JP4772834B2 - 共押出ラミネート成形体 - Google Patents
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(A)樹脂層;メタロセン触媒を用いて重合され、かつ、下記物性(A1)〜(A3)を備えたエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とするエチレン系樹脂。
(A1)190℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分である。
(A2)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線の最大ピーク温度(TmA)が15〜85℃である。
(A3)該溶出曲線の最大ピークの高さ(H)と、その3分の1の高さにおける該ピークの幅(W)との比(H/W)が2以上である。
(B)樹脂層;メタロセン触媒を用いて重合され、かつ、下記物性(B1)〜(B5)を備えたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を主成分とするプロピレン系樹脂。
(B1)230℃におけるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分である。
(B2)示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(TPB)が110〜140℃である。
(B3)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線において、20重量%が抽出される温度(T20)と80重量%が抽出される温度(T80)の差(T80−T20)が4〜10℃である。
(B4)オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃において抽出した抽出量(W40)が2.0重量%以下である。
(B5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
[発明の効果]
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(BOPP)を基材とした、層間接着性に優れるポリエチレンとポリプロピレンとの共押出ラミネート成形体が得られる。コストと性能とのバランスに優れた、包装材料、自動車・家電製品の内外装材、建築資材等として有用である。
本発明の(A)樹脂層を構成する成分は、メタロセン触媒を用いて製造され、かつ、下記物性(A1)〜(A3)を備えたエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とするエチレン系樹脂である。さらに好ましくは物性(A4)及び/又は(A5)を有するものである。エチレン系樹脂は、該エチレン・α−オレフィン共重合体100重量%でもよいが、場合によっては、適宜に、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等を混合することもできる。以下、エチレン・α−オレフィン共重合体の製造法、及びそれが具備する各種の物性について順次に説明する。
(1)装置:日本電子社製 JEOL−GSX270
(2)濃度:300mg/2mL
(3)溶媒:オルソジクロロベンゼン。
(A1)メルトフローレート(MFR)
エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは0.1〜50g/10分、好ましくは1〜40g/10分、より好ましくは5〜30g/10分である。MFRが上記範囲より低いと樹脂を溶融押出する際の押出負荷が高くなり、また成形時フィルム表面の肌荒れが発生するので好ましくない。MFRが上記範囲を超えるとフィルムの製膜安定性が低下するので好ましくない。MFRはエチレン系重合体の分子量の尺度として用いられ、重合に際して水素など分子量調整剤、β水素引き抜きの速度制御などにより適宜調整することが可能である。なお、MFRの測定はJIS−K6922−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して行った。
温度上昇溶離分別(TREF:Temperature Rising Elution Fraction)とは、一度高温でポリマーを完全に溶解させた後に冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させ、次いで温度を連続又は段階的に昇温して、溶出した成分(ポリマー)を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出成分の量と溶出温度とを求める方法である。その溶出分率と溶出温度によって描かれるグラフが溶出曲線であり、これによりポリマーの組成分布(分子量及び結晶性の分布)を測定することができる。TREFの測定方法及び装置等の詳細については、Journal of Applied Polymer Science、第26巻、第4217〜4231頁(1981年)に記載されている。本発明における具体的方法については、後述する。
(1)装置 : 三菱化学社製 CFC T150A型、(2)検出器:MIRAN 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)、(3)溶媒:オルソジクロルベンゼン、(4)流速:1.0mL/分、(5)測定濃度:30mg/10mL、(6)TREFカラム: 不活性担体(0.1mm径ガラスビーズ)、カラムサイズ 0.46mm径×15cm、(7)冷却速度:140℃から0℃まで160分で冷却した。(8)測定操作:140℃に加熱したカラムに試料溶液(溶媒:オルソジクロルベンゼン、試料濃度:30mg/10mL)4mLを注入した後、100℃/120分の速度で0℃まで冷却して、試料ポリマーを充填剤表面に吸着(析出)させた。この時点において充填剤表面に吸着せず、溶媒に溶解している成分を0℃以下可溶分として溶出量を赤外検出器で検出し、各ステップ昇温毎に得られた結果を該温度まで積算することで求めた。計算結果の作図はプリンターに出力した。出力した微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした。)0.1当たり76.5mmで行なった。次に、この微分溶出曲線のピーク高さ(mm)をHとし、その1/3高さの溶出曲線の幅(mm)をWとした。
前記溶出曲線の一例を図1に示す。図1に示すように、ピークの幅(W)は、溶出曲線上に高さ(1/3)Hの水平な直線を描き、該曲線とこの直線との交点のうち最大ピークから最も近い、水平軸上前後2点の間の距離を測定することによって得られる。本発明において、比(H/W)は2以上、好ましくは3以上であり、H/Wが2未満であると組成分布が広くなりすぎ材料強度が低下する。比(H/W)は使用する重合触媒を選ぶことにより適宜調整することが可能である。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(TPA)が50〜110℃であることが好ましく、より好ましくは60〜105℃である。TPA が上記範囲より低い場合は、剛性の低下ならびに好適な耐ブロッキング性が得られず不都合である。一方、上記より高いと低温ヒートシール性が損なわれる。TPAを調節するためにはα−オレフィンコモノマーの量を制御する方法がある。なお、融解ピーク温度は、セイコー社製示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル約5mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで冷却し、続いて10℃/分の昇温スピードで融解させた時に得られる融解曲線から融解熱が最大となる温度を求めたものである。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、温度上昇溶離分別(TREF)によって溶出曲線を求めた時に、82℃での溶出量(Y82)が1重量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%未満である。Y82が上記範囲より高い場合は、高結晶性成分量が多くなり、結果として(B)樹脂層との相関接着強度が損なわれる。Y82を調節するためには適当な重合触媒を選択する必要がある。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、前記(A4)の通り、TPAが50〜110℃であり、また、(A5)の通り、Y82が1重量%未満のものであるが、更に好ましくは、両者が下記の関係式を満足することである。
Y82≦1.0×10-4×EXP(0.1015TPA)
好ましくはY82≦0.5×10-4×EXP(0.0851TPA)
を満たすことである。Y82が上記右辺値よりもが大きい場合は、(B)樹脂層との相関接着力が低下し、また透明性が低下するので好ましくない。
本発明の(B)樹脂層を構成する成分は、メタロセン触媒を用いて製造され、かつ、下記物性(B1)〜(B5)を備えたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を主成分とするプロピレン系樹脂である。このプロピレン系樹脂は、通常それ自体100重量%で使用されるが、場合によっては、適宜に、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、オレフィン系ゴム成分等を混合することもできる。以下、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造法、及びそれが具備する各種の物性について順次に説明する。
(B1)メルトフローレート(MFR)
本発明で用いるプロピレン系共重合体のMFRは、1〜50g/10分、好ましくは2〜20g/10分、より好ましくは4〜15g/10分である。MFRが上記範囲より低い場合、押出性が低下し好適な生産性が得られず、上記範囲より高い場合にはフィルムの強度が低下する。ポリマーのMFRを調節するには、例えば、重合温度、触媒量、分子量調節剤としての水素の供給量など適宜調節する方法がとられる。なお、MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して行った。
本発明で用いられるプロピレン系共重合体は、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(TPB)が110〜140℃、好ましくは115〜135℃、更に好ましくは125〜135℃である。TPB が上記範囲より低い場合、剛性の低下ならびに好適な耐ブロッキング性が得られず、上記範囲より高い場合には低温ヒートシール性が損なわれる。TPB はα−オレフィン含量やその種類およびプロピレン構成単位のレジオ規則性などの影響を受けうる。α−オレフィンがエチレンの場合にはその含有量は1〜5重量%程度であり、α−オレフィンが1−ブテンの場合にはその含有量は3〜15重量%程度である。TPB の調節はα−オレフィンの共重合性、即ち分散度合いにより行うことができる。
本発明で用いられるプロピレン系共重合体は、温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線における20重量%が抽出される温度(T20)と80重量%が抽出される温度(T80)の差(T80−T20)が4〜10℃である。T80−T20は、好ましくは4.5〜9℃である。T80−T20の差が上記範囲より大きい場合は透明性が悪化し、低温ヒートシール性も悪化する。上記範囲未満のものを製造することは困難である。ポリマーのT80−T20は、ポリマー中へのコモノマーの挿入の均一性を表す尺度として用いている。これはメタロセン触媒を使用して重合したことに起因しており、チーグラーナッタ触媒ではこのようなポリマーを製造することは困難である。なお、TREFの測定方法は、エチレン・α−オレフィン共重合体について用いた方法と同様である。
本発明で用いられるプロピレン系共重合体は、オルソジクロルベンゼンによる40℃抽出量(W40)が2.0重量%以下、好ましくは1.0重量%以下である。上記範囲を超える場合は、ブロッキングやスリップ性が悪化する傾向であり、臭味に劣る。W40を調節する方法としてα−オレフィンの共重合量を制御する、また共重合性を制御する方法がある。なお、W40はTREF法による40℃での抽出量として求めた。
本発明で用いられるプロピレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.5〜3.5、好ましくは1.8〜3.3、より好ましくは2.0〜3.0である。Mw/Mnが上記範囲を超えると透明性が低下するので好ましくなく、上記未満では押出負荷が上昇したり、ドローレゾナンスが発生しやすくなるなど、加工適性が悪化する。Mw/Mnを所定の範囲に調整する方法として適当なメタロセン触媒を選択する事があげられる。
口径65mm、90mmの押出機に装着した幅600mm、ダイリップ開度0.7mmのフィードブロック式共押し出しTダイスから(A)樹脂、(B)樹脂を押し出す時の樹脂の温度が290℃になるように設定した押出ラミネート装置を用い、表面ミラー仕上げの冷却ロール温度25℃で引き取り加工速度が80m/分の場合に被覆厚みが(A)樹脂が10μm、(B)樹脂が10μm、合計20μmになるように押出量を調整して押出し幅500mm、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム上に、アンカーコート剤(東洋モートン社製チタボンドT−180:メタノール=1:9にブレンド)を施し、その上に(A)樹脂層が面する様に引き取り速度を20m/分から上昇させながら押出しラミネート加工を行い、安定して被覆加工ができる最高加工速度を延展性とした。
上記押出ラミネート装置を用い、加工速度が150m/分、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム上への(A)樹脂層の厚みが10μm、(B)樹脂層の厚みが10μm、合計20μmの被覆厚みの積層体を作成し、ダイス幅と得られた積層体中の樹脂組成物層の幅の差をネックインとした。 ネックインが小さい程有効製品幅が広くなり、押出ラミネート加工性が優れる。
上記押出ラミネート装置を用いてネックイン測定用に作成した積層体を23℃で一日状態調整した後、(B)樹脂面を合わせて5mm×200mmのヒートシールバーを用い、130℃においてヒートシール圧力2kg/cm2、ヒートシール時間1秒のヒートシール条件でシールした試料から15mm幅のサンプルを切り取り、テンシロン型試験機を用いて引っ張り速度500mm/分にて引き剥がし、その時の剥離強度をヒートシール強度とした。130℃ヒートシール強度が高いほどヒートシール性に優れる。
上記押出ラミネート装置を用いてネックイン測定用に作成した積層体を23℃で一日状態調整した後、2.5cm×200mmの大きさにサンプルを切り出し、2枚のサンプルの(B)樹脂面を合わせてホットタックテスター(THELLER社製)にて110℃、ヒートシール圧力4kg/cm2、ヒートシール時間1秒にてヒートシールを行い、ヒートシール直後にヒートシールバーを解放しながら200cm/分の剥離速度でヒートシール部分を剥離させ、その時の剥離強度で評価した。剥離強度が高いほどホットタック性に優れる。
上記押出ラミネート装置を用いてネックイン測定用に作成した積層体を23℃で一日状態調整した後、5cm×5cmの大きさにサンプルを切り出し、ヘイズメーター(日本電色社製ND−1100DP)にてヘイズを測定した。ヘイズ値が低いほど透明性に優れる。
(A)樹脂層
エチレン−ヘキセン共重合体(日本ポリケム社製カーネルKC574)100重量部(重合触媒:メタロセン触媒、190℃MFR=9g/10分、TREF溶出ピーク(TmA)=67℃、H/W=3.3、DSC融解ピーク温度(TPA)=102℃、TREF82℃溶出量(Y82)=0.27重量%)。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(日本ポリケム社製ウィンテックWFX4T)100重量部(重合触媒:メタロセン触媒、230℃MFR=7g/10分、DSC融解ピーク温度(TPB)=125℃、T80−T20=7.2℃、40℃オルソクロロベンゼン抽出量(W40)=0.6重量%、Mw/Mn=2.8)
上記(A)樹脂と(B)樹脂を用い、口径65mmと90mmの2つの押出機に装着した幅600mmのフィードブロック式共押し出しTダイを使用した。(A)樹脂を口径65mmの押出機に投入し、樹脂温度290℃で押出し、他方、(B)樹脂を口径90mmの押出機に投入し、樹脂温度290℃で押出した。(A)樹脂をアンカーコート(東洋モートン社製チタボンドT−180:メタノール=1:9にブレンド)を施した厚みが20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(BOPP)側に面する様にして、(A)樹脂層を10μm、(B)樹脂層を10μm、速度150m/分で積層した。得られたフィルムの品質を評価した。結果を表1に示す。
(A)樹脂層
エチレン−ヘキセン共重合体(日本ポリケム社製カーネルKS560)60重量部(重合触媒:メタロセン触媒、190℃MFR=16.5g/10分、TREF溶出ピーク(TmA)=49℃、H/W=2.1、DSC融解ピーク温度(TPA)=86℃、TREF82℃溶出量(Y82)=0.3)、高圧法低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックLD LC604、190℃MFR=8g/10分、密度=0.918g/cm3)40重量部。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン2重量%)100重量部(重合触媒:メタロセン触媒、230℃MFR=7g/10分、DSC融解ピーク温度(TPB)=135℃、T80−T20=4.5℃、40℃オルソクロロベンゼン抽出量(W40)=0.2重量%、Mw/Mn=2.8。)上記(A)樹脂と(B)樹脂を用い、実施例1と同様にして積層フィルムを得、品質を評価した。結果を表1に示す。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(日本ポリケム社製ノバテックPPFL25HA)100重量部(重合触媒:チーグラー触媒、190℃MFR=16g/10分、230℃MFR=22g/10分、TREF溶出ピーク(TmA)(TmB)=94℃、H/W=0.8、TREF82℃溶出量(Y82)=1.84重量%、DSC融解ピーク温度(TPA)(TPB)=142℃、T80−T20=35℃、40℃オルソクロロベンゼン抽出量(W40)=5.2重量%、Mw/Mn=3.9)。(A)樹脂層及び(B)樹脂層として、共に上記プロピレン−エチレンランダム共重合体を用い、実施例1と同様にして積層フィルムを得、品質を評価した。結果を表2に示す。
(A)樹脂層として高圧ラジカル重合で製造した低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製ノバテックLD LC701、190℃MFR=14g/10分、TmA=70℃、H/W=7.0、TPA=106℃、Y82=0.12)を用い、(B)樹脂層として実施例1記載のプロピレン−エチレンランダム共重合体を用い、後は実施例1と同様にして積層フィルムを得、品質を評価した。結果を表2に示す。
(A)樹脂層としてチーグラー触媒にて製造したエチレン−オクテン共重合体(出光石油化学工業社製モアテック0818D;190℃MFR=8g/10分、TmA=67℃、H/W=0.54、TPA=99℃、Y82=2.38)を用い、(B)樹脂層として実施例1記載のプロピレン−エチレンランダム共重合体を用い、後は実施例1と同様にして積層フィルムを得、品質を評価した。結果を表2に示す。
(A)樹脂層として実施例1記載のエチレン−ヘキセン共重合体を用い、(B)樹脂層としてチーグラー触媒にて製造したプロピレン−エチレンランダム共重合体(日本ポリケム社製ノバテックPP FX3、230℃MFR=8g/10分、TPB=138℃、T80−T20=19.9、W40=3.4重量%、Mw/Mn=3.7)を用い、後は実施例1と同様にして積層フィルムを得、品質を評価した。結果を表2に示す。
(A)樹脂層として実施例1記載のエチレン−ヘキセン共重合体40重量%、及び実施例2記載の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン60重量%のブレンド物を用い、(B)樹脂層として実施例1記載のプロピレン−エチレンランダム共重合体を用い、後は実施例1と同様にして積層フィルムを得、品質を評価した。結果を表2に示す。
(A)樹脂層として実施例1記載のエチレン−ヘキセン共重合体を用い、(B)樹脂層としてプロピレン単独重合体100重量部(重合触媒:メタロセン触媒、230℃MFR=7g/10分、DSC融解ピーク温度(TPB)=151℃、T80−T20=4.8℃、40℃オルソクロロベンゼン抽出量(W40)=0.1重量%、Mw/Mn=2.8)を用い、後は実施例1と同様にして積層フィルムを得、品質を評価した。結果を表2に示す。
Claims (6)
- 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(BOPP)の基材上に、下記の(A)樹脂層と(B)樹脂層とを前記ポリプロピレンフィルムと前記(A)樹脂層とが接するように、溶融共押出ラミネートしてなる共押出ラミネート成形体。
(A)樹脂層;メタロセン触媒を用いて重合され、かつ、下記物性(A1)〜(A3)を備えたエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とするエチレン系樹脂。
(A1)190℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分である。
(A2)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線の最大ピーク温度(TmA)が15〜85℃である。
(A3)該溶出曲線の最大ピークの高さ(H)と、その3分の1の高さにおける該ピークの幅(W)との比(H/W)が2以上である。
(B)樹脂層;メタロセン触媒を用いて重合され、かつ、下記物性(B1)〜(B5)を備えたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を主成分とするプロピレン系樹脂。
(B1)230℃におけるメルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分である。
(B2)示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(TPB)が110〜140℃である。
(B3)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線において、20重量%が抽出される温度(T20)と80重量%が抽出される温度(T80)の差(T80−T20)が4〜10℃である。
(B4)オルソジクロルベンゼンを溶媒として40℃において抽出した抽出量(W40)が2.0重量%以下である。
(B5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。 - エチレン系樹脂が、メタロセン触媒を用いて重合され、かつ、下記物性(A1)〜(A3)を備えたエチレン・α−オレフィン共重合体95〜50重量%と高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン5〜50重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の共押出ラミネート成形体。
(A1)190℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10分である。
(A2)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線の最大ピーク温度(TmA)が15〜85℃である。
(A3)該溶出曲線の最大ピークの高さ(H)と、その3分の1の高さにおける該ピークの幅(W)との比(H/W)が2以上である。 - (A)樹脂層のエチレン・α−オレフィン共重合体が、さらに物性(A4)を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の共押出ラミネート成形体。
(A4)示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(TPA)が50〜110℃である。 - (A)樹脂層のエチレン・α−オレフィン共重合体が、さらに物性(A5)を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共押出ラミネート成形体。
(A5)温度上昇溶離分別(TREF)による82℃の溶出量(Y82)が1重量%未満である。 - (A)樹脂層のエチレン・α−オレフィン共重合体が、さらに物性(A6)を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の共押出ラミネート成形体。
(A6)示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(TPA)と温度上昇溶離分別(TREF)による82℃での溶出量(Y82)との関係が下記式を満足する。
Y82≦1.0×10-4×EXP(0.1015TPA) - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム(BOPP)の基材上に、アンカーコートが施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の共押出ラミネート成形体。
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