ロック部材、19・・孔(嵌合凹部)、21・・摘み部、22・・挿入片、24・・案内壁、25・・係止凹部(係止手段)。

Claims (3)

  1. 出力をオン/オフ操作するための操作ハンドルをオン状態或いはオフ状態でロックする回路遮断器のハンドルロック装置であって、
    遮断器ケース上面に設けられた操作ハンドルの回動方向となる前後双方の面に形成した一対の嵌合凹部と、前記嵌合凹部に挿入する挿入片を備えて操作ハンドルをロック操作するロック部材とから成り、
    前記一対の嵌合凹部のうち、一方の嵌合凹部は、操作ハンドルオン位置で露出し、且つ遮断器ケース上面に平行に配置されると共に、他方の嵌合凹部は、操作ハンドルオフ位置で露出し、且つ遮断器ケース上面に平行に配置されるよう形成され、オン状態及びオフ状態の双方において前記ロック部材を露出した一方の前記嵌合凹部に挿入することで操作ハンドルはロックされることを特徴とする回路遮断器のハンドルロック装置。
  2. 嵌合凹部内に、挿入された挿入片を係止する係止手段を備えた請求項1記載の回路遮断器のハンドルロック装置。
  3. 一対の嵌合凹部は、双方とも操作ハンドル側面に形成した溝であると共に、遮断器ケース上面の操作ハンドルに隣接する左右にはロック部材の挿入を案内する案内壁を備えて成る請求項1又は2記載の回路遮断器のハンドルロック装置。
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