JP4766640B2 - 撮像装置及びそのレンズ制御方法、並びにそのプログラム - Google Patents
撮像装置及びそのレンズ制御方法、並びにそのプログラム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インナーフォーカスタイプのレンズシステムを搭載したビデオカメラ等の撮像装置及びそのレンズ制御方法、並びにそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインナーフォーカスタイプのレンズシステムを搭載したビデオカメラ等の撮像装置では、焦点調節機能と所謂コンペ機能とを兼ね備えたフォーカスレンズを備える。
【0003】
このコンペ機能とは、焦点距離が同じでも、ズームレンズの移動により変倍する際にずれる焦点面を補正する機能をいい、これによりボケのないズームを可能とする機能をいう。具体的には、図12に示すように、焦点距離がLの場合において、被写体距離が80cmのときはフォーカスレンズの位置をD1に、被写体距離が3mのときに撮像面に合焦するためのフォーカスレンズの位置はD2に移動することにより焦点面を補正する。
【0004】
このズームレンズとフォーカスレンズが機械的なカム環で結合されているようなタイプのもの、例えばこのカム環にマニュアルズーム用のツマミを設け、手動で焦点距離を変えようとした場合、カム環はこれに追従して回転し、ズームレンズとコンペレンズはカム環のカム溝に沿って移動するようなタイプのレンズシステムにおいては、フォーカスレンズのピントがあっていれば、ツマミをいくら速く動かしてもボケを生じることはない。
【0005】
しかし、インナーフォーカスタイプのレンズシステムの制御においては、図12に示される複数の軌跡(以下、「カム軌跡」という。)情報を何らかの形(軌跡そのものでも、レンズ位置を変数とした関数でも良い)でレンズ制御用マイコンに記憶させておき、被写体距離に応じてこのカム軌跡情報を選択する。その後、その選択されたカム軌跡情報に基づいてフォーカスレンズを移動させ、変倍動作を行うのが一般的である。
【0006】
従って、ボケのないズームを行うためには、このフォーカスレンズの移動はある程度精度良く行わなくてはならない。特に図12からも明らかなように、ズームレンズを等速度又はそれに近い速度で移動する場合、焦点距離の変化によって刻々とカム軌跡の傾きが変化している。これは、フォーカスレンズの移動速度と移動の向きが刻々と変化することを示しており、換言すれば、フォーカスレンズのアクチュエータは1Hz〜数百Hzまでの精度良い速度応答をしなければならないことになる。
【0007】
上述の要求を満たすアクチュエータとしてインナーフォーカスレンズシステムのフォーカスレンズには、ステッピングモータを用いるのが一般的になりつつある。ステッピングモータは、レンズ制御用のマイコン等から出力される歩進パルスに完全に同期しながら回転し、1パルス当たりの歩進角度が一定なので、高い速度応答性と停止精度と、位置精度を得ることが可能である。さらに、ステッピングモータを用いる場合、歩進パルス数に対する回転角度が一定であるから、歩進パルスをそのままインクリメント型のエンコーダとして用いることができ、特別な位置エンコーダを追加しなくてもよいという利点がある。
【0008】
そのため、ステッピングモータを用いて合焦を保ちながら変倍動作を行おうとする場合、レンズ制御用マイコン等に記憶されたカム軌跡情報と、ズームレンズの位置又は移動速度とに基づいてフォーカスレンズを移動させることができるカム軌跡追従方法が必要である。
【0009】
以下、従来より用いられているカム軌跡追従方法を図13及び図14を用いて説明する。
【0010】
まず、第1の従来例として、ズームレンズが、図13に示すz0,・・・,zk-1,zk,zk+1,・・・,z6の位置にしか停止することができず、また、この各位置を変数とした関数a(z0),・・・,a(zk-1),a(zk),a(zk+1),・・・,a(z6)は被写体距離がLaであるときのカム軌跡情報であり、b(z0),・・・,b(zk-1),b(zk),b(zk+1),・・・,b(z6)は被写体距離がLbであるときのカム軌跡情報である場合について説明する。尚、この2つのカム軌跡情報は前述したようにレンズ制御マイコン等に記憶されているものとする。
【0011】
この従来例において、まず、被写体距離がLpであるときのフォーカスレンズ位置p(z0),・・・,p(zk-1),p(zk),p(zk+1),・・・,p(z6)を下記式(1)により算出する。
【0012】
p(zn+1)=α/β*|b(zn+1)−a(zn+1)|+a(zn+1)
α=|p(zn)−a(zn)| ・・・(1)
β=|b(zn)−a(zn)|
即ち、ズームレンズ位置がznであるときに、フォーカスレンズ位置p(zn)が線分b(zn)−a(zn)をα/βで内分する位置にある場合、ズームレンズ位置がzn+1にあるときのフォーカスレンズ位置p(zn+1)も同様に、線分b(zn+1)−a(zn+1)をα/βで内分するものとして、フォーカスレンズ位置p(zn+1)を算出することができる。
【0013】
そして、上述のように算出されたp(zn+1)−p(zn)の位置差と、ズームレンズがzn〜zn+1まで移動するのに要する時間から、合焦を保つためのフォーカスレンズの標準移動速度を算出することができる。これによりフォーカスレンズを制御することにより、カム軌跡を的確に追従することができる。
【0014】
次に、第2の従来例として、ズームレンズが上述した所定の位置(zn)にしか停止できないという制限がない場合のカム起動追従方法を図14を用いて説明する。尚、レンズ制御マイコン等に記憶されているカム軌跡情報は前述した第1の従来例と同じである。
【0015】
この従来例において、ズームレンズがzk-1とzk間に位置するzxにあり、また、被写体距離がLpであるときに、撮像面に合焦するフォーカスレンズの位置がp(zx)である場合、まず、被写体距離が各々La,Lbである場合のフォーカスレンズの位置a(zx),b(zx)を下記式(2)により算出する。
【0016】
a(zx)=a(zk)−(a(zk)−a(zk-1))*γ
b(zx)=b(zk)−(b(zk)−b(zk-1))*γ ・・・(2)
γ=(zk−zx)/(zk−zk-1)
即ち、ズームレンズ位置がzxであるときに、線分zk−zk-1をγで内分する位置にある場合、被写体距離La上にあるa(zx)は、線分a(zk)−a(zk-1)をγで内分するものとし、また、被写体距離Lb上にあるb(zx)は、線分b(zk)−b(zk-1)をγで内分するものとして算出することができる。
【0017】
次に、被写体距離がLpでありズームレンズの位置がzkであるときのフォーカスレンズの位置p(zk)を、p(zx)及び上記式(2)で算出されたa(zx)及びb(zx)に基づいて下記式(3)により算出する。
【0018】
p(zk)=α/β*|b(zk)−a(zk)|+a(zk)
α=|p(zx)−a(zx)| ・・・(3)
β=|b(zx)−a(zx)|
即ち、上記式(1)と同じく、p(zx)が線分a(zx)−b(zx)をα/βで内分する位置にある場合、ズームレンズ位置がznにあるときのフォーカスレンズ位置p(zn)も同様に、線分b(zn)−a(zn)をα/βで内分するものとして、フォーカスレンズ位置p(zn)を算出することができる。
【0019】
そして、上述のように算出されたp(zk)−p(zx)の位置差と、ズームレンズをzx〜zkまで移動することにより、テレからワイドへの変倍動作を行うときに、合焦を保つためのフォーカスレンズの標準移動速度を算出することができる。これによりフォーカスレンズを制御することにより、カム軌跡を的確に追従することができる。
【0020】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上記従来のカム軌跡追従方法では、レンズ制御用マイコンに記憶している理論的なカム軌跡情報を基にズームレンズ及びフォーカスレンズの位置を制御するので、光学系及びメカ系の製造誤差に相当する真のカム軌跡とのズレ分だけ、ボケを発生してしまう。
【0021】
このような製造誤差により発生するボケは目視上では認識できない許容深度の範囲内にあったため、大きな問題とはなっていなかったが、近年の撮像装置は多画素撮像素子を用いて高精細な静止画撮影を可能にするものが主流になっており、撮像素子の多画素化が進むに連れて許容深度も小さくなり、ボケの認識がし易くなってきつつある。つまり撮像素子の多画素化が進むについて、光学系、メカ系の製造誤差が無視できない状況となってきている。
【0022】
一方、理論カム軌跡と実際の真のカム軌跡を一致させるためには、光学系及びメカ系の製造誤差をさらに小さくすることが要求すると、製品としてコストアップ、大型化に繋がり現実的な方法とはいえない。
【0023】
これを解決する方法としては、予め製造ロット毎での真のカム軌跡の傾向を測定しておき、この測定情報に基づき、レンズ制御マイコン等に記憶するカム軌跡情報を補正して、ズームレンズ及びフォーカスレンズの位置を制御する方法が開示されている(特開平11−183775号公報)。
【0024】
しかし、真のカム軌跡と理想的なカム軌跡とのずれ量の測定方法が開示されておらず、また、予め製造ロットの平均誤差量に応じて補正するので、製造誤差のバラツキによっては、吸収しきれない状況が発生してしまう。また、製造誤差が大きい場合、平均誤差では補正しきれない光学レンズはすべて不良となるため、歩留まりに影響を与え、コストアップ要因の一つになっていた。さらに製品不良のサービス修理等で光学レンズを交換する際には、交換するレンズのロット管理が必要となり、レンズのロットに応じて、補正データを変更しなければならず、数年から数十年間の生産レンズロットに対応した補正データを管理するのは、大きな労力を要していた。
【0025】
本発明の目的は、生産工程でもサービス工程でも同一レベルの高品質管理を行うことができる撮像装置及びそのレンズ制御方法、並びにそのプログラムを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的を達成するために請求項1記載の撮像装置は、被写体距離ごとにズームレンズの位置とフォーカスレンズの位置との位置関係としての設定軌跡情報を予め記憶しているレンズ制御装置において、ズームレンズ、およびその光軸後方にあるフォーカスレンズと、前記ズームレンズの位置を移動することにより変倍動作を行う変倍手段と、前記フォーカスレンズの位置を移動することによりフォーカス動作を行うAF手段と、前記ズームレンズがテレ端にある場合において前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを通過した光を撮像して得られた信号を使って求められた前記フォーカスレンズの合焦位置に基づく設定軌跡情報と、ワイド端に向けて移動させ、テレ側よりもワイド側で間隔をあけて数か所で得られた前記AF手段による合焦位置との差を補正情報として算出する算出手段と、前記補正情報と前記予め記憶されている設定軌跡情報とに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで、前記ズームレンズを移動することによる変倍動作の際の焦点面のずれを補正する焦点面補正手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
請求項2記載のレンズ制御装置は、請求項1項記載のレンズ制御装置において、前記焦点面補正手段は、前記設定軌跡情報を前記補正情報に応じて、前記フォーカスレンズと前記ズームレンズの位置の軌跡を変化させるように補正することを特徴とする。
【0032】
上記目的を達成するために請求項3記載のレンズ制御装置のレンズ制御方法は、被写体距離ごとにズームレンズの位置とフォーカスレンズの位置との位置関係としての設定軌跡情報を予め記憶しているレンズ制御装置のレンズ制御方法において、前記レンズ制御装置はズームレンズ、およびその光軸後方にあるフォーカスレンズを備え、前記レンズ制御方法は、前記ズームレンズの位置を移動することにより変倍動作を行う変倍工程と、前記フォーカスレンズの位置を移動することによりフォーカス動作を行うAF工程と、前記ズームレンズがテレ端にある場合において前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを通過した光を撮像して得られた信号を使って求められた前記フォーカスレンズの合焦位置に基づく設定軌跡情報と、ワイド端に向けて移動させ、テレ側よりもワイド側で間隔をあけて数か所で得られた前記AF工程で合焦位置との差を補正情報として算出する算出工程と、前記補正情報と前記予め記憶されている設定軌跡情報とに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで、前記ズームレンズを移動することによる変倍動作の際の焦点面のずれを補正する焦点面補正工程とを有することを特徴とする。
【0039】
上記目的を達成するために請求項4記載のプログラムは、被写体距離ごとにズームレンズの位置とフォーカスレンズの位置との位置関係としての設定軌跡情報を予め記憶しているレンズ制御装置のレンズ制御方法を実行するプログラムにおいて、前記レンズ制御装置はズームレンズ、およびその光軸後方にあるフォーカスレンズを備え、前記プログラムは、前記ズームレンズの位置を移動することにより変倍動作を行う変倍ステップと、前記フォーカスレンズの位置を移動することによりフォーカス動作を行うAFステップと、前記ズームレンズがテレ端にある場合において前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを通過した光を撮像して得られた信号を使って求められた前記フォーカスレンズの合焦位置に基づく設定軌跡情報と、ワイド端に向けて移動させ、テレ側よりもワイド側で間隔をあけて数か所で得られた前記AFステップで合焦位置との差を補正情報として算出する算出ステップと、前記補正情報と前記予め記憶されている設定軌跡情報とに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで、前記ズームレンズを移動することによる変倍動作の際の焦点面のずれを補正する焦点面補正ステップとを有することを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る撮像装置を図面を用いて詳説する。
【0041】
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置の構成図である。
【0042】
図1において、撮像装置100は、撮像素子106に映像光を結像する固定の前玉レンズ群101と、変倍を行う可動の第2のレンズ群(以下、「ズームレンズ」という。)102と、絞り103と、固定の第3のレンズ群104と、及びコンペ機能とフォーカシング機能を兼ね備えた可動の第4のレンズ群(以下、「フォーカスレンズ」という。)105と、映像光を映像信号に光電変換する撮像素子106と、映像信号を増幅する増幅器107と、増幅された映像信号を標準テレビ信号に変換するカメラ信号処理回路108と、絞り103を制御して光量調節を行う絞り制御回路121と、垂直同期・水平同期信号を生成するタイミングジェネレータ111と、タイミングジェネレータ111から送信された垂直同期・水平同期信号に基づいて撮像画面の所定領域をゲートするゲート信号を発生させるAF(オートフォーカス)枠生成回路110と、AF枠生成回路110から受け取ったゲート信号に基づいて増幅された映像信号の高周波成分のみをAF評価信号としてレンズ制御マイコン112に送信するAF信号処理回路109と、AF信号処理回路109からのAF評価信号を受信すると共にAF枠生成回路110のゲート信号の発生を制御するレンズ制御マイコン112、ズームSWユニット125、及びAF/MF(マニュアルフォーカス)切換SWユニット126と互いに情報をやり取りするシステムコントロールマイコン(以下、「シスコン」という。)124とを備える。
【0043】
絞り制御回路121による光量調節は、具体的には増幅器107から受信した映像信号の入力レベルに応じてアイリスドライバ123,IGメータ122を駆動して、絞り103の制御することにより行う。
【0044】
レンズ制御マイコン112は、AF信号処理回路から送信されるAF評価信号の強度が最大となる位置をフォーカスレンズ105の合焦位置として算出するAFプログラム113、レンズカムデータ115を参照して合焦状態が維持されるズームレンズ102及びフォーカスレンズ105の位置を算出するズーム制御プログラム114、及びAFプログラム113及びズーム制御プログラム114で算出された位置に基づいてズームレンズ102及びフォーカスレンズ105の位置を制御するモータ制御プログラム116を記憶している。このモータ制御プログラム116によるズームレンズ102及びフォーカスレンズ105の位置の制御とは、具体的にはAFモード時やズーム時に、モータドライバ118よりステッピングモータであるズームモータ117を駆動させてズームレンズ102の位置を制御し、又、モータドライバ120によりステッピングモータであるフォーカスモータ119を駆動させてズームレンズ102が移動した後も合焦状態が維持される位置になるようにフォーカスレンズ105を制御することをいう。
【0045】
ズームSWユニット125は、ユニット化されたズームスイッチであり、操作部材の回転角度に応じた電圧が出力される。この出力電圧に応じて可変速ズームが為される。
【0046】
AF/MF切換SWユニット126は、ユニット化された切替スイッチであり、撮像装置100のAFモードとMFモードを切替えるスイッチである。
【0047】
前玉レンズ群101、ズームレンズ102、絞り103、第3のレンズ群104、及びフォーカスレンズ105、撮像素子106は、同一の光軸上にあり、撮像素子106は増幅器107と接続されている。また、増幅器107は、カメラ信号処理回路108、絞り制御回路121、AF信号処理回路109に夫々接続される。
【0048】
AF信号処理回路109、AF枠生成回路110、及びタイミングジェネレータ111は直列に接続され、さらに、AF信号処理回路109及びAF枠生成回路110は、レンズ制御マイコン112と接続されている。
【0049】
また、シスコン124は、ズームSWユニット125及びAF/MF切換SWユニット126と夫々不図示のA/D変換機を介して接続され、レンズ制御マイコン112とは所定の通信回線を介して接続されている。
【0050】
この撮像装置100は、インナーフォーカスタイプのレンズシステムであり、透過した映像光を、順に前玉レンズ群101、ズームレンズ102、絞り103、第3のレンズ群104、及びフォーカスレンズ105を介して、撮像素子106の面上に結像し、この結像された映像光をいい、撮像素子106で映像信号に変換し、増幅器107で最適なレベルに増幅し、カメラ信号処理回路108、絞り制御回路121、AF信号処理回路109に送信する。
【0051】
透過した映像光が撮像素子106の面上で合焦し、且つその光量も適量である場合は、この増幅された映像信号をカメラ信号処理回路108により標準テレビ信号に変換し、そのまま撮像処理を終了する。
【0052】
一方、透過した映像光が撮像素子106の面上で合焦してはいるが、その光量を調整する必要がある場合は、この増幅された映像信号の入力レベルに応じて、絞り制御回路121でアイリスドライバ123,IGメータ122を駆動して絞り103を制御し、光量調節を行う。
【0053】
また、透過した映像光の光量は適量であるが、透過した映像光が撮像素子106の面上で合焦していない場合は、AF信号処理回路109で、AF枠生成回路110からのゲート信号に基づいて、この増幅された映像信号の高周波成分のみをAF評価信号として、レンズ制御マイコン112に送信する。この送信されたAF評価信号に基づいてレンズ制御マイコンが後述する図3のズーム・コンペ動作処理を行い、ズームレンズ102及びフォーカスレンズ105の位置を制御する。
【0054】
ズームレンズ102及びフォーカスレンズ105の位置の制御は、前述したように、レンズ制御マイコン112内のモータ制御プログラム116がズームモータ117及びフォーカスモータ119を駆動させることにより行われるが、以下その駆動方法について詳説する。
【0055】
まず、レンズ制御マイコン112内のズーム制御プログラム114により決定されたズームモータ117の駆動速度を回転周波数信号に変換して、モータドライバ118に送信する。同様に、ズーム制御プログラム114により決定されたフォーカスモータ119の駆動速度を回転周波数信号に変換して、モータドライバ120に送信する。
【0056】
また、ズーム制御プログラム114から送信されたズームモータ117及びフォーカスモータ119の位置情報に基づいて、ズームモータ117及びフォーカスモータ119の駆動/停止命令、回転方向命令をモータドライバ118,120に送る。この駆動/停止命令、及び回転方向命令は、ズームモータ117に関しては主としてズームSWユニット125による変倍動作設定の状態に応じて、フォーカスモータ119に関しては、AF動作時及びズーム時にレンズ制御マイコン112内の処理で決定する駆動命令に応じている。
【0057】
モータドライバ118,120は、モータ制御プログラム116からの回転方向命令に応じて、4相のモータ励磁相の位相を順回転及び逆回転の位相に設定し、且つ受信した回転周波数信号に応じて、4相のモータ励磁相の印加電圧(又は電流)を変化させながら、出力することにより、ズームモータ117,フォーカスモータ119の回転方向と回転周波数とを制御しつつ、駆動/停止命令に応じて、モータへの出力のON/OFF制御を行う。
【0058】
以下、撮像装置100のレンズ制御について説明する。
【0059】
図2は、レンズ制御用マイコン112内で行われるレンズ制御処理のフローチャートである。
【0060】
図2において、まず、レンズ制御用マイコン112内の不図示のRAMや各種ポートの初期設定が行う(ステップS602)。
【0061】
その後、シスコン124との相互通信処理を行う(ステップS603)。具体的には、ズームSWユニット125やAF/MF切替SWユニット126の情報をシスコン124から受け取る一方、不図示の表示器等でズーム中であることを表示するため、ズームレンズ102の位置などの変倍動作情報をシスコン124に引き渡す。
【0062】
次に、AF/MF切替SWユニット126や後述するプログラム処理によりAFモードへの切替が行われたと判断したときは、AF信号処理回路109から受信するAF評価信号の強度に応じて、AFプログラム113でフォーカスレンズ105の位置を算出し、焦点調節を行うAF処理を行う(ステップS604)。
【0063】
次に、ズームSWユニット125より変倍動作情報を受け取ったと判断したときは、ズームレンズ102の位置をズーム制御プログラム114で算出し、変倍動作を行うと同時に、変倍した後も合焦を維持するため、ズーム制御プログラム114で合焦するフォーカスレンズ105の位置(以下、「フォーカス合焦位置」という。)を算出するズーム・コンペ動作処理を行う(ステップS605)。
【0064】
次に、ステップS604やステップS605において算出されるズームレンズ102やフォーカスレンズ105の位置に基づいて、ズームレンズ102がテレ端よりテレ側、ワイド端よりワイド側には駆動しないように、またフォーカスレンズ105が至近端より至近側、無限端より無限側には駆動しないように、モータ制御プログラム116でズームレンズ102及びフォーカスレンズ105の駆動方向及び駆動速度を設定する駆動方向・速度設定処理を行う(ステップS606)。これにより、テレ端からワイド端の範囲においてズームレンズ102を確実に駆動でき、また至近端から無限端の範囲においてフォーカスレンズを確実に駆動できる。尚、テレ端、ワイド端、至近端、及び無限端は夫々のレンズのメカ端に当たらないようにソフト的に予め設けられているものである。
【0065】
ステップS606において設定された駆動方向及び駆動速度に基づいて、モータドライバ118,120を駆動し、ズームレンズ102及びフォーカスレンズ105の駆動/停止を制御するモータ駆動制御処理を行った後(ステップS607)、ステップS603に戻る。
【0066】
尚、ステップS601〜ステップS607までの一連の処理は垂直同期時間に同期して実行される。
【0067】
図3は、図2のステップS605におけるズーム・コンペ動作処理のフローチャートである。
【0068】
まず、理想的なカム軌跡と真のカム軌跡のズレを測定するカムズレ測定を行うか否かの判別する(ステップS701)。この判別は、具体的にはユーザが不図示のスイッチの押下等によりカムズレ測定を選択したか否かにより判別される。
【0069】
ステップS701の判別の結果、カムズレ測定を行う場合は、後述する図4のカム軌跡特定処理を実行する一方(ステップS750)、測定しない場合は、ステップS702に進み、ズーム位置カウンタzを初期値7に設定する。このズーム位置カウンタzの使い方は、図4を用いて後述する。
【0070】
次に、ステップS703において、シスコン124から受け取るズームSWユニット125の押圧情報に応じて、自然な変倍動作が行えるよう、モータ117の駆動速度Zspを設定する。
【0071】
その後、ステップS704において、現在のズームレンズ102、フォーカスレンズ105の位置から被写体距離を特定し、その被写体距離情報を3つの軌跡パラメタα、β、γとして不図示のRAMなどのメモリ領域に記憶する以下に詳述する図6及び図7の軌跡パラメタ算出処理を行う。
【0072】
図6及び図7は、図3のステップS704における軌跡パラメタ算出処理のフローチャートである。
【0073】
尚、本実施の形態では、簡単のため、現在のレンズ位置において合焦状態が維持されているものとして説明を行う。
【0074】
まず、現在のズームレンズ位置Zxが属するズームエリアを算出する後述の図8のズームエリア算出処理を行う(ステップS801)。
【0075】
ズームエリアとは、図9に示すように、ズームレンズ102が変倍(焦点距離を変更)するために移動可能な範囲であるワイド端からテレ端までが等分された各領域をいい、ワイド端に位置する領域から順に1番目からs番目の領域がある。以下、ズームエリアが何番目に位置するかを示す変数をズームエリア変数vと表す。
【0076】
ズームエリアの領域指定は、ズームエリア変数vを変数とするズームレンズ位置Z(v)によって表される。即ち、ズームレンズ位置Z(v)とは、図9に示すようにk番目のズームエリアのテレ端側の境界をズームレンズ位置Z(k)、ワイド端をズームレンズ位置Z(0)、テレ端をズームレンズ位置Z(s)として表す。即ち、k番目のズームエリアは、ズームレンズ位置Z(k−1)〜Z(k)で区切られる範囲として表される。
【0077】
従って、k番目のズームエリアの境界は、ズームレンズ位置Z(k−1),Z(k)の2つあるが、以降はズームレンズ位置Z(k)のみを、以降k番目のズームエリアの境界という。
【0078】
図8は、図6のステップS801におけるズームエリア算出処理のフローチャートである。
【0079】
まず、ズームエリア変数vの値を0とし(ステップS901)、ズームレンズ位置Z(v)を下記式(4)により算出する(ステップS902)。
【0080】
Z(v)=(Z(s)−Z(0))*v/s+Z(0) ・・・(4)
次にステップS902で算出されたズームレンズ位置Z(v)が現在のズームレンズ位置Zxと等しいか、即ち、ズームレンズ102がv番目のズームエリアの境界上に存在するか否かを判別する(ステップS903)。
【0081】
ステップS903の判別の結果、v番目のズームエリアの境界上に存在すれば境界フラグ=1とし(ステップS907)、本処理を終了する一方、v番目のズームエリアの境界上に存在しなければ、現在のズームレンズ位置Zxの値がズームレンズ位置Z(v)の値より小さいか否かを判別する(ステップS904)。
【0082】
ステップS904の判別の結果、現在のズームレンズ位置Zxの値がズームレンズ位置Z(v)の値より小さくなければ、ズームエリア変数vをインクリメントして、再びステップS902に戻り、ステップS904において現在のズームレンズ位置Zxの値がズームレンズ位置Z(v)の値より小さくなるまで、ステップS901〜S905の処理を繰り返し行う。
【0083】
一方、ステップS904の判別の結果、現在のズームレンズ位置Zxの値がズームレンズ位置Z(v)の値より小さければ、現在のズームレンズ位置Zxはズームレンズ位置Z(v−1),Z(v)の間にいる、即ち、ズームレンズ102はv番目のズームエリア内にあるが、その境界にはないと判断して、境界フラグ=0とし(ステップS906)、本処理を終了する。
【0084】
以上の処理によれば、ズームレンズ102が何番目のズームエリア内にあるか特定でき、さらにそのズームエリアの境界上に存在するか否かも知ることができる。
【0085】
図6に戻り、ステップS801のズームエリア算出処理により特定されたズームレンズ102の位置と、レンズカムデータ115として記憶される以下の表1に基づいて、フォーカスレンズ105の位置を算出する。
【0086】
【表1】
【0087】
表1は、レンズカムデータ115として記憶されるデータであり、被写体距離及びズームレンズ102の位置により合焦するフォーカスレンズ105の位置が変化するカムデータ(図12)を、合焦フォーカス位置A(n,v)として表す表である。
【0088】
行方向は図6のステップS801で前述したズームエリア変数vを示し、列方向は以下に説明する被写体距離変数nを示す。
【0089】
被写体距離変数nとは、被写体距離の値をm等分し、その値(以下、「被写体距離C(n)」という。)が無限遠からみて何番目の位置にあるかを表す。具体的には、被写体距離C(0)は無限遠を表し、被写体距離C(m)は1cmを表す。
【0090】
先ず、被写体距離変数nの値を0とし(ステップS802)、ステップS801で特定されたズームエリア変数vに基づいて求められるズームレンズ位置Z(v)の値をZkとし、ズームレンズ位置Z(v−1)の値をZk−1とする(ステップS803)。
【0091】
次に、ズームレンズ102がステップS802で特定されたズームエリアの境界上に存在するか否か、即ち、境界フラグ=1であるか、境界フラグ=0であるか判別する(ステップS804)。
【0092】
ステップS804の判別の結果、ズームエリアの境界上に存在しないとき、即ち境界フラグ=0であるときは、被写体距離変数がn、ズームエリア変数がvのときの合焦フォーカス位置を決定するため、4つの合焦フォーカス位置A(n,v−1)、A(n,v)、A(n+1,v−1)、A(n+1,v)をレンズカムデータ115から読み出し(ステップS805)、ステップS807に進む。
【0093】
一方、ステップS804の判別の結果、ズームエリアの境界上に存在するとき、即ち境界フラグ=1であるときは、合焦フォーカス位置A(n,v)及びA(n+1,v)をレンズカムデータ115から2重に読み出し(ステップS804)、ステップS807に進む。
【0094】
次に、ステップS807において、カムズレ量ΔF(z)でカムズレ補正を行う。
【0095】
カムズレ量ΔF(z)とは、ズームレンズ位置Z(z)に対し、レンズカムデータ115に記憶されているカム軌跡をトレースした場合の理想的なフォーカス合焦位置MF(z)と、AF動作により合焦した実際のフォーカス合焦位置AF(z)との差分量をいい、不図示のメモリに格納されている。
【0096】
例えば、ステップS801により、ズームレンズ102がz番目のズームエリアに位置することが特定されている場合に、合焦フォーカス位置A(n,v)は下記式(5)より補正する。
【0097】
A(n,v)
=(ΔF(z+1)−ΔF(z))*(Zk−Z(z))/(Z(z+1)−Z(z))
+ΔF(z)+A(n,v) ・・・(5)
この補正により、理想的なカム軌跡データと、カムズレ量ΔF(z),ΔF(z+1)を用いて、カム軌跡の形状を真のカム軌跡に近づくよう直線近似することができる。
【0098】
上記補正は、本実施の形態においては簡単のためズームレンズ102が後述する図11に示すように6ヶ所にある場合についてのみ行っているが、測定点を増やせばそれだけ真の軌跡からの近似誤差は減少する。この補正は、ステップS805又はステップS806で読み出した4つのデータ点について行われる。
【0099】
尚、カムズレ量ΔF(z)は符号付きのデータとなっており、上記式(5)ではテーブルデータと加算されるが、実際にはカムズレ量ΔF(z+1),ΔF(z)の符号に応じて、値が減少する場合も含まれている。
【0100】
次に、ステップS808において、k番目のズームエリアにあり、その境界上にはないZxの位置にズームレンズ102がある場合、被写体距離n,n+1であるときのフォーカスレンズ位置ax,bxを下記式(6)により算出する。
【0101】
ax=A(n,k)−(A(n,k)−A(n,k−1))*γ
bx=A(n+1,k)−(A(n+1,k)−A(n+1,k−1))*γ ・・・(6)
γ=(Zk−Zx)/(Zk−Zk−1)
即ち、ズームレンズ位置がZxであるときに、線分Z(k)−Z(k−1)をγで内分する位置にある場合、被写体距離n上にあるaxは、線分A(n,k)−A(n,k−1)をγで内分するものとし、また、被写体距離n+1上にあるbxは、線分B(n,k)−B(n,k−1)をγで内分するものとして算出することができる。
【0102】
尚、ズームレンズ102が境界上にある場合には、γ=0となるため、ax=A(n,v),bx=A(n+1,v)と算出される。
【0103】
次に、図7のステップS809において、現在のフォーカスレンズ位置Pxの値がaxの値以上か否かを判別する。
【0104】
ステップS809の判別の結果、現在のフォーカスレンズ位置Pxの値がaxの値未満のときは、現在のフォーカス位置Pxが超無限にいると判断し、ステップS813でα=0として記憶した後、ステップS813に進み、無限の軌跡パラメタを記憶する。
【0105】
一方、ステップS809の判別の結果、現在のフォーカスレンズ位置Pxの値がaxの値以上のときは、現在のフォーカスレンズ位置Pxの値がbxの値以上か否かを判別する(ステップS810)。
【0106】
ステップS810の判別の結果、現在のフォーカスレンズ位置Pxの値がbxの値未満のときは、現在のフォーカスレンズ位置Pxは、被写体距離nとn+1の間にいると判断し、この時の軌跡パラメタをステップS814〜S816の処理により不図示のメモリに記憶する。
【0107】
具体的には、ステップS814においてα=Px−axとして不図示のメモリに記憶し、ステップS815においてβ=bx−axとして不図示のメモリに記憶し、ステップS816でγ=nとして不図示のメモリに記憶して本処理を終了する。
【0108】
一方、ステップS810の判別の結果、現在のフォーカスレンズ位置Pxの値がbxの値以上のときは、現在のフォーカスレンズ位置Pxがより至近側にいる場合であり、ステップS811で被写体距離変数nをインクリメントする。
【0109】
次に、ステップS812において、被写体距離C(n)の値が被写体距離C(m)の値以下か否かを判別する。
【0110】
ステップS811の判別の結果、被写体距離C(n)の値が被写体距離C(m)値以下であれば、図6のステップS803へ戻る。
【0111】
一方、ステップS811の判別の結果、被写体距離C(n)の値が被写体距離C(m)の値より大きければ、現在のフォーカスレンズ位置Pxが超至近にいると判断し、ステップS813でα=0として記憶した後、ステップS814に進み、最至近距離の軌跡パラメタを記憶し、その後前述のステップS815,S816の処理を行い本処理を終了する。
【0112】
上記軌跡パラメタ算出処理により、現在のズームレンズ位置Zx、現在のフォーカスレンズ位置Pxが図12のカム軌跡におけるどの位置なのかを示す軌跡パラメタの記憶が行うことができる。
【0113】
次に、図3に戻り、1垂直同期時間後にズームレンズ102が到達するズーム位置Zx'算出処理を行う(ステップS705)。
【0114】
ステップS702で決定されたズーム速度をZsp(pps)とすると、1垂直同期時間後のズーム位置Zx’は下記式(7)により算出される。ここで、ppsはステッピングモータの回転速度を表す単位で、1秒間当たりの回転するステップ量(1ステップ=1パルス)を示しており、数7により得られるZx’の値は、正であるときはテレ方向にズームレンズ102を移動することを表し、負であるときはワイド方向にズームレンズ102を移動することを表す。
【0115】
Zx’=Zx±Zsp/垂直同期周波数 ・・・(7)
次に、1垂直同期時間後のズームレンズ位置Zx'がいずれのズームエリアにあるか特定する(ステップS706)。
【0116】
ステップS706は前述した図8のズームエリア算出処理と基本的に同じであり、図8におけるZx,vを、各々Zx’,v’としたものである。
【0117】
次に、ステップS707において、ステップS706で特定されたズームエリア変数v’に基づいて求められるズームレンズ位置Z(v’)の値をZkとし、ズームレンズ位置Z(v’−1)の値をZk−1とし(ステップS803)、1垂直同期時間後のズームレンズ102がステップS706で特定されたズームエリアの境界上に存在するか否か、即ち、境界フラグ=1であるか、境界フラグ=0であるか判別する(ステップS708)。
【0118】
ステップS708の判別の結果、ズームエリアの境界上に存在しないとき、即ち境界フラグ=0であるときは、図6及び図7の軌跡パラメタ算出処理により被写体距離γが特定された4つの合焦フォーカス位置A(γ,v’−1)、A(γ,v’)、A(γ+1,v’−1)、A(γ+1,v’)をレンズカムデータ115から読み出し(ステップS709)、上記式(5)を用いて、読み出したテーブルデータを補正処理し(ステップS711)、さらに、上記式(6)からax’,bx’を算出し(ステップS712)、ステップS713に進む。
【0119】
一方、ステップS708の判別の結果、ズームエリアの境界上に存在するとき、即ち境界フラグ=1であるときは、同じく図6及び図7の軌跡パラメタ算出処理により被写体距離γが特定された合焦フォーカス位置A(γ,v’)、及びA(γ+1,v’)をレンズカムデータ115から2重に読み出し(ステップS710)、上記式(5)を用いて、読み出したテーブルデータを補正処理し(ステップS711)、さらに上記式(6)からax’,bx’を算出し(ステップS712)、ステップS713に進む。
【0120】
次に、ステップS713において、ズームレンズ位置がZx'に達したときのフォーカスレンズ位置Px’を下記式(8)により算出する。
【0121】
Px’=(bx’−ax’)*α/β+ax’ ・・・(8)
即ち、図6及び図7の軌跡パラメタ算出処理により算出されるα、βの値から、現在のフォーカスレンズ位置Pxが線分bx−axを内分する比α/βをえることができ、この比α/βで線分bx’−ax’を内分する点をフォーカスレンズ位置Px’として算出することができる。
【0122】
従って、ズームレンズ位置がZx'に達したときのフォーカス位置Px’とズームレンズ位置がZxにある現在のフォーカス位置Pxとの差であるフォーカス位置差ΔPは、下記式(9)により算出される。
【0123】
ΔP=(bx’−ax’)*α/β+ax’−Px ・・・(9)
次に、フォーカス位置差ΔPをこの距離を移動するのに要するズームレンズ移動時間で除算して得られるフォーカス標準移動速度Vf0を算出し(ステップS714)、本処理を終了する。
【0124】
尚、このステップS714の処理により決定したフォーカス標準移動速度Vf0及びフォーカス速度の符号方向(至近方向を正、無限方向を負)に基づいて、前述のステップS606の駆動方向・速度設定処理が行われる。
【0125】
一方、ステップS701の判別の結果、カムズレ測定を行う場合は、以下のカム軌跡特定処理を行う。
【0126】
図4は、図3のステップS750におけるカム軌跡特定処理のフローチャートである。
【0127】
図4において、まず、ズーム位置カウンタzが0か否かを判別する(ステップS715)。
【0128】
ステップS715の判別の結果、ズーム位置カウンタzが0の場合は、測定ズーム位置がワイド端にあり、カム軌跡特定処理がすべて完了していると判断し、ステップS739に進む。
【0129】
一方、ステップS715の判別の結果、ズーム位置カウンタzが0でない場合は、ズーム位置カウンタzが7か否かを判別する(ステップS716)。
【0130】
ステップS716の判別の結果、ズーム位置カウンタzが7でない場合は、測定モードにあると判断し、後述する図5のカムズレ測定処理を実行する一方(ステップS751)、ズーム位置カウンタzが7である場合は、通常モードから測定モードになったと判断し、ステップS717〜S719までの初期設定を行う。
【0131】
まず、ズームレンズ102の現在のズームレンズ位置Zxがテレ端にいくまで(ステップS717でNO)、ズームレンズ102をテレ方向へ駆動しつつ、AF動作を行い(ステップS718)、ズームレンズ102の現在のズームレンズ位置Zxがテレ端に到達したときに(ステップS717でYES)、ステップS719に進み、ズームレンズ102を停止する。
【0132】
上記初期設定終了後、AF動作により撮像素子106に合焦しているか否かを判別し(ステップS720)、合焦しているときは直接、合焦していないときは、ステップS606において再度駆動方向・速度設定処理を行い、合焦した段階で、カムズレ量ΔF(z)をすべて0に初期化し(ステップS721)、軌跡パラメタ算出処理を行う(ステップS722)。尚、この処理は、前述の軌跡パラメタ算出処理(図6)と基本的に同じであるが、ステップS721でカムズレ量ΔF(z)は初期化されるので、図6のステップS807におけるカムズレ補正は実質行われない。
【0133】
その後、AFモードをOFFとして1垂直同期時間後のズーム位置カウンタz’が6となるよう設定し(ステップS723)、本処理を終了する。
【0134】
以上のカム軌跡特定処理により、カムズレ測定を行う時にトレースすべきカム軌跡を特定することができる。
【0135】
次に、図4のカム軌跡特定処理により被写体距離が無限遠であると特定されたときを例として、カムズレ測定処理の概略を説明する。
【0136】
カム軌跡1201は、被写体距離が無限遠であるときの理想的なカム軌跡として、レンズカムデータ115として記憶されているズームレンズ102とフォーカスレンズ105の位置関係を表すものであり、図11に示すように、前述の理想的なフォーカス合焦位置MF(z)として記憶されている。一方、カム軌跡1202は、被写体距離が無限遠であるときの実際のカム軌跡、即ち、製造誤差を持つ実際のズームレンズ102がテレからワイド方向に移動するのに追随して、同じく製造誤差を持つ実際のフォーカスレンズ105が合焦状態を維持したまま移動する際の各レンズの位置関係を表す軌跡であり、前述の実際のフォーカス合焦位置AF(z)は軌跡1202上にある。
【0137】
また、本実施の形態においては、カムズレ量ΔF(z)が測定されるズームレンズ位置Z(z)は、テレ端とワイド端とを2分割する点をズームレンズ位置Z(5)、テレ端とズームレンズ位置Z(5)とを2分割する点をズームレンズ位置Z(6)、ワイド端をズームレンズ位置Z(1)、ズームレンズ位置Z(1),Z(5)の間を4分割するようにワイド端から順にズームレンズ位置Z(2),Z(3),Z(4)となるように、予め設定されている。
【0138】
まず、本処理が開始すると、図4のステップS723において、AFモードをOFFとし、1垂直同期時間後のズーム位置カウンタz’が6となるよう設定しているため、ズームレンズ102はズームレンズ位置Z(6)にあるときの、理想的なフォーカス合焦位置MF(6)を算出し、その後、AFにより実際のフォーカス合焦位置AF(6)に移動し、AF(6)の値を得る。同様の処理が、他のズームレンズ位置Z(1)・・・Z(5)についても行われる。
【0139】
すべてのズームレンズ位置Z(z)において上記動作が終了した時、すべてのズームレンズ位置Z(z)におけるカムズレ量ΔF(z)として、AF(z)とMF(z)の差分量を算出し、不図示のメモリに格納し本処理を終了する。
【0140】
以上の処理により得られたカムズレ量ΔF(z)により、図3のズーム・コンペ処理におけるステップS711の軌跡データ補正が行われる。
【0141】
次に、上述のカムズレ測定処理を具体的に説明する。
【0142】
図5は、図4のステップS751におけるカムズレ測定処理のフローチャートである。
【0143】
図5において、まずAFモードがONであるか否かを判別するAFモード判別処理を行い(ステップS724)、AFモードがONでない場合、即ちAFモードがOFFである場合はステップS725に進み、一方、AFモードがONである場合はステップS737へ進む。このとき、図4のステップS723の処理でAFモードはOFFに設定されているため、このステップS724のAFモード判別処理の後、ステップS725に進む。
【0144】
ステップS725において、ズームレンズ位置Z(z)を算出する。このとき、図4のステップS723の処理で1垂直同期時間後のズーム位置カウンタz’が6となるよう設定されているため、ズームレンズ位置Z(6)の値が算出される。
【0145】
次にステップS726において、ズームレンズ位置Z(z)が属するズームエリアを算出するズームエリア算出処理を行う。この処理は、ステップS706のズームエリア算出処理と基本的に同じであり、ステップS706の処理における現在のズームレンズ位置Zxをズームレンズ位置Z(z)としたものである。
【0146】
その後、ステップS727〜S730で、前述の図6のステップS803〜S806と同一の処理を行った後、ステップS731で、フォーカスレンズ位置axz,bxzを算出する。このステップS731の処理は、図6のステップS808におけるフォーカスレンズ位置ax,bxの算出方法と基本的に同じであり、ステップS808におけるax,bx,Zxを、各々axz,bxz,Z(z)としたものである。
【0147】
次に、ステップS732において、ズームレンズ位置Z(z)に達したときの理想的な合焦フォーカス位置MF(z)を算出する。このステップS732の処理は、図3のステップS713におけるフォーカス位置Px’の算出方法と基本的に同じであり、ステップS713におけるax’,bx’,Px’を、各々axz,bxz,MF(z)としたものである。
【0148】
次に、ステップS733において、ズームレンズ102をズームレンズ位置Z(z)に、フォーカスレンズ105の位置をMF(z)に移動した後、さらにフォーカスレンズ105を実際のフォーカス位置に移動するレンズ走査処理(ステップS734)の処理を行う。
【0149】
図10は、レンズ走査処理のフローチャートである。
【0150】
この処理は、動作モードのループ制御を概念的に説明するものであり、処理周期を表現してはいない。実際にはこの処理は、図2のステップS604において1垂直同期期間毎に処理されている。つまり図10の各ステップ(ステップS1102〜S1105)の処理から、一旦ステップS604を抜けて、ステップS605へ進み、再びステップS604の処理を行う際に、前回抜けた処理から引き続き図10のカム軌跡ズレ量測定処理を行うような構成となっている。このように、垂直同期周期で処理が為されるのは、AF評価信号のサンプリング周期が垂直同期信号に同期している為である。
【0151】
先ず、図10において、本処理を起動し(ステップS1101)、AF評価信号のレベルに応じ速度制御や方向制御することで山登り制御を行なう(ステップS1102)。
【0152】
次に、AF評価信号を参照しながら山の頂点を乗り越えたか否かの判断及び山頂上付近で合焦確認を行う山の頂点判断を行ない(ステップS1103)、ステップS1103の山の頂点判断により最も山の高い点となったところで停止して再起動待機状態となり(ステップS1104)、本処理を終了する。
【0153】
図5に戻り、AFモードをONに設定し(ステップS736)、本処理を終了する。
【0154】
尚、次にこのカムズレ処理を行うときは、ステップS736の処理でAFモードがONに設定されているため、ステップS724のAFモード判別処理の後、ステップS737に進む。
【0155】
ステップS737において、AF動作により撮像素子106に合焦しているか否かを判別し、合焦しているときは直接、合焦していないときは、ステップS606において再度駆動方向・速度設定処理を行い、合焦した段階で現在のフォーカスレンズ位置をAF(z)として不図示のメモリに一旦記憶すると同時にAFモードをOFFに設定し、ズーム位置カウンタzを1だけデクリメントして(ステップS738)、本処理を終了する。
【0156】
本処理によれば、ズーム位置カウンタzを順にデクリメントすることにより、カム軌跡ズレ量を測定するため予め設定されていた、すべてのズームレンズ位置Z(z)について、カムズレ測定を行うことができる。
【0157】
また、この後にカム軌跡特定処理を行う際には(図3のステップS701でYES)、ズーム位置カウンタzが5〜1のときは、ズーム位置カウンタzが6のときと同様に、図4のカム軌跡特定処理におけるステップS716において測定モードであると判断し、前述のカムズレ測定処理を行う。その後、ズーム位置カウンタzが0となったときは、図4のカム軌跡特定処理におけるステップS715から、ステップS739に進み、カムズレ量ΔFとして、測定ポイント毎にAF(z)とMF(z)の差分量が算出され、不図示の内部RAM又はEEPROMからなるレンズカムデータ記録回路112に記憶され(ステップS739)、本処理を終了する。
【0158】
このカムズレ測定処理により得られたカムズレ量ΔF(z)を算出することができるので、前述した図3のステップS711の補正処理を行うことができ、その結果真のカム軌跡1202がトレースできるようになる。
【0159】
また、ズーム・コンペ動作処理(図2のステップS605,図3)の際に、このカムズレ測定を行わなわない場合(図3のステップS701でNO)、ズーム位置カウンタzが7に設定され(ステップS702)、その後前述した通常のズーム・コンペ動作(ステップS703〜S714)の処理が行われる。
【0160】
従って、この通常のズーム・コンペ動作を行った後であっても、ユーザがカムズレ測定を選択した場合は(ステップS701でYES)、設定されているズーム位置カウンタzが7と設定されているため(ステップS702)、前述した図4のカム軌跡特定処理におけるステップS716において通常モードから測定モードになったと判断され、前述した図4のカム軌跡特定処理及び図5のカムズレ測定を行うことができる。
【0161】
以上述べてきたように、撮像装置100本体に組み込まれるズームレンズ102とフォーカスレンズ105を独立に移動させることにより、特定された被写体距離毎にレンズカムデータ115として記憶されている理想的なカム軌跡と、製造誤差を含む実際のカム軌跡のずれ量を測定し、ずれ量を基に補正しつつ、実際のカム軌跡をトレースする事により、光学系及びメカ系の製造誤差を吸収し、ボケの発生を防止することができる。特に、ズームレンズ102とフォーカスレンズ105の製造誤差のバラツキを効果的に補正することができる。
【0162】
また、本実施の形態におけるレンズ制御方法は、AFプログラム113、ズーム制御プログラム114、及びモータ制御プログラム116が記憶されたレンズ制御マイコン112により行われていたが、これらのプログラムを記憶した記憶媒体を、撮像装置100にプログラムを供給することによって達成されるときにも適用できることはいうまでもない。このとき、記憶媒体から読み出されたプログラムモジュール自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0163】
本発明の実施の形態に係るプログラムモジュールは、レンズ制御マイコン112に格納されているが、プログラムモジュールを供給する記憶媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、MO、磁気テープ、不揮発性のメモリカードなどを用いることができる。
【0164】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載のレンズ制御装置、請求項3記載のレンズ制御方法、及び請求項4記載のプログラムによれば、ズームレンズがテレ端にある場合において前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを通過した光を撮像して得られた信号を使って求められた前記フォーカスレンズの合焦位置に基づく設定軌跡情報と、ワイド端に向けて移動させ、テレ側よりもワイド側で間隔をあけて数か所で得られたAF手段による合焦位置との差を補正情報として算出し、算出された補正情報とレンズ制御装置に予め記憶されている設定軌跡情報に基づいてズームレンズを移動することによる変倍動作の際の焦点面のずれを補正するので、光学系及びメカ系の製造誤差を吸収し、ボケの発生を防止することが可能になる結果、生産工程でもサービス工程でも同一レベルの高品質管理を行うことができる。
【0167】
請求項2記載のレンズ制御装置によれば、焦点面補正する際、設定軌跡情報を補正情報に応じて、フォーカスレンズとズームレンズの位置の軌跡を変化させるように補正するので、生産工程での生産ロットに応じた代表補正データの測定工程や、サービス工程での生産レンズのロットに応じた代表補正データの管理の必要性がなくなるので、安価な撮像装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる撮像装置の構成図である。
【図2】レンズ制御用マイコン112内で行われるレンズ制御処理のフローチャートである。
【図3】図2のステップS605におけるズーム・コンペ動作処理のフローチャートである。
【図4】図3のステップS750におけるカム軌跡特定処理のフローチャートである。
【図5】図4のステップS751におけるカムズレ測定処理のフローチャートである。
【図6】図3のステップS704における軌跡パラメタ算出処理のフローチャートである。
【図7】図3のステップS704における軌跡パラメタ算出処理のフローチャートである。
【図8】図6のステップS801におけるズームエリア算出処理のフローチャートである。
【図9】ズームエリアとズームレンズ位置の関係を示す説明図である。
【図10】レンズ走査処理のフローチャートである。
【図11】カムズレ測定処理の概略の説明図である。
【図12】カム軌跡を示す図である。
【図13】従来のカム軌跡追従方法の説明図である。
【図14】従来のカム軌跡追従方法の説明図である。
【符号の説明】
100 撮像装置
102 ズームレンズ
105 フォーカスレンズ
106 撮像素子
109 AF信号処理回路
112 レンズ制御マイコン
124 シスコン
125 ズームSWユニット
126 AF/MF切換SWユニット
Claims (4)
- 被写体距離ごとにズームレンズの位置とフォーカスレンズの位置との位置関係としての設定軌跡情報を予め記憶しているレンズ制御装置において、
ズームレンズ、およびその光軸後方にあるフォーカスレンズと、
前記ズームレンズの位置を移動することにより変倍動作を行う変倍手段と、
前記フォーカスレンズの位置を移動することによりフォーカス動作を行うAF手段と、
前記ズームレンズがテレ端にある場合において前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを通過した光を撮像して得られた信号を使って求められた前記フォーカスレンズの合焦位置に基づく設定軌跡情報と、ワイド端に向けて移動させ、テレ側よりもワイド側で間隔をあけて数か所で得られた前記AF手段による合焦位置との差を補正情報として算出する算出手段と、
前記補正情報と前記予め記憶されている設定軌跡情報とに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで、前記ズームレンズを移動することによる変倍動作の際の焦点面のずれを補正する焦点面補正手段とを備えることを特徴とするレンズ制御装置。 - 前記焦点面補正手段は、前記設定軌跡情報を前記補正情報に応じて、前記フォーカスレンズと前記ズームレンズの位置の軌跡を変化させるように補正することを特徴とする請求項1記載のレンズ制御装置。
- 被写体距離ごとにズームレンズの位置とフォーカスレンズの位置との位置関係としての設定軌跡情報を予め記憶しているレンズ制御装置のレンズ制御方法において、
前記レンズ制御装置はズームレンズ、およびその光軸後方にあるフォーカスレンズを備え、
前記レンズ制御方法は、
前記ズームレンズの位置を移動することにより変倍動作を行う変倍工程と、
前記フォーカスレンズの位置を移動することによりフォーカス動作を行うAF工程と、
前記ズームレンズがテレ端にある場合において前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを通過した光を撮像して得られた信号を使って求められた前記フォーカスレンズの合焦位置に基づく設定軌跡情報と、ワイド端に向けて移動させ、テレ側よりもワイド側で間隔をあけて数か所で得られた前記AF工程で合焦位置との差を補正情報として算出する算出工程と、
前記補正情報と前記予め記憶されている設定軌跡情報とに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで、前記ズームレンズを移動することによる変倍動作の際の焦点面のずれを補正する焦点面補正工程とを有することを特徴とするレンズ制御装置のレンズ制御方法。 - 被写体距離ごとにズームレンズの位置とフォーカスレンズの位置との位置関係としての設定軌跡情報を予め記憶しているレンズ制御装置のレンズ制御方法を実行するプログラムにおいて、
前記レンズ制御装置はズームレンズ、およびその光軸後方にあるフォーカスレンズを備え、
前記プログラムは、
前記ズームレンズの位置を移動することにより変倍動作を行う変倍ステップと、
前記フォーカスレンズの位置を移動することによりフォーカス動作を行うAFステップと、
前記ズームレンズがテレ端にある場合において前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを通過した光を撮像して得られた信号を使って求められた前記フォーカスレンズの合焦位置に基づく設定軌跡情報と、ワイド端に向けて移動させ、テレ側よりもワイド側で間隔をあけて数か所で得られた前記AFステップで合焦位置との差を補正情報として算出する算出ステップと、
前記補正情報と前記予め記憶されている設定軌跡情報とに基づいて前記フォーカスレンズを移動させることで、前記ズームレンズを移動することによる変倍動作の際の焦点面のずれを補正する焦点面補正ステップとを有することを特徴とするプログラム。
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