JP4770816B2 - エンジンの2系統式冷却装置 - Google Patents

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本発明はエンジンの2系統式冷却装置に関し、特に、冷却水温度に応じて冷却水のシリンダブロックへの流れを選択的に切り換えるエンジンの2系統式冷却装置に関する。
特許文献1に示されているように、エンジンの運転状況に応じて、冷間時からの暖機時間を短縮するため、シリンダブロックのウォータジャケットを通る温間時冷却通路と、シリンダブロックのウォータジャケットをバイパスする冷間時バイパス通路とを有する2系統式冷却装置が知られている。そのような2系統式冷却装置では、各通路の切り換え動作をサーモスタット弁で行っている。サーモスタット弁としては、特許文献2に開示されているように、暖機時において所定の水圧では、スプリングによる付勢力に抗してバイパス通路を開く圧力リリーフ機能を設けた構成が知られている。
特開2004−52752号公報 特開2006−242073号公報
ところで、稀ではあるが、暖機時において、比較的高回転でエンジンが運転される場合があり、小さなリリーフ圧で圧力リリーフ弁を開くことが要請される場合がある。そのような運転状況で開く圧力リリーフ弁としては、サーモスタット弁とは別構成の圧力リリーフ弁を設け、リリーフ圧の設定自由度を高めることが好ましい。また、エンジンのフェールセーフの1つに例えば、シリンダブロックのウォータジャケット内の冷却水の温度を検出することがあり、このような水温センサの設置に周辺構造を考え合わせて検討する必要があり、苦労する。このようにサーモスタット弁の周囲に圧力リリーフ弁を装着する高い要請がある一方、水温センサをもサーモスタット弁の周囲にレイアウトできれば、シリンダブロックに直付けしてコンパクト化を図ることが、上述のような2系統式冷却装置の実用化を図る上で有用である。
本発明は上述のような要請に鑑みてなされたものであり、可及的にサーモスタット弁のコンパクト化を図りつつ、実用的で信頼性の高い構成を得ることのできるエンジンの2系統式冷却装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、冷却水を供給するウォータポンプと、シリンダブロックの側壁に形成された導入開口部を含み、前記ウォータポンプから供給された冷却水を前記シリンダブロックのウォータジャケットに供給する温間時冷却通路と、前記シリンダブロックのウォータジャケットをバイパスして前記ウォータポンプから供給された冷却水をシリンダヘッドのウォータジャケットに供給する冷間時バイパス通路と、前記シリンダブロックの側壁に形成され、前記温間時冷却通路と冷間時バイパス通路とが合流する合流部と、前記合流部に配置される感温部、前記感温部の一端側に設けられて前記導入開口部を開閉する主弁、および前記感温部の他端側に設けられて前記冷間時バイパス通路を開閉するバイパス弁を有し、所定の冷間設定温度未満では前記温間時冷却通路を閉じて前記冷間時バイパス通路を開くとともに、前記冷間設定温度以上では、前記温間時冷却通路を開いて前記冷間時バイパス通路の開度を逓減するサーモスタット弁とを備えたエンジンの2系統式冷却装置において、前記導入開口部を囲繞するように前記合流部を区画して前記サーモスタット弁を収容するバルブハウジングと、シリンダブロックの側壁と前記バルブハウジングとによって挟持されることにより前記合流部と前記導入開口部とを間仕切り、且つ前記サーモスタット弁の主弁によって開閉される連通孔が形成されたフランジ板と、前記フランジ板の当該シリンダブロック側であって、前記サーモスタット弁の主弁と並ぶ位置に配置され、前記合流部の内圧が所定以上のときに前記合流部と前記導入開口部とを連通する圧力リリーフ弁と、前記フランジ板の当該シリンダブロック側であって、前記サーモスタット弁の主弁および前記圧力リリーフ弁と並ぶ位置に配置され、前記導入開口部側の水温を検出する水温センサとを設け、前記水温センサは、前記サーモスタット弁の主弁が開いたときの主流と反対側に外れる位置にレイアウトされていることを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置である。この態様では、温間時冷却通路と冷間時バイパス通路とを設け、温度状態に応じて両通路をサーモスタット弁によって択一的に切り換える2系統冷却方式において、両通路の合流部がバルブハウジングによって区画され、このバルブハウジングにサーモスタット弁を収容しているので、サーモスタット弁をシリンダブロックに直付けし、弁構造を可及的にシンプルにすることができる。加えて、このシンプルな弁構造にフランジ板を設け、このフランジ板に圧力リリーフ弁と水温センサを設け、加えて、圧力リリーフ弁がサーモスタット弁とは別構成で取り付けられているので、リリーフ圧の設定の自由度が高まる。他方、水温センサがサーモスタット弁の主弁が開いたときの主流と反対側に外れる位置にレイアウトされているので、冷却水の動的なエネルギーによる検出誤差が小さくなり、精度の高い故障検知ができるようになる。
好ましい態様において、前記バルブハウジングは、前記ウォータポンプのボディと一体的に形成されており、前記サーモスタット弁のバイパス弁によって開閉される冷間時バイパス通路の上流端を区画するものである。この態様では、バルブハウジングとウォータポンプとがユニット化され、シリンダブロック側面のコンパクト化をより高めることができるとともに、冷間時バイパス通路の上流端がバルブハウジング内に形成され、サーモスタット弁のバイパス弁によって開閉されるようになっているので、サーモスタット弁の小型化を図ることも可能になる。
好ましい態様において、前記導入開口部が、前記シリンダブロックの気筒列方向一端側の側壁に形成され、前記冷間時バイパス通路は、当該シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に開く竪経路を含み、前記竪経路は、気筒間に位置するヘッド締結ボルト孔の近傍に形成されており、前記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間には、前記竪経路に対応する前記ヘッド締結ボルト孔の周囲をシールするビード部を有するヘッドガスケットが配置されている。この態様では、冷間時バイパス通路がシリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に開口する竪経路を含んでいるので、冷間時バイパス通路の配管が不要になり、部品点数の低減やコンパクト化に寄与することになる。しかも、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締結するボルトの締結力で、竪経路のシール性を高めることができるので、信頼性も高くなる。
以上説明したように、本発明は、温間時冷却通路と冷間時バイパス通路とを設け、温度状態に応じて両通路をサーモスタット弁によって択一的に切り換える2系統冷却方式において、シリンダブロックに直付けされるバルブハウジングにサーモスタット弁を配置し、さらに、所定のレイアウトで水温センサと圧力リリーフ弁とを設けているので、可及的にサーモスタット弁のコンパクト化を図りつつ、実用的で信頼性の高い構成を得ることができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る冷却装置の配管図であり、(A)は冷間時、(B)は温間時を示している。
まず、図1(A)(B)を参照して、本実施形態に係る冷却装置は、エンジンのシリンダヘッド1と、シリンダブロック2とにそれぞれ形成されたウォータジャケット1a、2aと、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aの出口に設けられた主バルブ装置3と、シリンダブロック2のウォータジャケット2aの入口に設けられた副バルブ装置4と、この副バルブ装置4とユニット化されたウォータポンプ5と、主バルブ装置3に接続されたラジエータ6と、主バルブ装置3からウォータポンプ5に還流する通路7に並列に接続されたオイルクーラ8およびオイルクーラ8と直列に接続されたヒータ9とを備えている(図7参照)。
図2は、図1の冷却装置を実装した本実施形態に係るエンジンの正面略図である。
図2を参照して、同エンジン10は、そのクランクシャフト11の前端部に出力スプロケット12を有しており、図略のチェーンを介して、複数の補機(シリンダブロック2の左右に配置されたウォータポンプ5、空調用コンプレッサ15等)がこの出力スプロケット12によって駆動されるようになっている。また、エンジン10には、当該エンジン10の前端側にアイドラプーリ14や、エンジン10の後部側側部に配置されたEGR弁17も備えている。
図3は、本発明の実施形態に係るシリンダヘッドの吸気側側面図であり、図4は、図3のIV−IV矢視断面図、図5は、図3のV−V矢視断面図である。
図3から図5を参照して、シリンダヘッド1は、4気筒4サイクルエンジンに適合するように鋳造されたものであり、前後(長手)方向に並ぶ4つの気筒のそれぞれに吸気ポート1bと排気ポート1cとがそれぞれ2個ずつ形成されている。
ウォータジャケット1aは、各気筒の周囲に形成されている。このウォータジャケット1aの排気側には、前後(長手)方向に延び、各気筒部位と複数箇所で連通するチェンバ1dが形成されている。チェンバ1dは、高温になりがちな排気側をより多くの冷却水で冷却し得るように形成されたものである。また、ウォータジャケット1aは、各気筒を囲むように連通している。この結果、後述するように冷間時に冷却水がチェンバ1dを経由してウォータジャケット1aに供給された際、冷却水は、シリンダヘッド1の長手方向並びに幅方向に流れてシリンダヘッド1の熱を吸収し、主バルブ装置3から排出されることになる。
シリンダヘッド1の前端部側には、ウォータジャケット1aの前端部を直下のシリンダブロック2のウォータジャケット2aと連通する連通路1eが形成されている。
図6は、本発明の実施形態に係るエンジンの平面略図であり、図7は、本発明の実施の形態に係るエンジンの背面図、図8は、図7のVIII−VIII矢視断面図、図9は、図7のIX−IX矢視断面図である。
図6〜図9を参照して、エンジン10の後端部には、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aと連通する主バルブ装置3が配置されている。主バルブ装置3は、シリンダヘッド1に固定されるボディ3aと、ボディ3aに固定されるカバー3bと、ボディ3aに内蔵されたサーモスタット弁20とを備えている。
ボディ3aは、シリンダヘッド1のウォータジャケット1aと連通する連通室3dを区画する中空体であり、連通室3dは、ラジエータ6に冷却水を循環させるアッパホース6aと接続されている。また、本実施形態において、連通室3dには、主バルブ装置3からウォータポンプ5に還流する通路7(図1参照)が接続されている。他方、カバー3bは、ラジエータ6から冷却水を還流させる循環室3eを区画する中空体であり、循環室3eは、サーモスタット弁20によって連通室3dとの開閉が制御されるようになっている。循環室3eには、ラジエータ6からの冷却水を還流させるロアホース6bが接続されている。
サーモスタット弁20は、周知のワックスタイプのものであり、ボディ3aとカバー3bとに挟持されたフランジ付ホルダ21と、このフランジ付ホルダ21に内蔵されるスリーブ状の感温部22と、この感温部22に同心且つ摺動自在に設けられたピストン23とを有している。感温部22には、図略のワックスが充填されており、その熱膨張によってピストン23を押し出すように構成されている。ピストン23は、その基端部が感温部22内に挿入されているとともに、自由端部がフランジ付ホルダ21に固定されている。従って、感温部22のワックスが膨張して力を受けると、その反力で感温部22が自由端部から離反する方向(図8、図9において、図の右側)に移動することになる。
さらに感温部22の一端側(図8、図9の左側)に延設されたスリーブ22aには、フランジ付ホルダ21に形成された連通孔を開閉する主弁24が固定されている。主弁24とフランジ付ホルダ21との間には、第1のコイルスプリング25が介装されており、主弁24は、この第1のコイルスプリング25によってフランジ付ホルダ21の連通孔を閉じる方向に付勢されている。そして、第1のコイルスプリング25のスプリング係数は、冷却水が所定の温間設定温度(例えば88℃)Tw未満では、感温部22のワックス膨張による付勢力に打ち勝って主弁24がフランジ付ホルダ21の連通孔を閉じ、温間設定温度Tw以上では、感温部22のワックス膨張による付勢力によって徐々に連通孔を開き、所定の全開温度(例えば94℃)Twwで全開になるように構成されている。他方、本実施形態では、主弁24の閉弁領域(T<Tw)において、循環室3eの水圧が高まった場合(例えば、エンジン回転速度が5000rpm以上のとき)には、主弁24が第1のコイルスプリング25の付勢力に抗して循環室3eを連通室3dと連通するようにリリーフ圧が設定されている。
感温部22の主弁24と反対側には、開閉弁26が第2のコイルスプリング27を介して弾性的に取り付けられている。この開閉弁26は、感温部22の変位に伴い、連通室3dとウォータジャケット1aとの間の連通孔を弾性的に閉塞するものである。
この主バルブ装置3により、図1(A)に示すように、冷間時(暖機時)においては、サーモスタット弁20が連通室3dと循環室3eとを遮断するため、ラジエータ6に冷却水が流れなくなる。従って、ウォータジャケット1aから流れ出た冷却水は、通路7を経由してウォータポンプ5に還流する。他方、図1(B)に示すように、温間時においては、サーモスタット弁20が連通室3dと循環室3eとを連通するため、ラジエータ6に冷却水が循環するようになる。そして、ラジエータ6からロアホース6bを経て循環室3eに還流した冷却水は、連通室3dから通路7を経由してウォータポンプ5に還流する。
図10は、本発明の実施形態に係るエンジンの右側面図であり、図11は、図10のXI−XI矢視断面図、図12は、図10のXII−XII矢視断面図(冷間時)、図13は、図10のXII−XII矢視断面図(温間時)である。
次に、図1、図10、および図11を参照して、シリンダブロック2のウォータジャケット2aは、気筒の周囲を取り巻いて当該シリンダブロック2の長手方向に延びる平面形状を有している。そして、シリンダブロック2の前端部側には、ウォータジャケット2aの前端部を真上のウォータジャケット1aの連通路1eと連通する連通路2eが形成されている。
シリンダブロック2の排気側一側部には、シリンダブロック2のウォータジャケット2aをバイパスする竪経路2cが形成されている。竪経路2cは、シリンダヘッド1とシリンダブロック2の前端側(気筒列方向一端側)において、図11に示すように、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との合わせ面に開く有底の穴によって具体化されており、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間には、竪経路2cの周囲をシールする、ビードを周囲に有する孔を形成した板金製のヘッドガスケット2dが配置されている。
図10を参照して、ウォータポンプ5は、クランクシャフト11の出力スプロケット12に連結されるプーリ5aと、このプーリ5aに駆動されるインペラ(図示せず)を囲繞するボディ5bと、このボディ5bの前端部を覆うカバー5cとを有している。ボディ5bおよびカバー5cは、ボルト5dでシリンダブロック2の右側壁に固定されている。ボディ5bには、主バルブ装置3の連通室3dから吐出された冷却水をウォータポンプ5に戻す通路7が接続されており、この通路7からウォータポンプ5に戻された冷却水は、上記インペラによってウォータポンプ5に一体的に付設された副バルブ装置4に送給されるようになっている。
図12および図13を参照して、本実施形態において、ウォータポンプ5から供給される冷却水の流れをウォータジャケット2aと竪経路2cとで切り換えるために、ウォータポンプ5のボディ5bには、副バルブ装置4がユニット化されている。
副バルブ装置4は、ウォータポンプ5のボディ5bに一体形成されてシリンダブロック2に固定されるバルブハウジング4aと、バルブハウジング4aに内蔵されたサーモスタット弁30とを備えている。バルブハウジング4aは、シリンダブロック2のウォータジャケット2aに形成されて温間時冷却通路の要部をなす導入開口部2fと連通する合流部としての連通室4bを区画する中空体である。連通室4bには、シリンダブロック2の竪経路2cと連通するバイパス経路4cが形成されており、このバイパス経路4cと竪経路2cとによって、副バルブ装置4のバルブハウジング4aは、シリンダブロック2のウォータジャケット2aをバイパスしてウォータポンプ5から供給された冷却水をシリンダヘッド1のウォータジャケット1aに供給する冷間時バイパス通路を構成しているとともに、この冷間時バイパス通路(バイパス経路4cと竪経路2c)と温間時冷却通路としての導入開口部2fとが合流する合流部を構成している。
サーモスタット弁30は、主バルブ装置3のサーモスタット弁20と同様のワックスタイプのものであり、ホルダ31、感温部32、ピストン33、感温部32のスリーブ32aに固定されてウォータジャケット2aの導入開口部2fを開閉する主弁34、第1のコイルスプリング35、バイパス経路4cを開閉するバイパス弁36、第2のコイルスプリング37を備えている。これらは原理的には、主バルブ装置3の対応する要素部材と同等のものであるが、副バルブ装置4における感温部32は、所定の冷間設定温度(例えば、75℃)Tc未満では、第1のコイルスプリング35がワックス膨張による付勢力に打ち勝って主弁34が導入開口部2fを閉じ、所定の全開温度(例えば85℃)Tcwで全開になるように構成されている点が異なっている。
さらに本実施形態においては、サーモスタット弁30を保持するために、図14に示す略環状のフランジ板38が採用されている。
図14は、本実施形態に係るフランジ板の正面図である。
図12〜図14を参照して、フランジ板38の中央部には、ホルダ31が固定され、サーモスタット弁30の主弁34は、フランジ板38の中央部に形成された連通孔38aを開閉する構成になっている。
フランジ板38の一直径D方向には、該直径D方向に膨出する膨出部38b、38cが延設されており、これら膨出部38b、38cが組付時にシリンダブロック2とバルブハウジング4aとの間に挟圧されることにより、エンジン10に止定されるようになっている。さらに、フランジ板38のシリンダブロック2側の面には、この一直径D方向に沿って主弁34の両側に配設された圧力リリーフ弁40と水温センサ41とが固定されている。
図12および図13に示すように、圧力リリーフ弁40は、ボール状の弁体40aをコイルスプリング40bで付勢するチェック弁で具体化されたものであり、主弁34の閉弁領域(T<Tc)において、連通室4bの水圧が高まった場合(例えば、エンジン回転速度が4000rpm以上のとき)には、主弁34が第1のコイルスプリング35の付勢力に抗して連通室4bをウォータジャケット2aと連通するようにリリーフ圧が設定されている。
また、水温センサ41は、図略のエンジン制御ユニットと接続されて、このエンジン制御ユニットに水温の検出信号を出力するものであり、フェールセーフ上の情報として利用される。
組付時において、圧力リリーフ弁40と水温センサ41とは、サーモスタット弁30の主弁34を挟んでエンジン10の前後に並ぶようにレイアウトされる。さらに、シリンダブロック2のウォータジャケット2aをシリンダヘッド1のウォータジャケット1aに連通する連通路1eが、当該ウォータジャケット1aの前端に形成されていることから、水温センサ41は、エンジン10の後部側に配置される。これにより、図13に示すように、主弁34が開いた際、ウォータポンプ5からの冷却水の主流は、矢印AWに示すように、主弁34から前方に向かうことになるのに対し、水温センサ41は、この主流AWの上流側に外れた位置、すなわち主流と反対側の位置にレイアウトされることになる。この結果、主流AWによる影響が可及的に抑制された状態でウォータジャケット2a内の冷却水の温度を検出することが可能になっている。
図14を参照して、本実施形態において、フランジ板38には、組付時において、フランジ板38の最上部に位置する絞り通路38dが形成されており、常時、主弁34が開いたときの1%−2%の冷却水が連通室4bから導入開口部2f内に流れるのを許容している。この絞り通路38dは、サーモスタット弁30の故障時に、連通室4bからシリンダブロック2のウォータジャケット2aへの最低限の流れを確保する。
このような副バルブ装置4により、図1(A)に示すように、冷間時(暖機時)においては、サーモスタット弁30が連通室4bと導入開口部2fとを遮断するため、シリンダブロック2のウォータジャケット2aには冷却水が流れなくなり、ウォータポンプ5から供給された冷却水は、バイパス経路4cを経由してシリンダヘッド1のウォータジャケット1aに直接供給される一方、図1(B)に示すように、温間時においては、サーモスタット弁30が連通室4bと導入開口部2fとを連通してバイパス経路4cを閉塞するため、ウォータジャケット2aに冷却水が循環するようになる。
なお、図12、図13において、2gは、シリンダヘッド1をシリンダブロック2に締結するボルト18を螺合させるヘッド締結ボルト孔である。
以上説明したように本実施形態では、温間時冷却通路としての連通路1eと冷間時バイパス通路(竪経路2c、バイパス経路4c)とを設け、温度状態に応じて両通路をサーモスタット弁30によって択一的に切り換える2系統冷却方式において、これらの通路1e、2c、4cの連通室4bがバルブハウジング4aによって区画され、このバルブハウジング4aにサーモスタット弁30を収容しているので、サーモスタット弁30をシリンダブロック2に直付けし、弁構造を可及的にシンプルにすることができる。加えて、このシンプルな弁構造にフランジ板38を設け、このフランジ板38に圧力リリーフ弁40と水温センサ41を設け、加えて、圧力リリーフ弁40がサーモスタット弁30とは別構成で取り付けられているので、リリーフ圧の設定の自由度が高まる。他方、水温センサ41がサーモスタット弁30の主弁34が開いたときの主流AWと反対側に外れる位置にレイアウトされているので、冷却水の動的なエネルギーによる検出誤差が小さくなり、精度の高い故障検知ができるようになる。
また本実施形態では、バルブハウジング4aは、ウォータポンプ5のボディ5bと一体的に形成されており、サーモスタット弁30のバイパス弁36によって開閉される冷間時バイパス通路(竪経路2c、バイパス経路4c)の上流端を区画するものである。このため本実施形態では、バルブハウジング4aとウォータポンプ5とがユニット化され、シリンダブロック2側面のコンパクト化をより高めることができるとともに、冷間時バイパス通路(竪経路2c、バイパス経路4c)の上流端がバルブハウジング4a内に形成され、サーモスタット弁30のバイパス弁36によって開閉されるようになっているので、サーモスタット弁30の小型化を図ることも可能になる。
また本実施形態では、導入開口部2fが、シリンダブロック2の気筒列方向一端側の側壁に形成され、冷間時バイパス通路は、当該シリンダヘッド1とシリンダブロック2との合わせ面に開く竪経路2cを含み、竪経路2cは、気筒間に位置するヘッド締結ボルト孔2gの近傍に形成されており、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間には、竪経路2cに対応するヘッド締結ボルト孔2gの周囲をシールするビード部を有するヘッドガスケット2dが配置されている。このため本実施形態では、冷間時バイパス通路(竪経路2c、バイパス経路4c)がシリンダヘッド1とシリンダブロック2との合わせ面に開口する竪経路2cを含んでいるので、冷間時バイパス通路(竪経路2c、バイパス経路4c)の配管が不要になり、部品点数の低減やコンパクト化に寄与することになる。しかも、ボルト18の締結力で、竪経路2cのシール性を高めることができるので、信頼性も高くなる。
本発明の実施の一形態に係る冷却装置の配管図であり、(A)は冷間時、(B)は温間時を示している。 図1の冷却装置を実装した本実施形態に係るエンジンの正面略図である。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドの吸気側側面図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。 図3のV−V矢視断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの平面略図である。 本発明の実施の形態に係るエンジンの背面図である。 図6のVIII−VIII矢視断面図である。 図7のIX−IX矢視断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの右側面図である。 図10のXI−XI矢視断面図である。 図10のXII−XII矢視断面図(冷間時)である。 図10のXII−XII矢視断面図(温間時)である。 本実施形態に係るフランジ板の正面図である。
符号の説明
1 シリンダヘッド
1a ウォータジャケット
1e 連通路(温間時冷却通路の一例)
2 シリンダブロック
2a ウォータジャケット
2c 竪経路(冷間時バイパス通路の一例)
2d ヘッドガスケット
2g ヘッド締結ボルト孔
2f 導入開口部
3 主バルブ装置
4 副バルブ装置
4a バルブハウジング
4b 連通室(合流部の一例)
4c バイパス経路(冷間時バイパス通路の一例)
5 ウォータポンプ
5b ボディ
6 ラジエータ
10 エンジン
18 ボルト
30 サーモスタット弁
32 感温部
34 主弁
36 バイパス弁
38 フランジ板
38a 連通孔
38b 膨出部
38d 絞り通路
40 圧力リリーフ弁
40a 弁体
41 水温センサ
AW 主流
Tc 冷間設定温度
Tw 温間設定温度

Claims (3)

  1. 冷却水を供給するウォータポンプと、
    シリンダブロックの側壁に形成された導入開口部を含み、前記ウォータポンプから供給された冷却水を前記シリンダブロックのウォータジャケットに供給する温間時冷却通路と、
    前記シリンダブロックのウォータジャケットをバイパスして前記ウォータポンプから供給された冷却水をシリンダヘッドのウォータジャケットに供給する冷間時バイパス通路と、
    前記シリンダブロックの側壁に形成され、前記温間時冷却通路と冷間時バイパス通路とが合流する合流部と、
    前記合流部に配置される感温部、前記感温部の一端側に設けられて前記導入開口部を開閉する主弁、および前記感温部の他端側に設けられて前記冷間時バイパス通路を開閉するバイパス弁を有し、所定の冷間設定温度未満では前記温間時冷却通路を閉じて前記冷間時バイパス通路を開くとともに、前記冷間設定温度以上では、前記温間時冷却通路を開いて前記冷間時バイパス通路の開度を逓減するサーモスタット弁と
    を備えたエンジンの2系統式冷却装置において、
    前記導入開口部を囲繞するように前記合流部を区画して前記サーモスタット弁を収容するバルブハウジングと、
    シリンダブロックの側壁と前記バルブハウジングとによって挟持されることにより前記合流部と前記導入開口部とを間仕切り、且つ前記サーモスタット弁の主弁によって開閉される連通孔が形成されたフランジ板と、
    前記フランジ板の当該シリンダブロック側であって、前記サーモスタット弁の主弁と並ぶ位置に配置され、前記合流部の内圧が所定以上のときに前記合流部と前記導入開口部とを連通する圧力リリーフ弁と、
    前記フランジ板の当該シリンダブロック側であって、前記サーモスタット弁の主弁および前記圧力リリーフ弁と並ぶ位置に配置され、前記導入開口部側の水温を検出する水温センサと
    を設け、前記水温センサは、前記サーモスタット弁の主弁が開いたときの主流と反対側に外れる位置にレイアウトされている
    ことを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの2系統式冷却装置において、
    前記バルブハウジングは、前記ウォータポンプのボディと一体的に形成されており、前記サーモスタット弁のバイパス弁によって開閉される冷間時バイパス通路の上流端を区画するものである
    ことを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置。
  3. 請求項1または2記載のエンジンの2系統式冷却装置において、
    前記導入開口部が、前記シリンダブロックの気筒列方向一端側の側壁に形成され、
    前記冷間時バイパス通路は、当該シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に開く竪経路を含み、
    前記竪経路は、気筒間に位置するヘッド締結ボルト孔の近傍に形成されており、
    前記シリンダヘッドとシリンダブロックとの間には、前記竪経路に対応する前記ヘッド締結ボルト孔の周囲をシールするビード部を有するヘッドガスケットが配置されている
    ことを特徴とするエンジンの2系統式冷却装置。
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