JP4096805B2 - スローアウェイ式ドリル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリル本体の先端部に形成されたチップ取付座に、チップ本体の先端に切刃を有するスローアウェイチップ(以下、チップと称する。)が着脱可能に装着されたスローアウェイ式ドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スローアウェイ式ドリルの一例として、例えば特許文献1に開示されているようなものが知られている。
これは、チップ(切削ヘッド)が、チップ本体の後端に位置する凸曲面状固定壁と、この凸曲面状固定壁に隣接するとともに同じくチップ本体の後端に位置してドリル回転方向後方側を向くチップ側トルク伝導壁とを備え、ドリル本体が、上記の凸曲面状固定壁に密着可能な凹曲面状固定壁と、上記のチップ側トルク伝導壁に密着可能なドリル回転方向前方側を向く本体側トルク伝導壁とを備えているものである。そして、チップがドリル本体に装着されると、チップ側トルク伝導壁と本体側トルク伝導壁とが密着させられるとともに、凸曲面状固定壁が凹曲面状固定壁で押圧されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第3054444号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されたスローアウェイ式ドリルでは、凸曲面状固定壁を凹曲面状固定壁で押圧している状態が、ドリル本体の先端から切り込まれたスリットによって、このドリル本体の先端部が弾性変形させられることによって維持されているだけであるため、チップのドリル本体への装着状態を強固かつ安定したものとすることができず、穴明け加工時に大きな切削負荷が作用した場合には、チップがずれたり外れたりするおそれがあり、また、チップの着脱を容易かつ確実に行うことができないという問題もあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、チップのチップ取付座への装着状態を強固かつ安定して維持することができ、しかも、チップの着脱を容易かつ確実に行うことができるスローアウェイ式ドリルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のスローアウェイ式ドリルは、軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体の先端に切刃を有するスローアウェイチップが、そのチップ本体に形成された一対のクランプ受け面を前記チップ取付座に形成された互いに対向する一対のクランプ面で押圧させるようにして装着されるスローアウェイ式ドリルであって、前記ドリル本体の先端部に、雌ねじ部を備えた挿通孔が形成され、この挿通孔内には、前記雌ねじ部に螺合させられる雄ねじ部を備えたクランプネジが挿通されているとともに、このクランプネジの頭部に対向配置される止め部材が設けられ、該止め部材には、前記クランプネジの頭部の端面に形成されたネジ回転用穴に対して嵌合させられるネジ回転用工具を通過及び回転可能な大きさの貫通孔が形成されており、前記クランプネジの雄ねじ部を前記挿通孔の雌ねじ部から緩めることにより、前記クランプネジの頭部が前記止め部材を押圧して、前記一対のクランプ面を互いに離間させるように、前記ドリル本体の先端部を弾性変形させることが可能であり、かつ、前記クランプネジの雄ねじ部を前記挿通孔の雌ねじ部にねじ込むことにより、前記クランプネジの頭部が前記挿通孔内に形成された壁面を押圧して、前記一対のクランプ面を互いに近接させるように、前記ドリル本体の先端部を弾性変形させることが可能であることを特徴とするものである。
【0006】
このような本発明では、チップ取付座にチップを装着するにあたり、まず、クランプネジの雄ねじ部を挿通孔の雌ねじ部から緩めることによって、チップ取付座における一対のクランプ面を互いに離間させて、このチップ取付座を開き、チップ取付座へのチップの挿入を可能にする。
そして、チップ取付座にチップを挿入してから、クランプネジの雄ねじ部を挿通孔の雌ねじ部にねじ込むことによって、チップ取付座における一対のクランプ面を互いに近接させ、これら一対のクランプ面でチップ本体における一対のクランプ受け面をそれぞれ押圧し、チップ取付座へチップを固定して装着することになる。
したがって、このようなクランプネジを用いたことで、チップのチップ取付座への装着状態を強固かつ安定して維持することができ、しかも、クランプネジを回転させるだけで、チップの着脱を容易かつ確実に行うことができる。
また、前記止め部材には、前記クランプネジの頭部の端面に形成されたネジ回転用穴に対して嵌合させられるネジ回転用工具を通過及び回転可能な大きさの貫通孔が形成されているので、止め部材をクランプネジの頭部に対向配置させるようにして挿通孔内に設けたのにも関わらず、止め部材に形成された貫通孔を介してネジ回転用工具をネジ回転用穴に嵌合させて、クランプネジを回転させることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図13を参照しながら説明する。
本実施形態によるスローアウェイ式ドリルのドリル本体10は、図1に示すように、その後端側部分であるシャンク部に対して先端側部分が一段縮径するような、軸線O回りに回転(回転方向T)される軸線Oを中心とした略多段円柱状をなしている。
ドリル本体10の先端側部分の外周には、ドリル本体10の先端面11に開口する一対の切屑排出溝12,12が、軸線Oを挟んで互いに反対側に、軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように螺旋状に形成されている。
【0008】
また、ドリル本体10の先端部13には、図11〜図12に示すように、ドリル本体10の先端面11に開口して後端側に凹むようなチップ取付座14が形成されている。
このチップ取付座14は、軸線O方向の先端側を向いて軸線Oに直交する底面14Aと、底面14Aから屹立する(底面14Aに交差する)とともにドリル本体10の先端面11に交差する一対のクランプ面14B,14Bと、同じく底面14Aから屹立(底面14Aに交差する)するとともにドリル本体10の先端面11に交差する一対のトルク伝達面14C,14Cとを備えている。
【0009】
チップ取付座14における一対のクランプ面14B,14Bは、それぞれドリル本体内周側(軸線O側)を向くように軸線Oを挟んで互いに反対側に位置させられ、チップ取付座14における一対のトルク伝達面14C,14Cは、それぞれドリル回転方向T前方側を向くように軸線Oを挟んで互いに反対側に位置させられている。
ここで、一対のクランプ面14B,14Bは、それぞれ、一対のトルク伝達面14C,14Cのそれぞれのドリル回転方向T後方側(ドリル本体内周側)に隣接して、これらトルク伝達面14C,14Cのそれぞれと交差させられており、互いに交差するクランプ面14Bとトルク伝達面14Cとの交差角θ(軸線Oに直交する断面で見たときの交差角θ)が、90゜〜120゜の範囲に設定されている。
【0010】
また、トルク伝達面14Cは、クランプ面14Bと交差する側と反対側が、ドリル本体10の外周面10Aに交差させられているのに対し、クランプ面14Bは、トルク伝達面14Cと交差する側と反対側が、ドリル本体10の外周面10Aに達することなく切屑排出溝12におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面に交差させられている。
さらに、一対のクランプ面14B,14Bは、それぞれ、軸線O方向の後端側へ向かうにしたがいドリル本体外周側へ向かうように傾斜(軸線Oに対する傾斜角が、0゜より大きく1゜以下の範囲)させられ、一対のトルク伝達面14C,14Cは、それぞれ、軸線O方向の後端側へ向かうにしたがいドリル回転方向T前方側へ向かうように傾斜(軸線Oに対する傾斜角が、0゜より大きく30゜以下の範囲)させられている。
なお、軸線Oに直交する断面で見たときには、一対のトルク伝達面14C,14Cが、軸線Oに対する(軸線Oを通る)直径方向にほぼ沿って延在するようになっている。
【0011】
チップ取付座14における軸線O方向の先端側を向く底面14Aには、軸線O方向の後端側へ凹む孔部15が穿設されており、この孔部15は、軸線Oに直交する断面が軸線Oを中心とした略円形状をなして、軸線O方向での全長に亘って一定の内径を有するようになっている。
孔部15の内径は、この孔部15の内周面が切屑排出溝12,12の壁面よりもドリル本体内周側に位置するような大きさに設定されているため、図12に示すように、孔部15は、切屑排出溝12,12の壁面に開口せず連通させられていない。
同じく、チップ取付座14における軸線O方向の先端側を向く底面14Aには、軸線O方向の後端側へ延びるスリット16が、軸線Oを含んで軸線Oに平行となるとともに上記の孔部15を二分するように切り込まれており、このスリット16は、切屑排出溝12,12の壁面に開口して、これら切屑排出溝12,12に連通させられている。
【0012】
また、軸線O方向の先端側から見たとき、スリット16が延びる方向である延在方向Nは、図12に示すように、軸線Oに対する直径方向においてクランプ面14Bが延びる方向と平行な方向Mよりも、軸線O回りにドリル回転方向T後方側へ向かって回転された位置に配置されるよう傾斜させられている。このスリット16の延在方向Nの、上記の方向Mに対する傾斜角αは、0゜より大きく30゜以下の範囲に設定されている。
なお、スリット16の底部16Aは、このスリット16の幅(スリット16を構成する互いに対向した一対の壁面同士の間の距離)よりも大きい幅を有する断面円形状をなしている。
【0013】
このようなスリット16が、ドリル本体10の先端部13に形成されていることによって、ドリル本体10の先端部13は、上記の孔部15も含めて、スリット16の位置を挟んで第一先端部13Aと第二先端部13Bとに二分されることとなり、第一先端部13A側には、チップ取付座14における互いに交差する一方のクランプ面14B及びトルク伝達面14Cが、第二先端部13B側には、チップ取付座14における互いに交差する他方のクランプ面14B及びトルク伝達面14Cが位置させられた状態となっている。
【0014】
さらに、ドリル本体10の先端部13において、上記の孔部15よりもわずかに軸線O方向の後端側の部分には、図4・図13に示すように、スリット16を交差して軸線Oに対する直径方向に延びるような挿通孔20が設けられており、この挿通孔20は、先端部13を貫通することによって、その延在方向Lの外周側端部がそれぞれ第一先端部13Aの外周面(10A)と第二先端部13Bの外周面(10A)とに開口させられている。
なお、挿通孔20は、軸線Oに対する直径方向に延びるように形成されているのであるが、その延在方向Lは、図13に示すように、スリット16の延在方向Nに直交する幅方向N1よりも、軸線O回りにドリル回転方向T前方側へ向かって回転された位置に配置されるよう傾斜させられており、この挿通孔20が、スリット16をその幅方向N1に対して斜めに傾斜して交差するようになっている。
【0015】
挿通孔20において、第一先端部13A内に位置する部分は、第一先端部13Aの外周面(10A)から一定の内径で延在方向Lの内側(軸線Oに対する直径方向の内周側)に向かって凹むように延びる収容部21と、この収容部21に連なり、収容部21の内径よりも一段小さい一定の内径で延在方向Lの内側に向かって延びてスリット16に開口する第一孔部22とから構成されており、収容部21における第一孔部22との接続部分は、収容部21の内径が延在方向Lの内側に向かうにしたがい漸次縮径していくようなテーパ状をなして延在方向Lの外側(軸線Oに対する直径方向の外周側)を向く壁面21Aとされている。
また、収容部21において、上記の延在方向Lの外側寄りの部分には、後述する止め部材25を固定するための固定用雌ねじ部21Bが形成されている。
【0016】
一方、挿通孔20において、第二先端部13B内に位置する部分は、第二先端部13Bの外周面(10A)から一定の内径で延在方向Lの内側(軸線Oに対する直径方向の内周側)に向かって凹むように延びる雌ねじ部23と、この雌ねじ部23に連なり、雌ねじ部23の内径よりも一段大きくて上記の第一孔部22の内径と略同一である一定の内径で延在方向Lの内側に向かって延びてスリット16に開口する第二孔部24とから構成されている。
【0017】
そして、このような挿通孔20内には、雄ねじ部41と頭部43とが連結部42を介して互いに同軸状に連結されて構成され、頭部43が連結部42及び雄ねじ部41よりも一段拡径した略多段円柱状をなすクランプネジ40が挿通されている。
クランプネジ40が挿通孔20内に挿通された状態では、雄ねじ部41が挿通孔20における雌ねじ部23に螺合させられ、頭部43が収容部21における上記の延在方向Lの内側寄りの部分に収容されるようになっている。また、頭部43の端面には、六角レンチ(ネジ回転用工具)を嵌合させることが可能な六角穴(ネジ回転用穴)43Aが形成されている。
【0018】
さらに、挿通孔20内には、クランプネジ40の頭部43に対向配置されるようにして、略円柱状をなす止め部材25が、収容部21における上記の延在方向Lの外側寄りの部分に収容されて設けられている。
止め部材25の外周面には、上記の収容部21に形成された固定用雌ねじ部21Bに螺合可能な固定用雄ねじ部25Aが形成されており、この止め部材25は、その固定用雄ねじ部25Aを固定用雌ねじ部21Bに螺合させることにより、収容部21における上記の延在方向Lの外側寄りの部分に固定される。
【0019】
また、止め部材25には、止め部材25を挿通孔20の延在方向Lに沿って貫通する貫通孔としての六角穴(ネジ回転用穴)26が形成されていて、この六角穴26に六角レンチ(ネジ回転用工具)を嵌合させて、止め部材25を回転させることにより、止め部材25の外周面に形成された雄ねじ部25Aを挿通孔20の収容部21に形成された雌ねじ部21Bにねじ込んでいくことが可能となっている。
【0020】
ここで、止め部材25に形成された貫通孔としての六角穴26は、クランプネジ40の頭部43の端面に形成された六角穴43Aに嵌合させるための六角レンチを通過させることが可能な大きさ、かつ、六角穴43Aに嵌合させた六角レンチを回転させたときであっても、止め部材25が連れ回ることなく、クランプボルト40のみを確実に回転させることが可能な大きさに設定されている。
【0021】
なお、ドリル本体10の先端部13には、一対の切屑排出溝12,12間に画成されたドリル本体10の外周面10Aが切り欠かれることによって、ドリル本体10の後端から軸線Oに沿って延びて途中で分岐したクーラント穴17,17が開口するクーラント吐出部17A,17Aが形成されており、穴明け加工の際には、これらのクーラント吐出部17A,17Aを通して切削部位にクーラントが供給される。
【0022】
一方、上記のようなチップ取付座14に固定されて装着されるチップのチップ本体30は、超硬合金等の硬質材料により、図8〜図10に示すような形状に形成されたものである。
このチップがチップ取付座14に装着された状態で、軸線O方向の先端側を向くチップ本体30の先端面31は、軸線Oからドリル本体外周側に向かうにしたがい漸次後退するV字状をなしている。
【0023】
そして、チップ装着状態で、ドリル回転方向T前方側を向いて切屑排出溝12,12の壁面の先端側に滑らかに連なる概略凹曲面状をなし、チップ本体30の先端面31と、軸線O方向の後端側を向いて軸線Oに直交するチップ本体30の後端面32と、ドリル本体外周側を向くチップ本体30の外周面30Aとに交差する部分が、一対のすくい面33,33とされ、これらすくい面33,33と先端面31との交差稜線部にそれぞれ切刃34,34が形成されている。
このチップは、チップ本体30の先端面31及び後端面32に交差する一対のクランプ受け面35A,35Aと、同じくチップ本体30の先端面31及び後端面32に交差する一対のトルク受け面35B,35Bとを備えている。
【0024】
チップ本体30における一対のクランプ受け面35A,35Aは、チップ装着状態で、それぞれドリル本体外周側を向くように軸線Oを挟んで互いに反対側に位置させられ、チップ本体30における一対のトルク受け面35B,35Bは、チップ装着状態で、それぞれドリル回転方向T後方側を向くように軸線Oを挟んで互いに反対側に位置させられている。
ここで、一対のクランプ受け面35A,35Aは、それぞれ、一対のトルク受け面35B,35Bのそれぞれのドリル回転方向T後方側(ドリル本体内周側)に隣接して、これらトルク受け面35B,35Bのそれぞれと交差させられており、互いに交差するクランプ受け面35Aとトルク受け面35Bとの交差角θ(軸線Oに直交する断面で見たときの交差角θ)が、90゜〜120゜の範囲内で、上記のチップ取付座14におけるクランプ面14Bとトルク伝達面14Cとの交差角θと略同一の値に設定されている。
【0025】
また、トルク受け面35Bは、クランプ受け面35Aと交差する側と反対側が、チップ本体30の外周面30Aに交差させられているのに対し、クランプ受け面35Aは、トルク受け面35Bと交差する側と反対側が、チップ本体30の外周面30Aに達することなくドリル回転方向T前方側を向くすくい面33に交差させられている。
さらに、一対のクランプ受け面35A,35Aは、それぞれ、軸線O方向の後端側へ向かうにしたがいドリル本体外周側へ向かうように傾斜(軸線Oに対する傾斜角が、0゜より大きく1゜以下の範囲内で、上記のチップ取付座14におけるクランプ面14Bの傾斜角と略同一の値)させられ、一対のトルク受け面35B,35Bは、それぞれ、軸線O方向の後端側へ向かうにしたがいドリル回転方向T前方側へ向かうように傾斜(軸線Oに対する傾斜角が、0゜より大きく30゜以下の範囲内で、上記のチップ取付座14におけるトルク伝達面14Cの傾斜角と略同一の値)させられている。
なお、軸線Oに直交する断面で見たときには、一対のトルク受け面35B,35Bが、軸線Oに対する(軸線Oを通る)直径方向にほぼ沿って延在するようになっている。
【0026】
チップ本体30の後端面32には、軸線O方向の後端側へ突出する軸部36が形成されており、この軸部36は、軸線Oに直交する断面が軸線Oを中心とした略円形状をなして、軸線O方向での全長に亘って一定の外径を有するようになっている。
軸部36の外径は、この軸部36の外周面がすくい面33,33における後端面32への交差部分よりもドリル本体内周側に位置するような大きさに設定されているため、図10に示すように、軸部36は、その外周面が切り欠かれていない。
【0027】
次に、このような構成とされたチップを、ドリル本体10の先端部13に形成されたチップ取付座14に装着する工程を説明する。
まず、挿通孔20内に挿通されたクランプネジ40の頭部43の端面に形成されている六角穴43Aに対して、六角レンチを嵌合させるため、挿通孔20内においてクランプネジ40の頭部43に対向配置されるように設けられた止め部材25の貫通孔(六角穴)26から、六角レンチを挿通孔20の収容部21内に挿入する。
そして、六角レンチをクランプネジ40の頭部43の端面に形成された六角穴43Aに嵌合させた後、この六角レンチを回転させることにより、クランプネジ40を一の方向に回転させていく。
【0028】
ここで、挿通孔20内に挿通されたクランプネジ40は、その雄ねじ部41が、挿通孔20における雌ねじ部23に螺合させられた状態となっていることから、クランプネジ40を一の方向に回転させると、クランプネジ40の雄ねじ部41を挿通孔20の雌ねじ部23から緩めることができ、これにともない、クランプネジ40の頭部41が、挿通孔20の延在方向Lの外側に向かって移動して、挿通孔20内の収容部21に設けられて固定された止め部材25を押圧する。
そのため、ドリル本体10の先端部13は、孔部15も含めてスリット16の位置を挟んで二分された第一先端部13Aと第二先端部13Bとが互いに離間するような弾性変形を行うので、第一先端部13A側に位置する一方のクランプ面14B及びトルク伝達面14Cと、第二先端部13B側に位置する他方のクランプ面14B及びトルク伝達面14Cとが互いに離間するとともに、スリット16で二分された孔部15の内周面同士が互いに離間することになる。
【0029】
このようにしてチップ取付座14が開かれると、チップ取付座14へのチップの挿入が可能となる。
その後、上記のような構成とされたチップを、ドリル本体10の先端部13に形成されたチップ取付座14に対し、軸線O方向の先端側から見て、チップ本体30のクランプ受け面35Aの延びる方向が、チップ取付座14のクランプ面14Bの延びる方向と平行な方向Mに対して平行となる状態で、軸線O方向の後端側へ向かってスライドさせることによって挿入する。
【0030】
これにより、チップ本体30の後端面32に形成された軸部36が、チップ取付座14の底面14Aに形成された孔部15に挿入され、チップ本体30の後端面32が、チップ取付座14の底面14Aに対向配置させられて互いに密着させられる。
このとき、チップ本体30のすくい面33,33が、それぞれ切屑排出溝12,12内に開放されてドリル回転方向T前方側に向けられ、チップ本体30のクランプ受け面35A,35Aが、それぞれチップ取付座14のクランプ面14B,14Bに対向配置させられ、チップ本体30のトルク受け面35B,35Bが、それぞれチップ取付座14のトルク伝達面14C,14Cに対向配置させられた状態となっている。
【0031】
そして、クランプネジ40を一の方向に回転させたときと同様にして、六角レンチをクランプネジ40の頭部43の端面に形成された六角穴43Aに嵌合させ、この六角レンチを回転させることにより、クランプネジ40を他の方向に回転させていく。
【0032】
ここで、挿通孔20内に挿通されたクランプネジ40は、その雄ねじ部41が、挿通孔20における雌ねじ部23に螺合させられた状態となっていることから、クランプネジ40を他の方向に回転させると、クランプネジ40の雄ねじ部41を挿通孔20の雌ねじ部23にねじ込むことができ、これにともない、クランプネジ40の頭部41が、挿通孔20の延在方向Lの内側に向かって移動して、挿通孔20内の収容部21に形成されたテーパ状の壁面21Aを押圧する。
そのため、ドリル本体10の先端部13は、孔部15も含めてスリット16の位置を挟んで二分された第一先端部13Aと第二先端部13Bとが互いに近接するような弾性変形を行うので、第一先端部13A側に位置する一方のクランプ面14B及びトルク伝達面14Cと、第二先端部13B側に位置する他方のクランプ面14B及びトルク伝達面14Cとが互いに近接するとともに、スリット16で二分された孔部15の内周面同士が互いに近接することになる。
【0033】
したがって、チップ取付座14における孔部15の内周面が、これに挿入されたチップ本体30における軸部36の外周面に密着してこれを押圧することによって、孔部15が軸部36を締結し、さらに、チップ取付座14における一対のクランプ面14B,14Bが、チップ本体30における一対のクランプ受け面35A,35Aにそれぞれ密着してこれらを押圧し、かつ、チップ取付座14における一対のトルク伝達面14C,14Cが、チップ本体30における一対のトルク受け面35B,35Bにそれぞれ密着してこれらを押圧し、チップがチップ取付座14に固定されて装着される。
また、チップをチップ取付座14から取り外すには、上記と逆の工程をたどればよい。
【0034】
以上説明したような本実施形態のスローアウェイ式ドリルでは、クランプネジ40の雄ねじ部41を挿通孔20の雌ねじ部23から緩めることによって開かれたチップ取付座14に対して、チップを挿入した後に、クランプネジ40の雄ねじ部41を挿通孔20の雌ねじ部23にねじ込むことにより、チップ取付座14の一対のクランプ面14B,14Bでチップ本体30の一対のクランプ受け面35A,35Aをそれぞれ押圧して、チップをチップ取付座14に固定して装着するのと同時に、チップ取付座14の孔部15でチップ本体30の軸部36を締結して、ドリル本体10の軸線Oとチップ本体30の軸線Oとを一致させるチップの芯出しを行うようになっている。
【0035】
また、クランプネジ40を緩めたりねじ込んだりするように回転させるだけで、チップをチップ取付座14に固定して装着したり、チップをチップ取付座14から取り外したりすることができるので、このチップの着脱を容易かつ確実に行うこともできる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、チップ取付座にチップを装着する際には、まず、クランプネジの雄ねじ部を挿通孔の雌ねじ部から緩めることによって開かれたチップ取付座に対してチップを挿入する。そして、クランプネジの雄ねじ部を挿通孔の雌ねじ部にねじ込むことによって、チップ取付座における一対のクランプ面でチップ本体における一対のクランプ受け面をそれぞれ押圧し、チップ取付座へチップを固定して装着するようになっている。
それゆえ、このようなクランプネジを用いたことで、チップのチップ取付座への装着状態を強固かつ安定して維持することができ、しかも、クランプネジを回転させるだけで、チップの着脱を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルの側面図である。
【図2】 図1における要部拡大図である。
【図3】 図2におけるA方向矢視図である。
【図4】 図3における部分断面図である。
【図5】 図4におけるB方向矢視図である。
【図6】 図4におけるC方向矢視図である。
【図7】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルの先端面図である。
【図8】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの側面図である。
【図9】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの先端面図である。
【図10】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルに装着されるチップの後端面図である
【図11】 本発明の実施形態のスローアウェイ式ドリルのドリル本体の側面図である。
【図12】 図11におけるD−D線断面図である。
【図13】 図11におけるE−E線断面図である。
【符号の説明】
10 ドリル本体
14 チップ取付座
14B クランプ面
14C トルク伝達面
15 孔部
16 スリット
20 挿通孔
21 収容部
21A 壁面
23 雌ねじ部
25 止め部材
26 六角穴(貫通孔、ネジ回転用穴)
30 チップ本体
35A クランプ受け面
35B トルク受け面
36 軸部
40 クランプネジ
41 雄ねじ部
43 頭部
O ドリル本体の軸線
T ドリル回転方向

Claims (1)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端面に開口するチップ取付座に、チップ本体の先端に切刃を有するスローアウェイチップが、そのチップ本体に形成された一対のクランプ受け面を前記チップ取付座に形成された互いに対向する一対のクランプ面で押圧させるようにして装着されるスローアウェイ式ドリルであって、前記ドリル本体の先端部に、雌ねじ部を備えた挿通孔が形成され、この挿通孔内には、前記雌ねじ部に螺合させられる雄ねじ部を備えたクランプネジが挿通されているとともに、このクランプネジの頭部に対向配置される止め部材が設けられ、該止め部材には、前記クランプネジの頭部の端面に形成されたネジ回転用穴に対して嵌合させられるネジ回転用工具を通過及び回転可能な大きさの貫通孔が形成されており、前記クランプネジの雄ねじ部を前記挿通孔の雌ねじ部から緩めることにより、前記クランプネジの頭部が前記止め部材を押圧して、前記一対のクランプ面を互いに離間させるように、前記ドリル本体の先端部を弾性変形させることが可能であり、かつ、前記クランプネジの雄ねじ部を前記挿通孔の雌ねじ部にねじ込むことにより、前記クランプネジの頭部が前記挿通孔内に形成された壁面を押圧して、前記一対のクランプ面を互いに近接させるように、前記ドリル本体の先端部を弾性変形させることが可能であることを特徴とするスローアウェイ式ドリル。
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