JP4763400B2 - 粘土薄膜基板、電極付き粘土薄膜基板、及びそれらを用いた表示素子 - Google Patents

粘土薄膜基板、電極付き粘土薄膜基板、及びそれらを用いた表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、粘土薄膜に無機層を積層した構造の粘土薄膜基板、表示素子用の電極付き粘土薄膜基板、及びそれらを用いた表示素子に関するものである。
ディスプレイは、モバイル性や省スペースの面より、従来のブラウン管方式から液晶方式(LCD)に急激に変わりつつある。更に次世代ディスプレイとして、自発光デバイスであり、明るさ、鮮やかさ、消費電力の点でも優れた有機EL方式のものが生産され始めている。これらは従来のブラウン管方式のものと比べればモバイル性や省スペースの面で格段に優れているが、基板としてガラスが使用されているために、比較的重量があり、また、割れるという欠点も有している。
これらの問題点を解決するため、一部の液晶方式のものではフィルム基板(プラセルと呼ばれている)が使用されている。しかしながら、現在主流となっている動画対応可能なTFT駆動方式のものについては、使用できるフィルム基板は未だ存在していない。その理由は、TFT回路を形成する温度に耐えることができ、且つ高透明なフィルム基板が存在しないためである。また、次世代ディスプレイとして脚光を浴びている有機ELディスプレイの場合、有機EL素子を守るために、上記特性に加え、非常に高度な酸素バリア性能も必要とされている。これらの要求を満たし得る材料としては粘土薄膜が注目されている。
粘土薄膜は、優れたフレキシビリティーを有し、粘土粒子が層状に緻密に配向している構造を有しているので、気体バリア性に優れ、かつ、耐熱性や難燃性にも優れた材料である(特許文献1参照)。しかしながら、液晶や有機ELディスプレイ用のフィルム基板として使用する場合、いくつかの問題が存在する。その一つは、表面平坦性の問題である。
有機ELディスプレイを例にとると、基板表面が平坦でない場合は、透明導電膜が均一に製膜できず、欠点部分で導電性の低下をもたらす。更には有機EL素子へダメージを与える場合もある。この問題を防ぐためには、透明導電膜や有機EL素子が数十nm〜数百nmと極めて薄い薄膜層であるため、その基材には、数nmから数十nmの低い表面粗さが要求されている。しかしながら、従来の粘土薄膜はこの要求を満たすことができない。その原因は粘土薄膜の製造方法にある。従来から、粘土薄膜は、水を主成分とする分散媒に分散させた粘土の分散液を水平に静置し、粘土粒子をゆっくりと沈積させるとともに、分散媒を蒸発させることによって作製されている。その場合、膜表面はいわば自然に形成されるために、現状では表面粗さRaをサブミクロン以下に抑えるのが難しい。
他の一つの問題点は、水蒸気バリア性の問題である。粘土は親水性の材料であるため、吸湿性であり、水蒸気を透過させ易い性質をもつ。粘土薄膜が水蒸気を多く含むと、粘土薄膜が有する粘土粒子の緻密な層状配向構造が壊れるため、粘土薄膜が有しているガスバリア性が低下するとともに、耐熱性や機械的強度も低下する。これは、粘土が有する性質そのものに起因しているので、改良するのが難しい。
特開2005−104133号公報
上記したように、優れたガスバリア性、耐熱性、難燃性、透明性、フレキシブル性を有する粘土薄膜を、液晶や有機ELディスプレイ用のフィルム基板として利用するためには、表面平坦性と水蒸気バリア性を格段に向上させる必要がある。したがって、本発明の目的は、粘土薄膜にこれらの特性を付与し、ELディスプレイ用のフィルム基板としての利用が可能な粘土薄膜基板を提供することにある。本発明の他の目的は、そのような粘土薄膜基板を用いた表示素子を提供することにある。
本発明の表示素子用粘土薄膜基板の第1の態様は、粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜の少なくとも片面に、炭素を含む酸化珪素膜からなる厚さ100〜5000nm、表面粗さ4nm以上25nm未満の平坦化無機質層と、窒素を含む酸化珪素膜または珪素の窒化膜からなる厚さ10〜200nmのガスバリア無機質層が積層されたことを特徴とする。本発明の表示素子用粘土薄膜基板の第2の態様は、前記平坦化無機質層と前記ガスバリア無機質層が交互に積層されてなることを特徴とする。
また、本発明の表示素子用粘土薄膜基板は、温度40℃、湿度90%の環境下での水蒸気透過率が1×10 −5 未満であり、かつ、酸素透過率が0.1cc/m ・day・atm未満であることが好ましい。
本発明の上記第1乃至第2の態様の表示素子用粘土薄膜基板におけるガスバリア無機質層は、スパッタリング法によって形成することができる。
本発明の上記第1および第2の態様の表示素子用粘土薄膜基板における平坦化無機質層は、平坦化無機質層はCVD法によって形成することができる。
本発明の電極付き粘土薄膜基板は、上記第1乃至第2の態様の粘土薄膜基板の片面に、透明導電層が積層されてなることを特徴とする。電極付き粘土薄膜基板において、透明導電層が積層されている面とは反対側の面に、防眩層が設けられていてもよい。また、透明導電層が積層されている面とは反対側の面に、反射防止層が設けられていてもよい。さらにまた、透明導電層が積層されている面とは反対側の面に、ハードコート層が設けられていてもよい。
本発明の表示素子の第1の態様のものは、基板上に、少なくとも透明電極層、発光層、および陰極層が順次積層された積層体を有するエレクトロルミネッセンス表示素子であって、基板として、上記第1乃至第2の態様の粘土薄膜基板が用いられたことを特徴とする。また、第2の態様のものは、少なくとも電極層が積層された2枚の基板の間に液晶が挟持された液晶表示素子であって、基板として、上記第1乃至第2の態様の粘土薄膜基板が用いられたことを特徴とする。
(粘土薄膜基板)
まず、本発明の表示素子用粘土薄膜基板について詳細に説明する。図2ないし図3は、本発明の粘土薄膜基板の模式的断面図である。図2は、粘土薄膜11の片面に平坦化無機質層13およびガスバリア無機質層12が積層された本発明の第1の態様の粘土薄膜基板を示している。また、図3は、粘土薄膜11の片面に複数(図では2つ)の平坦化無機質層13a、13bおよび複数(図では2つ)のガスバリア無機質層12a、12bが交互に積層された本発明の第2の態様の粘土薄膜基板を示している。
本発明でいう粘土薄膜とは、粘土粒子が配向して積層した構造を有する膜厚10〜2000μmの膜状物であって、主成分の粘土の割合が全体の70〜100重量%である耐熱性に優れた、フレキシブル性を持ち合わせたものであり、公知の方法によって作製することができる。例えば、次のような方法によって得ることができる。(1)粘土または粘土と添加剤を、水、有機溶剤、又は水と有機溶剤との混合溶媒よりなる分散媒に分散させ、均一な粘土分散液を調製する、(2)この分散液を静置し、粘土粒子を沈積させるとともに、分散媒である液体成分を固液分離手段で分離して粘土薄膜を形成する、(3)更に、任意に、110から300℃の温度条件下で乾燥し、自立膜として得る。
粘土としては、天然あるいは合成物、好適には、例えば、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト及びノントロナイトのうちの1種以上、更に好適には、天然スメクタイト及び合成スメクタイトの何れか、又はそれらの混合物が例示される。また、添加剤としては、特に限定されるものではないが、好適には、例えば、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸、ポリアミノ酸、多価フェノール、安息香酸類などがあげられる。
上記粘土分散液は、水性分散液でもよいが、粘土を有機化して疎水性にし、その有機化された粘土を有機溶剤に分散した有機溶剤系粘土分散液としても好適に用いることができる。粘土を有機化する方法としては、イオン交換により、粘土鉱物の層間に有機化剤を導入する方法があげられる。例えば、有機化剤として、ジメリルジステアリルアンモニウム塩やトリメチルステアリルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩や、ベンジル基やポリオキシエチレン基を有するアンモニウム塩を用いたり、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩を用い、粘土のイオン交換性、例えば、モンモリロナイトの陽イオン交換性を利用して有機化することができる。この有機化により、粘土の有機溶剤への分散が容易になる。
粘土薄膜の厚さは、粘土分散液の固液比や粘土粒子を沈積させる条件等によって、任意の厚さに制御できるが、本発明の粘土薄膜基板に用いる粘土薄膜は、膜厚10〜2000μmの範囲のものである。10μmより薄いと膜の強度が弱くなり、安定した自立膜を得ることが困難となる。また2000μmを超えると膜が曲がりにくくなり十分なフレキシブル性を発揮できなる。特に好ましい膜厚の範囲は25〜200μmである。
本発明の粘土薄膜基板は、上記粘土薄膜の少なくとも片面に、ガスバリア無機質層と平坦化無機質層とが1層または2層以上積層されてなることを特徴とする。粘土は、耐熱性、ガスバリア性に優れた物質であるものの、膨潤性を有するため高湿度雰囲気下では急激にバリア性能が悪化する。しかしながら、粘土薄膜上にガスバリア無機質層を設けると、膨潤性を抑制し、高湿度下においても高いガスバリア性を保った粘土薄膜基板となる。
プラスチック基板を用いた場合、平坦性の向上、応力を緩和し、ガスバリア無機質層の破壊を回避することを目的として、ガスバリア無機質層と基板の間に樹脂アンカーコート層(熱架橋性樹脂)を設ける方法が報告されている。しかしながら粘土膜に樹脂アンカーコート層を形成すると、粘土の持つ耐熱性を十分に発揮させることができない。そこで、本発明の第2の態様の粘土薄膜基板においては、ガスバリア性の向上を目的とするガスバリア無機質層と粘土薄膜の間に、表面平坦化、応力の緩和を目的としたガスバリア無機質層とは機能の異なる平坦化無機質層を設ける。これにより熱に弱い有機物質を用いることなく高性能のフレキシブル粘土薄膜基板を提供することができる。樹脂と酸化珪素とは密着力が劣るが、酸化珪素同士の密着性は非常に高い。本発明においては、ガスバリア無機質層と平坦化無機質層は共に酸化珪素が主体となっているため、両者の密着性は非常に高いという利点があり、これもガスバリア性の向上に寄与している。また従来技術においては、樹脂アンカーコート層の形成は大気中で、ガスバリア無機質層の形成は真空中で行われるため、製造工程が複雑となるのに対し、本発明ではガスバリア無機質層と平坦化無機質層は真空中で連続的に形成して積層されるために、製造を効率的に行うことができ、安価に粘土薄膜基板を得ることができる。
ガスバリア性の向上を目的とするガスバリア無機質層は、緻密性の高いものが望まれる。したがって、製膜方法としては、スパッタリング法、例えば、マグネトロンスパッタリング法を用い、構成物質としては、窒素を含む酸化珪素またはケイ素の窒化物よりなる、膜厚10から200nmの範囲のものとすることが好ましい。製膜法として、CVDや蒸着法を用いると、緻密性に劣り十分なガスバリア性を得ることが難しくなる。また膜厚を10nm以下とすると、十分なガスバリア性が得られず、200nmを超えるとクラック等を発生し、ガスバリア性能が低下する。
また、表面平坦化・応力緩和を目的とする平坦化無機質層は、CVD法を用い、炭素を含む酸化珪素膜よりなる膜厚100から5000nmの範囲のものとすることが好ましい。スパッタリング法を用いると、クラックのない厚い膜を形成するのが難しく、応力の緩和層としての機能を果たす膜にはなり難い。また平坦化無機質層の構成成分として、炭素を含む酸化珪素を用いることにより、膜に柔軟性が備わり、応力緩和に適した膜を得ることができる。
ガスバリア性の向上を目的とするガスバリア無機質層は粘土膜の片面に設けるだけでもガスバリア性の効力を発揮するが、両面に設けることにより、高湿度下でのより高いガスバリア性を発揮させることができる。また、表面平坦化・応力緩和を目的とする平坦化無機質層と、ガスバリア無機質層とを交互に複数層、積層することにより、更なる特性向上をはかることができる。
粘土薄膜基板をディスプレイに用いるためには、透明性も重要な特性の一つである。粘土薄膜は比較的表面が粗いため、光の乱反射等により本来粘土鉱物のもつ透明性を発揮することができない。したがって、粘土薄膜は、ガラスや樹脂フィルムと比較して、ディスプレイ用途として不可欠な透明性に劣るという欠点がある。しかしながら、本発明の粘土薄膜基板においては、ガスバリア無機質層又はガスバリア無機質層と平坦化無機質層の形成が表面を平坦化する作用も有するため、より高透明な粘土基板を提供することができるという利点も持ち合わせている。またより透明性を向上させるためには、不純物の少ない合成粘土鉱物を用いて粘土薄膜を形成することが望ましい。
(電極付き粘土薄膜基板)
本発明の上記粘土薄膜基板の片面に、更に透明導電層を積層して表示素子用の電極付き粘土薄膜基板を作製することができる。具体的には、上記した粘土薄膜基板上に、インジウム、スズ、亜鉛のうち少なくとも一つを含む酸化物を主成分とする透明導電性物質をCVD、PVD、ゾルゲル法などを用いて製膜することにより、透明導電層を形成して、フレキシブル性、高い透明性、ハイガスバリア性、平坦性、耐熱性、難燃性を有する有機ELやLCDに代表されるディスプレイ用の電極付き粘土薄膜基板を提供することができる。
また、本発明の電極付き粘土薄膜基板をディスプレイに用いるために、粘土薄膜基板の透明導電層とは反対の面に、防眩層、反射防止層、ハードコート層を形成することができる。これらの層は単独で設けてもよく、また、複数の層を積層して設けてもよい。
防眩層は、通常結着剤として使用される樹脂、好ましくは、下記ハードコート層を構成する樹脂に、フィラーを含有させて形成されるものであって、層表面を粗面化することにより、光を散乱もしくは拡散させて防眩性を付与するものである。フィラーとしては、無機フィラー、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料、および有機フィラー、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機系の透明または白色ビーズ等を挙げることができる。特に、球状で吸油性を示さない有機フィラーが好ましい。球状のフィラーを用いることによって、防眩層の表面から突出する部分がなだらかになり、油分等の汚れが付着し難くなるとともに付着した汚れを拭い易くなる。
また、フィラーの粒子径D(JIS B9921)は、0.5μm≦D≦50μmの範囲が好ましい。フィラーの配合量については、防眩層の全固形分に対して、0.5〜30重量%の範囲が好ましい。配合量が0.5重量%以下の場合は、反射防止効果が不充分となり、30重量%以上の場合は、透明性、画像のコントラストが劣るばかりでなく、耐摩耗性や耐環境性等の耐久性が悪くなる。
反射防止層は、透明電極付き粘土薄膜基板上に、その基体の屈折率よりも低い屈折率を有する材料からなる低屈折率層を一層設けるか、または高屈折率層上に、その高屈折率層よりも低い屈折率の低屈折率層を設けて二層構成にするか、或いは、この二層構成を二組以上積層して設ければよく、それによって、反射防止効果を得ることができる。なお、本発明でいう高屈折率および低屈折率とは、互いに隣接する層の間の相対的な屈折率の高低をいう。
高屈折率層は、通常、結着剤として使用される、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂、または、これらの樹脂に、高屈折率材料として、芳香環やBr、I、Cl等のハロゲン化元素を含む樹脂、またはTiO、CeO、ZrO、等の無機化合物微粒子を含ませて形成することができる。
また、低屈折率層は、例えばSiO、LiF、MgF等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低屈折率材料、フッ素系およびシリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低屈折率材料から形成することができ、その屈折率は1.45以下であることが好ましい。これらの材料の中で、特に含フッ素材料が汚れ防止の点において好ましい。なお、反射防止層としては、有機材料以外にも、無機材料の蒸着膜やスパッタリング膜を用いることができる。
低屈折率層が良好な反射防止機能を発揮するための厚さについては、公知の計算式で算出することができる。公知の文献(サイエンスライブラリ、物理学9「光学」70〜72頁)によれば、入射光が低屈折率層に垂直に入射する場合に、低屈折率層が光を反射せず、かつ100%透過するための条件は次の関係式(1)および(2)を満たせばよいとされている。なお、式中、Nは低屈折率層の屈折率、Nsは高屈折率層の屈折率、hは低屈折率層の厚さ、λは光の波長を示す。実際は、この数式を完全に満たす材料は見出し難く、限りなく近い材料と膜厚を選択することになる。
N=Ns1/2 ・・・・・(1)
Nh=λ/4 ・・・・・(2)
ハードコート層は、鉛筆硬度がH以上の層を意味する。ハードコート層を構成する樹脂としては、光、熱の何れか、またはその組み合わせにより硬化する樹脂をあげることができる。光硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合した組成物、または、紫外線により硬化するエポキシ系化合物等が用いられる。熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは単独もしくは複数混合して使用してもよい。
ハードコート層に用いられる硬化型樹脂は、透明性が高いほど好ましく、光線透過率としては、80%以上、特に90%以上のものが好ましい。ハードコート層の厚さは、0.5〜10μmの範囲、好ましくは1〜5μmの範囲に設定される。ハードコート層が0.5μmよりも薄い場合は、ハードコート層の耐摩耗性が劣化する。一方、10μmより厚い場合は、樹脂の硬化収縮によりカールが発生したり、ハードコート層にマイクロクラックが発生する場合がある。
(表示素子)
本発明の表示素子は、上記粘土薄膜基板または上記電極付き薄膜基板を用いて作製することができる。すなわち、上記粘土薄膜基板の上に電圧または電流の変化によって光学的な特性が変化する素子を形成して、表示素子を作製することができる。また、上記粘土薄膜基板の上に、透明電極層、発光層、および陰極層を順次積層して、エレクトロルミネッセンス表示素子を作製することができる。更にまた、2枚の上記電極付き粘土薄膜基板の2つの透明導電膜の間に、液晶を挟持して液晶表示素子を作製してもよい。
(エレクトロルミネッセンス表示素子)
次に、本発明のエレクトロルミネッセンス表示素子の構造と作製法について説明する。
図4および図5は、それぞれ本発明のエレクトロルミネッセンス素子の一例の模式的断面図である。図4において、エレクトロルミネッセンス素子は、粘土薄膜基板21上に、透明電極層22、発光層23、陰極層24が順次積層され、その積層体が金属材料、プラスチック等で形成された封止材25aによって密閉された空間に封止された構造を有している。また、図5においては、図4に示したものと同一の構成を有する積層体がガスバリアフィルム等の樹脂材料よりなる封止材25bによって封止されている。
本発明のエレクトロルミネッセンス表示素子において、粘土薄膜基板21としては、上記した本発明の粘土薄膜基板が使用される。
透明電極層は、発光層に正孔を供給する陽極としての機能を有するものであって、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物や金、銀、アルミニウム等の金属を用いることができ、その形状、構造、大きさ等についても特に制限されるものではない。透明電極層の作製法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法等の中から前記材料との適性を考慮して適宜選択すればよい。透明電極層のパターニングは、フォトリソグラフィーによる化学的エッチング法、レーザー等による物理的エッチング法、マスクを用いる真空蒸着法やスパッタリング法、又はリフトオフ法や印刷法等により行うことができる。厚さは、10nm〜5μmの範囲が適当である。
発光層は、少なくとも1種の発光材を含有するものであり、必要に応じて、正孔や電子の発生や移動を容易にする正孔注入材、正孔輸送材、電子注入材、電子輸送材等を含有させてもよい。また、正孔注入材、正孔輸送材、電子注入材、電子輸送材等は、発光層とは別の層に含有させて、発光層に積層された状態であっても構わない。
発光材としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリデン誘導体、8−キノリール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などの高分子化合物があげられる。これらは一種又は二種以上を混合して用いることができる。
正孔注入材および正孔輸送材としては、低分子正孔輸送材および高分子正孔輸送材のいずれも使用可能であり、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、及び陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有していれば特に限定されるものではない。正孔輸送材としては、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等があげられる。これらは一種または二種以上を併用してもよい。
電子注入材および電子輸送材としては、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものであれば制限されることはなく、例えば、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールおよびベンゾジアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物があげられる。これらは一種または二種以上を併用してもよい。
発光層の製膜は、蒸着やスパッタリング等の乾式法、ディッピング、スピンコーティング、ディップコーティング、キャスティング、ダイコーティング、ロールコーティングト、バーコーティング、グラビアコーティング等の湿式法等のいずれかによって好適に行うことができる。これらの製膜法は、発光層の材料に応じて適宜選択することができる。発光層の膜厚は、一般に1nm〜10μm、好ましくは10nm〜1μmの範囲に設定される。正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層も発光層の場合と同様の方法で作製することができる。
陰極層は、形状、構造、大きさ等に特に制限はなく、発光層に電子を注入する電極として機能すればよい。その形状、構造、大きさ等も特に制限はないが、厚さは、10nm〜5μmの範囲が適当である。陰極層用の材料としては、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられる。これらのなかから、二種以上併用しても構わない。
陰極層の形成には、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、プラズマCVD等の手段を用いることができ、陰極の材料との適性を考慮して適宜選択すればよい。陰極のパターニングは、フォトリソグラフィー、レーザー等による物理的エッチング、マスクを用いる真空蒸着法やスパッタリング法、又はリフトオフ法や印刷法等を採用することができる。
封止材としては、金属材料、プラスチック等で形成された封止材、例えばアルミニウム管など、公知のものが使用されるが、本発明における上記粘土薄膜基板を封止材として使用してもよい。
(液晶表示素子)
次に本発明の液晶表示素子について説明する。
液晶ディスプレイには、TN液晶を使用して薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)で駆動するタイプの他に、強誘電性液晶(FLC:Ferroelectric Liquid Crystal)あるいは反強誘電性液晶(AFLC:Anti−Ferroelectric Liquid Crystal)を用いるタイプがある。これらは表示の原理や駆動方式は異なるが、いずれの液晶ディスプレイでも一対の電極を有する基板間に液晶を狭持するという構造は変わらない。これら従来公知の液晶ディスプレイにおける基板として、本発明においては上記の粘土薄膜基板が使用される。
図6は、TN液晶を用いた液晶表示素子の一例の模式的断面図である。このTN液晶表示素子においては、粘土薄膜31a、32a上にそれぞれ所望のパターンからなる透明電極層33、34を有する2枚の透明電極付き粘土薄膜基板31及び32を用い、その上に、ポリイミドの溶液を塗布して液晶配向膜(図示していない)を形成し、これにラビング操作を施した後、これらの粘土薄膜基板の間にネマチック液晶35を注入し、粘土薄膜基板周辺部を樹脂等で封着する。注入されたネマチック液晶35は、配向膜の作用により90゜捻れ配向する。一方の粘土薄膜基板31の透明電極層とは反対側に、表面層および防眩層を有する反射防止層38が設けられた偏光フィルム36を積層する。また、他方の粘土薄膜基板32の透明電極層とは反対側には、反射防止層のない偏光フィルム37を、偏光フィルム36に対して偏光角度が互いに90゜捻れるように積層して、液晶表示パネルが構成される。なお、透明電極層の電極材料としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物が用いられる。
本発明の表示素子用粘土薄膜基板は、配向した粘土粒子が積層した構造を有する粘土薄膜の少なくとも片面に、炭素を含む酸化珪素膜からなる厚さ100〜5000nm、表面粗さ4nm未満の平坦化無機質層と、窒素を含む酸化珪素膜または珪素の窒化膜からなる厚さ10〜200nm、表面粗さ2nm未満のガスバリア無機質層が積層されているので、ガスバリア性が向上し、水蒸気透過性を抑えることが可能になる。また、本発明の表示素子用粘土薄膜基板は、ディスプレイ用のフィルム基板として用いられるプラスチック基板と同等の光学特性を有し、またプラスチック基板と比較して、難燃性や耐熱性にも優れている。したがって、本発明の粘土薄膜は、液晶や有機ELディスプレイ用のフィルム基板として好適に使用することができる。
更に、本発明の粘土薄膜基板は、それがもつ諸特性により、多くの製品に利用することができる。例えば電子ペーパー用基板、電子デバイス用封止フィルム、レンズフィルム、導光版用フィルム、プリズムフィルム、位相差版・偏光版用フィルム、視野角補正フィルム、PDP用フィルム、LED用フィルム、光通信用部材、タッチパネル用フィルム、各種機能性フィルムの基板、内部が透けて見える構造の電子機器用フィルム、ビデオディスク・CD/CD−R/CD−RW/DVD/MO/MD・相変化ディスク・光カードを含む光記録メディア用フィルム、燃料電池用封止フィルム、太陽電池用フィルム等に使用することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明するが、本願発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
(1)粘土薄膜の製造
ベースとなる粘土薄膜を既知の方法で製造した。すなわち、合成スメクタイトを蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に回転子とともに入れ、激しく振とうし、均一な粘土分散液を得た。その後、底面が平坦である真鍮製トレイに注ぎ、粘土分散液を水平に静置し、粘土粒子をゆっくり沈積させるとともに、トレイの水平を保った状態で、強制送風式オーブン中で乾燥した。それによって膜厚100μmの粘土薄膜が得られた。
(2)粘土薄膜基板の製造
上記の粘土薄膜の両面にマグネトロンスパッタ装置を用いて酸化珪素を主体とするガスバリア無機質層を形成した。すなわち、真空チャンバー内で粘土薄膜を80℃に加熱し、残留水分を除去した後、Siターゲット近傍で酸素と窒素の混合ガスによるプラズマを発生させる反応性スパッタ法を用いることにより、粘土薄膜上に膜厚90nmのガスバリア無機質層を形成した。形成されたガスバリア無機質層をX線光電子分光法(ESCA)により組成の分析を行った。その結果、ガスバリア無機質層の組成は、珪素36.5at%、酸素43.2at%、窒素19.3at%であり、窒素を含有する酸化珪素膜であることが確認された。更に同様の方法を用いて粘土薄膜の反対面にも膜厚90nm、珪素36.3at%、酸素42.9at%、窒素19.8at%の窒素を含む酸化珪素膜を形成して、両面にガスバリア無機質層を有する粘土薄膜基板を得た。
(3)粘土薄膜基板の特性評価
上記方法によって得られ粘土薄膜基板について、諸特性を測定した。ガスバリア性能については、JIS K 7126 A法(差圧法)に準じた差圧式のガスクロ法により、ガス・蒸気等の透過率・透湿度の測定が可能なGTRテック株式会社製ガス・蒸気透過率測定装置を用いて、水蒸気透過率および酸素透過率の測定を行った。温度40℃湿度90%の環境下での水蒸気透過率は0.003g/m・day、酸素透過率は0.2cc/m・day・atmであった。
上記の粘土薄膜基板の表面をAFM(原子間力顕微鏡)にて観察し、平均表面粗さ(Ra)の測定を行った。酸化珪素膜形成前の平均表面粗さRa=25nmに対して形成後は10nmとなり、表面が平坦化されたことが確認された。これに伴いヘーズメーター(Haze Meter NDH2000、日本電色社製)で測定されたヘイズは6.5%から3.0%へと低減し、透明性が向上したことが確認された。
(実施例2)
参考例1におけると同様にして粘土薄膜を製造した後、プラズマCVD装置を用いて酸化珪素膜(平坦化無機質層)の形成を行った。すなわち、ヘキサメチルジシロキサン([(CHSi]O)をモノマーガスとして酸素プラズマ中で重合を行い、粘土薄膜の両面に、膜厚200μmの炭素を含有する酸化珪素膜を形成した。酸化珪素膜形成前の平均表面粗さRa=25nmに対して形成後は4nmとなり、表面が平坦化されたことが確認された。その後、その上に実施例1に示したガスバリア無機質層の製膜方法を用いて膜厚90nmの窒素を含有する酸化珪素膜(ガスバリア無機質層)を形成し、粘土薄膜基板を得た。
上記方法によって得られた粘土薄膜基板の温度40℃、湿度90%の環境下での水蒸気透過率は、測定限界である1×10−5g/m・day以下の値を示した。酸素透過率は0.1cc/m・day・atm以下であった。またRaは2nm、ヘイズは1.6%であり、平坦性及び透明性が向上したことが確認された。
以下の表1に参考例1及び実施例2の本発明の粘土薄膜基板と、比較例として、粘土薄膜単独、すなわちガスバリア無機質層を設けていない粘土薄膜とについて、ガス透過率、平均表面粗さ、全光線透過率およびヘイズの値をまとめて示す。
Figure 0004763400
表1に示す通り、粘土薄膜基板表面に酸化珪素を主体とするガスバリア無機質層を形成することにより、高湿度下でのガスバリア性能が向上することが分かる。実施例2においてはガスバリア層と粘土膜の間の中間層として、酸化珪素を主体とする平坦化無機質層を設けたことにより、更にバリア性能が向上している。これは平坦化無機質層が粘土薄膜表面の凹凸を平坦化し、平坦化無機質層の上に欠陥の少ないガスバリア無機質層が形成されたことによるものと推測される。
(耐燃性試験)
熱容量約38MJ/mのメタンガスを燃料とする口径9.5mm、管の長さ100mmのブンセバーナでバーナの炎を高さ19mmの青色炎に調整し、長さ125mm、幅13mmの大きさの試料下端とバーナ先端との間隔が9.5mmとなるように、つかみ具で試料の長さ方向を垂直に保持し、試料の下端中央部に10秒間接炎することにより耐燃性試験を行った。ポリエチレンテレフタレートフィルムにガスバリア無機質層を設けたフィルム基板は、接炎後発火したが、参考例1及び実施例2の本発明の粘土薄膜基板では発火は認められなかった。したがって、本発明の粘土薄膜基板は難燃性に優れていることが確認された。
参考例1の態様の粘土薄膜基板の模式的断面図である。 本発明の第1の態様の粘土薄膜基板の模式的断面図である。 本発明の第2の態様の粘土薄膜基板の模式的断面図である。 本発明のエレクトロルミネッセンス素子の一例の模式的断面図である。 本発明のエレクトロルミネッセンス素子の一例の模式的断面図である。 TN液晶を用いた本発明の液晶表示素子の一例の模式的断面図である
11…粘土薄膜、12…ガスバリア無機質層、13…平坦化無機質層、21…粘土薄膜基板、22…透明電極層、23…発光層、24…陰極層、25a…封止材、25b…封止材、31、32…電極付き粘土薄膜基板、31a、32a…粘土薄膜、33、34…透明電極層、35…ネマチック液晶、36…偏光フィルム、37…偏光フィルム、38…反射防止層。

Claims (11)

  1. 粘土粒子が配向して積層した構造を有する粘土薄膜の少なくとも片面に、炭素を含む酸化珪素膜からなる厚さ100〜5000nm、表面粗さ4nm以上25nm未満の平坦化無機質層と、窒素を含む酸化珪素膜または珪素の窒化膜からなる厚さ10〜200nmのガスバリア無機質層が積層されたことを特徴とする表示素子用粘土薄膜基板。
  2. 前記平坦化無機質層と前記ガスバリア無機質層が交互に積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の表示素子用粘土薄膜基板。
  3. 温度40℃、湿度90%の環境下での水蒸気透過率が1×10 −5 g/m ・day未満であり、かつ、酸素透過率が0.1cc/m ・day・atm未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の表示素子用粘土薄膜基板。
  4. 前記ガスバリア無機質層がスパッタリング法によって形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示素子用粘土薄膜基板。
  5. 前記平坦化無機質層がCVD法によって形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の表示素子用粘土薄膜基板。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示素子用粘土薄膜基板の片面に、更に透明導電層が積層されてなることを特徴とする電極付き粘土薄膜基板。
  7. 前記透明導電膜が積層されている面とは反対側の面に、防眩層が設けられたことを特徴とする請求項6に記載の電極付き粘土薄膜基板。
  8. 前記透明導電膜が積層されている面とは反対側の面に、反射防止層が設けられたことを特徴とする請求項6に記載の電極付き粘土薄膜基板。
  9. 前記透明導電膜が積層されている面とは反対側の面に、ハードコート層が設けられたことを特徴とする請求項6に記載の電極付き粘土薄膜基板。
  10. 基板上に、少なくとも透明電極層、発光層、および陰極層が順次積層された積層体を有するエレクトロルミネッセンス表示素子において、該基板が、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示素子用粘土薄膜基板からなることを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示素子。
  11. 少なくとも電極層が積層された2枚の基板の間に液晶が挟持された液晶表示素子において、該基板が、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示素子用粘土薄膜基板からなることを特徴とする液晶表示素子。
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