JP2008172612A - フィルタ係数設定装置及びプログラム - Google Patents

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健生 井上
Hidenori Ohashi
秀紀 大橋
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Abstract

【課題】エコーを抑制するフィルタ係数を設定する。
【解決手段】エコー防止装置が起動されると、所定のフィルタ係数を第1及び第2FIRフィルタに設定するフィルタ係数初期設定部と、第1信号を発生させることにより第1FIRフィルタの出力からADコンバータの出力までの第1応答信号を取得するとともに、第2信号を発生させることにより第2FIRフィルタの出力からADコンバータの出力までの第2応答信号を取得する応答信号取得部と、第4アナログ信号を第1アナログ信号と第3アナログ信号とを合わせた信号から第1アナログ信号を除去または減衰した信号とするために、第1応答信号に基づいたフィルタ係数を第2FIRフィルタに設定するとともに、第2応答信号に基づいたフィルタ係数を第1FIRフィルタに設定するフィルタ係数設定部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルタ係数設定装置及びプログラムに関する。
近年、例えばイヤホンマイクが接続される携帯電話機やハンズフリー電話機などの通信機器においては、スピーカからマイクに回り込む音響結合や回路上の電気的反射等によって生じるエコーを防止するためのエコー防止装置が組み込まれているものがある。
例えば、特許文献1には、デジタル処理を用いてエコーを高精度にキャンセルするエコー防止装置が開示されている。図8は、DSP100を用いたエコー防止装置の一例を示す図である。図に示すように、携帯電話等で相手側から送信されてきた音声を示すアナログ信号は、ADコンバータ101に入力される。そして、ADコンバータ101によってデジタル変換された信号は、DSP100内のFIRフィルタ102,103で、夫々のフィルタ係数に基づいて畳み込み処理が施されて出力される。FIRフィルタ102から出力される信号は、DAコンバータ104に入力される。そして、DAコンバータ104によってアナログ変換された信号は、入出力端子105を介してイヤホンマイクに出力されるとともに、差動増幅回路106の一方の端子に入力される。また、FIRフィルタ103から出力される信号は、DAコンバータ107に入力される。そして、DAコンバータ107から出力される信号は、差動増幅回路106の他方の端子に入力される。
そして、差動増幅回路106から出力される信号は、ADコンバータ108でデジタル信号に変換されてDSP100に入力される。そして、このデジタル信号は、DSP100から出力された後に、DAコンバータ109でアナログ信号に変換されて、エコー防止装置の出力信号として出力される。
ここで、DSP100は、DAコンバータ104にインパルスを出力した際のADコンバータ108の出力により、DAコンバータ104からADコンバータ108までのインパルス応答を取得する。また、DSP100は、DAコンバータ107にインパルスを出力した際のADコンバータ108の出力により、DAコンバータ107からADコンバータ108までのインパルス応答を取得する。そして、これらのインパルス応答に基づいてFIRフィルタ102,103のフィルタ係数を適切に設定することにより、エコーを高精度にキャンセルすることができる。
特開2006−304260号公報
ところで、エコー防止装置の起動時には、FIRフィルタ102,103のフィルタ係数は不定値となっている。そのため、利用者からの指示によりインパルス応答の取得が行われて適切なフィルタ係数がFIRフィルタ102,103に設定されるまでの間は、エコーのキャンセルが行われず、不快なエコーが相手側に送信されてしまう。さらに、エコー防止装置の利用者は、相手側に不快なエコーが送信されていることを認識することができないため、インパルス応答を取得しなければならないことに気づかず、不快なエコーが相手側に送信され続けてしまうことがある。
そこで、本発明は、エコーを抑制するフィルタ係数を設定可能なフィルタ係数設定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明のフィルタ係数設定装置は、第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1FIRフィルタと、前記第1デジタル信号が前記第1FIRフィルタとともに入力され、第3デジタル信号を出力する第2FIRフィルタと、前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、前記第1アナログ信号が出力されるか第3アナログ信号が入力される入出力端子と、前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算部と、前記減算回路から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、を備えるエコー防止装置のフィルタ係数を設定するフィルタ係数設定装置であって、前記エコー防止装置が起動されると、所定のフィルタ係数を前記第1及び第2FIRフィルタに設定するフィルタ係数初期設定部と、第1信号を発生させることにより前記第1FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第1応答信号を取得するとともに、第2信号を発生させることにより前記第2FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第2応答信号を取得する応答信号取得部と、前記第4アナログ信号を前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号を除去または減衰した信号とするために、前記第1応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第2FIRフィルタに設定するとともに、前記第2応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第1FIRフィルタに設定するフィルタ係数設定部と、を備えることとする。
また、前記フィルタ係数初期設定部は、前記第1及び第2FIRフィルタのフィルタ係数をゼロに設定することとすることができる。
また、前記フィルタ係数初期設定部は、前記エコー防止装置が起動されると、前記第1及び第2応答信号に応じた第1及び第2応答信号データがメモリに記憶されている場合は、前記第4アナログ信号を前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号を除去または減衰した信号とするために、前記第1応答信号データに基づいたフィルタ係数を前記第2FIRフィルタに設定するとともに、前記第2応答信号データに基づいたフィルタ係数を前記第1FIRフィルタに設定し、前記第1及び第2応答信号データが前記メモリに記憶されていない場合は、前記所定のフィルタ係数を前記第1及び第2FIRフィルタに設定し、前記応答信号取得部は、前記第1及び第2応答信号データが前記メモリに記憶されていない場合に、前記第1及び第2応答信号を取得することとすることができる。
さらに、前記応答信号取得部は、前記第1及び第2応答信号を取得すると、前記第1及び第2応答信号に応じた前記第1及び第2応答信号データを前記メモリに記憶することとすることもできる。
また、前記フィルタ係数設定装置は、前記第1及び第2応答信号データが前記メモリに記憶されていない場合に警告信号を出力する警告出力部を更に備えることとすることができる。
また、本発明のプログラムは、第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1FIRフィルタと、前記第1デジタル信号が前記第1FIRフィルタとともに入力され、第3デジタル信号を出力する第2FIRフィルタと、前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、前記第1アナログ信号が出力されるか第3アナログ信号が入力される入出力端子と、前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算部と、前記減算回路から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、を備えるエコー防止装置を制御するCPUに、前記エコー防止装置が起動されると、所定のフィルタ係数を前記第1及び第2FIRフィルタに設定する機能と、第1信号を発生させることにより前記第1FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第1応答信号を取得するとともに、第2信号を発生させることにより前記第2FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第2応答信号を取得する機能と、前記第4アナログ信号を前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号を除去または減衰した信号とするために、前記第1応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第2FIRフィルタに設定するとともに、前記第2応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第1FIRフィルタに設定する機能と、を実現させるためのものとする。
エコーを抑制するフィルタ係数を設定可能なフィルタ係数設定装置、フィルタ係数設定方法、及びプログラムを提供することができる。
==全体構成==
図1は、本発明が適用されるエコー防止装置の一例を示すブロック図である。エコー防止装置1は、デジタル信号処理回路(DSP:Digital Signal Processor)3、ADコンバータ4,5、DAコンバータ6〜8、増幅回路9〜11、差動増幅回路12、入出力端子13を備えている。そして、エコー防止装置1の外部には、入出力端子13に接続されるイヤホンマイク20と、エコー防止装置1を統括制御するCPU(Central Processing Unit)25と、CPU25が読み書き可能なメモリ26と、学習ボタン27と、警告ランプ28とが設けられている。なお、DAコンバータ6が本発明の第1DAコンバータに相当し、DAコンバータ7が本発明の第2DAコンバータに相当する。また、差動増幅回路12が本発明の減算部に相当する。
イヤホンマイク20は、入出力端子13から入力される音声信号に基づいて、振動板(不図示)を振動させることにより音声を発生するスピーカ機能を有する。また、イヤホンマイク20は、当該イヤホンマイク20を装着している者が音声を発したときの鼓膜の振動を振動板の振動に換えることにより音声信号を生成するマイク機能も有するものである。なお、このイヤホンマイク20は周知の技術であり、例えば特開2003−9272等に記載されている。そして、イヤホンマイク20により生成された音声信号(第3アナログ信号)が、入出力端子13を介してエコー防止装置1に入力される。また、入出力端子13を介してイヤホンマイク20に出力された信号は反射されて入出力端子13からエコー防止装置1に入力される。ここで、反射されてくる信号とは、例えば、イヤホンマイク20を通じて戻ってくる信号や、イヤホンマイク20から出力された音が耳の中で反射し、その反射音がイヤホンマイク20によって音声信号に変換された信号等である。なお、入出力端子13は、出力信号と入力信号が排他的に入出力されるものではない。例えば、入出力端子13は、出力信号と入力信号とが同時に入出力される場合もある。
CPU25は、メモリ26に記憶されたプログラムを実行することにより、エコー防止装置1を統括制御する。例えば、CPU25は、エコー防止装置1を動作させるための電源投入を検出したときに、後述するフィルタ係数設定処理を実行させるための指示信号をDSP3に出力する。また、例えば、エコー防止装置1をリセットするためのリセット信号が入力されると、CPU25が前述の指示信号をDSP3に出力するようにすることもできる。
メモリ26は、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ等の不揮発性で書き込み可能な記憶領域であり、CPU25が実行するプログラムの他に、エコー防止装置1を制御するために必要となる各種のデータを格納している。図2は、メモリ26が有する記憶部の一部を示す図である。メモリ26には、取得フラグ記憶部61及びインパルス応答記憶部62が設けられている。取得フラグ記憶部61には、エコー防止装置1において後述のインパルス応答が取得済みであるかどうかを示す取得フラグが記憶されている。本実施形態においては、インパルス応答が取得済みである場合に取得フラグに“1”が設定され、インパルス応答がまだ取得されていない場合は取得フラグに“0”が設定される。インパルス応答記憶部62には、エコー防止装置1において取得されたインパルス応答に応じたデータが記憶される。
学習ボタン27は、エコー防止装置1にインパルス応答を取得させる指示をCPU25に伝えるためのものである。
警告ランプ28は、LED(Light Emitting Diode)等により構成される発光装置であり、CPU25の制御により点灯または点滅する。例えば、エコー防止装置1においてインパルス応答がまだ取得されていない場合は、インパルス応答の取得を促すために警告ランプ28が点灯されるようにすることができる。なお、警告ランプ28は、インパルス応答が取得されていない場合の警告用に限らず、電話や電子メールの着信の通知等にも兼用することができる。
DSP3は、入力端子30,31、出力端子32〜34、DSPコア40、RAM(Random Access Memory)41、ROM(Read Only Memory)42を含んで構成されている。また、DSP3は、FIRフィルタ50,51を備えている。これらのFIRフィルタ50,51は、DSPコア40がRAM41又はROM42に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数は、RAM41に記憶される。ここで、FIRフィルタ50が本発明の第1FIRフィルタに相当し、FIRフィルタ51が本発明の第2FIRフィルタに相当する。なお、FIRフィルタ50,51をハードウェアにより実現することも可能である。
ADコンバータ4には、例えば音声信号が入力される。そして、ADコンバータ4は、音声信号に対してアナログ・デジタル変換処理したデジタル信号(第1デジタル信号)を、入力端子30を介してDSP3に入力する。
DSP3に入力されたデジタル信号は、FIRフィルタ50,51にそれぞれ入力される。FIRフィルタ50は、入力されるデジタル信号に対して当該FIRフィルタ50のフィルタ係数に基づいて畳み込み演算処理を施したデジタル信号(第2デジタル信号)を出力端子32に出力する。また同時に、FIRフィルタ51は、入力されるデジタル信号に対して当該FIRフィルタ51のフィルタ係数に基づいて畳み込み演算処理を施したデジタル信号(第3デジタル信号)を出力端子33に出力する。
DAコンバータ6には、出力端子32を介して、FIRフィルタ50からの出力信号が入力される。そして、DAコンバータ6は、FIRフィルタ50からの出力信号に対してデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号(第1アナログ信号)を増幅回路9に出力する。増幅回路9は、所定の増幅率にてアナログ信号を増幅して出力する。
DAコンバータ7には、出力端子33を介して、FIRフィルタ51からの出力信号が入力される。そして、DAコンバータ7は、FIRフィルタ51からの出力信号に対してデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号(第2アナログ信号)を増幅回路11に出力する。増幅回路11は、所定の増幅率にてアナログ信号を増幅して差動増幅回路12の−入力端子に出力する。
差動増幅回路12の+入力端子には、増幅回路9から出力されるアナログ信号と、入出力端子13から入力されるアナログ信号とを合わせた信号が入力され、−入力端子には、増幅回路11から出力されるアナログ信号が入力される。そして、差動増幅回路12は、+入力端子に入力されるアナログ信号と、−入力端子に入力されるアナログ信号との差分を増幅した信号(第4アナログ信号)を出力する。
ADコンバータ5は、増幅回路10からのアナログ信号に対してアナログ・デジタル変換処理したデジタル信号を、入力端子31を介してDSP3に入力する。入力端子31に入力されたデジタル信号は、出力端子34から出力される。DAコンバータ8には、出力端子34を介してDSP3から出力されるデジタル信号が入力される。そして、DAコンバータ8は、デジタル信号に対してデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号を出力する。
DSPコア40(プロセッサ)は、RAM41又はROM42に格納されたプログラムを実行することにより、DSP3における各種処理を実行することができる。図3は、DSPコア40がプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成を示す図である。DSP3は、フィルタ係数初期設定部65、警告出力部66、インパルス応答取得部67、及びフィルタ係数設定部68を備えている。なお、フィルタ係数初期設定部65、警告出力部66、インパルス応答取得部67、及びフィルタ係数設定部68により構成される処理装置が、本発明のフィルタ係数設定装置に相当する。
フィルタ係数初期設定部65は、エコー防止装置1が起動されると、入力されるデジタル信号が減衰されて出力されるように、フィルタ係数の初期値(所定のフィルタ係数)をFIRフィルタ50,51に設定する。本実施形態では、フィルタ係数の初期値は全ビットがゼロであることとする。なお、フィルタ係数の全ビットがゼロの場合、入力されるデジタル信号は完全に減衰され、無音としてFIRフィルタ50,51から出力されることとなる。また、フィルタ係数初期設定部65は、インパルス応答記憶部62にインパルス応答に応じたデータが記憶されている場合は、このインパルス応答に応じたデータに基づいたフィルタ係数をFIRフィルタ50,51に設定する。
警告出力部66は、エコー防止装置1の起動時に、CPU25を介して取得フラグ記憶部61を参照し、インパルス応答が取得されていない場合は、CPU25に対して警告信号を出力する。CPU25は、警告出力部66からの警告信号に応じて、例えば、警告ランプ28を点灯させる。なお、警告の通知方法は警告ランプ28の点灯に限らず、警告音の出力等、インパルス応答が取得されていないことを利用者が認識できる方法であればよい。
インパルス応答取得部67は、CPU25を介して取得フラグ記憶部61を参照し、インパルス応答が取得されていない場合に、インパルス応答を取得する。具体的には、インパルス応答取得部67は、出力端子32からインパルス(第1信号)を出力することにより、図1の実線で示す経路Aのインパルス応答IR1'(Z)(第1応答信号)を入力端子31から取得する。また、インパルス応答取得部67は、出力端子33からインパルス(第2信号)を出力することにより、図1の実線で示す経路Bのインパルス応答IR2'(Z)(第2応答信号)を入力端子31から取得する。また、インパルス応答取得部67は、取得したインパルス応答を、CPU25を介してインパルス応答記憶部62に記憶する。なお、インパルス応答取得部67は、取得したインパルス応答そのものではなく、インパルス応答に応じたデータをインパルス応答記憶部62に記憶することもできる。例えば、FIRフィルタ50,51に設定される、インパルス応答に基づくフィルタ係数がインパルス応答記憶部62に記憶されることとしてもよい。
フィルタ係数設定部68は、インパルス応答取得部67によって取得されたインパルス応答IR1'(Z)に基づいてFIRフィルタ51のフィルタ係数を設定する。また、フィルタ係数設定部68は、インパルス応答取得部67によって取得されたインパルス応答IR2'(Z)に基づいてFIRフィルタ50のフィルタ係数を設定する。
==エコーキャンセルの原理==
次に、エコー防止装置1におけるエコーキャンセルの原理について説明する。ここで、図1の破線で示す出力端子32から差動増幅回路12の+入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR1(Z)とする。また、図1の破線で示す出力端子33から差動増幅回路12の−入力端子までのインパルス応答(伝達関数)をIR2(Z)とする。また、図1の破線で示す差動増幅回路12における±入力端子の後段から入力端子31までのインパルス応答(伝達関数)をW(Z)とする。
この時、図1の実線で示す経路Aのインパルス応答(伝達関数)IR1'(Z)は、IR1'(Z)=IR1(Z)・W(Z)となる。また、図1の実線で示す経路Bのインパルス応答(伝達関数)IR2'(Z)は、IR2'(Z)=−IR2(Z)・W(Z)となる。なお、IR2(Z)が位相反転しているのは、差動増幅回路12の−入力端子に入力されているためである。
今、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)を位相反転した−IR2'(Z)とすると、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)は、
IRall_1(Z)=−IR2'(Z)・IR1'(Z)
=(−(−IR2(Z)・W(Z))・(IR1(Z)・W(Z))
=IR2(Z)・W(Z)・IR1(Z)・W(Z)
となる。また、FIRフィルタ51のフィルタ係数をIR1'(Z)とすると、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)は、
IRall_2(Z)=IR1'(Z)・IR2'(Z)
=IR1(Z)・W(Z)・(−IR2(Z)・W(Z))
=IR1(Z)・W(Z)・(−IR2(Z))・W(Z)
=−IRall_1(Z)
となる。
つまり、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)と、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)とは互いに打ち消しあう特性となることがわかる。この結果、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)を位相反転した−IR2'(Z)とし、FIRフィルタ51のフィルタ係数をIR1'(Z)と設定すればよいことがわかる。
あるいは、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)とすると、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)は、
IRall_1(Z)=IR2'(Z)・IR1'(Z)
=(−IR2(Z)・W(Z))・(IR1(Z)・W(Z))
=−IR2(Z)・W(Z)・IR1(Z)・W(Z)
となる。また、FIRフィルタ51のフィルタ係数を,IR1'(Z)を位相反転した−IR1'(Z)とすると、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)は、
IRall_2(Z)=−IR1'(Z)・IR2'(Z)
=(−(IR1(Z)・W(Z)))・(−IR2(Z)・W(Z))
=IR1(Z)・W(Z)・IR2(Z)・W(Z)
=−IRall_1(Z)
となる。
つまり、FIRフィルタ50の入力から入力端子31までの特性IRall_1(Z)と、FIRフィルタ51の入力から入力端子31までの特性IRall_2(Z)とは互いに打ち消しあう特性となることがわかる。この結果、FIRフィルタ50のフィルタ係数を、IR2'(Z)とし、FIRフィルタ51のフィルタ係数を、IR1'(Z)を位相反転した−IR1'(Z)と設定すればよいことがわかる。
そして、このようにインパルス応答IR1'(Z)及びIR2'(Z)に基づいてFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定することによって、差動増幅回路12において経路Aを伝達する信号を、経路Bを伝達する信号で打ち消すことが可能となる。この結果、入力端子30にデジタル信号が入力されたときのエコーを防止することが可能となる。
また、図1に示すように、イヤホンマイク20が接続された状態でインパルス応答IR1'(Z)を取得し、このIR1'(Z)に基づいてFIRフィルタ51のフィルタ係数を設定することにより、イヤホンマイク20の伝達特性に応じた効果的なエコー防止が可能となる。さらに、接続されたイヤホンマイク20を、耳孔に挿入したり、耳介を覆ったりすることにより耳に装着した状態でインパルス応答IR1'(Z)を取得し、このIR1'(Z)に基づいてFIRフィルタ51のフィルタ係数を設定することにより、イヤホンマイク20の伝達特性及び使用者の耳の中の伝達特性に応じた効果的なエコー防止が可能となる。なお、イヤホンマイク20が接続されない状態でインパルス応答IR1'(Z)を取得し、このIR1'(Z)に基づいてFIRフィルタ51のフィルタ係数を設定することとしてもよい。
==フィルタ係数設定処理==
次に、エコー防止装置1におけるフィルタ係数設定処理について説明する。図4は、フィルタ係数設定処理の一例を示すフローチャートである。まず、エコー防止装置1が起動されると(S401)、フィルタ係数初期設定部65は、CPU25を介して取得フラグ記憶部61に記憶されている取得フラグを読み出す(S402)。
取得フラグ記憶部61から読み出された取得フラグが“1”の場合、すなわち、インパルス応答がインパルス応答記憶部62に記憶されている場合(S402:1)、フィルタ係数初期設定部65は、CPU25を介してインパルス応答記憶部62に記憶されているインパルス応答IR1'(Z)及びIR2'(Z)を読み出す(S403)。そして、フィルタ係数初期設定部65は、インパルス応答記憶部62から読み出したインパルス応答IR1'(Z)及びIR2'(Z)に基づいて、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定する(S404)。具体的には、例えば、FIRフィルタ50のフィルタ係数に、インパルス応答IR2'(Z)を位相反転した−IR2'(Z)が設定され、FIRフィルタ51のフィルタ係数に、インパルス応答IR1'(Z)が設定される。
取得フラグ記憶部61から読み出された取得フラグが“0”の場合、すなわち、インパルス応答がインパルス応答記憶部62に記憶されていない場合(S402:0)、フィルタ係数初期設定部65は、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数の全ビットに初期値としてゼロを設定する(S405)。さらに、警告出力部66は、警告信号をCPU25に出力することにより、警告ランプを点灯させる(S406)。
その後、学習ボタン27が押下されたことがCPU25から通知されると、インパルス応答取得部67は、インパルス応答IR1'(Z)及びIR2'(Z)を取得する(S407)。そして、フィルタ係数設定部68は、インパルス応答取得部67によって取得されたインパルス応答IR1'(Z)及びIR2'(Z)に基づいて、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定する(S408)。具体的には、例えば、FIRフィルタ50のフィルタ係数に、インパルス応答IR2'(Z)を位相反転した−IR2'(Z)が設定され、FIRフィルタ51のフィルタ係数に、インパルス応答IR1'(Z)が設定される。そして、警告出力部66は、インパルス応答が取得されたことを示す警告解除信号をCPU25に出力することにより、警告ランプを消灯させる(S409)。
また、インパルス応答取得部67は、取得したインパルス応答IR1'(Z)及びIR2'(Z)を、CPU25を介してインパルス応答記憶部62に格納するとともに(S410)、インパルス応答が取得済みであることを示す“1”を設定した取得フラグを、CPU25を介して取得フラグ記憶部61に格納する(S411)。
なお、本実施形態では、インパルス応答IR2'(Z)を位相反転した−IR2'(Z)をFIRフィルタ50のフィルタ係数に設定し、インパルス応答IR1'(Z)をFIRフィルタ51のフィルタ係数に設定することとしたが、インパルス応答IR2'(Z)をFIRフィルタ50のフィルタ係数に設定し、インパルス応答IR1'(Z)を位相反転した−IR1'(Z)をFIRフィルタ51のフィルタ係数に設定することとしてもよい。
==エコー防止回路の適用例==
次に、エコー防止装置1の適用例について説明する。図5及び図6は、エコー防止装置1が適用される携帯電話機の模式図である。図5に示した構成では、エコー防止装置1は携帯電話機80の外部に設けられている。また、図6に示した構成では、エコー防止装置1は携帯電話機85に内蔵されている。エコー防止装置1を携帯電話機85に内蔵する場合、学習ボタン27及び警告ランプ28も携帯電話機85に設けることができる。この場合、学習ボタン27を専用のボタンとして設けることもできるし、他の機能を有するボタンと兼用とすることもできる。また、警告ランプ28についても、インパルス応答に関する警告を表示するための専用のものとすることもできるし、電話や電子メールの着信等を通知するランプと兼用とすることもできる。
図7は、エコー防止装置1が内蔵された携帯電話機85の構成例を示す図である。携帯電話機85は、エコー防止装置1、CPU25、メモリ26、学習ボタン27、警告ランプ28、アンテナ90、RF部91、ベースバンド処理部92、表示部93、入力部94、ADコンバータ95、DAコンバータ96、マイク97、及びスピーカ98を含んで構成されている。
アンテナ90は携帯電話機85に対して送信される音声信号を受信する。また、アンテナ90は、RF部91からの音声信号を送信する。
RF部91は、アンテナ90が受信した音声信号のうち、所定周波数帯域の音声信号に対する復調処理などのデコード処理を行う。また、RF部91は、ベースバンド処理部92からの音声信号に対する変調処理、例えばTDMA方式(Time Division Multiplex Access)によるエンコード処理などを行う。
ベースバンド処理部92は、RF部91にてベースバンド信号まで復調された音声信号について所定の信号処理を施して、CPU25に出力する。また、ベースバンド処理部92は、CPU25からの音声信号に対して所定の信号処理を施してRF部91に出力する。
CPU25は、携帯電話機85を統括制御する。CPU25は、ベースバンド処理部92からの音声信号に応じた音声をスピーカ98或いはイヤホンマイク20にて再生させるために、当該音声信号をDAコンバータ96に出力する。また、CPU25は、ADコンバータ95から出力される、マイク97或いはイヤホンマイク20からの音声信号をベースバンド処理部92に出力する。また、CPU25は、例えば携帯電話機85がパケット通信を行っている場合、受信したパケットデータに基づく画像を表示すべく表示部93に信号を出力する。また、CPU25は、入力部94にて入力された入力データを表示部93に表示させたり、パケット通信にて当該入力データを送信すべく所定の処理を施して、ベースバンド処理部92に出力したりする。
また、CPU25は、携帯電話機85の電源投入時にインパルス応答記憶部62にインパルス応答に応じたデータが記憶されていない場合は、エコー防止装置1から警告信号を受信し、警告ランプ28を点灯させる。そして、CPU25は、学習ボタン27が押下されると、エコー防止装置1にインパルス応答を取得させ、FIRフィルタ50,51にインパルス応答に基づくフィルタ係数を設定させる。
ADコンバータ95は、マイク97或いはイヤホンマイク20からの音声信号に対しアナログ・デジタル変換処理したデジタル信号をCPU25に出力する。DAコンバータ96は、CPU25からの音声信号に対しデジタル・アナログ変換処理したアナログ信号をスピーカ98或いはエコー防止装置1に出力する。なお、本実施形態においては、イヤホンマイク20が携帯電話機85に接続されている場合、DAコンバータ96からのアナログ信号はエコー防止装置1に入力されるものとして以下説明する。
このような携帯電話機85の動作について説明する。なお、エコー防止装置1は図1に示した構成であるものとする。まず、携帯電話機85の電源が投入されると、前述した図4の処理が開始される。そして、インパルス応答記憶部62から読み出されたインパルス応答に基づいてFIRフィルタ50,51にフィルタ係数が設定されるか、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数の全ビットに初期値としてゼロが設定される。
FIRフィルタ50,51のフィルタ係数の全ビットに初期値としてゼロが設定されている場合、アンテナ90が受信した音声信号は、携帯電話機85の各構成による前述した処理が行われてDAコンバータ96からエコー防止装置1のADコンバータ4に出力される。ADコンバータ4に入力された音声信号は、当該ADコンバータ4にてアナログ・デジタル信号処理が施されてデジタル信号となり、入力端子30を介して、FIRフィルタ50,51に入力される。ここで、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数の全ビットがゼロであるため、FIRフィルタ50,51から出力されるデジタル信号がゼロレベルとなる。そのため、相手側から送信されてきた音声信号はイヤホンマイク20から出力されないこととなる。また、FIRフィルタ50,51から出力されるデジタル信号がゼロレベルであるため、相手側にエコーが送信されないこととなる。
そして、携帯電話機85の利用者が、イヤホンマイク20から音声が出力されないことや、警告ランプ28が点灯していることにより、インパルス応答が取得されていないことに気づくと、学習ボタン27が押下される。学習ボタン27が押下されると、エコー防止装置1においてインパルス応答が取得され、取得されたインパルス応答に基づいてFIRフィルタ50,51にフィルタ係数が設定される。
インパルス応答記憶部62から読み出されたインパルス応答、もしくは、インパルス応答取得部67によって取得されたインパルス応答に基づいてFIRフィルタ50,51のフィルタ係数が設定されている場合、アンテナ90が受信した音声信号は、携帯電話機85の各構成による前述した処理が行われてDAコンバータ96からエコー防止装置1のADコンバータ4に出力される。
ADコンバータ4に入力された音声信号は、当該ADコンバータ4にてアナログ・デジタル信号処理が施されてデジタル信号となり、入力端子30を介して、FIRフィルタ50,51に入力される。FIRフィルタ50から出力される出力信号は、出力端子32を介してDAコンバータ6に入力される。そして、出力信号は、DAコンバータ6にてデジタル・アナログ変換処理が施されてアナログ信号となり増幅回路9に入力される。増幅回路9に入力されたアナログ信号は、所定の増幅率にて増幅されて出力される。増幅回路9からのアナログ信号は、入出力端子13を介してイヤホンマイク20に出力される。この結果、イヤホンマイク20のスピーカ機能により、振動板が振動して音声が発生する。なお、増幅回路9からのアナログ信号は、差動増幅回路12の+入力端子にも入力される。
また、FIRフィルタ51から出力される出力信号は、出力端子33を介してDAコンバータ7に入力される。そして、出力信号は、DAコンバータ7にてデジタル・アナログ変換処理が行われてアナログ信号となり増幅回路11に入力される。増幅回路11に入力されたアナログ信号は、所定の増幅率にて増幅されて、差動増幅回路12の−入力端子に入力される。
そして、FIRフィルタ50,51のフィルタ係数は、前述した処理に従って設定されている。そのため、差動増幅回路12において、+入力端子に入力される増幅回路9から出力されるアナログ信号(第1アナログ信号)及び当該アナログ信号のイヤホンマイク20等による反射信号を合わせた信号を、−入力端子に入力される増幅回路11からのアナログ信号(第2アナログ信号)により打ち消すことができる。この結果、入力端子30にデジタル信号が入力されたときのエコーを防止することが可能となる。また、イヤホンマイク20のマイク機能による音声信号(第3アナログ信号)と、増幅回路9からのアナログ信号(第1アナログ信号)及び当該アナログ信号のイヤホンマイク20による反射信号を合わせた信号とが重畳して差動増幅回路12の+入力端子に入力された場合であっても、−入力端子にFIRフィルタ51からの信号(第2アナログ信号)が入力されることによって、重畳された信号からエコーの原因となる信号分(つまり、増幅回路9からのアナログ信号及び当該アナログ信号の反射信号)を差し引くことが可能となる。
なお、イヤホンマイク20が接続されていない状態で取得されたインパルス応答IR1'(Z)に基づいてFIRフィルタ51のフィルタ係数が設定された場合においても、増幅回路9から出力されるアナログ信号(第1アナログ信号)が増幅回路11から出力されるアナログ信号(第2アナログ信号)により打ち消される。ただし、本実施形態に示したように、イヤホンマイク20が接続された状態で取得されたインパルス応答IR1'(Z)に基づいてFIRフィルタ51のフィルタ係数が設定されることにより、増幅回路9から出力されるアナログ信号(第1アナログ信号)に加え、当該アナログ信号のイヤホンマイク20等による反射信号も打ち消すことが可能となり、高精度にエコーをキャンセルすることができる。
なお、エコー防止装置1が内蔵された携帯電話機85の構成及び動作について説明したが、エコー防止装置1が外付けされる携帯電話機80についても同様である。
また、本適用例においては、エコー防止装置1を携帯電話機に適用した場合について説明したがこれに限るものではない。前述したエコーが発生する可能性のあるものであれば、エコー防止装置1を適用可能である。例えば、IT(Information Technology)通信機器(例えばPC(Personal Computer)など)、通話機器(電話機、トランシーバー、車載機など)に適用することが可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明した。前述したように、エコー防止装置1が起動されると、フィルタ係数初期設定部65によって、入力されるデジタル信号を減衰させて出力するフィルタ係数(所定のフィルタ係数)がFIRフィルタ50,51に設定されることにより、相手側に送信されるエコーの信号レベルを低下させることができる。すなわち、相手側に送信される不快なエコーを抑制することが可能となる。また、FIRフィルタ50で信号が減衰されることにより、イヤホンマイク20から出力される音声も小さくなる。そのため、インパルス応答が取得されていないことをイヤホンマイク20の利用者が気づきやすく、インパルス応答の取得が促されることとなる。
さらに、本実施形態に示したように、フィルタ係数初期設定部65がFIRフィルタ50,51のフィルタ係数の全ビットに初期値としてゼロを設定するようにすることができる。この場合、FIRフィルタ50,51に入力されるデジタル信号は完全に減衰されて無音として出力されることとなる。そのため、相手側に対してエコーが送信されないこととなる。また、相手側から送信されてきた音声はイヤホンマイク20から全く出力されない状態となるため、インパルス応答が取得されていないことを気づきやすい状態となる。
また、フィルタ係数初期設定部65は、エコー防止装置1の起動時に、インパルス応答記憶部62にインパルス応答が記憶されている場合は、インパルス応答記憶部62から読み出したインパルス応答に基づいてFIRフィルタ50,51のフィルタ係数を設定する。すなわち、エコー防止装置1の起動後に、既に取得済みのインパルス応答に基づいて、エコーを抑制可能な適切なフィルタ係数がFIRフィルタ50,51に設定されることとなり、相手側に対して不快なエコーが送信されることを抑制することができる。
また、インパルス応答取得部67が、取得したインパルス応答をインパルス応答記憶部62に記憶しておくことにより、エコー防止装置1を次に起動する際に、エコーを抑制可能な適切なフィルタ係数がFIRフィルタ50,51に設定されることとなり、インパルス応答を再度取得することなく、相手側に対して不快なエコーが送信されることを抑制することができる。
また、インパルス応答記憶部62にインパルス応答が記憶されていない場合に、警告出力部66が警告信号を出力することによって警告ランプ28の点灯等を行うことにより、インパルス応答が取得されていないことをイヤホンマイク20の利用者にさらにわかりやすくすることができる。
なお、前述した実施形態及び適用例は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、本実施形態では、インパルスを発生させることにより得られるインパルス応答をFIRフィルタのフィルタ係数に設定することとしたが、フィルタ係数を設定するために用いる信号はインパルスに限られない。例えば、ステップ信号を発生させた際に得られる応答信号に基づいてFIRフィルタのフィルタ係数を設定することとしてもよい。
本発明が適用されるエコー防止装置の一例を示すブロック図である。 メモリが有する記憶部の一部を示す図である。 DSPコアがプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成を示す図である。 フィルタ係数設定処理の一例を示すフローチャートである。 エコー防止装置が外部に接続された携帯電話機の模式図である。 エコー防止装置が内蔵された携帯電話機の模式図である。 携帯電話機の構成の一例を示すブロック図である。 従来のエコー防止装置を示す図である。
符号の説明
1 エコー防止装置
3 DSP
4,5,95 ADコンバータ
6〜8,96 DAコンバータ
9〜11 増幅回路
12 差動増幅回路
20 イヤホンマイク
25 CPU
26 メモリ
27 学習ボタン
28 警告ランプ
30,31 入力端子
32〜34 出力端子
41 RAM
42 ROM
50,51 FIRフィルタ
61 取得フラグ記憶部
62 インパルス応答記憶部
65 フィルタ係数初期設定部
66 警告出力部
67 インパルス応答取得部
68 フィルタ係数設定部
80,85 携帯電話機
90 アンテナ
91 RF部
92 ベースバンド処理部
93 表示部
94 入力部
97 マイク
98 スピーカ

Claims (6)

  1. 第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1FIRフィルタと、
    前記第1デジタル信号が前記第1FIRフィルタとともに入力され、第3デジタル信号を出力する第2FIRフィルタと、
    前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、
    前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、
    前記第1アナログ信号が出力されるか第3アナログ信号が入力される入出力端子と、
    前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算部と、
    前記減算回路から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、
    を備えるエコー防止装置のフィルタ係数を設定するフィルタ係数設定装置であって、
    前記エコー防止装置が起動されると、所定のフィルタ係数を前記第1及び第2FIRフィルタに設定するフィルタ係数初期設定部と、
    第1信号を発生させることにより前記第1FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第1応答信号を取得するとともに、第2信号を発生させることにより前記第2FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第2応答信号を取得する応答信号取得部と、
    前記第4アナログ信号を前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号を除去または減衰した信号とするために、前記第1応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第2FIRフィルタに設定するとともに、前記第2応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第1FIRフィルタに設定するフィルタ係数設定部と、
    を備えることを特徴とするフィルタ係数設定装置。
  2. 請求項1に記載のフィルタ係数設定装置であって、
    前記フィルタ係数初期設定部は、前記第1及び第2FIRフィルタのフィルタ係数をゼロに設定すること、
    を特徴とするフィルタ係数設定装置。
  3. 請求項1又は2に記載のフィルタ係数設定装置であって、
    前記フィルタ係数初期設定部は、
    前記エコー防止装置が起動されると、前記第1及び第2応答信号に応じた第1及び第2応答信号データがメモリに記憶されている場合は、前記第4アナログ信号を前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号を除去または減衰した信号とするために、前記第1応答信号データに基づいたフィルタ係数を前記第2FIRフィルタに設定するとともに、前記第2応答信号データに基づいたフィルタ係数を前記第1FIRフィルタに設定し、前記第1及び第2応答信号データが前記メモリに記憶されていない場合は、前記所定のフィルタ係数を前記第1及び第2FIRフィルタに設定し、
    前記応答信号取得部は、
    前記第1及び第2応答信号データが前記メモリに記憶されていない場合に、前記第1及び第2応答信号を取得すること、
    を特徴とするフィルタ係数設定装置。
  4. 請求項3に記載のフィルタ係数設定装置であって、
    前記応答信号取得部は、
    前記第1及び第2応答信号を取得すると、前記第1及び第2応答信号に応じた前記第1及び第2応答信号データを前記メモリに記憶すること、
    を特徴とするフィルタ係数設定装置。
  5. 請求項3又は4に記載のフィルタ係数設定装置であって、
    前記第1及び第2応答信号データが前記メモリに記憶されていない場合に警告信号を出力する警告出力部を更に備えること、
    を特徴とするフィルタ係数設定装置。
  6. 第1デジタル信号が入力され、第2デジタル信号を出力する第1FIRフィルタと、
    前記第1デジタル信号が前記第1FIRフィルタとともに入力され、第3デジタル信号を出力する第2FIRフィルタと、
    前記第2デジタル信号を第1アナログ信号に変換して出力する第1DAコンバータと、
    前記第3デジタル信号を第2アナログ信号に変換して出力する第2DAコンバータと、
    前記第1アナログ信号が出力されるか第3アナログ信号が入力される入出力端子と、
    前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から、前記第2アナログ信号を減算した第4アナログ信号を出力する減算部と、
    前記減算回路から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するADコンバータと、
    を備えるエコー防止装置を制御するCPUに、
    前記エコー防止装置が起動されると、所定のフィルタ係数を前記第1及び第2FIRフィルタに設定する機能と、
    第1信号を発生させることにより前記第1FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第1応答信号を取得するとともに、第2信号を発生させることにより前記第2FIRフィルタの出力から前記ADコンバータの出力までの第2応答信号を取得する機能と、
    前記第4アナログ信号を前記第1アナログ信号と前記第3アナログ信号とを合わせた信号から前記第1アナログ信号を除去または減衰した信号とするために、前記第1応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第2FIRフィルタに設定するとともに、前記第2応答信号に基づいたフィルタ係数を前記第1FIRフィルタに設定する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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