JP4763161B2 - 研磨パッド又はバフ材、これに用いる研磨用ポリ尿素弾性硬質フォーム及びその製造方法 - Google Patents

研磨パッド又はバフ材、これに用いる研磨用ポリ尿素弾性硬質フォーム及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性及び静的、動的性能に優れ、耐熱性を必要とする研磨材、更に、同様の性能を必要とする振動吸収材及び衝撃吸収材に適用できる弾性硬質フォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ウレタン硬質フォームは、その優れた断熱性と耐熱性から建築用断熱材として多量に使用されている。しかしながら、このウレタン硬質フォームは硬くて脆いという特性から、静的動的性能、即ち強靭性を必要とする研磨材、ロール材、衝撃吸収材等には使用できず、長年これらの用途に利用し得る耐磨耗性、耐熱性を有し、静的、動的性能に優れた、即ち強靭性を有する硬質フォームが望まれていた。
このような実情の中、これまでに、耐摩耗性を有する研磨用パッドとしてウレタン発泡体が、特開平2−232173号公報、特開2000−178374公報、特開2000−248034公報等に提案されており、また、振動吸収材としては特開2000−86792公報等がある。
【0003】
特開平2−232173号公報は、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)と発泡剤水、触媒トリエチレンジアミン、整泡剤変性シリコーンオイルからなる硬化剤と250μmのエポキシ樹脂粉末を分散させたトリレンジイソシアネート(TDI)/ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)よりなるプレポリマー(三井東圧化学(株)製 商品名:ハイブレンL−315)との混合、反応して得るポリウレタン−ウレア発泡体を研磨パッドに利用するものである。
しかしながら、この反応系の硬化剤成分は、室温では、固体であるため、100〜120℃に加温し、溶融し使用する必要がある。一方、プレポリマーも室温では粘度が高く、80℃以上に加温し、粘度を下げて使用する必要がある。
このように系が触媒を含み高温にして反応する場合、反応が非常に速くなり、成形操作が困難なこと、発泡剤が水のみであり、均一な発泡体が得られにくいこと。また、この反応組成系で得られたポリウレタン−ウレア発泡体はTDI系であり、軟化点が約180℃付近であり、また、温度依存性(温度変化による物性の変化)の大きい材料であるため、乾式研磨用に使用すると摩擦熱の上昇に伴い、研磨性が大きく低下し、また温度上昇による硬度低下も大きく樹脂が溶解し、研磨面をよごすという欠点を有するものである。
【0004】
また、特開2000−178374公報は、TDI系プレポリマーに整泡剤を大量に添加し、撹拌により泡立てクリーム状にして、これに溶融した硬化剤MOCAを混合し、硬化して微細気泡の発泡体とするもので、発泡倍率の高い発泡体は得られず、また反応系は、MOCAとTDI系プレポリマーであるため、前者と同様な欠点を有し、軟化点が約180℃でしかも温度依存性が大きく、即ち、耐熱性も低く、乾式研磨への使用には問題がある。
一方、特開2000−248034公報は、ジフェニルメタンジイソシアネート又はこれとポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとの混合物と数平均分子量500〜4000のポリオールとを反応させたウレタンプレポリマーと1,4−ブタンジオール等の短鎖ジオール、発泡剤、ポリアミン系触媒からなる硬化剤とを混合、反応して、ポリウレタン発泡体を得、これを研磨パッドとして使用するものである。しかしながら、この反応系の軟化温度も約140℃と低く、やはり耐熱性に問題がある。したがって、上記ウレタン研磨材は、摩擦熱の影響の少ない湿式用研磨材として、また低速回転下での乾式研磨材として主に使用されている。
さらに、特開2000−86792公報は、ジアミンオリゴマーのジ(アミノ安息香酸)エステル、発泡剤、ウレタン触媒、気泡安定剤からなる硬化剤とポリイソシアネートから微孔質フォームを得るというもので、防振材として有用との報告がある。
しかしながら、この系が研磨材に使用できるとの記載がなく、また、発泡倍率を上げると得られるフォームの硬度低下が大きく、研磨材用発泡体として利用するには硬度が低くすぎるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の発泡体は、種々の欠点を有し、硬質で高い発泡性を持ち、高い軟化点と、温度依存性が小さく、耐熱性を有し、湿式研磨のみならず、乾式研磨にも使用可能な静的、動的性能に優れた強じん性を有する発泡体を得るまでには至っていない。本発明の目的は、硬質で優れた耐摩耗性、耐熱性及び静的、動的性能を有し、湿式研磨のみならず乾式研磨に使用可能な弾性に富む、強じん性を有するポリ尿素弾性硬質フォームからなる研磨パッド又はバフ材、これに用いる研磨用ポリ尿素弾性硬質フォーム及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン混合物、発泡剤、整泡剤、硬化触媒を含む硬化剤成分を混合し、反応・発泡・硬化せしめて、研磨材等として有用な硬質で強じん性を有するポリ尿素弾性フォームが得られることを見出し、耐摩耗性、耐熱性及び静的、動的性能を有し、弾性に富むものであることを確認し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)強じん性を有するポリ尿素弾性硬質フォームからなるパッド又はバフ材であって、
前記ポリ尿素弾性硬質フォームが、下記ポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン類、発泡剤、整泡剤及び硬化触媒を含む硬化剤成分との混合物を、発泡硬化せしめてなり、上記芳香族ジアミン類が、下記式(I)で表される芳香族ジアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物との混合物であり、発泡倍率が1.2〜35倍とされたことを特徴とする研磨パッド又はバフ材
[前記ポリイソシアネートが、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIポリマー、ポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、カルボジイミド変性MDI、カルボジイミド変性MDIポリマー、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)及びそれらの混合物からなる群から選ばれる1種である。]
【化1】
Figure 0004763161
(式中、Rは、n価の平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表し、nは、2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいても良い。)
)前記芳香族ジアミン化合物が、4,4′−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,5−ジクロロアニリン)、4,4′−メチレンビス(3−クロロ−2,5−ジエチルアニリン)、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、4−クロロ−3,5−ジアミノ−ベンゾイックアシッドイソブチルエステル、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン及びそれらの混合物、4,4′−メチレンビス(メチルアンスラニレート)、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミン化合物であり、芳香族ジアミン混合物中5〜50質量%含有されていることを特徴とする(1)に記載の研磨パッド又はバフ材
)ポリイソシアネートからなる主剤成分のイソシアネート基と硬化剤成分のアミノ基とのモル比が0.8〜1.5であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のパッド又はバフ材
)発泡倍率1.2倍において、デマッチャ試験による屈曲回数が50〜3000回から、発泡倍率35倍において、デマッチャ試験による屈曲回数が50000〜300000回であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の研磨パッド又はバフ材
)溶融温度を260℃以上とした(1)〜(4)のいずれか1項に記載の研磨パッド又はバフ材
)引張強さを29kg/cm以下とした(1)〜(5)のいずれか1項に記載の研磨パッド又はバフ材
研磨用ポリ尿素弾性硬質フォームであって、下記ポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン類、発泡剤、整泡剤及び硬化触媒を含む硬化剤成分との混合物を、発泡硬化せしめてなり、上記芳香族ジアミン類が、下記一般式(I)で表される芳香族ジアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物との混合物であり、発泡倍率が1.2〜35倍とされたことを特徴とする前記強じん性を有する研磨用ポリ尿素弾性硬質フォーム。
[前記ポリイソシアネートが、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIポリマー、ポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、カルボジイミド変性MDI、カルボジイミド変性MDIポリマー、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)及びそれらの混合物からなる群から選ばれる1種である。]
【化1】
Figure 0004763161
(式中、Rは、n価の平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表し、nは、2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいても良い。)
)(7)に記載の研磨用ポリ尿素弾性硬質フォームの製造方法であって、
下記一般式(I)で表される芳香族ジアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物とを混合し、さらに発泡剤、整泡剤、硬化触媒を添加・混合して硬化剤成分を調製し、これと下記ポリイソシアネートからなる主剤成分とを室温で混合し、反応・発泡せしめ、成形、硬化させることを特徴とする強じん性を有する研磨用ポリ尿素弾性硬質フォームの製造方法。
[前記ポリイソシアネートが、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIポリマー、ポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、カルボジイミド変性MDI、カルボジイミド変性MDIポリマー、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)及びそれらの混合物からなる群から選ばれる1種である。]
【化1】
Figure 0004763161
(式中、Rは、n価の平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表し、nは、2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいても良い。)
【0008】
【化2】
Figure 0004763161
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の硬質フォームにおいて、主剤成分とするポリイソシアネートとしては公知のものが使用可能であり、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIポリマー、ポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、カルボジイミド変性MDI、カルボジイミド変性MDIポリマー、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)及びそれらの混合を単独又は併用して使用することができる
【0011】
本発明の硬化剤成分である芳香族ジアミン類のうち、式(I)で表わされるジアミンオリゴマーは、一般にポリオールとパラニトロ安息香酸クロライドと反応させ、次いでニトロ基を還元することにより合成する方法か又はポリオールとアミノ安息香酸アルキルエステルとを反応させるかのいずれかで合成される。
この反応で使用するポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの共重体のグリコール等のポリエーテルポリオールがあり、また、ポリエチレンアジペートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトンから誘導されるラクトン系ポリエステルポリオール、3−メチルペンタンジオールとアジピン酸の反応より得られるアジペート系ポリオール等のポリエステルポリオールがあり、更に、ポリブタジエン系ポリオール等がある。
【0012】
このジアミンオリゴマーの末端基はアミノ基が一般的であるが、場合により、水酸基を含有していても良いし、又は一部両末端が水酸基として残存していても使用できる。また、場合により主鎖の一部にアミド基を含有していても良い。
このジアミンオリゴマーは市販品として入手可能であり、ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを原料としたエアプロダクトアンドケミカル社よりバーサリングP−250(ポリオール分子量250)、バーサリンクP−650(ポリオール分子量650)、バーサリンクP−1000(ポリオール分子量1000)また、イハラケミカル工業(株)製、エラスマー1000(ポリオール分子量1000)、これを低融点に変性したポレアSL−100A(ポリオール分子量1000)がある。
また、ポリオールとしてポリエステルポリオールを原料としたイハラケミカル工業(株)製、エラスマー1000ESが試販されている。
これらのジアミンオリゴマーは1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0013】
本発明における硬化剤成分の芳香族ジアミン類において、上記ジアミンオリゴマーに混合して使用するジアミン化合物としては、
4,4′−メチレンビス(2−クロロアニリン)、
4,4′−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、
4,4′−メチレンビス(2,5−ジクロロアニリン)、
4,4′−メチレンビス(3−クロロ−2,5−ジエチレンアニリン)、
4,4′−メチレンビス(メチルアンスラアニレート)、
トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、
4−クロロ−3,5−ジアミノ−ベンゾイックアシッドイソブチルエステル、
3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、
3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン、
1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン
等があり、それらは1種又は2種以上混合して使用できる。
また、これらの芳香族ジアミン化合物は芳香族ジアミン類混合物中5〜50質量%で使用される。芳香族ジアミン化合物の濃度が5質量%以下になると反応物の耐熱性が劣り、50%以上だと可使時間が非常に短くなり、生産性に欠ける。
【0014】
本発明においてイソシアネートからなる主剤成分と芳香族ジアミン混合物を含む硬化剤成分のイソシアネート基とアミノ基のモル比(NH/NCOモル比、NCOインデックス)は、0.8〜1.5の範囲で、好ましくは1.0〜1.4の範囲で使用できる。
このモル比が0.8以下では、反応物(ポリ尿素樹脂)の軟化点の低下をきたし、耐熱性の低下となり好ましくない。また、モル比が1.5以上になると得られるポリ尿素樹脂のゴム弾性がとぼしくなり、硬く、もろくなって弾性体として好ましくない。
【0015】
次に本発明における発泡剤としては、HFC−141b(CH3CCl2F)、HFC−245fa(CF3CH2CHF2)、HFC−134a(CH2FCF3)、HFC−365mfc(CF3CH2CF2CH3)、n−ペンタン、シクロペンタン、水等のいずれも使用でき、その1種又は2種以上を併用して使用できる。使用量に格別の制限はないが、硬化剤成分中の30質量%以下が好ましい量である。また、発泡倍率は、1.2〜35倍であり、好ましくは1.2〜30倍、さらに好ましくは1.2〜25倍である。本発明において形成される硬質フォームの気泡は、通常、独立気泡であっても連続気泡であってもよい。次に硬化剤成分中の整泡剤としては、シリコーン系整泡剤があり、例えば、日本ユニカー(株)製のSZ−1605、SZ−1923、SZ−1932、SZ−1680、L−5302、L−5340、また東レダウコーニングシリコーン(株)製のSF−2908、SH−190、SH−192またゴールドシュミット社製TEGOSTABB−8433、B−8465以内、好ましくは13質量%以内、さらに好ましくは6質量%以内で使用するのが適用で等が使用できる。また、使用量としては特に制限はないが、硬化剤成分中20質量%ある。
【0016】
次に硬化剤成分中の硬化触媒としては、アミン系のものとして例えば、トリエチレンジアミン及びこれをグリコール溶媒に溶解したもの、例えばDABCO1027、DABCO1028、DABCO33LV(以上、いずれも三共エアプロダクト(株)製 商品名)また、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、(N,N−ジメチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。また、有機酸の塩として酢酸カリウム塩、シュウ酸カリウム塩等が挙げられ、さらに有機金属触媒としてジブチルチンジラウレート、スタナースオクテート等が挙げられ、これらに制限されるものではない。他に、一般にウレタン化反応に使用する触媒は全て使用できる。
これらは1種又は2種以上併用して使用することもでき、その使用量としては、硬化剤成分中5質量%以内で使用するのが適当である。
さらに、本発明の実施の好ましい態様を示せば、(A)ポリイソシアネートからなる主剤成分と、(B)芳香族ジアミン類、発泡剤、整泡剤及び硬化触媒を含む硬化剤成分との混合物、とからなることを特徴とするポリ尿素樹脂組成物用材料であるということもできる。
【0017】
その他に、本発明の硬化剤成分中には、自己潤滑剤としてフッ素樹脂パウダー、ポリエチレンパウダーを硬化剤成分中に10質量%以下で添加することができる。
また、摩擦調整剤として、ゴムダスト、カシューダスト等、硫酸バリウム、カーボンブラック、三硫化アンチモン、マイカ、ジルコニア、シリカ、アルミナ炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなども添加することができる。
さらに、本発明の硬質フォームには、無機充填剤として、酸化クロム、酸化チタン、ベンガラ、酸化鉄、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クリオライト(氷晶石)、フッ化カルシウム、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、ベンゾチアゾール系等の安定剤、色分れ防止剤、分散剤、沈降防止剤、増粘剤などの添加剤を添加することができる。
また、繊維系物質としてポリエステル繊維、ポリアミド繊維、羊毛、コットン等の天然繊維の1種又は2種以上を配合しても良い。配合する繊維は、通常長さ0.1〜5mm程度、直径0.5mm程度であるのが好ましい。
【0018】
本発明のポリ尿素弾性硬質フォームは、上記したようにポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン類、発泡剤、整泡剤、硬化触媒を含む硬化剤成分とを混合し、反応・発泡せしめ、硬化させることにより得られる。より具体的には、ポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン類、発泡剤、整泡剤、硬化触媒を含む硬化剤成分とを室温にてすばやく混合し、室温〜80℃に予熱されたオープンモールドにてフリー発泡し、成形する。この場合モールドをクローズにし一定のパックをかけ成形することもできる。
その後、脱型し、成形物を得る。そして、必要により100〜170℃に設定された恒温槽にて3〜5時間後硬化し、成形物を得るというものである。
また、本発明はポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン類の混合物及びその他を含む硬化剤成分をスタティックミキサー、ダイナミックミキサー、または衝突混合等を有する自動混合注型装置、即ち、マシン成形手段を使用して製造できることは言うまでもない。
【0019】
得られる成形物は、耐磨耗性及び静的、動的性能に優れており、溶融温度が高い。その動的性能を示す強靭性はデマッチャ試験により屈曲回数で表した。
本発明のポリ尿素フォームは、低発泡体であっても公知の同程度の発泡倍率のポリウレタンフォームに比べその屈曲回数は大きく、発泡倍率が高くなるに従って屈曲回数は大幅に増加し、公知のポリウレタンフォームの発泡倍率の増加に従う屈曲回数の増加に比べ各段に大きなものである。そして、発泡倍率が30倍程度の公知のポリウレタンフォームと本発明のポリ尿素フォームを比較すると、その屈曲回数には大きな差異がある。
本発明のポリ尿素フォームは、発泡倍率1.2倍において屈曲回数50〜3000回から発泡倍率35倍で50000〜300000回であり、好ましくは発泡倍率1.2倍において100回以上から発泡倍率30倍で100000回以上のものである。
【0020】
本発明のポリ尿素フォームは、特にその高温溶融性と強じん性から、高硬度のウレタンフォームに代る研磨材として最適である。本発明でいう研磨材とは、砥粒を直接又は間接的に固定し、研磨に使用される材料および研磨面の光沢を出すために使用されるバフ材料である。従って、本発明の硬質フォームは、砥粒を固定するためのベース基材、砥粒を含むスラリー液で被研磨体を研磨する時使用される研磨パッドおよびバフ材として使用される。本発明のポリ尿素フォームは、研磨材として適用したとき、従来品に比べその端部から崩壊することが特に少なく、長期間使用することができ、ウエハー用の研磨パッドとして有用な材料である
【0021】
本発明の研磨材としてのポリ尿素フォームに加える砥粒として、ホワイトアランダム(WA)、アランダム(A)等のアルミナ系砥粒;グリーンカーボランダム(GC)、カーボランダム(C)等の炭化珪素系砥粒;ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)等の超砥粒からなる砥粒;酸化クロム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム等の粒子からなる砥粒を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
砥粒の粒度としては、砥石の用途、研磨の目的に応じて、種々のメッシュサイズのものを用いることができ特に制限はないが、通常120〜10000メッシュ(タイラーのふるいによる。)であり、荒研磨の場合は120〜220メッシュ、仕上げ研磨の場合は240〜8000メッシュである。このいずれの場合も発泡硬化体中の気泡の直径は50μm〜2mmの範囲であり、砥粒はこれより微細であり、好ましくは1.2〜57μmの範囲である。
また、砥粒の使用量は、発泡剤の量を除いた硬化剤成分と主剤成分のトータル量中で、通常70質量%以下、好ましくは20〜70質量%であり、用途に応じて選択し使用することができる。使用量が少なすぎると研磨効果及びバフ効果が低下し、多すぎると砥石全体が硬く、脆くなり、砥石の研磨面の自生作用が低下し、精密仕上げが困難となるので好ましくない。
【0022】
また、微細気泡フォーム製造時には、中空高分子小球体である樹脂製バルーンを添加することができる。このバルーンとしては、例えば、ビニリデンクロライド−アクリロニトリル系(マツモトマイクロスフェアーF30E;松本油脂製薬(株)製)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル系(マツモトマイクロスフェアーF50E;松本油脂製薬(株)製)及びこれらの炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンのコーティング物、ポリエチレン系(エクスパンセル551DE;日本フェライト(株)製)等がある。
添加量としては、発泡材料を除いた硬化剤成分と主剤成分のトータル量中に0.1〜10質量%が使用できる。
【0023】
【実施例】
次に本発明の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、ポリイソシアネートの主剤成分と、芳香族ジアミン類及びその他を含む硬化剤成分には、下記のものを用いた。
(1)ポリイソシアネート成分
・143L;液状MDI[三菱化学(株)製]NCO含有量 29.0%
・PAPI−135;クルードMDI[三菱化学(株)製]NCO含有量 31.0%
(2)硬化剤成分
(芳香族ジアミンオリゴマー)
・エラスマー1000;ポリ(テトラメチレンオキシド)−ジ−P−アミノベンゾエート[イハラケミカル工業(株)製]アミン価 92.6KOHmg/g
・エラスマー1000ES;ポリエステル系ジ−P−アミノベンゾエート[イハラケミカル工業(株)製]アミン価 95.0KOHmg/g
・ポレアSL−100A;低融点化エラスマー1000[イハラケミカル工業(株)製]アミン価 84.9KOHmg/g、OH価 14.9KOHmg/g
(芳香族ジアミン化合物)
・MOCA;4,4′−メチレンビス(2−クロロアニリン)[イハラケミカル工業(株)製]アミン価 420KOHmg/g
・CUA−4;トリメチレングリコールジ(p−アミノベンゾエート)[エアプロダクトアンド・ケミカルス・インコーポレーテッド製]アミン価 357KOHmg/g
・エタキュア−300;2,4−ジアミノ−3,5−ジメチルチオ−トルエンと2,6−ジアミノ−3,5−ジメチルチオ−トルエンの混合比8:2の混合物[エチルコーポレーション製]アミン価 524KOHmg/g
・1,4−BD;1,4−ブタンジオール[和光純薬製]OH価 1246KOHmg/g
・PTMG−650;ポリテトラメチレンエーテルグリコール[三菱化学(株)製]OH価 172.6KOHmg/g
(発泡剤)
・HFC−141b;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン[セントラル硝子(株)製]
・水
(整泡剤)
・SZ−1932;シリコーン系整泡剤[日本ユニカー(株)製]
・SZ−1919;シリコーン系整泡剤[日本ユニカー(株)製]
・B−8465;シリコーン系整泡剤[ゴールドシュミット社製]
(触媒)
・DABCO−33LV;トリエチレンジアミン溶液[三共エアプロダクト(株)製] 含有量33% 溶媒,ジプロピレングリコール
・DABCO K−15;オクチル酸カリウム[三共エアプロダクト(株)製]
・TOYOCAT−ET;N,N−ジメチルアミノエチルエーテル[東ソー(株)製]
・TOYOCAT−MR;N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン[東ソー(株)製]
(砥粒)
・グリーンカーボランダム#400;GC−400 400メッシュ[信濃電気精錬(株)製]
【0024】
[実施例1〜7]
各実施例の配合量については表1に、それら実施例の成形条件、反応性、物性については表3に明記したとおりである。
以下に、その操作方法について記載する。
芳香族ジアミンオリゴマーであるエラスマー1000又はエラスマー1000ES又はポレアSL−100Aに、表1に示した各種芳香族ジアミン化合物を計量し、100〜130℃に加温し、該芳香族ジアミンを完全に溶解してから、室温まで冷却した。次に触媒DABCO−33LV、DABCO K−15、整泡剤SZ−1932、発泡剤HFC−141b、水を順次計量し、添加し、再びよく混合してこれを硬化剤成分とした。
これに、ポリイソシアネートとして143L又はPAPI−135を主剤成分として計量し、すばやく均一に混合してポリエチレンの袋を内在した150mm×150mm×200mmの木製ボックスモールドに注入し、自由発泡させた。
この時、ボックス内に注入した混合液が白濁する時間(混合開始から白濁までの時間)をクリームタイムとし、発泡が成長している時、上部の層に指を接触し、表層が糸を引かなくなる時間(混合開始から糸を引かなくなるまでの時間)をゲルタイムとして測定した。
15分経過後、ボックスから成形物を取り出し、恒温槽にて所定の温度で所定の時間後硬化した。
【0025】
得られた硬質フォームの物性については、以下の方法に従って測定した。
▲1▼引張り強さ、伸び、引裂き強度:ボックス状成形物の上部を電動カッターで切断し、上部がフラットになった中央部を縦にカッターで切断し、厚さ2mmのシートを得、これを試験片とし、JIS K 7312に準じて行った。
▲2▼デマッチャ試験:JIS K7312に準じて行った。試験片は成形物から幅25mm、長さ150mm、厚さ2mmの平板を切り出し、ノッチなしの試験片を23℃、300回/分サイクルで、つかみ具の運動距離57mmにして屈曲回数を測定した。
▲3▼密度:ボックス状成形物をカッターで立方体に切断し、その体積と質量より求めた。
▲4▼硬度:ボックス状成形物の上部を電動カッターで切断し、平らな部分をアスカー硬度計(型C)及びショア硬度計(型D)で測定した。
▲5▼溶融温度:各実施例の配合組成から発泡剤を除いた組成で別途に硬化剤成分と主剤成分を混合し、表3に示す同条件で成形・後硬化し、無発泡成形体を得た。これを厚さ2mm、幅5mm、長さ50mmの試験片にカットし、昇温速度10℃/min、周波数10Hzで粘弾性スペクトル測定を行い、貯蔵弾性率(E′)が急激に低下し流動状を示す温度をもって溶融温度(℃)とした。
▲6▼発泡倍率:無発泡成形体の密度を発泡成形体の密度で除して求めた。
【0026】
[実施例8]
この実施例8は、低発泡の硬質フォームを得るもので、整泡剤としてB8465を使用した点とボックスモールド内にて40℃で30分間硬化させた点が前記実施例と違うだけで、その他は同様に実施しその配合量、成形条件、反応性、物性等は表4に示すとおりである。
【0027】
[比較例1〜2]
イソシアネートとして143L 80.0gにPTMG−650(平均分子量650 OH価172.6KOHmg/g)20.0gを加え、撹拌しながら60〜70℃、4時間反応し、イソシアネート基末端プレポリマー(NCO含有量25.8質量%)を得た。このプレポリマー100.0gに表2に示す発泡剤HFC−141bを所定量加え、混合して均一溶液とし、イソシアネートの主剤成分とした。
一方、1,4−BD 23.1g、水0.5g、触媒TOYOCAT−ET 0.75g、DABCO−33LV 0.12g、整泡剤SZ−1932 0.9gを加え、硬化剤成分とした。
この硬化剤成分に先に調整したプレポリマーの主剤成分を所定量加えすばやく混合し、上部開放の150×150×200mmの木箱(ポリエチレンの袋で内部コート)モールドに注入し、自由発泡させた。
この時の反応性は、実施例[1〜7]と同様に、また、物性及び密度、発泡倍率、溶融温度、デマッチャ試験も同様に測定した。
【0028】
[比較例3]
一般的な硬質フォームとして以下を実施した。
シュークローズ系ポリエーテルポリオール(OH価450KOHmg/g)40g、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール(OH価400KOHmg/g)40g、エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(OH価750KOHmg/g)20g、水2.6g、整泡剤SZ−1919 1.5g、DABCOK−15 0.9g、TOYOCAT−MR 1.2g、HFC−141b 23gをそれぞれ計量し、混合して硬化剤成分とした。これにポリイソシアネートとしてPAPI−135 204gを計量し、すばやく混合し、ボックス内で自由発泡した。
15分後、これを脱型し、100℃に設定した恒温槽に3時間入れ、後硬化をした成形物を得た。その後の処理及び物性試験等は、実施例1〜7と同様に行なった。
【0029】
表3は、本発明のポリ尿素弾性硬質フォームの静的、動的、熱的特性につき、ウレタン弾性硬質フォームと比較したものである。
これによると、ポリ尿素弾性硬質フォームの静的、動的特性値を同等の硬度レベルで(実施例2、6を比較例1と、及び実施例3を比較例2、3と比較する)ウレタン弾性硬質フォームと比較すると、引張強さ、伸び、引裂強度、屈曲回数すべてポリ尿素弾性硬質フォームが高い値を示しており、高硬度でありながら優れた強じん性を有することがわかる。また、耐熱性についても、ポリ尿素弾性硬質フォームの溶融温度は、ウレタン弾性硬質フォームより高い値を示しており、耐熱性にも優れていることがわかる。
更に、前記したように2mm厚の無発泡シートを形成し、これを昇温速度10℃/分、周波数10Hzの条件下で貯蔵弾性率(E′)を測定し、動的粘弾性挙動の比較のため実施例1、比較例1,3の結果を図1に示した。このグラフから、実施例1は比較例1,3に比べて温度上昇に伴う貯蔵弾性率E′の変化が小さいことから、本発明のポリ尿素弾性硬質フォームは、優れた温度依存性を有することがわかる。
表4は、本発明のポリ尿素弾性硬質フォームの低発泡倍率における静的、動的物性を示したものである。これによると硬度がShore Dで61と非常に硬い硬度を示すにもかかわらず、デマッチャ試験の動的回数は100回を示しており、低発泡領域でも、優れた動的特性を有し、強じん性を有することがわかる。
【0030】
【表1】
Figure 0004763161
【0031】
【表2】
Figure 0004763161
【0032】
【表3】
Figure 0004763161
【0033】
【表4】
Figure 0004763161
【0034】
参考例1
実施例2の硬化剤成分、即ちエラスマー1000、MOCA、触媒、整泡剤の均一混合溶液145.3gに砥粒GC−400を133g加え、発泡剤HFC−141b18.5gを加えて均一に混合した。これにイソシアネート143L75.4gを加え、すばやく均一に混合し、その後は実施例1と同様に処理を行った。尚、砥粒の添加量は、樹脂成分の60質量%相当量とした。
参考例2
実施例4の硬化剤成分で、実施例9と同様に処理し、硬化剤成分180.1gと砥粒GC−400
133gの混合液を調製した。これにイソシアネート143L82.6gを加えすばやく均一に混合し、その後は実施例1と同様な処理を実施した。尚、砥粒の添加量は、樹脂成分の60質量%相当量とした。
【0035】
[比較例4]
比較例3の硬化剤成分129.2gに砥粒GC−400 184gを加え均一に混合した。これにイソシアネートPAPI−135を204g計量しすばやく均一に混合し、その後は比較例3と同様に実施した。尚、砥粒の添加量は、樹脂成分の60質量%相当量とした。
[比較例5、6]
比較例1、2の硬化剤成分123.6gに砥粒GC−400 74.2gを加え、これに所定量のプレポリマー成分を加えすばやく均一に混合し、砥粒含有発泡体の成型を行ったが、混合時の粘度が低過ぎ撹拌しても砥粒の均一分散ができず、砥粒が均一に分散した発泡体を得ることができなかった。したがって、この比較例を断念した。
【0036】
上記実施例9、10、比較例4の研磨性については以下に明記した方法で評価した。
研磨性:得られた成形物を3mm厚にスライスし、研磨シートとした。この研磨シートの片面に両面テープをはり付け、電動サンダーに取り付けスピードコントローラーにて7000rpmに調整し、鉄製角材(厚さ1.6mm、タテ60mm×ヨコ30mm、エッジR:10φ、長さ0.91m)の平坦部、エッジ部に回転数5000rpmが維持できるように圧着し、5分間研磨作業を継続した。
その後、研磨面及び研磨シートを以下の項目にしたがって観察した。
・研磨範囲:各種のサンドペーパー(#400、#600、#1000、#2000)を100mmφにカットし、裏面に両面テープを取り付け、それを電動サンダーに取り付け、鉄製角棒をそれぞれ5000rpmになるように圧着し、約3分間研磨した。それぞれの研磨シートで得られた研磨面を表面粗さが強く、光沢が少ない順に1から5にランク付けし、これと検体の研磨シートの研磨性を比較し、数値化した。
Figure 0004763161
【0037】
【表5】
Figure 0004763161
【0038】
表5において、実施例9、10と比較例4を比較すると動的性能即ちデマッチャ特性の優れている実施例9、10の研磨シートは、研磨性、バフ効果及びその耐久性にも優れていることが認められ、本願発明の強じん性ポリ尿素弾性硬質フォームが研磨材として優れていることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の研磨パッド又はバフ材は強じん性を有するポリ尿素弾性硬質フォームからなり、該フォームは、ポリイソシアネートからなる主剤成分と芳香族ジアミン類混合物、発泡剤、整泡剤、硬化触媒からなる硬化剤成分とを室温で混合し、反応させることにより得られ、必要によりこれを150〜170℃で後硬化することができる。このようにして得たポリ尿素弾性硬質フォーム成形物は、均一な発泡体で、高い溶融温度と低い温度依存性を有する。即ち優れた耐熱性を有し、その静的物性は、高い引張強度と伸びを示し、ゴム弾性を有するものであり、又デマッチャ特性は優れた屈曲性、又は動的特性、即ち強じん性を有することを示している。これらのことは、研磨パッド又はバフ材として最適な材料であることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】貯蔵弾性率の温度による変化を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 強じん性を有するポリ尿素弾性硬質フォームからなるパッド又はバフ材であって、
    前記ポリ尿素弾性硬質フォームが、下記ポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン類、発泡剤、整泡剤及び硬化触媒を含む硬化剤成分との混合物を、発泡硬化せしめてなり、上記芳香族ジアミン類が、下記式(I)で表される芳香族ジアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物との混合物であり、発泡倍率が1.2〜35倍とされたことを特徴とする研磨パッド又はバフ材
    [前記ポリイソシアネートが、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIポリマー、ポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、カルボジイミド変性MDI、カルボジイミド変性MDIポリマー、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)及びそれらの混合物からなる群から選ばれる1種である。]
    Figure 0004763161
    (式中、Rは、n価の平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表し、nは、2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいても良い。)
  2. 前記芳香族ジアミン化合物が、4,4′−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,5−ジクロロアニリン)、4,4′−メチレンビス(3−クロロ−2,5−ジエチルアニリン)、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、4−クロロ−3,5−ジアミノ−ベンゾイックアシッドイソブチルエステル、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン及びそれらの混合物、4,4′−メチレンビス(メチルアンスラニレート)、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミン化合物であり、芳香族ジアミン混合物中5〜50質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド又はバフ材
  3. ポリイソシアネートからなる主剤成分のイソシアネート基と硬化剤成分のアミノ基とのモル比が0.8〜1.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパッド又はバフ材
  4. 発泡倍率1.2倍において、デマッチャ試験による屈曲回数が50〜3000回から、発泡倍率35倍において、デマッチャ試験による屈曲回数が50000〜300000回であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨パッド又はバフ材
  5. 溶融温度を260℃以上とした請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨パッド又はバフ材
  6. 引張強さを29kg/cm以下とした請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨パッド又はバフ材
  7. 研磨用ポリ尿素弾性硬質フォームであって、下記ポリイソシアネートからなる主剤成分と、芳香族ジアミン類、発泡剤、整泡剤及び硬化触媒を含む硬化剤成分との混合物を、発泡硬化せしめてなり、上記芳香族ジアミン類が、下記一般式(I)で表される芳香族ジアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物との混合物であり、発泡倍率が1.2〜35倍とされたことを特徴とする前記強じん性を有する研磨用ポリ尿素弾性硬質フォーム。
    [前記ポリイソシアネートが、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIポリマー、ポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、カルボジイミド変性MDI、カルボジイミド変性MDIポリマー、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)及びそれらの混合物からなる群から選ばれる1種である。]
    Figure 0004763161
    (式中、Rは、n価の平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表し、nは、2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいても良い。)
  8. 請求項に記載の研磨用ポリ尿素弾性硬質フォームの製造方法であって、
    下記一般式(I)で表される芳香族ジアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物とを混合し、さらに発泡剤、整泡剤、硬化触媒を添加・混合して硬化剤成分を調製し、これと下記ポリイソシアネートからなる主剤成分とを室温で混合し、反応・発泡せしめ、成形、硬化させることを特徴とする強じん性を有する研磨用ポリ尿素弾性硬質フォームの製造方法。
    [前記ポリイソシアネートが、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIポリマー、ポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)、カルボジイミド変性MDI、カルボジイミド変性MDIポリマー、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)及びそれらの混合物からなる群から選ばれる1種である。]
    Figure 0004763161
    (式中、Rは、n価の平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表し、nは、2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいても良い。)
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