JP4773046B2 - 溶接システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状の素材から形成されるホイールリムとホイールディスクとを接合する溶接トーチを備える溶接システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等のタイヤホイール(以下、単にホイールという。)として、板状の素材から円筒状に形成されたリム(rim)と円盤状に形成されたディスク(disk)とを組み合わせ、溶接により接合した2ピースホイールが広く用いられている。
【0003】
この種の2ピースホイールとして、例えば、図11に示すホイール1を挙げることができる。このホイール1は、鋼や軽合金の展伸材をロール成形したリム2に、リム2と同種の展伸材をプレス成形したディスク3を嵌入してなり、アーク溶接によって一体に組み立てられる。このアーク溶接による接合の際には、ホイール1を所定の角度(この場合、水平方向に対して30°)に傾斜させ、溶接トーチ5のねらいを溶接ワイヤ6の直径分程度ディスク3側へ寄せ(図11のW寸法)、さらに溶接用の電流、電圧および溶接トーチ5の移動速度をリム2とディスク3の板厚に応じて調整することによって、溶接溶け込み7をリム2の板厚の約10〜30%に形成するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−58103号公報(段落[0009]、図2、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アーク溶接によって一体に組み立てられたホイール1は、例えば、溶接機の回転テーブル等から取り出され、検査工程等の後工程に搬送する必要がある。
【0006】
本発明は、前記の取り出しおよび搬送に関連してなされたものであり、ホイールを取り出すための把持手段を備えて、装置を簡素化するとともに、ホイールの生産効率を向上させることが可能な溶接システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、板状の素材から形成されるホイールリムとホイールディスクとを接合してホイールを形成する溶接ロボットに装着される溶接トーチと、前記ホイールリム内に嵌挿された前記ホイールディスクを位置決めする位置決め手段とを有する溶接システムであって、
前記溶接トーチは、前記溶接ロボットのヘッド部によって回転自在に支持されるとともに、該溶接トーチには、前記ホイールを取り出すための把持手段が備えられ、
前記把持手段は、前記溶接ロボットの前記ヘッド部の回転軸線に対して交差する方向に延在し、
前記把持手段は、前記ホイールのボルト孔を介して該ホイールを把持するクランプ部を備え、
前記位置決め手段は、前記ホイールのハブ孔を介して該ホイールを径方向に位置決めする径方向位置決め部材と、前記クランプ部によって把持されるための前記ボルト孔とは別のボルト孔を介して該ホイールを周方向に位置決めする周方向位置決め部材とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る溶接トーチによれば、ホイールを取り出すための把持手段が溶接トーチに備えられているので、溶接トーチが装着される溶接ロボットを共通化することができる。その結果、溶接ロボットを簡素化することが可能になるとともに、該溶接ロボットが設置される溶接システムの省スペース化を図ることができる。
【0009】
また、把持手段が、溶接ロボットのヘッド部の回転軸線に対して交差する方向に延在しているので、溶接トーチの接合作業と、把持手段の取り出し作業とによる相互の干渉等を阻止することができる。その結果、このような相互の干渉等による溶接システムの中断が回避されるので、ホイールの生産効率を向上させることができる。
【0010】
この場合、前記把持手段は、前記ホイールのボルト孔を介して該ホイールを把持するクランプ部を備えている。これにより、ホイールを取り出す際に、人手作業に頼ることがなく、かつ他の補助部材や工具等を設ける必要がないので、溶接ロボットをより一層簡素化することが可能になるとともに、ホイールの生産効率をより一層向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る溶接システムについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0012】
図1は、溶接トーチ10を具備する本実施の形態に係る溶接システム12の概略斜視説明図であり、図2は、溶接トーチ10を用いた溶接によってホイールリム14とホイールディスク16とが接合され、一体に形成されるホイール18の縦断面説明図である。
【0013】
先ず、図2を参照しながらホイール18について説明する。このホイール18は、板状の素材、例えば、アルミニウム合金等の軽合金材や鋼材等からなり、プレス工法や鍛造工法等により前記素材を成形することによって円筒状に形成されるホイールリム14と、円盤状に形成されるホイールディスク16とを有する。
【0014】
ホイールリム14は、その両側の周縁部が立設されたフランジ部14aと、フランジ部14aの内側に図示しないタイヤのビード部が嵌合されるビードシート部14bと、ビードシート部14bに形成されたハンプ部14cと、ホイール18の中心軸線Pに指向して凹んだウエル部14dとを有する。このウエル部14dのホイールディスク16側の側部には、図示しないエアバルブが装着されるエアバルブ孔14eが設けられる。
【0015】
一方、ホイールディスク16は、図示しないハブに固定するためのハブ孔20と、ハブ孔20の外側に、ホイールディスク16の円周方向に沿って等間隔に配置された複数のボルト孔22とを有する。このボルト孔22には、図示しないナットとの共働によりホイールディスク16を前記ハブに締結するための図示しないハブボルトが挿通される。なお、ボルト孔22の周りには、前記ハブの締結面側に指向して隆起した周縁部22aが形成されている。
【0016】
また、ホイールディスク16は、その周縁部16aの内側に、ホイールディスク16の円周方向に沿って等間隔に配置された複数の飾り孔24を有する。この飾り孔24は、意匠の観点からの装飾性を有するとともに、前記ハブに隣接する図示しないブレーキドラム、あるいはブレーキディスクから発生する摩擦熱を放出するための機能も有する。
【0017】
図2から容易に諒解されるように、ホイールリム14のウエル部14dの内側面に、ホイールディスク16の周縁部16aが、例えば、圧入により嵌挿され、溶接(MIG溶接等)によって接合部位26が形成されてホイール18が構成される。
【0018】
次に、前記溶接トーチ10が適用される溶接システム12について説明する。
【0019】
図1に示すように、溶接システム12は、ホイールリム14にホイールディスク16を嵌挿した圧入品30が、例えば、図示しない供給コンベア等を介して供給された後、位置決めして載置されるとともに、該圧入品30を傾斜させる載置・傾斜手段32と、溶接トーチ10が装着されるティーチング動作可能な多関節型のロボット(溶接ロボット)34と、溶接トーチ10を用いた溶接によって形成されたホイール18を、例えば、検査工程等の後工程に搬送するベルトコンベア等からなる搬送コンベア36とを有する。
【0020】
図3および図4に示すように、載置・傾斜手段32は、支持ブロック38を介して圧入品30(ホイール18)を支持する載置部40と、この載置部40が装着される基部41とを備える。
【0021】
図5〜図7に示すように、載置部40には、支持ブロック38に圧入品30を載置する際に、ホイールディスク16のハブ孔20を介して案内するとともに、圧入品30を径方向に位置決めする嵌挿ブロック42と、ホイールディスク16のボルト孔22を介して、支持ブロック38上において圧入品30を周方向に位置決めする位置決めピン44とが備えられている。
【0022】
支持ブロック38は、前記ボルト孔22のそれぞれに対応させて周方向に複数配設されている。また、径方向に対向して配設された2つの支持ブロック38には、後述する把持手段102のクランプ部104に対応させるために、逃げ孔38aが形成されている。さらに、支持ブロック38の近傍には、圧入品30が支持ブロック38上に当接したかどうかを判定するための当接部位45aを有する検出シャフト45と、この検出シャフト45の当接部位45aとは反対側には、位置調節可能な被検出部材を検出するシャフト検出器が備えられている(図示せず)。
【0023】
嵌挿ブロック42は、上方側へと縮径するテーパ形状に形成されている。また、嵌挿ブロック42には、その径方向に貫通するスリット42aが形成されており、このスリット42aには、互いに開閉動作することにより圧入品30を固定または解放する一対のクランプ46、48が配設されている。これらのクランプ46、48の先端は、略爪状に形成されている。
【0024】
クランプ46、48には、屈曲した長孔状の被ガイド孔46a、48aがそれぞれ形成されており、この被ガイド孔46a、48aには、前記支持ブロック38の下方側に固着されたガイドシャフト50が挿通されている。また、クランプ46、48は、例えば、エアシリンダ等からなるシリンダ52のロッド53の一端53aに連結ピン54を介して回転可能に連結され、シリンダ52の付勢によって進退動作される。すなわち、このシリンダ52による進退作用と、被ガイド孔46a、48aに対するガイドシャフト50の案内作用とによって、クランプ46、48が進退動作されるとともに開閉動作される。
【0025】
シリンダ52のロッド53の他端53bには位置調節可能な被検出部材53cが備えられている。この被検出部材53cを検出することによって、シリンダ52の進退動作のストロークを調節する近接センサ等からなる一組のロッド検出器56a、56bが、ロッド53の他端53bの近傍に備えられる。換言すると、シリンダ52のロッド53に対してロッド検出器56a、56bの位置関係を調節することによって、圧入品30のホイールディスク16の板厚等による種類替えにも対応させることができる。このように構成することにより、前記種類替えを効率的に行うことが可能になる。
【0026】
なお、載置部40の近傍には、圧入品30の有無を検出する透過型センサ等からなる図示しないワーク検出器が備えられている。
【0027】
図3および図4に示すように、基部41は、筐体70と、この筐体70によって回転自在に支持される回転テーブル72とを備える。筐体70の内部にはサーボモータ等からなる図示しないモータが備えられており、このモータの回転付勢によって回転テーブル72が回転動作される。この回転テーブル72上に前記載置部40が装着されており、従って、載置部40に載置された圧入品30は、前記モータの回転付勢によって回転動作されることになる。なお、筐体70上の回転テーブル72の近傍には、該回転テーブル72を回転方向に位置決めするために、ノックピン等を有する図示しない位置決め手段が備えられている。
【0028】
また、載置・傾斜手段32は、旋回することによって前記基部41とともに載置部40を傾斜させる傾斜部80を備えている。傾斜部80には、ブラケット82を介して基部41を旋回自在に支持する支軸84と、この支軸84を軸心にしてブラケット82とともに基部41を旋回動作させる油圧シリンダ等からなるシリンダ86とが備えられている。ブラケット82は、シリンダ86のロッド88の一端88aに連結部材90を介して回転可能に連結されている。
【0029】
また、支軸84は、傾斜部80のメインフレーム92に固着されている。従って、載置部40に載置された圧入品30は、シリンダ86の付勢によって進退動作されるロッド88の進動作(矢印X1方向)によって上方側へと旋回、すなわち上方側へと傾斜されることになる。この場合、水平方向に対する傾斜角度θは、30°〜60°が望ましく、45°程度が好適とされる(図4参照)。
【0030】
なお、傾斜部80は、ブラケット82が旋回動作する際に、ブラケット82の当接部位82aが当接することによる衝撃を吸収するとともに、所定の傾斜位置においてブラケット82を位置決めするためのスプリング等を含む上側ストッパ94aと、傾斜したブラケット82が通常位置(水平位置)に戻る際に、ブラケット82の当接部位82bが当接することによる衝撃を吸収するとともに、所定の水平位置においてブラケット82を位置決めするためのスプリング等を含む下側ストッパ94bとを備えている。これらの各ストッパ94a、94bは、メインフレーム92に固着されている。また、シリンダ86は、ロッド88の進退動作に伴って旋回するブラケット82の円弧状軌跡に追随させるために、支持部材96によって回転自在に支持されている。
【0031】
図8〜図10に示すように、溶接トーチ10はブラケット100を有し、このブラケット100を介してロボット34の最終段のアーム34aに支持されるヘッド部34bに装着されている。ヘッド部34bは、アーム34aに対して回転自在であり(図8中、矢印A方向)、従って、溶接トーチ10は、ヘッド部34bによって回転自在に支持されている。このブラケット100には、溶接トーチ10による接合作業が完了したホイール18を前記載置部40から取り出すための把持手段102が備えられている。この把持手段102は、ロボット34のヘッド部34bの回転軸線Bに対して交差する方向、例えば、直交する方向(図8中、矢印C方向)に延在している。
【0032】
把持手段102は、ホイール18のボルト孔22に挿入されることによってホイール18を把持する複数(例えば、2つ)のクランプ部104を備える。クランプ部104は、台座部106に連設されたエアシリンダ等からなるシリンダ108の一端に装着される。また、クランプ部104にはスリット104aが形成されており、このスリット104aには、シリンダ108の進退動作により、間隔を拡縮することによって前記ボルト孔22を内側から把持または解放する一対の爪状部材105a、105bが配設されている。
【0033】
台座部106には、クランプ部104の爪状部材105a、105bによるホイール18のボルト孔22に対する把持力を調節するための調節部110が設けられている。この調節部110は、シリンダ108のロッド108aの他端側に備えられる位置調節可能な被検出部材110aと、被検出部材110aを検出する近接センサ等からなる一組のロッド検出器110bとを有する。
【0034】
ここで、前記ボルト孔22に対する把持力は、シリンダ108の付勢によるロッド108aの進退動作のストロークにより調節されるものである。すなわち、クランプ部104には、ロッド108aの進退動作に伴って、前記爪状部材105a、105bの拡縮量を調節することが可能な図示しない機構が備えられており、従って、ロッド108aの他端側における被検出部材110aの位置、特に、ロッド108aの進動作(図10中、矢印C1方向)の位置を調節すると、ロッド108aの進動作における停止位置が決定づけされることになる。これにより、ロッド108aの前記ストロークが調節され、ボルト孔22に対する前記把持力が調節される。このように調節部110を設けることにより、ホイールディスク16の板厚等による種類替えにも対応させることが可能になる。
【0035】
また、台座部106には、クランプ部104がホイール18に当接したことを検出するための検出部112が設けられている。この検出部112は、一端に当接部位112aを有する検出用シャフト112bと、検出用シャフト112bの他端に備えられる位置調節可能な被検出部材112cと、被検出部材112cを検出する近接センサ等からなる検出器114とを有する。このように、検出部112を設けることにより、クランプ部104がホイール18に当接して、ボルト孔22に挿入されたことを確実に検出することができる。
【0036】
なお、溶接システム12には、該溶接システム12を統括して制御する図示しない制御部が備えられている。
【0037】
次に、溶接システム12の動作とともに、圧入品30に対する接合作業について説明する。
【0038】
嵌挿ブロック42による案内作用と、該嵌挿ブロック42および位置決めピン44による位置決め作用とによって、圧入品30が載置部40の支持ブロック38に載置されると、前記のワーク検出器およびシャフト検出器から制御部に検出信号が出力される。これらの検出信号によって前記制御部から溶接システム12の各構成要素に向けて動作指令が出力され、溶接システム12の動作が開始される。
【0039】
先ず、シリンダ52の付勢によるロッド53の退動作(図7中、矢印Z1方向)と、被ガイド孔46a、48aに対するガイドシャフト50の案内作用とによってクランプ46、48が開動作され、載置部40に載置された圧入品30が支持ブロック38に固定される。
【0040】
次いで、シリンダ86の付勢によるロッド88の進動作(図3および図4中、矢印X1方向)によってブラケット82が旋回動作される。この旋回動作に伴って、載置部40に載置された圧入品30が上方側へと旋回し、ブラケット82が上側ストッパ94aに当接することによって、圧入品30が傾斜角度θに保持される。この場合、傾斜角度θは、45°に設定すると好適である。
【0041】
次に、ロボット34の作動により、傾斜角度θに保持された圧入品30に向けて、溶接トーチ10が移動される。なお、溶接トーチ10の先端部は、ホイールリム14とホイールディスク16との接合部位26に向けて、略垂直方向から接近移動される(図9中、矢印Z1方向)。
【0042】
そこで、前記位置決め手段による回転テーブル72の回転阻止が解放された後、傾斜角度θに保持された圧入品30は、基部41の内部に備えられた前記モータの回転付勢による回転テーブル72の回転動作に伴って、載置部40とともに回転される(図3および図4参照)。これと同時に、接合部位26には図示しない溶接棒あるいは溶接ワイヤが供給されるとともに、前記制御部に設定されている溶接条件による動作指令、例えば、溶接トーチ10に供給する溶接電流や前記モータに対する回転速度等の指令に基づいて、接合部位26に対する溶接が行われる。これにより、圧入品30からホイール18が得られる(図9参照)。
【0043】
前記接合部位26に対する溶接が完了すると、前記モータの回転付勢が停止され、載置部40とともにホイール18の回転が停止される。これと同時に、前記位置決め手段が作動されて回転テーブル72が回転方向の所定位置に位置決めされる。次いで、ロボット34の作動により、溶接トーチ10が前記とは逆方向に、接合部位26から離間移動される(図9中、矢印Z2方向)。その後、把持手段102が前記ホイール18のホイールディスク16に向けて接近移動され、把持手段102のクランプ部104が、ホイールディスク16のボルト孔22に挿入される(図10中、矢印C1方向)。
【0044】
ここで、検出部112は、クランプ部104がホイール18に当接して、ボルト孔22に挿入されたか否かを検出する。すなわち、検出部112の検出用シャフト112bの当接部位112aがホイールディスク16に当接し、検出器114が被検出部材112cを検出すると、把持手段102の接近移動が停止される。そこで、シリンダ108の付勢によるロッド108aの進動作(図10中、矢印C1方向)によって、クランプ部104の爪状部材105a、105bが拡径され、ホイール18がボルト孔22によって把持される。
【0045】
次いで、シリンダ52が前記とは逆方向に付勢され(図7中、矢印Z2方向)、クランプ46、48が閉動作して、載置部40に載置されたホイール18の固定が解放される。この状態で、ロボット34の作動により、把持手段102が前記とは逆方向に離間移動される(図10中、矢印C2方向)。そして、ホイール18が載置部40から取り出され、搬送コンベア36に向けて移載される。これと同時に、シリンダ108が前記とは逆方向に付勢され、ロッド108aの退動作によって(図10中、矢印C2方向)、クランプ部104の爪状部材105a、105bが縮径され、ホイール18の把持が解放される。そして、搬送コンベア36上に移載されたホイール18は、例えば、検査工程等の後工程に搬送される(図1参照)。
【0046】
次に、シリンダ86が前記とは逆方向に付勢され(図3および図4中、矢印X2方向)、ブラケット82が下側ストッパ94bに当接して、該ブラケット82とともに載置部40が通常位置に戻される。そして、溶接システム12は、次の圧入品30の供給まで待機する。これにより、溶接システム12による圧入品30に対する接合作業の1サイクルが完了する。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態に係る溶接トーチ10によれば、接合作業が完了したホイール18を取り出すための把持手段102が溶接トーチ10に備えられているので、溶接トーチ10が装着されるロボット34を共通化することができる。その結果、ロボット34を簡素化することが可能になるとともに、ロボット34が設置される溶接システム12の省スペース化を図ることができる。
【0048】
また、把持手段102が、ロボット34のヘッド部34bの回転軸線Bに対して交差する方向、特に直交する方向に延在しているので、溶接トーチ10の接合作業と、把持手段102の取り出し作業とによる相互の干渉等を阻止することができる。その結果、このような相互の干渉等による溶接システム12の中断が回避されるので、ホイール18の生産効率を向上させることができる。
【0049】
さらに、把持手段102は、ホイール18のボルト孔22を介して該ホイール18を把持するクランプ部104を備えているので、ホイール18を取り出す際に、人手作業に頼ることがなく、かつ他の補助部材や工具等を設ける必要がなくなり、ロボット34をより一層簡素化することが可能になるとともに、ホイール18の生産効率をより一層向上させることができる。
【0050】
また、載置部40の支持ブロック38に載置された圧入品30は、ホイールディスク16のハブ孔20を介して載置部40に備えられたクランプ46、48により固定される一方、溶接トーチ10による接合作業が完了したホイール18は、ホイールディスク16のボルト孔22を介して把持手段102に備えられたクランプ部104により把持されて、載置部40から取り出される。このように、ホイール18(圧入品30)を固定するための手段と、ホイール18を取り出すための手段とが分担されているので、効率的に載置部40から把持手段102にホイール18を受け渡すことが可能になる。その結果、ホイール18の生産効率をより一層向上させることができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、圧入品30を載置部40の支持ブロック38に固定する際に、ホイールディスク16のハブ孔20を利用し、一方、ホイール18を載置部40から取り出す際には、ホイールディスク16のボルト孔22を利用した場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、圧入品30を載置部40の支持ブロック38に固定する際にボルト孔22を利用し、ホイール18を載置部40から取り出す際にハブ孔20を利用するように溶接システム12を構成してもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0053】
すなわち、ホイールを取り出すための把持手段が溶接トーチに備えられているので、溶接トーチが装着される溶接ロボットを共通化することができる。その結果、溶接ロボットを簡素化することが可能になるとともに、該溶接ロボットが設置される溶接システムの省スペース化を図ることができる。
【0054】
また、把持手段が、溶接ロボットのヘッド部の回転軸線に対して交差する方向に延在しているので、溶接トーチの接合作業と、把持手段の取り出し作業とによる相互の干渉等を阻止することができる。その結果、このような相互の干渉等による溶接システムの中断が回避されるので、ホイールの生産効率を向上させることができる。
【0055】
さらに、前記把持手段は、前記ホイールのボルト孔またはハブ孔を介して該ホイールを把持する複数のクランプ部を備えているので、ホイールを取り出す際に、人手作業に頼ることがなく、かつ他の補助部材や工具等を設ける必要がなくなり、溶接ロボットをより一層簡素化することが可能になるとともに、ホイールの生産効率をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る溶接トーチが適用される溶接システムの概略斜視説明図である。
【図2】前記溶接トーチを用いた溶接によって形成されるホイールの縦断面説明図である。
【図3】図1に示す溶接システムにおける載置・傾斜手段の斜視説明図である。
【図4】図3に示す載置・傾斜手段の部分断面説明図である。
【図5】図4に示す載置・傾斜手段における載置部の拡大断面説明図である。
【図6】図5に示す載置部の拡大斜視説明図である。
【図7】図5に示す載置部の要部拡大断面説明図である。
【図8】図1に示す溶接トーチに備えられる把持手段の拡大斜視説明図である。
【図9】図8に示す溶接トーチおよび把持手段の側面説明図である。
【図10】図8に示す溶接トーチおよび把持手段の他の側面説明図である。
【図11】特許文献1に係るホイールを接合する方法を示す要部断面説明図である。
【符号の説明】
10…溶接トーチ 12…溶接システム
14…ホイールリム 16…ホイールディスク
18…ホイール 20…ハブ孔
22…ボルト孔 30…圧入品
32…載置・傾斜手段 34…ロボット
38…支持ブロック 40…載置部
42…嵌挿ブロック 42a…スリット
44…位置決めピン 46、48…クランプ
52、86、108…シリンダ 80…傾斜部
82、100…ブラケット 102…把持手段
104…クランプ部 105a、105b…爪状部材
106…台座部 110…調節部
112…検出部
Claims (3)
- 板状の素材から形成されるホイールリムとホイールディスクとを接合してホイールを形成する溶接ロボットに装着される溶接トーチと、前記ホイールディスクが前記ホイールリム内に嵌挿された圧入品を位置決めする位置決め手段とを有する溶接システムであって、
前記溶接トーチは、前記溶接ロボットのヘッド部によって回転自在に支持されるとともに、該溶接トーチには、前記ホイールを取り出すための把持手段が備えられ、
前記把持手段は、前記溶接ロボットの前記ヘッド部の回転軸線に対して交差する方向に延在し、
前記把持手段は、前記ホイールのボルト孔を介して該ホイールを把持するクランプ部を備え、
前記位置決め手段は、前記ホイールのハブ孔を介して該ホイールを径方向に位置決めする径方向位置決め部材と、前記クランプ部によって把持されるための前記ボルト孔とは別のボルト孔を介して該ホイールを周方向に位置決めする周方向位置決め部材とを有することを特徴とする溶接システム。 - 請求項1記載の溶接システムにおいて、前記クランプ部は、爪状部材と、前記爪状部材を進退動作させるシリンダとを有し、前記シリンダを構成するロッドのストロークが調節されることによって前記爪状部材の拡縮量が調節されることを特徴とする溶接システム。
- 請求項1又は2記載の溶接システムにおいて、前記圧入品を載置して支持する載置部が設けられた載置手段と、前記載置部を傾斜させるためのシリンダとを有し、前記載置部は、前記シリンダの作用下に傾斜して前記ホイールリムと前記ホイールディスク中の溶接すべき箇所を前記溶接トーチに対向させることを特徴とする溶接システム。
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