JP4585811B2 - ポリエチレン系多層フィルム及び積層体 - Google Patents
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Description
従来の易引裂包装袋に用いられている包装用積層体は、易引裂性、ヒートシール性、耐突き刺し性などを有する容器として必要な特性付与の観点から、二軸延伸したポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムを基材とし、この基材にヒートシール層樹脂として高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなる無延伸ポリエチレン系樹脂を積層したものが用いられていた。
また、基材フィルムと密度および組成が異なる複数のポリエチレン樹脂を積層してなるヒートシール性共押出ポリエチレンフィルムとを貼り合わせてなることを特徴とする包装用積層フィルムも開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、上記包装用積層フィルムでは、構成が複雑となり、必ずしも易引裂性、ホットタッグ性、衝撃強度のバランスに優れた積層フィルムではなかった。
(I)ヒートシール層
(a)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1〜30g/10分
(b)密度が0.870〜0.935g/cm3
(c)α−オレフィンの炭素数が6〜20
(II)易引裂層
(A)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1〜30g/10分
(B)密度が0.870〜0.935g/cm3
(C)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.0未満
(D)プロピレンのモル分率(Mp)と1−ヘキセン又は1−オクテンのモル分率(Mh)との比Mp/Mhが1.5以上
(I)ヒートシール層
(a)MFR(190℃、21.18N荷重)
本発明の多層フィルムのヒートシール層(I)に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のMFR(190℃、21.18N荷重)は、0.1〜30g/10分であり、好ましくは0.5〜25g/10分であり、より好ましくは1.0〜20g/10分である。MFRが0.1g/分未満であるとフィルム成形時の押出機内の樹脂圧力が高くなり吐出量が低くなること、及びダイ出口で押出変動が発生しフィルムの表面が荒れて外観が不良となるため好ましくなく、MFRが30g/10分を超えるとフィルム成形時の溶融膜の状態が不安定になるので好ましくない。
ここで、MFRは、JIS K7210(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である
本発明の多層フィルムのヒートシール層に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.870〜0.935g/cm3であり、好ましくは0.880〜0.930g/cm3であり、より好ましくは0.890〜0.920g/cm3である。密度が0.870g/cm3未満であるとフィルムがベタつきブロッキング不良になるので好ましくなく、密度が0.935g/cm3を超えると低温でのヒートシール性が不良となり内容物充填時にシール不良が発生するので好ましくない。
ここで、密度は、JIS K7112に準拠して測定する値である
本発明の多層フィルムのヒートシール層に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体に使用されるα−オレフィンは、炭素数が6〜20のオレフィンである。炭素数が5以下のα−オレフィンを用いると、ホットタック強度が弱くなるので好ましくない。
加えるアンチブロッキング剤及び滑剤は、ヒートシール層に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度によって、フィルムの耐熱性やブロッキング性が異なるため、密度に応じてアンチブロッキング剤及び滑剤の種類と量を変えた方がよい。ここでヒートシール層に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、耐熱性や低温シール性などのフィルムに求められる要求に応じ適宜調整されるものである。
例えば、低温ヒートシール性を重視する場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.870〜0.910g/cm3未満程度が好ましく、かかる場合、アンチブロッキング剤として、平均粒子径が5〜15μmの無機フィラーをエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.3〜3.0重量部、及び/または平均粒子径が7〜20μmの有機フィラーをエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.5〜5.0重量部、さらに、滑剤として、アミド系滑剤をエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.01〜3.0重量部加えることが好ましい。
また、耐熱性を重視する場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.910〜0.935g/cm3程度が好ましく、かかる場合、アンチブロッキング剤として、平均粒子径が0.1〜5μmの無機フィラーをエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.1〜2.0重量部、及び/または平均粒子径が1〜15μmの有機フィラーをエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.1〜3.0重量部、さらに、滑剤として、アミド系滑剤をエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.01〜3.0重量部加えることが好ましい。
無機または有機フィラーの平均粒子径が下限未満であると、耐ブロッキング性能が劣り好ましくなく、平均粒子径が上限を超えるとフィルムの表面が荒れて外観が悪化するので好ましくない。傷つきの点からは、有機系と無機系のフィラーを併用することが好ましい。
上記有機フィラーの例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換スチレン等のスチレン系単量体等と、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメチルアクリレート等の架橋性単量体との共重合体;メラミン系樹脂;ベンゾグアナミン系樹脂;フェノール系樹脂;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらは、付加重合法で得たものであってもよいし、重縮合や重付加反応法で得たものでもよい。フィラーを構成する有機ポリマーは非架橋タイプであっても架橋タイプであってもかまわないが、耐熱性の点から架橋タイプの方が好ましい。有機ポリマーを微粒子化する方法も制限されないが、乳化重合や懸濁重合等の方法を用い、重合時に直接微粒子化する方法が好ましい。これらの重合方法を採用する場合は、自己乳化性を付与し得る特殊構造の極性モノマーを少量共重合する手段を採用してもよい。
さらに、ヒートシール層の特性を損ねない範囲で、LDPE、C4−LLDEP、HAO−LLDPE、エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA、EMAA等)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA、EMA、EMMA等)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン系樹脂、エチレン−無水マレイン酸共重合体などの接着性樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブテン等、他の熱可塑性樹脂を配合しても構わない。
(A)MFR(190℃、21.18N荷重)
本発明の多層フィルムの易引裂層(II)に用いるエチレン系三元共重合体のMFR(190℃、21.18N荷重)は、0.1〜30g/10分であり、好ましくは0.5〜25g/10分であり、より好ましくは1.0〜20g/10分である。MFRが0.1g/分未満であるとフィルム成形時の押出機内の樹脂圧力が高くなり吐出量が低くなること、及びダイ出口で押出変動が発生しフィルムの表面が荒れて外観が不良となるため好ましくなく、MFRが30g/10分を超えるとフィルム成形時の溶融膜の状態が不安定になるので好ましくない。
ここで、MFRは、JIS K7210(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である
本発明の多層フィルムの易引裂層(II)に用いるエチレン系三元共重合体の密度は、0.870〜0.935g/cm3であり、好ましくは0.880〜0.925g/cm3であり、より好ましくは0.890〜0.920g/cm3である。密度が0.870g/cm3未満であるとフィルムがベタつき、ブロッキング不良になるので好ましくなく、密度が0.935g/cm3を超えると衝撃強度が不良となるので好ましくない。
ここで、密度は、JIS K7112に準拠して測定する値である
本発明の多層フィルムの易引裂層(II)に用いるエチレン系三元共重合体の分子量分布を示す重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は、3.0未満であり、好ましくは2.7未満であり、より好ましくは2.5未満である。Mw/Mnが3.0以上であると、衝撃強度、透明性が低下するので好ましくない。
ここで、Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する値である。
本発明の多層フィルムの易引裂層(II)に用いるエチレン、プロピレン及び1−ヘキセン又は1−オクテンのエチレン系三元共重合体のプロピレンのモル分率(Mp)と1−ヘキセン又は1−オクテンのモル分率(Mh)との比Mp/Mhは、1.5以上であり、好ましくは2.5〜6.5であり、より好ましくは3.5〜5.5である。Mp/Mhが1.5未満であると易引裂性に劣り開封性が悪化するので好ましくない。
ここで、モル分率は、13C−NMRによる測定方法に準拠して測定する値である。
気相重合法においては、反応温度は50〜100℃程度、反応圧力は10〜40kgf/cm2程度で行うことが好ましい。
溶液重合法においては、反応温度は100〜300℃程度、反応圧力は10〜60kgf/cm2程度、溶媒としてシクロヘキサンを用いて行うことが好ましい。
高圧重合法においては、反応温度は150〜300℃程度、反応圧力は200〜1500kgf/cm2程度で行うことが好ましい。
また、易引裂層の特性を損ねない範囲で、LDPE、C4−LLDEP、HAO−LLDPE、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA、EMAA等)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA,EMA,EMMA等)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン系樹脂、エチレン−無水マレイン酸共重合体などの接着性樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブテン等、他の熱可塑性樹脂を配合しても構わない。
本発明の多層フィルムは、必要に応じて、ヒートシール層(I)、易引裂層(II)の少なくとも2層に加えて第3層(III)を加えることができる。
第3層(III)に使用する樹脂としては、特に制限はなく、LDPE、C4−LLDPE、HAO−LLDPE、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA、EMAA等)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA,EMA,EMMA等)、高密度ポリエチレン(HDPE)等ののポリエチレン系樹脂、エチレン−無水マレイン酸共重合体などの接着性樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブテン等、他の熱可塑性樹脂の中から選択することができる。もちろんヒートシール層(I)に使用するエチレン・α−オレフィン共重合体を選択することもできる。また、この中から、2種以上組み合わせて用いても構わない。上記のうち、強度の点からHAO−LLDPEを使用することが好ましい。
本発明の多層フィルムは、上記のヒートシール層(I)、易引裂層(II)、必要に応じて、第3層(III)を積層して得られる。
各層の積層構成に特に制限はないが、例えば、(I)/(II)、(I)/(II)/(I)、(I)/(II)/(II)、(I)/(II)/(III)、もしくは(I)/(III)/(II)等の積層構成が挙げられる。
この場合、両側から他の層にはさまれて中間に位置する層は、透明性の点からアンチブロッキング剤を含まないことが好ましい。
本発明の積層体は、上記多層フィルムと二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムとを積層した積層体である。
多層フィルムと二軸延伸フィルムの積層は、公知の方法、例えば、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ノンソルラミネート法、サンドイッチラミネート法、サーマルラミネート法などが一般的に用いられる。具体的には、例えば、多層フィルムのヒートシール層と反対側の処理層の表面をあらかじめ表面処理して、表面処理層同士を貼りあわせ面としてドライラミネート加工するすることにより得られる。表面処理の方法としては、コロナ放電処理法、オゾン処理法、フレーム処理法、低温プラズマ処理法等の各種処理法が挙げられる。これらのうち、コロナ放電処理法が最も一般的であり好ましい。
本発明の積層体における、二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムとしては、二軸延伸ナイロン(ONy)、二軸延伸ポリエステル(OPET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)などが挙げられる。二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムの表面にPVDCコート、アルミ蒸着等の処理が施されていても構わない。
本発明の積層体は、スタンディングパウチ、液体スープ小袋、規格袋、重袋、ラップフィルム、ラミ原反、食品包装等の各種包装用フィルム、輸液バック、農業用フィルムとして好適に用いることができる。
(1)MFR:JIS K7210に準拠(190℃、21.18N荷重)。
(2)密度:ペレットを熱プレスして2mm厚のプレスシートを作成し、該シートを1000ml容量のビーカーに入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒーターで加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビーカーを木製台の上に置き法令した。この時60分煮沸後の沸騰上流水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シートはビーカー及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シートを23℃、湿度50%の条件で16時間以上24時間以内でアニーリングを行った後、タテヨコ2mmになるように打ち抜きJIS K7112に準拠して測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):Mw/Mnの測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で行った。測定条件は次の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN社製1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本(カラムの較正は東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。また、試料の分子量はポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いてポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリエチレンはα=0.707、logK=−3.407である。)
測定温度:140℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
(4)プロピレンのモル分率(Mp)とヘキセンもしくはオクテンのモル分率(Mh)との比Mp/Mh:三元共重合のプロピレンのモル分率(Mp)とヘキセンもしくはオクテンのモル分率(Mh)との比Mp/Mhは、以下の条件でMp、Mhを測定し計算によって求めた。
Mp、Mhは、Macromolecules(1982)15,353−360頁及び同1402−1406頁に記載されている13C−NMRによる測定方法に準拠して以下の条件で測定した。
装置:日本電子社製JEOL−GSX270
溶媒:o−ジクロロベンゼン(70)/ds−ベンゼン(30)
測定濃度:10(wt/v)%
温度:130℃
スペクトル巾:11000Hz
データポイント:16μs(60°)
パルス間隔:4s
(5)HAZE:JIS K7105に準拠して測定した。
(6)引裂強度:フィルムの引き取り方向をタテ方向として、JIS Z1707に準拠して測定した。
(7)ブロッキング:フィルムをコロナ処理面と未処理面を合わせて、50gf/cm2の荷重をかけて45℃で7日間エージングを行ったのち、コロナ処理面と未処理面の接触面積が2cm×5cmになるように裁断し、500mm/分の速度でせん断剥離強度(g/10cm2)を求めた。
(8)ホットタック強度:Theller社「Model HTホットタックテスター」を用い、ドライラミフィルムのポリエチレン同士を合わせて、所定温度で0.4MPaで1秒間ヒートシールを行い、シール後375msec後の剥離強度を測定しホットタック強度とした。
(1)エチレン系三元共重合体及びエチレン・α−オレフィン共重合体
下記の製造例1〜2で得られたPE−1〜PE−5および住友化学(株)製のエクセレンVL400(PE−6)、日本ポリケム(株)製のノバテックUF240(PE−7)を用いた。各共重合体の物性値を表1に示す。
錯体であるエチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド:2.0ミリモルに、東洋ストウファー製:メチルアルミノオサンを上記錯体に対して1000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調製した。この触媒溶液を内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ型連続反応器内に入れ、更にこの反応器内にエチレンとプロピレンと1−ヘキセンとの混合物をエチレン/プロピレン/1−ヘキセン=49/17/34(重量%)となるように供給し、反応器内の圧力を1000kg/cm2に保ち、160℃で反応を行った。反応終了後、MFRが3.7g/10分、密度が0.898g/cm3、Mw/Mnが2.2、プロピレンのモル分率が6.4モル%、1−ヘキセンのモル分率が2.0モル%、プロピレンのモル数(Mp)とヘキセンもしくはオクテンのモル数(Mh)との比Mp/Mh=3.2であるエチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体(PE−1)を得た。
製造例1のエチレンとプロピレンと1−ヘキセンとの混合物中のエチレン/プロピレン/1−ヘキセンの割合を変更した以外は、製造例1と同様な条件で重合を行い、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体(PE−2、PE−3)を得た。さらに、エチレンと1−ブテンの混合物を用いて同様にして重合を行い、エチレン・1−ブテン共重合体(PE−4、PE−5)を得た。
表2に示すAB−1〜AB−6のアンチブロッキング剤を使用した。
表3に示すSL−1〜SL−4の滑剤を使用した。
易引裂層(II)のエチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体として、PE−1を用い、PE−1 100重量部に対し、アンチブロッキング剤(AB剤)としてAB−3を0.5重量部、滑剤としてSL−1を0.05重量部配合しヘンシェルミキサーで混合した後、45mm二軸押出機で造粒しペレット化した。
一方、ヒートシール層(I)のエチレン・α−オレフィン共重合体として、PE−4を用い、PE−4 100重量部に対し、アンチブロッキング剤としてAB−1を1重量部、滑剤としてSL−1を0.05重量部及びSL−2を0.01重量部配合しヘンシェルミキサーで混合した後、45mm二軸押出機で造粒しペレット化した。
上記で得られたペレットを用い、40mmφ(No.1)/65mmφ(No.2)/40mmφ(No.3)の3台の単軸押出機、フィードブロック、ダイ幅700mm、ダイリップ0.8mm、コートハンガー型のTダイを取り付け、押出機、及びダイの設定温度を240℃に設定した条件下で、50℃にコントロールされたセミマットロールで冷却し、ヒートシール層と反対側の面にコロナ処理を施し、引取速度15m/minで紙管に巻き取ることにより厚み50μmの多層フィルムを得た。
なお、No.1押出機からはヒートシール層(I)のPE−4を、No.2、No.3押出機からは易引裂層(II)のPE−1を押し出し、各押出機の押出量を調整し(I)/(II)=10/40μmの多層フィルムとした。
上記Tダイ成形により得られた多層フィルムと、二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ社製、エンブレムONM、厚み15μm)とをコロナ処理面側を貼合せ面としてドライラミネート加工を行った。接着剤は、主剤としてポリエーテル系接着剤(東洋モートン社製、TM−329)と硬化助剤(東洋モートン社製、CAT−8B)を配合比1/1(重量)とし、乾燥後の塗布量を2.5g/m2とした。得られたドライラミネートフィルムは40℃で48時間エージングを行った。多層フィルム、及びドライラミネートフィルム(積層体)の評価結果を表4に示す。
表4に記載の樹脂、AB剤及び滑剤を用いたヒートシール層(I)、易引裂層(II)に加え、第3層(III)として表4に記載の樹脂及びAB剤及び滑剤を用い、各層の厚みを表4に記載のようにする以外は、実施例1と同様にして多層フィルム及び積層体を得た。その評価結果を表4に示す。
表4、5に記載の樹脂、AB剤及び滑剤を用い、各層の厚みを表4、5に記載のようにする以外は、実施例1または2と同様にして多層フィルム及び積層体を得た。その評価結果を表4、5に示す。
表4、5に記載の樹脂、AB剤及び滑剤を用い、各層の厚みを表4、5に記載のようにする以外は、実施例1または2と同様にして多層フィルム及び積層体を得た。その評価結果を表4、5に示す。
Claims (7)
- ヒートシール層(I)と易引裂層(II)を有する少なくとも2層から構成される多層フィルムであって、ヒートシール層(I)は下記(a)〜(c)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体からなり、易引裂層(II)は下記(A)〜(D)を満たすエチレン、プロピレン及び1−ヘキセン又は1−オクテンのエチレン系三元共重合体からなることを特徴とする多層フィルム。
(I)ヒートシール層
(a)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1〜30g/10分
(b)密度が0.870〜0.935g/cm3
(c)α−オレフィンの炭素数が6〜20
(II)易引裂層
(A)MFR(190℃、21.18N荷重)が0.1〜30g/10分
(B)密度が0.870〜0.935g/cm3
(C)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.0未満
(D)プロピレンのモル分率(Mp)と1−ヘキセン又は1−オクテンのモル分率(Mh)との比Mp/Mhが1.5以上 - 易引裂層(II)のエチレン系三元共重合体がメタロセン触媒を用いて製造されることを特徴とする請求項1に記載の多層フィルム。
- 第3層(III)を含む多層フィルムであって、ヒートシール層(I)、易引裂層(II)、第3層(III)の順に積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層フィルム。
- 全体の厚みに対する、易引裂層(II)の厚み比が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層フィルム。
- ヒートシ−ル層(I)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.870〜0.910g/cm3未満であって、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、アンチブロッキング剤として、平均粒子径5〜15μmの無機フィラー0.3〜3.0重量部、又は平均粒子径7〜20μmの有機フィラー0.5〜5.0重量部の少なくとも一種、及び滑剤として、アミド系滑剤0.01〜3.0重量部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層フィルム。
- ヒートシ−ル層(I)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.910〜0.935g/cm3であって、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、アンチブロッキング剤として、平均粒子径0.1〜5μmの無機フィラー0.3〜3.0重量部又は平均粒子径1〜15μmの有機フィラー0.1〜3.0重量部の少なくとも一種、及び滑剤として、アミド系滑剤0.01〜3.0重量部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層フィルム。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層フィルムと二軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムとを積層してなることを特徴とする積層体。
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