本発明の予想情報管理システムは、将来的に(一定または任意の時間が経過した時点で)一定の結果が現れる投資の対象について、その結果の予想を含む予想情報を管理することのできるシステムである。投資の対象とは、たとえば、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技やその他の競技、サッカーくじ(スポーツ振興くじ)のような競技の結果を予想するくじ、ナンバース、ミニロト、ロト6などのくじ、株式や債券などの金融商品、先物取引、為替相場の関する情報等である。また、結果とは、競技であれば、その勝敗(引き分けを含む)、得点等であり、くじであれば、その当たり番号である。なお、株式や債券などの金融商品に関しての「結果」は、ここでは、ある期間における状態の変化(たとえば、市場における価格の変動)や、ある時点における状態(たとえば、市場における価格)等を指すものとする。
このような投資の対象は、なんらかの形で投資をすると、その対象の結果や状態に応じて収益または損益が生じるものである。たとえば、競馬に関しては、馬券(勝馬投票券)が販売され、勝馬等を的中させた場合には、オッズに応じた払戻金を受け取ることができ、この払戻金と馬券購入費の差が収益または損益となる。また、株式や債券に関しては、時間の経過とともにこれらの価格が変動し、それを市場において購入・売却することで差益または差損が生じる。
予想情報には、こうした結果の予想に関する情報のみならず、投資の対象を特定する情報やその他投資に必要な情報も適宜含められる。たとえば、競馬に関しては、レースを特定する情報、馬券購入のための具体的な情報(式別、馬番・枠番、購入金額)が含まれる。一方、株式や債券などの金融商品については、株式等の銘柄を特定する情報と、予想される価格と期日の情報が含まれる。
また、本発明においては、予想情報に基づいて投資をしたと仮定すると、それによる利益等に応じて情報料が決定される。ここで、「予想情報に基づいて投資」とは、予想情報を信じ、これにしたがって投資をすることであり、たとえば、競馬の予想情報であれば、その予想情報にある着順をそのまま信じて馬券購入を行うということである。また、金融商品等の売買においては、その予想情報に基づいて、一般的に予想される投資行動を行うということである。たとえば、株価が下落するという予想であれば、(特別な事情で保有し続けるという選択もあるが、一般的には)その株を売却するという行動をとる。
本発明の第1の実施形態として、競馬の勝敗予想に関する情報を管理するシステムを例にとって本発明の予想情報管理システムを説明する。また、情報料の課金条件、精算タイミングには様々なパターンが考えられるが、この第1の実施形態においては、予想が的中して回収利益がプラスになった場合のみ情報料の課金がされ、レースの結果が確定し、回収利益が決定されたときにはじめて、その情報料の精算が行われるものとする。ここで、回収利益とは、払戻金額−馬券購入額のことである。
本発明の第1の実施態様に係る予想情報管理システムのシステム概要を、図1を参照して説明する。本発明の予想情報管理システム1は、予想情報管理サーバ10、予想情報提供者25(以下、単に提供者25と称する)が用いるクライアント20、予想情報利用者35(以下、単に利用者35と称する)が用いるクライアント30、および、これらの構成要素を相互に接続するネットワーク50から構成される。ここで、利用者35は、予想情報管理システム1から提供される予想情報を参照し、または、その予想情報に基づいて(利用して)馬券の購入を行うべく予想情報管理システム1を用いる者である。
クライアント20は、提供者25が、レースの結果予想と馬券購入金額からなる予想情報を入力するコンピュータである。この例では、予想情報は、レースを特定する情報、馬単、枠連といった馬券の式別、馬番または枠番、および馬券購入金額からなる。また、クライアント20には、提供者25に関するユーザ情報も入力される。
クライアント30は、利用者35が、特定の提供者25を指示し、また、その指示された者が予想した予想情報が表示されるコンピュータである。クライアント30には、この他、利用者35に関するユーザ情報が入力される。
クライアント20およびクライアント30は、たとえば、WEBブラウザを稼働させたパーソナルコンピュータ(PC)や、ネットワークアクセス機能を有する携帯電話やPDA等の携帯型端末で構成することができる。また、クライアント20とクライアント30は、ここでは説明の便宜上、別個の構成要素として表しているが、たとえば、ひとつのPCで両方の機能を実現することも可能である。
予想情報管理サーバ10は、クライアント20を介して提供者25から得た予想情報を、データベース15に記録する。一方、予想情報管理サーバ10は、クライアント30で入力された利用者35の指示に応じて、指定された予想情報をデータベース15から取り出し、利用者35に提示する。
さらに、予想情報管理サーバ10は、たとえば、主催者サーバ70などからネットワークを介してレースの結果情報を受信し、提供者25からの予想情報をそれぞれ評価する。ここで、結果情報は、着順やオッズの他、騎手変更、レース中止、出走取り消し等の情報を含む場合がある。競馬の場合、たとえば「JRA公式データ配信サービス」から、着順やオッズなど、レース結果に関する結果情報をネットワーク経由で一括して受信することができる。また、JRAのホームページその他の情報源から、手入力でレース結果を入力することも考えられる。
利用者35が予想情報管理システム1から予想情報の提供を受けていた(すなわち、参照していた)場合であって、その予想情報に基づいて馬券を購入すれば回収利益がプラスと判定された場合に、利用者35から、予想情報に対する情報料を課金し、精算する。情報料は、たとえば、利用者35の回収利益に基づいて決定される。その後、予想情報管理サーバ10は、それぞれの利用者35から徴収した情報料の一部を報酬として提供者25の銀行口座等に払い込む。また、報酬は、プリペイドカードや各種会員ポイント等のポイントとしても払い込むことができる。
ネットワーク50の代表的な例としてはインターネットがあげられるが、これに限定されるものではない。たとえば、LAN、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、エクストラネット、その他の様々なトポロジおよびこれらの組み合わせでネットワーク50を構成することが可能である。また、携帯電話や携帯型端末をクライアントとして利用する場合、ネットワーク50は、無線ネットワークや公衆電話網等を含むものである。
次に、図2の機能ブロック図を参照して、本発明の第1の実施形態に係る予想情報管理システム1の各構成要素の機能について説明する。
予想情報管理サーバ10と、クライアント20およびクライアント30との間の情報のやり取りは、この例では、一般的なWEBサーバとWEBブラウザの関係と同様の方法で行われる。予想情報管理サーバ10では、必要に応じて、HTMLデータやイメージデータを、httpプロトコルでクライアント20やクライアント30に送信し、クライアント20、クライアント30で稼働するWEBブラウザは、受信したHTMLデータ等を解釈して、表示装置上に入力エリアや表示エリアを含むWEBページを表示する。
提供者25や利用者35からクライアント20、クライアント30にそれぞれ入力された入力データや指示データは、WEBブラウザにより、httpプロトコルで予想情報管理サーバ10に送信され、そこで、所定のデータ処理が行われた後、必要に応じてデータベース15に記録される。
こうした、予想情報管理サーバ10と、クライアント20およびクライアント30との間の情報のやり取りは、WEBサーバやWEBブラウザを用いずに、それぞれネットワークプログラムを作成して実現することも可能である。この場合、データの送受信にhttpプロトコルで行われる必要はなく、任意のプロトコルを用いることができる。また、クライアント20、クライアント30に画面表示を行うのにHTMLベースのWEBページを用いる必要もない。
予想情報管理サーバ10は、ユーザ管理部10A、予想情報管理部10B、課金・報酬管理部10C、予想結果評価部10D、クラス管理部10E、WEBアクセス制御部10F、およびネットワークI/F(インタフェース)部10Gを含み、さらに、予想情報管理サーバ10が備えるデータベース15には、ユーザ管理テーブル15A、予想情報テーブル15B、および評価情報テーブル15Cが含まれる。
ユーザ管理部10Aは、クライアント20またはクライアント30の表示装置に、ユーザ登録画面(不図示)を表示するためのWEBページを、WEBアクセス制御部10Fを経由して送信する。
ユーザ登録画面から入力されたデータは、データベース15のユーザ管理テーブル15Aに登録される。ユーザ管理テーブル15Aは、図3Aに示すように、ユーザID、ログインパスワード、ユーザ区分、払い込みに関する区分と識別番号を含む払込情報、引き落しに関する区分と識別番号を含む引落情報、クラス、および情報料率といった各項目が記録されている。
ここで、ユーザIDは、ユーザを特定するためのIDであり、ログインパスワードは、提供者25または利用者35がログインのときに用いるパスワードである。これらは、ユーザ管理部10Aが、提供者25や利用者35がシステムへの登録を行う際に自動的に生成するが、提供者25や利用者35が指定するようにもできる。ユーザ区分は、そのユーザが予想情報の提供者であるか、利用者であるかを示す区分であり、提供者でもあり利用者でもあるということも可能である。たとえば、ここでは、区分「1」は提供者25、区分「2」は利用者35、区分「3」は提供者25であり利用者35でもあることを表している。
提供者25である場合、報酬を払い込むために使用される払込情報が記録され、区分は、銀行振込や郵便振替などの払い込み方法を示す区分であり、識別番号はそれぞれの払い込みで使用される銀行口座等の識別情報である。利用者35である場合、情報料を引き落とすために使用される引落情報が記録され、区分はクレジットカードやクレジット機能付き携帯端末といった引き落し方法を示す区分であり、識別番号はクレジットカード番号や名義、有効期限等である。ユーザ管理部10Aは、任意のタイミングでクレジットカード等の認証処理を行う。
クラスは、提供者25の場合、その提供者の所属するクラスを示すものである。いくつもの観点で提供者25がクラス分けされる場合もあるが、そのときは、その観点に対応した数だけ、この項目が設けられる。情報料率(%)は、情報料を計算するときに用いられる。この例では、利用者35が利益を得た場合に、その利益額に情報料率を乗ずることによって情報料が求められる。情報料率は、ここでは、的中率や回収率などを元に判断した提供者25の予想成績に応じて設定される。たとえば、予想成績の良い提供者25の情報料率は高く、そうでない提供者25の情報料率は低く設定する。
ユーザ管理部10Aは、提供者25が初めてこの予想情報管理システム1に登録されるときに、所定の額の参加料を徴収するようにすることができる。また、提供者25が予想情報を登録する場合、たとえば、予想情報ごとに所定の額の登録料を徴収するようにできる。この登録料は、提供者25の予想成績やその他の特性によって異なるように設定できる。
図3Aのユーザ管理テーブル15Aに示されているデータは説明のための例示に過ぎない。また、別の構成とすることも可能であり、例示の構成に限定されるものではない。
ユーザ管理部10Aはさらに、クライアント20で提供者25が予想情報管理システム1にログインするためのログイン画面100(図5A)を表示するためのHTMLデータや、クライアント30で利用者35が予想情報管理システム1にログインするためのログイン画面200(図7A)を表示するためのHTMLデータを、WEBアクセス制御部10Fを経由してそれぞれのクライアントに送信する。
ログイン画面100やログイン画面200において、ユーザIDとパスワードが入力された場合は、ユーザ管理部10Aが、ユーザ管理テーブル15Aを参照してチェックし、これらのログインを許可するかどうか判断する。
予想情報管理部10Bは、クライアント20の表示装置にレース選択画面110を表示し、そこで提供者25がレースを指示すると、そのレースについての予想情報を登録する予想情報登録画面120を表示する。予想情報登録画面120に入力された予想情報は、データベース15の予想情報テーブル15Bに記録される。
予想情報テーブル15Bは、図3Bに示すように、ユーザID、対象レース、予想内容、およびレース結果の各項目を含み、予想内容はさらに、式別、馬番・枠番、および金額の各項目を含み、レース結果には、的中有無、および近似度の項目を含む。ここで、ユーザIDは、提供者25のユーザIDで、ユーザ管理テーブル15Aで管理されるユーザIDに対応する。対象レースは、レースを特定するための表記や識別子が記録される。たとえば、図3BのユーザID「A0001」の例では、平成17年第5回中山競馬第1日第3レースが、「05−5中1−3」といった表記で表されている。
式別は、この例では、「単勝」、「複勝」、「枠連」、「馬単」、「馬連」、「3連複」、「ワイド」(ワイドは登録商標)、および「3連単」となっており、馬券(勝馬投票券)の種類を示す。馬番・枠番には、投票する馬番号または枠番号が記録される。この項目に記録される番号が馬番号であるか枠番号であるか、また、いくつの番号が記録されるかは、対応する式別、すなわち、馬券の種類によって異なる。たとえば、式別が「枠連」の場合、馬番・枠番の項目には枠番が記録され、それ以外の式別では馬番が記録される。また、式別が「枠連」、「馬連」、「ワイド」では、2つの番号が記録され、「馬単」、「3連単」では、各番号が着順と対応付けられて記録される(たとえば、1着が1番、2着が3番の場合、「1−1,2−3」と表記される。
金額は馬券の購入金額、すなわち掛け金である。また、予想情報と結果を比較して、それぞれの予想に対する的中有無、近似度が記録される。
ここに示した予想情報テーブル15Bの構成および表記形式は、例示のためのものに過ぎず、本発明に係る予想情報管理システム1を構成するために、様々な他の構成、表記形式を用いることができる。
予想情報管理部10Bはまた、レース選択画面210(図7B)をクライアント30の表示装置に表示し、そこで利用者35が指示したレースについての評価情報表示画面220(図8)を、その表示装置に表示する。このとき、予想情報管理部10Bは、データベース15の評価情報テーブル15Cを参照して、提供者25のそれぞれに対応付けられた評価情報を評価情報表示画面220に出力する。
評価情報テーブル15Cは、図3Cに示すように、ユーザID、的中数、的中率、回収率、および予想レース数の各項目を含む。ここで、ユーザIDは、提供者25のユーザIDで、ユーザ管理テーブル15Aで管理されるユーザIDに対応する。ここで、的中とは、1レースの買い目のうち1つ以上(または全部が)当たった場合をいう。ただし、馬券の購入金額と同額以上の払い戻しを受けた(すなわち、回収利益がプラスとなった)場合を的中とすることもできる。たとえば、その場合、1レースで1万円分の馬券を購入し、そのうち少なくとも1つの馬券が当たった場合でも、その当たりによる払戻金が9990円であった場合は的中としない。的中数は、そのような回収利益がプラスとなった予想情報の数を表すものとして用いることもできる。的中率は、提供者25の予想情報のうち、「的中」した予想情報の割合を示す。
回収率は、提供者25の予想情報に基づいて馬券を購入した場合に、掛け金に対してどの程度の利益が生じたかを表すものである。この例では、掛け金の合計が1万円となるように予想情報が構成されており、結果的に1万5千円の利益があれば、15000/10000=1.5となり、150%の回収率として表され、提供者25毎に、この回収率が累積計算される。また、掛け金は、提供者25が自由に設定することもできる。
予想レース数は、提供者25がこれまでに、あるいは所定の時点以降、予想情報を提供した数である。提供者25は、基本的に1レースにつき1つの予想情報を提供するが、予想スタイル毎に、あるいは他の視点で切り分けて、複数の予想情報を提供するように構成してもよい。なお、ここに示した評価情報テーブル15Cの構成および表記形式は、例示のためのものに過ぎないことは言うまでもない。
予想情報管理部10Bは、評価情報表示画面220において特定の提供者25が選択された場合に、クライアント20から、選択された提供者25の識別情報やレースの識別情報を含む選択情報を受信し、その提供者25が提供している予想情報を、予想情報テーブル15Bから読み出して、所定の編集処理を施した後に、予想情報表示画面230に表示する。
課金・報酬管理部10Cは、利用者35が特定の提供者25の予想情報を予想情報表示画面230に開示させた際に、この事実を記録し(記録のためのデータベースの説明は省略する)、その後レース結果から、利用者35の馬券購入有無に関わらず、開示された予想情報に基づいて馬券を購入していれば回収利益がプラスになったと判断した場合に、その予想情報に対する情報料を決定し、その後、ユーザ管理テーブル15Aを参照し、その利用者35の引落情報に基づいて利用者35から情報料を課金(徴収)する。ここで、情報料は、たとえば、その回収利益の額に、ユーザ管理テーブル15Aの情報料率(%)を乗じて得た額である。また、回収利益がプラスになったものの、その額が非常に少ない場合は、情報料の課金は酷であるため、一定額以上の回収利益が生じたと判定された場合のみ情報料を課金する。もちろん、回収利益の額の多少を考慮せずに情報料の課金を行うことも可能である。
一方、課金・報酬管理部10Cは、利用者35からの情報料を徴収した後、その徴収額の一部を報酬として提供者25に払い込む。この払い込みは、ユーザ管理テーブル15Aを参照し、その提供者25の払込情報に基づいて行われる。たとえば、払込方法が銀行振込であれば、識別番号で指定された支店、口座番号あてに(ネット銀行や全銀オンライン等を経由して)報酬が振り込まれる。また、複数の利用者35が提供者25の予想情報を参照している場合は、これらの利用者35の徴収額を合計した上で、その一部が報酬として提供者25に払い込まれる。
課金・報酬管理部10Cは、クレジットカード決済やクレジット機能付き携帯端末におけるクレジット決済の支払い上限額を考慮して、所定の情報料以上は課金しないように制御することもできる。また、予想情報管理部10Bで、評価情報表示画面220の生成や、予想情報表示画面230の生成をするときに、購入金額とオッズ(確定前)とから、的中した場合にその情報料がクレジットカード決済の上限額を超える可能性のあるものは、表示対象から外すなどの処理を行うことができる。
また、情報料の課金は、一定期間蓄積し、後でまとめて課金するようにしてもよい。また、提供者25は、予想情報を提供する時に参加料が必要となる場合があるが、この費用を、それまで受けた報酬額と相殺して精算することもできる。
予想結果評価部10Dは、レースが確定した後で、結果情報を主催者サーバ70などから受信し、これを、予想情報テーブル15Bに記録されている提供者25の予想内容と突き合わせ、予想結果の評価を行う。予想が的中していれば、予想情報テーブル15Bの的中有無を「1」に、そうでなければ「0」に設定する。また、的中以外でも、予想の「惜しさ」を評価して、近似度の項目に記録する。近似度は、さまざまな視点でとらえることができるが、たとえば、連勝式の場合は、一部の馬番・枠番が的中しているかどうか、外れた馬番・枠番であっても、上位の順位であったかどうかなどを考慮して評価されうる。単勝式の場合でも、外れた馬番の順位が上位であった場合や、当たりの馬番の馬とゴール時点での距離が僅かであった場合などを考慮して近似度を評価できる。
予想結果評価部10Dは、こうして予想情報テーブル15Bに記録された的中有無を、所定のタイミングで提供者25毎にまとめ、的中数、的中率を計算して評価情報テーブル15Cの的中数、的中率の項目にその値をセットする。また、評価情報テーブル15Cの回収率についても、主催者サーバ70などから結果情報を受信したタイミングなどで再計算し、セットする。さらに、ユーザ管理テーブル15Aの情報料率を、的中率や回収率の変化に応じて再計算しアップデートする。
クラス管理部10Eは、予想結果評価部10Dによる提供者25に対する評価をもとにクラス分けを行い、それぞれの提供者25のクラスをユーザ管理テーブル15Aに記録する。たとえば、提供者25を、評価の高いAクラスと、評価の低いBクラスに分類する。
このように、予想成績に応じてクラス分けし、成績の悪いクラスの提供者25の予想情報を参照できないように構成することによって、提供者25の間の競争意識が高まるとともに、全体的な予想精度の向上が期待できる。また、一方で、利用者35にとっては、好成績の提供者25のみが一覧表示されるため、信頼性の低い、不適格者の情報を誤って使ってしまう危険性がなく、安心して本発明の予想情報管理システム1を利用することができる。また、成績の悪いクラスの提供者25も同様に一覧表示するが、予想情報を得るための選択ができないようにすることもできる。また、このような制限は、予想情報を参照できないようにするといった態様だけに限られない。たとえば、参照できる利用者35を一定の者に制限したり、一覧表示の対象や期間を制限するといった様々な態様が考えられる。
このようなクラスは、3つ以上のクラスとして編成することもでき、さらに、その中で最も成績の悪いクラスの提供者25の予想情報を参照できないようにすることもできる。また、こうしたクラスの他に、提供者25の特性に応じた様々なクラスを設定できる。たとえば、予想成績を構成する各要素(たとえば、的中数、的中率、的中金額、回収率、予想回数等)や、提供者25の予想スタイル(たとえば、予想する券種別、堅実な馬券ねらい、穴馬券ねらい、馬血統重視、過去レースデータ重視等)または、提供者25の個人属性(たとえば、性別、競馬歴の長短、出身地、大学の別、理系・文系の別、所属サークル、職種(タレント、学者など)等)に基づいて振り分けたクラスを設定しても良い。
予想スタイルに従ったクラス分けにより、利用者35は、好みのスタイルを用いる提供者25の識別が容易となる。また、個人属性に従ったクラス分けにより、従来男性が多かった提供者25の中で、女性などの活躍の場が確保される。このような、予想スタイルや個人属性を用いたクラス分けにより、ゲーム感覚や、遊びの要素が予想に加わり、提供者25および利用者35の両方に新たな楽しさが与えられる。
情報料や情報料率は、上述したいずれかのクラス分けにしたがって設定することもできる。このようなクラス分けに基づいた情報料設定により、特定クラスの提供者25に情報利用希望者が集中することを防ぎ、多数の提供者25に情報提供の機会を与えることができる。
WEBアクセス制御部10Fは、クライアント20およびクライアント30へのHTMLデータ等の生成および送信、クライアント20およびクライアント30からの入力データ・指示データ等の受信および解釈などを行う。WEBアクセス制御部10Fは、ネットワーク50を介してクライアント20およびクライアント30との間でこれらのデータの送受信を行うが、ネットワーク50に対するデータの送受信や通信制御は、ネットワークI/F部10Gによって行われる。
クライアント20は、提供者25が使用するコンピュータであり、WEBアクセス管理部20A、およびネットワークI/F部20Bを含み、さらに、表示装置21と入力装置22を備える。WEBアクセス管理部20Aは、提供者25が入力装置22でWEBページから入力した入力データや指示データを予想情報管理サーバ10に送信し、予想情報管理サーバ10から受信したHTMLデータ等を解釈して、表示装置21にWEBページを表示する。WEBアクセス管理部20Aは、ネットワーク50を介して予想情報管理サーバ10との間でこれらのデータ送受信を行うが、ネットワーク50に対するデータの送受信や通信制御は、ネットワークI/F部20Bによって行われる。
表示装置21は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置であり、入力装置22は、クライアント20が、たとえばPCであれば、キーボードやマウスであり、携帯電話のような携帯型機器であれば、主としてボタンである。
クライアント30は、利用者35が使用するコンピュータであり、WEBアクセス管理部30A、およびネットワークI/F部30Bを含み、さらに、表示装置31と入力装置32を備える。これらの要素は、クライアント20のものと同様の構成である。
次に、図4のフローチャートを参照して、第1の実施形態に係る予想情報管理システム1の処理の流れについて説明する。
利用者35が、レース選択画面210で、予想情報を得ようとする対象のレースを選択すると、その選択情報が、クライアント30から予想情報管理サーバ10に送信される(ステップS10)。予想情報管理サーバ10は、選択情報を受信すると、選択されたレースに関して予想情報を提供している提供者25の予想成績を一覧表示する評価情報表示画面220をクライアント30に表示するよう制御する(ステップS12)。
利用者35が、評価情報表示画面220を見て、どの提供者25から予想情報を得るかを検討し、特定の提供者25を選択すると、その選択情報が、クライアント30から予想情報管理サーバ10に送信される(ステップS14)。ここで、利用者35は、評価情報表示画面220に表示された、それぞれの提供者25に関する的中率、回収率、自信度、レース分析レポート、および情報料率などを見て、好ましい提供者25を決定する。
予想情報管理サーバ10は、選択情報を受信すると、選択された提供者25が既に登録している予想情報を、その利用者35に提供する(ステップS16)。これは、予想情報管理サーバ10が、選択された提供者25の予想情報を表示した予想情報表示画面230をクライアント30に表示するよう制御することによって行われる。利用者35は、この時点ではじめて予想情報を参照し、内容を知ることになる。利用者35は、表示された予想情報に基づいて、法律に基づく正規の馬券購入方法にて馬券を購入することができる。予想情報はプリントすることもできるが、利用者35がメモすることで十分であると判断すればプリントの必要はない。
ここで示される予想情報は、式別毎の馬番・枠番に加えて、各式別の購入金額も含まれており、この例では、合計が1万円となっている。利用者35は、この予想情報と同じように馬券を購入することもできるし、そのパターンどおりに、1万円を超えて購入することもできる。実際に予想情報を参照した後で、馬券を購入しなかったり、購入パターンをアレンジしたりという選択も可能であり、これ以降は利用者35の自由な判断に委ねられる。
レースが行われた後、予想情報管理サーバ10は、主催者サーバ70などからレースの確定した結果を受信して、予想情報が的中したか否かを判断し、予想情報の通りに馬券を購入した場合に、回収利益がプラスであったかどうかを判定する(ステップS18)。回収利益がプラスであった場合(ステップS18のYES)、予想情報管理サーバ10は、利用者35から回収利益に応じた情報料を徴収する(ステップS20)。この徴収は、利用者35が事前に登録している引落情報にしたがって実施される。また、情報料は、回収利益に提供者25の情報料率を乗じることによって算出される。このような仕組みにより、情報料を回収する手間もなく、回収不能となる危険も少なく、安全に情報と代金の受け渡しが可能となる。
この例の場合、利用者35は、回収利益がプラスとなって初めて情報料を徴収される。また、ここでは、予想情報の通りに馬券を購入した場合(すなわち、1万円分の馬券購入)の回収利益が判断されるので、予想情報のパターンで2万円以上購入した場合や、予想情報を見ながら、まったく購入していない場合でも、同じ金額の情報料が課金されることになる。
ここで、回収利益がプラスとなるとは、購入した馬券の金額を超えて払い戻しがあった場合の利益をいう。たとえば、合計1万円で購入した5通りの式別のうち1つのみが的中して払戻金が1万5千円であったとすると、回収利益は、5千円(1万5千円−1万円)となる。これに対し、単に利益という場合は、払戻金のような、事前の投資額に関わらない利益をいう。
次に、徴収した情報料の一部を報酬として、提供者25に振り込む(ステップS22)。この振込は、提供者25が事前に登録している振込情報にしたがって実施される。予想情報を参照した利用者35が複数存在する場合は、それらの徴収金から報酬が支払われるので、その分、報酬額は大きくなる。
ステップS22の後、または回収利益がプラスでなかった場合(ステップS18のNO)、ステップS24において、予想情報管理サーバ10は、予想結果を評価し、的中数、的中率、回収率等を再計算して、評価情報テーブル15Cに記録する。こうして記録された評価情報は、次回、評価情報表示画面220を表示させるときに参照される。また、的中率や回収率の変動によって情報料率が変化する場合は、ユーザ管理テーブル15Aの情報料率も同時に更新する。
次に、本発明の第1の実施形態に係る予想情報管理システム1で表示される画面(WEBページ)について説明する。最初に、提供者25に対して表示される画面、すなわち、クライアント20の表示装置21に表示される画面について説明する。
図5Aに示すログイン画面100は、提供者25が予想情報管理システム1にログインする際に表示される画面であり、タイトル101、ユーザID入力エリア102、パスワード入力エリア103、およびログインボタン104が設けられている。提供者25は、事前の登録によってシステムにより設定された(または自ら指定した)ユーザID(たとえば、「A0001」)とパスワードをそれぞれの入力エリアに入力し、そこでログインボタン104をマウス等でクリックする。予想情報管理システム1は、受信したユーザIDとパスワードが正しいかどうかを、ユーザ管理テーブル15Aを参照して判断し、正しい場合にはシステムへのログインを許可する。こうしたユーザの認証では、バイオメトリクス認証などの他の認証方法を用いることが可能である。
図5Bに示すレース選択画面110は、提供者25が予想情報を登録(入力)するレースを選択するための画面であり、メニューからの選択等を行うことによって、当該画面へと遷移する。レース選択画面110には、タイトル111、ユーザID表示エリア112、開催種別表示エリア113、レース選択ボックス114、および選択ボタン115が設けられている。ユーザID表示エリア112には、ログインユーザのユーザID(ここでは、提供者である「A0001」)が表示される。提供者25は、開催種別表示エリア113を見て、レースの開催場所と開催日を判断し、予想情報を入力しようとするレースを、レース選択ボックス114をマウス等で選択し、その後、対応する開催種別の選択ボタン115をクリックする。図の例では、2005年5回阪神1日(12月3日)の第3レースが選択されている。
図6に示す予想情報登録画面120は、上述のレース選択画面110において、選択ボタン115がクリックされたときに表示される画面であり、タイトル121、ユーザID表示エリア122、レース表示エリア123、予想情報入力部124、自信度入力エリア125、レース分析レポート入力エリア126、および登録ボタン127が設けられている。ユーザID表示エリア122には、ログインユーザのユーザID(ここでは、提供者である「A0001」)が表示され、レース表示エリア123には、レース選択画面110で選択した開催種別とレース、すなわち、ここで登録する予想情報の対象となるレースの識別情報が表示される。
提供者25は、予想情報を予想情報入力部124の各エリアに入力する。たとえば、式別が「単勝」であれば、勝利すると予想する馬の馬番を入力し、それについていくら購入するかを金額の欄に入力する。また、この予想に対する自信の程度を表す数字(たとえば1〜5)を自信度入力エリア125に入力し、さらに、必要に応じてレース分析レポートをレース分析レポート入力エリア126に入力する。その後、提供者25が登録ボタン127をマウス等でクリックすると、入力された予想情報が予想情報テーブル15Bに記録される。ただし、自信度とレース分析レポートは、ユーザIDと対象レースをキーとする別のデータベース(不図示)に記録されることが望ましい。
レース分析レポートに対応付けて、レース後には、(的中の有無に関わらず)レース後講評レポートを表示させるようにしても良い。このようなレポートを参照することにより、競馬の初心者はもちろん、競馬歴の長い者にとっても、競馬の予想学習が可能となり、新しい競馬学習方法を提供できる。こうした学習によって、レポートを受け取る者は、将来的に当該レポートの提供側になることもありうる。また、提供者25は、レース後講評レポートを表示させることにより、自己の予想をブラッシュアップさせることができ、また他の提供者25のレポートを参照することによって予想精度の向上に役立てることができる。さらに、こうしたレポート類が魅力的なコンテンツとなり、当該システムのユーザの増加にもつながる。
次に、利用者35に対して表示される画面、すなわち、クライアント30の表示装置31に表示される画面について説明する。
図7Aに示すログイン画面200は、利用者35が予想情報管理システム1にログインする際に表示される画面であり、タイトル201、ユーザID入力エリア202、パスワード入力エリア203、およびログインボタン204が設けられている。利用者35は、事前の登録によってシステムにより設定された(または自ら指定した)ユーザID(たとえば、「B0001」)とパスワードをそれぞれの入力エリアに入力し、そこでログインボタン204をマウス等でクリックする。予想情報管理システム1は、受信したユーザIDとパスワードが正しいかどうかを、ユーザ管理テーブル15Aを参照して判断し、正しい場合にはシステムへのログインを許可する。
図7Bに示すレース選択画面210は、利用者35が、提供者25から提供された予想情報を選択するための画面であり、メニュー等からの選択を行うことによって、当該画面へと遷移する。レース選択画面210には、タイトル211、ユーザID表示エリア212、開催種別表示エリア213、レース選択ボックス214、および選択ボタン215が設けられている。ユーザID表示エリア212には、ログインユーザのユーザID(ここでは、利用者である「B0001」)が表示される。この例では、レース選択画面210に、予想情報が登録されているレースのみが表示される。
利用者35は、開催種別表示エリア213を見て、レースの開催場所と開催日を判断し、予想情報を得たいと考えるレースを、レース選択ボックス214で選択し、その後、対応する開催種別の選択ボタン215をクリックする。図の例では、2005年5回阪神1日(12月3日)の第3レースが選択されている。
図8に示す評価情報表示画面220は、上述のレース選択画面210において、選択ボタン215がクリックされたときに表示される画面であり、タイトル221、ユーザID表示エリア222、レース表示エリア223、評価情報表示部224、および選択ボタン225が設けられている。ユーザID表示エリア222には、ログインユーザのユーザID(ここでは、利用者である「B0001」)が表示され、レース表示エリア223には、レース選択画面210で選択したレースの識別情報が表示される。
評価情報表示部224には、評価情報テーブル15C等から得られた情報(的中率や回収率等)が提供者25ごとに表示される。ここでは、対象のレースに予想情報を登録した提供者25のうち、予想成績の良いクラスに属する者が一覧表示される。たとえば、成績の高い提供者25をAクラスに、そうでない提供者をBクラスに分類した場合は、Aクラスに属する提供者25のみを一覧表示し、実質的に利用者35が、Bクラスの提供者25を参照することができないようになっている。画面右側のスクロールバーを操作することにより、すべての提供者25の評価情報を閲覧することができる。
利用者35は、評価情報表示部224の表示内容を見て、それぞれの提供者25を評価し、どの提供者25の予想情報を選択するかを決定する。この時点では、予想情報自体は開示されておらず、その内容は分からない。もちろん、ここで、どの提供者25も選べないと判断した場合は、処理を中断してログオフできる。予想情報を取得してもよいと思う提供者25が見つかったら、提供者25のユーザIDの横にあるチェックボックスをマウス等でチェックした後、選択ボタン225をクリックする。
この例では、評価情報表示画面220は、複数の提供者25の評価情報を、同じ開催でもレース毎に表示させるようになっているが、開催場所および開催日の同じすべてのレースについて、その複数の提供者25に関する評価情報を1画面で表示させるようにしてもよい。また、特定の提供者25に関する評価情報を、開催場所および開催日の同じ、または異なるすべてのレースについて1画面で表示させるようにすることもできる。さらに、提供者25をその提供者25の予想成績、予想スタイル、個人属性に基づいてクラス分けしている場合は、画面にクラス指定ボックスを設定して、そこで特定のクラスを選択することによって、その選択されたクラスの提供者25に関する評価情報のみを表示させるように構成しても良い。
たとえば、提供者25を、予想成績によって3つのクラス(Aクラス〜Cクラス)に分け、最も成績の悪いCクラスの提供者25は、予想情報を提供できないこととすると、評価情報表示画面220に、「Aクラス」、「Bクラス」、「Aクラス+Bクラス」のいずれかを選択できるクラス指定ボックスを設け、指定が行われた場合に、その指定されたクラスに属する提供者25の評価情報だけが一覧表示されるようにすることができる。
図9に示す予想情報表示画面230は、上述の評価情報表示画面220において、選択ボタン225がクリックされたときに表示される画面であり、タイトル231、ユーザID表示エリア232、レース表示エリア233、提供者表示エリア234、および予想情報表示部235が設けられている。ユーザID表示エリア232には、ログインユーザのユーザID(ここでは、利用者である「B0001」)が表示され、レース表示エリア233には、レース選択画面210で選択したレースの識別情報が表示される。
提供者表示エリア234には、評価情報表示画面220で選択した提供者25のユーザID等が表示される。予想情報表示部235には、予想情報テーブル15Bから得られた情報(式別、馬番・枠番、購入金額)が表示される。利用者35は通常、この予想情報に基づいて馬券を購入する。この予想情報が利用者35に提示された時点においてもまだ、この予想情報についての情報料の課金はされない。この例では、課金は、レースの結果が確定して、利用者35の回収利益がプラスの場合にされる。
図10に示す予想成績一覧300は、提供者25および利用者35のそれぞれが見ることのできる画面であり、メニュー等を選択して表示させることができる。予想成績一覧300には、タイトル301、ユーザID表示エリア302、表示順指定エリア303、クラス選択ボックス304、および予想成績表示部305が設けられている。ユーザID表示エリア302には、ログインユーザのユーザID(ここでは、提供者である「A0001」)が表示されている。
表示順指定エリア303では、表示順を指定できる。この例では、「的中率の高い順」または「回収率の高い順」のいずれかをチェックボックスで選択するようになっており、後者が選択されている。クラス選択ボックス304では、表示させるユーザのクラスを選択することができるコンボボックスであるが、ここでは、全クラスのユーザを表示させるようになっている。予想成績表示部305には、ユーザ、的中率、回収率、予想レース数、クラス、および情報料が示されている。ここでは、クラス選択ボックス304で「全クラス」の指定がされているため、Aクラスのユーザ(このクラスのユーザだけが予想情報を提供できる提供者25である)のみならず、Bクラスのユーザも表示されている。
これまで、本発明の第1の実施形態に係る予想情報管理システム1について説明してきたが、このような実施形態は1例に過ぎず、他の構成を用いても本発明の有利な特徴を実現するシステムを構成可能である。たとえば、この例では、予想情報管理サーバ10で、WEBアクセスの管理と予想情報の管理を行っているが、これらの機能を複数に分離して、互いにネットワーク接続された2台以上のサーバとして構築することも可能である。
さらに、予想情報管理サーバ10、クライアント20、およびクライアント30の間で、他の構成要素の機能を一部実行するようにもできる。たとえば、予想情報管理サーバ10が備えるユーザ管理部10Aの機能を、クライアント20やクライアント30が、ネットワーク50を介して予想情報管理サーバ10のデータベース15を参照しながら行うようにすることができる。
また、第1の実施形態では、予想情報に対する情報料を、提供者25毎に設定された情報料率と回収利益から求めるようにしていたが、異なる情報料を定めても良い。また、所定の額以上の回収利益が生じた場合に一定額を情報料として課金することもできる。
たとえば、情報料を提供者25によらず回収利益の一定割合の額としたり、回収利益の額の多少によらず一定としたり、段階的な(たとえば、回収利益の額によって累進的に設定されたような)情報料率や情報料を設定したりすることもできる。上述の、所定の額以上の回収利益が生じた場合に一定額を課金することは、この一形態である。また、情報料率や情報料を、前述のようにクラスや、提供者25のその他の評価項目や属性に応じて設定したり、利用者35の利用頻度(すなわち、利用者がシステムを利用した頻度(回数))、予想情報の利用頻度(すなわち、予想情報が利用者35に参照された頻度(回数))、利用した結果(成績)などに応じて設定することも可能である。
さらに、提供者25の、的中率、回収率、連続的中率、連続不的中数、特定期間の的中回数といった評価情報に応じて情報料率や情報料を変動させることもできる。たとえば、的中率または回収率が10%上昇(または降下)するごとに、情報料率を2%上昇(または降下)させたり、連続的中率や連続不的中数に応じて、情報料率や情報料をそれぞれ上昇(または降下)させるようにすることができる。このように、情報料率や情報料と、提供者25の予想成績の間に、逆相関関係を持たせることにより、特定の提供者への利用希望が集中することを防ぎ、多数の提供者25に予想情報を提供する機会を与えることができる。さらに、提供者25の間に競争意識を保持させつつ、新規参入する提供者25の育成をも可能にする。
一方、情報料率や情報料を、それらの元となる基準要素の変化に応じて動的に変化させることもできる。たとえば、利用者35が実際に利用した予想情報の的中率、回収率、連続的中率、連続不的中数、特定期間の的中回数といった評価情報、利用者35の利用頻度、予想情報の利用頻度、利用した結果(成績)などに応じて、情報料率や情報料を動的に変動させることができる。評価情報を例に取ると、利用者35が利用した予想情報の的中率が低い場合には、情報料率または情報料を低下させ、的中率が高い場合には、これらを高く設定する。こうすることによって、利用者35が予想情報を利用する意欲をある程度維持し、顧客離れを防ぐことが可能である。また、予想情報がどれくらいの利用者35によって参照されたかによって動的に情報料率や情報料を変化させることができる。
第1の実施形態では、回収利益がプラスとなった場合にのみ情報料の課金を行っているが、それ以外の場合でも情報料の少なくとも一部を適宜課金することができる。その場合、回収利益の額の多少には関係のない一定額や、払戻金と情報料率から計算される額等が情報料として課金される。
また、第1の実施形態では、予想情報に対する情報料を、回収利益の額が確定してから利用者35に課金するようにしているが、回収利益の確定前に、一旦、所定額を利用者35から徴収しておき、回収利益が確定した後で、この所定額と情報料との差額を精算するといった方法をとることもできる。この場合、「精算」は、情報料が所定額より多ければ、利用者35から差額を徴収することになり、一方、情報料が所定額より少なければ、差額を利用者35に返還することになる。また、情報料、情報料率は、上述の場合と同様に、さまざまなパターンで設定することが可能である。
利用者35に対して差額の返還が生じる場合、ユーザ管理テーブル15Aは、利用者35についても払込情報を有しておく必要がある。また、一旦、所定額を徴収する方法では、所定額を徴収する際に、カード手数料等などの引落手数料を負担する必要があり、差額を徴収・返還する際に、カード手数料や銀行振込手数料といった引落手数料、振込手数料を負担する必要がある。このような2段階の資金移動は、回収利益の確定後に1回だけ課金を行う第1の実施形態に比べ、手数料負担が多くなり、処理が煩雑になる可能性がある。
また、この場合、所定額を徴収する際の引落手数料、差額を徴収する際の引落手数料、および差額を返金するための振込手数料のそれぞれを、利用者35、システム(すなわち、予想情報仲介業者)側、あるいはそれ以外の者の中でどのように負担するかはビジネスモデル構築上の設計事項であり、任意に定めることができる。
さらに、利用者35への課金は、一定期間情報料を蓄積し、所定のタイミングでまとめてすることもできる。また、利用者35が同時に提供者25でもある場合には、利用者35への課金と、提供者25に対する報酬を所定の期間で相殺して、その差額を引き落す(または振り込む)ようにすることもできる。
第1の実施形態では、利用者35に信頼性の高い予想情報を提供し、利用者35は、それに基づいて通常の馬券購入方法で馬券を購入するものであるが、主催者サーバ70などが提供する馬券購入システムと連動させることができれば、予想情報を表示させた画面上、馬券購入ボタンをクリックする等して、そのまま馬券の購入に繋げるような構成とすることも可能である。この場合は、ユーザ管理テーブル15Aの引落情報を参照して、馬券購入金額の精算が行われる。
また、第1の実施形態では、偶然に、または意図的に極めて類似性の高い予想情報(買い目)が入力されることを防止する、買い目重複防止機能を組み込むことができる。買い目重複防止機能は、100円の馬券の買い目を1要素として、全買い目に対する同じ買い目の多寡により判断する。上述の例の場合、馬券の購入額は合計で1万なので、100円の馬券はその1%にあたる。ここで、たとえば、95%以上が同じ買い目である場合に「重複」とみなし、先に登録された予想情報に優先権を与え、後の予想情報は登録を受け付けないようにする。
たとえば、一方の予想情報の買い目は、単勝1番9500円と、複勝2番500円であり、他方の予想情報の買い目は、単勝1番9500円と、複勝3番500円であったとする。この場合、9500円、すなわち95%が、同じ買い目となるので、後の登録はできないようにする。こうした機能により、他人の予想情報を真似て好成績をおさめようとする者を排除することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る予想情報管理システム2について説明する。第2の実施形態は、株式の価格に関する予想情報を取り扱うものである。株式の売買により収益をあげるには、株式市場において所定の株式を安く購入し高く売ることである。したがって、将来的な株式の価格を高い確度で予想する情報があれば、購入銘柄を選択する際に有利であり、既に保有している株式であれば値下がりリスクを回避することもできる。こうした株式の価格変動は、いくつかの要因が複雑に絡み合っており、専門家でも予想は難しいが、的中率の高い予想をする株式アナリストや一般投資家も存在する。
予想情報管理システム2では、前述の図7Aで示したレース選択画面210と同様の構成の画面を用いて、特定の株式銘柄(または、複数銘柄のセット(たとえば、安全(安定)銘柄とベンチャー株等))を選択する。このような銘柄選択は、東証コードなどを入力することによって行うこともできる。次に、図8で示した評価情報表示画面220と同様の構成の画面を用いて、選択された株式に関する提供者25の過去の予想に対する評価が表示される。
ここで所望の提供者25を指定して選択ボタン225をクリックすると、図11に示す予想情報表示画面400が表示される。予想情報表示画面400には、タイトル401、ユーザID表示エリア402、株式銘柄表示エリア403、提供者表示エリア404、および予想情報表示エリア405が設けられている。ユーザID表示エリア402には、利用者35のユーザIDが表示され、株式銘柄表示エリア403には、レース選択画面210と同様の画面で指定した株式銘柄が表示され、さらに、提供者表示エリア404には、評価情報表示画面220と同様の画面で指定した提供者25が表示される。予想情報表示エリア405には、指定した提供者25の予想情報が表示される。この例では、値上がり予想か値下がり予想かを示す変動区分、予想を行った時点を示す予想日、予想株価以上(または以下)となる日付を表す評価基準日、および予想株価が示されている。
予想の内容は、予想日(2005年12月10日)の前日終値が280万円(1000株の価額)である○○○社の株が、1ヶ月後の評価基準日(2006年1月10日)には、予想株価800万円以上に値上がりするというものである。値下がり予想であれば、予想株価以下に値下がりするという条件になる。ただし、ここに示す予想の記載方法は、例示に過ぎず、その他の様々な表現を用いて予想をすることができる。たとえば、予想株価の変わりに、値上がり率や値下がり率を用いることもできるし、評価基準日を所定の期間内として表すこともできる。
また、この例では、対象の株価が、評価基準日の時点で予想株価以上(または以下)となっていることが的中の条件となるが、所定の期間内に予想株価に達した時点で的中と判断することもできる。利用者35は、予想情報が的中したと判断された場合に所定の情報料を支払う。
図12は、予想情報として値上がり予想を得た利用者35の一般的な対応とリスクについて示したものである。図12Aは、縦軸を株価、横軸を時間として表したグラフであり、予想が点線で、実際の株価の動きがケース1の実線で示されている。予想情報は、前述のように、評価基準日における株価を予想するものであるが、ここでは便宜上、右上がりの直線で示してある。
提供者25は、予想時点のP1で、株価の予想を行い、この銘柄が280万円(1000株)から800万円に値上がりすると予想する。利用者35は、株価が370万円の時点(P2)でこの予想情報を予想情報管理システム2により取得する。その後、利用者35は、予想情報の値上がり予想を期待して、P3の時点で株式を1000株購入する。取得価額は480万円である。評価基準日のP4では、株価が1000万円となり、予想株価の800万円を上回ったことで予想の的中となる。
利用者35は、この時点で520万円(1000万円−480万円)の差益が生じており、予想情報の的中で情報料(たとえば、収益の10%として)の52万円が予想情報管理システム2により課金される。したがって、利用者35の最終的な収益は、この段階で468万円(520万円−52万円)となる。
図12Bは、縦軸を株価、横軸を時間として表したグラフであり、予想が点線で、実際の株価の動きがケース2の実線で示されている。予想情報は、図12Aと同様のものであり、右上がりの直線で示してある。
提供者25は、予想時点のP1で、株価の予想を行い、この銘柄が280万円から800万円に値上がりすると予想する。利用者35は、株価が480万円の時点(P2)でこの予想情報を予想情報管理システム2により取得する。その後、利用者35は、予想情報の値上がり予想を期待して、P3の時点で株式を1000株購入する。取得価額は560万円である。評価基準日のP4では、予想に反して株価が400万円まで下落し、予想情報は的中しない。
利用者35は、この時点で160万円(560万円−400万円)の差損が生じている。予想情報が的中していないので、予想情報管理システム2による課金は行われない。このように、予想情報にしたがって株式を売買しても収益が生じるとは限らないが、その場合、情報料の課金はない。ただ、予想情報管理システム2によって、その予想情報の提供者25の信頼性を前もって評価しているので、利用者35としては、比較的安心してその予想情報を利用することができる。
図13は、予想情報として値下がり予想を得た利用者35の一般的な対応とリスクについて示したものである。図13Aは、縦軸を株価、横軸を時間として表したグラフであり、予想が点線で、実際の株価の動きがケース3の実線で示されている。予想情報は、前述のように、評価基準日における株価を予想するものであるが、ここでは便宜上、右下がりの直線で示してある。
提供者25は、予想時点のP1で、株価の予想を行い、この銘柄が900万円(1000株)から300万円に値下がりすると予想する。この銘柄を1000株保有する利用者35は、株価が830万円の時点(P2)でこの予想情報を予想情報管理システム2により取得する。その後、利用者35は、予想情報の値下がり予想を受けて、P3の時点で株式をすべて売却する。売却価額は730万円である。評価基準日のP4では、株価が200万円となり、予想株価の300万円を下回ったことで予想の的中となる。
利用者35は、この時点で530万円(730万円−200万円)の差損(含み損)を免れたことになる。ここでは、このような場合も、回収利益がプラスとなったとみなして、情報料(たとえば、収益の10%として)の53万円が予想情報管理システム2により課金される。したがって、利用者35の実質的な最終収益は、この段階で477万円(530万円−53万円)となる。
図13Bは、縦軸を株価、横軸を時間として表したグラフであり、予想が点線で、実際の株価の動きがケース4の実線で示されている。予想情報は、図13Aと同様のものであり、右下がりの直線で示してある。
提供者25は、予想時点のP1で、株価の予想を行い、この銘柄が900万円から300万円に値下がりすると予想する。この銘柄を1000株保有する利用者35は、株価が830万円の時点(P2)でこの予想情報を予想情報管理システム2により取得する。その後、利用者35は、予想情報の値下がり予想を考慮して、P3の時点で株式をすべて売却する。売却価額は600万円である。評価基準日のP4では、予想に反して株価が300万円まで下落せず、予想情報は的中しない。
利用者35は、この時点で160万円(760万円−600万円)の差益(含み益)を逃しており、実質的には損失となる。この場合、予想情報が的中していないので、予想情報管理システム2による課金は行われない。このように、予想情報にしたがって株式を売買しても収益が生じるとは限らないが、その場合、情報料の課金はない。
ここで、評価基準日のP4で株価が350万円まで下落したとすると、依然として予想情報は的中していないが、利用者35は、250万円(600万円−350万円)の差損(含み損)を免れたことになり、実質的な収益が発生する。このような場合、回収利益がプラスとなったとみなして、課金を行うことができる。また、あくまでも予想情報は的中していないので、予想情報管理システム2による課金を行わないようにしてもよい。
次に、図14を参照して、本発明の予想情報管理システムの予想情報管理サーバ10、クライアント20、およびクライアント30として用いられるコンピュータのハードウエア構成の例について説明する。ただし、図14のコンピュータ500は、これらの構成要素として機能するコンピュータの代表的な構成を例示したにすぎない。
コンピュータ500は、CPU501、メモリ502、音声出力装置503、ネットワークインタフェース504、ディスプレイコントローラ505、ディスプレイ506、入力機器インタフェース507、キーボード508、マウス509、外部記憶装置510、外部記録媒体駆動装置511、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス512を含んでいる。
CPU501は、コンピュータ500の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、ユーザ管理部10AやWEBアクセス管理部20Aなどの各機能部の実行を制御して、本発明に係る予想情報管理システムを実現する。
メモリ502は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ500の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU501で実行される上述のプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータ(たとえば、HTMLページのデータ)が一時的に格納される。
音声出力装置503は、たとえば、スピーカ等の機器であるが、基本的には、予想情報管理サーバ10、クライアント20、およびクライアント30のいずれについても必須のものではない。
ネットワークインタフェース504は、ネットワーク520に接続するためのインタフェースである。ネットワーク520は、図1、図2に示したネットワーク50に対応する。
ディスプレイコントローラ505は、CPU501が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ505で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、ディスプレイ506に出力される。ディスプレイ506は、たとえば、LCDやCRTで構成される表示装置である。なお、このディスプレイ506は、図2に示すクライアント20の表示装置21やクライアント30の表示装置31に対応し、予想情報管理サーバ10にとっては必須のものではない。
入力機器インタフェース507は、キーボード508やマウス509から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU501に送信する。キーボード508やマウス509は、図2に示すクライアント20の入力装置22やクライアント30の入力装置32に対応し、予想情報管理サーバ10にとっては必須のものではない。
外部記憶装置510は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ502のRAMにロードされる。図1、図2に示したデータベース15も、予想情報管理サーバ10が備える外部記憶装置510に記録される。
外部記録媒体駆動装置511は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型の外部記録媒体530の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。外部記録媒体530には、本発明に係る予想情報管理システムを実現するためのプログラムも記録することが可能である。外部記録媒体530に記録されているデータは、外部記録媒体駆動装置511を介して外部記憶装置510に格納され、プログラムであれば、実行時にメモリ502のRAMにロードされる。
また、本発明に係る予想情報管理システムを実現するためのプログラムの他の流通形態としては、ネットワーク上の所定のサーバから、ネットワーク520およびネットワークインタフェース504を介して外部記憶装置510に格納されるというルートが考えられる。こうして格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にメモリ502のRAMにロードされ、実行される。
本発明に係る予想情報管理システムでは、クライアント20およびクライアント30において、一般のWEBブラウザを稼働させる場合は、予想情報管理システムを実現するためのプログラムをインストール等する必要性は特段ない。
本発明に係る予想情報管理システムのクライアント20とクライアント30は、家庭等に設置されるPCを想定しているが、それ以外の装置で実装されてもよい。たとえば、専用端末として、競馬場や場外馬券売り場、駅、コンビニエンスストアなどに設置されうる。この場合、専用端末は、必要に応じて、カード読み取り手段、現金受け取り・受け渡し手段、タッチパネル等を備える。また、この専用端末をクライアント20とクライアント30の機能を併せ持つ端末として構成することもできる。
1,2・・・予想情報管理システム、10・・・予想情報管理サーバ、15・・・データベース、20・・・クライアント、21・・・表示装置、22・・・入力装置、25・・・予想情報提供者、30・・・クライアント、31・・・表示装置、32・・・入力装置、35・・・予想情報利用者、50・・・ネットワーク、70・・・主催者サーバ、500・・・コンピュータ、501・・・CPU、502・・・メモリ、503・・・音声出力装置、504・・・ネットワークインタフェース、505・・・ディスプレイコントローラ、506・・・ディスプレイ、507・・・入力機器インタフェース、508・・・キーボード、509・・・マウス、510・・・外部記憶装置、511・・・外部記録媒体駆動装置、512・・・バス、520・・・ネットワーク、530・・・外部記録媒体