JP4770815B2 - エンジンの2系統式冷却装置 - Google Patents

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本発明はエンジンの2系統式冷却装置に関し、特に、冷却水温度に応じて冷却水のシリンダブロックへの流れを選択的に切り換えるエンジンの2系統式冷却装置に関する。
特許文献1に示されているように、エンジンの運転状況に応じて、冷間時からの暖機時間を短縮するため、シリンダブロックのウォータジャケットを通る温間時冷却通路と、シリンダブロックのウォータジャケットをバイパスする冷間時バイパス通路を通る冷間時バイパス通路とを有する2系統式冷却装置が知られている。そのような2系統式冷却装置では、各通路の切り換え動作をサーモスタット弁で行っている。
特開2004−52752号公報
上記先行技術によれば、冷間時に冷却水がシリンダブロックのウォータジャケットをバイパスすることで早期暖機を図ることができるが、冷間時バイパス通路からシリンダヘッドの一端側に冷却水が供給され、気筒列方向に流れてシリンダヘッドの他端側から排出される。
ところで、一般にシリンダヘッドのウォータジャケットは、点火プラグボスを挟んで吸気ポート壁と排気ポート壁とが気筒列方向に多数並んでおり、上記先行技術のものでは、該ウォータジャケットに流入した冷却水は排気側で熱吸収してもその熱を吸気側に有効に作用させにくく、エンジン内外で循環を繰り返して次第に温度が上昇しない限り、吸気ポート内の吸気を加温することができず、迅速な燃焼安定化を図るという意味では、改善の余地がある。
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、早期暖機を図りつつ、迅速な燃焼安定化を図ることのできるエンジンの2系統式冷却装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、冷却水を供給するウォータポンプと、列方向に並ぶ複数の気筒を区画するシリンダヘッドおよびシリンダブロックにそれぞれ形成され、前記ウォータポンプに供給された冷却水を循環させるウォータジャケットと、前記シリンダヘッドのウォータジャケットとシリンダブロックのウォータジャケットとをエンジンの前端部側で連通する温間時冷却通路と、前記シリンダブロックのウォータジャケットをバイパスする冷間時バイパス通路と、前記シリンダヘッドのウォータジャケットを経由した冷却水を流通させて該冷却水の熱を放出するラジエータと、前記シリンダヘッドのウォータジャケットを経由した冷却水が、所定の温間設定温度未満では前記ラジエータをバイパスして前記ウォータポンプに循環するとともに、前記温間設定温度以上では前記ラジエータを経由して前記ウォータポンプに循環するように当該冷却水の経路を切り換える主サーモスタット弁と、前記ウォータポンプに供給された冷却水が、所定の冷間設定温度未満では前記冷間時バイパス通路を経由して前記シリンダヘッドのウォータジャケットに流通するとともに、前記冷間設定温度以上では前記シリンダブロックのウォータジャケットから前記温間時冷却通路を経由して前記シリンダヘッドのウォータジャケットを流通するように当該冷却水の経路を切り換える副サーモスタット弁とを備えたエンジンの2系統式冷却装置において、前記シリンダヘッドのウォータジャケットに気筒列方向の複数部位で連通し、且つ当該シリンダヘッドが区画している気筒列の排気側部分に沿って各気筒の列方向に延びるチェンバを形成し、前記冷間時バイパス通路を前記チェンバに連通し、前記冷間設定温度は、前記温間設定温度以下に設定されていることを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置である。この態様では、所定の冷間設定温度未満では、ウォータポンプからの冷却水がシリンダブロックをバイパスしてシリンダヘッドに循環し、ラジエータをバイパスしてウォータポンプに環流されることにより、シリンダブロックを保温する効果が得られ、エンジンの早期暖機が図られるとともに、冷間設定温度以上では、シリンダブロックにも冷却水が循環してエンジンが冷却される。さらに、温間設定温度以上になると、シリンダヘッドに循環した冷却水がラジエータにも循環する。ここで、シリンダヘッドのウォータジャケットには、排気側で気筒列方向に延びるチェンバが形成されているとともに、チェンバには冷間時バイパス通路が形成されているので、冷間時においては、冷却水がシリンダブロックをバイパスすることによるシリンダブロックの保温効果と、冷却水がシリンダヘッドのウォータジャケットに対し排気側部分に沿って設けられたチャンバから吸気側に指向しながら流入することで、吸気温度の加温、ひいては迅速な燃焼安定化を図る効果とを発揮することができるとともに、所定の冷間設定温度以上に温度が昇温した後は、チェンバにより多くの冷却水を循環させることができるので、過度な昇温を抑制し、迅速にエンジンを冷却することができる。
好ましい態様において、前記前記冷間設定温度は、前記温間設定温度よりも低く設定されている。この態様では、冷却水が所定の温間設定温度以上に達するまでは主サーモスタット弁が開かないので、副サーモスタット弁によるシリンダブロックの保温効果を維持して早期暖機を図ることができる。
好ましい態様において、前記主サーモスタット弁の温度に対する開度の勾配は、前記副サーモスタット弁の温度に対する開度の勾配よりも大きく設定されている。この態様では、早期暖機が必要な温度領域では、副サーモスタット弁が緩やかに切り替わるので、低温域でのシリンダブロックの保温効果を広い温度領域で確保することができるとともに、高温側では冷却水が速やかにラジエータに供給されることにより、より迅速な冷却効果を得ることができる。
好ましい態様において、前記副サーモスタット弁のバルブハウジングは、前記ウォータポンプのボディと一体的に形成されており、前記ウォータポンプは、前記シリンダブロックの側壁に固定されており、前記冷間時バイパス通路は、当該シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に開く竪経路を含むものである。この態様では、配管を要することなくウォータポンプからシリンダヘッドのウォータジャケットにバイパス経路を構成することができるので、エンジン側面の構造をシンプルに構成することができる。
以上説明したように、本発明は、冷間時においては、冷却水がシリンダブロックをバイパスすることによるシリンダブロックの保温効果と、冷却水がシリンダヘッドのウォータジャケットに対し排気側部分に沿って設けられたチャンバから吸気側に指向しながら流入することで、吸気温度の加温、ひいては迅速な燃焼安定化を図る効果とを発揮することができるとともに、所定の冷間設定温度以上に温度が昇温した後は、チェンバにより多くの冷却水を循環させて、過度な昇温を抑制し、迅速にエンジンを冷却することができるので、早期暖機を図りつつ、迅速な燃焼安定化を図ることができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る冷却装置の配管図であり、(A)は冷間時、(B)は温間時を示している。
まず、図1(A)(B)を参照して、本実施形態に係る冷却装置は、エンジンのシリンダヘッド1と、シリンダブロック2とにそれぞれ形成されたウォータジャケット1a、2aと、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aの出口に設けられた主バルブ装置3と、シリンダブロック2のウォータジャケット2aの入口に設けられた副バルブ装置4と、この副バルブ装置4とユニット化されたウォータポンプ5と、主バルブ装置3に接続されたラジエータ6と、主バルブ装置3からウォータポンプ5に還流する通路7に並列に接続されたオイルクーラ8およびオイルクーラ8と直列に接続されたヒータ9とを備えている(図7参照)。
図2は、図1の冷却装置を実装した本実施形態に係るエンジンの正面略図である。
図2を参照して、同エンジン10は、そのクランクシャフト11の前端部に出力スプロケット12を有しており、図略のチェーンを介して、複数の補機(シリンダブロック2の左右に配置されたウォータポンプ5、空調用コンプレッサ15等)がこの出力スプロケット12によって駆動されるようになっている。また、エンジン10には、当該エンジン10の前端側にアイドラプーリ14や、エンジン10の後部側側部に配置されたEGR弁17も備えている。
図3は、本発明の実施形態に係るシリンダヘッドの吸気側側面図であり、図4は、図3のIV−IV矢視断面図、図5は、図3のV−V矢視断面図である。
図3から図5を参照して、シリンダヘッド1は、4気筒4サイクルエンジンに適合するように鋳造されたものであり、前後(長手)方向に並ぶ4つの気筒のそれぞれに吸気ポート1bと排気ポート1cとがそれぞれ2個ずつ形成されている。
ウォータジャケット1aは、各気筒の周囲に形成されている。このウォータジャケット1aの排気側には、前後(長手)方向に延び、各気筒部位と複数箇所で連通するチェンバ1dが形成されている。チェンバ1dは、高温になりがちな排気側をより多くの冷却水で冷却し得るように形成されたものである。また、ウォータジャケット1aは、各気筒を囲むように連通している。この結果、後述するように冷間時に冷却水がチェンバ1dを経由してウォータジャケット1aに供給された際、冷却水は、シリンダヘッド1の長手方向並びに幅方向に流れてシリンダヘッド1の熱を吸収し、主バルブ装置3から排出されることになる。
シリンダヘッド1の前端部側には、ウォータジャケット1aの前端部を直下のシリンダブロック2のウォータジャケット2aと連通する連通路1eが形成されている。
図6は、本発明の実施形態に係るエンジンの平面略図であり、図7は、本発明の実施の形態に係るエンジンの背面図、図8は、図7のVIII−VIII矢視断面図、図9は、図7のIX−IX矢視断面図である。
図6〜図9を参照して、エンジン10の後端部には、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aと連通する主バルブ装置3が配置されている。主バルブ装置3は、シリンダヘッド1に固定されるボディ3aと、ボディ3aに固定されるカバー3bと、ボディ3aに内蔵されたサーモスタット弁20とを備えている。
ボディ3aは、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aと連通する連通室3dを区画する中空体であり、連通室3dは、ラジエータ6に冷却水を循環させるアッパホース6aと接続されている。また、本実施形態において、連通室3dには、主バルブ装置3からウォータポンプ5に還流する通路7(図1参照)が接続されている。他方、カバー3bは、ラジエータ6から冷却水を還流させる循環室3eを区画する中空体であり、循環室3eは、サーモスタット弁20によって連通室3dとの開閉が制御されるようになっている。循環室3eには、ラジエータ6からの冷却水を還流させるロアホース6bが接続されている。
サーモスタット弁20は、周知のワックスタイプのものであり、ボディ3aとカバー3bとに挟持されたフランジ付ホルダ21と、このフランジ付ホルダ21に内蔵されるスリーブ状の感温部22と、この感温部22に同心且つ摺動自在に設けられたピストン23とを有している。感温部22には、図略のワックスが充填されており、その熱膨張によってピストン23を押し出すように構成されている。ピストン23は、その基端部が感温部22内に挿入されているとともに、自由端部がフランジ付ホルダ21に固定されている。従って、感温部22のワックスが膨張して力を受けると、その反力で感温部22が自由端部から離反する方向(図8、図9において、図の右側)に移動することになる。
さらに感温部22の一端側(図8、図9の左側)に延設されたスリーブ22aには、フランジ付ホルダ21に形成された連通孔を開閉する主弁24が固定されている。主弁24とフランジ付ホルダ21との間には、第1のコイルスプリング25が介装されており、主弁24は、この第1のコイルスプリング25によってフランジ付ホルダ21の連通孔を閉じる方向に付勢されている。そして、第1のコイルスプリング25のスプリング係数は、冷却水が所定の温間設定温度(例えば88℃)Tw未満では、感温部22のワックス膨張による付勢力に打ち勝って主弁24がフランジ付ホルダ21の連通孔を閉じ、温間設定温度Tw以上では、感温部22のワックス膨張による付勢力によって徐々に連通孔を開き、所定の全開温度(例えば94℃)Twwで全開になるように構成されている。他方、本実施形態では、主弁24の閉弁領域(T<Tw)において、循環室3eの水圧が高まった場合(例えば、エンジン回転速度が5000rpm以上のとき)には、主弁24が第1のコイルスプリング25の付勢力に抗して循環室3eを連通室3dと連通するようにリリーフ圧が設定されている。
感温部22の主弁24と反対側には、開閉弁26が第2のコイルスプリング27を介して弾性的に取り付けられている。この開閉弁26は、感温部22の変位に伴い、連通室3dとウォータジャケット1aとの間の連通孔を弾性的に閉塞するものである。
この主バルブ装置3により、図1(A)に示すように、冷間時(暖機時)においては、サーモスタット弁20が連通室3dと循環室3eとを遮断するため、ラジエータ6に冷却水が流れなくなる。従って、ウォータジャケット1aから流れ出た冷却水は、通路7を経由してウォータポンプ5に還流する。他方、図1(B)に示すように、温間時においては、サーモスタット弁20が連通室3dと循環室3eとを連通するため、ラジエータ6に冷却水が循環するようになる。そして、ラジエータ6からロアホース6bを経て循環室3eに還流した冷却水は、連通室3dから通路7を経由してウォータポンプ5に還流する。
図10は、本発明の実施形態に係るエンジンの右側面図であり、図11は、図10のXI−XI矢視断面図、図12は、図10のXII−XII矢視断面図(冷間時)、図13は、図10のXII−XII矢視断面図(温間時)である。
次に、図1、図10、および図11を参照して、シリンダブロック2のウォータジャケット2aは、気筒の周囲を取り巻いて当該シリンダブロック2の長手方向に延びる平面形状を有している。そして、シリンダブロック2の前端部側には、ウォータジャケット2aの前端部を真上のウォータジャケット1aの連通路1eと連通する連通路2eが形成されている。
シリンダブロック2の排気側一側部には、シリンダブロック2のウォータジャケット2aをバイパスする竪経路2cが形成されている。竪経路2cは、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の前端側(気筒列方向一端側)において、図11に示すように、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との合わせ面に開く有底の穴によって具体化されており、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間には、竪経路2cの周囲をシールする、ビードを周囲に有する孔を形成した板金製のヘッドガスケット2dが配置されている。本実施形態において、竪経路2cは、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aと連通するチェンバ1dと連通している。
図10を参照して、ウォータポンプ5は、クランクシャフト11の出力スプロケット12に連結されるプーリ5aと、このプーリ5aに駆動されるインペラ(図示せず)を囲繞するボディ5bと、このボディ5bの前端部を覆うカバー5cとを有している。ボディ5bおよびカバー5cは、ボルト5dでシリンダブロック2の右側壁に固定されている。ボディ5bには、主バルブ装置3の連通室3dから吐出された冷却水をウォータポンプ5に戻す通路7が接続されており、この通路7からウォータポンプ5に戻された冷却水は、上記インペラによってウォータポンプ5に一体的に付設された副バルブ装置4に送給されるようになっている。
図12および図13を参照して、本実施形態において、ウォータポンプ5から供給される冷却水の流れをウォータジャケット2aと竪経路2cとで切り換えるために、ウォータポンプ5のボディ5bには、副バルブ装置4がユニット化されている。
副バルブ装置4は、ウォータポンプ5のボディ5bに一体形成されてシリンダブロック2に固定されるバルブハウジング4aと、バルブハウジング4aに内蔵されたサーモスタット弁30とを備えている。バルブハウジング4aは、シリンダブロック2のウォータジャケット2aに形成されて温間時冷却通路の要部をなす導入開口部2fと連通する合流部としての連通室4bを区画する中空体である。連通室4bには、シリンダブロック2の竪経路2cと連通するバイパス経路4cが形成されており、このバイパス経路4cと竪経路2cとによって、副バルブ装置4のバルブハウジング4aは、シリンダブロック2のウォータジャケット2aをバイパスしてウォータポンプ5から供給された冷却水をシリンダヘッド1のウォータジャケット1aにバイパスさせる冷間時バイパス通路を構成しているとともに、この冷間時バイパス通路(バイパス経路4cと竪経路2c)と温間時冷却通路としての導入開口部2fとが合流する合流部を構成している。
サーモスタット弁30は、主バルブ装置3のサーモスタット弁20と同様のワックスタイプのものであり、ホルダ31、感温部32、ピストン33、感温部32のスリーブ32aに固定されてウォータジャケット2aの導入開口部2fを開閉する主弁34、第1のコイルスプリング35、バイパス経路4cを開閉するバイパス弁36、第2のコイルスプリング37を備えている。これらは原理的には、主バルブ装置3の対応する要素部材と同等のものであるが、副バルブ装置4における感温部32は、所定の冷間設定温度(例えば、75℃)Tc未満では、第1のコイルスプリング35がワックス膨張による付勢力に打ち勝って主弁34が導入開口部2fを閉じ、所定の全開温度(例えば85℃)Tcwで全開になるように構成されている点が異なっている。
さらに本実施形態においては、サーモスタット弁30を保持するために、図14に示す略環状のフランジ板38が採用されている。
図14は、本実施形態に係るフランジ板の正面図である。
図12〜図14を参照して、フランジ板38の中央部には、ホルダ31が固定され、サーモスタット弁30の主弁34は、フランジ板38の中央部に形成された連通孔38aを開閉する構成になっている。
フランジ板38の一直径D方向には、該直径D方向に膨出する膨出部38b、38cが延設されており、これら膨出部38b、38cが組付時にシリンダブロック2とバルブハウジング4aとの間に挟圧されることにより、エンジン10に止定されるようになっている。さらに、フランジ板38のシリンダブロック2側の面には、この一直径D方向に沿って主弁34の両側に配設された圧力リリーフ弁40と水温センサ41とが固定されている。
図12および図13に示すように、圧力リリーフ弁40は、ボール状の弁体40aをコイルスプリング40bで付勢するチェック弁で具体化されたものであり、主弁34の閉弁領域(T<Tc)において、連通室4bの水圧が高まった場合(例えば、エンジン回転速度が4000rpm以上のとき)には、主弁34が第1のコイルスプリング35の付勢力に抗して連通室4bをウォータジャケット2aと連通するようにリリーフ圧が設定されている。
また、水温センサ41は、図略のエンジン制御ユニットと接続されて、このエンジン制御ユニットに水温の検出信号を出力するものであり、フェールセーフ上の情報として利用される。
組付時において、圧力リリーフ弁40と水温センサ41とは、サーモスタット弁30の主弁34を挟んでエンジン10の前後に並ぶようにレイアウトされる。さらに、シリンダブロック2のウォータジャケット2aをシリンダヘッド1のウォータジャケット1aに連通する連通路1eが、当該ウォータジャケット1aの前端に形成されていることから、水温センサ41は、エンジン10の後部側に配置される。これにより、図13に示すように、主弁34が開いた際、ウォータポンプ5からの冷却水の主流は、矢印AWに示すように、主弁34から前方に向かうことになるのに対し、水温センサ41は、この主流AWの上流側に外れた位置、すなわち主流と反対側の位置にレイアウトされることになる。この結果、主流AWによる影響が可及的に抑制された状態でウォータジャケット2a内の冷却水の温度を検出することが可能になっている。
図14を参照して、本実施形態において、フランジ板38には、組付時において、フランジ板38の最上部に位置する絞り通路38dが形成されており、常時、主弁34が開いたときの1%−2%の冷却水が連通室4bから導入開口部2f内に流れるのを許容している。この絞り通路38dは、サーモスタット弁30の故障時に、連通室4bからシリンダブロック2のウォータジャケット2aへの最低限の流れを確保する。
このような副バルブ装置4により、図1(A)に示すように、冷間時(暖機時)においては、サーモスタット弁30が連通室4bと導入開口部2fとを遮断するため、シリンダブロック2のウォータジャケット2aには冷却水が流れなくなり、ウォータポンプ5から供給された冷却水は、バイパス経路4cを経由してシリンダヘッド1のウォータジャケット1aに直接供給される一方、図1(B)に示すように、温間時においては、サーモスタット弁30が連通室4bと導入開口部2fとを連通してバイパス経路4cを閉塞するため、ウォータジャケット2aに冷却水が循環するようになる。
なお、図12、図13において、2gは、シリンダヘッド1をシリンダブロック2に締結するボルト18を螺合させるねじ孔である。
図15は、本実施形態に係る各サーモスタット弁20、30の主弁24、34の開弁条件を示す温度と開度との関係図である。
図1、図12、図13、および図15を参照して、上述した実施形態では、所定の冷間設定温度Tc未満では、図1(A)に示すように、ウォータポンプ5からの冷却水がシリンダブロック2をバイパスして竪経路2cからシリンダヘッド1に循環し、ラジエータ6をバイパスしてウォータポンプ5に環流されることにより、シリンダブロック2を保温する効果が得られ、エンジン10の早期暖機が図られる。冷却水の温度Tが上昇するに連れて、サーモスタット弁34の弁開度θは比例的に大きくなり、バイパス弁37の弁開度は比例的に小さくなる。これにより、冷間設定温度Tc以上では、シリンダブロック2にも冷却水が循環してエンジン10が冷却される。さらに、温間設定温度Tw以上になると、サーモスタット弁20の主弁24も開くので、シリンダヘッド1に循環した冷却水がラジエータ6にも循環する。
ここで、本実施形態においては、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aには、排気側で気筒列方向に延びるチェンバ1dが気筒列方向の複数箇所で連通するように形成されているとともに、チェンバ1dには冷間時バイパス通路としての竪経路2cが形成されているので、冷間時においては、冷却水がシリンダブロック1のウォータジャケット1aをバイパスすることによるシリンダブロック1の保温効果と、冷却水がシリンダヘッド1のウォータジャケット1aに対し排気側部分に沿って設けられたチャンバ1dから吸気側に指向しながら流入することで、吸気温度の加温、ひいては迅速な燃焼安定化を図る効果とを発揮することができるとともに、所定の冷間設定温度Tc以上に温度が昇温した後は、チェンバ1dにより多くの冷却水を循環させることができるので、過度な昇温を抑制し、迅速にエンジン10を冷却することができる。
また本実施形態では、図15に示したように、主サーモスタット弁20および副サーモスタット弁30が直列的に開閉するように冷間設定温度Tcおよび温間設定温度Twが設定されている。このため本実施形態では、冷却水が所定の温間設定温度Tw以上に達するまでは主サーモスタット弁20が開かないので、副サーモスタット弁30によるシリンダブロック2の保温効果を維持して早期暖機を図ることができる。
また本実施形態では、主サーモスタット弁20の温度に対する開度の勾配(Δθ/ΔT)は、副サーモスタット弁30の温度に対する開度の勾配(Δθ/ΔT)よりも大きく設定されている。このため本実施形態では、早期暖機が必要な温度領域では、副サーモスタット弁30が緩やかに切り替わるので、低温域でのシリンダブロック2の保温効果を広い温度領域で確保することができるとともに、高温側では冷却水が速やかにラジエータ6に供給されることにより、より迅速な冷却効果を得ることができる。
また本実施形態では、副サーモスタット弁30のバルブハウジングは、ウォータポンプ5のボディと一体的に形成されており、ウォータポンプ5は、シリンダブロック2の側壁に固定されており、冷間時バイパス通路は、当該シリンダヘッド1とシリンダブロック2との合わせ面に開く竪経路2cを含むものである。このため本実施形態では、配管を要することなくウォータポンプ5からシリンダヘッド1のウォータジャケット1aにバイパス経路を構成することができるので、エンジン10側面の構造をシンプルに構成することができる。
本発明の実施の一形態に係る冷却装置の配管図であり、(A)は冷間時、(B)は温間時を示している。 図1の冷却装置を実装した本実施形態に係るエンジンの正面略図である。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドの吸気側側面図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。 図3のV−V矢視断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの平面略図である。 本発明の実施の形態に係るエンジンの背面図である。 図6のVIII−VIII矢視断面図である。 図7のIX−IX矢視断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの右側面図である。 図10のXI−XI矢視断面図である。 図10のXII−XII矢視断面図(冷間時)である。 図10のXII−XII矢視断面図(温間時)である。 本実施形態に係るフランジ板の正面図である。 本実施形態に係る各サーモスタット弁の主弁の開弁条件を示す温度と開度との関係図である。
符号の説明
1 シリンダヘッド
1a ウォータジャケット
1e 連通路(温間時冷却通路の一例)
2 シリンダブロック
2a ウォータジャケット
2c 竪経路(冷間時バイパス通路の一例)
3 主バルブ装置
4 副バルブ装置
4a バルブハウジング
4b 連通室(合流部の一例)
4c バイパス経路(冷間時バイパス通路の一例)
5 ウォータポンプ
5b ボディ
6 ラジエータ
10 エンジン
20 サーモスタット弁(主サーモスタット弁の一例)
30 サーモスタット弁(副サーモスタット弁の一例)
Tc 冷間設定温度
Tw 温間設定温度

Claims (4)

  1. 冷却水を供給するウォータポンプと、
    列方向に並ぶ複数の気筒を区画するシリンダヘッドおよびシリンダブロックにそれぞれ形成され、前記ウォータポンプに供給された冷却水を循環させるウォータジャケットと、
    前記シリンダヘッドのウォータジャケットとシリンダブロックのウォータジャケットとをエンジンの前端部側で連通する温間時冷却通路と、
    前記シリンダブロックのウォータジャケットをバイパスする冷間時バイパス通路と、
    前記シリンダヘッドのウォータジャケットを経由した冷却水を流通させて該冷却水の熱を放出するラジエータと、
    前記シリンダヘッドのウォータジャケットを経由した冷却水が、所定の温間設定温度未満では前記ラジエータをバイパスして前記ウォータポンプに循環するとともに、前記温間設定温度以上では前記ラジエータを経由して前記ウォータポンプに循環するように当該冷却水の経路を切り換える主サーモスタット弁と、
    前記ウォータポンプに供給された冷却水が、所定の冷間設定温度未満では前記冷間時バイパス通路を経由して前記シリンダヘッドのウォータジャケットに流通するとともに、前記冷間設定温度以上では前記シリンダブロックのウォータジャケットから前記温間時冷却通路を経由して前記シリンダヘッドのウォータジャケットを流通するように当該冷却水の経路を切り換える副サーモスタット弁と
    を備えたエンジンの2系統式冷却装置において、
    前記シリンダヘッドのウォータジャケットに気筒列方向の複数部位で連通し、且つ当該シリンダヘッドが区画している気筒列の排気側部分に沿って各気筒の列方向に延びるチェンバを形成し、
    前記冷間時バイパス通路を前記チェンバに連通し、
    前記冷間設定温度は、前記温間設定温度以下に設定されている
    ことを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの2系統式冷却装置において、
    前記前記冷間設定温度は、前記温間設定温度よりも低く設定されている
    ことを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの2系統式冷却装置において、
    前記主サーモスタット弁の温度に対する開度の勾配は、前記副サーモスタット弁の温度に対する開度の勾配よりも大きく設定されている
    ことを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のエンジンの2系統式冷却装置において、
    前記副サーモスタット弁のバルブハウジングは、前記ウォータポンプのボディと一体的に形成されており、
    前記ウォータポンプは、前記シリンダブロックの側壁に固定されており、
    前記冷間時バイパス通路は、当該シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に開く竪経路を含むものである
    ことを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置。
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