JP4774324B2 - 回路遮断器のハンドルロック装置 - Google Patents

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本発明は回路遮断器に関し、特に遮断器出力をオン/オフ操作する操作ハンドルをロックする回路遮断器のハンドルロック装置に関する。
回路遮断器は出力をオン/オフ操作する操作ハンドルを備えている。この操作ハンドルは、非常灯等の常時オン状態を保つ必要がある負荷が接続されている場合や、特定の条件の下でしかオン操作できない負荷が接続されている場合は、間違ってオフ操作或いはオン操作される事がないように、ロック装置によりオン状態或いはオフ状態でロックできるよう構成されたものがある。例えば、特許文献1では、操作ハンドルを覆うキャップを装着してロックする構造となっている。
一方、回路遮断器は小型化される傾向にあり、操作ハンドルに関しても、回動操作して出力をオン状態にした際に、遮断器ケース上面に操作ハンドルが平行になるよう傾倒され、遮断器ケース上面から突出する部位がなくなるフラットタイプの操作ハンドルを設けたものがある。このようなフラットタイプの操作ハンドルをロックするロック装置としては、特許文献2に記載された構造のものがある。これは、遮断器ケース上面の操作ハンドルの回動方向となる部位に嵌合溝を設け、その溝にロック部材を嵌合させて操作ハンドルをロックさせている。
特開2000−11842号公報 特開2001−307577号公報
しかし、上記特許文献1のロックカバーは、オン/オフ双方の状態で操作ハンドルが前後対称角度に傾倒する構成に有効なもので、オン状態とオフ状態とではロックカバーの向きを反転することで何れの状態でも装着可能な構成となっている。そのため、オン状態でのロックかオフ状態のロックかは装着したロックカバーから判断するのは難しかった。
また、特許文献2の構成は、オン状態であってもオフ状態であってもロック部材は同一の部位に同じように装着されるため、やはりロック部材から判断できなかった。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、装着したロック部材により操作ハンドルのオン/オフ状態を把握する事ができる回路遮断器のハンドルロック装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、出力をオン/オフ操作するための操作ハンドルをオン状態或いはオフ状態でロックする回路遮断器のハンドルロック装置であって、遮断器ケース上面に設けられた操作ハンドルの回動方向となる前後双方の面に形成した一対の嵌合凹部と、前記嵌合凹部に挿入する挿入片を備えて操作ハンドルをロック操作するロック部材とから成り、前記一対の嵌合凹部は、操作ハンドルの中心軸から左右何れか一方の同一方向に偏心配置されると共に、一方の嵌合凹部は操作ハンドルオン位置で露出する部位に、他方の嵌合凹部は操作ハンドルオフ位置で露出する部位に形成され、更に遮断器ケース上面には、操作ハンドルに隣接する左右に前後方向に平行に配設されて前記ロック部材のロック操作を案内する案内壁が設けられると共に、前記ロック部材は前記嵌合凹部に挿入する挿入片を前記偏心量に合わせて偏心配置し、オン状態、オフ状態の何れの状態においても、露出した一方の嵌合凹部に前記挿入片を案内壁に沿って挿入することで操作ハンドルをロックすることを特徴とする。
この構成により、ロック部材を操作ハンドルの嵌合凹部に挿入することでロックできる。そして、操作ハンドルの前面及び背面に設けた嵌合凹部は同一方向に偏心配置されているので、ロック操作はオン状態とオフ状態とでロック部材を反転して操作する事になる。そのため、オン状態とオフ状態とで露出する面が異なり、ロック部材の状態によりオン/オフを認識できる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、嵌合凹部内に、挿入された挿入片を係止する係止手段を備えたことを特徴とする。
この構成により、嵌合凹部に挿入したロック部材は係止されるので、装着したロック部材が外れる事がなく、別途抜け止め手段を必要としない。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、嵌合凹部は、操作ハンドルの側面を切り欠いて形成した嵌合溝であることを特徴とする。
この構成により、操作ハンドルの一方の側面を切り欠くだけなので嵌合凹部を容易に作製できるし、操作ハンドルの他方の側部にはハンドルバネ等の部材を設けるスペースを確保でき、遮断器の小型化に貢献できる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明において、操作ハンドルオン位置或いはオフ位置で露出する嵌合凹部は、遮断器ケース上面に平行に配置された状態で露出し、ロック部材は遮断器ケース上面でスライド操作することで嵌合凹部に挿入されることを特徴とする。
この構成により、オン操作した際に操作ハンドルが遮断器上面に略平行に傾倒される構成であっても、ロック部材は遮断器ケース上面に平行な方向のスライド操作でロックされるので、装着したロック部材が操作ハンドルより突出させないようにでき、分電盤等の寸法をロック部材の装着を考慮して設計する必要がなくなる。また、突出部位を無くすことができるので、回路遮断器の小型化に適している。
本発明によれば、操作ハンドルの前面及び背面に設けた嵌合凹部は、同一方向に偏心配置されているので、ロック操作はオン状態とオフ状態とでロック部材を反転して操作する事になる。そのため、オン状態とオフ状態とで露出する面が異なり、ロック部材の状態によりオン/オフを認識できる。
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図4は本発明に係る回路遮断器のハンドルロック装置の一例を示し、回路遮断器の斜視図を示している。図1は出力オフ状態でロック部材挿入前の状態、図2は出力オフ状態でロックした状態、図3は出力オン状態でロック部材挿入前の状態、図4はオン状態でロックした状態を示している。尚、図1のみ背面方向から見た回路遮断器を示している。
各図において、1は回路遮断器の遮断機構が組み込まれている遮断器ケース、2は遮断器ケース背面に設けた電源側端子、3はケース前面に設けた負荷側端子、4は遮断器出力をオン/オフ操作する操作ハンドル、5は操作ハンドル4をロックして操作不可とするロック部材である。
この回路遮断器は、単相3線式電路に対応するよう形成され、電源側端子2、負荷側端子3の双方は縦に3端子を配置して構成されている。電源側端子2はプラグイン式で形成され、負荷側端子3は速結端子で形成されており、何れも挿入するだけで連結されるよう構成されている。そして、双方とも中央を中性端子、上下の端子を電圧端子として配置され、負荷側端子3の中央の端子口3bと、上側端子口3a或いは下側端子口3cの一方に電線を接続することで100V電圧の出力を得ることができ、上下両端の端子口3a,3cに電線を接続することで200V電圧の出力を得ることができるようになっている。
また、操作ハンドル4は、オフ操作状態では遮断器ケース1から上方に突出した状態にあり、オン操作状態では遮断器ケース1上面に略平行に成る角度まで傾倒される構成となっている。
一方、操作ハンドル4を設けた遮断器ケース1上面には、操作ハンドル4の左右に隣接して操作ハンドル4の操作方向に平行に配置された保護壁7が設けられている。この保護壁7は、オン操作した操作ハンドル4を収容して保護するよう形成され、オン状態の操作ハンドル4と略同一の高さで形成されている。また、この保護壁7は、ロック部材5のスライド操作を案内する案内壁でもある。
上記構成の回路遮断器において、ハンドルロック装置は以下のように構成されている。操作ハンドル4の背面には、オフ状態をロックするための第1の嵌合凹部9aが凹設されている。この第1の嵌合凹部9aは、オフ状態で遮断器ケース1上面に露出し、且つ遮断器ケース1上面に平行に配設されるよう形成されている。
図5(a)は、図2のロック状態の操作ハンドル4近傍を拡大した回路遮断器の縦断面図を示し、第1の嵌合凹部9aは、操作ハンドル4の側面を切り欠いて溝状に形成され、内部下面にはロック部材5を係止するための係止凹部(係止手段)10が設けられている。
また、操作ハンドル4の前面には、オン状態をロックするための第2の嵌合凹部9bが凹設されている。この第2の嵌合凹部9bは、オン状態で遮断器ケース1上面に露出し、且つ露出した状態で遮断器ケース1上面に平行になるよう形成され、一様な径で形成されている。
図5(b)は、図4のロック状態の操作ハンドル4近傍を拡大した回路遮断器の縦断面図を示し、第2の嵌合凹部9bは、操作ハンドル4の側面を切り欠いて溝状に形成され、内部上面にはロック部材5を係止するための係止凹部10が設けられている。このように、双方の嵌合凹部9a,9bは、操作ハンドル4の中心軸に対して、同一方向に偏心させて形成されている。
一方、ロック部材5は、四角形板状の摘み部12と、その端部に突設した嵌合凹部9a,9bに挿入する挿入片13とで形成されている。摘み部12は、左右に形成されている保護壁7の間隔に合わせて形成され、挿入片13は、嵌合凹部9a,9bと略同一形状で形成され、係止凹部10に係止する係止突起5aが設けられている。そして、嵌合凹部9a,9bの偏心量に合わせて左右方向に偏心させて配置されている。
このようにハンドルロック装置を構成することで、出力オフ時のロック操作は、図1に示すように、後方から操作ハンドル4の背面に露出した第1嵌合凹部9aにロック部材5を挿入操作して実施される。この操作は、保護壁7,7で囲まれた空間にロック部材5を配置した後、スライド操作して挿入片13を第1嵌合凹部9aに挿入して嵌合させる。この嵌合操作で係止凹部10に係止突起5aが係止される。このとき、偏心配置された第1嵌合凹部9aの位置に合わせてロック部材5の上下が決定され、OFF文字が書かれた面が上方に向けられてロック操作される。
また、出力オン時のロック操作は、図3に示すように、前方から操作ハンドル4の前面に露出した第2嵌合凹部9bにロック部材5を挿入操作して実施される。この操作は、保護壁7,7で囲まれた空間の前方にロック部材5を配置した後、スライド操作して挿入片13を第2嵌合凹部9bに挿入して嵌合させる。この嵌合操作で係止凹部10に係止突起5aが係止される。このとき、偏心配置された第2嵌合凹部9bの位置に合わせてロック部材5の上下が決定され、ON文字が書かれた面が上方に向けられてロック操作される。
このように、操作ハンドルに設けた前後一対の嵌合凹部は同一方向に偏心配置されているので、ロック操作はオン状態とオフ状態とでロック部材を反転して操作する事になり、オン状態とオフ状体とで露出する面が異なる。その結果、ロック部材の状態によりオン/オフ状態を認識できる。
また、嵌合凹部は操作ハンドルの一方の側面を切り欠くだけなので容易に作製できるし、操作ハンドルの他方の側部にはハンドルバネ等の部材を設けるスペースを確保でき、遮断器の小型化に貢献できる。
更に、嵌合凹部に挿入したロック部材は係止されるので、装着したロック部材が外れる事がなく、別途抜け止め手段を必要としないし、オン操作した際に操作ハンドルが遮断器上面に略平行に傾倒される構成であっても、ロック部材は側方から操作ハンドルに挿入してロックするのでロック部材が操作ハンドルより突出しないようにでき、ロック部材の装着を考慮して分電盤等の寸法を考慮する必要がない。また、突出部位を無くすことができるので、回路遮断器の小型化に適している。
尚、上記実施形態では、嵌合凹部9a,9bが操作ハンドル4の側面を切り欠いて形成されているが、操作ハンドル4の中心軸からずらしてあれば良く、操作ハンドル4の前後面に孔を穿設して形成しても良い。
また、ロック部材5の挿入片13を嵌合凹部9a,9b内に設けた係止手段に係止させてロック部材5の抜け止めを図っているが、ロック部材5の摘み部12と保護壁7の間に係止機構を設けて抜け止めを図っても良い。
更に、オン操作時に操作ハンドル4が遮断器ケース1上面に平行に配置される構成を示しているが、オン/オフ操作において、操作ハンドルが前後対称角度に回動操作される形態の回路遮断器に対しても上記ハンドルロック装置は良好に適用できる。
本発明に係る回路遮断器の斜視図であり、オフ操作状態で操作ハンドルロック前の状態を示している。 図1の操作ハンドルロック後の状態を示す斜視図である。 図1の回路遮断器をオン操作した状態で操作ハンドルロック前の状態を示している。 図3の操作ハンドルロック後の状態を示す斜視図である。 操作ハンドル近傍を拡大した回路遮断器の縦断面図を示し、(a)は図2の状態、(b)は図4の状態である。
符号の説明
1・・遮断器ケース、4・・操作ハンドル、5・・ロック部材、7・・保護壁(案内壁)、9a,9b・・嵌合凹部、10・・係止凹部(係止手段)、12・・摘み部、13・・挿入片。

Claims (4)

  1. 出力をオン/オフ操作するための操作ハンドルをオン状態或いはオフ状態でロックする回路遮断器のハンドルロック装置であって、
    遮断器ケース上面に設けられた操作ハンドルの回動方向となる前後双方の面に形成した一対の嵌合凹部と、前記嵌合凹部に挿入する挿入片を備えて操作ハンドルをロック操作するロック部材とから成り、
    前記一対の嵌合凹部は、操作ハンドルの中心軸から左右何れか一方の同一方向に偏心配置されると共に、一方の嵌合凹部は操作ハンドルオン位置で露出する部位に、他方の嵌合凹部は操作ハンドルオフ位置で露出する部位に形成され、
    更に遮断器ケース上面には、操作ハンドルに隣接する左右に前後方向に平行に配設されて前記ロック部材のロック操作を案内する案内壁が設けられると共に、前記ロック部材は前記嵌合凹部に挿入する挿入片を前記偏心量に合わせて偏心配置し、
    オン状態、オフ状態の何れの状態においても、露出した一方の嵌合凹部に前記挿入片を案内壁に沿って挿入することで操作ハンドルをロックすることを特徴とする回路遮断器のハンドルロック装置。
  2. 嵌合凹部内に、挿入された挿入片を係止する係止手段を備えた請求項1記載の回路遮断器のハンドルロック装置。
  3. 嵌合凹部は、操作ハンドルの側面を切り欠いて形成した嵌合溝である請求項1又は2記載の回路遮断器のハンドルロック装置。
  4. 操作ハンドルオン位置或いはオフ位置で露出する嵌合凹部は、遮断器ケース上面に平行に配置された状態で露出し、ロック部材は遮断器ケース上面でスライド操作することで嵌合凹部に挿入される請求項1乃至3の何れかに記載の回路遮断器のハンドルロック装置。
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