JP2005133163A - 強度靱性バランスに優れた高強度鋼板 - Google Patents

強度靱性バランスに優れた高強度鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】多量の合金元素を添加することなく、低コストで製造できる、強度靱性バランスに優れた高強度鋼板を提供すること。
【解決手段】質量%で、C:0.02%以上、0.07%未満、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、Nb:0.005〜0.07%、Al:0.08%以下を含有し、Ti:0.005〜0.04%および/またはV:0.005〜0.1を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼を、圧延して冷却した後に再加熱を行うことによりNb、Ti、Vの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を析出させて製造した鋼板であって、前記再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度が、10〜300ppmであることを特徴とする強度靱性バランスに優れた高強度鋼板を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築、海洋構造物、造船、土木、建設機械、ラインパイプ等の分野で使用される強度靱性バランスに優れた高強度鋼板に関するものである。
溶接鋼構造物の大型化、またコスト削減の観点から、より高強度、高靭性を有する鋼板の需要が高まっている。通常、高強度高靭性鋼板は、焼入れ焼戻し処理や制御圧延・制御冷却を用いる、いわゆるTMCPにより製造されるが、焼入れ焼戻し処理は時間と手間を要し、製造コスト高である。また、TMCPを用いて鋼材の高強度化を行う際には、鋼材への多量の合金元素の添加が必要であり、合金元素添加によるコスト上昇、溶接熱影響部靭性の劣化が問題となる。
焼入れ焼戻し処理の欠点を補うために、圧延後そのまま焼入れを行う直接焼入れ技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。しかし、焼戻し工程を圧延・冷却ラインと別のラインで行うため従来の形式と大差がなく、製造効率、製造コストの改善には至らない。
一方、圧延から焼入れ焼戻し処理までを同一ラインで行い、かつ急速加熱で保持時間無しの焼戻し処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。すべての工程を同一ラインで行うことで製造時間が短縮されるので、製造効率、製造コストが大幅に改善される。また、この技術で製造された鋼材は、急冷によってベイナイトまたはマルテンサイト組織とした後に、急速加熱焼戻しを行うことによって、過飽和に固溶した炭素が微細なセメンタイトとして析出し、さらに保持時間無しの焼戻し処理によりセメンタイトが粗大化しないため、強度靱性に優れている。
特公昭53−6616号公報 特公昭58−3011号公報 特許3015923号公報 特許3015924号公報
しかし、特許文献3、特許文献4に記載の技術では、製造効率、製造コストを大幅に改善できるが、高強度の鋼を得るためには、その実施例が示すように、鋼材の炭素含有量を高めるか、あるいはその他の合金元素の添加量を増やす必要があるため、素材コストの上昇を招くだけでなく、溶接熱影響部靭性の劣化が問題となる。また、合金元素を添加する際の添加量だけが示されており、析出物が析出するタイミングや、析出物の有効な量等は知られていなかった。したがって必要以上に合金元素を添加する傾向にあり、不必要に素材コストが上昇して、靭性も劣化していた。このように従来の技術では、多量の合金元素を添加することなく強度や靱性に優れた高強度鋼板を製造することは困難である。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、多量の合金元素を添加することなく、低コストで製造できる、強度靱性バランスに優れた高強度鋼板を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.02%以上、0.07%未満、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、Nb:0.005〜0.07%、Al:0.08%以下を含有し、Ti:0.005〜0.04%および/またはV:0.005〜0.1を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼を、圧延して冷却した後に再加熱を行うことによりNb、Ti、Vの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を析出させて製造した鋼板であって、前記再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度が、10〜300ppmであることを特徴とする強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
(2)質量%で、C:0.02%以上、0.07%未満、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.005〜0.04%、Nb:0.005〜0.07%、V:0.005〜0.1%、Al:0.08%以下を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼を、圧延して冷却した後に再加熱を行うことによりNb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を析出させて製造した鋼板であって、前記再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度が、10〜300ppmであることを特徴とする強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
(3)再加熱後のTi、Nb、V、Moの析出量と、冷却後のTi、Nb、V、Moの析出量とを測定することで、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を求めることを特徴とする(1)または(2)に記載の強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
(4)再加熱を誘導加熱により行うことを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
(5)鋼板中の粒径100nm以下の析出物のうち、粒径10nm以下の析出物の数密度が80%以上であることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
本発明によれば、強度靱性バランスに優れた高強度鋼板を、多量の合金元素を添加することなく、低コストで製造することができる。このため建築、海洋構造物、造船、土木、建設機械、ラインパイプ等の溶接構造物に使用する鋼板を、安価で大量に安定して製造することができ、生産性および経済性を著しく高めることができる。
本発明者らは高強度鋼板の強度と靱性のバランス向上を目的に、鋼板の製造方法を鋭意検討し、制御圧延後の加速冷却とその後の再加熱という製造プロセスにおいて、ベイナイト変態後に再加熱を行うことによって、加速冷却時のベイナイト変態による強化に加え、再加熱時に析出する微細析出物による析出強化によって、合金元素が少なく低成分系の鋼においても高強度化が可能になるという知見を得た。そして、Nbと、Tiおよび/またはVとを含有する鋼を、またはNb、Ti、V、Moを含有する鋼を用いることで、極めて微細な炭化物の分散析出が得られ、特に、微細析出物がフェライト相に析出することで高強度−高靱性化が達成できるという知見を得た。この場合、再加熱時に形成させる微細析出物の量が重要であり、その量が炭化物を形成する炭素換算で、10ppm以上、300ppm以下となることが重要であることを新たに見出して本発明を完成した。
本発明は上記のような、圧延後の加速冷却によって生成したベイナイト相と、その後の再加熱によって生じるNb、Ti、Vの中から選ばれる1種以上の、またはNb、Ti、Mo、Vの中から選ばれる1種以上の炭化物析出物が分散析出したフェライト相との2相組織を有する高強度鋼板に関するものであり、変態強化に加え析出強化を有効的に活用するため、合金元素を多量に添加する必要がなく、溶接熱影響部靭性を損なうことなく高強度化が達成できるものである。また、析出量を最適化することによって必要最小限の合金添加量で鋼の成分を設計することができるので、コスト的にも優れている。
以下、本発明の高強度鋼板について詳しく説明する。まず、本発明の高強度鋼板の組織について説明する。
本発明の鋼板の金属組織は実質的にフェライトとベイナイトの2相組織を基本とする。本発明では、加速冷却時のベイナイト変態による変態強化と、加速冷却後の再加熱時に析出する微細析出物による析出強化を複合して活用することにより、合金元素を多量に添加することなく高強度化が可能である。一方で、合金元素を多量に添加しない場合には、加速冷却で得られるベイナイト単相組織だけでは強度不足であるが、析出強化されたフェライト相とベイナイト相の2相組織であれば十分な強度を有するものとなる。フェライトとベイナイトとの2相組織に、マルテンサイトやパーライトなどの異なる金属組織が1種または2種以上混在する場合は、強度が低下するため、フェライト相とベイナイト相以外の組織分率は少ない程良い。しかし、フェライト相とベイナイト相以外の組織の体積分率が低い場合は影響が無視できるため、トータルの体積分率で15%以下の他の金属組織を、すなわちマルテンサイト、パーライト等を1種または2種以上含有してもよい。
次に、鋼板中に分散析出する微細な析出物について説明する。
本発明の鋼板では、Nb、Ti、Vの中から選ばれる1種以上、またはNb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する析出物による析出強化を利用している。Nb、Ti、V、Moの各元素単独の炭化物の析出物による析出強化の利用は従来も行われているが、本発明ではこれら元素を複合添加して、複合炭化物として所定の量を再加熱処理により鋼中に微細析出させることにより、単独による析出強化の場合に比べて、より大きな強度向上効果が得られることが特徴である。この従来にない大きな強度向上効果は、複合炭化物が安定でかつ成長速度が遅いので、析出物の内、粒径が10nm未満の極めて微細な析出物の割合が大きいために得られることによるものである。これら析出物は加工時およびその後の冷却時にも析出するが、冷却時の形成量が多い場合は、10nm以上の粗大なものの割合が増加し、析出量に対して強度の上昇が小さく、また、靱性が劣化する場合がある。このため、冷却条件と加熱条件を調整することで、冷却後の再加熱時に所定の量の微細炭化物を組織中に析出させることによって析出効果として有効に利用されることが分かった。この場合、大部分はフェライト相中に均一分散するために、組織均一性の観点から強度と共に靱性の向上に有効であることが分かった。なお、Nb、Ti、Vの中から選ばれる1種以上、またはNb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する析出物の中にはTiCとVCも含まれることになるが、実際にはTiCとVCはほとんど微細析出物として析出しない。
また、この微細炭化物は再加熱時に主にフェライト相中に析出するが、化学成分、製造条件によってはベイナイト相からも析出し、この場合は更なる強化が可能である。
これら析出物の析出量は、炭素換算で再加熱時に10〜300ppm析出すれば高強度化に効果があり、たとえば降伏強度が450MPa以上の高強度鋼板とするためには、50ppm以上析出させることが好ましい。析出形態としては、ランダムでも列状でも良く、特に規定されないが、微細析出物の割合が高いことが望ましく、100nm以下の析出物のうちでの数密度で粒径10nm以下のものが80%以上であることが好ましい。
本発明において鋼板内に分散析出する析出物である、炭化物は、以下に述べる成分の鋼を、圧延、冷却後に再加熱を行うことにより得ることができる。この場合、冷却の速度と停止温度、および、再加熱温度を制御することで再加熱以降に析出する炭化物の量を変化させることができる。
次に、本発明の高強度鋼板の化学成分について説明する。以下の説明において%で示す単位は全て質量%である。
C:0.02%以上、0.07%未満とする。Cは炭化物として析出強化に寄与する元素であるが、0.02%未満では十分な強度が確保できず、0.07%以上では靭性を劣化させるため、C含有量を0.02%以上、0.07%未満に規定する。
Si:0.01〜0.5%とする。Siは脱酸のため添加するが、0.01%未満では脱酸効果が十分でなく、0.5%を超えると靭性や溶接性を劣化させるため、Si含有量を0.01〜0.5%に規定する。
Mn:0.5〜2%とする。Mnは強度、靭性のため添加するが、0.5%未満ではその効果が十分でなく、2%を超えると靱性が劣化するため、Mn含有量を0.5〜2%に規定する。好ましくは、0.5〜1.5%である。
Nb:0.005〜0.07%とする。Nbは組織の微細粒化により靭性を向上させるとともに、再加熱時に析出物を形成し、強度上昇に寄与する。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.07%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、Nb含有量は0.005〜0.07%に規定する。
Al:0.08%以下とする。Alは脱酸剤として添加されるが、0.08%を超えると鋼の清浄度が低下し、靱性が劣化するため、Al含有量は0.08%以下に規定する。好ましくは、0.01〜0.08%とする。
Ti、Vの中から選ばれる1種以上を含有する。
Ti:0.005〜0.04%とする。0.005%以上添加することで、複合析出物を形成し、強度上昇に大きく寄与する。
V:0.005〜0.1%とする。VもNbと同様に再加熱時に複合析出物を形成し、強度上昇に寄与する。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.1%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、V含有量は0.005〜0.1%に規定する。
さらにMoを含有することが好ましい。
Mo:添加する場合は0.05〜0.5%とする。0.05%以上含有させることで、熱間圧延後冷却時のパーライト変態を抑制しつつ、焼き入れ性および再加熱時の微細析出物として強度に寄与する。しかし、0.5%を超えると溶接熱影響部靭性の劣化を招くことから、Mo含有量を0.05〜0.5%に規定する。好ましくは、0.05〜0.3%未満である。なお、Moを添加する場合は、Ti、Vを同時に添加することが望ましい。
上記以外の残部は実質的にFeからなる。残部が実質的にFeからなるとは、本発明の作用効果を無くさない限り、不可避不純物をはじめ、他の微量元素を含有するものが本発明の範囲に含まれ得ることを意味する。従って、鋼板の強度靱性をさらに改善する目的で、Cu、Ni、Cr、Bの1種又は2種以上を含有してもよい。
次に、微細炭化物の析出形態について説明する。
本発明では、冷却後の再加熱(昇温過程)中に析出する炭化物系析出物の形態が重要である。これは、再加熱時に析出する炭化物は強度に寄与する効果が高く、また、微細分散させることで少量の析出で有効であるためである。一方、圧延後の冷却時に多量に析出した場合は、その後の再加熱時に、析出物が成長を行い、強度に寄与しないばかりか、靱性に悪影響を及ぼす。また、再加熱時に析出する量が少ないと強度上昇が少なくなる。また、多すぎると靱性に悪影響を与える。また、昇温時に析出する析出物は変態組織中に析出するので、強度の面からもフェライトを強化するので非常に有効である。
冷却終了後、再加熱時に新たに析出する、Nb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を構成する炭素量を10ppm〜300ppmとする。圧延、冷却後の再加熱時に析出する炭化物の量は、材料の強度上昇のために非常に重要である。この値が10ppm未満であると、再加熱時に析出する炭化物の量が少なすぎるために強度が低くなる。また、300ppmを超えると炭化物の量が増加しすぎて、靱性が低下する。
再加熱時に新たに析出する、Nb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を構成する炭素量は、例えば、再加熱後のTi、Nb、V、Moの析出量と、冷却後のTi、Nb、V、Moの析出量とを測定することで、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を求めることができる。
鋼板の冷却後、および再加熱後の炭化物の炭素量は、各段階での析出物に含まれるNb、Ti、V、Moの量を分析すれば計算により求められる。Nbと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasNbC]、Moと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasMoC]、Tiと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasTiC]、Vと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasVC]とすると、Δ[CasNbC]+Δ[CasMoC]+Δ[CasTiC]+Δ[CasVC]が再加熱時に新たに析出する、Nb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を構成する炭素量であり、Δ[CasNbC]、Δ[CasMoC]、Δ[CasTiC]、Δ[CasVC]は以下の(1)〜(4)式で求められる。
Δ[CasNbC] = 12/93×((再加熱後のNb析出量)−(冷却後のNb析出量))・・・(1)
Δ[CasMoC] = 12/96×((再加熱後のMo析出量)−(冷却後のMo析出量))・・・(2)
Δ[CasTiC] = 12/48×((再加熱後のTi析出量)−(冷却後のTi析出量))・・・(3)
Δ[CasVC] = 12/51×((再加熱後のV析出量)−(冷却後のV析出量))・・・(4)
各金属元素の析出量は、冷却後および再加熱後の鋼板の一部を試料として、例えば10%アセチル−アセトン電解抽出よって得られた残さを、ICP発光分析により測定した値(ppm換算値)を用いればよい。
また、粒径が100nm以下の析出物のうち、粒径が10nm以下の析出物の割合が80%以上であることが好ましい。微細析出物の割合が高いほど効果があり、望ましくは90%以上である。析出物の粒径は、透過電子顕微鏡を用いて観察することが望ましい。本発明では、上記析出物が強度に有効な形態で微細に析出することが重要である。このため、析出物の形態を透過電子顕微鏡等で確認することが望ましい。10nm以下の析出物の割合が、80%未満になると、強度に寄与する析出物が減少して強度が低下するともに、靱性の劣化原因となる場合がある。
透過電子顕微鏡による組織観察は、薄膜試料を作製し、10万倍以上の倍率で観察を行うことが望ましい。この場合、ディフォーカス(defocus)法およびマッピング等の、できる限り析出物の数え落としがない手法を用いることが望ましい。透過電子顕微鏡を用いる以外に、10%アセチル−アセトン電解抽出によって抽出した析出物を走査電子顕微鏡によって観察する抽出法や、アトムプローブ顕微鏡で観察する方法を用いることも可能であるが、透過電子顕微鏡を用いる方法が最も望ましい。
次に、本発明の高強度鋼板の製造方法について説明する。
本発明の高強度鋼板は上記の成分の鋼を用いて、炭化物の微細析出物を適量析出させることで得られるが、析出強化を最大限に利用するためには、冷却および再加熱条件を以下のように制限することが望ましい。すなわち、加速冷却によりベイナイト変態領域まで過冷することにより、その後の再加熱時に温度保持することなくフェライト変態を完了させる方法である。この方法について以下に説明する。
図1は、本発明の組織制御方法を示す概略図である。Ar3温度以上のオーステナイト領域(A)からベイナイト変態領域(B)まで加速冷却(C)することで、オーステナイト単相10から、未変態オーステナイト11とベイナイト12の混合組織とする。冷却後、直ちにフェライト領域(E)まで再加熱(D)することにより、オーステナイト11はフェライトに変態し、フェライト相中には微細析出物が分散析出して、微細析出物によって析出強化したフェライト相13となる。一方、ベイナイト相12は焼戻されて焼戻しベイナイト14となる。焼戻しベイナイト14は微細析出物が分散析出して、析出強化される場合もある。以下、具体的にこの組織制御方法を詳しく説明する。
本発明の高強度鋼板は上記の成分組成を有する鋼を用い、加熱温度:1000〜1300℃、圧延終了温度:Ar3温度以上で熱間圧延を行い、その後5℃/s以上の冷却速度で600℃以下まで加速冷却を行い、その後直ちに0.5℃/s以上の昇温速度で550〜750℃の温度まで再加熱を行うことで、金属組織をフェライトとベイナイトの2相組織とし、Nb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する微細な炭化物をフェライト相中に分散析出させることが望ましい。ここで、温度は鋼板の平均温度とする。以下、各製造条件について詳しく説明する。
加熱温度:1000〜1300℃とすることが好ましい。加熱温度が1000℃未満では炭化物の固溶が不十分で必要な強度が得られず、1300℃を超えると靭性が劣化するため、1000〜1300℃とすることが好ましい。さらに好ましくは、1050〜1250℃である。
圧延終了温度:Ar3温度以上とすることが好ましい。Ar3温度とは、冷却中におけるフェライト変態開始温度を意味し、以下の式(5)で求めることができる。圧延終了温度がAr3温度未満になると、その後のフェライト変態速度が低下するため、再加熱によるフェライト変態時に十分な微細析出物の分散析出が得られず、強度が低下するため、圧延終了温度をAr3温度以上とすることが好ましい。
Ar3=910-310C-80Mn-20Cu-15Cr-55Ni-80Mo・・・(5)
但し、(5)式の元素記号は各含有元素の質量%を示す。
圧延終了後、直ちに冷却することが好ましい。冷却速度が1℃/s未満では冷却時にフェライトを生成するため、ベイナイトによる強化が得られないだけでなく、700℃以上の高温域でのフェライト変態時に生じた析出物が容易に粗大化するため、十分な強度が得られない。よって、圧延終了後の冷却速度は5℃/s以上が望ましい。このときの冷却方法については製造プロセスによって任意の冷却設備を用いることが可能である。
冷却停止温度:600℃以下が好ましい。圧延終了後加速冷却でベイナイト変態域である600℃以下まで急冷することにより、ベイナイト相を生成させ、かつ、ベイナイト変態途中で冷却を停止することによって、未変態のオーステナイトをその後の再加熱時にフェライトに変態させることが可能となる。さらに、過冷却により駆動力が大きくなるため、再加熱過程でのフェライト変態が促進され、短時間の再加熱でフェライト変態を完了させることが可能となる。600℃を超えるとフェライト変態の駆動力が十分でなく、再加熱時にフェライト変態が完了せずパーライトが析出するため微細炭化物の析出が不十分であり十分な強度が得られないため、加速冷却停止温度を600℃以下に規定することが好ましい。
冷却後の再加熱(昇温過程)における析出物の微細分散が本発明の重要なポイントであるために、冷却条件および昇温条件の調整が非常に重要であり、以下のように設定することが望ましい。
加速冷却後直ちに550〜750℃の温度まで再加熱を行うことが好ましい。このプロセスは本発明における重要な製造条件である。フェライト相の強化に寄与する微細析出物は、再加熱時に析出する。このような微細析出物を得るためには、加速冷却後直ちに550〜750℃の温度域まで再加熱することが好ましい。また、再加熱の際には、冷却後の温度より少なくとも50℃以上昇温することが望ましい。再加熱温度が550℃未満ではフェライト変態が進行せずに、ベイナイト変態を生じるため、十分な析出強化が図れず、750℃を超えると析出物が粗大化し十分な強度が得られないため、再加熱の温度域を550〜750℃に規定することが好ましい。再加熱温度において、特に温度保持時間を設定する必要はなく、再加熱後直ちに冷却しても、十分な微細析出物の量の増加が実現できればよい。ただし、30分を超えて温度保持を行うと、析出物の粗大化を生じ強度低下を招く場合がある。また、再加熱後の冷却過程でもフェライト変態が進行するので、再加熱後の冷却速度は基本的には空冷とする。しかし、フェライト変態を阻害しない程度の早い冷却速度で冷却を行うこともできる。上記熱処理は、析出物形態を本発明で定義するように実現する一例であり、鋼種成分により停止温度および加熱温度を調整することも可能である。
加速冷却後の再加熱を行うための設備として、加速冷却を行うための冷却設備の下流側に加熱装置を設置することができる。加熱装置としては、鋼板の急速加熱が可能であるガス燃焼炉や誘導加熱装置を用いる事が好ましい。誘導加熱装置は均熱炉等に比べて温度制御が容易でありコストも比較的低く、冷却後の鋼板を迅速に加熱できるので特に好ましい。また複数の誘導加熱装置を直列に連続して配置することにより、ライン速度や鋼板の種類・寸法が異なる場合にも、通電する誘導加熱装置の数や供給電力を任意に設定するだけで、昇温速度、再加熱温度を自在に操作することが可能である。
また、本発明の製造方法を実施するための設備の一例を図2に示す。図2に示すように、圧延ライン1には上流から下流側に向かって熱間圧延機3、加速冷却装置4、インライン型誘導加熱装置5、ホットレベラー6が配置されている。インライン型誘導加熱装置5あるいは他の熱処理装置を、圧延設備である熱間圧延機3およびそれに引き続く冷却設備である加速冷却装置4と同一ライン上に設置する事によって、圧延、冷却終了後迅速に再加熱処理が行えるので、圧延冷却後の鋼板温度を過度に低下させることなく加熱することができる。
表1に示す化学成分の鋼(鋼種A〜D)を連続鋳造法によりスラブとし、これを用いて板厚20mmの厚鋼板を製造した。鋼種A〜Dの成分を表1に示す。
Figure 2005133163
加熱したスラブを熱間圧延により圧延した後、冷却を行い、その後再加熱を行ってNo.1〜16の鋼板を製造した。冷却は、水冷型加速冷却設備を用いて行った。再加熱は、誘導加熱炉またはガス燃焼炉を用いてを行った。スラブ加熱は、1200℃で行い、熱間圧延は1050℃から900℃の間で行った。その後、850℃から冷却を行った。この時、冷却停止温度を鋼種Aでは500℃、鋼種Bでは200℃で行い、それぞれ1℃/secおよび10℃/secの2種類の冷却速度で冷却を行った。再加熱温度は、鋼種A(停止温度が500℃)では、650℃、750℃および850℃の3種類を用い、鋼種Bでは(冷却停止温度が200℃)、500℃、550℃、650℃、750℃の4種類を用いた。鋼種CおよびDでは冷却速度10℃/sec、停止温度650℃、再加熱温度650℃とした。また、再加熱温度750℃のうち、1hr保持を行った鋼板を作製した。各鋼板の熱履歴を表2に示す。
Figure 2005133163
以上のようにして製造した鋼板の機械的性質と析出物形態を測定した。機械的性質は、引張強度と溶接熱影響部(HAZ)靭性を測定し、引張強度については、圧延垂直方向の全厚試験片を引張試験片として引張試験を行い580MPa以上を本発明に必要な強度とした。溶接熱影響部(HAZ)靭性については、再現熱サイクル装置によって入熱40kJ/cmに相当する熱履歴を加えた試験片を用いてシャルピー試験を行った。そして、−10℃でのシャルピー吸収エネルギーが100J以上の物を良好とした。抽出残さによる析出物形態分析では、冷却後の炭化物析出量は、冷却後に冷却停止温度から20℃/secで室温まで急冷を行った試料を「冷却後の析出量測定用試料」とし、再加熱後に冷却を行った試料を「再加熱後の析出量測定用試料」とした。析出量の測定は、各試料から10%アセチル−アセトンによって析出物を電解抽出し、炭化物形成元素である、Nb、Ti、V、Moの量をICP発光分析によりppm量として換算した値を用いて行った。下記の式(1)〜(4)に従い、得られた各試料の析出量の差を、再加熱で増加した各炭化物を形成する炭化物量として、その合計量であるΔ[CasNbC]+Δ[CasMoC]+Δ[CasTiC]+Δ[CasVC]を炭化物析出増加量とした。
Δ[CasNbC] = 12/93×((再加熱後のNb析出量)−(冷却後のNb析出量))・・・(1)
Δ[CasMoC] = 12/96×((再加熱後のMo析出量)−(冷却後のMo析出量))・・・(2)
Δ[CasTiC] = 12/48×((再加熱後のTi析出量)−(冷却後のTi析出量))・・・(3)
Δ[CasVC] = 12/51×((再加熱後のV析出量)−(冷却後のV析出量))・・・(4)
また、鋼板の1/2厚さ部分から電解研摩によって薄膜試料を作製して透過電子顕微鏡(TEM)観察行った。TEMの観察は試料厚さが25nm〜100nmの任意の箇所で、defocus法およびEDX分析により、対象となる100nm以下の微細析出物を100個以上観察し、その粒径分布を数密度として測定して10nm以下のものの個数の割合を微細析出割合として、80%以上のものを良好とした。これらの結果を表3に併せて示す。
Figure 2005133163
表3において、本発明例である、No.1〜5、7、10〜12、15、16はいずれも、化学成分が本発明の範囲内であり、再加熱での析出物の析出量(炭化物析出増加量)も本発明の範囲内であり、引張強度580MPa以上の高強度であり、溶接熱影響部靭性は良好であった。
No.6は、再加熱での析出量が本発明の範囲を超えるために靱性が劣化した。No.8、9は、再加熱での析出量が本発明の範囲外で、析出物の大きなものの割合が高いために強度が低下し、かつ、靱性が劣化した。再加熱で析出物が効果的に析出していないため強度不足であった。No.13、14では、再加熱での析出量が少ないうえに、微細析出割合が低く、大きな析出物が多いために強度、靱性の両方が悪化した。
本発明の組織制御方法を示す概略図。 本発明の製造方法を実施するための製造ラインの一例を示す概略図。
符号の説明
1 圧延ライン
2 鋼板
3 熱間圧延機
4 加速冷却装置
5 インライン型誘導加熱装置
6 ホットレベラー
10 オーステナイト単相
11 未変態オーステナイト
12 ベイナイト
13 微細析出物によって析出強化したフェライト相
14 焼戻されて軟化したベイナイト相
A オーステナイト領域
B ベイナイト領域
C 加速冷却
D 再加熱
E フェライト領域

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02%以上、0.07%未満、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、Nb:0.005〜0.07%、Al:0.08%以下を含有し、Ti:0.005〜0.04%および/またはV:0.005〜0.1を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼を、圧延して冷却した後に再加熱を行うことによりNb、Ti、Vの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を析出させて製造した鋼板であって、前記再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度が、10〜300ppmであることを特徴とする強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
  2. 質量%で、C:0.02%以上、0.07%未満、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、Mo:0.05〜0.5%、Ti:0.005〜0.04%、Nb:0.005〜0.07%、V:0.005〜0.1%、Al:0.08%以下を含有し、残部が実質的にFeからなる鋼を、圧延して冷却した後に再加熱を行うことによりNb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を析出させて製造した鋼板であって、前記再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度が、10〜300ppmであることを特徴とする強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
  3. 再加熱後のTi、Nb、V、Moの析出量と、冷却後のTi、Nb、V、Moの析出量とを測定することで、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を求めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
  4. 再加熱を誘導加熱により行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
  5. 鋼板中の粒径100nm以下の析出物のうち、粒径10nm以下の析出物の数密度が80%以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の強度靱性バランスに優れた高強度鋼板。
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JP2007009270A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Jfe Steel Kk 高張力鋼板の製造方法
CN108517462A (zh) * 2018-04-11 2018-09-11 东北大学 一种高延展性的eh40级船板钢及其制备方法
CN108517463A (zh) * 2018-04-11 2018-09-11 东北大学 一种高延展性的fh500级船板钢及其制备方法

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