JP4766801B2 - シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、名刺等としての利用が可能であって、その製造及び使用の便を好適に両立させたシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
用紙等のシートには、切り取って利用に供されるものがある。例えば、部数の少ない名刺等はパソコンによって作成するケースが増えて来ており、パソコン上で名刺の雛形を作成した後、用紙設定を行って、プリンタ等の印刷機で1枚のシートの複数箇所に複数の名刺を印刷することができるようになって来ている。
【0003】
その際、切り取りを容易にするために、シートを、第1の基材と、この第1の基材の片面に接着層を介して剥離可能に付帯させた第2の基材とから構成し、前記第1の基材の一部に所定領域を切り取るための切り込みを形成するとともに、少なくともこの切り込み部分において第1の基材を前記第2の基材によりバックアップして、例えばA4のシートの所定領域に印刷された複数枚の名刺を、使用時に必要に応じて剥ぎ取って利用することができるようにしたものが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなシートの製造は、通常、ロール状に巻かれた第1の基材及び第2の基材を順次繰り出しながら、その間の接着、第1の基材の所定領域を画する切り込みとなるハーフカット工程、A4など所定サイズへのシートの切断といった各工程を順次実施するのが通例である。
【0005】
ところが、これらの工程は搬送ラインにおいて第1の基材や第2の基材のテンションを利用して行われるため、第1の基材及び第2の基材の接着強度が不十分であると、そのテンション等に起因して第1の基材の所定領域が切り込みに沿って不慮に第2の基材から剥離し易くなる。このような不都合は、所定領域が名刺等に対応した概略矩形状をなすものにあっては、テンションが剥離力として作用し易い搬送方向と直交する辺において多く見られる。シートをプリンタに通したときも同様である。特に、プリンタにおける搬送方向が製造ラインにおける搬送方向と直交する場合等は、矩形状をなす所定領域の四辺において剥離の問題が生じることとなる。
【0006】
これに対して、第1の基材と第2の基材との間に介在する接着層の接着強度を全般的に高くしておくことも考えられるが、単にこのような対策では、使用時において第1の基材の所定領域を第2の基材から剥離させようとする際に、第1の基材と接着層との間が剥離する前に、第1の基材の表面などが先行して剥ぎ取られる等の事態が発生し、本来名刺等として必要な所定領域部分の損傷や破損により用を足さなくなる可能性がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような知見に基づき、テンションを利用した搬送時における所定領域の剥離防止と使用時における所定領域の適正な剥離とを好適に両立させるために、矩形状をなし、長辺方向及び短辺方向のいずれにも搬送可能であるとともに、第1の基材と、この第1の基材の片面に接着層を介して剥離可能に接着した第2の基材とを具備し、前記第1の基材の一部に所定領域を切り取るためのそれぞれが長辺方向又は短辺方向のいずれかに延伸する切り込みを形成するとともに、前記第2の基材が、剥ぎ取られることにより前記所定領域の内側部分を前記第1の基材の前記片面を表出させるべく開放する開口を形成するための剥離片を有し、少なくとも前記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部において第1の基材と前記第2の基材とを接着してなるものにおいて、前記第1の基材と前記第2の基材の間の接着層による接着強度を、前記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部において、前記所定領域の内側部分の接着強度よりも相対的に高く設定したことを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、少なくとも第1の基材における前記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部が第2の基材に着実に接着した状態となるため、テンションを利用した搬送過程においてその所定領域が切り込みに沿って不慮に剥離、脱落するという不都合を有効に回避することができる。しかも、前記所定領域の内側部分の接着強度は相対的に低くしてあるため、一旦使用者が剥離し始めた後は第1の基材を第2の基材から簡単に剥ぎ取ることができ、名刺などとして利用される第1の基材の所定領域それ自体の表面が荒れたり、損傷するといった不都合を来たすことも同時に回避することができる。
【0009】
記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部の接着強度を、前記所定領域の内側部分の接着強度よりも相対的に高く設定するためには、第1の基材と接着層の間に接着層を部分的に隠蔽する保護層を設けて、この保護層の面密度の変化を利用する態様、或いは、接着層を形成する接着剤の強さの変化を利用する態様等が挙げられる。特に、これらの態様を併用すれば、接着強度をより的確に微調整することができる。
【0011】
第1の基材の所定領域の形状の一例として、概略矩形状をなすものが挙げられる。
【0014】
使用時に、剥離すべき部分を簡単に剥離できるようにするためには、前記所定領域の長辺の中央部に沿う部分の一部に、接着強度が相対的に低い低接着帯を剥離方向に沿って間欠的に複数設けていることが望ましい。
【0015】
使用時に、剥離すべきでない部分に万一剥離が生じた場合の対策としては、前記所定領域の隅部に、線状をなす低接着帯を設けておくことが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示すシートSは、第1の基材である印刷用基材1と、第2の基材であるバックアップ用基材2とを図2のように貼り合わせて構成したもので、図1は所定サイズ(例えばA4サイズ)に切断した後のものをバックアップ用基材2側からみた状態を示している。切断前のシートSは矢印X方向に沿って連なった状態にある。利用の一態様は、パソコン上で名刺の雛形を作成した後、用紙設定を行って、プリンタ等の印刷機にこのシートSを通し(この実施形態ではY方向)、1枚のシートSの複数箇所に複数の名刺を印刷して、必要に応じ切り取って使用することができるものである。図1において網掛けを付していない部分はバックアップ用基材2を剥ぎ取った部分、網掛けを付した部分はバックアップ用基材2が残っている部分をそれぞれ示している。
【0018】
具体的に説明すると、印刷用基材1は、両面が印刷可能な面となるような適宜の素材によって作られたフレキシブルな板状のもので、その一部に名刺となるべき矩形状の所定領域11を切り取る切り込み12a、12bが縦横に形成されている。その切り込み12a、12bの深さは、印刷用基材1の厚み方向を完全に切断するものである。具体的には、これらの切り込み12a、12bは、A4サイズに切断した状態で1枚のシートSの2列、5行の各位置から10枚の名刺が切り取れるように設定したものである。勿論、2列、4行から8枚の名刺が切り取れるようにしてもよく、またA3サイズにしてこれらの倍の枚数の名刺が切り取れるようにしても構わない。所定領域11とシートSの上下左右の縁s1、s2との間には、余白となる一定の周辺領域13a、13bが確保されている。
【0019】
一方、バックアップ用基材2は、紙製のもので、前記印刷用基材1の片面に位置する裏面側において、当該印刷用基材1のうち所定領域11よりも若干内側に位置する領域を開放する開口21が形成されている。この開口21は、名刺の裏面をプリントすることができるように印刷用基材1の裏面の一定範囲を表出させるためのもので、概略ほぼ矩形状をなすが、横方向の開口縁21aはシートSの横方向の縁s1に平行であるのに対して、縦方向の開口縁21bはシートSの縦方向の縁s2に対してハの字状をなすように中央に向かって開く斜めの線をなしている。縦方向の開口縁21bと横方向の開口縁21aとは途中に角を形成しないようにして滑らかに連続している。そして、この開口21の周縁により、前記印刷用基材1の横方向の切り込み12a、及び縦方向の切り込み12bの一部をバックアップして、名刺となる所定領域11が不慮に切り取られあるいは脱落しないようにしている。
【0020】
そして、この開口21の両側を、A4サイズのシートSの縦方向の縁s2との間に形成した溝31を介して側方に開放し、また左列の開口21と右列の開口21との間をその部位に形成される溝32を介して相互に連通させるようにしている。これらの溝31,32から切り起こされる連結片41,42は、開口21から切り起こされる剥離片43同士の間を相互に連結して、連結方向に連続的に剥離片43を剥離させて巻き取ることを可能にするものである。図においてはA4サイズに切断したシートを示しているが、切断前は図における左右方向(連結片41による連結方向)にA4サイズとなるべき部分が連なっており、剥離片43は連結片41,42ともどもこれらの領域に亘って一挙に剥ぎ取られるものである。
【0021】
その際、本実施形態は、連結片41,42を、その連結方向と直行する巾寸法Zが狭小となるように設定して、連結片41,42が切り起こされた後に印刷用基材1の裏側に残るバックアップ用基材2が、印刷用基材1の連結方向と直交する巾方向の切り込み(すなわち縦方向の切り込み)12bをほぼバックアップした状態を保つようにしている。具体的には、A4サイズとなるべきシート領域において説明すると、切り込み31aによって形成される連結片41の形状は、シートSの左側の縁s2から右側(すなわち連結方向)に向かって当該連結方向(X方向)及び連結方向と直交する巾方向(Y方向)の双方に対し角度をもった斜めの線に沿って漸次巾広になりながら印刷用基材1の縦方向の切り込み12bまで向かい、その切り込み12bを超えた後は急激に湾曲して縦方向の開口縁21bに滑らかに連続しているものである。シートの右側の縁s2においてはこれと対称な構造をなす。勿論、このようなA4サイズの領域は切断する前は左右方向に連続しているので、図示された右側の剥離片43の右側に左側の剥離片43が連なっているものである。
【0022】
また、A4サイズの真ん中に位置し、左右の剥離片43の間を連結する連結片42は、左側の開口21の縦方向の開口縁21bに連続する位置より緩やかに湾曲しながら漸次巾狭となった後、それとは対称に緩やかに湾曲しながら漸次巾広となって右側の開口21の縦方向の開口縁21bに連続するように、つまりその切り込み32aが概略半円状をなすように形成されたものである。
【0023】
以上の構成において、この実施形態は、バックアップ用基材2を印刷用基材1に対して接着層5を介して剥離可能に貼りあわせるに際し、その接着層5による接着強度を部分的に異ならせている。
【0024】
具体的に説明すると、この実施形態では、図2に示すようにバックアップ用基材2の表面に予め適宜の接着剤(例えば、アクリル系合成のり)を塗布または噴霧することにより接着層5を形成し、その接着層5の上にシルク印刷により接着層5を部分的に隠蔽する保護層6を形成して、保護層6の存在しない部分において印刷用基材1を接着層5を介してバックアップ用基材2に貼り付けるようにしている。そして、その保護層6の面密度を変化させることで、接着強度の変化を実現している。
【0025】
図3、図4はその保護層6の密度分布をグラデーションで表したものである。これらの図は、印刷用基材1を取り去った状態で接着層5を見たと仮定したときのもので、白抜きの部位(A)は保護層6によるマスキングがほぼ0%のところ、薄めのパターンで表した部位(B)は保護層6によるマスキングがほぼ40%のところ、濃めのパターンで表した部位(C)は保護層6によるマスキングがほぼ80%のところ、黒塗りの部位(D)は保護層6によるマスキングがほぼ100%のところである。勿論、これらの数値は例示に過ぎない。この密度分布により、所定領域11における剥離開始部分11xの接着強度は、当該剥離開始部分11xよりも遅れて剥離される部分11yの接着強度よりも相対的に高く設定される。つまりこのシートSは、上述したように、製造工程においては図1におけるX方向に搬送され、プリンタ挿入時においては同図Y方向に搬送されるため、搬送方向に対して角度をもった切り込み12a、12bに沿う辺部分のほか、剥離片43を剥ぎ取る前の開口縁21a、21bに沿った辺部分も、全て製造時あるいはプリンタ使用時の少なくとも何れかにおいて剥離開始部分11xとなり得るものである。
【0026】
また、当該剥離開始部分11xよりも遅れて剥離される部分11yとなり得るのは、所定領域11の四辺よりも内側部分、及び開口21aの内側部分である。
【0027】
したがって、上記剥離開始部分11xは上記遅れて剥離される部分11yよりも相対的にマスキングの密度を高く設定している。つまり、切り込み12aに沿った部分は基本的に40%程度のマスキング部分、切り込み12bに沿った部分は40%程度のマスキング部分に長円若しくは半長円状をなす80%程度のマスキング部分、開口21よりも内側領域はほぼ100%のマスキング部分とされている。余白13a、13bは勿論、マスキングなしの部分である。
【0028】
また、剥離片43の一連の巻き取りを容易に行うために、剥離片43,43間を連結する連結片41,42に対応する部分もほぼ100%のマスキングがされている。
【0029】
また、この実施形態は、剥離開始部分11xに、線状をなすスポット的な低接着帯11xzを剥離方向に対しほぼ直交する方向に設け、剥離開始直後の剥離方向の接着強度の連続性を断ち切るようにしている。例えば、コーナー部分Cが剥離される際、この部分は比較的面積が広いため、べったり接着していると剥離操作に支障を来たすほか、本来剥離しては困る印刷用基材1の毛羽立ち、損傷の原因ともなる。このため、シートSの各所定領域11の各コーナー部分に、該コーナー部分Cを形成する直交2辺11a、11bに対する漸近線に沿って、40%のマスキング状態にある周囲に対してマスキング率ほぼ80%の低接着帯11xzを設けている。この低接着帯11xzは、4つの所定領域が集合するコーナー部分では連なってほぼ正方形をなす。前述した切り込み12aに沿う長円状若しくは半長円状のマスキング部分も、この低接着帯11xzの範疇に属する。
【0030】
次に、このシートSの製造工程を図2に基づいて説明する。なお、この図2は製造工程を簡素に示すものであるため、切り取られる所定領域の数は上記図1等には対応していない。予め、バックアップ用基材2に上述した接着層5及び保護層6を形成した状態で、印刷用基材1とバックアップ用基材2とを貼り合わせる。これらの基材1,2は例えばロール状に巻いてあり、それらを同期して繰り出しながら圧着ローラ等を通して接着する。次に、表側の印刷用基材1及び裏側のバックアップ用基材2にハーフカットの切り込みを形成する。切り込みの位置及び形状は既述した通りである。
【0031】
そして、開口21から剥離片43を剥ぎ取る。この際、剥離片43は相互に連結片41,42によって連結されているため、端部に位置する剥離片43を剥ぎ取ると、隣接する連結片41を介してその横の剥離片43が剥ぎ取られ、更に隣接する連結片42を介してその横の剥離片43が剥ぎ取られるという具合に順次連なって連結方向の剥離片43が一挙に剥ぎ取られる。最後に、A4サイズとなるように所定領域11を縦方向の線に沿って切断して、プリンタ等に利用可能な形態のシートSが完成する。
【0032】
以上のように、この実施形態のシートSは、当該シートSのテンションを利用してX方向に沿って製造ライン上に搬送しながら、その搬送過程において一連の処理を完了することができる。そして、このシートSをY方向に沿ってプリンタに通し、各所定領域11に名刺等の印刷を行うことが可能となる。
【0033】
そして、このように印刷用基材1とバックアップ用基材2の間の接着層5による接着強度を部分的に異ならせ、これにより所定領域11の剥離開始部分11xの接着強度を当該剥離開始部分11xよりも遅れて剥離される部分11yの接着強度よりも相対的に高く設定しておけば、少なくとも印刷用基材1における所定領域11の剥離開始部分11xがバックアップ用基材2に着実に接着した状態となる。このため、搬送過程においてその所定領域11が切り込みに沿って不慮に剥離、脱落するといった不都合を有効に回避することができ、特にハーフカット工程から切断工程までの間のシートSのテンションを利用した搬送、或いはプリンタ挿入時の搬送を的確に行うことができる。しかも、剥離開始部分11xよりも遅れて剥離される部分11yの接着強度を相対的に低くしているため、使用時に一旦剥離操作し始めた後は印刷用基材1をバックアップ用基材2から簡単に剥ぎ取ることができ、使用時に印刷用基材1それ自体の表面が荒れたり、損傷するといった不都合が生じることも有効に回避することができる。勿論、連結片41,42を介した剥離片43の一連の巻き取りも比較的抵抗なくスムーズに行うことができる事となるのは言うまでもない。
【0034】
その際、剥離開始部分11xの接着強度を遅れて剥離される部分11yの接着強度よりも相対的に高く設定する手法として、印刷用基材1と接着層5の間に接着層5を部分的に隠蔽する保護層6を設け、この保護層6の面密度の変化を利用する態様を採用しているので、シルク印刷等によって簡単に接着強度の変化を実現することができ、印刷パターンも版の種類を増やすことなくシートの大きさや形状、種類等によって容易に設定、変更することができる。
【0035】
さらに、剥離開始部分11xに、線状をなす低接着帯11xzを剥離方向に対してほぼ直交する方向に設け、これにより剥離開始直後の剥離方向の接着強度の連続性を断ち切るようにしているため、使用時に、万一剥離すべきでない印刷用基材1それ自体の表面が不慮に剥がれ始めても、接着強度の遮断によって不慮の剥がれを短距離で終了させることができ、名刺等の表面が広範囲に毛羽立ち、或いは印字が消える程度にまで激しく剥がれるといった毀損に発展することを最小限度で食い止どめることが可能になる。勿論、このようなものを設けても、マスキング率を調整するなどすれば、有効接着強度が不足するといった不都合を伴うこともない。
【0036】
特に、剥離片43に対応する部分は保護層6で殆ど覆って、印刷用基材1をバックアップ用基材2から抵抗なく剥離させられるようにしているため、利用者の便を更に向上したものにすることができる。
【0037】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、保護層の面密度の変化を利用して接着強度の変化を実現したが、接着層を形成する接着剤の強さの変化を利用しても同様の効果を得ることができる。この接着剤の強さは、種類を変えずとも厚み方向への接着剤の盛り量によっても変化させることができ、シルク印刷において有効に調整することができるものである。特に、接着剤の強さの変化を上述した保護層の密度の変化に併用すれば、接着強度の変化をより適切に微調整することが可能となる。
【0039】
また、図5に示すように、所定領域11の長手方向に沿って剥離すれば遅れて剥離される可能性がある切り込み12aに沿った部分に、スポット的な低接着帯11yzを間欠的に設け、これにより剥離開始直後の剥離方向の接着強度の連続性を断ち切るようにしても、上記と同様の作用効果が奏される。この図では、この低接着帯11yzは前記実施形態に比べて保護層6によるマスキング度の高いもの(100%)が適用してある。
【0040】
さらに、第1の基材が、全面的に第2の基材にバックアップされ、上記のような裏面印刷のための剥離片や開口を有しないものであっても、本発明を同様に適用することができる。この場合、剥離開始部分となり得る所定領域の周縁部分の接着強度を、当該剥離開始部分よりも遅れて剥離される所定領域の内側部分の接着強度よりも相対的に高く設定しておけば、製造ラインやプリンタの送りラインがいずれの方向であっても、製造時における剥離防止と使用時における適正な剥離とを好適に両立させることが可能となる。
【0041】
さらにまた、本発明は、名刺以外にも、各種カード、はがき、チケット等を1枚のシートに切り取り可能に形成する際にも同様に適用することができるものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したうように、シートを構成する第1の基材に複数の名刺等を切り取り可能に設け、これを接着層を介して第2の基材によりバックアップして、使用者の抜き取りを容易ならしめるものであるが、その切り込みの存在により製造工程や使用時におけるテンションを利用した搬送時に不慮に名刺等となるべき所定領域が剥離するといった不都合を、接着強度を異ならせることにより回避するようにしたものであるから、搬送の適正化を、使用時における利便性を損なうことなく有効に達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態をバックアップ用基材側から示す図。
【図2】同実施形態の製造工程を示す工程説明図。
【図3】同第1実施形態の接着強度を示す図。
【図4】図3の部分拡大図。
【図5】本発明の変形例を示す図4に対応した図。
【符号の説明】
1…第1の基材(印刷用基材)
2…第2の基材(バックアップ用基材)
5…接着層
6…保護層
11…所定領域
11x…剥離開始部分
11xz…低接着帯
11y…遅れて剥離される部分
11yz…低接着帯
12a、12b…切り込み

Claims (6)

  1. 矩形状をなし、長辺方向及び短辺方向のいずれにも搬送可能であるとともに、第1の基材と、この第1の基材の片面に接着層を介して剥離可能に接着した第2の基材とを具備し、前記第1の基材の一部に所定領域を切り取るためのそれぞれが長辺方向又は短辺方向のいずれかに延伸する切り込みを形成するとともに、前記第2の基材が、剥ぎ取られることにより前記所定領域の内側部分を前記第1の基材の前記片面を表出させるべく開放する開口を形成するための剥離片を有し、少なくとも前記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部において第1の基材と前記第2の基材とを接着してなるものにおいて、
    前記第1の基材と前記第2の基材の間の接着層による接着強度を、前記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部において、前記所定領域の内側部分の接着強度よりも相対的に高く設定したことを特徴とするシート。
  2. 第1の基材と接着層の間に、接着層を部分的に隠蔽する保護層を設け、この保護層の面密度の変化を利用して、前記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部の接着強度を前記所定領域の内側部分の接着強度よりも相対的に高く設定している請求項1記載のシート。
  3. 接着層を形成する接着剤の強さの変化を利用して、前記所定領域の切り込みに沿う各辺部分及び隅部の接着強度を前記所定領域の内側部分の接着強度よりも相対的に高く設定している請求項1又は2記載のシート。
  4. 第1の基材の所定領域が、矩形状をなす請求項1、2又は3記載のシート。
  5. 矩形状をなす前記所定領域の長辺の中央部に沿う部分に、接着強度が相対的に低い低接着帯を前記所定領域の長辺方向に沿って設けている請求項1、2又は3記載のシート。
  6. 前記所定領域の隅部に、線状をなす低接着帯を設けている請求項1、2、3、4又は5記載のシート。
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