JP4765281B2 - 光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、低価格で高効率な光電変換素子およびその製造方法に関するものである。
従来の薄膜型光電変換素子の構造を、有機薄膜を光電変換層に用いた太陽電池を例に、図5によって説明する。図5は上記薄膜太陽電池の断面構造図を示した図面である。
図5に示すように、透明基板101は、例えば、所定の機械的強度を得られるような厚さを選択したガラス板、もしくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエーテルスルホン(PES)のようなフレキシブルで光透過性のあるプラスチックフィルムが用いられる。
上記透明基板101上には、正極102が形成されている。正極102は、光透過性を有する導電性薄膜であり、例えば、インジウムやフッ素をドープした酸化錫などの酸化物半導体、もしくは、PEDOT:PSSのような有機導電膜、もしくは、これらを組み合わせた積層膜で構成されている。
上記正極102は、光学リソグラフィーとエッチングを組み合わせたパターンニング方法、もしくは、正極102を蒸着やスパッタリングで形成する場合は、メタルマスクを通して行うことによって、負極配線引出し部106の領域に成膜されないように、パターンニングされる。
上記正極102上には、光電変換層103が形成されている。光電変換層103には、有機材料のPN接合である、銅フタロシアニンとペリレン色素の2層薄膜、正極(銀)との間にショットキー接合をなすメロシアニン薄膜、もしくは、ホール輸送材と電子輸送材の混合層であるバルクへテロ接合型有機薄膜が用いられる。このバルクへテロ接合型有機薄膜としては、ホール輸送材(ドナー分子)に共役系高分子材料が用いられている。共役系高分子材料としては、例えば、poly(2-methxy-5-(2’-ethyl-hexyloxy)-1,4-phenylenevinylene(MEH−PPV)、
Figure 0004765281
poly[2-methoxy,5-(3’,7’-dimethyl-octyloxy)]-p-phenylenevinylene(MDMO−PPV)、
Figure 0004765281
もしくは、poly-thiopheneを主鎖にもつ導電性ポリマー(PHT,POT)
Figure 0004765281
といった材料を使用することができ。電子輸送材(アクセプタ分子)としては、fulleren(C60)や、C60誘導体である[6,6]-phenyl C61-butyric acid methyl ester(PCBM)、
Figure 0004765281
もしくは、MEH−CN−PPV
Figure 0004765281
といった高分子材料が使用できることが知られている。
このような光電変換層は、固体材料の場合は抵抗加熱蒸着によって、また溶液状態からは浸漬やスピンコーティング、キャピラリーコーティングといった塗付型成膜と、それに続く熱処理によって形成される。
上記光電変換層103は、正極配線引出し部105で下地の正極102が露出するようにパターンニングされる。このパターンニングは、メタルマスクやリソグラフィーなどの方法を用いて行われる。
上記光電変換層103の上には、負極104が形成されている。負極材料は、光電変換層103に合わせて。アルミニウム、白金などの金属が選択される。
上記構成の太陽電池(有機薄膜型太陽電池)においては、外部の光が、基板101と透明電極102とを透過して入射し、光電変換層103で吸収され、励起電子が生成される。励起電子は、光電変換層内のPN接合(もしくはドナー/アクセプタ分子界面)、もしくは光電変換層と正極との間のショットキー接合界面近傍で電荷分離されて正孔・電子対を生み、正孔は正極102に、電子は負極104に達する。このように発生した光電流は、正極配線引き出し部105と負極配線引き出し部106に接続された配線によって外部回路に取り出される。
例えば、前述のバルクへテロ接合型の場合、入射光は、MEH−PPVに吸収され、生じた励起電子が高効率でPCMBに注入される。PCMBに注入された電子は、PCMB間をホッピングすることによって負極104に達し、MEH−PPVに残された正孔も、高分子鎖をたどりながら正極102に到達すると考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。
上記有機薄膜型太陽電池は、大面積に適した比較的安価な蒸着や塗付などの手法で全ての層を形成することができるため、大面積の太陽電池を低いコストで実現できる可能性がある。
しかしながら、光電変換層が有機薄膜である場合、入射光の吸収を十分高めるためには、有機薄膜層の厚さを、ある程度厚くしなければならない。例えば、MDMO−PPVとPCBMからなるバルクへテロ接合型太陽電池では、MDMO−PPVの光吸収効率が高い波長領域(460nm〜480nm)においても、光電変換層の厚さ100nmにおける光吸収効率は60%以下であり、エネルギー変換効率は9.5%程度と見積もられている(例えば、非特許文献2参照。)。これ以外の波長域を含めると、吸収できない光子数の割合が増大するから、エネルギー変換効率はさらに低下する。上記文献においては、AM1.5(擬似太陽光の照射エネルギー密度100mW/cm2)の条件下で、エネルギー変換効率2.5%という値が報告されている。
光吸収効率は、光電変換層を厚くすることによって向上させることができる。しかし、図5の構造においては、正孔・電子対の発生箇所から夫々の電極までの平均距離が増大するため、再結合による光電流の損失が増加する。また、有機薄膜は一般に、シリコンやGaAsなどと比べてキャリアの移動度が低く、高抵抗であるため、ドリフト・拡散領域の電気抵抗による損失も問題になると考えられる。このように、光吸収効率を高めるために光電変換層の膜厚を厚くすると、光吸収以外の要因に起因する損失が増大するため、光吸収効率の増加に見合った光電流の増加は望めない。
上述の問題に加え、図5の構造においては、入射光は、透明基板101と正極(透明電極102)とを通して光電変換層103に入射するため、これらの各層における吸収、もしくは、各層の表面や界面での反射による損失は無視できない。正極(透明電極)102における光吸収損失は、正極(透明電極)102を流れる光電流の導体損失との間でトレードオフの関係にあるため、その抑制には限界が存在する。
この問題を解決するために、絶縁性基板上に正極と負極を交互に配置し、その電極間に、色素を担持させた半導体電極とイオン伝導層(またはホール輸送層)とを順次配置した色素増感型太陽電池(色素増感型光電変換素子)が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。ここでは、前述の透明電極に起因する損失は防がれている。しかし、色素増感型太陽電池は、前述の有機薄膜型太陽電池(有機薄膜型光電変換素子)と比べると、製造工程数が多くなる方向にある。したがって、同程度のエネルギー変換効率を得るための製造コストの点からは、必ずしも有利とは言えない。
特開平11-266028号公報 G.Yu, J.Gao, J.C.Hummelen, F.Wudl, A.J.Heeger著 「Polymer Photovoltaic Cells : Enhanced Efficiencies via a Network of Internal Door-Acceptor Heterojunction」 SCIENCE vol.270 (1995年11月15日) p.1789 S.E.Shaheen, C.J.Brabec, F.Padinger, T.Fromherz, J.C.Hummelen, N.S.Sariciftci著 Applied Physics Letters Vol.78,(2001) p.841
解決しようとする問題点は、有機薄膜型太陽電池では、その正極における光吸収損失と正極を流れる光電流の導体損失との間でトレードオフの関係にあるため、その抑制には限界が存在する点であり、また、その問題点を解決しようとした色素増感型太陽電池では、有機薄膜型太陽電池と同程度のエネルギー変換効率を得るためには製造工程数が多くなり製造コストがかかり過ぎる点である。
本発明の光電変換素子は、第1基体と、前記第1基体上に形成された第1電極と、前記第1基体に略平行な仮想面上で、間隔を置いて前記第1電極と隣接するように配置された第2電極と、少なくとも前記第1電極と前記第2電極との間に配置された光電変換層と、前記第1電極と前記第2電極と前記光電変換層とを間に挟んで、前記第1基体と対向するように配置された第2基体とを具備することを最も主要な特徴とする。
本発明の光電変換素子の第1製造方法は、基体表面に犠牲膜を形成する工程と、前記犠牲膜にストライプ状の開口部を形成する工程と、前記開口部の一方の側面に第1金属を堆積させる工程と、前記開口部のもう一方の側面に第2金属を堆積させる工程と、前記犠牲膜を除去することにより、前記犠牲膜とともに前記犠牲膜上に堆積された前記第1金属および第2金属を除去する工程と、前記第1金属および第2金属が形成された前記基体上に光電変換層を成膜する工程と、前記光電変換層を被覆する透明保護膜を形成する工程とを備えたことを最も主要な特徴とする。
本発明の光電変換素子の第2製造方法は、基体上に第1金属膜とマスク膜とを順次成膜する工程と、前記マスク膜に、ストライプ状の開口部を形成する工程と、前記マスク膜をエッチングマスクとして、前記第1金属膜をエッチング加工してストライプ状の溝を形成する工程と、前記第1金属膜のストライブ状の溝に対して、その一方の側壁と上面が被覆される向きから、絶縁層と第2金属膜とを順次成膜する工程と、前記第1金属膜および前記第2金属膜が形成された基板上に光電変換層を形成する工程と、前記光電変換層を被覆する透明保護膜を形成する工程とを備えたことを最も主要な特徴とする。
本発明の光電変換素子の第3製造方法は、基体上に第1金属膜とマスク膜とを順次成膜する工程と、前記マスク膜に、ストライプ状の開口部を形成する工程と、前記マスク膜をエッチングマスクとして、前記マスク膜直下がアンダーカットされるように前記第1金属膜をエッチング加工して溝を形成する工程と、前記マスク膜上方から第2金属膜を堆積する工程と、前記マスク膜と前記マスク膜上に堆積した不要な第1金属および第2金属膜とを除去する工程と、前記第1金属膜および第2金属膜が形成された基体上に光電変換層を形成する工程と、前記光電変換層を被覆する透明保護膜を形成する工程とを備えたことを最も主要な特徴とする。
本発明の光電変換素子は、第1基体上に第1電極が形成され、第1基体に略平行な仮想面上で第1電極と間隔を置いて第1電極と隣接するように第2電極が配置され、少なくとも第1電極と第2電極との間に光電変換層が配置され、さらに第2基体が形成されているため、光電変換層には第1基体もしくは第2基体を透過した光を導くことができるので、従来の有機薄膜型光電変換素子のように透明電極による光のエネルギー損失を被ることがないので、入射光に対する光変換効率が向上できるという利点がある。また、第1電極と第2電極とを間隔を置いて隣接するように配置したことにより、入射光によって生じた正孔と電子がそれぞれの電極に到達するまでの平均距離と、光電変換層を通過する入射光の行路長とを、従来のトレードオフ関係による制約を受けることなく、それぞれ独立に設計することが可能となるという利点がある。
すなわち、上記平均距離は、光電変換層中の電子と正孔の移動度、および拡散長とを勘案して、対向部における正極と負極の間隙によって最適の長さに定めることができ、他方、光路長は、それとは独立に、光電変換層の吸光係数に応じて、光電変換層の厚さ(t)によって、最適の長さに定めることができる。例えば、目標とする吸効率を99%と定めた場合、光電変換層中の色素の濃度(c)、色素の吸効係数(a)から、光路長は、概ね−log(1/100)/(a・c)=2/(a・c)より定めることができる。
本発明の光電変換素子の第1製造方法は、犠牲膜に形成したストライプ状の開口部の側壁を利用して、一方の側壁には第1金属を堆積させ、もう一方の側壁には第2金属を堆積させることで、第1金属と第2金属とを交互に所定間隔を設けて形成することができる。そして、第1金属および第2金属が形成された基体上に光電変換層を成膜することから、第1金属と第2金属との間に光電変換層が形成される。したがって、第1金属を第1電極とし、第2金属を第2電極とすれば、前記本願発明の光電変換素子の構成を得ることができ、よって、上記した光電変換素子の効果が得られる光電変換素子を製造することができるという利点がある。また、リソグラフィー工程は、犠牲膜にストライプ状の開口部を形成する工程のみであり、第1金属および第2金属の形成にはリソグラフィー工程を必要としない。すなわち、製造上、コストの係るリソグラフィー工程を必要最小限とすることができるので、製造コストの低減が可能になる。
本発明の光電変換素子の第2製造方法は、第1金属膜に形成したストライプ状の溝の側壁を利用して、一方の側壁に絶縁層を介して第2金属膜を成膜させることで、第1金属膜と第2金属膜とを交互に所定間隔を設けて形成することができる。そして、第1金属膜および第2金属膜が形成された基体上に光電変換層を形成することから、第1金属膜と第2金属膜との間に光電変換層が形成される。したがって、第1金属膜を第1電極とし、第2金属膜を第2電極とすれば、前記本願発明の光電変換素子と同様の構成を得ることができ、よって、上記した光電変換素子の効果が得られる光電変換素子を製造することができるという利点がある。また、リソグラフィー工程は、第1金属膜にストライプ状の溝を形成するために用いるマスク層の加工工程のみであり、第2金属膜の形成にはリソグラフィー工程を必要としない。すなわち、製造上、コストの係るリソグラフィー工程を必要最小限とすることができるので、製造コストの低減が可能になる。
本発明の光電変換素子の第3製造方法は、第1金属膜に形成したストライプ状の溝を形成する際に、マスク膜直下にアンダーカットを形成することにより、次工程のマスク膜上方から第2金属膜を堆積する工程で形成される第2金属膜を上記アンダーカットの分だけ第1金属膜と間隔を置いて形成することが可能になる。そして、不要なマスク膜と第1金属膜、第2金属膜を除去した後に第1金属膜と第2金属膜との間に光電変換層が形成される。したがって、第1金属膜を第1電極とし、第2金属膜を第2電極とすれば、前記本願発明の光電変換素子の構成を得ることができ、よって、上記した光電変換素子の効果が得られる光電変換素子を製造することができるという利点がある。また、リソグラフィー工程は、第1金属膜にストライプ状の溝を形成するために用いるマスク層の加工工程のみであり、第2金属膜の形成にはリソグラフィー工程を必要としない。すなわち、製造上、コストの係るリソグラフィー工程を必要最小限とすることができるので、製造コストの低減が可能になる。
光電変換層の光吸収効率の向上と光電変換層における導体損失の低減、および、透明導電層の吸収と反射に起因する光エネルギーの損失低減を、製造コストを上げることなく、同時に実現することにより、低価格で高効率な光電変換素子を提供するという目的を、第1基体と、第1基体上に形成された第1電極と、第1基体に略平行な仮想面上で、間隔を置いて前記第1電極と隣接するように配置された第2電極と、少なくとも第1電極と第2電極との間に配置された光電変換層と、第1電極と第2電極と光電変換層とを間に挟んで、第1基体と対向するように配置された第2基体とを構成することで実現した。
本発明の光電変換素子に係る一実施例を、図1(1)のレイアウト図および図1(2)の(1)図中のA−A線断面を示す断面図によって説明する。
図1に示すように、第1基体11は、所望の平坦性を有するガラス板もしくはポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック基板である。したがって、第1基体11には光透過性の基板を用いることができる。
上記第1基体11上には、第1基体11に略平行な仮想面上、例えば第1基体11表面で、くし型にパターンニングされた第1電極(例えば正極)12と第2電極(例えば負極)13とが形成されている。上記くし型の第1電極12は、くし歯の部分に対応するもので例えば等間隔、平行かつ複数に設けられた対向部12aと、複数の対向部12aで取り出された電荷を集めて外部端子(図示せず)に送る集電部12bからなる。同様に、上記くし型の第2電極13は、くし歯の部分に対応するもので例えば等間隔、平行かつ複数に設けられた対向部13aと、複数の対向部13aで取り出された電荷を集めて外部端子(図示せず)に送る集電部13bからなる。そして、上記対向部12a、13aは交互に所定間隔を開けて配置され、かつ上記集電部12bは上記対向部13aの一端とは所定間隔を保ってかつ上記各対向部12aの一端側に接続されて配置され、上記集電部13bは上記対向部12aとは反対側で上記対向部12aの端部とは所定間隔を保ってかつ上記各対向部13aに接続するように配置されている。
また、少なくとも上記第1電極12と上記第2電極13との間には、光電変換層14が配置されている。例えば、上記光電変換層14は、上記第1電極12、第2電極13を被服するように形成されている。この光電変換層14は、上記第1電極12と上記第2電極13の少なくとも一方に対して、ショットキー接合を形成する。
さらに、上記第1電極12と上記第2電極13と上記光電変換層14とを間に挟んで、上記第1基体11と対向するように第2基体15が形成されている。この第2基体15は、例えば透明な保護膜で形成することができる。
上記対向部12a、13aの電極断面形状は、電極表面での散乱を利用して光の利用効率を高めるために、図面(2)に示すように、望ましくは、光の入射方向に向かって細くなる形状が好ましい。
対向部12a、13aにおける第1電極12(正極)と第2電極13(負極)との間隙の長さは、発電中の光電変換層14における電子と正孔の拡散長と移動度、対向部12a、13aを光の入射方向から見たときの「開口率」(対向部12a、13aの全面積に対する電極占有面積の割合)を勘案して定める。正極となる対向部12aと負極となる対向部13aとは、その底面において短絡しない程度にできるだけ近接して形成することが好ましく、上面においては、上記の要因を勘案して定められた間隔を有していることが好ましい。また、対向部12a、13aの高さは、対向部12a、13aの電極断面のアスペクト比(高さ:幅)が1より大きくなるように定めるのが好ましい。
第1電極12(正極)と第2電極13(負極)とで挟まれた空間は、少なくとも対向部12a、13aにおいて、光電変換層14で満たされている。上記光電変換層14は、有機半導体材料からなり、電子供与性材料と電子受容性材料とを有している。電子供与性材料は、ポリフェニレン−ビニレン、ポリチオフェン、または、ポリフェニレン−ビニレンもしくはポリチオフェンの誘導体を主成分としたものであり、電子受容性材料は、C60もしくは側鎖にシアノ基を有するポリフェニレン−ビニレン誘導体である。上記光電変換層14の厚さは、光電変換層14の吸光係数に応じて定める。吸光係数が比較的低い場合は、第1電極12(正極)の対向部12aの高さと第2電極13(正極)の対向部13aの高さとが同程度か、その2倍よりも低い値に設定することが好ましい。吸光係数が十分高ければ、その厚さは、対向部12a、13aの電極高さより低く定めてもよい。
光電変換層14の第1基体11と反対側の面は、第2基体15となる透明保護膜によって被覆される。上記透明保護膜は、光電変換層14を劣化させる物質(酸素や水など)の侵入や機械的損傷を防ぐため、ガスバリア性の高い材料で構成する。ガスバリア性材料が十分な機械的強度を有していない場合は、機械的強度に優れた材料の層と組み合わせてもよい。ガスバリア性の高い材料としては、蒸着やスパッタリングにて成膜したSiO2膜やSiN膜、もしくは真空ラミネートにて被覆したプラスチックフィルムを用いることができる。
上記第1電極12(正極)および第2電極13(負極)の材料は、次の光電変換層14の材質に応じて選択される。例えば、光電変換層14が、MEH−PPVとPCBMの混合層からなるバルクヘテロ接合層である場合、上記第1電極12(正極)は、仕事関数の大きな金属、例えば、Al(4.3eV)、Cu(4.7eV)、In(4.2eV)、Pt(5.7eV)、Ag(4.3eV)、Au(5.1eV)、Pd(5.2eV)とし、第2電極13(負極)は、第1電極12(正極)より仕事関数の小さな金属、例えば、Ca(3.0eV)、ITO(4.1〜5.5eV)から選ぶことができる。なお、括弧内の数値は、Physics of Semiconductor Devices 2nd edition, p.251に基づく。
本発明の光電変換素子1は、第1基体11上に第1電極12が形成され、第1基体11に略平行な仮想面上で第1電極12と間隔を置いて第1電極11と隣接するように第2電極13が配置され、少なくとも第1電極12と第2電極13との間に光電変換層14が配置され、さらに第2基体15が形成されているため、光電変換層14には第1基体11もしくは第2基体15を透過した光を導くことができるので、従来の有機薄膜型光電変換素子のように透明電極による光のエネルギー損失を被ることがないので、入射光に対する光変換効率が向上できるという利点がある。また、第1電極12と第2電極13とを間隔を置いて隣接するように配置したことにより、入射光によって生じた正孔と電子がそれぞれの電極に到達するまでの平均距離と、光電変換層14を通過する入射光の行路長とを、従来のトレードオフ関係による制約を受けることなく、それぞれ独立に設計することが可能となるという利点がある。
すなわち、上記平均距離は、光電変換層14中の電子と正孔の移動度、および拡散長とを勘案して、対向部12aと対向部13aとの間隙によって最適の長さに定めることができ、他方、光路長は、それとは独立に、光電変換層14の吸光係数に応じて、光電変換層14の厚さ(t)によって、最適の長さに定めることができる。例えば、目標とする吸効率を99%と定めた場合、光電変換層14中の色素の濃度(c)、色素の吸効係数(a)から、光路長は、概ね−log(1/100)/(a・c)=2/(a・c)より定めることができる。
次に、本発明の光電変換素子の第1製造方法に係る一実施例を、図2の製造工程断面図によって説明する。なお、図2の各断面は、前記図1(1)のレイアウト図におけるA−A線断面と同様な位置の断面を表している。
図2(1)に示すように、まず工程1を行う。この工程1は、基体11に犠牲膜となるレジスト膜21を成膜し、続くリソグラフィー技術によって、開口部22を線状に複数本形成する。各開口部22は、例えば、くし型に形成される第1電極のくし歯部分である対向部およびこの対向電極に隣接するもので、同様にくし型に形成される第2電極のくし歯部分である対向部を一組の開口パターンとして形成される。上記レジスト膜21の厚さは、後に形成する対向部の電極高さよりも高く設定する。また、レジストの断面形状は、基体11に向かってパターン幅が広がるように、いわゆる「逆テーパー」となるように、レジストの種類とリソグラフィーの方法を定める。
例えば、レジストにポリメチルメタクリル樹脂(PMMA)を用いた場合、電子線でパターンを露光することによって、自然に開口部22の側壁が逆テーパー型の形状となるレジストパターンを得ることができる。もしくは、レジストをネガ型とし、紫外光や深紫外光でパターンを露光してもよい。もしくは、ポジ型のレジストを用いて露光した後、レジスト表面の現像速度を落とすような表面処理を施した後に、現像を行うことによって、レジスト開口部にオーバーハングを形成してもよい。
次に、図2(2)に示すように、工程2を行う。この工程2は、例えば斜め蒸着法によって、すなわち、上記開口部22の長手方向におけるレジスト膜21の一側面に第1電極(例えば正極)を形成する第1金属23を堆積して第1電極(例えば正極)12を形成する。このとき、レジスト膜21上面にも第1金属23が堆積される。この第1金属を、例えばAlやAuとした場合、蒸着方法としては、抵抗加熱蒸着やスパッタ蒸着を用いることができる。その場合、基板面を金属ソース(ターゲット)に直交する向きから傾けることによって、上記説明したように、レジスト膜21の開口部22側壁の片側だけに、第1金属23を堆積させることができる。なお、図面矢印は第1金属23の飛程方向を示す。
次に、図2(3)に示すように、工程3を行う。この工程3は、前記工程2と同様に、例えば斜め蒸着法によって、すなわち、上記開口部22の長手方向の前記工程2で用いた一側面とは反対側の側面のみに第2電極(例えば負極)を形成する第2金属24を堆積して、第2電極(例えば負極)13を形成する。このとき、レジスト膜21上にも第2金属24が堆積される。この第2金属24を、例えばCaとした場合、蒸着方法としては抵抗加熱蒸着を用いることができ、例えばインジウムスズオキサイド(ITO)とした場合は、スパッタ蒸着を用いて成膜することができる。その場合、基板面を金属ソース(ターゲット)に直交する向きから傾けることによって、上記説明したように、レジスト膜21の開口部22側壁の片側だけに、第2金属24を堆積させることができる。この第2金属24の堆積では、開口部22内において先に形成された第1金属23と基体11表面で接触しないように堆積することが重要である。なお、図面矢印は第2金属24の飛程方向を示す。
次に、図2(4)に示すように、工程4を行う。この工程4は、基体11を有機溶剤に浸漬し、レジスト膜21〔前記図2(3)参照〕を溶解させて除去するとともに、レジスト膜21上に堆積していた第1金属23、第2金属24を除去する。この結果、第1電極(例えば正極)12の複数の対向部12aと第2電極(例えば負極)13の複数の対向部13aとがそれぞれ対を成して対向する状態が形成される。
次に、図2(5)に示すように、工程5を行う。この工程5は、基体11に、上記第1電極(例えば正極)12と第2電極(例えば負極)13とを被覆するように、光電変換層14を形成する。光電変換層14をバルクヘテロ接合層とする場合は、例えば、基体11上に、MEH−PPVとPCMBを1:4重量%の割合で溶解させたクロルベンゼン溶液を回転塗布した後、その溶媒を蒸発させて、上記光電変換層14を形成する。
次に、図2(6)に示すように、工程6を行う。この工程6は、上記光電変換層14の上面に第2基体15となる透明保護膜を形成する。この透明保護膜は、例えば絶縁性ポリマーからなるフィルムを真空ラミネートなどで積層してもよい。もしくは、透明保護膜を形成する前に、ガスバリア性の高いSiO2やSiNといった絶縁性材料を成膜しておいてもよい。その成膜方法としては、例えば、電子線加熱蒸着やスパッタ蒸着を用いることができる。
本発明の光電変換素子の第1製造方法は、犠牲膜となるレジスト膜21に形成したストライプ状の開口部22の側壁を利用して、一方の側壁には第1金属を堆積させ、もう一方の側壁には第2金属を堆積させることで、第1金属からなる第1電極(例えば正極)12の複数の対向部12aと第2金属からなる第2電極(例えば負極)13の複数の対向部13aとを交互に所定間隔を設けて形成することができる。そして、第1金属の対向部12aおよび第2金属の対向部13aが形成された基体11上に光電変換層14を成膜することから、第1金属の対向部12aと第2金属の対向部13aとの間に光電変換層14が形成される。したがって、前記本願発明の光電変換素子1の構成を得ることができ、よって、上記した光電変換素子1の効果が得られる光電変換素子を製造することができるという利点がある。また、リソグラフィー工程は、犠牲膜となるレジスト膜21にストライプ状の開口部22を形成する工程のみであり、第1金属および第2金属の形成にはリソグラフィー工程を必要としない。すなわち、製造上、コストの係るリソグラフィー工程を必要最小限とすることができるので、製造コストの低減が可能になる。
次に、本発明の光電変換素子の第1製造方法に係る一実施例を、図3の製造工程断面図によって説明する。なお、図3の各断面は、前記図1(1)のレイアウト図におけるA−A線断面と同様な位置の断面を表している。
図3(1)に示すように、工程1を行う。この工程1は、基体11に、第1電極(例えば正極)となる第1金属膜31とマスク膜となるレジスト膜32を順次成膜し、続くリソグラフィーによって、レジスト膜32に形成しようとするくし型電極のくし歯部分となる対向部のパターンを転写するように、ストライプ状の開口部33を形成する。上記第1金属膜31を、例えばAlやAuで形成する成膜方法として蒸着方法を用いる場合には、例えば、抵抗加熱蒸着やスパッタ蒸着を用いることができる。上記レジスト膜32の厚さは、次に行う第1電極のエッチング工程におけるレジストと第1電極との選択比を勘案して定める。
次に、図3(2)に示すように、工程2を行う。この工程2は、レジスト膜32をエッチングマスクとして、第1金属膜31をエッチング加工し、開口部33のパターンを第1金属膜31に転写し、ストライプ状の溝34を形成する。
もしくは、上記工程1、2の別法として、レジスト膜を第1金属膜より先に基体上に堆積し、レジスト膜に形成される開口部のレジスト膜断面が、いわゆる「逆テーパー」形状となるように開口部を形成した後に、第1金属を蒸着し、リフトオフ法によって、レジスト膜およびレジスト膜上の第1金属を除去することで、上記同様のストライプ状の溝が形成された第1金属膜を形成することができる。
次に、図3(3)に示すように、工程3を行う。この工程3は、酸素プラズマや剥離液を用いてレジスト膜32〔前記図3(2)参照〕を除去したのち、第1金属膜31の片側の側面と上面とに絶縁層35を堆積する。上記絶縁層35を、例えばSiO2とした場合、堆積には、電子線加熱蒸着もしくはスパッタ蒸着を用いることができる。このとき、第1金属膜31に形成した溝34の片側側面だけに絶縁層35を堆積させるために、堆積させたい第1金属膜31の溝35側面が蒸着源に傾斜して向くように、基体11面を絶縁体材料の飛来方向に対して傾斜させる、いわゆる斜め蒸着を行う。
次に、図3(4)に示すように、工程4を行う。この工程4は、前記工程3と同じ向きから、第2金属材料(例えば負極金属材料)を堆積させ、絶縁層35上に、負極金属材料からなる第2金属膜36を成膜する。このとき、絶縁層35および第2金属膜36の蒸着にあたっては、第2金属膜36が第1金属膜31と短絡することのないように、蒸着時の基体11傾ける角度や第1金属膜31の膜厚、基体11の温度等の成膜条件を定める。
次に、図3(5)に示すように、工程5を行う。この工程5は、基体11に、上記第1金属膜31からなる第1電極(例えば正極)12と上記第2金属膜36からなる第2電極(例えば負極)13とを被覆するように、光電変換層14を形成する。光電変換層14をバルクヘテロ接合層とする場合は、例えば、基体11上に、MEH−PPVとPCMBを1:4重量%の割合で溶解させたクロルベンゼン溶液を回転塗布した後、その溶媒を蒸発させて、上記光電変換層14を形成する。
次に、図3(6)に示すように、工程6を行う。この工程6は、上記光電変換層14の上面に第2基体15となる透明保護膜を形成する。この透明保護膜は、例えば絶縁性ポリマーからなるフィルムを真空ラミネートなどで積層してもよい。もしくは、透明保護膜を形成する前に、ガスバリア性の高いSiO2やSiNといった絶縁性材料を成膜しておいてもよい。その成膜方法としては、例えば、電子線加熱蒸着やスパッタ蒸着を用いることができる。
本発明の光電変換素子の第2製造方法は、第1金属膜31に形成したストライプ状の溝34の側壁を利用して、一方の側壁に絶縁層35を介して第2金属膜36を成膜させることで、第1金属膜31と第2金属膜36とを交互に所定間隔を設けて形成することができる。そして、第1金属膜31および第2金属膜36が形成された基体11上に光電変換層14を形成することから、第1金属膜31と第2金属膜36との間に光電変換層14が形成される。したがって、第1金属膜31を第1電極12とし、第2金属膜36を第2電極13とすれば、前記本願発明の光電変換素子1と同様の構成を得ることができ、よって、上記した光電変換素子1の効果が得られる光電変換素子を製造することができるという利点がある。また、リソグラフィー工程は、第1金属膜31にストライプ状の溝34を形成するために用いるマスク層32の加工工程のみであり、第2金属膜36の形成にはリソグラフィー工程を必要としない。すなわち、製造上、コストの係るリソグラフィー工程を必要最小限とすることができるので、製造コストの低減が可能になる。
次に、本発明の光電変換素子の第1製造方法に係る一実施例を、図4の製造工程断面図によって説明する。なお、図4の各断面は、前記図1(1)のレイアウト図におけるA−A線断面と同様な位置の断面を表している。
図4(1)に示すように、まず工程1を行う。この工程1は、基体11に、第1電極(例えば正極)となる第1金属膜41とマスク膜となるレジスト膜42を順次成膜し、続くリソグラフィーによって、レジスト膜42に形成しようとする一方のくし型電極のくし歯部分となる対向部のパターンを転写するように、ストライプ状の開口部43を形成する。上記第1金属膜41を、例えばITOで形成する成膜方法として、スパッタ蒸着やゾルゲル法による溶液からの成膜方法を用いることができる。
次に、図4(2)に示すように、工程2を行う。この工程2は、レジスト膜42をエッチングマスクとして、第1金属膜41をエッチング加工し、開口部43のパターンを第1金属膜41に転写し、ストライプ状の溝44を形成する。このとき、レジスト膜42の下を例えば0.1μm程度のアンダーカットを形成するため、レジスト膜42のオーバーハングを形成するようにエッチング時間などの条件を定める。上記アンダーエッチングの量は、次の工程3で形成する第2金属膜(負極を形成する金属膜)が、第1金属膜41に形成された溝44の底部で第1金属膜41に接触して短絡経路を形成しないように定める。上記第1金属膜41がITOである場合、上記第1金属膜41のエッチングは、燐酸や塩酸による溶液によって行うことで、レジスト膜42のオーバーハング(第1金属膜41のアンダーカット)を得ることができる。もしくは、反応性イオンエッチングのような異方性エッチングで第1金属膜41に溝44を形成した後、燐酸や塩酸による溶液エッチングでレジスト膜42のオーバーハング(第1金属膜41のアンダーカット)を形成してもよい。
次に、図4(3)に示すように、工程3を行う。この工程3は、上記レジスト膜42の上から、第2金属膜(例えば負極金属膜)45を蒸着する。このとき、前述の第1金属膜41に対するレジスト膜42のオーバーハングで第2金属膜45は段切れ状態となるように、第2金属膜45の膜厚を定める。この結果、基体11上において、第1金属膜41と第2金属膜45とは短絡することなく、第1金属膜41と第2金属膜45との間にアンダーカット分の隙間46を得ることができる。
次に、図4(4)に示すように、工程4を行う。この工程4は、レジストを溶解する溶液、例えばアセトンなどの有機溶媒、もしくは、レジスト剥離液に基体11を浸漬して、上記レジスト膜42〔前記図4(4)参照〕を除去するとともに、レジスト膜42の上に堆積されていた不要な金属膜、例えば第2金属膜45も除去されて、狭い隙間46を挟んで対向する第1金属膜41からなる第1電極12(正極)と第2金属膜45からなる第2電極13(負極)とを得る。
次に、図4(5)に示すように、工程5を行う。この工程5は、基体11上に、上記隙間46を埋め込むように、かつ上記第1電極(例えば正極)12と上記第2電極(例えば負極)13とを被覆するように、光電変換層14を形成する。光電変換層14をバルクヘテロ接合層とする場合は、例えば、基体11上に、MEH−PPVとPCMBを1:4重量%の割合で溶解させたクロルベンゼン溶液を回転塗布した後、その溶媒を蒸発させて、上記光電変換層14を形成する。
次に、図4(6)に示すように、工程6を行う。この工程6は、上記光電変換層14の上面に第2基体15となる透明保護膜を形成する。この透明保護膜は、例えば絶縁性ポリマーからなるフィルムを真空ラミネートなどで積層してもよい。もしくは、透明保護膜を形成する前に、ガスバリア性の高いSiO2やSiNといった絶縁性材料を成膜しておいてもよい。その成膜方法としては、例えば、電子線加熱蒸着やスパッタ蒸着を用いることができる。
本発明の光電変換素子の第3製造方法は、第1金属膜41に形成したストライプ状の溝44を形成する際に、マスク膜となるレジスト膜42直下にアンダーカットを形成することにより、次工程のレジスト膜42上方から第2金属を堆積する工程で形成される第2金属膜45を上記アンダーカットの分だけ第1金属膜41と間隔を置いて形成することが可能になる。そして、不要なレジスト膜42と第2金属膜45を除去した後に第1金属膜41と第2金属膜45との間に光電変換層14が形成される。したがって、第1金属膜41を第1電極12とし、第2金属膜45を第2電極13とすれば、前記本願発明の光電変換素子1の構成を得ることができ、よって、上記した光電変換素子1の効果が得られる光電変換素子を製造することができるという利点がある。また、リソグラフィー工程は、第1金属膜41にストライプ状の溝44を形成するために用いるレジスト膜42の加工工程のみであり、第2金属膜45の形成にはリソグラフィー工程を必要としない。すなわち、製造上、コストの係るリソグラフィー工程を必要最小限とすることができるので、製造コストの低減が可能になる。
以上に述べた各製造方法において、電子受容体は、PCBMに限定されるものではなく、C60、Fulleropyrrolidine、MEH−CN−PPVなども使用できる。
本発明の光電変換素子およびその製造方法は、太陽電池をはじめとして、光電変換を利用する各種電子機器という用途にも適用できる。
本発明の光電変換素子に係る一実施例を示した図面であり、図1(1)はレイアウト図を示し、図1(2)は(1)図中のA−A線断面を示す概略構成断面図である。 本発明の光電変換素子の第1製造方法に係る一実施例を示した製造工程断面図である。 本発明の光電変換素子の第2製造方法に係る一実施例を示した製造工程断面図である。 本発明の光電変換素子の第3製造方法に係る一実施例を示した製造工程断面図である。 従来の光電変換素子の一例を示した概略構成断面図である。
符号の説明
11…第1基体、12…第1電極、13…第2電極、14…光電変換層、15…第2基体

Claims (7)

  1. 第1基体と、
    前記第1基体上に設けられた犠牲膜に形成されたストライプ状の開口部の一方の側面に第1金属を、もう一方の側面に第2金属を斜め蒸着法によって堆積させた後、前記犠牲膜とともに当該犠牲膜上に堆積された前記第1金属および前記第2金属を除去することによって形成された第1電極および第2電極と、
    少なくとも前記第1電極と前記第2電極との間に配置された光電変換層と、
    前記第1電極と前記第2電極と前記光電変換層とを間に挟んで、前記第1基体と対向するように配置された第2基体と
    を具備し、
    前記第1電極と前記第2電極とはくし型電極からなり、
    前記第1電極の断面形状および前記第2電極の断面形状は、前記第1電極と前記第2電極との隣接部において、光の入射方向に向かって細くなる形状を有している
    光電変換素子。
  2. 前記第1基体、または前記第2基体、または前記第1基体と前記第2基体は、光透過性を有する
    請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記光電変換層は、前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方に対して、ショットキー接合を形成する
    請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記光電変換層は、有機半導体材料からなる
    請求項1記載の光電変換素子。
  5. 前記光電変換層は、電子供与性材料と電子受容性材料とを有している
    請求項1に記載の光電変換素子。
  6. 前記電子供与性材料は、ポリフェニレン-ビニレン、ポリチオフェン、または、ポリフェニレン-ビニレンもしくはポリチオフェンの誘導体を主成分としたものであり、
    前記電子受容性材料は、C60もしくは側鎖にシアノ基を有するポリフェニレン-ビニレン誘導体であ
    求項5に記載の光電変換素子。
  7. 基体表面に犠牲膜を形成する工程と、
    前記犠牲膜にストライプ状の開口部を形成する工程と、
    前記開口部の一方の側面に第1金属を斜め蒸着法によって堆積させる工程と、
    前記開口部のもう一方の側面に第2金属を斜め蒸着法によって堆積させる工程と、
    前記犠牲膜を除去することにより、前記犠牲膜とともに当該犠牲膜上に堆積された前記第1金属および第2金属を除去することによって第1電極および第2電極を形成する工程と、
    前記第1電極および第2電極が形成された前記基体上に光電変換層を成膜する工程と、
    前記光電変換層を被覆する透明保護膜を形成する工程とを備え、
    前記第1電極と前記第2電極とはくし型電極からなり、
    前記第1電極の断面形状および前記第2電極の断面形状は、前記第1電極と前記第2電極との隣接部において、光の入射方向に向かって細くなる形状を有している
    光電変換素子の製造方法。
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