JP4770297B2 - 切削インサートのクランプ機構および切削インサート - Google Patents

切削インサートのクランプ機構および切削インサート Download PDF

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Description

本発明は、例えば被削材の溝入れや突っ切りに用いられるインサート着脱式工具において、切削インサートをホルダのインサート取付座にクランプして着脱可能に取り付けるための切削インサートのクランプ機構、および該クランプ機構にクランプされる切削インサートに関するものである。
このような溝入れや突っ切りに用いられる切削インサートのクランプ機構としては、ホルダの先端部に先端側に開口する一対の顎部が弾性変形可能に形成されてその間の部分がインサート取付座とされ、このインサート取付座に切削インサートを挿入して両顎部で挟み込むことより、これらの顎部の互いに対向する一対の当接面を切削インサートの一対の被当接面にそれぞれ当接させて押圧し、クランプするものが知られている。そして、一般的に上記顎部を弾性変形させて切削インサートをクランプするには、例えば特許文献1に記載のように一方の顎部に挿通されたクランプネジを他方の顎部にねじ込むことにより、この一方の顎部を他方の顎部に向けて撓ませて接近させる手段が採られている。また、特許文献2には、切削インサートを挿入する際にスロット拡張用キーといった専用の作業用工具によって一対の顎部を弾性変形させて上記一対の当接面間の間隔を広げ、切削インサートが挿入された後はこのキーを抜いてから、やはりクランプネジをねじ込むことにより切削インサートを締め付けてクランプすることも提案されている。
特許第3188790号公報 登録実用新案第3063685号公報
ところで、クランプ前に切削インサートをインサート取付座に挿入するためには、一対の当接面間の間隔を少なからず切削インサートの一対の被当接面間の間隔よりも大きくしておいて、両者の間に僅かながらでも隙間があけられていなければならない。ところが、特許文献1に記載のようにクランプネジによって単に顎部を弾性変形させて切削インサートを締め付けるだけのものでは、顎部が弾性変形していない状態でこのような隙間が必要となり、そこからクランプネジをねじ込んで切削インサートを締め付けるとなると、この隙間分だけ顎部を大きく変形させなければならず、クランプネジのねじ込みに大きな力を要するとともに、こうして大きく弾性変形した顎部では、この弾性変形した一方の顎部が元の変形していない状態に戻ろうとする反力が切削インサートを締め付ける方向とは逆の方向に作用するため、クランプ力の低減を招くおそれもある。
一方、特許文献2に記載のクランプ機構によれば、上記スロット拡張用キーによって顎部を一旦広げてから切削インサートを挿入するため、挿入後にキーを抜いた状態で上記当接面を被当接面に当接させることができ、さらにクランプネジをねじ込むことによって切削インサートを強く押圧してクランプすることができる。しかしながら、この特許文献2に記載のクランプ機構では、このクランプネジをねじ込む際のレンチ等の作業用工具のほかに、切削インサートを挿入する際に上記スロット拡張キーといった専用の作業用工具が必要となるので、これらの作業用工具の管理が煩雑となるとともに、複数種の作業用工具を使い分けなければならなくなるために、クランプ作業自体も煩雑となることが避けられない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように一対の顎部によって切削インサートを挟み込んでクランプする切削インサートのクランプ機構において、切削インサートを確実に保持しうる十分なクランプ力を得ることができるとともに、作業者に余計な労力や煩雑な作業用工具の管理およびクランプ作業を強いることのない切削インサートのクランプ機構、および該クランプ機構によりクランプされる切削インサートを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートのクランプ機構は、互いに対向する一対の当接面を備えてホルダの先端部に形成されたインサート取付座に、上記一対の当接面にそれぞれ当接する一対の被当接面を備えた切削インサートを挿入して挟み込むことによりクランプする切削インサートのクランプ機構であって、上記ホルダの先端部に、それぞれ上記一対の当接面の1つずつが形成されて上記被当接面との当接方向に相対的に弾性変形可能とされた一対の顎部と、これら一対の顎部を弾性変形させて上記一対の当接面を上記当接方向に相対的に接近させ、かつ該当接方向に対して相対的に離間せしめるクランプ手段とを設け、上記クランプ手段は、上記ホルダの先端部に上記当接方向に向けて挿通されて、上記一対の顎部のうち一方の顎部に螺着される雄ネジ部と、他方の顎部に上記当接方向の離接両側に向けて当接可能に収容される頭部とを備えたクランプネジとして、上記他方の顎部には、上記一方の顎部側に向けて開口する上記頭部よりも小径で上記雄ネジ部が緩挿可能な小径部と、上記一方の顎部とは反対側に開口して上記頭部を収容可能な大径部とを有する収容孔を形成するとともに、この収容孔の上記一方の顎部とは反対側の開口部には蓋体を取り付けて、上記蓋体を、上記収容孔の上記一方の顎部とは反対側の開口部に形成されたネジ部に螺着されるネジ部材として、このネジ部の捩れの方向を、上記クランプネジの雄ネジ部の捩れの方向と逆方向としたことを特徴とする。
このように構成されたクランプ機構においては、上記クランプ手段によって一対の当接面が上記当接方向において接近する側と、これとは逆にこの当接方向に対して離間する側とに一対の顎部が相対的に弾性変形させられるので、当該クランプ手段を操作するための単一の作業用工具により、上記一対の当接面間の間隔をあけて切削インサートをインサート取付座に着脱することができるとともに、こうしてインサート取付座に挿入された切削インサートを上記間隔を狭めるようにしてクランプすることが可能であり、作業用工具の管理や複数種の作業用工具を使い分ける煩雑さを強いることはない。そして、このインサート取付座に挿入された切削インサートをクランプする際には、一対の顎部が弾性変形していない状態または一対の当接面が離間する方向に弾性変形させられた状態で切削インサートに当接するようにして、この状態からこれら一対の顎部を上記当接方向に接近させるようにして該切削インサートをクランプすることができるので、顎部が元の状態の戻ろうとする反力を抑え、あるいはこの反力が切削インサートをクランプする方向に作用するように向けることができ、十分なクランプ力により切削インサートを確実にクランプすることが可能となる。
また、本発明では、このように一対の顎部を上記当接方向に接近させ、かつ離間せしめるクランプ手段としては、上記ホルダの先端部に上記当接方向に向けて挿通されて、上記一対の顎部のうち一方の顎部に螺着される雄ネジ部と、他方の顎部に上記当接方向の離接両側に向けて当接可能に収容される頭部とを備えたクランプネジを採用している。すなわち、このようなクランプネジの上記雄ネジ部を一方の顎部にねじ込んで、上記当接方向において一対の当接面が接近する側に向けて他方の顎部に上記頭部を当接させると、この頭部が当接した他方の顎部に対して上記雄ネジ部が螺着した一方の頭部が引き込まれるようにして相対的に弾性変形させられることとなり、逆にこの雄ネジ部が一方の顎部から抜き出されるようにクランプネジを回転させると、上記頭部は他方の顎部に上記当接方向において一対の当接面同士が離間する側に向けて当接することとなって、他方の顎部に対して一方の顎部が押し出されるように弾性変形して互いに離間することとなる。
さらに、本発明では、このようにクランプネジの頭部を他方の顎部に上記当接方向の離接両側に向けて当接可能に収容するのに、この他方の顎部に、上記一方の顎部側に向けて開口する上記頭部よりも小径で上記雄ネジ部が緩挿可能な小径部と、上記一方の顎部とは反対側に開口して上記頭部を収容可能な大径部とを有する収容孔を形成するとともに、この収容孔の上記一方の顎部とは反対側の開口部には蓋体を取り付けており、クランプネジの頭部を、上記当接方向において一対の当接面が接近する側には収容孔の上記小径部と大径部との段部に当接させる一方、逆に一対の当接面が離間する側には上記蓋体に当接させることができ、該クランプネジの回動操作により一対の顎部およびその当接面を離接させることができる。そして、本発明では、上記蓋体を、上記収容孔の上記一方の顎部とは反対側の開口部に形成されたネジ部に螺着されるネジ部材として、このネジ部の捩れの方向を、上記クランプネジの雄ネジ部の捩れの方向と逆方向としており、これにより、上述のように一対の当接面が離間する側にクランプネジを回動させて上記蓋体に当接させても、このクランプネジの回動操作によって蓋体が共回りして上記ネジ部から外れてしまうような事態を防止することが可能となる。
さらに、この場合には、上記収容孔の小径部と大径部との間の部分と、上記頭部の一方の顎部側を向く部分とのうち少なくとも一方を、上記一方の顎部側に向かうに従い漸次径が小さくなるように形成することにより、上記雄ネジ部が螺着した一方の顎部のネジ孔の中心線と他方の顎部の収容孔の中心線とが該顎部の弾性変形によって傾きを生じたとしても、この傾きに追従させてクランプネジを傾動させることができ、クランプネジに曲がりが生じたりするのを防ぐことができるとともに、こうしてクランプネジが傾動した状態でも頭部と収容孔とを少なくとも線接触で当接させることができるので、クランプ安定性を確実に維持することが可能となる。なお、このように収容孔の大小径部の間やクランプネジ頭部の径を小さくするには、例えば収容孔の小径部と大径部の間の部分にあっては上記一方の顎部側に向けて凹となる凹球面状や凹円錐面状とすればよく、クランプネジの頭部にあっては一方の顎部側を向く部分を凸球面状や凸円錐面状に形成すればよい。また、例えばこうしてクランプネジ頭部の一方の顎部側を凸円錐面状とした場合には、収容孔の大小径部間の部分は該収容孔の中心線に沿った断面が内周側に凸曲しつつ一方の顎部側に向かうに従い縮径する曲面状とされていてもよい。
さらにまた、上述のようなクランプネジをクランプ手段とする場合には、上記一対の顎部を、上記一方の顎部が上記切削インサートの切刃のすくい面側に位置するようにして、上記他方の顎部よりも上記当接方向の厚さが薄くなるように形成することにより、他方の肉厚の大きい顎部にはクランプネジの頭部を収容する十分なスペースを確保することができる。その一方で、クランプネジ雄ネジ部を上述のようにねじ込んだ際には、肉厚の小さい一方の顎部が肉厚の大きい他方の顎部側に接近するように弾性変形することとなるが、この一方の顎部においては、大径の頭部を収容する収容孔を形成するのに比べ、クランプネジの雄ネジ部が螺着されるネジ孔をできるだけインサート取付座に近い位置に形成することができるので、インサート取付座周辺における一方の顎部の弾性変形による傾きを極力抑え、その当接面を確実に切削インサートに当接させてクランプすることができる。
また、この肉厚の薄い一方の顎部が切刃のすくい面側に位置していることにより、該切刃によって生成される切屑の排出を妨げることなく円滑に促すことも可能となる。
さらに、上記ホルダの先端部に、上記クランプ手段により離間される上記一対の当接面の離間距離を制御する制御手段が設けられていることによって、例えば上記クランプネジを過剰に回動して必要以上に上記一対の当接面が離れることを防止することができる。従って、このように、上記クランプネジの操作によって過剰に上記一対の当接面の間隔が大きく開けられて、切削インサートの着脱の際にクランプネジの操作量が必要以上に多くなったり、あるいはこうして一対の当接面の間隔が大きく広げられたままホルダが放置されてしまって、例えば相対的に弾性変形する上記一対の顎部が塑性変形されて上記切削インサートを保持するクランプ機能を喪失してしまうことを防止できる。すなわち、このような制御手段を設けることにより、上記一対の当接面の離間距離を、切削インサートが挿入でき上記一対の顎部に塑性変形を生じさせない範囲内で制御することが可能となる。
一方、本発明のクランプ機構においては、上記一対の当接面のうち一方の当接面を、少なくともその先端側部分が先端側に向かうに従い他方の当接面側に向かうように傾斜させ、またこのようなクランプ機構によりクランプされる切削インサートにあっては、上記一方の当接面に当接する当該切削インサートの一方の被当接面を、少なくともその先端側部分が先端側に向かうに従い上記一方の当接面の傾斜に合わせて他方の被当接面側に向かうように傾斜させることにより、これら傾斜した当接面と被当接面との当接によって切削インサートがホルダの先端側に抜け出ようとするのを防止することができる。そして、このように一方の当接面を傾斜させることにより一対の当接面間の間隔が先端側に向けて狭くなるようにされた場合でも、上記構成のクランプ機構によれば、上記クランプ手段によって一対の顎部を離間させることによって一対の当接面間の間隔を容易に広げることができるので、インサート取付座への切削インサートの挿入をよりスムーズに行うことが可能となる。
図1ないし図5は、本発明のクランプ機構の第1の実施形態を適用したインサート着脱式工具を示すものである。このインサート着脱式工具においてホルダ1は鋼材等から形成され、図1ないし図4に示すように後端側(図2、3において右側)に四角柱状のシャンク部2を有するとともに、先端部(図2、3において左側部分)は、平面視に図に示すようにこのシャンク部2の1の側面2Aから僅かに側方に突出し、かつこの側面2A側からの側面視には図2に示すように上部がシャンク部2の上面2Bから盛り上がるように突出したヘッド部3とされている。
このヘッド部3には、その先端側からシャンク部2の上記上面2Bの延長面に沿うようにスリット3Aが形成されていて、このスリット3Aよりも上側の上顎部(本実施形態における一方の顎部)3Bは、下側の下顎部(本実施形態における他方の顎部)3Cよりも上記延長面に直交する方向の厚さが図2に示すように薄くされている。また、上記スリット3Aにより画定されるシャンク部2側との接続部分3Dの断面積も、下顎部3Cとシャンク部2との接続部分の断面積より小さくされていて、上顎部3Bはこの接続部分3Dを支点として下顎部3C側に向けて撓むように弾性変形可能とされている。
そして、このスリット3Aの上記側面2A側の開溝部には、該スリット3Aよりも上下に幅広の凹溝状をなすインサート取付座4がヘッド部3の先端に開口して後端側に延びるように形成されていて、このインサート取付座4の上下顎部3B,3C側に、上下に互いに対向するように一対の当接面4A,4Bが形成されている。従って、本実施形態では、これら一対の当接面4A,4Bが対向する上記延長面に垂直な方向(図4、5において上下方向)がその当接方向とされ、一対の顎部3B,3Cはこの当接方向に相対的に弾性変形可能とされている。
このうち、上記下顎部3Cは、その先端側がシャンク部2の上記側面2Aに沿って先端側に方形平板状に延びるように形成されていて、この下顎部3C側の当接面(本実施形態における他方の当接面)4Bは、該下顎部3Cの先端からホルダ1の長手方向に上記スリット3Aの中程までに延びるように形成されている。一方、上顎部3Bの上記側面2A側の先端部は、下顎部3Cがなす上記方形平板に沿うように先端側に向かうに従い下方に向かう斜辺を備えた三角形板状とされていて、ただしその先端は下顎部3Cの先端よりも後退させられており、この上顎部3B側の当接面(本実施形態における一方の当接面)4Aは、下顎部3Cの当接面4Bの長手方向中央部よりも先端側寄りから当接面4Bの後端よりも僅かに先端側にまで延設されている。なお、このインサート取付座4の後端には、先端側を向く第3の当接面4Cが下顎部3Cに形成されていて、スリット3Aはこの第3の当接面4Cを越えてヘッド部3の後端手前にまで延設されている。
また、上記一対の当接面4A,4Bは、上記長手方向に直交する断面において、それぞれその当接方向側、すなわち一方の当接面4Aにあっては他方の当接面4Bに向かう側(図4において下側)、他方の当接面4Bにあっては一方の当接面4A側(図4において上側)に向けて互いに凸となるV字状をなすように形成されている。さらに、これらの当接面4A,4Bは、やはり上記長手方向に直交する断面において、該当接面4A,4Bの幅方向(図4における左右方向)の中央部を上記当接方向に延びる共通の平面Pに対して対称形状となるように形成されている。
さらにまた、これらの当接面4A,4Bのうち、下顎部3Cに形成された他方の当接面4Bは、上記長手方向全長に亙って該長手方向に沿って真っ直ぐ延び、この長手方向に直交する断面が一定とされる一方で、上顎部3Bに形成された一方の当接面4Aは、この上顎部3Bが弾性変形していない状態で、その先端側部分が先端側に向かうに従い上記他方の当接面4B側(図2において下側)に向かうように、一定の傾斜角で傾斜させられている。なお、この傾斜した先端側部分よりも後端側は、やはり上顎部3Bが弾性変形していない状態で、一方の当接面4Aの長手方向中央部の極短い上記長手方向に沿って真っ直ぐ延びる部分を介して、上記傾斜角よりも緩やかな一定の傾斜角で後端側に向かうに従い他方の当接面4B側に向けて傾斜させられている。
このようなインサート取付座4に取り付けられる本発明の一実施形態の切削インサート11は、超硬合金等の硬質材料により概略四角柱状に形成されて、その長手方向の両端部に切刃部12を有する、いわゆるドッグボーンタイプとされている。すなわち、これらの切刃部12においては、その上面が各々両端側に向かうに従い漸次幅広となる平面視に概略等脚台形状のすくい面12Aとされるとともに、切刃部12の各先端面(切削インサート11の両端面)は逃げ面12Bとされ、これらすくい面12Aと逃げ面12Bとの交差稜線部、すなわちすくい面12Aのインサート両端側の辺稜部に切刃13が形成されている。
さらに、この切削インサート11の上面のうち両端の切刃部12の間の部分と下面とには、インサート取付座4の上記一対の当接面4A,4Bにそれぞれ当接させられる一対の被当接面14A,14Bが形成されている。ここで、これらの被当接面14A,14Bは、当該切削インサート11の上記長手方向に直交する断面が、該断面において各々その当接させられる当接面4A,4Bに係合可能な凹V字状とされている。なお、本実施形態の切削インサート11は、その長手方向中央部において該長手方向に直交する平面と、この平面に直交して被当接面14A,14Bをその幅方向中央部で2等分するように延びる平面Qとに関して対称形状とされている。
また、このうち下面側の被当接面(本実施形態における他方の被当接面)14Bは、切削インサート11の長手方向に沿って延びてその全長に亙り一定断面となるように形成されているのに対し、上面側の被当接面(本実施形態における一方の被当接面)14Aは、その長手方向中央部の極短い範囲で切削インサート11の下面と平行に延びるようにされているとともに、この中央部から両端側に向かうに従い上記一方の当接面4Aがなす傾斜角と等しい一定の傾斜角で他方の被当接面14B側に向かうように傾斜させられており、この傾斜方向に直交する断面がそれぞれ一定の断面となるようにされている。さらに、切削インサート11の両端面における切刃部12の上記逃げ面12Bよりも下方には、当該切削インサート11を上記インサート取付座4にその先端側から挿入した際に上記第3の当接面4Cに当接させられる第3の被当接面14Cが、切削インサート11の上記長手方向に垂直となるように形成されている。
そして、ホルダ1先端部の上記ヘッド部3には、上記一対の顎部3B,3Cを弾性変形させて上記当接方向に相対的に接近せしめ、かつこの当接方向に対して相対的に離間せしめるクランプ手段21が設けられている。ただし、本実施形態では上述のように一方の顎部となる上顎部3Bが他方の顎部となる下顎部3Cに対して上記当接方向の厚さが薄くされていて、この上顎部3Bが下顎部3Cに対して弾性変形して上記当接方向に離接することとなる。また、この上顎部3Bが弾性変形していない状態では、上記一対の当接面4A,4B間の当接方向の間隔は、切削インサート11の一対の被当接面14A,14B間の間隔に等しいか、これよりも僅かに小さくなるようにされており、従って切削インサート11下面側の他方の被当接面14Bが下顎部3Cの他方の当接面4Bに当接させられた状態で、切削インサート11上面側の一方の被当接面14A先端側の傾斜した部分に上顎部3Bの当接面4Aのやはり傾斜した先端側部分が密着して当接するようにされている。
ここで、本実施形態のクランプ手段21は、図5に示すようにホルダ1先端部のヘッド部3に上記当接方向に向けて下方から挿通されるクランプネジ22とされており、このクランプネジ22は、上記スリット3Aを越えて上顎部3Bに螺着される雄ネジ部22Aと、この雄ネジ部22Aよりも大径で下顎部3Cに収容される頭部22Bとを備えており、クランプネジ22両端のこれら雄ネジ部22Aおよび頭部22Bの端面には、レンチ等の汎用の作業用工具に係合する係合孔22Cがそれぞれ形成されている。なお、本実施形態では、この頭部22Bは、その外形が雄ネジ部22Aの中心線Oを中心とした略厚肉円板状をなすようにされている。
これに対してヘッド部3には、このクランプネジ22が取り付けられる取付孔23が形成されており、この取付孔23は、上顎部3B側の上記雄ネジ部22Aが螺着されるネジ孔24と、このネジ孔24に同軸に形成されて下顎部3C側の上記頭部22Bが収容される収容孔25とから構成されており、本実施形態ではこの取付孔23の中心線、すなわち該取付孔23に取り付けられるクランプネジ22の上記雄ネジ部22Aの中心線Oは、スリット3Aが延びる上記シャンク部2の上面2Bの延長面に垂直となるようにされている。なお、このうち上記ネジ孔24は、スリット3Aから上顎部3Bを貫通して、上記延長面と平行とされたヘッド部3の上面(上顎部3Bの上面)3Eに開口させられている。
一方、上記収容孔25も下顎部3Cを貫通してヘッド部3の下面(下顎部3Cの下面)3Fから上顎部3B側に向けスリット3Aに開口させられており、このスリット3A側から下方に向けて順に、クランプネジ22の上記頭部22Bより小径で雄ネジ部22Aよりは僅かに大径の内径を有する小径部25Aと、この小径部25Aより大径でクランプネジ22の上記頭部22Bを収容可能な内径を有する大径部25Bとから構成されている。従って、上記小径部25Aにはクランプネジ22の雄ネジ部22Aが僅かなクリアランスを有して緩挿可能とされる。なお、これら小径部25Aと大径部25Bとの接続部分は、本実施形態では上記中心線Oに垂直となる円環状の平坦面25Cとされている。
さらに、この大径部25Bにおける上顎部3Bとは反対の上記下面3Fへの開口部側には、ネジ山の内径が大径部25Bの内径と等しい雌ネジ部(ネジ部)25Dと、この雌ネジ部25Dのネジの谷部の内径よりもさらに一段大径のざぐり部25Eとが、やはり下方に向けてこの順に形成されている。そして、上記雄ネジ部22Aをネジ孔24に螺着させるとともに頭部22Bを収容孔25の上記大径部25Bに収容してクランプネジ22を取付孔23に取り付け、さらに雄ネジ部22Aをねじ込んで頭部22Bが上記平坦面25Cに当接した状態で、この大径部25Bの下面3F側への開口部には、上記雌ネジ部25Dに螺着する雄ネジ部26Aと、この雄ネジ部26Aを雌ネジ部25Dにねじ込んだときに上記ざぐり部25Eに当接して収容される雄ネジ部26Aより大径の円板状部26Bとが同軸一体に形成された蓋体26が取り付けられており、さらにこの蓋体26の雄ネジ部26Aと上記収容孔25の雌ネジ部25Dとのネジの捩れの向きは、上顎部3Bにおける上記ネジ孔24とクランプネジ22の雄ネジ部22Aとのネジの捩れの向きと逆方向とされている。
従って、クランプネジ22の上記頭部22Bは、上述のように雄ネジ部22Aをヘッド部3の上面3E側に前進するようにネジ孔24にねじ込んでゆくことにより、その裏面が収容孔25の上記平坦面25Cに、上記当接方向において上記一対の当接面4A,4Bが相対的に(本実施形態では、一方の当接面4Aが他方の当接面4B側に)接近する側に当接させられる。そして、ここからさらに雄ネジ部22Aをねじ込んでゆくことにより、一対の顎部3B,3Cが相対的に(本実施形態では、一方の顎部3Bが他方の顎部3C側に)接近するように弾性変形させられ、これに伴いこれら一対の当接面4A,4Bも接近してその間隔が狭められてゆく。
また、これとは逆に、雄ネジ部22Aを上面3E側に対して後退するようにネジ孔24から緩めてゆくと、クランプネジ22の頭部22Bはその係合孔22Cが形成された端面が、上記当接方向において上記一対の当接面4A,4Bが相対的に(本実施形態では、一方の当接面4Aが他方の当接面4B側に対して)離間する側に上記蓋体26に当接させられ、ここからさらに雄ネジ部22Aを緩めてゆく(下顎部3C側にねじ込んでゆく)ことにより、本実施形態では他方の顎部3Cに固定された蓋体26に頭部22Bが当接したクランプネジ22の雄ネジ部22Aが一方の顎部3Bを押し上げるようにして、一対の顎部3B,3Cが相対的に(本実施形態では、一方の顎部3Bが他方の顎部3Cとは反対側に)離間するように弾性変形させられ、従ってこれら一対の当接面4A,4Bも離間して、その間隔が広げられてゆく。
すなわち、本実施形態においてクランプネジ22の上記頭部22Bは、上記当接方向において一対の当接面4A,4Bが接近する側には上記平坦面25Cに当接することにより、また一対の当接面4A,4Bが離間する側には蓋体26に当接することにより該蓋体26を介して、他方の顎部3Cの収容孔25にこの当接方向の離接両側に向けて当接可能に収容されることとなる。なお、図5に示すようにこの頭部22Bが平坦面25Cに当接した状態では、収容孔25内において該頭部22Bの上記端面とこの端面に対向する蓋体26の端面との間に、僅かな隙間があけられるようにされている。また、取付孔23の上記ネジ孔24とこれに螺合するクランプネジ22の雄ネジ部22Aの捩れの向きは、ヘッド部33の上面3E側から見てクランプネジ22を一般的な右ネジのねじ込み操作と同様に、中心線O回りに時計回り方向に回転させた際に一対の当接面4A,4Bが接近して切削インサート11がクランプされ、逆に上面3E側から見てクランプネジ22を反時計回り方向に回転させた際には一対の当接面4A,4Bが離間して切削インサート11がインサート取付座4に挿脱可能となるようにされている。
一方、本実施形態では、図3から図4に示すように、ホルダ1先端部のヘッド部3に、クランプ手段21で上記一対の顎部3B,3Cを弾性変形させた際に、当接方向に対して相対的に離間される一対の当接面4A,4Bの間隔(離間距離)を制御する制御手段30が設けられている。この制御手段30は、ホルダ1先端部のヘッド部3に上記当接方向に向けて下方から挿通される離間制御ネジ31とされており、クランプ手段21よりもインサート取付座4側の一側面と反対側の他側面側に設けられている。
この離間制御ネジ31は、上記スリット3Aを越えて上顎部3Bに螺着される雄ネジ部31Aと、この雄ネジ部31Aよりも大径で下顎部3Cに収容される頭部31Bとを備えて構成されている。また、頭部31Bのヘッド部3の下方を向く端面には、レンチ等の汎用の作業用工具に係合する係合孔31Cが形成されている。なお、本実施形態では、この頭部31Bは、その外形が雄ネジ部31Aの中心線O2を中心とした略厚肉円板状をなすように形成されている。
これに対して、ヘッド部3には、この離間制御ネジ31が取り付けられる制御ネジ取付孔32が設けられており、この制御ネジ取付孔32は、上顎部3B側の上記雄ネジ部31Aが螺着される制御ネジ孔32Aと、この制御ネジ孔32Aに同軸に形成されて下顎部3C側の上記頭部31Bが収容される収容孔32Bとから構成されている。この制御ネジ取付孔32は、その中心線O2が前述のクランプ手段21のクランプネジ22の中心線Oと平行するように設けられている。なお、制御ネジ孔32Aは、スリット3Aから上顎部3Bを貫通してヘッド部3の上面3Eに開口させられている。
制御ネジ取付孔32の収容孔32Bは、下顎部3Cを貫通してヘッド部3の下面からスリット3Aに開口させられており、このスリット3A側から下方に向けて順に、離間制御ネジ31の頭部31Bより小径で雄ネジ部31Aよりは僅かに大径の内径を有する小径部32Dと、この小径部32Dより大径で離間制御ネジ31の頭部31Bを収容可能な内径を有する大径部32Eとから構成されている。これにより、小径部32Dには離間制御ネジ31の雄ネジ部31Aが僅かなクリアランスを有して緩挿可能とされる。なお、小径部32Dと大径部32Eの接続部分は、中心線O2に垂直となる円環状の32Fとされている。
このように構成される制御手段30は、離間制御ネジ31の雄ネジ部31Aを制御ネジ孔32Aに螺着して、制御ネジ取付孔32に離間制御ネジ31が設置される。ただし、雄ネジ部31Aは、制御ネジ孔32Aに完全にはねじ込まれず、離間制御ネジ31は、図4に示すように、クランプ手段21によって切削インサート11がクランプされた状態で、その頭部31Bが制御ネジ取付孔32の平坦面32Fに当接しないように、頭部31Bと平坦面32Fとの間に所定の間隙を設けて設置される。
このようなクランプ機構を備えたインサート着脱式工具において、上記切削インサート11をホルダ1のインサート取付座4にクランプして取り付けるには、まずクランプ手段21としてのクランプネジ22における雄ネジ部22A端面に形成された上記係合孔22Cに、ヘッド部3の上顎部3Bの上面3Eにおけるネジ孔24の開口部から上記レンチ等の汎用の作業用工具を挿入して係合させる。そして、クランプネジ22が上面3E側に対して後退するように上述の通りクランプネジ22を上面3E側から見て中心線O回りに反時計回り方向に回転させてゆくと、クランプネジ22の頭部22Bが蓋体26と当接した後は雄ネジ部22Aが上顎部3Bを押し上げるように弾性変形させ、これによって一対の当接面4A,4Bが離間してその間隔が広げられる。
このとき、クランプ手段21の操作により上顎部3Bが弾性変形するのに伴い、制御手段30の離間制御ネジ31の頭部31Bが、制御ネジ取付孔32の平坦面32F側に向けて大径部32B内を移動する。そして、上記間隔(本実施形態では一方の当接面4Aの先端と他方の当接面4Bとの間隔)が切削インサート11を挿入可能な大きさにまで広げられると同時に、離間制御ネジ31の頭部31Bが平坦面32Fに当接され、それ以上にクランプネジ22を反時計回りに回転させることができないものとされ、過剰に上顎部3Bが弾性変形して間隔が広がることがないものとされる。これにより、一対の当接面4A,4Bの間隔が、切削インサート11を挿入するのに適した間隔とされ、他方の当接面4Bに他方の被当接面14Bを摺接させつつホルダ1の先端側からインサート取付座4に切削インサート11を挿入して、上記第3の当接面4Cに第3の被当接面14Cを当接させる。
次いで、上記とは逆の上面3E側から見て時計回り方向にクランプネジ22を回転させると、上顎部3Bが下顎部3C側に接近して一対の当接面4A,4B間の間隔が狭まり、クランプネジ22の頭部22Bが蓋体26から離れたところで、一方の当接面4Aの先端側部分が切削インサート11の一方の被当接面14Aの先端側部分に当接させられる。そして、さらにクランプネジ22を回転させ続けると、頭部22Bが収容孔25の上記平坦面25に当接してその後は一方の当接面4Aが他方の当接面4Bに接近する側に向けて上顎部3Bが弾性変形するようにねじ込み力を受け、これにより一対の被当接面14A,14Bが一対の当接面4A,4Bに押圧されて切削インサート11が締め付けられ、インサート取付座4にクランプされて固定される。
なお、本実施形態では上記一方の当接面4Aと被当接面14Aとが上述のように先端側に向かうに従い他方の当接面4Bと被当接面14B側に向かうように傾斜しているので、こうして押圧されることにより切削インサート11はインサート取付座4の後端側に向けて押し込まれ、これにより上記第3の被当接面14Cが第3の当接面3Cに押し付けられるのでより強固に固定される。また、上顎部3Bが弾性変形していない状態での一対の当接面4A,4Bの間隔が切削インサート11の一対の被当接面14A,14Bの間隔より小さくされている場合には、クランプネジ22の頭部22Bが蓋体26から離れて一方の当接面4Aが一方の被当接面14Aに当接した時点で、この上顎部3Bが弾性変形していない状態に戻ろうとする復元力が作用して被当接面14Aが押圧され、さらにクランプネジ22を回転させることでより強く締め付けられる。
従って、このように構成された切削インサート11のクランプ機構によれば、まずクランプ手段21がそれだけで一対の顎部3B,3Cを上記当接方向に一対の当接面4A,4Bが接近する側と離間する側とに弾性変形させるため、切削インサート11をクランプするのに特許文献2に記載のスロット拡張キーのような専用の作業用工具を要することがなく、上記係合孔22Cに係合するレンチ等の汎用の作業用工具1つだけでクランプ操作が可能である。このため、作業用工具の管理を簡略化できるとともにクランプ操作自体も容易となり、作業者の労力や時間を削減して効率的な切削インサート11の着脱、交換等を行うことができる。
さらに、こうしてクランプ手段21により一対の顎部3B,3Cを当接面4A,4Bが離間する方向にも弾性変形させることができるので、これら一対の顎部3B,3Cが弾性変形していない状態における一対の当接面4A,4B間の間隔を、切削インサート11の一対の被当接面14A,14B間の間隔と等しくなるようにしたり、あるいは被当接面14A,14B間の間隔より僅かに小さくしたりしても、このクランプ手段21によって顎部3B,3Cを押し広げて当接面4A,4B間の間隔を広げることにより、切削インサート11は何等支障なくインサート取付座4に挿入することができる。
また、このとき、制御手段30が設けられていることによって、切削インサート11を挿入するために必要な一対の当接面4A,4Bの間隔よりも大きく一対の顎部3B,3Cが変形されないように、その変形量、すなわち一対の当接面4A,4Bの間隔を制御することができる。これにより、切削インサート11の着脱の際に、クランプネジ22の操作量が必要以上に多くなったり、あるいは一対の当接面4A,4Bの間隔が大きく広げられたままホルダ1が放置されてしまって、一対の顎部3B,3Cが塑性変形されてしまうことを防止できる。よって、切削インサート11をクランプ保持するクランプ機構を損傷させることなく、常に切削インサート11の挿入に好適な間隔で一対の当接面4A,4Bを開くことができる。
そして、このように押し広げた顎部3B,3Cを元に戻すと、顎部3B,3Cが弾性変形しない状態で一対の当接面4A,4Bが切削インサート11の一対の被当接面14A,14Bに当接させられ、あるいは顎部3B,3Cがその間隔を僅かに広げられるように弾性変形したままで、当接面4A,4Bがこれらの被当接面14A,14Bを押圧した状態となるので、切削インサートを挿入するのに顎部が弾性変形していない状態で当接面と被当接面間との間に少なからず隙間が生じるようにしたためにクランプ時には弾性した顎部が元に戻ろうとしてクランプ力が削減されるようなことはない。従って、これらの状態からさらにクランプネジ22を回転させて一対の当接面4A,4Bが接近する方向にねじ込み力を付加することにより、このねじ込み力をそのままクランプ力としたり、あるいは弾性変形していない状態での当接面4A,4B間の間隔を被当接面14A,14Bより小さくすることで上下顎部3B,3Cが元に戻ろうとする力をクランプ力に加えたりすることができるので、上記構成のクランプ機構によれば、切削インサート11を確実に保持しうる十分なクランプ力を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、このように一対の顎部3B,3Cを上記当接方向において一対の当接面4B,4Cが接近する側と離間する側とに弾性変形させるクランプ手段21が、上顎部3Bに螺着される雄ネジ部22Aと下顎部3Bに上記当接方向の離接両側に当接可能に収容された頭部22Bとを有するクランプネジ22であって、このクランプネジ22の回転のみによって上述のように上顎部3Bを当接方向の離接両側に弾性変形させることができるので、クランプ操作が一層容易であり、作業者の労力をさらに軽減することができる。しかも、このクランプネジ22の回転操作は、一般的な右ネジと同様に上面3E側から見て時計回り方向に回転させたときに一対の当接面4A,4Bが接近して切削インサート11をクランプし、逆に上面3E側から見て反時計回り方向に回転させたときには一対の当接面4A,4Bが離間して切削インサート11をアンクランプする操作となるので、誤って逆方向に回転させることが少なく、取り扱いが容易である。
さらに、このようなクランプネジ22の上記頭部22Bが収容される下顎部3Cの上記収容孔25は、その上顎部3B側が小径部25Aとされるとともに反対側は大径部25Bとされて、その間の平坦面25Cに上記頭部22Bが上記当接方向において接近する側に当接可能とされる一方、逆に当接方向において一対の当接面4A,4Bが離間する側においては、上記大径部25Bの開口部に取り付けられた蓋体26を介して頭部22Bが下顎部3Cに当接可能とされているので、離接いずれの側に頭部22Bが当接するにしても、その当接面積や当接部分の剛性を比較的大きく確保することができる。このため、上顎部3Bを押し上げて弾性変形させる際や下顎部3C側に接近させて切削インサート11をクランプする際に、その弾性変形力やねじ込み力によってクランプ手段21に変形や損傷が生じたりすることを防ぐことができ、長期に亙って安定した切削インサート11のクランプを図ることができる。
しかも、本実施形態では、この蓋体26が、収容孔25の大径部25Bの上顎部3Bとは反対側の開口部に形成された雌ネジ部25Dに、その雄ネジ部26Aがねじ込まれて取り付けられていて、これら雄ネジ部26Aと雌ネジ部25Dとのネジ部におけるネジの捩れの向きが、上顎部3Bの上記ネジ孔24とこれに螺着するクランプネジ22の雄ネジ部22Aとのネジの捩れの向きと逆方向とされているので、上述のように当接方向において一対の当接面4A,4Bが離間する側にクランプネジ22の頭部22Bの端面がこの蓋体26に当接し、さらにクランプネジ22を回動させて上顎部3Bを押し上げるときでも、頭部22Bの端面に押し付けられた蓋体26がクランプネジ22と一緒に回転することはない。このため、このような共回りにより雄ネジ部26Aが雌ネジ部25Dから緩んだり、当該蓋体26が収容孔25から抜け外れたりすることもなく、安定的かつ確実な切削インサート11の着脱を図ることができる。
また、このように本実施形態では、ホルダ1先端部のヘッド部3のうち上記当接方向の厚さが厚くされた下顎部3Cに、クランプネジ22の大径の頭部22Bが収容される収容孔25が形成されており、蓋体26が取り付けられることも含めて大きな内径および中心線O方向の長さを要する収容孔25を形成するスペースを確実に確保することができる。
その一方で、厚さの薄い上顎部3Bにはクランプネジ22の小径の雄ネジ部22Aが螺着されるネジ孔24を形成するだけでよいので、このネジ孔24を極力インサート取付座4に近い位置に穿設することができ、特に上記当接方向において一対の当接面4A,4Bが接近する側に上顎部3Bを弾性変形させた際に、このネジ孔24がインサート取付座4から離れていることによって一方の当接面4Aに上記長手方向に直交する断面において傾きが生じたりするのを抑えることができ、かかる傾きによって当接面4Aが切削インサート11の一方の被当接面14Aに密着して当接しなくなったりするのを防いで、一層確実な切削インサート11のクランプを図ることが可能となる。
しかも、この肉厚の薄くされた上顎部3Aは切削インサート11のすくい面12A側に位置しているので、切刃13によって生成された切屑が該上顎部3Aを越えて排出されやすく、円滑な切屑処理を図ることができるという利点も得られる。加えて、本実施形態ではこの上顎部3Aの先端部が、側面視に先端側に向かうに従い下方に向かう斜辺を備えた三角形板状とされていて、切削インサート11のすくい面12Aに沿って後方に流れ出た切屑を上記斜辺部分で案内して一層円滑に上顎部3Aを乗り越えさせ、排出することもできる。
さらに、本実施形態のクランプ機構では、この上顎部3Aに形成される一方の当接面4Aが、その先端側部分が先端側に向かうに従い他方の当接面4B側に傾斜するように形成されているとともに、本実施形態の切削インサート11でも、この一方の当接面4Aが当接する一方の被当接面14Aが、同じくその先端側部分が先端側に向かうに従い他方の被当接面14B側に傾斜するように形成されている。従って、クランプ時には上述のように切削インサート11がインサート取付座4の後方側に押し込まれてその第3の当接面4Cに第3の被当接面14Cが当接させられ、これによりさらに安定的かつ強固に切削インサート11をクランプすることが可能となる。
また、例えばホルダ1をワークに対して後退させながら切刃13のコーナ部により切削を行うような場合でも、切削インサート11に先端側に向けて作用することとなる負荷に対して上記当接面4Aにより抜け止めを図ることができ、該切削インサート11がずれ動いたり脱落したりするような事態を防止することが可能となる。そして、このように当接面4Aと被当接面14Aの先端側部分を傾斜させることにより、切削インサート11の挿入時には一対の当接面4A,4B間の間隔をより大きく広げなければならない場合でも、上記構成のクランプ機構によれば、上記クランプ手段21の操作によって容易に一対の上下顎部3B,3Cを大きく弾性変形させることができ、なおかつ挿入した切削インサート11の被当接面14A,14Bに当接面4A,4Bが当接した状態では、一対の上下顎部3B,3Cが離間する方向に弾性変形力が作用するのを防いで確実な切削インサート11のクランプを図ることができる。
次に、図6は本発明のクランプ機構の第2の実施形態を示す断面図であり、図1ないし図5に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。すなわち、上記第1の実施形態では、収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間が該収容孔25の中心線に垂直な平坦面25Cとされるとともに、クランプネジ22の頭部22Bが外形厚肉円板状とされて、この平坦面25Cに当接する該頭部22Bの裏面もクランプネジ22の中心線Oに垂直な平面とされ、一対の当接面4A,4Bが接近する側に上顎部3Bを弾性変形させる際には、この裏面が上記平坦面25Cに密着して当接するようにされていたのに対し、この第2の実施形態においては、収容孔25の上記小径部25Aと大径部25Bとの間の部分と、クランプネジ22の頭部22Bのうち上顎部3B側を向く部分との少なくとも一方が、この上顎部3B側に向かうに従い漸次縮径すなわち径が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
より具体的に、本実施形態では、収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間の部分は、該収容孔25の中心線を中心として大径部25Bから小径部25Aに向かうに従い漸次縮径する凹円錐面状部25Fとされるとともに、クランプネジ22の頭部22Bの上顎部3B側を向く裏面は、該クランプネジ22の中心線O上に中心を有する凸球面状部22Dとされていて、これらの部分の双方が上顎部3B側に向かうに従いその内外径が漸次縮径する曲面状とされている。すなわち、本実施形態におけるこれらの曲面は、それぞれその中心線に直交する断面が円形をなすとともに、上記当接方向において一対の当接面4A,4Bが接近する側に上顎部3Bを弾性変形させる際に、収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間とクランプネジ22の頭部22Bの裏面とで互いに当接する部分が、この当接部分を通る上記中心線Oに平行な断面において上顎部3B側に向け湾曲する曲線(収容孔25側においては上顎部3B側に凹む凹曲線。頭部22B側においては上顎部3B側に凸となる凸曲線。)とされている。
しかるに、上述のように上顎部3Bを弾性変形させることにより上記接続部分3Dを支点として下顎部3C側に撓ませて切削インサート11をクランプするクランプ機構では、この上顎部3Bが傾くことによりそのネジ孔24の中心線が下顎部3Cの収容孔25の中心線に対して傾きを生じ、これによりクランプ時に収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間の部分に当接させられた頭部22Bと上記ネジ孔24に螺着された雄ネジ部22Aとの間でクランプネジ22に曲がりや変形が生じるおそれがある一方、上顎部3Bにおいてもこのクランプネジ22の曲がりに伴って該上顎部3Bが歪んで弾性変形することにより、上記一方の当接面4Aが切削インサート11の一方の被当接面14Aに密着して当接しなくなるおそれがある。この点、上記第1の実施形態では、小径部25Aの内径を雄ネジ部22Aの外径よりも僅かに大きくしてクリアランスを持たせ、上記中心線の傾きにクランプネジ22をある程度追従させることができるようにしているが、概略円板状の頭部22Bが収容孔25の平坦面25Cに当接させられるようにされた第1の実施形態では、こうしてクランプネジ22が傾くと両者が点当たりで当接することとなって安定性が損なわれるおそれがある。
ところが、これに対して上記第2の実施形態のクランプ機構では、収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間が凹円錐面状部25Fとされるとともに、クランプネジ22の頭部22Bの上顎部3B側を向く裏面は凸球面状部22Dとされているので、クランプネジ22が傾いてもこれら凹円錐面状部25Fと凸球面状部22Dとは互いに線接触で当接した状態を維持することができる。従って、本実施形態によれば、上述のように上顎部3Bに傾きが生じても、これにクランプネジ22を追従させて傾動させることができ、クランプネジ22に曲がりが生じるのを防いでその変形や損傷を防止することができるとともに、上顎部3Bが歪んで弾性変形するのも防いで一方の当接面4Aと被当接面14Aとを確実に密着させて当接させることができ、しかもこうしてクランプネジ22が傾動しても切削インサート11のクランプ安定性は十分に確保することができるので、切削インサート11を確実に保持して円滑な切削を図ることが可能となる。
なお、本実施形態では上述のように収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間の部分を凹円錐面状部25Fに、クランプネジ22の頭部22B裏面を凸球面状部22Dに形成して、双方が上顎部3B側に向けてその径が縮径するように形成されているが、このうちいずれか一方のみをこのように形成して、他方は第1の実施形態のままとしてもよい。例えば、クランプネジ22の頭部22Bは第1の実施形態と同様に円板状として、収容孔25側に上記凹円錐面状部25Fや、あるいは上顎部3B側に凹となる凹球面状部を形成したりしても、クランプネジ22が傾動したときには上記頭部22Bの裏面と周面との交差稜線部がこれら凹円錐面状部25Fや凹球面状部に線接触することとなるので、安定したクランプを図ることができる。
また、逆に収容孔25では第1の実施形態と同様に小径部25Aと大径部25Bとの間をその中心線に垂直な平坦面25Cとしておいて、クランプネジ22の頭部22Bの裏面を上記凸球面状部22Dやあるいはクランプネジ22の中心線を中心とする凸円錐面状部としたりしてもよく、この場合にはクランプネジ22が傾動すると、これら凸球面状部22Dや凸円錐面状部が収容孔25の小径部25Aと平坦面25Cとの交差稜線部に線接触することとなってクランプ安定性が確保される。さらに、このクランプネジ22の頭部22B裏面を凸球面状部22Dとするとともに、収容孔25側にはこの凸球面状部22Dが摺接可能な上記凹球面状部を形成すれば、クランプネジ22が傾動してもこれらを面接触に近い状態で当接させることができて、一層のクランプ安定性の向上を図ることが可能となる。また、こうしてクランプネジ22の頭部22裏面を凸円錐面状部や凸球面状部とした場合には、収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間の部分は、該収容孔25の中心線に沿った断面がその内周側に凸曲しつつ上記上顎部3B側に向かうに従い縮径する曲面とされていてもよい。ただし、これら小径部25Aと大径部25Bとの間の部分と上記頭部22Bの裏面との双方がテーパ角の互いに等しい凹凸円錐面状であると、却ってクランプネジ22の円滑な傾動が妨げられるおそれがあるので、これらの双方を上顎部3Bに向けて径が小さくなるように形成する場合には、このような組み合わせは避けるのが望ましい。
さらにまた、図7および図8は、それぞれ本発明のクランプ機構の第3および第4の実施形態を示すものであり、図1ないし図6に示した第1、第2の実施形態と共通する部分には、やはり同一の符号を配してある。なお、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間がその中心線に垂直な平坦面25Cとされるとともに、クランプネジ22の頭部22Bは厚肉円板状に形成されており、第4の実施形態では、第2の実施形態と同様に収容孔25の小径部25Aと大径部25Bとの間が凹円錐面状部25Fとされるとともに、クランプネジ22の頭部22B裏面は凸球面状部22Dとされている。
そして、上記第1、第2の実施形態では、互いに同軸とされるクランプネジ22の中心線Oと取付孔23の中心線とが、スリット3Aが延びる上記延長面に対して垂直に形成されていたのに対し、これら第3、第4の実施形態ではこの中心線Oが上記延長面に対して傾斜していることを特徴とする。また、この中心線Oが傾斜する方向は、下顎部3C側から上顎部3B側に向けて、上記長手方向先端側で、かつインサート取付座4が形成されたホルダ1のシャンク部2における上記側面2A側に向かう方向(図3において断面を示すZZ線が延びる方向)とされていて、すなわち中心線Oは平面視にこの長手方向や当接面4A,4Bの幅方向に対しても傾斜する方向に延びている。
これら第3および第4の実施形態では、このように取付孔23とクランプネジ22との中心線Oが下顎部3Cから上顎部3B側に向けてインサート取付座4側に向かうようにその上記幅方向に傾斜させられているので、下顎部3Cに形成される上記収容孔25の位置は概ね同じであっても、上顎部3Bにおいてクランプネジ22の雄ネジ部22Aが螺着するネジ孔24の位置は、第1および第2の実施形態に比べてよりインサート取付座4に近い位置とすることができる。このため、切削インサート11の一方の被当接面14Aをよりその直上に近い位置からインサート取付座4の一方の当接面4Aによって当接、押圧することができ、切削インサート11におけるクランプ安定性の一層の向上を図ることができる。
また、これら第3および第4の実施形態でも、上記上顎部3Bは下顎部3Cとの接続部分3Dを支点として下顎部3C側に撓むように弾性変形するが、取付孔23とクランプネジ22との中心線Oは、下顎部3Cから上顎部3B側に向けて上記長手方向に先端側に向かうようにも傾斜していて、すなわち上顎部3Bの撓みによる傾きに沿った方向に傾斜させられることとなる。従って、これら第3、第4の実施形態によれば、この上顎部3Bの弾性変形による傾きにより取付孔23においてネジ孔24の中心線が収容孔25の中心線に対して傾きを生じること自体を抑えることができ、より確実にクランプネジ22の曲がりや変形を防ぐことができるとともに、上顎部3Bが歪んで弾性変形するのも防止することができ、さらに安定した切削インサート11のクランプを促すことが可能となる。
なお、この取付孔23およびクランプネジ22の中心線Oの傾きは、図3に示すように平面視における切削インサート11の長手方向に対しての傾斜角(平面視において例えば上記平面Pに対する上記ZZ線の傾斜角)αが5°〜70°の範囲とされるのが望ましく、また図7および図8に示すようにこのZZ線上において上記中心線Oに沿った断面における上記延長面に対する傾斜角βが2°〜45°の範囲とされるのが望ましく、これよりも傾きが小さいと上述の効果を十分に奏功することができなくなるおそれがある一方、逆にこれよりも傾きが大きいと、上顎部3Bの弾性変形による傾きよりも中心線Oの傾きが大きくなって却ってクランプネジ22の曲がりや上顎部3Bの歪みを生じ易くなるおそれがある。また、この中心線Oは、上記長手方向と幅方向との少なくとも一方に傾けられていればよい。さらに、こうして取付孔23及びクランプネジ22の中心線Oと傾斜させた場合には、離間制御ネジ31の中心線O2もこれと平行となるように傾斜させるのが望ましい。
一方、上記第1ないし第4の実施形態では、上顎部3B側のインサート取付座4の一方の当接面4Aと切削インサート11の上面側の一方の被当接面14Aとの先端側部分が、先端側に向かうに従い他方の当接面側に向かうように傾斜させられているが、例えば切削インサート11にその先端側に向けて負荷が作用することがない場合などには、これら一方の当接面4Aと被当接面14Aとを他方の当接面4Bおよび被当接面14Bに平行に上記長手方向に真っ直ぐ延びるように形成してもよい。さらに、これらの実施形態では、蓋体26がその雄ネジ部26Aを収容孔25の雌ネジ部25Dにねじ込ませて取り付けられているが、この蓋体26を有底円筒状のキャップ型としてその内周に雌ネジ部を形成するとともに、収容孔25の開口部にはこの雌ネジ部に螺合する雄ネジ部が外周に形成された円筒壁部を突設し、これら雌雄ネジ部を螺着させて蓋体26を収容孔25の上顎部3Bと反対側の開口部に取り付けるようにしてもよい。
本発明のクランプ機構の第1の実施形態を適用したインサート着脱式工具のホルダ1と、本発明の一実施形態の切削インサート11との分解斜視図である。 図1に示すインサート着脱式工具の側面図である。 図1に示すインサート着脱式工具の平面図である。 図1に示すインサート着脱式工具の正面図である。 本発明のクランプ機構の第1の実施形態を示す、図3におけるYY断面図である。 本発明のクランプ機構の第2の実施形態を示す、図3におけるYY断面図に相当する図である。 本発明のクランプ機構の第3の実施形態を示す、図3におけるZZ断面図に相当する図である。 本発明のクランプ機構の第4の実施形態を示す、図3におけるZZ断面図に相当する図である。
符号の説明
1 ホルダ 3 ヘッド部 4 インサート取付座 4A,4B 当接面 11 切削インサート 12 切刃部 14A,14B 被当接面 21 クランプ手段 22 クランプネジ 22A クランプネジ22の雄ネジ部 22B クランプネジ22の頭部 22D 凸球面状部 23 取付孔 24 ネジ孔 25 収容孔 25A 収容孔 25の小径部 25B 収容孔25の大径部 25C 収容孔25の平坦面 25F 凹円錐面状部 26 蓋体 30 制御手段 31 離間制御ネジ 31A 離間制御ネジ31の雄ネジ部 31B 離間制御ネジ31の頭部 32 制御ネジ取付孔 32A 制御ネジ孔 32B 制御ネジ取付孔32の収容孔 32D 収容孔32Bの小径部 32E 収容孔32Bの大径部 32F 制御ネジ取付孔32の平坦面 O クランプネジ22の中心線 O2 離間制御ネジ31の中心線

Claims (6)

  1. 互いに対向する一対の当接面を備えてホルダの先端部に形成されたインサート取付座に、上記一対の当接面にそれぞれ当接する一対の被当接面を備えた切削インサートを挿入して挟み込むことによりクランプする切削インサートのクランプ機構であって、上記ホルダの先端部には、それぞれ上記一対の当接面の1つずつが形成されて上記被当接面との当接方向に相対的に弾性変形可能とされた一対の顎部と、これら一対の顎部を弾性変形させて上記一対の当接面を上記当接方向に相対的に接近させ、かつ該当接方向に対して相対的に離間せしめるクランプ手段とが設けられ
    上記クランプ手段は、上記ホルダの先端部に上記当接方向に向けて挿通されて、上記一対の顎部のうち一方の顎部に螺着される雄ネジ部と、他方の顎部に上記当接方向の離接両側に向けて当接可能に収容される頭部とを備えたクランプネジであり、
    上記他方の顎部には、上記一方の顎部側に向けて開口する上記頭部よりも小径で上記雄ネジ部が緩挿可能な小径部と、上記一方の顎部とは反対側に開口して上記頭部を収容可能な大径部とを有する収容孔が形成されるとともに、この収容孔の上記一方の顎部とは反対側の開口部には蓋体が取り付けられていて、
    上記蓋体は、上記収容孔の上記一方の顎部とは反対側の開口部に形成されたネジ部に螺着されるネジ部材であって、このネジ部の捩れの方向が、上記クランプネジの雄ネジ部の捩れの方向と逆方向とされていることを特徴とする切削インサートのクランプ機構。
  2. 上記収容孔の上記小径部と大径部との間の部分と、上記頭部の上記一方の顎部側を向く部分とのうち少なくとも一方が、上記一方の顎部側に向かうに従い漸次径が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサートのクランプ機構。
  3. 上記一対の顎部は、上記一方の顎部が上記切削インサートの切刃のすくい面側に位置して上記他方の顎部よりも上記当接方向の厚さが薄くされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサートのクランプ機構。
  4. 上記ホルダの先端部には、上記クランプ手段により離間される上記一対の当接面の離間距離を制御する制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の切削インサートのクランプ機構。
  5. 上記一対の当接面のうち一方の当接面は、少なくともその先端側部分が先端側に向かうに従い他方の当接面側に向かうように傾斜させられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の切削インサートのクランプ機構。
  6. 請求項5に記載の切削インサートのクランプ機構によりクランプされる切削インサートであって、上記一方の当接面に当接する当該切削インサートの一方の被当接面は、少なくともその先端側部分が先端側に向かうに従い上記一方の当接面の傾斜に合わせて他方の被当接面側に向かうように傾斜させられていることを特徴とする切削インサート。
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