JP4770293B2 - 高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
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(1)質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜0.60%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.08%、Nb:0.02〜0.05%、Ti:0.10〜0.25%、P:0.050%以下、S:0.0050%以下、N:0.010%以下を含有する鋼素材を、1150℃〜1300℃に加熱後、圧延終了温度800℃以上で熱間圧延して鋼板とした後、冷却速度2.0℃/s以下で550℃以下まで冷却を行ない、しかる後、昇温速度5℃/s以上で再加熱し、560〜600℃の温度域で10〜600秒保持し、さらに、昇温速度5℃/s以上で再加熱し、600〜700℃の温度域で10〜600秒保持後、冷却することを特徴とする、引張強さ780MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
(2)鋼素材が、さらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Cr:0.5%以下、V:0.08%以下、Mo:1.0%以下、B:0.0040%以下、Ca:0.0030%以下、Rem:0.02%以下、の中から選ばれた、1種または2種以上を含有することを特徴とする、(1)に記載の引張強さ780MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
Cは鋼の強度を向上する元素であり、本発明では、TiC、NbCの析出に不可欠な元素である。所望の強度を確保するためには0.05%以上の含有を必要とするが、0.20%を超えると、靭性が低下する。このため、Cは、0.05〜0.20%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.08〜0.15%である。
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、本発明では、脱酸を有効に行うための製鋼上の要請から、0.05%以上の含有を必要とするが、0.60%を超えて含有すると、靭性を低下させる。このため、Siは、0.05〜0.60%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.20〜0.45%である。
Mnは、鋼の強度を向上する元素であり、引張強さを780MPa以上とするためには、0.5%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、溶接した場合に、溶接熱影響部の靭性を著しく低下させる。このことから、Mnは、0.5〜2.0%の範囲に規定した。
Alは、脱酸剤として作用し、このためには0.01%以上の含有を必要とするが、0.08%を超えて含有すると、靭性を低下させるとともに、溶接した場合に、溶接金属部の靭性を低下させる。このため、Alは、0.01〜0.08%の範囲に規定した。なお、好ましくは、0.02〜0.04%である。
Nbは、NbCとしてフェライト変態時あるいは再加熱時に析出し、高強度化に寄与する。本発明の対象とする引張強さ780MPa以上の鋼板を得るためには、0.02%以上の添加が必要である。一方、0.05%を超える含有は、析出するNbCの粗大化を招き、高強度化に寄与しにくいばかりか、粗大化したNbCは、靭性に悪影響を及ぼす。このことから、Nbは、0.02〜0.05%の範囲に規定した。
Tiは、TiCとしてフェライト変態時あるいは再加熱時に析出し、高強度化に寄与する。本発明の対象とする引張強さ780MPa以上の鋼板を得るためには、0.10%以上の添加が必要である。一方、0.25%を超える含有は、母材および溶接熱影響部の靭性を低下させるので、Tiは、0.10〜0.25%の範囲に規定した。
Pは、含有量が0.050%を超えると母材及び溶接部の靭性を低下させるので、0.050%以下に抑制するものとする。
Cuは、固溶強化により鋼の強度を向上する元素である。本発明では、0.05%以上含有してもよいが、0.5%を超えて含有すると、靭性が低下する。このため、Cuは、0.05〜0.5%の範囲で含有してもよい。
Niは、靭性を保ちつつ強度を向上する有効な元素である。本発明では、0.05%以上含有してもよいが、1.0%を超えて含有しても効果が飽和するため、コスト的に不利となる。このため、Niは、0.05〜1.0%の範囲で含有してもよい。
Crは、鋼の強度を向上する元素である。本発明では、0.05%以上含有してもよいが、0.5%を超えて含有すると溶接熱影響部の靭性が低下する。このため、Crは、0.05〜0.5%の範囲で含有してもよい。
Vは、V(CN)として析出強化により、鋼の強度を向上する元素であり、0.003%以上含有してもよいが、0.08%を超えて含有すると、靭性を低下させる。このため、Vは、0.003〜0.08%の範囲で含有してもよい。
Moは、焼き入れ性の向上により、鋼の強度を向上する元素であり、この効果を得るには、0.10%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Moは、0.10〜1.0%の範囲で含有してもよい。
Bは、微量の添加によって旧オーステナイト粒界エネルギーを低下させてフェライトの核生成を抑制するのに有効に機能する。しかし、0.0040%を超えると、靭性を低下させるので、0.0040%の範囲で含有してもよい。0.0003〜0.0040%とするのがさらに好ましい。
Caは0.0003%以上の含有で、介在物の形態制御によりS、Oとのバランスを適切に選択することでHAZ(溶接熱影響部)靭性を向上させる。一方、0.0030%を超えて含有してもその効果が飽和する。このため、Caは0.0003〜0.0030%の範囲で含有してもよい。
Remは、Rem(O、S)を形成して、HAZ(溶接熱影響部)靭性を向上させる。このような効果は、0.0003%以上の含有で認められるが、0.02%を超えて含有しても、その効果が飽和する。このため、Remは、0.0003〜0.02%の範囲で含有してもよい。なお、Remとは希土類元素のことを意味し、代表的なものは、La、Ce、Hfなどである。
2 バーナ炎
10 誘導加熱装置
30 テーブルローラ
Claims (2)
- 質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜0.60%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.08%、Nb:0.02〜0.05%、Ti:0.10〜0.25%、P:0.050%以下、S:0.0050%以下、N:0.010%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼素材を、1150℃〜1300℃に加熱後、圧延終了温度800℃以上で熱間圧延して鋼板とした後、冷却速度2.0℃/s以下で550℃以下まで冷却を行ない、しかる後、昇温速度5℃/s以上で再加熱し、560〜600℃の温度域で10〜600秒保持し、さらに、昇温速度5℃/s以上で再加熱し、600〜700℃の温度域で10〜600秒保持後、冷却することを特徴とする、引張強さ780MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
- 鋼素材が、さらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Cr:0.5%以下、V:0.08%以下、Mo:1.0%以下、B:0.0040%以下、Ca:0.0030%以下、Rem:0.02%以下、の中から選ばれた、1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の引張強さ780MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
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