JP4765117B2 - エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラム - Google Patents

エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4765117B2
JP4765117B2 JP2006056499A JP2006056499A JP4765117B2 JP 4765117 B2 JP4765117 B2 JP 4765117B2 JP 2006056499 A JP2006056499 A JP 2006056499A JP 2006056499 A JP2006056499 A JP 2006056499A JP 4765117 B2 JP4765117 B2 JP 4765117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
gain
analog signal
input
converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006056499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007235724A (ja
Inventor
健生 井上
秀紀 大橋
佳隆 女屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
On Semiconductor Trading Ltd
Original Assignee
On Semiconductor Trading Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by On Semiconductor Trading Ltd filed Critical On Semiconductor Trading Ltd
Priority to JP2006056499A priority Critical patent/JP4765117B2/ja
Priority to CN2006101727837A priority patent/CN101030990B/zh
Priority to TW096102156A priority patent/TWI343720B/zh
Priority to KR1020070020434A priority patent/KR100864571B1/ko
Priority to EP07103335A priority patent/EP1830550B1/en
Priority to US11/681,643 priority patent/US7400278B2/en
Publication of JP2007235724A publication Critical patent/JP2007235724A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4765117B2 publication Critical patent/JP4765117B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems
    • H04B3/02Details
    • H04B3/20Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
    • H04B3/23Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/10Earpieces; Attachments therefor ; Earphones; Monophonic headphones
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S5/00Pseudo-stereo systems, e.g. in which additional channel signals are derived from monophonic signals by means of phase shifting, time delay or reverberation 
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S7/00Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Telephone Function (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Description

本発明は、エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラムに関する。
近年、例えばイヤホンマイクが接続される携帯電話機やハンズフリー電話機などの通信機器においては、スピーカからマイクに回り込む音響結合や回路上の電気的反射等によって生じるエコーを防止するためのエコー防止回路が組み込まれているものがある。例えば、特許文献1では、入力信号と逆位相で振幅レベルが等しい信号を用いて入力信号を打ち消すことによってエコーを防止する回路が開示されている。しかし、特許文献1に開示された構成では、エコーを高精度にキャンセルするためには各回路素子の回路定数を高精度に設定する必要であるが、このような設定は容易ではなく、高精度にエコーをキャンセルすることができなかった。
そこで、デジタル処理を用いてエコーを高精度にキャンセルする方法が検討されている。図15は、DSP200を用いたエコー防止回路の一例を示す図である。図に示すように、携帯電話等で相手側から送信されてきた音声を示すアナログ信号は、ADコンバータ201に入力される。そして、ADコンバータ201によってデジタル変換された信号は、DSP200内のFIRフィルタ202,203で、夫々のフィルタ係数に基づいて畳み込み処理が施されて出力される。FIRフィルタ202から出力される信号は、DAコンバータ204に入力される。そして、DAコンバータ204によってアナログ変換された信号は、増幅回路205で増幅された後に入出力端子206を介してイヤホンマイクに出力されるとともに、差動増幅回路207の一方の端子に入力される。また、FIRフィルタ203から出力される信号は、DAコンバータ208に入力される。そして、DAコンバータ208から出力される信号は、増幅回路209で増幅された後に差動増幅回路207の他方の端子に入力される。
そして、差動増幅回路207から出力される信号は、増幅回路210で増幅された後にADコンバータ211でデジタル信号に変換されてDSP200に入力される。そして、このデジタル信号は、DSP200から出力された後に、DAコンバータ212でアナログ信号に変換されて、エコー防止回路の出力信号として出力される。
ここで、DSP200は、DAコンバータ204にインパルスを出力した際のADコンバータ211の出力により、DAコンバータ204からADコンバータ211までのインパルス応答を取得する。また、DSP200は、DAコンバータ208にインパルスを出力した際のADコンバータ211の出力により、DAコンバータ208からADコンバータ211までのインパルス応答を取得する。そして、これらのインパルス応答に基づいてFIRフィルタ202,203のフィルタ係数を適切に設定することにより、エコーをキャンセルすることができる。
特許第3293029号公報
ところで、イヤホンマイクは発声により耳の中に生じる音をアナログ信号に変換して出力することができるが、この信号は非常に微弱なものである。そこで、図15に示すエコー防止回路では、イヤホンマイクから入力される微弱な信号は、差動増幅回路207及び増幅回路210により例えば50dB程度増幅されている。
このようなエコー防止回路では、FIRフィルタ202,203のフィルタ係数を設定するために用いられるインパルス応答を取得する際に発生させるインパルスも、差動増幅回路207及び増幅回路210で増幅されることとなる。したがって、図16(a)に示すように小さいインパルスを発生させることにより、図16(b)にしめすように適切な大きさのインパルス応答を得ることができる。しかし、図16(a)に示すような小さいインパルスは、回路ノイズやイヤホンマイクから入力される背景ノイズ等の影響を受けやすく、精度の良いインパルス応答を取得することができない。一方、図17(a)に示すように、回路ノイズや背景ノイズの影響を受けにくくするためにインパルスを大きくすると、インパルス応答は図17(b)に示すようにADコンバータ211でオーバフローしてしまうこととなる。
そのため、図15に示したエコー防止回路では、取得可能なインパルス応答の精度が低く、FIRフィルタ202,203に適切なフィルタ係数を設定することができず、効果的にエコーをキャンセルすることが困難であった。
そこで、本発明は、高精度のインパルス応答を取得することにより効果的なエコー防止を可能とするエコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明のエコー防止回路は、第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1フィルタと、前記第1デジタル信号が入力され、第3デジタル信号を出力する第2フィルタと、前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、前記第1アナログ信号が出力されるか、当該出力された第1アナログ信号が反射されて入力されるか、第3アナログ信号が入力される入出力端子と、前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算回路と、前記減算回路から出力される信号を増幅して出力する増幅回路と、前記増幅回路から出力される信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、第1インパルス信号を前記第1DAコンバータに入力することにより前記第1DAコンバータの入力から前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第1応答信号を取得し、第2インパルス信号を前記第2DAコンバータに入力することにより前記第2DAコンバータの入力から前記前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第2応答信号を取得する応答信号取得部と、前記第1及び第2応答信号に基づいて、前記第4アナログ信号が前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号のみを除去または減衰した信号となるフィルタ係数を前記第1及び第2フィルタに設定するフィルタ係数設定部と、を備え、前記増幅回路は、前記第1及び第2応答信号が取得される前に入力される第1制御信号に応じてゲインを第1ゲインに設定し、前記第1及び第2応答信号が取得された後に入力される第2制御信号に応じてゲインを前記第1ゲインより大きい第2ゲインに設定することとする。
また、本発明のフィルタ係数設定方法は、第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1フィルタと、前記第1デジタル信号が入力され、第3デジタル信号を出力する第2フィルタと、前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、前記第1アナログ信号が出力されるか、当該出力された第1アナログ信号が反射されて入力されるか、第3アナログ信号が入力される入出力端子と、前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算回路と、前記減算回路から出力される信号を増幅して出力する増幅回路と、前記増幅回路から出力される信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、を備えるエコー防止回路のフィルタ係数設定方法であって、入力される第1制御信号に応じて前記増幅回路のゲインを第1ゲインに設定し、第1インパルス信号を前記第1DAコンバータに入力することにより前記第1DAコンバータの入力から前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第1応答信号を取得し、第2インパルス信号を前記第2DAコンバータに入力することにより前記第2DAコンバータの入力から前記前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第2応答信号を取得し、前記第1及び第2応答信号に基づいて、前記第4アナログ信号が前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号のみを除去または減衰した信号となるフィルタ係数を前記第1及び第2フィルタに設定し、前記第1及び第2応答信号が取得された後に入力される第2制御信号に応じてゲインを前記第1ゲインより大きい第2ゲインに設定することとする。
また、本発明のプログラムは、プロセッサと、第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1フィルタと、前記第1デジタル信号が入力され、第3デジタル信号を出力する第2フィルタと、前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、前記第1アナログ信号が出力されるか、当該出力された第1アナログ信号が反射されて入力されるか、第3アナログ信号が入力される入出力端子と、前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算回路と、前記減算回路から出力される信号を第1ゲイン又は前記第1ゲインより大きい第2ゲインで増幅して出力する増幅回路と、前記増幅回路から出力される信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、第1インパルス信号を前記第1DAコンバータに入力することにより前記第1DAコンバータの入力から前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第1応答信号を取得し、第2インパルス信号を前記第2DAコンバータに入力することにより前記第2DAコンバータの入力から前記前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第2応答信号を取得する応答信号取得部と、前記第1及び第2応答信号に基づいて、前記第4アナログ信号が前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号のみを除去または減衰した信号となるフィルタ係数を前記第1及び第2フィルタに設定するフィルタ係数設定部と、を備えるエコー防止回路の前記プロセッサに、前記増幅回路のゲインを前記第1ゲインに設定するための第1制御信号を前記増幅回路に出力する機能と、前記増幅回路のゲインに前記第1ゲインが設定された後に、前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させ、前記フィルタ係数設定部に当該第1及び第2応答信号に基づいて前記第1及び第2フィルタのフィルタ係数を設定させる機能と、前記第1及び第2応答信号が取得された後に、前記増幅回路のゲインを前記第2ゲインに設定するための第2制御信号を前記増幅回路に出力する機能と、を実現させるためのものとする。
高精度のインパルス応答を取得することにより効果的なエコー防止を可能とするエコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラムを提供することができる。
==全体構成==
図1は、本発明が適用されるエコー防止回路を含んで構成されるシステムの一例を示すブロック図である。システムは、エコー防止回路1、CPU(Central Processing Unit)2、メモリ3、学習ボタン4、及びイヤホンマイク5を含んで構成されている。
エコー防止回路1は、相手側から送信されてきた音声信号が相手側に送りかえされること等により生じるエコーを防止するための回路である。
CPU2は本システムの全体を制御するものであり、エコー防止回路1に対して各種の制御信号を出力する。例えば、CPU2は、エコー防止回路1をリセットするためのリセット信号が入力されると、後述するフィルタ係数設定処理を実行させるための指示信号をエコー防止回路1に出力する。また、例えば、エコー防止回路1を動作させるための電源投入をCPU2が検出したときに、前述の指示信号をエコー防止回路1に出力するようにしてもよい。また、CPU2は、アナログ回路の電気的変化を検出したときに、前述の指示信号をエコー防止回路1に出力するようにしてもよい。
メモリ3は、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の記憶回路であり、CPU2が実行可能なプログラムやCPU2により生成されるデータ等が格納される。
学習ボタン4は、エコー防止回路1に後述するインパルス学習を実行させるための指示をCPU2に伝えるためのものである。
イヤホンマイク5は、入力される音声信号に基づいて振動板(不図示)を振動させることにより音声を発生するスピーカ機能を有する。また、イヤホンマイク5は、当該イヤホンマイク5を装着している者が音声を発したときの鼓膜の振動を振動板の振動に換えることにより音声信号を生成するマイク機能も有するものである。なお、このイヤホンマイク5は周知の技術であり、例えば特開2003−9272等に記載されている。
エコー防止回路1は、デジタル信号処理回路(DSP:Digital Signal Processor)10、ADコンバータ11,12、DAコンバータ13〜15、増幅回路16〜18、差動増幅回路19、入出力端子20を備えている。なお、DAコンバータ13が本発明の第1DAコンバータに相当し、DAコンバータ14が本発明の第2DAコンバータに相当する。また、差動増幅回路19が本発明の減算回路に相当し、差動増幅回路19及び増幅回路17の一方又は両方が本発明の増幅回路に相当する。
そして、DSP10は、入力端子30,31、出力端子32〜34、DSPコア40、メモリ41を含んで構成されている。また、DSP10は、FIRフィルタ50,51を備えている。これらのFIRフィルタ50,51は、DSPコア40がメモリ41に格納されたプログラムを実行することにより実現される。ここで、FIRフィルタ50(第1FIRフィルタ)及びFIRフィルタ51(第2FIRフィルタ)により構成されるフィルタが本発明のフィルタに相当する。なお、FIRフィルタ50,51をハードウェアにより実現することも可能である。
ADコンバータ11には、例えば音声信号が入力される。そして、ADコンバータ11は、音声信号に対してアナログ・デジタル変換処理したデジタル信号(第1デジタル信号)を、入力端子30を介してDSP10に入力する。
DSP10に入力されたデジタル信号は、FIRフィルタ50,51にそれぞれ入力される。FIRフィルタ50は、入力されるデジタル信号に対して当該FIRフィルタ50のフィルタ係数に基づいて畳み込み演算処理を施したデジタル信号(第2デジタル信号)を出力端子32に出力する。また同時に、FIRフィルタ51は、入力されるデジタル信号に対して当該FIRフィルタ51のフィルタ係数に基づいて畳み込み演算処理を施したデジタル信号(第3デジタル信号)を出力端子33に出力する。
DAコンバータ13には、出力端子32を介して、FIRフィルタ50からの出力信号が入力される。そして、DAコンバータ13は、FIRフィルタ50からの出力信号に対してデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号(第1アナログ信号)を増幅回路16に出力する。増幅回路16は、所定の増幅率にてアナログ信号を増幅して出力する。
入出力端子20には、イヤホンマイク5が接続される。したがって、イヤホンマイク5は、入出力端子20から入力される音声信号に基づいて、振動板(不図示)を振動させることにより音声を発生する。また、イヤホンマイク5は、当該イヤホンマイク5を装着している者が音声を発したときの鼓膜の振動を振動板の振動に換えることにより音声信号(第3アナログ信号)を生成する。そして、イヤホンマイク5により生成された音声信号(第3アナログ信号)は、入出力端子20を介して差動増幅回路19の+入力端子に入力される。また、入出力端子20を介してイヤホンマイク5に出力された信号は反射されて入出力端子20から入力され、差動増幅回路19の+入力端子に入力される。ここで、反射されてくる信号とは、例えば、イヤホンマイク5を通じて戻ってくる信号や、イヤホンマイク5から出力された音が耳の中で反射し、その反射音がイヤホンマイク5によって音声信号に変換された信号等である。なお、入出力端子20は、出力信号と入力信号が排他的に入出力されるものではない。例えば、入出力端子20は、出力信号と入力信号とが同時に入出力される場合もある。
DAコンバータ14には、出力端子33を介して、FIRフィルタ51からの出力信号が入力される。そして、DAコンバータ14は、FIRフィルタ51からの出力信号に対してデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号(第2アナログ信号)を増幅回路18に出力する。増幅回路18は、所定の増幅率にてアナログ信号を増幅して差動増幅回路19の−入力端子に出力する。
差動増幅回路19は、+入力端子に入力されたアナログ信号と、−入力端子に入力されたアナログ信号との差分を増幅した信号(第4アナログ信号)を出力する。増幅回路17は、差動増幅回路19から出力される信号を所定の増幅率にて増幅してADコンバータ12に出力する。
ADコンバータ12は、増幅回路17からの音声信号に対してアナログ・デジタル変換処理したデジタル信号を、入力端子31を介してDSP10に入力する。入力端子31に入力されたデジタル信号は、出力端子34から出力される。DAコンバータ15には、出力端子34を介してDSP10から出力されるデジタル信号が入力される。そして、DAコンバータ15は、デジタル信号に対してデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号を出力する。
DSPコア40(プロセッサ)は、メモリ41に格納されたプログラムを実行することにより、DSP10における各種処理を実行することができる。図2は、DSPコア40がプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成を示す図である。DSP10は、応答信号取得部60及びフィルタ係数設定部61を備えている。
応答信号取得部60は、出力端子32からインパルス(第1信号)を出力したときに入力端子31から入力される信号により、図1の実線で示す経路Aのインパルス応答IR1’(Z)(第1応答信号)を取得する。また、応答信号取得部60は、出力端子33からインパルス(第2信号)を出力したときに入力端子31から入力される信号により、図1の実線で示す経路Bのインパルス応答IR2’(Z)(第2応答信号)を取得する。
フィルタ係数設定部61は、取得されたインパルス応答IR1’(Z)に基づいてFIRフィルタ51のフィルタ係数を設定する。また、フィルタ係数設定部61は、取得されたインパルス応答IR2’(Z)に基づいてFIRフィルタ50のフィルタ係数を設定する。
なお、本実施形態では、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)を取得し、取得したインパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)に基づいてFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定する一連の処理を「インパルス学習」と表すこととする。
また、差動増幅回路19及び増幅回路17は、CPU2から入力されるゲイン切り替え信号に基づいて、ゲインを切り替えることができる。例えば、差動増幅回路19及び増幅回路17は、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前にCPU2から出力される制御信号(第1制御信号)に応じてゲインを第1ゲインに設定し、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後にCPU2から出力される制御信号(第2制御信号)に応じてゲインを第2ゲインに設定する。ここで、第1ゲインは、回路ノイズや背景ノイズの影響を受けにくい大きなインパルスが入力された場合であっても、ADコンバータ12でオーバフローが発生しない程度に小さいゲインである。また、第2ゲインは、イヤホンマイク5から入力される微小な信号を十分に増幅可能なゲインである。
なお、本実施形態ではゲインを切り替えるための制御信号がCPU2から出力されることとしたが、DSP10から当該制御信号が出力されることとしてもよい。この場合、DSP10は、DSPコア40がメモリ41に格納されたプログラムを実行することにより実現される制御部を備えることとなる。そして、制御部は、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前に差動増幅回路19及び増幅回路17のゲインを第1ゲインにするための制御信号(第1制御信号)を出力し、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後に差動増幅回路19及び増幅回路17のゲインを第2ゲインにするための制御信号(第2制御信号)を出力する。
==エコーキャンセルの原理==
次に、エコー防止回路1におけるエコーキャンセルの原理について説明する。ここで、図1の破線で示す出力端子32から差動増幅回路19の+入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR1(Z)とする。また、図1の破線で示す出力端子33から差動増幅回路19の−入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR2(Z)とする。また、図1の破線で示す差動増幅回路19における±入力端子の後段から入力端子31までのインパルス応答(伝達関数)をW(Z)とする。
この時、図1の実線で示す経路Aのインパルス応答(伝達関数)IR1'(Z)は、IR1'(Z)=IR1(Z)・W(Z)となる。また、図1の実線で示す経路Bのインパルス応答(伝達関数)IR2'(Z)は、IR2'(Z)=−IR2(Z)・W(Z)となる。なお、IR2(Z)が位相反転しているのは、差動増幅回路19の−入力端子に入力されているためである。
今、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)を位相反転した−IR2'(Z)とすると、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)は、
IRall_1(Z)=−IR2'(Z)・IR1'(Z)
=(−(−IR2(Z)・W(Z))・(IR1(Z)・W(Z))
=IR2(Z)・W(Z)・IR1(Z)・W(Z)
となる。また、FIRフィルタ51のフィルタ係数をIR1'(Z)とすると、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)は、
IRall_2(Z)=IR1'(Z)・IR2'(Z)
=IR1(Z)・W(Z)・(−IR2(Z)・W(Z))
=IR1(Z)・W(Z)・(−IR2(Z))・W(Z)
=−IRall_1(Z)
となる。
つまり、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)と、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)とは互いに打ち消しあう特性となることがわかる。この結果、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)を位相反転した−IR2'(Z)とし、FIRフィルタ51のフィルタ係数をIR1'(Z)と設定すればよいことがわかる。
あるいは、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)とすると、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)は、
IRall_1(Z)=IR2'(Z)・IR1'(Z)
=(−IR2(Z)・W(Z))・(IR1(Z)・W(Z))
=−IR2(Z)・W(Z)・IR1(Z)・W(Z)
となる。また、FIRフィルタ51のフィルタ係数を,IR1'(Z)を位相反転した−IR1'(Z)とすると、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)は、
IRall_2(Z)=−IR1'(Z)・IR2'(Z)
=(−(IR1(Z)・W(Z)))・(−IR2(Z)・W(Z))
=IR1(Z)・W(Z)・IR2(Z)・W(Z)
=−IRall_1(Z)
となる。
つまり、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)と、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)とは互いに打ち消しあう特性となることがわかる。この結果、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)とし、FIRフィルタ51のフィルタ係数を、IR1'(Z)を位相反転した−IR1'(Z)と設定すればよいことがわかる。
そして、このようにFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定することによって、差動増幅回路19において経路Aを伝達する信号を、経路Bを伝達する信号で打ち消すことが可能となる。この結果、入力端子30にデジタル信号が入力されたときのエコーを防止することが可能となる。
なお、図1に示すように、イヤホンマイク5が接続された状態でインパルス応答IR1'(Z)を取得し、このIR1'(Z)をFIRフィルタ51のフィルタ係数に設定することにより、イヤホンマイク5の伝達特性に応じた効果的なエコー防止が可能となる。さらに、接続されたイヤホンマイク5を、耳孔に挿入したり、耳介を覆ったりすることにより耳に装着した状態でインパルス応答IR1'(Z)を取得し、このIR1'(Z)をFIRフィルタ51のフィルタ係数に設定することにより、イヤホンマイク5の伝達特性及び使用者の耳の中の伝達特性に応じた効果的なエコー防止が可能となる。
==増幅回路の構成==
次に、差動増幅回路19及び増幅回路17の構成について説明する。図3は、差動増幅回路19の構成例を示す図である。差動増幅回路19は、オペアンプ70、抵抗71〜76、及びスイッチ77,78により構成されている。本例では、差動増幅回路19の−入力端子に入力される信号がVs1、差動増幅回路19の+入力端子に入力される信号がVs2、差動増幅回路19から出力される信号がVoと表されている。
オペアンプ70の−入力端子には、信号Vs1が抵抗71を介して入力され、オペアンプ70の+入力端子には、信号Vs2が抵抗72を介して入力されている。
そして、オペアンプ70の−入力端子と出力端子との間には、抵抗73,74がスイッチ77を介して並列に接続されている。このスイッチ77は、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前にCPU2から出力される制御信号(第1制御信号)に応じて、抵抗73をオペアンプ70の出力端子と電気的に接続し(A側に切り替わる)、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後にCPU2から出力される制御信号(第2制御信号)に応じて、抵抗74をオペアンプ70の出力端子と電気的に接続する(B側に切り替わる)。
また、オペアンプ70の+入力端子には、一端が接地された抵抗75,76がスイッチ78を介して接続されている。このスイッチ78は、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前にCPU2から出力される制御信号(第1制御信号)に応じて、抵抗75をオペアンプ70の+入力端子と電気的に接続し(A側に切り替わる)、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後にCPU2から出力される制御信号(第2制御信号)に応じて、抵抗76をオペアンプ70の+入力端子と電気的に接続する(B側に切り替わる)。
ここで、例えば、抵抗71,72の抵抗値をRs、抵抗74,76の抵抗値をRf1、抵抗73,75の抵抗値をRf2(<Rf1)とする。インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前の制御信号(第1制御信号)が差動増幅回路19に入力されると、スイッチ77,78がA側に切り替わり、Vo=(Rf2/Rs)×(Vs2−Vs1)となる。また、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後の制御信号(第2制御信号)が差動増幅回路19に入力されると、スイッチ77,78がB側に切り替わり、Vo=(Rf1/Rs)×(Vs2−Vs1)となる。つまり、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)の取得時は小さいゲインRf2/Rs(第1ゲイン)となり、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)の取得後は大きいゲインRf1/Rs(第2ゲイン)となる。
図4は、増幅回路17を反転増幅回路とする場合の構成例を示す図である。増幅回路17は、オペアンプ80、抵抗81〜84、及びスイッチ85により構成されている。本例では、増幅回路17に入力される信号がVs、増幅回路17から出力される信号がVoと表されている。
オペアンプ80の+入力端子は、抵抗81を介して接地されている。また、オペアンプ80の−入力端子には、信号Vsが抵抗82を介して入力されている。
そして、オペアンプ80の−入力端子と出力端子との間には、抵抗83,84がスイッチ85を介して並列に接続されている。このスイッチ85は、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前にCPU2から出力される制御信号(第1制御信号)に応じて、抵抗83をオペアンプ80の出力端子と電気的に接続し(A側に切り替わる)、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後にCPU2から出力される制御信号(第2制御信号)に応じて、抵抗84をオペアンプ80の出力端子と電気的に接続する(B側に切り替わる)。
ここで、例えば、抵抗81の抵抗値をRc、抵抗82の抵抗値をRs、抵抗84の抵抗値をRf1、抵抗83の抵抗値をRf2(<Rf1)とする。インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前の制御信号(第1制御信号)が増幅回路17に入力されると、スイッチ85がA側に切り替わり、Vo=−(Rf2/Rs)×Vsとなる。また、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後の制御信号(第2制御信号)が増幅回路17に入力されると、スイッチ85がB側に切り替わり、Vo=−(Rf1/Rs)×Vsとなる。つまり、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)の取得時は小さいゲインRf2/Rs(第1ゲイン)となり、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)の取得後は大きいゲインRf1/Rs(第2ゲイン)となる。
図5は、増幅回路17を非反転増幅回路とする場合の構成例を示す図である。増幅回路17は、オペアンプ90、抵抗91〜94、及びスイッチ回路95により構成されている。本例では、増幅回路17に入力される信号がVs、増幅回路17から出力される信号がVoと表されている。
オペアンプ90の+入力端子には、信号Vsが抵抗91を介して入力されている。また、オペアンプ90の−入力端子は、抵抗92を介して接地されている。そして、オペアンプ90の−入力端子と出力端子との間には、抵抗93,94がスイッチ95を介して並列に接続されている。このスイッチ95は、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前にCPU2から出力される制御信号(第1制御信号)に応じて、抵抗93をオペアンプ90の出力端子と電気的に接続し(A側に切り替わる)、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後にCPU2から出力される制御信号(第2制御信号)に応じて、抵抗94をオペアンプ90の出力端子と電気的に接続する(B側に切り替わる)。
ここで、例えば、抵抗91の抵抗値をRc、抵抗92の抵抗値をRs、抵抗94の抵抗値をRf1、抵抗93の抵抗値をRf2(<Rf1)とする。インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前の制御信号(第1制御信号)が増幅回路17に入力されると、スイッチ95がA側に切り替わり、Vo=(1+Rf2/Rs)×Vsとなる。また、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後の制御信号(第2制御信号)が増幅回路17に入力されると、スイッチ95がB側に切り替わり、Vo=(1+Rf1/Rs)×Vsとなる。つまり、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)の取得時は小さいゲイン1+Rf2/Rs(第1ゲイン)となり、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)の取得後は大きいゲイン1+Rf1/Rs(第2ゲイン)となる。
なお、図3〜5に示した構成は一例であり、ゲインを調整可能な増幅回路の構成はこれに限られるものではない。また、本実施形態では、差動増幅回路19及び増幅回路17の両方について、ゲインの切り替えが可能な構成の例を示したが、差動増幅回路19又は増幅回路17の何れか一方のみがゲインの切り替えが可能であることとしてもよい。
==フィルタ係数設定処理==
次に、エコー防止回路1におけるフィルタ係数設定処理について説明する。図6は、フィルタ係数設定処理の第1の例を示すフローチャートである。まず、例えば電源が投入されたタイミングで、CPU2は、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインをAにするための制御信号(第1制御信号)を差動増幅回路19及び増幅回路17に出力する。そして、この制御信号に応じて、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインがAに設定される(S601)。その後、CPU2の制御により、DSP10の応答信号取得部60は、回路ノイズや背景ノイズ等の影響を受けにくい程度に大きいインパルスを発生させ、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)を取得する(S602)。そして、DSP10のフィルタ係数設定部61は、取得されたインパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)に基づいてFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定する(S603)。
その後、CPU2は、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインをAより大きいBにするための制御信号(第2制御信号)を差動増幅回路19及び増幅回路17に出力する。そして、この制御信号に応じて、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインがBに設定される(S604)。そして、ゲインがBに設定された後に、エコー防止回路1では、イヤホンマイク5への音声信号の出力、イヤホンマイク5からの音声信号の入力、及びエコー防止処理等の通常動作が行われる(S605)。
ここで、ゲインAは、回路ノイズや背景ノイズ等の影響を受けにくい程度に大きいインパルスを発生させた場合に、ADコンバータ12から出力される信号がオーバフローしないような小さいゲイン(例えば20dB程度)である。また、ゲインBは、イヤホンマイク5から入力される微小な音声信号を十分に増幅可能な大きいゲイン(例えば50dB程度)である。
このように、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前に差動増幅回路19及び増幅回路17のゲインが小さく設定されることにより、回路ノイズや背景ノイズに強い大きなインパルスが入力されてもADコンバータ12でオーバフローが発生しないため、精度の高いインパルス応答を取得することができる。そして、精度の高いインパルス応答に基づいてFIRフィルタ50,51のフィルタ係数が設定されることにより、効果的にエコーをキャンセルすることが可能となる。また、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後に差動増幅回路19及び増幅回路17のゲインが大きく設定されることにより、イヤホンマイク5から入力される微小な音声信号を適切なレベルに増幅して出力することができる。
なお、本例においては、CPU2の制御によってゲインの変更が行われることとしたが、DSPコア40(制御部)の制御によってゲインの変更が行われることとしてもよい。
図7は、フィルタ係数設定処理の第2の例を示すフローチャートである。この例では、まず、例えば電源が投入されたタイミングで、CPU2は、インパルス学習を行うかどうかを判定する(S701)。インパルス学習を行うかどうかの判定は、例えば、メモリ3に記憶されている情報に基づいて行うことができる。この情報は、例えば、システムの設定情報としてメモリ3に記憶されたものとすることもできるし、電源投入時等にユーザインタフェースにより利用者が選択した情報とすることもできる。
インパルス学習を行う場合(S701:Yes)、CPU2は、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインをAにするための制御信号(第1制御信号)を差動増幅回路19及び増幅回路17に出力する。そして、この制御信号に応じて、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインがAに設定される(S702)。その後、CPU2の制御により、DSP10の応答信号取得部60は、回路ノイズや背景ノイズ等の影響を受けにくい程度に大きいインパルスを発生させ、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)を取得する(S703)。そして、DSP10のフィルタ係数設定部61は、取得されたインパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)に基づいてFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定する(S704)。
その後、CPU2は、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインをAより大きいBにするための制御信号(第2制御信号)を差動増幅回路19及び増幅回路17に出力する。そして、この制御信号に応じて、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインがBに設定される(S705)。そして、ゲインがBに設定された後に、エコー防止回路1では、イヤホンマイク5への音声信号の出力、イヤホンマイク5からの音声信号の入力、及びエコー防止処理等の通常動作が行われる(S706)。
一方、インパルス学習を行わない場合(S701:No)、CPU2からの指示により、DSP10のフィルタ係数設定部61は、デフォルト値(所定の値)をFIRフィルタ50,51のフィルタ係数に設定する。なお、デフォルト値とは、例えば、工場出荷時に設定された値や、前回取得されたインパルス応答等であり、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ3に記憶させておくことができる。その後、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインがBに設定され(S705)、エコー防止回路1において通常動作が行われる(S706)。
このように、メモリ3に記憶された情報等に基づいて必要に応じてインパルス学習を行うようにすることができる。したがって、インパルス学習を行う必要がない場合は、インパルス学習が行われないため、通常動作が可能となるまでの時間を短くすることができる。
また、例えば、通常動作中に学習ボタン4が押下されると、CPU2は、ゲインの変更及びインパルス学習(S702〜S705)を再度行うように制御することもできる。このように、通常動作中に再度インパルス学習を可能とすることにより、イヤホンマイク5を変更した場合や、イヤホンマイク5の使用者が変更された場合等に、電源の再投入等を行うことなく、効果的にエコーのキャンセルが可能なようにFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を変更することができる。
なお、本例においては、CPU2の制御によってゲインの変更及びフィルタ係数の設定が行われることとしたが、DSPコア40(制御部)の制御によってゲインの変更及びフィルタ係数の設定が行われることとしてもよい。DSPコア40の制御によってゲインの変更が行われる場合、インパルス学習の要否を示す信号(応答信号取得要否信号)がメモリ41(応答信号取得要否信号機億部)に記憶され、DSPコア40(制御部)が当該情報に基づいてインパルス学習の要否を判定することとしてもよい。また、学習ボタン4が押されることにより、CPU2からDSPコア40にFIRフィルタ50,51のフィルタ係数の再設定を指示する信号が送信され、この信号に応じて、DSPコア40(制御部)がゲインの変更及びインパルス学習(S702〜S705)の制御を行うこととしてもよい。
==エコー防止回路の他の形態==
次に、エコー防止回路1の他の形態について説明する。図8は、加算回路を用いたエコー防止回路の構成例を示す図である。図8に示すように、エコー防止回路1は、図1に示した増幅回路18及び差動増幅回路19の代わりに、反転増幅回路101、利得位相調整回路102、及び加算回路103を備えている。
反転増幅回路101は、DAコンバータ14からのアナログ信号を、所定の増幅率にて反転増幅して利得位相調整回路102に出力する。
利得位相調整回路102は、反転増幅回路101からのアナログ信号に対して、利得および位相の調整を施して加算回路103に出力する。なお、この利得位相調整回路102によるアナログ信号の利得および位相の調整は、入力端子30にデジタル信号が入力されたときに増幅回路16から出力される信号を後述する加算回路103において打ち消すために、増幅回路16からのアナログ信号とは位相反転したアナログ信号を生成すべく行われる。
加算回路103には、増幅回路16からのアナログ信号(イヤホンマイク5による反射信号を含む)と、利得位相調整回路102からのアナログ信号とが入力される。そして、加算回路103は、増幅回路16からのアナログ信号と、利得位相調整回路102からのアナログ信号とを加算した加算結果を増幅回路17に出力する。また、加算回路103は、入出力端子20からの音声信号を増幅回路17に出力する。
ここで、図8の破線で示す出力端子32から加算回路103の入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR3(Z)とする。また、図8の一点鎖線で示す出力端子33から反転増幅回路101の入力までのインパルス応答(伝達関数)をIR4_1(Z)とする。また、図8の二点鎖線で示す反転増幅回路101の入力から加算回路103の入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR4_2(Z)とする。また、図8の破線で示す加算回路103における各入力端子の後段から入力端子31までのインパルス応答(伝達関数)をW2(Z)とする。
この時、図8の実線で示す経路Cのインパルス応答(伝達関数)IR3'(Z)は、IR3'(Z)=IR3(Z)・W2(Z)となる。また、図8の実線で示す経路Dのインパルス応答(伝達関数)IR4'(Z)は、IR4'(Z)=−IR4_1(Z)・IR4_2(Z)・W2(Z)となる。なお、IR4_1(Z)が位相反転しているのは、反転増幅回路101にて反転されるためである。
今、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR4'(Z)を位相反転した−IR4'(Z)とすると、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_3(Z)は、
IRall_3(Z)=−IR4'(Z)・IR3'(Z)
=(−(−IR4_1(Z)・IR4_2(Z)・W2(Z)))・
(IR3(Z)・W2(Z))
=IR4_1(Z)・IR4_2(Z)・W2(Z)・IR3(Z)・W2(Z)
となる。また、FIRフィルタ51のフィルタ係数をIR3'(Z)とすると、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_4(Z)は、
IRall_4(Z)=IR3'(Z)・IR4'(Z)
=IR3(Z)・W2(Z)・(−IR4_1(Z)・
IR4_2(Z)・W2(Z))
=IR3(Z)・W2(Z)・(−IR4_1(Z))・
IR4_2(Z)・W2(Z)
=−IRall_3(Z)
となる。
つまり、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_3(Z)と、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_4(Z)とは互いに打ち消しあう特性となることがわかる。この結果、FIRフィルタ50のフィルタ係数をIR4'(Z)を位相反転した−IR4'(Z)とし、FIRフィルタ51のフィルタ係数をIR3'(Z)と設定すればよいことがわかる。
あるいは、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR4'(Z)とすると、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_3(Z)は、
IRall_3(Z)=IR4'(Z)・IR3'(Z)
=(−IR4_1(Z)・IR4_2(Z)・W2(Z))・
(IR3(Z)・W2(Z))
=−IR4_1(Z)・IR4_2(Z)・W2(Z)・IR3(Z)・W2(Z)
となる。また、FIRフィルタ51のフィルタ係数を,IR3'(Z)を位相反転した−IR3'(Z)とすると、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_4(Z)は、
IRall_4(Z)=−IR3'(Z)・IR4'(Z)
=−(IR3(Z)・W2(Z))・(−IR4_1(Z)・
IR4_2(Z)・W2(Z))
=IR3(Z)・W2(Z)・IR4_1(Z)・IR4_2(Z)・W2(Z)
=−IRall_3(Z)
となる。
つまり、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_3(Z)と、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_4(Z)とは互いに打ち消しあう特性となることがわかる。この結果、FIRフィルタ50のフィルタ係数をIR4'(Z)とし、FIRフィルタ51のフィルタ係数を、IR3'(Z)を位相反転した−IR3'(Z)と設定すればよいことがわかる。
そして、このようにFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定することによって、加算回路103において経路Cを伝達する信号を、経路Dを伝達する信号で打ち消すことが可能となる。この結果、入力端子30にデジタル信号が入力されたときのエコーを防止することが可能となる。
なお、図8に示す構成においては、反転増幅回路101、利得位相調整回路102、及び加算回路103により本発明の減算回路が構成される。また、増幅回路17が本発明の増幅回路に相当する。
図9は、デジタルフィルタ(ARMA:Auto-Regressive Moving Average)を用いたエコー防止回路の構成例を示す図である。図9に示すように、エコー防止回路1は、図1に示したFIRフィルタ50,51の代わりに、デジタルフィルタ(ARMA)105を備えている。
入力端子30から入力されたデジタル信号は、出力端子32を介して出力されるとともに、デジタルフィルタ105に入力される。デジタルフィルタ105はデジタル信号に対して、当該デジタルフィルタ105のフィルタ係数に基づいてフィルタ処理を施して出力端子33に出力する。なお、デジタルフィルタ105は、DSPコア40がメモリ41に格納されたプログラムを実行することにより実現することができる。そして、DSPコア40により実現される、入力端子30にデジタル信号(第1デジタル信号)が入力されると出力端子32からデジタル信号(第2デジタル信号)を出力するとともに出力端子33からデジタル信号(第3デジタル信号)を出力する機能が本発明のフィルタに相当する。
ここで、図9の破線で示す出力端子32から差動増幅回路19の+入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR5(Z)とする。また、図9の破線で示す出力端子33から差動増幅回路19の−入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR6(Z)とする。また、図9の破線で示す差動増幅回路19における±入力端子の後段から入力端子31までのインパルス応答(伝達関数)をW3(Z)とする。
今、デジタルフィルタ105のフィルタ係数をQ(Z)とした場合、差動増幅回路19の+入力端子に入力される信号を−入力端子に入力される信号で打ち消すためには、
IR5(Z)=IR6(Z)・Q(Z)
の式が成り立つようにQ(Z)を設けることとなる。つまり、Q(Z)は、
Q(Z)=IR5(Z)/IR6(Z)
となるように設ければよい。しかしながら、DSP10の応答信号取得部60が取得可能なインパルス応答は、図9の実線で示す経路Eのインパルス応答(伝達関数)IR5'(Z)(=IR5(Z)・W3(Z))と、経路Fのインパルス応答(伝達関数)IR6'(Z)(=−IR6(Z)・W3(Z))である。なお、IR6(Z)が位相反転されているのは、差動増幅回路19の−入力端子に入力されているためである。
この場合、経路Eを伝達する信号と経路Fを伝達する信号とが互いに打ち消しあうことを可能とする式は、
−IR5'(Z)=IR6'(Z)・Q(Z)
となる。つまり、Q(Z)を、
Q(Z)=−IR5'(Z)/IR6'(Z)
と設ければよいことがわかる。つまり、デジタルフィルタ105の特性は、伝達特性IR5'(Z)を位相反転したものに、IR6'(Z)の逆フィルタの特性を加えた特性とすることで実現可能となる。そして、DSP10のフィルタ係数設定部61が、このようにデジタルフィルタ105のフィルタ係数を設定することによって、差動増幅回路19において経路Eを伝達する信号を、経路Fを伝達する信号で打ち消すことが可能となる。この結果、入力端子30にデジタル信号が入力されたときのエコーを防止することが可能となる。
==エコー防止回路の適用例==
次に、エコー防止回路1の適用例について説明する。図10及び図11は、エコー防止回路1が適用される携帯電話機の模式図である。図10に示した構成では、エコー防止回路1は携帯電話機110の外部に設けられている。また、図11に示した構成では、エコー防止回路1は携帯電話機115に内蔵されている。エコー防止回路1を携帯電話機115に内蔵する場合、学習ボタン4も携帯電話機4に設けられる。この場合、学習ボタン4を専用のボタンとして設けることもできるし、他の機能を有するボタンと兼用とすることもできる。
図12は、エコー防止回路1が内蔵された携帯電話機115の構成例を示す図である。携帯電話機115は、エコー防止回路1、CPU2、メモリ3、学習ボタン4、アンテナ120、RF部121、ベースバンド処理部122、表示部123、入力部124、ADコンバータ125、DAコンバータ126、マイク127、及びスピーカ128を含んで構成されている。
アンテナ120は携帯電話機115に対して送信される音声信号を受信する。また、アンテナ120は、RF部121からの音声信号を送信する。
RF部121は、アンテナ120が受信した音声信号のうち、所定周波数帯域の音声信号に対する復調処理などのデコード処理を行う。また、RF部121は、ベースバンド処理部122からの音声信号に対する変調処理、例えばTDMA方式(Time Division Multiplex Access)によるエンコード処理などを行う。
ベースバンド処理部122は、RF部121にてベースバンド信号まで復調された音声信号について所定の信号処理を施して、CPU2に出力する。また、ベースバンド処理部122は、CPU2からの音声信号に対して所定の信号処理を施してRF部121に出力する。
CPU2は、携帯電話機115を統括制御する。CPU2は、ベースバンド処理部122からの音声信号に応じた音声をスピーカ128或いはイヤホンマイク5にて再生させるために、当該音声信号をDAコンバータ126に出力する。また、CPU2は、ADコンバータ125から出力される、マイク127或いはイヤホンマイク5からの音声信号をベースバンド処理部122に出力する。また、CPU2は、例えば携帯電話機115がパケット通信を行っている場合、受信したパケットデータに基づく画像を表示すべく表示部123に信号を出力する。また、CPU2は、入力部124にて入力された入力データを表示部123に表示させたり、パケット通信にて当該入力データを送信すべく所定の処理を施して、ベースバンド処理部122に出力したりする。
また、CPU2は、携帯電話機115の電源投入時や学習ボタン4が押下された際に、エコー防止回路1にフィルタ係数設定処理を行わせる。この際、図6及び図7に示したように、小さいゲイン(A:例えば20dB)が設定された上でインパルス応答が取得され、その後、大きいゲイン(B:例えば50dB)が設定される。
ADコンバータ125は、マイク127或いはイヤホンマイク5からの音声信号に対しアナログ・デジタル変換処理したデジタル信号をCPU2に出力する。DAコンバータ126は、CPU2からの音声信号に対しデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号をスピーカ128或いはエコー防止回路1に出力する。なお、本実施形態においては、イヤホンマイク5が携帯電話機115に接続されている場合、DAコンバータ126からのアナログ信号はエコー防止回路1に入力されるものとして以下説明する。
このような携帯電話機115の動作について説明する。なお、エコー防止回路1は図1に示した構成であるものとする。まず、携帯電話機115の電源が投入されると、前述した図7の処理を開始する。つまり、電源が投入されることにより、エコー防止回路1のFIRフィルタ50,51にフィルタ係数が設定され、通常動作の状態となる。
通常動作の状態になると、アンテナ120が受信した音声信号は、携帯電話機115の各構成による前述した処理が行われてDAコンバータ126からエコー防止回路1のADコンバータ11に出力される。
ADコンバータ11に入力された音声信号は、当該ADコンバータ11にてアナログ・デジタル信号処理が施されてデジタル信号となり、入力端子30を介して、FIRフィルタ50,51に入力される。FIRフィルタ50から出力される出力信号は、出力端子32を介してDAコンバータ13に入力される。そして、出力信号は、DAコンバータ13にてデジタル・アナログ変換処理が施されてアナログ信号となり増幅回路16に入力される。増幅回路16に入力されたアナログ信号は、所定の増幅率にて増幅されて出力される。増幅回路16からのアナログ信号は、入出力端子20を介してイヤホンマイク5に出力される。この結果、イヤホンマイク5のスピーカ機能により、振動板が振動して音声が発生する。なお、増幅回路16からのアナログ信号は、差動増幅回路19の+入力端子にも入力される。
また、FIRフィルタ51から出力される出力信号は、出力端子33を介してDAコンバータ14に入力される。そして、出力信号は、DAコンバータ14にてデジタル・アナログ変換処理が行われてアナログ信号となり増幅回路18に入力される。増幅回路18に入力されたアナログ信号は、所定の増幅率にて増幅されて、差動増幅回路19の−入力端子に入力される。
そして、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数は、前述した処理に従って設定されている。そのため、差動増幅回路19において、+入力端子に入力される増幅回路16から出力されるアナログ信号及び当該アナログ信号のイヤホンマイク5等による反射信号を合わせた信号(第1アナログ信号)を、−入力端子に入力される増幅回路18からのアナログ信号(第2アナログ信号)により打ち消すことができる。この結果、入力端子30にデジタル信号が入力されたときのエコーを防止することが可能となる。また、イヤホンマイク5のマイク機能による音声信号(第3アナログ信号)と、増幅回路16からのアナログ信号及び当該アナログ信号のイヤホンマイク20による反射信号を合わせた信号(第1アナログ信号)とが重畳して差動増幅回路19の+入力端子に入力された場合であっても、−入力端子にFIRフィルタ51からの信号(第2アナログ信号)が入力されることによって、重畳された信号からエコーの原因となる信号分(つまり、増幅回路16からのアナログ信号及び当該アナログ信号の反射信号)のみを差し引くことが可能となる。
なお、エコー防止回路1が内蔵された携帯電話機115の構成及び動作について説明したが、エコー防止回路1が外付けされる携帯電話機110についても同様である。
また、エコー防止回路1は、携帯電話機110,115に限らず、前述したエコーが発生する可能性のある通信機器であれば適用可能である。例えば、図13及び図14に示すように、エコー防止回路1をPCに適用することもできる。図13に示した構成では、エコー防止回路1、CPU2、及び学習ボタン4を含んで構成される機器がPC130とUSB接続やPCカード接続等により接続されている。
また、図14に示した構成では、エコー防止回路1のみがPC130とUSB接続やPCカード接続等により接続されている。この構成の場合、PC130が備えるCPUが、図13に示したCPU2の役割を担うこととなる。また、PC130が備えるキーボードやマウス等の入力装置により、学習ボタン4の機能が実現される。
また、PC130以外にも、トランシーバやPDA(Personal Digital Assistants)等、様々な通信機器にエコー防止回路1を適用することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明した。前述したように、本実施形態のエコー防止回路1では、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインは、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得される前にA(例えば20dB)に設定され、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)が取得された後にB(例えば50dB)に設定される。つまり、インパルス応答IR1’(Z)及びIR2’(Z)を取得する際には、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインが小さいため、回路ノイズや背景ノイズに強い大きなインパルスによる高精度なインパルス応答を取得することができる。そして、高精度なインパルス応答に基づいてフィルタのフィルタ係数が設定されるため、エコーを効果的にキャンセルすることが可能となる。また、インパルス応答の取得後は、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインが大きくされるため、イヤホンマイク5から入力される微小な音声信号を適切なレベルに増幅することが可能となる。
また、DSPコア40がメモリ41に格納されたプログラムを実行することにより、差動増幅回路19及び増幅回路17により構成される増幅回路のゲインを調整する制御部を実現することも可能である。
さらに、メモリ41に、インパルス学習の要否を示す情報(応答信号取得要否情報)が記憶され、DSPコア40により実現される制御部が、当該情報に基づいて、インパルス学習の要否を判定することとしてもよい。このように、電源投入時等に無条件にインパルス学習を行うのではなく、必要に応じてインパルス学習を行うようにすることにより、インパルス学習が不要な場合に通常動作が可能となるまでの時間を短くすることができる。
さらに、DSPコア40により実現される制御部が、学習ボタン4が押下されたこと等を契機として、インパルス学習を再度実行することとしてもよい。このように、通常動作中に再度インパルス学習を可能とすることにより、イヤホンマイク5を変更した場合や、イヤホンマイク5の使用者が変更された場合等に、電源の再投入等を行うことなく、効果的にエコーのキャンセルが可能なようにフィルタのフィルタ係数を変更することができる。
なお、前述した実施形態及び適用例は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、本実施形態では、インパルスを発生させることにより得られるインパルス応答に基づいてフィルタのフィルタ係数を設定することとしたが、フィルタ係数を設定するために用いる信号はインパルスに限られない。例えば、ステップ信号を発生させた際に得られる応答信号に基づいてフィルタのフィルタ係数を設定することとしてもよい。
本発明が適用されるエコー防止回路を含んで構成されるシステムの一例を示すブロック図である。 DSPコアがプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成を示す図である。 差動増幅回路19の構成例を示す図である。 増幅回路17を反転増幅回路とする場合の構成例を示す図である。 増幅回路17を非反転増幅回路とする場合の構成例を示す図である。 フィルタ係数設定処理の第1の例を示すフローチャートである。 フィルタ係数設定処理の第2の例を示すフローチャートである。 加算回路を用いたエコー防止回路の構成例を示す図である。 デジタルフィルタ(ARMA)を用いたエコー防止回路の構成例を示す図である。 エコー防止回路が外部に接続された携帯電話機の模式図である。 エコー防止回路が内蔵された携帯電話機の模式図である。 エコー防止回路が内蔵された携帯電話機の構成例を示す図である。 エコー防止回路が適用されたPCの例を示す図である。 エコー防止回路が適用されたPCの他の例を示す図である。 エコー防止回路の一般的な例を示す図である。 小さいインパルスを発生させた場合に取得されるインパルス応答の例を示す図である。 大きいインパルスを発生させた場合に取得されるインパルス応答の例を示す図である。
符号の説明
1 エコー防止回路 2 CPU
3 メモリ 4 学習ボタン
5 イヤホンマイク 10 DSP
11,12 ADコンバータ 13〜15 DAコンバータ
16〜18 増幅回路 19 差動増幅回路
20 入出力端子 30,31 入力端子
32〜34 出力端子 40 DSPコア
41 メモリ 50,51 FIRフィルタ
60 応答信号取得部 61 フィルタ係数設定部
70 オペアンプ 71〜76 抵抗
77 スイッチ 78 スイッチ
80 オペアンプ 81〜83 抵抗
85 スイッチ 90 オペアンプ
91〜94 抵抗 95 スイッチ
101 反転増幅回路 102 利得位相調整回路
103 加算回路 105 デジタルフィルタ
110,115 携帯電話機 120 アンテナ
121 RF部 122 ベースバンド処理部
123 表示部 124 入力部
125 ADコンバータ 126 DAコンバータ
127 マイク 128 スピーカ
130 PC

Claims (8)

  1. 第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1フィルタと、
    前記第1デジタル信号が入力され、第3デジタル信号を出力する第2フィルタと、
    前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、
    前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、
    前記第1アナログ信号が出力されるか、当該出力された第1アナログ信号が反射されて入力されるか、第3アナログ信号が入力される入出力端子と、
    前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算回路と、
    前記減算回路から出力される信号を増幅して出力する増幅回路と、
    前記増幅回路から出力される信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、
    第1インパルス信号を前記第1DAコンバータに入力することにより前記第1DAコンバータの入力から前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第1応答信号を取得し、第2インパルス信号を前記第2DAコンバータに入力することにより前記第2DAコンバータの入力から前記前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第2応答信号を取得する応答信号取得部と、
    前記第1及び第2応答信号に基づいて、前記第4アナログ信号が前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号のみを除去または減衰した信号となるフィルタ係数を前記第1及び第2フィルタに設定するフィルタ係数設定部と、
    を備え、
    前記増幅回路は、前記第1及び第2応答信号が取得される前に入力される第1制御信号に応じてゲインを第1ゲインに設定し、前記第1及び第2応答信号が取得された後に入力される第2制御信号に応じてゲインを前記第1ゲインより大きい第2ゲインに設定すること、
    を特徴とするエコー防止回路。
  2. 請求項1に記載のエコー防止回路であって、
    前記減算回路及び前記増幅回路は、前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号と、前記第2アナログ信号とが入力される差動増幅回路であること、
    を特徴とするエコー防止回路。
  3. 請求項1に記載のエコー防止回路であって、
    前記減算回路は、前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号と、前記第2アナログ信号とが入力される差動増幅回路であり、
    前記増幅回路は、前記差動増幅回路から出力される信号を増幅して出力する回路であること、
    を特徴とするエコー防止回路。
  4. 請求項1〜3に記載のエコー防止回路であって、
    前記第1制御信号を出力することにより前記増幅回路のゲインを前記第1ゲインに設定し、前記増幅回路のゲインに前記第1ゲインが設定された後に前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させ、前記フィルタ係数設定部に前記第1及び第2応答信号に基づいて前記第1及び第2フィルタのフィルタ係数を設定させ、前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させた後に前記第2制御信号を出力することにより前記増幅回路のゲインを前記第2ゲインに設定する制御部を、
    更に備えることを特徴とするエコー防止回路。
  5. 請求項4に記載のエコー防止回路であって、
    前記第1及び第2応答信号の取得の要否を示す応答信号取得要否情報を記憶する応答信号取得要否情報記憶部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記応答信号取得要否情報が前記第1及び第2応答信号の取得が必要であることを示す情報である場合、前記第1制御信号を出力することにより前記増幅回路のゲインを前記第1ゲインに設定し、前記増幅回路のゲインに前記第1ゲインが設定された後に前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させ、前記フィルタ係数設定部に当該第1及び第2応答信号に基づいて前記第1及び第2フィルタのフィルタ係数を設定させ、前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させた後に前記第2制御信号を出力することにより前記増幅回路のゲインを前記第2ゲインに設定し、
    前記応答信号取得要否情報が前記第1及び第2応答信号の取得が不要であることを示す情報である場合、前記フィルタ係数設定部に所定のフィルタ係数を前記第1及び第2フィルタに設定させ、前記第2制御信号を出力することにより前記増幅回路のゲインを前記第2ゲインに設定すること、
    を特徴とするエコー防止回路。
  6. 請求項4又は5に記載のエコー防止回路であって、
    前記制御部は、前記第1及び第2フィルタのフィルタ係数の再設定を指示する信号に応じて、前記第1制御信号を出力することにより前記増幅回路のゲインを前記第1ゲインに設定し、前記増幅回路のゲインに前記第1ゲインが設定された後に前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させ、前記フィルタ係数設定部に当該第1及び第2応答信号に基づいて前記第1及び第2フィルタのフィルタ係数を設定させ、前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させた後に前記第2制御信号を出力することにより前記増幅回路のゲインを前記第2ゲインに設定すること、
    を特徴とするエコー防止回路。
  7. 第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1フィルタと、
    前記第1デジタル信号が入力され、第3デジタル信号を出力する第2フィルタと、
    前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、
    前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、
    前記第1アナログ信号が出力されるか、当該出力された第1アナログ信号が反射されて入力されるか、第3アナログ信号が入力される入出力端子と、
    前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算回路と、
    前記減算回路から出力される信号を増幅して出力する増幅回路と、
    前記増幅回路から出力される信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、
    を備えるエコー防止回路のフィルタ係数設定方法であって、
    入力される第1制御信号に応じて前記増幅回路のゲインを第1ゲインに設定し、
    第1インパルス信号を前記第1DAコンバータに入力することにより前記第1DAコンバータの入力から前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第1応答信号を取得し、第2インパルス信号を前記第2DAコンバータに入力することにより前記第2DAコンバータの入力から前記前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第2応答信号を取得し、
    前記第1及び第2応答信号に基づいて、前記第4アナログ信号が前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号のみを除去または減衰した信号となるフィルタ係数を前記第1及び第2フィルタに設定し、
    前記第1及び第2応答信号が取得された後に入力される第2制御信号に応じてゲインを前記第1ゲインより大きい第2ゲインに設定すること、
    を特徴とするフィルタ係数設定方法。
  8. プロセッサと、
    第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1フィルタと、
    前記第1デジタル信号が入力され、第3デジタル信号を出力する第2フィルタと、
    前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、
    前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、
    前記第1アナログ信号が出力されるか、当該出力された第1アナログ信号が反射されて入力されるか、第3アナログ信号が入力される入出力端子と、
    前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算回路と、
    前記減算回路から出力される信号を第1ゲイン又は前記第1ゲインより大きい第2ゲインで増幅して出力する増幅回路と、
    前記増幅回路から出力される信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、
    第1インパルス信号を前記第1DAコンバータに入力することにより前記第1DAコンバータの入力から前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第1応答信号を取得し、第2インパルス信号を前記第2DAコンバータに入力することにより前記第2DAコンバータの入力から前記前記ADコンバータの出力までのインパルス応答を示す第2応答信号を取得する応答信号取得部と、
    前記第1及び第2応答信号に基づいて、前記第4アナログ信号が前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号のみを除去または減衰した信号となるフィルタ係数を前記第1及び第2フィルタに設定するフィルタ係数設定部と、
    を備えるエコー防止回路の前記プロセッサに、
    前記増幅回路のゲインを前記第1ゲインに設定するための第1制御信号を前記増幅回路に出力する機能と、
    前記増幅回路のゲインに前記第1ゲインが設定された後に、前記応答信号取得部に前記第1及び第2応答信号を取得させ、前記フィルタ係数設定部に当該第1及び第2応答信号に基づいて前記第1及び第2フィルタのフィルタ係数を設定させる機能と、
    前記第1及び第2応答信号が取得された後に、前記増幅回路のゲインを前記第2ゲインに設定するための第2制御信号を前記増幅回路に出力する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
JP2006056499A 2006-03-02 2006-03-02 エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラム Expired - Fee Related JP4765117B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006056499A JP4765117B2 (ja) 2006-03-02 2006-03-02 エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラム
CN2006101727837A CN101030990B (zh) 2006-03-02 2006-12-30 回声防止电路及滤波系数设定方法
TW096102156A TWI343720B (en) 2006-03-02 2007-01-19 Echo prevent circuit, filter factor setting method and program
KR1020070020434A KR100864571B1 (ko) 2006-03-02 2007-02-28 에코 방지 회로, 필터 계수 설정 방법, 및 프로그램이 기록되어 있는 컴퓨터 판독가능 기록 매체
EP07103335A EP1830550B1 (en) 2006-03-02 2007-03-01 Echo prevention circuit, filter coefficient setting method, and recording medium with program recorded
US11/681,643 US7400278B2 (en) 2006-03-02 2007-03-02 Echo prevention circuit, filter coefficient setting method, and recording medium with program recorded

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006056499A JP4765117B2 (ja) 2006-03-02 2006-03-02 エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007235724A JP2007235724A (ja) 2007-09-13
JP4765117B2 true JP4765117B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=38179648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006056499A Expired - Fee Related JP4765117B2 (ja) 2006-03-02 2006-03-02 エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラム

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7400278B2 (ja)
EP (1) EP1830550B1 (ja)
JP (1) JP4765117B2 (ja)
KR (1) KR100864571B1 (ja)
CN (1) CN101030990B (ja)
TW (1) TWI343720B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200830706A (en) * 2007-01-12 2008-07-16 Sanyo Electric Co Filter coefficient setting device and echo prevention device
US8693698B2 (en) * 2008-04-30 2014-04-08 Qualcomm Incorporated Method and apparatus to reduce non-linear distortion in mobile computing devices
JP2009288555A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Toshiba Corp 音響特性測定装置、音響特性補正装置および音響特性測定方法
JP4599444B2 (ja) * 2008-12-09 2010-12-15 株式会社東芝 音響装置及び音響装置の制御方法
JP4538070B2 (ja) * 2008-12-12 2010-09-08 株式会社東芝 音響装置
TWI442723B (zh) * 2010-03-15 2014-06-21 Toshiba Kk Echo cancellation circuit
CN103560809B (zh) * 2010-09-01 2015-12-30 瑞昱半导体股份有限公司 通讯装置与噪声消除方法
CN107483762B (zh) * 2017-08-29 2020-07-03 苏州裕太车通电子科技有限公司 一种基于有线通信的回声抵消方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4602133A (en) * 1982-07-23 1986-07-22 Gte Lenkurt Incorporated Adaptive echo cancelling system and method utilizing linear code spacing
JPS6130134A (ja) * 1984-07-20 1986-02-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> エコ−消去方式
JP3381112B2 (ja) 1995-03-09 2003-02-24 ソニー株式会社 エコー除去装置
KR100307662B1 (ko) * 1998-10-13 2001-12-01 윤종용 가변적인수행속도를지원하는에코제거장치및방법
KR100283170B1 (ko) * 1998-11-04 2001-03-02 윤종용 반향제거 장치 및 방법
US6597732B1 (en) * 1999-01-14 2003-07-22 Eric Morgan Dowling High-speed modem with uplink remote-echo canceller
US6674810B1 (en) * 1999-05-27 2004-01-06 3Com Corporation Method and apparatus for reducing peak-to-average power ratio in a discrete multi-tone signal
US6480532B1 (en) * 1999-07-13 2002-11-12 Stmicroelectronics, Inc. Echo cancellation for an ADSL modem
US6658055B1 (en) * 1999-07-16 2003-12-02 Arris International, Inc. Method for accelerating the training of adaptive echo cancelers in the presence of interfering sinusoidal signals
JP3293029B2 (ja) 1999-08-20 2002-06-17 株式会社マイクロエムズ 通信装置用2線4線変換回路
JP3862545B2 (ja) * 2001-10-22 2006-12-27 沖電気工業株式会社 エコーキャンセラ
DE60317368T2 (de) * 2003-01-08 2008-08-28 Nxp B.V. Nichtlinearer akustischer echokompensator
KR100851286B1 (ko) * 2003-11-11 2008-08-08 마테크, 인코포레이티드 단일 트랜스듀서를 갖는 쌍방향 통신 장치
JP4771311B2 (ja) * 2006-02-09 2011-09-14 オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド フィルタ係数設定装置、フィルタ係数設定方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
KR100864571B1 (ko) 2008-10-20
KR20070090783A (ko) 2007-09-06
US20070205932A1 (en) 2007-09-06
JP2007235724A (ja) 2007-09-13
CN101030990B (zh) 2012-05-23
CN101030990A (zh) 2007-09-05
TW200737775A (en) 2007-10-01
EP1830550A2 (en) 2007-09-05
US7400278B2 (en) 2008-07-15
TWI343720B (en) 2011-06-11
EP1830550B1 (en) 2012-04-25
EP1830550A3 (en) 2010-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4765117B2 (ja) エコー防止回路、フィルタ係数設定方法、及びプログラム
US7420488B2 (en) Apparatus and method for setting filter coefficient, and recording medium having a program recorded thereon
JP2010050739A (ja) ノイズキャンセルシステム
KR100872282B1 (ko) 에코 캔슬 회로
CN110301140B (zh) 噪声去除装置、噪声去除方法以及记录介质
CN111083250A (zh) 移动终端及其降噪方法
JP4734127B2 (ja) エコー防止回路、デジタル信号処理回路、エコー防止回路のフィルタ係数設定方法、デジタル信号処理回路のフィルタ係数設定方法、エコー防止回路のフィルタ係数を設定するためのプログラム、デジタル信号処理回路のフィルタ係数を設定するためのプログラム
JP4887181B2 (ja) エコー防止装置及びプログラム
US8934621B2 (en) Echo prevention circuit having signal subtracter feature
JP4396053B2 (ja) エコー抑圧装置
JP4771532B2 (ja) エコー防止回路及びデジタル信号処理回路
JP2008172612A (ja) フィルタ係数設定装置及びプログラム
JP2020120154A (ja) 信号処理装置、ヘッドセット、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な媒体
JP4829816B2 (ja) エコー防止装置及びプログラム
JP2004040161A (ja) ハンズフリー携帯電話端末装置
JP2007267071A (ja) 電話機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110426

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20110524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees