JP4768283B2 - 再送制御方法、無線通信システム、基地局および移動局 - Google Patents

再送制御方法、無線通信システム、基地局および移動局 Download PDF

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Description

本発明は、特に自動再送要求が適用される再送制御方法、無線通信システム、基地局および移動局に関する。
誤り制御技術の一つとして自動再送要求(Automatic Repeat Request:ARQ、以下ARQという)がある。このARQは、送信側と受信側とを双方向の伝送路によって結び、まず送信側が情報ビットに誤り検出符号化を施して生成した符号語を含むパケットを受信側に送り、受信側において誤りの検出を行う。受信側は、受信データに誤りが検出されない場合には正しく受信した旨の受信確認信号(Positive Acknowledgment:ACK、以下ACKと称することがある)を送信側に返送し、受信データに誤りが検出された場合には再送要求信号(Negative Acknowledgment:NACK、以下NACKと称することがある)を送信側に返送する。送信側は、NACKを受け取ると同一のパケットを再送する。送信側は、ACKを受け取るまで同一のパケットの再送を繰り返す。このARQにより、高品質なデータ伝送を実現することができる。
このARQによる誤り制御の途中でハンドオーバが発生した場合、ハンドオーバ元において再送すべきパケットは破棄され、それと同一のパケットはハンドオーバ先において送信され、スループットが減少する問題がある。
この問題に鑑み、特許文献1においてはハンドオーバの可能性を考慮して、ハンドオーバの可能性があれば再送を行うプロセス数を制限し、再送パケットを少なくすることによってハンドオーバ時における再送パケットの「破棄および再送」によるスループットの低下を防ぐ通信システムなどが提案されている。
特開2004−80640号公報
しかしながら、上記従来の通信システムにおいては、ある程度スループットを向上できるものの、「ハンドオーバの可能性」という不安定な要素を用いて制御を行うので、再送データの「破棄および再送」による無駄を確実に無くすことができない。そのため、十分に効率的な通信が実現されているとは言い難い。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、さらに効率的な通信を可能とする再送制御方法、無線通信システム、基地局および移動局を提供することを目的とする。
本発明の再送制御方法は、送信パケットの再送が完了するまでの所要時間を取得し、前記所要時間に基づいて、前記送信パケットの再送とハンドオーバとの実行順序を変更するようにした。
本発明によれば、さらに効率的な通信を可能とする再送制御方法、無線通信システム、基地局および移動局を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
各実施の形態は、自動再送制御(ARQ)が適用される通信システムにおける、「システム間ハンドオーバ」に関するものである。そして、実施の形態において、「システム間ハンドオーバ」は、例えば、無線アクセス方式が互いに異なるシステム間ハンドオーバ、カバーするセルが異なる基地局間のハンドオーバ、および同一セル内のセクタ間ハンドオーバを含む。本明細書では、同一セル内のセクタ間ハンドオーバを説明に用いるが、これに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に示すように、実施の形態1の基地局100は、RF受信部111と、復調部112と、誤り訂正復号部113と、分離部114と、誤り訂正符号化部115と、変調部116と、RF送信部117と、RF受信部121と、復調部122と、誤り訂正復号部123と、分離部124と、誤り訂正符号化部125と、変調部126と、RF送信部127と、制御部130と、パケット生成部140とを有する。そして、制御部130は、しきい値判定処理部131と、パケット送信制御部132と、ハンドオーバ制御部133とを有する。
これら構成要素は、RF受信部111と、復調部112と、誤り訂正復号部113と、分離部114と、誤り訂正符号化部115と、変調部116と、RF送信部117とを具備するシステム1と、RF受信部121と、復調部122と、誤り訂正復号部123と、分離部124と、誤り訂正符号化部125と、変調部126と、RF送信部127とを具備するシステム2とに分けることができる。そして制御部130およびパケット生成部140は、システム1およびシステム2により共用されている。このシステム1とシステム2とは、カバーするセクタが互いに異なっている。なお、ここでは説明を簡単にするためシステムが2つの場合について説明を行うがそれ以上であってもよい。
システム1で受信した受信信号は、RF受信部111、復調部112、誤り訂正復号部113にて所定の処理が施され、分離部114に送出される。
分離部114は、誤り訂正処理後の受信信号に含まれる各種情報を分離して、出力すべき機能部に振り分ける。
誤り訂正符号化部115は、後述する制御部130およびパケット生成部140からの出力情報に誤り訂正符号処理を施す。この誤り訂正符号処理後の信号は、変調部116およびRF送信部117にて所定の処理が施され、アンテナを介して送信される。なお、システム2は、システム1と基本的に同じ構成から成っている。
制御部130は、分離部114からのACK/NACK情報およびハンドオーバ要求情報を入力し、再送処理が完了するまでに要する時間と対応する指標(「再送完了所要時間指標」)として利用可能な「所定の再送回数に関する情報」を用いてしきい値判定を行い、この判定結果に応じて再送処理と、ハンドオーバ処理との実行順序を制御する。
この制御部130において、NACKを示すACK/NACK情報(以下、単に「NACK」と呼ぶことがある)が入力すると、しきい値判定処理部131は、「所定の再送回数に関する情報」としてシステムにより予め設定されている最大再送回数で正規化された再送回数、すなわち入力されたACK/NACK情報と対応するパケットの再送回数を最大再送回数で除算した値を求める。そして、この求めた値と、所定のしきい値とを比較して比較結果情報を生成する。
パケット送信制御部132は、パケット生成部140に対してパケット出力命令信号を出力し、パケット生成部140が有するメモリに保持されているパケット出力命令信号に対応するパケット(新規送信パケットおよび再送パケット)の出力を制御する。なお、再送パケットについてのパケット出力命令信号は、再送要求としてのNACKをパケット送信制御部132が受け取ると出力される。
ハンドオーバ制御部133は、ハンドオーバ要求情報に応じてパケット送出先情報をパケット生成部140に対して送出し、パケット生成部140からの出力パケットの送出先をシステム1およびシステム2の間で切り換える、すなわちハンドオーバの制御を行う。そして、ハンドオーバを行う際には、ハンドオーバを行う旨(ハンドオーバ先システムの識別情報を含む)をパケットの受信側に報告するハンドオーバ報告情報をハンドオーバ前(元)のシステムに対して送出する。
詳細には、制御部130においてハンドオーバ要求情報を入力すると、ハンドオーバ制御部133およびパケット送信制御部132が協働して、しきい値判定処理部131にて生成された比較結果情報に応じて再送処理と、ハンドオーバ処理との実行順序を制御する。具体的には、比較結果情報が所定のしきい値より再送回数を最大再送回数で除算した値が大きいことを示すときには、再送処理を先に、ハンドオーバを後に実行する。すなわち再送処理が完了するまでに余り時間が掛からないと推測されるときには、ハンドオーバ前(ハンドオーバ元)のシステムにて再送処理を完了する。なお、再送処理の完了は、再送パケットの受信側からACKを示すACK/NACK情報(以下、単に「ACK」と呼ぶことがある)が返ってくることにより確認できる。
一方、比較結果情報が再送回数を最大再送回数で除算した値が所定のしきい値以下であることを示すときには、ハンドオーバを先に、再送処理を後に実行する。すなわち再送処理が完了するまでに時間が相当掛かると推測されるときには、ハンドオーバ後(ハンドオーバ先)のシステムにて再送処理を行う。ここで説明した制御部130における処理を「しきい値判定処理」と呼ぶ。
パケット生成部140は、入力される送信データからパケットを生成しメモリに保持する。そして、パケット生成部140は、制御部130からのパケット出力命令信号に対応するパケットをパケット送出先情報に対応するシステムに対して送出する。
図2に示すように実施の形態1の移動局200は、RF受信部201と、復調部202と、誤り訂正復号部203と、分離部204と、無線品質測定部205と、ハンドオーバ要求制御部206と、誤り検出部207と、ACK/NACK情報生成部208と、多重部209と、誤り訂正符号化部210と、変調部211と、RF送信部212とを有する。
移動局200は、基地局100から送信された信号を受信し、RF受信部201、復調部202、誤り訂正復号部203にて所定の処理を施す。このとき各構成要素においては、分離部204から入力されるハンドオーバ報告情報に基づいて、現在通信相手としているハンドオーバ元システムに対応する設定状態からハンドオーバ先システムに対応する設定状態に切り換えられる。
分離部204は、誤り訂正処理後の受信信号に含まれる各種情報を分離して、出力すべき機能部に振り分ける。具体的には、ハンドオーバ報告情報は、RF受信部201、復調部202および誤り訂正復号部203に出力される。
また、無線品質測定部205は、復調部202からの出力信号を用いて、基地局100の各システムとの間の無線品質を測定する。無線品質の測定に用いられる信号としては、例えば、基地局100の各システムから送信されるパイロット信号を用いることができる。
ハンドオーバ要求制御部206は、無線品質測定部205にて測定された無線品質情報を比較して、ハンドオーバ元システムよりハンドオーバ先システムとの間の無線品質がよい場合には、ハンドオーバ要求情報を生成し多重部209に出力する。
誤り検出部207は、分離部204から受け取る受信データについて誤り検出処理を行い、誤り検出結果をACK/NACK情報生成部208に出力する。
ACK/NACK情報生成部208は、誤り検出結果に応じて、ACK又はNACKを生成し、多重部209に出力する。
多重部209は、ハンドオーバ要求情報およびACK/NACK情報を入力し、誤り訂正符号化部210に出力する。
多重部209からの出力信号は、誤り訂正符号化部210、変調部211、およびRF送信部212にて所定の処理が施され、アンテナを介して基地局100に送信される。
次いで、上記構成を持つ基地局100および移動局200を具備する無線通信システムの動作について図3を参照して説明する。ここでは、システム1からシステム2へ「システム間ハンドオーバ」する場合について説明する。
ステップST1001およびステップST1002において基地局100のシステム1が移動局200に対するパケット送信処理を行う。
ステップST1003において、移動局200はパケットの受信処理を行う。このとき誤り検出部207において当該パケットに誤りが検出されたとする。
そうするとステップST1004において、移動局200はACK/NACK情報生成部208にてNACKを生成し、基地局100に対して送信する。
また、ステップST1005において、移動局200は基地局100の各システムから送信されるパイロット信号を用いて無線品質を測定する。ただし、この無線品質測定は常時行われているものである。また、ここではシステム1の受信品質がシステム2の受信品質より良かったためハンドオーバ要求制御部206において要求しないと判断されたとする。
ステップST1006およびステップST1007において、NACKを受信した基地局100のシステム1は、ハンドオーバ要求信号を受け取っていない状態であるため、NACKに応じてパケットの再送処理を行う。
ステップST1008において、移動局200は再送パケットの受信処理を行う。ここでもまたパケットに誤りが検出されたとする。
ステップST1009において、移動局200は再度NACKを基地局100に対して送信する。
ステップST1010における受信品質の測定の結果システム1よりもシステム2の方がよかったとすると、移動局200はステップST1011においてハンドオーバ要求情報を基地局100のシステム1に対して送信する。
ステップST1012において、基地局100は、ハンドオーバ要求情報を受け取ると、上述の「しきい値判定処理」を行う。ここでは、所定のしきい値より再送回数を最大再送回数で除算した値が大きく、再送処理が完了するまでに余り時間が掛からないと推測されたとする。そのため、ハンドオーバ前(ハンドオーバ元)のシステムにて再送処理を完了することとなる。なお、再送回数を最大再送回数で除算した値が所定のしきい値以下であることを示す場合については図4を用いて後述する。
ステップST1013およびステップST1014において、基地局100は、ハンドオーバ元のシステム1にてパケットの再送処理を行う。
ステップST1015において、移動局200は再送パケットの受信処理を行う。このとき、パケットに誤りが検出されなかったとする。
そうするとステップST1016において、移動局200は受信が成功したことを知らせるためにACKを基地局100に送信する。
基地局100は移動局200からACKを受け取ると再送処理が完了したことを知ることができる。
そして、基地局100は移動局200に対してハンドオーバ報告情報を送信(ステップST1017)するとともに、システム2へのハンドオーバ処理を行う。
そして、ハンドオーバ後においては、新たなパケットについて送信処理を行う(ステップST1018、ステップST1019)。
ステップST1020において、移動局200はそのパケットの受信処理を行う。
ステップST1021において、移動局200は、受信したパケットに誤りを検出しなかったため、ACKを基地局100に対して送信する。なお、再送回数が最大再送回数に達している場合、すなわち再送回数を最大再送回数で除算した値が1の場合には、ハンドオーバを実行し、ハンドオーバ先システムで再送を実行するようにしてもよい。
図4に示すように、ステップST1012の「しきい値判定処理」において再送回数を最大再送回数で除算した値が所定のしきい値以下であることを示す場合には、基地局100は、再送処理を行う前に、移動局200に対してハンドオーバ報告情報を送信(ステップST1101)するとともに、システム2へのハンドオーバ処理を行う。
そして、ステップST1102およびステップST1103において、基地局100のシステム2は、ハンドオーバ前にシステム1にて移動局200に対して正しく送信できなかったパケットについての送信処理(これはハンドオーバ前も考慮すると再送処理に等しい)を行う。
ステップST1104において、移動局200はそのパケットの受信処理を行う。
ステップST1105において、移動局200は、受信したパケットに誤りを検出しなかったため、ACKを基地局100に対して送信する。
なお、上記説明においては、「再送完了所要時間指標」として再送回数を最大再送回数で除算した値を利用する場合について説明を行ったが、これに限定されるものではなく、再送回数そのものを用いてもよい。また、MCS(Modulation Coding Scheme)、CQI(Channel Quality Indicator)又は受信品質など毎にパケットが正しく送信されるまでの「平均再送回数」を求め、現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を「再送完了所要時間指標」として用いてもよい。
またなお、上記説明においては、セクタ間ハンドオーバを例に説明を行ったが、上述のとおり基地局間ハンドオーバにも上記制御は適用可能である。このときには、上記説明における基地局100は、2つの基地局および基地局制御装置から構成される。そして、例えば、上記システム1は一の基地局に、システム2はもう一方の基地局に搭載され、制御部は基地局制御装置に搭載される。
またなお、上記説明においては、下りのパケット通信を例に再送制御の説明を行ったが、当該再送制御は上りについても適用可能である。
このように実施の形態1によれば、基地局100および移動局200から構成される通信システムにおいて、送信パケットの再送が完了するまでの所要時間を取得し、当該所要時間に基づいて、送信パケットの再送とハンドオーバとの実行順序を変更する再送制御を行う。
そして、その実行順序の変更は、所要時間が所定のしきい値以上であるときにはハンドオーバ元システムにおいて送信パケットの再送を完了してその後ハンドオーバを実行し、所要時間が所定のしきい値未満であるときにはハンドオーバ先システムにおいて送信パケットの再送を実行する再送制御を行う。
こうすることにより、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信が可能になる。
また実施の形態1によれば、基地局100に、移動局200からの再送要求に基づいて送信パケットの再送を制御するパケット送信制御部132と、移動局200からのハンドオーバ要求に基づいてシステム間のハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部133とを設け、送信パケットの再送が完了するまでの所要時間に基づいて、送信パケットの再送とハンドオーバとの実行順序を変更するようにした。
こうすることにより、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信を可能とする基地局を実現することができる。
また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として再送回数を利用することにより、判定処理を簡単化することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として最大再送回数で正規化された再送回数を用いることにより、異なる最大再送回数が設定された通信が混在している場合にも再送処理の進行度合いを画一化した方法で把握することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を用いることにより、再送処理の進行度合いをより正確に把握することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1においては基地局100がパケットの再送処理とハンドオーバ処理との実行順序変更制御を行っているが、実施の形態2においては移動局がハンドオーバ要求の送信と再送要求の送信との実行順序を制御することにより再送処理とハンドオーバ処理との実行順序変更制御を行う。
図5に示すように基地局300は、制御部310を有する。この制御部310は、パケット送信制御部311と、ハンドオーバ制御部312とを有する。
パケット送信制御部311は、パケット生成部140に対してパケット出力命令信号を出力し、パケット生成部140が有するメモリに保持されているパケット出力命令信号に対応するパケット(新規送信パケットおよび再送パケット)の出力を制御する。なお、再送パケットについてのパケット出力命令信号は、再送要求としてのNACKをパケット送信制御部311が受け取ると出力される。
ハンドオーバ制御部312は、ハンドオーバ要求情報に応じてパケット送出先情報をパケット生成部140に対して送出し、パケット生成部140からの出力パケットの送出先をシステム1およびシステム2の間で切り換える、すなわちハンドオーバの制御を行う。そして、ハンドオーバを行う際には、ハンドオーバを行う旨(ハンドオーバ先システムの識別情報を含む)をパケットの受信側に報告するハンドオーバ報告情報をハンドオーバ前(元)のシステムに対して送出する。
図6に示すように移動局400は、しきい値判定処理部402およびハンドオーバ要求制御部403を有する制御部401と、ACK/NACK情報生成部404とを備える。
しきい値判定処理部402は、誤り検出部207における誤り検出の結果、基地局300から送信されたパケットに誤りがある場合には、「所定の再送回数に関する情報」としてシステムにより予め設定されている最大再送回数で正規化された再送回数、すなわち誤り検出部207にて誤りが検出されたパケットの再送回数を最大再送回数で除算した値を求める。そして、この求めた値と、所定のしきい値とを比較して比較結果情報を生成しハンドオーバ要求制御部403に出力する。すなわち、受信したパケットに誤りがあり再送要求を行う必要があるときに、「所定の再送回数に関する情報」がハンドオーバ要求制御部403に入力される。
ハンドオーバ要求制御部403は、無線品質測定部205にて測定された無線品質情報を比較して、ハンドオーバ元システムよりハンドオーバ先システムとの間の無線品質がよい場合(ハンドオーバの必要性がある場合)には、ハンドオーバ要求情報を生成する。そして、ハンドオーバ要求制御部403は、ハンドオーバ要求情報の出力と、ACK/NACK情報生成部404からのNACKの出力すなわち再送要求の出力の順序を制御する。
具体的には、ハンドオーバ要求制御部403は、しきい値判定処理部402の出力情報の示す値が所定のしきい値以上であり、かつ、ハンドオーバの必要性があり生成したハンドオーバ要求情報を保持している場合には、ACK/NACK情報生成部404に対して再送要求としてのNACKを送出することを命じる再送要求出力命令信号を出力する。そして、その再送要求に応じて基地局300から送信されるパケットを正しく受信できたときに、ハンドオーバ要求制御部403は、ハンドオーバ要求情報を多重部209に出力する。なお、最大要求回数に達した場合にも、ハンドオーバ要求制御部403は、ハンドオーバ要求情報を多重部209に出力する。
また、ハンドオーバ要求制御部403は、しきい値判定処理部402の出力情報の示す値が所定のしきい値未満であり、かつ、ハンドオーバの必要性があり生成したハンドオーバ要求情報を保持している場合には、ハンドオーバ要求情報を多重部209に出力する。
すなわち、ハンドオーバ要求制御部403は、再送処理が完了するまでに余り時間が掛からないと推測されるときには、ハンドオーバ要求情報を基地局300に送信する前に再送処理を完了させる制御を行う。一方、ハンドオーバ要求制御部403は、再送処理が完了するまでに時間が相当掛かると推測されるときには、ハンドオーバ要求情報をまず送信しハンドオーバ処理を実行する制御を行う。
次いで、上記構成を持つ基地局300および移動局400を具備する無線通信システムの動作について図7を参照して説明する。ここでは、システム1からシステム2へ「システム間ハンドオーバ」する場合について説明する。
ステップST1201およびステップST1202において基地局300のシステム1が移動局400に対するパケット送信処理を行う。
ステップST1203において、移動局400はパケットの受信処理を行う。このとき誤り検出部207において当該パケットに誤りが検出されたとする。
ステップST1204において、移動局400はしきい値判定処理を行う。
ステップST1205において、移動局400は基地局300の各システムから送信されるパイロット信号を用いて無線品質を測定する。ただし、この無線品質測定は常時行われているものである。また、ここではシステム1の受信品質がシステム2の受信品質より良かったためハンドオーバ要求制御部403において要求しないと判断されたとする。
そして、このときハンドオーバをする必要性がないのでしきい値判定処理の結果に拘わらず、ステップST1206において移動局400はNACKを基地局300に対して送信する。
ステップST1207およびステップST1208において、基地局300のシステム1はNACKに応じてパケットの再送処理を行う。
ステップST1209において、移動局400はパケットの受信処理を行う。このとき誤り検出部207において当該パケットに誤りが検出されたとする。
ステップST1210において、移動局400はしきい値判定処理を行う。そして、このときは所定のしきい値より再送回数を最大再送回数で除算した値が大きく、再送処理が完了するまでに余り時間が掛からないと推測されたとする。なお、再送回数を最大再送回数で除算した値が所定のしきい値以下であることを示す場合については図8を用いて後述する。
ステップST1211において、移動局400は基地局300の各システムから送信されるパイロット信号を用いて無線品質を測定する。ただし、このときはシステム2の受信品質がシステム1の受信品質より良かったためハンドオーバ要求制御部403において要求すると判断されたとする。
そして、このときハンドオーバをする必要性があり、かつ、しきい値判定処理部402の出力情報の示す値が所定のしきい値以上であるので、移動局400はハンドオーバ要求情報を出力せずにNACKを基地局300のシステム1に対して送信する(ステップST1212)。
ステップST1213およびステップST1214において、基地局300はシステム1にてパケットの再送処理を行う。
ステップST1215において、移動局400は再送パケットの受信処理を行う。このとき、パケットに誤りが検出されなかったとする。
そうするとステップST1216において、移動局400は受信が成功したことを知らせるためにACKを基地局300に送信する。
さらにステップST1217において、ステップST1211においてハンドオーバ要求情報が生成されているため、そのハンドオーバ要求情報を基地局300のシステム1に対して送信する。
基地局300は移動局400に対してハンドオーバ報告情報を送信(ステップST1218)するとともに、システム2へのハンドオーバ処理を行う。
そして、ハンドオーバ後においては、新たなパケットについて送信処理を行う(ステップST1219、ステップST1220)。なお、再送回数が最大再送回数に達している場合、すなわち再送回数を最大再送回数で除算した値が1の場合には、ハンドオーバを実行し、ハンドオーバ先システムで再送を実行するようにしてもよい。
図8に示すように、ステップST1210の「しきい値判定処理」において再送回数を最大再送回数で除算した値が所定のしきい値以下であることを示す場合には、基地局300は、再送処理を行う前に、移動局400に対してハンドオーバ要求情報を送信する(ステップST1301)。
ハンドオーバ要求情報を受け取ると、基地局300は移動局400に対してハンドオーバ報告情報を送信(ステップST1302)するとともに、システム2へのハンドオーバ処理を行う。
そして、ステップST1304およびステップST1305において、基地局300のシステム2は、ハンドオーバ前にシステム1にて移動局400に対して正しく送信できなかったパケットについての送信処理(これはハンドオーバ前も考慮すると再送処理に等しい)を行う。
ステップST1306において、移動局400はそのパケットの受信処理を行う。
なお、上記説明においては、「再送完了所要時間指標」として再送回数を最大再送回数で除算した値を利用する場合について説明を行ったが、これに限定されるものではなく、再送回数そのものを用いてもよい。また、MCS、CQI又は受信品質など毎にパケットが正しく送信されるまでの「平均再送回数」を求め、現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を「再送完了所要時間指標」として用いてもよい。
またなお、上記説明においては、下りのパケット通信を例に再送制御の説明を行ったが、当該再送制御は上りについても適用可能である。
このように実施の形態2によれば、基地局300および移動局400から構成される通信システムにおいて、送信パケットの再送が完了するまでの所要時間を取得し、当該所要時間に基づいて、送信パケットの再送とハンドオーバとの実行順序を変更する再送制御を行う。
そして、その実行順序の変更は、所要時間が所定のしきい値以上であるときにはハンドオーバ元システムにおいて送信パケットの再送を完了してその後ハンドオーバを実行し、所要時間が所定のしきい値未満であるときにはハンドオーバ先システムにおいて送信パケットの再送を実行する再送制御を行う。
こうすることにより、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信が可能になる。
また実施の形態2によれば、移動局400に、各システムとの間の無線品質を測定する無線品質測定部205と、受信したパケットの誤り検出結果に基づいて、パケットの再送要求信号を送信するACK/NACK情報生成部404と、測定した無線品質に応じて、システム間ハンドオーバの要求にかかるハンドオーバ要求信号を生成するハンドオーバ要求制御部403とを設け、送信パケットの再送が完了するまでの所要時間に基づいて、送信パケットの再送要求信号の送信とハンドオーバ要求信号の送信との実行順序を変更するようにした。
こうすることにより、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信を可能とする移動局を実現することができる。
また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として再送回数を利用することにより、判定処理を簡単化することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として最大再送回数で正規化された再送回数を用いることにより、異なる最大再送回数が設定された通信が混在している場合にも再送処理の進行度合いを画一化した方法で把握することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を用いることにより、再送処理の進行度合いより正確に把握することができる。
(実施の形態3)
上述の実施の形態1においては、再送処理が完了するまでに要する時間と対応する指標(「再送完了所要時間指標」)として利用可能な「所定の再送回数に関する情報」を用いてしきい値判定を行い、この判定結果に応じて再送処理と、ハンドオーバ処理との実行順序を制御している。これに対して実施の形態3においては、自動再送制御方式として特にH−ARQ(Hybrid-ARQ)が適用されることを前提として、「ソフトNACK」に基づいてしきい値判定を行い、この判定結果に応じて実行順序の制御を行う。ここで「ソフトNACK」とは、あとどの程度で受信が成功しそうであるかを示す指標であり、同一パケットを受信したとき(初期送信時、再送時を含む)の受信品質をすべて合成することにより求めることができる。すなわち、「ソフトNACK」は、「再送完了所要時間指標」として利用することができる。
図9に示すように基地局500は、しきい値判定処理部511を備える制御部510を有する。
制御部510において、「ソフトNACK」が入力すると、しきい値判定処理部511は、「再送完了所要時間指標」としての「ソフトNACK」と、所定のしきい値とを比較して比較結果情報を生成する。
図10に示すように移動局600は、ACK/NACK情報生成部601を有する。このACK/NACK情報生成部601は、実施の形態1の移動局200のACK/NACK情報生成部208と異なり、NACKを生成する代わりに、無線品質測定部205における測定情報を用いて「ソフトNACK」を生成する。この「ソフトNACK」としては、例えば、同一パケットを受信したとき(初期送信時、再送時を含む)の受信電力対雑音電力比を加算した「総受信電力対雑音電力比」を用いることができる。
このように実施の形態3によれば、基地局500に、移動局600からの再送要求に基づいて送信パケットの再送を制御するパケット送信制御部132と、移動局600からのハンドオーバ要求に基づいてシステム間のハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部133とを設け、送信パケットの再送が完了するまでの所要時間に基づいて、送信パケットの再送とハンドオーバとの実行順序を変更するようにした。
そして、送信パケットの再送制御方式としてH−ARQが適用され、所要時間と対応する再送完了所要時間指標としての、同一パケットに係る受信電力対雑音電力比を順次加算して得られる総受信電力対雑音電力比がしきい値以上であるときに、ハンドオーバの前に送信パケットの再送を実行するようにした。
こうすることにより、再送完了所要時間指標として総受信電力対雑音電力比を利用するので、再送処理の進行度合いをより正確に把握することができる。
本発明の再送制御方法の第1の態様は、送信パケットの再送が完了するまでの所要時間を取得し、前記所要時間に基づいて、前記送信パケットの再送とハンドオーバとの実行順序を変更するようにした。
本発明の再送制御方法の第2の態様は、前記所要時間が所定のしきい値以上であるときにはハンドオーバ元システムにおいて前記送信パケットの再送を完了してその後前記ハンドオーバを実行し、前記所要時間が所定のしきい値未満であるときにはハンドオーバ先システムにおいて前記送信パケットの再送を実行するようにした。
これらの方法によれば、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信が可能になる。
本発明の再送制御方法の第3の態様は、前記実行順序の変更は、前記所要時間と対応する再送完了所要時間指標としての、再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は平均再送回数により正規化された再送回数がしきい値以下であるときに、前記ハンドオーバの前に前記送信パケットの再送が実行されるように変更するようにした。
この方法によれば、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として再送回数を利用することにより、判定処理を簡単化することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として最大再送回数で正規化された再送回数を用いることにより、異なる最大再送回数が設定された通信が混在している場合にも再送処理の進行度合いを画一化した方法で把握することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を用いることにより、再送処理の進行度合いをより正確に把握することができる。
本発明の無線通信システムの第1の態様は、移動局と、前記移動局との間で通信を行う異なるシステムを複数有する基地局とを具備する通信システムであって、前記基地局は、前記移動局からの再送要求に基づいて送信パケットの再送を制御する送信制御手段と、前記移動局からのハンドオーバ要求に基づいて前記システム間のハンドオーバを制御するハンドオーバ制御手段とを具備し、前記送信パケットの再送が完了するまでの所要時間に基づいて、前記送信パケットの再送と前記ハンドオーバとの実行順序を変更する構成を採る。
この構成によれば、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信が可能になる。
本発明の無線通信システムの第2の態様は、前記所要時間に対応する再送完了所要時間指標としての、再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は平均再送回数により正規化された再送回数がしきい値以下であるときに、前記ハンドオーバの前に前記送信パケットの再送を実行する構成を採る。
この構成によれば、所要時間に対応する再送完了所要時間指標として再送回数を利用することにより、判定処理を簡単化することができる。また、所要時間に対応する再送完了所要時間指標として最大再送回数で正規化された再送回数を用いることにより、異なる最大再送回数が設定された通信が混在している場合にも再送処理の進行度合いを画一化した方法で把握することができる。また、所要時間に対応する再送完了所要時間指標として現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を用いることにより、再送処理の進行度合いをより正確に把握することができる。
本発明の基地局の第1の態様は、移動局との間で通信を行う異なるシステムを複数有する基地局であって、前記移動局からの再送要求に基づいて送信パケットの再送を制御する送信制御手段と、前記移動局からのハンドオーバ要求に基づいて前記システム間のハンドオーバを制御するハンドオーバ制御手段とを具備し、前記送信パケットの再送が完了するまでの所要時間に基づいて、前記送信パケットの再送と前記ハンドオーバとの実行順序を変更する構成を採る。
この構成によれば、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信が可能になる。
本発明の基地局の第2の態様は、前記所要時間と対応する再送完了所要時間指標としての、再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は平均再送回数により正規化された再送回数がしきい値以下であるときに、前記ハンドオーバの前に前記送信パケットの再送を実行する構成を採る。
この構成によれば、所要時間に対応する再送完了所要時間指標として再送回数を利用することにより、判定処理を簡単化することができる。また、所要時間に対応する再送完了所要時間指標として最大再送回数で正規化された再送回数を用いることにより、異なる最大再送回数が設定された通信が混在している場合にも再送処理の進行度合いを画一化した方法で把握することができる。また、所要時間に対応する再送完了所要時間指標として現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を用いることにより、再送処理の進行度合いをより正確に把握することができる。
本発明の基地局の第3の態様は、前記送信パケットの再送制御方式としてH−ARQが適用され、前記所要時間と対応する再送完了所要時間指標としての、同一パケットに係る受信電力対雑音電力比を順次加算して得られる総受信電力対雑音電力比がしきい値以下であるときに、前記ハンドオーバの前に前記送信パケットの再送を実行する構成を採る。
この構成によれば、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として総受信電力対雑音電力比を利用するので、再送処理の進行度合いをより正確に把握することができる。
本発明の移動局の第1の態様は、複数のシステムと通信可能な移動局であって、各システムとの間の無線品質を測定する無線品質測定手段と、受信したパケットの誤り検出結果に基づいて、前記パケットの再送要求信号を送信する送信手段と、前記無線品質に応じて、前記システム間ハンドオーバの要求にかかるハンドオーバ要求信号を生成する信号生成手段とを具備し、前記送信パケットの再送が完了するまでの所要時間に基づいて、前記送信パケットの再送要求信号の送信と前記ハンドオーバ要求信号の送信との実行順序を変更する構成を採る。
この構成によれば、後少しで再送が完了すると推測される場合は、ハンドオーバ元システムで再送をやりきることでそれまでの送信・再送処理に用いられた通信リソースを無駄にせずにすみ、再送がしばらく続きそうだと推測される場合は、それまでの送信・再送による通信リソースは無駄になるがハンドオーバ先システムにてより最適なMCSを割り当てるなどして送信しなおすことができるので、効率の良い通信が可能になる。
本発明の移動局の第2の態様は、前記所要時間に対応する再送完了所要時間指標としての、再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は平均再送回数により正規化された再送回数がしきい値以下であるときに、前記ハンドオーバ要求信号の送信の前に前記送信パケットの再送要求信号の送信を実行する構成を採る。
この構成によれば、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として再送回数を利用することにより、判定処理を簡単化することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として最大再送回数で正規化された再送回数を用いることにより、異なる最大再送回数が設定された通信が混在している場合にも再送処理の進行度合いを画一化した方法で把握することができる。また、所要時間と対応する再送完了所要時間指標として現在のMCS、CQI又は受信品質に対応する「平均再送回数」で再送回数を除した値(平均再送回数により正規化された再送回数)を用いることにより、再送処理の進行度合いをより正確に把握することができる。
本発明の再送制御方法、無線通信システム、基地局および移動局は、さらに効率的な通信を可能とするものとして有用である。
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図 実施の形態1に係る移動局の構成を示すブロック図 図1の基地局および図2の移動局から構成される無線通信システムの動作の説明に供する図 図1の基地局および図2の移動局から構成される無線通信システムの動作の説明に供する他の図 実施の形態2に係る基地局の構成を示すブロック図 実施の形態2に係る移動局の構成を示すブロック図 図5の基地局および図6の移動局から構成される無線通信システムの動作の説明に供する図 図5の基地局および図6の移動局から構成される無線通信システムの動作の説明に供する他の図 実施の形態3に係る基地局の構成を示すブロック図 実施の形態3に係る移動局の構成を示すブロック図
符号の説明
100、300、500 基地局
111、121、201 RF受信部
112、122、202 復調部
113、123、203 誤り訂正復号部
114、124、204 分離部
115、125、210 誤り訂正符号化部
116、126、211 変調部
117、127、212 RF送信部
130、310、401、510 制御部
131、402、511 しきい値判定処理部
132、311 パケット送信制御部
133、312 ハンドオーバ制御部
140 パケット生成部
200、400、600 移動局
205 無線品質測定部
206、403 ハンドオーバ要求制御部
207 誤り検出部
208、404、601 ACK/NACK情報生成部
209 多重部

Claims (10)

  1. 送信データの再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は、平均再送回数により正規化された再送回数を取得し、前記再送回数が所定のしきい値以上であるときには前記送信データの再送を完了してからハンドオーバを実行し、前記再送回数が前記所定のしきい値未満であるときにはハンドオーバを実行してから前記送信データの再送を実行する再送制御方法。
  2. 前記平均再送回数は、MCS、CQI又は受信品質毎の、前記送信データが正しく受信されるまでの平均再送回数である、請求項1記載の再送制御方法。
  3. 前記最大再送回数により正規化された再送回数、又は、前記平均再送回数により正規化された再送回数が1の場合には、ハンドオーバを実行してから前記送信データの再送を実行する、請求項1又は2に記載の再送制御方法。
  4. 移動局と、前記移動局との間で通信を行う基地局とを具備する通信システムであって、
    前記基地局は、前記移動局からの再送要求に基づいて送信データの再送を制御、前記移動局からのハンドオーバ要求に基づいてハンドオーバを制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記送信データの再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は、平均再送回数により正規化された再送回数を取得し、前記再送回数が所定のしきい値以上であるときには前記送信データの再送を完了してからハンドオーバを実行し、前記再送回数が前記所定のしきい値未満であるときにはハンドオーバを実行してから前記送信データの再送を実行する、無線通信システム。
  5. 前記平均再送回数は、MCS、CQI又は受信品質毎の、前記送信データが正しく受信されるまでの平均再送回数である、請求項4記載の無線通信システム。
  6. 移動局からの再送要求に基づいて送信データの再送を制御、前記移動局からのハンドオーバ要求に基づいてハンドオーバを制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記送信データの再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は、平均再送回数により正規化された再送回数を取得し、前記再送回数が所定のしきい値以上であるときには前記送信データの再送を完了してからハンドオーバを実行し、前記再送回数が前記所定のしきい値未満であるときにはハンドオーバを実行してから前記送信データの再送を実行する、基地局。
  7. 前記平均再送回数は、MCS、CQI又は受信品質毎の、前記送信データが正しく受信されるまでの平均再送回数である、請求項6記載の基地局。
  8. 前記送信データの再送制御方式としてH−ARQが適用され、
    前記制御手段は、同一の前記送信データに係る受信電力対雑音電力比を順次加算して得られる総受信電力対雑音電力比がしきい値以上であるときには、前記送信データの再送を完了してからハンドオーバを実行し、前記総受信電力対雑音電力比が前記所定のしきい値未満であるときにハンドオーバを実行してから前記送信データの再送を実行する請求項6記載の基地局。
  9. 受信したデータの誤り検出結果に基づ前記データの再送要求信号送信と、無線品質に応じハンドオーバ要求信号の送信とを制御する制御手段を具備し、
    前記制御手段は、前記データの再送回数、最大再送回数により正規化された再送回数、又は、平均再送回数により正規化された再送回数を取得し、前記再送回数が所定のしきい値以上であるときには前記再送要求信号を送信してから前記ハンドオーバ要求信号を送信し、前記再送回数が前記所定のしきい値未満であるときには前記ハンドオーバ要求信号を送信してから前記再送要求信号を送信する、移動局。
  10. 前記平均再送回数は、MCS、CQI又は受信品質毎の、前記データが正しく受信されるまでの平均再送回数である、請求項9記載の移動局。
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