JP4770189B2 - ポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置 - Google Patents

ポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4770189B2
JP4770189B2 JP2005026080A JP2005026080A JP4770189B2 JP 4770189 B2 JP4770189 B2 JP 4770189B2 JP 2005026080 A JP2005026080 A JP 2005026080A JP 2005026080 A JP2005026080 A JP 2005026080A JP 4770189 B2 JP4770189 B2 JP 4770189B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
magnet
resin
rotor
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005026080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006214306A (ja
Inventor
哲也 田崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2005026080A priority Critical patent/JP4770189B2/ja
Publication of JP2006214306A publication Critical patent/JP2006214306A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4770189B2 publication Critical patent/JP4770189B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

モータにより駆動され、液体を吸入して吐出するポンプ及び同ポンプを備えた液体供給装置に関する。
ポンプにおいては、主として磁界を発生させるステータやそのステータを制御する制御部からなるモータ部と、ステータで発生された磁界により駆動される、中心に軸受けを配し前記軸受けの周部に筒状の永久磁石を配し樹脂製支持部材を有する磁性ロータとしてインサート成形されたロータ部及び当該ロータ部と一体に形成された水等の液体を吸排する羽根車及び羽根車から排出される水等を送り出すケーシングからなるポンプ部と、モータ部とポンプ部を隔離する仕切板とから構成される。
この中で磁性ロータは、その製造段階において、前記永久磁石の厚みが、通常5〜10mm程度の薄いものであるため、インサート成形する際、永久磁石にクラックや割れを生じさせ易い。これは、前記永久磁石は、圧縮力に対しては比較的強い応力を生じるが周方向の拡がり張力に対しては脆い性質を有しているためで、前記永久磁石のクラックや割れを抑止するため、前記軸受けのみをインサート成形し前記羽根車と一体に形成した上で、前記永久磁石を後挿入し、キャップにより溶着を行うといった対策が必要となりポンプのコストアップにつながっていた。
このため、永久磁石のクラックやわれを防ぐため、同期電動機やパルスモータ等に用いる磁性ロータの製造法として、インサート成形用の金型の永久磁石の外周部と内周部に同時に樹脂を射出し、外周部に充填された不要な樹脂を金型内に装備させた円孔の刃で取り除くといった提案がされている(例えば特許文献1参照)。
上記の製造法を用いれば駆動される中心に軸受けを配し前記軸受けの周部に筒状の永久磁石を配し樹脂製支持部材を有する磁性ロータをインサート成形することができる。
特開昭53−136610号公報
しかしながら前記従来技術の(特許文献1)に記載のケースでは、例えば永久磁石の外周面と内周面に合成樹脂の射出を同時に行い、導通溝部により両空間部を往来しながら充填されるが、永久磁石の性質上ほんの少しでも両空間部の圧力バランスが不均一となり、内周面側の圧力が高くなるとクラックや割れが生じることとなり、内・外周面の周長差等を考慮すると量産性のある成形は困難であった。
また、外周部に充填された不要な樹脂を取り除くために金型内に円孔の刃を装備しなくてはならず、硬度な樹脂を切断するための刃は頻繁なメンテナンスを必要とするため設備コスト増加につながるとともに利便性を欠いていた。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、永久磁石にクラックや割れを生じさせることがなく、かつ金型や設備のメンテナンスを頻繁に行わない製造法でインサート成形されたポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、磁界を発生させるステータと、磁石を備えてステータが発生させた磁界により駆動されるロータとを有し、前記ロータを形成するために前記磁石を配置し樹脂が注入された金型の内側面部と対向する磁石の外側面部の間隙を狭い所定の長さに設定し金型の内底面部と対向する磁石の外底面部を密着するようにし、前記磁石の外側面部の間隙により前記注入された合成樹脂が充填される外周空間部が構成され、この外周空間部への合成樹脂充填が終了した後遅れて前記磁石の内周面側の内周空間部への合成樹脂の充填が完了することを特徴としている。
この構成により磁石のクラックや割れを生じさせることなくロータを製造することで、ポンプ性能に重要な影響を及ぼすロータを安定供給できるという作用が達成できる。合わせて、外周部に充填された不要な樹脂を金型から磁性ロータを取り出す際に、特別な装備を有することなく簡単に手作業ではがすことができる作用も達成できる。
本発明はモータを構成する磁性ロータの永久磁石をクラックや割れなく成形することができ、かつ外周部に充填された不要な樹脂を金型から磁性ロータを取り出す際に、特別な装備を有することなく簡単に手作業ではがすことが可能な、強磁界を有する露出型マグネットロータを製造することで、利便性の高い低コストのポンプを提供できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態は、磁界を発生させるステータと、磁石を備えてステータが発生させた磁界により駆動されるロータとを有し、前記ロータを形成するために前記磁石を配置し樹脂が注入された金型の内側面部と対向する磁石の外側面部の間隙を狭い所定の長さに設定し金型の内底面部と対向する磁石の外底面部を密着するようにした磁界を発生させるステータと、磁石を備えてステータが発生させた磁界により駆動されるロータとを有し、前記ロータを形成するために前記磁石を配置し樹脂が注入された金型の内側面部と対向する磁石の外側面部の間隙を狭い所定の長さに設定し金型の内底面部と対向する磁石の外底面部を密着するようにしたものである。
これによりロータを形成するときに磁石にクラックや割れが発生せず、かつ外周部に充填された不要な樹脂を金型からロータを取り出す際に、特別な装備を有することなく簡単に手作業ではがすことが可能なロータを用いることで、利便性の高い低コストのポンプを提供することができる。
また、前記金型の内側面部の一部と対向する磁石の外側面部の間に注入された樹脂が充填される空間部を備えるようにしている。つまり、前記磁石の外側面部の間隙により前記注入された合成樹脂が充填される外周空間部が構成され、この外周空間部への合成樹脂充填が終了した後遅れて前記磁石の内周面側の内周空間部への合成樹脂の充填が完了するようにしたものである。
これにより、磁石の外側面部を樹脂で保護することで磁石のクラックや割れを防止することができる。
また、前記空間部は少なくとも2つに分割され、分割された各々の空間部に所定の幅と所定の長さをもつ突起を設け、前記分割された空間の断面が弧状に形成されるようにしてもよい。
これにより、磁石の外側面部に注入された樹脂を、ロータ形成後に容易に除去することができる。
また、前記突起の上部と前記磁石の内側面より内側の上部に、樹脂を注入するための所定の径をもった注入口を複数備えるようにしてもよい。
これにより、金型内に樹脂を効率よく注入できるとともに、磁石のクラックや割れを防止することができる。
さらに、前記注入口に接続され注入される樹脂を注入口に移送するための樹脂注入路を備え、前記突起の上部に設けられた注入口に接続された樹脂注入口の径より前記磁石の内側面より内側の上部に設けられた注入口に接続された樹脂注入口の径を小さくしてもよい。
これにより、突起の上部より注入される樹脂の量を前記磁石の内側面より内側に注入される樹脂の量より多くすることができるため、磁石のクラックや割れを防止することができる。
そして上記ポンプを給水装置等の液体供給装置に組み込むようにすれば、液体供給装置の使い勝手を大いに高めることができる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1に示すように、人工大理石やステンレスまたはFRP(繊維強化プラスチック)等からなる浴槽1があり、その浴槽1の外側には浴槽1内の浴槽水2を吸入して吐出するためのポンプ3と、浴槽水2を加熱するためのガスや電気または灯油等を用いた加熱部4が設置されている。
浴槽1の下部の側面には浴槽水2の流出口5が取りつけられていて、その流出口5には耐熱塩ビ(塩化ビニル)やステンレス等からなる循環往路6が接続されている。
循環往路6の途中にはポンプ3が取りつけられていて、さらに循環往路6は加熱部4に接続されている。
そして加熱部4には同じく耐熱塩ビ(塩化ビニル)やステンレス等からなる循環復路7が接続されていて、その循環復路7は浴槽1の側面であって流出口5の上方に取りつけられた流入口8に接続されている。
図2に示すように、ポンプ3の本体9の左側にはポンプ3の駆動源となるモータ部10を不飽和ポリエステル樹脂等で一体成形したモータケース11が設置され、右側には浴槽水2の吸入口12と吐出口13が設けられ浴槽水2を吸排するポンプ部14を内蔵したポリフェニレンサルファイド(PPS)等のプラスチックやステンレス等の金属からなるポンプケース15が配置されている。
モータケース11とポンプケース15の間には、モータ部10とポンプ部14を隔離してポンプ部14からモータ部10への浴槽水2の浸入を防止するための同じくPPS等のプラスチックやステンレス等の金属からなる仕切板16が取りつけられていて、その仕切板16は中央部付近がモータケース11側へ円筒形状に張り出して形成されている。
モータ部10は、磁界を発生させる円筒形状のステータ17と、そのステータ17を制御する制御部18と、ステータ17及び制御部18を保護するために一体成形された不飽和ポリエステル樹脂19とから構成されていて、ステータ17はモータケース11の内側と仕切板16がモータケース11側に張り出した部分の間に取りつけられている。
一方ポンプ部14は、ステータ17が発生させた磁界により回転駆動され永久磁石等からなる円筒形状の露出型マグネットロータ20と、その露出型マグネットロータ20と一体に形成され表面に取りつけられた複数の羽根21により浴槽水2を吸排するPPS等のプラスチック等からなる同じく円筒形状の羽根車22と、露出型マグネットロータ20及び羽根車22を回転自在に支持するステンレス等の金属からなる円柱形状の軸23と、その軸23を固定するためのセラミック等からなる中空円板形状の軸受板24とから構成されている。
露出型マグネットロータ20は仕切板16がモータケース11側に張り出した部分であって、仕切板16を介してステータ17と対向するように配置されている。
露出型マグネットロータ20の右側には、露出型マグネットロータ20と一体に形成され表面に複数の羽根21を設けた羽根車22が取りつけられていて、露出型マグネットロータ20と羽根車22の中心部には露出型マグネットロータ20と羽根車22を回転自在に支持するための軸23が設置されている。
また軸23の両側には軸23を固定するための軸受板24が取りつけられている。
さらにポンプケース15内は、下部に浴槽水2の吸入口12が取りつけられた吸入室25が設けられていて、上部に浴槽水2の吐出口13が取りつけられた吐出室26が配置されている。
以上の構成において、本実施例1におけるポンプ及びそのポンプを備えた浴槽水循環装置の構成部品である露出型マグネットロータの形成方法について図3及び図4を用いて説明する。
図3において、40は固定側金型、41は可動側金型であり、可動側金型41には焼結法により筒状に形成或いはポリフェニレンサルファイド(PPS)やナイロン(PA)といった樹脂をバインダーとして強磁性材を筒上に射出成形したプラスチックマグネット等の永久磁石42を挿入する凹部43を設け、その凹部43は、挿入された永久磁石42の外周面42aに樹脂が充填されることのない位の隙間(0.01〜0.02mm)とその内周面42b側の内周空間部44とからなり、内周空間部44の底面中央部に軸受45を挿入するボス部46を設けるとともに、永久磁石42を挿入した際にそのガタツキを小さくするためにガイド46を設けてある。また、可動側金型41には、永久磁石42の外周面42aの両端面よりも2〜3mm狭い範囲で1〜1.5mmの外周空間部47が設けてある。さらに外周空間部47は、夫々可動側金型41の上端面まで達する幅1〜1.5mmの空間部48a、48bと連通しており、当該空間部48a、48bは、可動側金型41の上端面で固定側金型40に設けられた夫々に合成樹脂を射出する注入口(多点ゲート)49a、49bと繋がっている。
また、固定側金型40には、当該露出型マグネットロータ20と一体に形成され、水等の液体を吸排する羽根車を構成するための空間50が設けてあり、空間50に夫々に合成樹脂を射出する多点ゲート49cを設けてある。
また、多点ゲート49a、49b、49cは図4に示すように固定側金型40に設けられた樹脂注入路(ランナー空間部)51に夫々繋がっており、多点ゲート49b及び49cに繋がるランナー空間部51aは、その空間部が多点ゲート49aに繋がるランナー空間部51bの分岐点51cの後でランナー空間部51の約50%の幅に狭くなっている。
さらに多点ゲート49a、49b、49cのゲート径は4:3:2の割合で夫々大きさを違えている。
なお、金型40及び41の図示しない部分は周知の構造である。
つぎに、当該露出型マグネットロータ20のインサート成形について説明する。
まず、焼成カーボン或いはモールドカーボンからなる軸受45と永久磁石42とを可動側金型41の凹部43の所定の位置にインサートする。永久磁石42は強磁性材の粉体を筒状に圧縮成形して焼結、或いはポリフェニレンサルファイド(PPS)やナイロン(PA)といった樹脂をバインダーとして強磁性材を筒上に射出成形したプラスチックマグネットであり、筒体の厚みが5〜10mm程度の薄厚であり、周知の方法により着磁した後成形性を考慮し脱磁したものである。
つぎに、固定側金型40に可動側金型41を合着して型締めし、合成樹脂射出口52、ランナー空間部51、多点ゲート49a、49b、49cから空間50、内周空間部44、空間部48a、48b外周空間部47に合成樹脂の射出を同時に開始する。このとき、射出された合成樹脂は、ゲート径或いは空間部の大きさ、長さによって充填速度に影響を受ける。つまり、ランナー空間部51の幅が広い51bに速く流れて行き、幅が約50%狭い51aに遅れて流れて行くが、ランナー空間部の距離が短いため多点ゲート49bへの合成樹脂到達は早くなる。しかし、多点ゲート49aと49bのゲート径では4:3の割合で多点ゲート49aのほうが大きいため最終的には空間部48a、48bから外周空間部47に充填される合成樹脂の充填速度は同一となる。
また、多点ゲート49cへの合成樹脂の到達は、連通するランナー空間部51aが狭いため、49bと同様に遅れて流れ且つゲート径が多点ゲート49b:多点ゲート49cでは3:2の割合で多点ゲート49cのほうが小さいために、多点ゲート49cに連通する羽根車を形成するための空間50及び内周空間部44への合成樹脂の充填は前記空間部48a、48b及び外周空間部47の合成樹脂充填よりも遅れて充填される。
このため、永久磁石42は必ず外周空間部47への合成樹脂充填が終了した後遅れて内周空間部44への合成樹脂充填が完了するため、クラックや割れを生じさせる周方向の拡がり張力、つまりは内周空間部に充填される際の樹脂圧による押圧を受けようとする時には、既に永久磁石42の外周面42aには外周空間部47に合成樹脂の充填が完了しており、常に、永久磁石42の外周面42aは、内周面を押圧する樹脂圧と略同等の樹脂圧で押圧され、拡がり張力を受けないようになっている。
ここで、本実施例1におけるポンプ及びそのポンプを備えた浴槽水循環装置の動作を図1及び図2を用いて説明する。
ポンプ3において制御部18により制御されたステータ17が磁界を発生させると、その磁界により露出型マグネットロータ20が回転駆動される。
露出型マグネットロータ20が回転駆動されると、露出型マグネットロータ20と一体に形成された羽根車22が同じく回転駆動されることでポンプ3が駆動される。
ポンプ3が駆動されると、浴槽水2は浴槽1の下部側面に取りつけられた流出口5より循環往路6に流入し、循環往路6を流れてポンプ3の下部側面に設置された吸入口12よりポンプ3内の吸入室25に吸入される。
吸入室25に吸入された浴槽水2は、回転する羽根車22の表面に形成された複数の羽根21により吐出室26に圧送され、ポンプ3の上部に配置された吐出口13よりポンプ3外へ吐出される。
吐出された浴槽水2は、吐出口13に接続された循環往路6を通って、ガスや電気または灯油等を用いた加熱部4に導入され所定の温度まで加熱された後、その加熱部4に接続された循環復路7を流れて、浴槽1の側面の流出口5の上側に取りつけられた流入口8より浴槽1内へ流入する。
このように浴槽水2をポンプ3を用いることにより循環し、加熱部4において所定の温度まで加熱することで、浴槽1内の浴槽水2を所定の温度まで加熱し、かつ加熱後も浴槽水2の循環を継続することで浴槽水2の温度を常時所定温度に保つことが可能になる。
以上のように、本実施例1によれば、ポンプ3を構成する露出型マグネットロータ20の製造方法において、成形用の金型の凹部に永久磁石42を挿入し、その永久磁石42の外周面42a及び内周面に設けた外周空間部47及び内周空間部44への合成樹脂の射出が必ず外周空間部47への合成樹脂の充填が完了した後内周空間部44の充填が完了するように、金型凹部と永久磁石外周面とのクリアランスを小さくし、内周空間部44の終端を永久磁石の下端とし、外周空間部47と内周空間部44との導通溝部を廃し、外周空間部47及び内周空間部44夫々に合成樹脂を充填する多点ゲート49a、49b、49cを配し、且つ多点ゲート49a、49b、49cのゲート径を4:3:2とし、さらにランナー空間部の幅が部分的に狭くなった金型で成形することで、不良率が低く、製造能率の高い露出型マグネットロータを提供することが可能であり、当該露出型マグネットロータを使用することで、利便性の高い低コストのポンプを提供することができる。
(実施例2)
図1に示すように、人工大理石やステンレスまたはFRP(繊維強化プラスチック)等からなる浴槽1があり、その浴槽1の外側には浴槽1内の浴槽水2を吸入して吐出するためのポンプ3と、浴槽水2を加熱するためのガスや電気または灯油等を用いた加熱部4が設置されている。
浴槽1の下部の側面には浴槽水2の流出口5が取りつけられていて、その流出口5には耐熱塩ビ(塩化ビニル)やステンレス等からなる循環往路6が接続されている。
循環往路6の途中にはポンプ3が取りつけられていて、さらに循環往路6は加熱部4に接続されている。
そして加熱部4には同じく耐熱塩ビ(塩化ビニル)やステンレス等からなる循環復路7が接続されていて、その循環復路7は浴槽1の側面であって流出口5の上方に取りつけられた流入口8に接続されている。
図2に示すように、ポンプ3の本体9の左側にはポンプ3の駆動源となるモータ部10を不飽和ポリエステル樹脂等で一体成形したモータケース11が設置され、右側には浴槽水2の吸入口12と吐出口13が設けられ浴槽水2を吸排するポンプ部14を内蔵したポリフェニレンサルファイド(PPS)等のプラスチックやステンレス等の金属からなるポンプケース15が配置されている。
モータケース11とポンプケース15の間には、モータ部10とポンプ部14を隔離してポンプ部14からモータ部10への浴槽水2の浸入を防止するための同じくPPS等のプラスチックやステンレス等の金属からなる仕切板16が取りつけられていて、その仕切板16は中央部付近がモータケース11側へ円筒形状に張り出して形成されている。
モータ部10は、磁界を発生させる円筒形状のステータ17と、そのステータ17を制御する制御部18と、ステータ17及び制御部18を保護するために一体成形された不飽和ポリエステル樹脂19とから構成されていて、ステータ17はモータケース11の内側と仕切板16がモータケース11側に張り出した部分の間に取りつけられている。
一方ポンプ部14は、ステータ17が発生させた磁界により回転駆動され永久磁石等からなる円筒形状の露出型マグネットロータ20と、その露出型マグネットロータ20と一体に形成され表面に取りつけられた複数の羽根21により浴槽水2を吸排するPPS等のプラスチック等からなる同じく円筒形状の羽根車22と、露出型マグネットロータ20及び羽根車22を回転自在に支持するステンレス等の金属からなる円柱形状の軸23と、その軸23を固定するためのセラミック等からなる中空円板形状の軸受板24とから構成されている。
露出型マグネットロータ20は仕切板16がモータケース11側に張り出した部分であって、仕切板16を介してステータ17と対向するように配置されている。
露出型マグネットロータ20の右側には、露出型マグネットロータ20と一体に形成され表面に複数の羽根21を設けた羽根車22が取りつけられていて、露出型マグネットロータ20と羽根車22の中心部には露出型マグネットロータ20と羽根車22を回転自在に支持するための軸23が設置されている。
また軸23の両側には軸23を固定するための軸受板24が取りつけられている。
さらにポンプケース15内は、下部に浴槽水2の吸入口12が取りつけられた吸入室25が設けられていて、上部に浴槽水2の吐出口13が取りつけられた吐出室26が配置されている。
以上の構成において、本実施例2におけるポンプ及びそのポンプを備えた浴槽水循環装置の構成部品である露出型マグネットロータの製造方法について図3及び図5、図6を用いて説明する。
図3において、40は固定側金型、41は可動側金型であり、可動側金型41には焼結法により筒状に形成或いはポリフェニレンサルファイド(PPS)やナイロン(PA)といった樹脂をバインダーとして強磁性材を筒上に射出成形したプラスチックマグネット等の永久磁石42を挿入する凹部43を設け、その凹部43は、挿入された永久磁石42の外周面42aに樹脂が充填されることのない位の隙間(0.01〜0.02mm)とその内周面42b側の内周空間部44とからなり、内周空間部44の底面中央部に軸受45を挿入するボス部46を設けるとともに、永久磁石42を挿入した際にそのガタツキを小さくするためにガイド46を設けてある。また、可動側金型41には、永久磁石42の外周面42aの両端面よりも2〜3mm狭い範囲で1〜1.5mmの外周空間部47が設けてある。
図3及び図5に示すように、外周空間部47は永久磁石42の外周面42aに対し、1〜3mm程度の空間を持たない部分を2箇所有する半月板状の2つの空間部で構成されている。さらにこれら2つの外周空間部47a、47bは、夫々可動側金型41の上端面まで達する幅1〜1.5mmの空間部48a、48bと連通しており、当該空間部48a、48bは、可動側金型41の上端面で固定側金型40に設けられた夫々に合成樹脂を射出する多点ゲート49a、49bと繋がっている。
つぎに、当該露出型マグネットロータ20のインサート成形について説明する。
まず、焼成カーボン或いはモールドカーボンからなる軸受45と永久磁石42とを可動側金型41の凹部43の所定の位置にインサートする。永久磁石42は強磁性材の粉体を筒状に圧縮成形して焼結、或いはポリフェニレンサルファイド(PPS)やナイロン(PA)といった樹脂をバインダーとして強磁性材を筒上に射出成形したプラスチックマグネットであり、筒体の厚みが5〜10mm程度の薄厚であり、周知の方法により着磁したものである。
つぎに、固定側金型40に可動側金型41を合着して型締めし、合成樹脂射出口52、ランナー空間部51、多点ゲート49a、49b、49cから空間50、内周空間部44、空間部48a、48b外周空間部47a、47bに合成樹脂の射出を同時に開始する。
図3及び図6に示すように、充填された合成樹脂が硬化したのち、可動側金型41の下部からノックピン(図示しない)を突き上げることにより、永久磁石42と軸受45とその両者永久磁石42及び45を結合する硬化樹脂の支持部材53及び支持部材53と一体に形成された羽根車22、さらに外周空間部47a、47b、空間部48a、48bに充填された2つの硬化樹脂リブ54a、54bが金型より取り出される。
この際、永久磁石42と軸受45とその両者永久磁石42及び45を結合する硬化樹脂の支持部材52及び支持部材52と一体に形成された羽根車22からなる露出型マグネットロータ20とともに取り出された硬化樹脂リブ54a、54bは、永久磁石42の外周面42aに密着しているが、露出型マグネットロータ20本体の何れにも連通しない2つの独立したリブとなっているため、金型に刃部等の特別な装備を載備する必要がなく簡単に手作業により不要な当該硬化樹脂リブ54a、54bを除去することができる。
以上の構成において、本実施例2におけるポンプ及びそのポンプを備えた浴槽水循環装置の動作を図1から図3を用いて説明する。
ポンプ3において制御部18により制御されたステータ17が磁界を発生させると、その磁界により露出型マグネットロータ20が回転駆動される。
露出型マグネットロータ20が回転駆動されると、露出型マグネットロータ20と一体に形成された羽根車22が同じく回転駆動されることでポンプ3が駆動される。
ポンプ3が駆動されると、浴槽水2は浴槽1の下部側面に取りつけられた流出口5より循環往路6に流入し、循環往路6を流れてポンプ3の下部側面に設置された吸入口12よりポンプ3内の吸入室25に吸入される。
吸入室25に吸入された浴槽水2は、回転する羽根車22の表面に形成された複数の羽根21により吐出室26に圧送され、ポンプ3の上部に配置された吐出口13よりポンプ3外へ吐出される。
吐出された浴槽水2は、吐出口13に接続された循環往路6を通って、ガスや電気または灯油等を用いた加熱部4に導入され所定の温度まで加熱された後、その加熱部4に接続された循環復路7を流れて、浴槽1の側面の流出口5の上側に取りつけられた流入口8より浴槽1内へ流入する。
このように浴槽水2をポンプ3を用いることにより循環し、加熱部4において所定の温度まで加熱することで、浴槽1内の浴槽水2を所定の温度まで加熱し、かつ加熱後も浴槽水2の循環を継続することで浴槽水2の温度を常時所定温度に保つことが可能になる。
以上のように、本実施例2によれば、ポンプ3を構成する露出型マグネットロータ20の製造方法において、可動側金型41にインサートされる永久磁石42の外周面42aの両端面よりも2〜3mm狭い範囲で1〜1.5mmの外周空間部47を設け、当該外周空間部47は永久磁石42の外周面42aに対し、1〜3mm程度の空間を持たない部分を2箇所有する半月板状の2つの外周空間部を配した金型で成形することで金型に刃部等の特別な装備を載備する必要がない低コストで、製造能率の高い露出型マグネットロータを提供することが可能であり、当該露出型マグネットロータを使用することで、利便性の高い低コストのポンプを提供することができる。
そして本実施例においては、液体供給装置の一実施例として浴槽水循環装置を示しているが、例えば井戸ポンプ装置や給湯装置または排水供給装置等、どのような液体供給装置であっても良い。
本発明のポンプは、例えば燃料電池装置やヒートポンプ装置等に使用される様々なポンプへの応用が期待できる。
実施例1、2に示す浴槽水の循環装置の全体概要図 実施例1及び2に示すポンプの断面図 実施例1及び2に示す磁性ロータの製造方法の成形工程の説明図 実施例1及び2に示す磁性ロータの成形用固定側金型の簡易分解斜視図 実施例2に示す磁性ロータの成形用可動側金型の簡易断面図 実施例2に示す磁性ロータの簡易分解斜視図
符号の説明
1 浴槽
2 浴槽水
3 ポンプ
4 加熱部
5 流出口
6 循環往路
7 循環復路
8 流入口
9 本体
10 モータ部
11 モータケース
12 吸入口
13 吐出口
14 ポンプ部
15 ポンプケース
16 仕切板
17 ステータ
18 制御部
19 不飽和ポリエステル
20 露出型マグネットロータ
21 複数の羽根
22 羽根車
23 軸
24 軸受板
25 吸入室
26 吐出室
40 固定側金型
41 可動側金型
42 永久磁石
42a 外周面
42b 内周面
43 凹部
44 内周空間部
45 軸受
46 ガイド
47 外周空間部
47a 外周空間部
47b 外周空間部
48a 空間部
48b 空間部
49a 多点ゲート
49b 多点ゲート
49c 多点ゲート
50 空間
51 ランナー空間部
51a ランナー空間部
51b ランナー空間部
52 合成樹脂射出口
53 支持部材
54a 硬化樹脂リブ
54b 硬化樹脂リブ

Claims (6)

  1. 磁界を発生させるステータと、磁石を備えてステータが発生させた磁界により駆動されるロータとを有し、前記ロータを形成するために前記磁石を配置し樹脂が注入された金型の内側面部と対向する磁石の外側面部の間隙を狭い所定の長さに設定し金型の内底面部と対向する磁石の外底面部を密着するようにし、前記磁石の外側面部の間隙により前記注入された合成樹脂が充填される外周空間部が構成され、この外周空間部への合成樹脂充填が終了した後遅れて前記磁石の内周面側の内周空間部への合成樹脂の充填が完了することを特徴とするポンプ用ロータの製造方法。
  2. 前記空間部は少なくとも2つに分割され、分割された各々の空間部に所定の幅と所定の長さをもつ突起を設け、前記分割された空間の断面が弧状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ用ロータの製造方法。
  3. 前記突起の上部と前記磁石の内側面より内側の上部に、樹脂を注入するための所定の径をもった注入口を複数備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ用ロータの製造方法。
  4. 前記注入口に接続され注入される樹脂を注入口に移送するための樹脂注入路を備え、前記突起の上部に設けられた注入口に接続された樹脂注入口の径より前記磁石の内側面より内側の上部に設けられた注入口に接続された樹脂注入口の径を小さくしたことを特徴とする請求項3に記載のポンプ用ロータの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポンプ用ロータの製造方法により製造されたことを特徴とするポンプ。
  6. 請求項5に記載のポンプを備えたことを特徴とする液体供給装置。
JP2005026080A 2005-02-02 2005-02-02 ポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置 Active JP4770189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005026080A JP4770189B2 (ja) 2005-02-02 2005-02-02 ポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005026080A JP4770189B2 (ja) 2005-02-02 2005-02-02 ポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006214306A JP2006214306A (ja) 2006-08-17
JP4770189B2 true JP4770189B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=36977740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005026080A Active JP4770189B2 (ja) 2005-02-02 2005-02-02 ポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4770189B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5303191B2 (ja) * 2008-06-02 2013-10-02 日本電産サンキョー株式会社 モータ装置およびその製造方法
JP6016911B2 (ja) 2012-06-19 2016-10-26 三菱電機株式会社 電動機の回転子、電動機、ポンプ及び冷凍サイクル装置
JP6608224B2 (ja) * 2014-12-26 2019-11-20 Ntn株式会社 摺動部材の製造方法
JP6474271B2 (ja) * 2015-02-12 2019-02-27 株式会社ミツバ アクチュエータ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53136610A (en) * 1977-05-04 1978-11-29 Omron Tateisi Electronics Co Preparing magnetic rotor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006214306A (ja) 2006-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4770189B2 (ja) ポンプ用ロータの製造方法及びポンプ、該ポンプを備えた液体供給装置
CN101300728B (zh) 转子的制造方法
JP4739857B2 (ja) キャンドモータ用樹脂製キャン及びその製造方法、射出成形金型、キャンドモータ、キャンドモータポンプ
US11171527B2 (en) Electric drive motor having permanent magnets pushed radially outwardly by a tensioning device
CN107923389A (zh) 电动泵及其制造方法
JP2008075462A (ja) ポンプ
KR20130091962A (ko) 전동송풍기용 임펠러
JP2005524553A5 (ja)
US20060275526A1 (en) Method for producing molding shells
JP2018167580A (ja) 樹脂成形用金型装置および樹脂成形方法
JP2006205546A (ja) Rtm成形の脱型装置
CA2984054A1 (en) Resin injection apparatus and method of manufacturing core product
CN100587272C (zh) 一种燃料泵和用于模制燃料泵的设备和方法
CN108819107A (zh) 一种电机转子二次注塑成型模具及其成型工艺
JP5005478B2 (ja) 射出成形機
KR20200019494A (ko) 보강구조를 갖는 펌프용 에프알피 임펠러 및 그 제조방법
KR102200641B1 (ko) 인서트 정위치 형성을 위한 다이캐스트 주물 제조방법
CN210651660U (zh) 一种一体式封闭叶轮的注塑模具
KR100805337B1 (ko) 고무류 제품 제조용 crb 금형의 가류시간 단축 구조
KR101480678B1 (ko) 펌프 임펠라용 사출 금형 구조체
CN219827234U (zh) 提高进水压力的叶轮、转子组件及应用其的水泵
KR102642122B1 (ko) 전동 펌프
KR20080107879A (ko) 사출 성형 장치
KR101020085B1 (ko) 복수의 핸드폰 디스플레이 윈도우의 동시 사출성형이가능한 금형
CN219883179U (zh) 一种风机风叶成型结构

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070322

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070322

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100921

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110606

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4770189

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3