JP6742048B1 - 義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】義歯材に対し延性モードによる精密な研削・研磨を可能とし、滅菌処理に対する耐久性にも優れた義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材とその製造方法を提供する。【解決手段】ポリアミン化合物と、3価以上のポリオール化合物と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物と、砥粒との混合物を重合硬化してなる、義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。芳香族ポリアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物と3価以上のポリオール化合物と有機溶媒との混合液と、砥粒と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物とを混合し、この混合物を重合硬化することを含む、義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、義歯材研削・研磨用として好適なポリ尿素複合砥石材、及びその製造方法に関する。
歯科用義歯は、喪失した歯を補う歯科用材料であり、快適な使用感を実現するために、砥石により研削・研磨処理され仕上げられている。義歯の材料としては、コバルトクロム合金、チタン、チタン合金等の金属材;ジルコニア等のセラミックス材;ハイブリッドレジン、コンポジットレジン等の、ガラスやセラミックスと樹脂との複合材が使用され、また、歯肉材としてはアクリルレジン、ポリアミド等の樹脂材料が使用されている。
義歯材の研削・研磨に用いられる砥石には、口腔内で使用可能な生体安全性(為害防止性)が求められ、また、義歯の使用感、審美性、歯垢等の沈着防止性を高め、さらに複雑な形状の仕上げ面においても十分な平滑性、光沢性等を実現できる種々の機能性が求められる。そして、これらの要求は年々高まっている。
工業用材料においては、その粗研削から精密研磨において、砥粒とポリ尿素とを複合したポリ尿素複合研磨材が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
特許第6489465号 特許第4357173号 特許第3921056号
複雑な形状の義歯材を研削・研磨する最も有効な方法は、軸付き砥石を取り付けた電動グラインダーを手作業により一定の回転速度で研削・研磨することとされている。例えばジルコニア義歯材の手作業による研削・研磨では、バインダーとしてビトリファイドやフェノール樹脂を用いた砥石が使用されている。しかし、これらの砥石は硬く、かつ脆い。したがって、脆性モード(義歯材にクラックを生じ、このクラックを割り出していくモード)の研削・研磨となり非常に粗く仕上がり、砥粒径を小さくしても義歯材に対する精密研磨性には制約がある。
このような脆性モードによる義歯材の研削・研磨の後、更に精密な仕上げ面とするために、クロロプレン、シリコーン等のゴムバインダーを用いた砥石による研磨が行われている。しかし、ゴムは柔らかく、砥粒に対する接着力(砥粒の固定力)も弱い。したがって、脆性モードによる研削・研磨後の粗い仕上げ面を、義歯材に要求される高度な精密研磨面へと仕上げることは難しい。そのため、不織布等の基材にダイヤモンド等の砥粒が埋め込まれたバフ材による表面仕上げも行われている。しかし、この表面仕上げでは、ある程度の光沢を有する研磨面が得られても、義歯材に要求される高度な精密研磨面の実現には至っていない。
したがって、脆性モードの粗い表面を、義歯材に要求される上記の諸特性を満足するように、延性モード(カンナのように表面から少しずつ削るモード)による精密な研削・研磨が可能な砥石が求められている。
本発明者は、上記特許文献1〜3に記載されるようなポリ尿素複合研磨材(砥石材)が硬さとゴム弾性を併せ持つことに着眼し、義歯材の研削・研磨用としての使用を試みた。その結果、ポリ尿素複合研磨材を用いることにより、義歯材に対して延性モードによる研削・研磨が可能になり、脆性モードの粗い表面を、十分に平滑に、優れた光沢性を有する精密研磨面へと仕上げることができることを見い出した。
一方、新たな課題も明らかになってきた。すなわち、義歯材に適用する砥石は、使用後、オートクレーブによる高温高圧の滅菌処理に付して再利用される。しかし、上記ポリ尿素複合研磨材は、この滅菌処理によりポリ尿素が分解ないし変性してしまい、初期の性能を保った状態では再利用できないことがわかってきた。この原因は定かではないが、高温高圧の滅菌処理により尿素結合とイソシアネート基との反応によるビュレット架橋点が開裂して3次元化構造が壊れて2次元化構造に変化し、またハードブロック及び凝集ブロックといった疑似架橋点も開裂し、ポリ尿素の物性が大きく変化してしまうことが一因と考えられる。
本発明は、義歯材に対し延性モードによる精密な研削・研磨を可能とし、滅菌処理に対する耐久性にも優れた義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材を提供することを課題とする。また、本発明は、上記砥石材を得るのに好適な義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、砥粒とポリ尿素との複合材であるポリ尿素複合砥石材の調製に当たり、ポリ尿素の原料としてジイソシアネート化合物に加えて3価以上のポリイソシアネート化合物を使用し、更に3価以上のポリオール化合物を使用することにより、形成されたポリ尿素構造においてポリイソシアネート成分とポリオール成分との結合による、一定の柔軟性を有しながらも強固な架橋構造が形成されるなどして、高温高圧下の滅菌耐久性が効果的に高められることを見い出した。すなわち、得られるポリ尿素複合砥石材は、ポリ尿素樹脂に特有の硬さとゴム弾性を有しながらも、高温高圧下の滅菌耐久性にも優れ、上記課題を解決できることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ねて完成させるに至ったものである。
本発明の上記課題は下記手段により解決された。
〔1〕
ポリアミン化合物と、3価以上のポリオール化合物と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物と、砥粒とを含む混合物を重合硬化してなる、義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔2〕
上記ポリアミン化合物が下記(a)〜(d)のいずれかを含む、[1]に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
(a)芳香族ポリアミンオリゴマー
(b)芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物
(c)脂肪族ポリアミンオリゴマー、芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物
(d)脂肪族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ポリアミンオリゴマー
〔3〕
上記ポリアミン化合物が芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物を含み、上記混合物中の上記ポリアミン化合物に占める上記芳香族ジアミン化合物の割合が40質量%以下である、〔2〕に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔4〕
上記芳香族ポリアミンオリゴマーが下記式(I)で表されるポリアミンオリゴマーを含む、〔2〕又は〔3〕に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
Figure 0006742048
式中、Rは、n価の数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表わし、nは2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいてもよい。
〔5〕
上記芳香族ジアミン化合物が、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)[別名:1,3−プロパンジオール−ビス(p−アミノベンゾエート)]、4−クロロ−3,5−ジアミノベンゾイックアシッドイソブチルエステル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸ジエチルエステル、及び2,2’、3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンの1種又は2種以上を含む、〔2〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔6〕
上記の3価以上のポリオール化合物が、1分子中に3〜6個の水酸基を有し分子量が92〜600であるポリオール化合物を含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔7〕
上記の3価以上のポリオール化合物が、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、及びメチルグルコシドの1種又は2種以上を含む、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔8〕
上記ジイソシアネート化合物が、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む、〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔9〕
上記の3価以上のポリイソシアネート化合物が、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート由来のもの、3価以上のジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー、及び、1,3,5−トリス(6−イソシアナートヘキサ−1−イル)1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの少なくとも1種を含む、〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔10〕
上記混合物中、ジイソシアネート化合物と3価以上のポリイソシアネート化合物の各含有量の合計に占めるジイソシアネート化合物の含有量の割合が40質量%以上である、〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔11〕
上記ジフェニルメタンジイソシアネート化合物がカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを含む、〔10〕に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔12〕
上記混合物中、上記ポリアミン化合物の含有量100質量部に対し、上記の3価以上のポリオール化合物の含有量が2〜17質量部である、〔1〕〜〔11〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔13〕
上記ポリ尿素複合砥石材の密度が0.4〜3.5g/cmである、〔1〕〜〔12〕のいずれか1つに記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
〔14〕芳香族ポリアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物と3価以上のポリオール化合物と有機溶媒との混合液と、砥粒と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物とを混合し、この混合物を重合硬化することを含む、義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材の製造方法。
本発明の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材は、義歯材に対し延性モードによる精密な研削・研磨を可能とし、滅菌処理に対する耐久性にも優れる。また、本発明の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材の製造方法は、本発明の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材を得るのに好適な製造方法である。
本発明の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材(以下、本発明の砥石材ともいう。)の好ましい実施形態を説明する。
本発明の砥石材は、バインダー(結合材)として特定の構成成分を有するポリ尿素樹脂と、当該ポリ尿素樹脂中に分散してなる砥粒とにより構成される。本発明の砥石材は、歯科用の義歯材を精密に研削・研磨するために好適である。本発明において「義歯材」という場合、歯科用の歯肉材を含む意味である。
本発明の砥石材は、ポリアミン化合物と、3価以上のポリオール化合物と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物と、砥粒とを含む混合物を重合硬化して得られる砥石材である。すなわち、本発明の砥石材を構成するバインダー(結合材)は、少なくともポリアミン化合物と、3価以上のポリオール化合物と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物との重合硬化物である。
[ポリアミン化合物]
上記ポリアミン化合物は、上記ジイソシアネート化合物及び3価以上のポリイソシアネート化合物と反応して重合し、ポリ尿素を形成するものであれば特に制限はない。上記ポリアミン化合物が有するアミノ基は無置換のアミノ基が好ましい。上記ポリアミン化合物は、好ましくは下記(a)〜(d)のいずれかを含み、より好ましくは下記(a)〜(d)のいずれかである。
(a)芳香族ポリアミンオリゴマー
(b)芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物
(c)脂肪族ポリアミンオリゴマー、芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物
(d)脂肪族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ポリアミンオリゴマー
上記(b)及び(c)において、芳香族ジアミン化合物の割合に特に制限はない。芳香族ジアミン化合物の割合が増すと、得られるポリ尿素の硬度、引裂強度、接着力、軟化点が上昇する。その結果、砥石材の研磨力が増し、面が粗くなり耐久性が上がる。逆に芳香族ジアミン化合物の割合が減少すると、得られるポリ尿素の硬度、引裂強度、接着力が低下する。その結果、砥石材の研磨力が低下し、面粗さが小さくなり、砥石材からの砥粒の離脱性が良くなる。すなわち、芳香族ジアミン化合物の割合は、砥石材の目的の機能にあわせて適宜に調整されるものである。
上記(a)、(b)、(c)及び(d)のいずれかを含む形態において、芳香族ポリアミンオリゴマーの割合に特に制限はない。芳香族ポリアミンオリゴマーの割合が増すと、得られるポリ尿素の硬度が低下し、伸び、ゴム弾性が増す。したがって、得られる砥石材の研磨力は低下するが、得られる面粗さは小さく、鏡面が得られやすい。逆に芳香族ポリアミンオリゴマーの割合が減少すると、得られるポリ尿素は、高硬度となり、伸びが小さくなり、ゴム弾性が低下して樹脂化の傾向が強くなる。その結果、砥石材の研削性が上がり、面粗さが大きくなる。また、砥粒の離脱性が低下し、耐久性が上がる。
すなわち、芳香族ポリアミンオリゴマーの割合は、砥石材の目的の機能にあわせて適宜に調整されるものである。
上記(b)及び(c)のいずれかを含む形態において、上記混合物中に含まれる上記ポリアミン化合物全体に占める上記芳香族ジアミン化合物の割合は40質量%以下であることが好ましく、2〜35質量%であることがより好ましく、2〜30質量%であることが更に好ましい。
上記混合物中に含まれる上記ポリアミン化合物は、上記(b)又は(c)を含むことが好ましい。上記ポリアミン化合物が上記(b)を含む場合、上記ポリアミン化合物中の(b)の割合は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
上記ポリアミン化合物が上記(c)を含む場合、上記ポリアミン化合物中の(c)の割合は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
上記ポリアミン化合物は上記(b)又は(c)であることがさらに好ましく、(b)であることがより好ましい。
上記ポリアミン化合物が上記(b)又は(c)を含む場合、上記混合物中に含まれる上記ポリアミン化合物全体に占める上記芳香族ジアミン化合物の割合は40質量%以下であることが好ましく、2〜35質量%であることがより好ましく、2〜30質量%であることが更に好ましい。
上記ポリアミン化合物が上記(c)及び(d)のいずれかを含む形態において、脂肪族ポリアミンオリゴマーの割合は、研磨材の目的の機能にあわせて適宜に調整されるものである。
上記ポリアミン化合物が上記(c)及び(d)のいずれかを含む形態において、上記混合物中に含まれる上記ポリアミン化合物全体に占める上記脂肪族ポリアミンオリゴマーの割合は3〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましく、3〜7質量%とすることも好ましい。この場合においては、上記ポリアミン化合物は(c)であることが好ましい。
上記芳香族ポリアミンオリゴマーは、下記式(I)で表される化合物の1種又は2種以上を含むことが好ましい。上記芳香族ポリアミンオリゴマーに占める下記式(I)で表される化合物の割合は50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。なかでも本発明に用いうる芳香族ポリアミンオリゴマーは、下記式(I)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0006742048
式(I)中、Rは、n価の数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基(すなわち、数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、数平均分子量200以上のポリアルキレンエーテルポリオール又は数平均分子量200以上のポリアルキレンエステルポリオールからn個の水酸基ないしは水素原子等を除いた構造を有し、当該水酸基ないし水素原子等が除かれた部位を連結部位とするn価の基)を表す。nは2又は3を表し、2であることが好ましい。但し、当該ポリアルキレン中には不飽和結合が含まれていてもよい。また、上記の各ポリオールはジオールであることが好ましい。
上記のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの数平均分子量は200〜2000が好ましく、600〜2000がより好ましく、1000〜2000が更に好ましい。
本明細書において数平均分子量は、分子末端基の水酸基の定量により、又はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
Rは、n価の数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール又はポリアルキレンエーテルポリオールであることがより好ましく、n価の数平均分子量200以上のポリアルキレンエーテルポリオールであることが更に好ましい。
上記式(I)で表される芳香族ポリアミンオリゴマーは一般に、数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールと、パラニトロ安息香酸クロライドとを反応させ、次いでニトロ基を還元することにより合成することができる。また、数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールと、アミノ安息香酸アルキルエステルとを反応させて得ることもできる。
上記反応で使用する数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの共重体のグリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエチレンアジペートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトンから誘導されるラクトン系ポリエステルポリオール、3−メチルペンタンジオールとアジピン酸の反応より得られるアジペート系ポリオール等のポリエステルポリオール、ポリブタジエン系ポリオール等のポリアルキレンポリオールが挙げられる。
上記芳香族ポリアミンオリゴマーの末端基は、アミノ基が一般的であるが、場合により、使用する当該オリゴマーのうち一部の末端が水酸基として残存していてもよいし、また、使用する当該オリゴマーの一部の両末端が水酸基として残存していてもよい。また、場合により主鎖の一部にアミド基を含有していてよい。
上記芳香族ポリアミンオリゴマーは市販品として入手可能である。上記ポリオールとして、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)を原料とした芳香族ポリアミンオリゴマーとしては、エボニックインダストリー社より市販されているバーサリンクP250(ポリオール平均分子量250)、バーサリンクP650(ポリオール平均分子量650)、バーサリンクP1000(ポリオール平均分子量1000)、バーサリンクP2000(ポリオール平均分子量2000)(いずれも、商品名)が挙げられる。また、クミアイ化学工業(株)社より市販されているエラスマー250P(平均分子量250)、エラスマー650P(平均分子量650)、エラスマー1000P(平均分子量1000)、ポレアSL−100A(平均分子量1000)(いずれも、商品名)が挙げられる。これらの芳香族ポリアミンオリゴマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。これら芳香族ポリアミンオリゴマーはすべて、生体に対する安全性の観点から、歯科用砥石材の原料としてより好ましい。
上記芳香族ジアミン化合物に特に制限はない。上記芳香族ジアミン化合物として、下記の具体例を挙げることができる。
トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、
4−クロロ−3,5−ジアミンベンゾイックアシッドイソブチルエステル、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸ジエチルエステル、
2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、
4,4’−メチレンビス(2,5−ジクロロアニリン)、
4,4’−メチレンビス(メチルアンスラアニレート)、
3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、
3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン、
1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、
生体に対する安全性をより高める観点から、上記芳香族ジアミン化合物は、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4−クロロ−3,5−ジアミンベンゾイックアシッドイソブチルエステル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸ジエチルエステル、及び2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンから選ばれるものがより好ましい。
上記芳香族ジアミン化合物は、上記例示の芳香族ジアミン化合物の1種又は2種以上を含んでもよいが、凝集ブロック形成性の観点からは上記例示の芳香族ジアミン化合物1種を含むことが好ましい。
上記脂肪族ポリアミンオリゴマーに特に制限はない。上記脂肪族ポリアミンオリゴマーは好ましくは、下記式(II)〜(IV)のいずれかの式で表される化合物の1種又は2種以上を含むことが好ましい。上記混合物中の脂肪族ポリアミンオリゴマー全体に占める下記式(II)〜(IV)のいずれかの式で表される化合物の総量の割合は50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。また、上記混合物中の脂肪族ポリアミン化合物のすべてが下記式(II)〜(IV)のいずれかの式で表される化合物であることがより好ましい。
N−CH(CH)−CH−R−NH (II)

式(II)中、Rは、−[O−CH−CH(CH)]−、又は、−[O−CH(CH)−CH−[O−CH−CH−[O−CH−CH(CH)]−で表される2価の基である。繰り返し単位の数を示すp〜sはいずれも1以上である。pは1〜68が好ましく、5〜33がより好ましい。q+sは2以上であり、3.6〜6.0が好ましい。rは9〜38.7が好ましく、12〜38.7がより好ましい。
N−[O−CH(CH)−CH−[O−CH−CH−CH−CH−〔O−CH−CH(CH)〕−NH (III)

式(III)中、繰り返し単位の数を示すt〜vはいずれも1以上である。uは9〜17が好ましく、11〜17がより好ましい。t+vは6以上であり、6〜24が好ましい。
Figure 0006742048
式(IV)中、Rは水素原子又はエチル基を示す。繰り返し単位の数を示すwはそれぞれ独立に1以上であり、且つ3つのwの合計が5以上である。3つのwの合計は5〜85が好ましく、5〜50がより好ましい。
xは0又は1である。Rが水素原子の場合xは0であり、Rがエチル基の場合xは1である。
本発明に用いうる脂肪族ポリアミンオリゴマーの数平均分子量は200〜5000が好ましく、400〜5000がより好ましく、2000〜5000が更に好ましい。
上記式(II)及び(III)で表される脂肪族ポリアミンオリゴマーはポリエチレングリコール及びトリメチロールプロパン、グリセリンにプロピレンオキサイドを開環重合し、末端基をアンモノリシスしてアミノ化ことにより得ることができる。
上記式(II)及び(III)で表される脂肪族ポリアミンオリゴマーは商業的に入手することもできる。上記式(II)の化合物としては、例えば、サンテクノケミカル社より市販されているジェファーミンD400(数平均分子量400)、ジェファーミンD2000(数平均分子量2000)、ジェファーミンED−900(数平均分子量900)、ジェファーミンED2003(数平均分子量2000)を用いることができる。また、上記式(III)の化合物としては、例えば、サンテクノケミカル社より市販されているジェファーミンT−403(数平均分子量440)、ジェファーミンT−3000(数平均分子量3000)、ジェファーミンT−5000(数平均分子量5000)を用いることができる。
[3価以上のポリオール化合物]
上記の3価以上のポリオール化合物は、1分子中に水酸基を3個以上有する化合物であれば特に制限されない。上記混合物中に含まれる上記の3価以上のポリオール化合物は、1分子中に3個以上、好ましくは3〜6個の水酸基を有し、分子量が92〜600、好ましくは92〜400、より好ましくは92〜300のポリオール化合物を含むことが好ましい。より好ましい形態は、上記混合物中に含まれる上記ポリオール化合物のすべてが、1分子中に3個以上、好ましくは3〜6個の水酸基を有し、分子量が92〜600、好ましくは92〜400、より好ましくは92〜300のポリオール化合物である形態である。
上記の3価以上のポリオール化合物の具体例としては、例えば、次の化合物が挙げられる。
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、メチルグルコシド、トリメチロールエタン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、プロパントリオール、ブタントリオール、トリメチロールエタン等。
また、上記化合物を開始剤とし、プロピレンオキサイド又はエチレンオキサイド又はこれらの混合物を混合し、開環重合により得られるポリアルキレンエーテルポリオールも好ましい。このポリアルキレンエーテルポリオールの分子量は600以下が好ましい。
生体に対する安全性をより高める観点から、好ましい上記ポリオール化合物は、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、及びメチルグルコシドから選ばれる化合物である。
上記混合物中には、上記例示のポリオール化合物の1種又は2種以上を用いることができる。上記混合物中の上記3価以上のポリオール化合物全体に占める上記例示のポリオール化合物の1種又は2種以上の割合は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。上記混合物中の上記3価以上のポリオール化合物のすべてが上記例示のポリオール化合物の1種又は2種以上であることがより好ましい。
上記混合物中、上記ポリアミン化合物の含有量100質量部に対する、上記3価以上のポリオール化合物の含有量は、好ましくは2〜17質量部であり、より好ましくは2.5〜15質量部であり、さらに好ましくは3〜12質量部である。
[ジイソシアネート化合物]
上記ジイソシアネート化合物の種類は特に制限されない。例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、フェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等を挙げることができる。
本発明において、ジイソシアネート化合物として単に「MDI」という場合、未変性のMDIの他、変性MDIを包含する意味である。変性MDIとして、例えば、カルボジイミド変性MDI(液状MDI)が挙げられる。
上記ジイソシアネート化合物は、上記例示のジイソシアネート化合物の1種又は2種以上を含むことが好ましい。上記混合物中の上記ジイソシアネート化合物全体に占める上記例示のジイソシアネート化合物の1種又は2種以上の割合は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。上記混合物中の上記ジイソシアネート化合物のすべてが上記例示のジイソシアネート化合物の1種又は2種以上であることがより好ましい。
生体に対する安全性をより高める観点から上記ジイソシアネート化合物はMDI(液状MDIを含む)であることが好ましい。
[3価以上のポリイソシアネート化合物]
上記の3価以上のポリイソシアネート化合物は、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物である。3価以上のポリイソシアネート化合物の具体例として、ポリメリックMDI(クルードMDI)由来のもの、MDIプレポリマー、及び1,3,5−トリス(6−イソシアナートヘキサ−1−イル)1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等を挙げることができる。これらは生体に対する安全性の観点でも優れている。
また、ヘキサメチレンジイソシアネートのダイマー(ウレチジオン結合体)、トリマー(イソシアヌレート結合体)又はそれらの混合物等を併用してもよい。
上記3価以上のポリイソシアネート化合物は、上記例示の3価以上のポリイソシアネート化合物の1種又は2種以上を含むことが好ましい。上記混合物中の上記3価以上のポリイソシアネート化合物に占める上記例示の3価以上のポリイソシアネート化合物の1種又は2種以上の割合は、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。上記混合物中の上記3価以上のポリイソシアネート化合物のすべてが、上記例示の3価以上のポリイソシアネート化合物の1種又は2種以上であることがより好ましい。
上記混合物中、ジイソシアネート化合物と3価以上のポリイソシアネート化合物の各含有量の合計に占めるジイソシアネート化合物の含有量の割合を40質量%以上とすることができ、45〜90質量%とすることが好ましく、50〜85質量%とすることも好まし。
上記混合物中、上記ジイソシアネート化合物と上記3価以上のポリイソシアネート化合物の各含有量は、混合物中の各化合物のアミノ基、水酸基、イソシアネート基の量を考慮し、目的に応じて適宜に設定することができる。例えば、上記ポリアミン化合物の含有量100質量部に対する、上記ジイソシアネート化合物と上記3価以上のポリイソシアネート化合物の各含有量の合計を、10〜160質量部とすることができ、20〜130質量部とすることも好ましく、30〜100質量部とすることも好ましい
上記混合物において、[ジイソシアネート化合物及び3価以上のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基当量]/[芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物のアミノ基当量とポリオール化合物の水酸基当量とを合わせた活性基当量](以下、この当量比〔NCO/(NH+OH)〕をイソシアネートインデックス(NCO index)ともいう。)は好ましくは0.95〜1.50であり、より好ましくは0.95〜1.30であり、更に好ましくは1.00〜1.20である。イソシアネートインデックスが上記範囲であると、ポリ尿素の軟化点が低下しにくく耐熱性をより高めることができ、ポリ尿素の硬度及び弾性を安定して得ることができる。
本発明の砥石は、バインダーであるポリ尿素樹脂が、ポリ尿素樹脂に特有の物性(硬く、かつゴム弾性も有する)を有しながら、その高温高湿条件下における耐久性が効果的に高められている。その理由について、推定を含むが以下に説明する。
ポリ尿素の合成における重合反応では、通常、先ずはポリアミン化合物のアミノ基と、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が反応していわば線状のポリ尿素構造が形成され、次いで残留イソシアネート基と尿素結合の活性水素が反応し、ビュレット架橋点の形成による架橋が形成されたり、各尿素結合部分が凝集して疑似架橋点が形成されたりする。その結果、ポリ尿素は優れたゴム弾性を示すと考えられる。しかし、上記の架橋点は熱で開裂されやすく、従来のポリ尿素樹脂は、義歯材研削・研磨用途で必要な高温高圧下の滅菌処理の繰り返しに対する耐久性を示すものではない。
これに対し、本発明の砥石材では、上記混合物中に、ジイソシアネート化合物に加え、3価以上のポリイソシアネート化合物を併用した上で、さらに3価以上のポリオール化合物も配合する。このような配合原料として重合反応を行うことにより、まず、反応速度の速いアミノ基とイソシアネート基との反応が優先的に進んでポリ尿素構造が形成され、次いで、3価以上のポリイソシアネート化合物に由来する残留イソシアネート基とポリオール化合物とが反応して、分子に強固な分岐構造に基づく3次元的架橋が形成されていると考えられる。このような段階的な反応により、ポリ尿素樹脂に特有の物性(硬く、かつゴム弾性も有する)を発現しながら、湿熱処理に対して安定な架橋構造をも併せもつ、特異な特性のポリ尿素樹脂が得られる。
したがって、このようなポリ尿素樹脂をバインダーとする本発明の砥石材は、義歯材研削・研磨用途で必要な高温高圧下の滅菌処理(例えばオートクレーブ滅菌処理)の繰り返しに対して優れた耐久性を示すと考えられる。
なお、本発明の砥石材を構成するバインダーは上記の通り、何種類もの反応を経て得られる、3次元的に架橋形成された不溶・不融の重合硬化物であり、その構造分析は事実上困難である。そこで本発明では、従来技術による物との相違を明示して発明を明確化すべく、砥石材の発明において製造方法(プロセス)を発明特定事項とするものである。
[砥粒]
本発明の砥石材に用いる砥粒として、ホワイトアランダム(WA)、アランダム(A)等のアルミナ、グリーンカーボランダム(GC)、カーボランダム(C)等の炭化ケイ素、ダイヤモンド(ニッケルコートダイヤモンドを含む)、立方晶窒化ホウ素(CBN)、酸化第二鉄、酸化マンガン、酸化クロム、二酸化ケイ素(石英溶融シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ)、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、雲母等を1種又は2種以上を混合して使用することができる。
上記砥粒の粒径に特に制限はなく、目的に応じた粒径の砥粒が採用される。上記砥粒として、例えば、#60メッシュサイズから1μmあるいはそれより小さなサイズの超微細なものを使用できる。すなわち、本発明の砥石材は義歯材の手作業による研削工程から精密研磨工程まで使用可能なものである。
上記「メッシュ」は1インチ(25.4mm)あたりの桝目の数を意味する。例えば、#60メッシュは、1インチあたり60の桝目を有するメッシュである。
本発明の砥石材中の砥粒の含有量は、研削・研磨性、ポリ尿素樹脂による砥粒の固定力の観点から、好ましくは40〜90質量%である。当該含有量は、溶媒を除く原料の合計質量に占める砥粒の配合質量と同じである。
[その他の成分]
本発明の砥石材の製造に際し、硬化触媒を添加してもよい。硬化触媒の例としては、アミン系のものとして例えば、トリエチレンジアミン及びこれをグリコール溶媒に溶解したもの、三共エアプロダクト社製DABCO−1027、DABCO−1028、DABCO−33LV(いずれも商品名)、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、(N,N−ジメチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。また有機酸の塩(酢酸カリウム塩、シュウ酸カリウム塩等)、更に有機金属触媒(ジブチルチンジラウレート、スタナースオクテート等)が挙げられる。
これらは1種で又は2種以上併用して使用することもできる。その好ましい使用量は、ポリアミン化合物100質量部に対して5質量部以下である。
本発明の砥石材は、充てん剤として酸化チタン、ベンガラ、酸化鉄、黒鉛、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、チアゾール系化合物を含有していてもよい。
また、本発明の砥石材は、繊維系物質(繊維状フィラー)としてポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維、羊毛、コットン、シルク等を含有していてもよい。本発明の砥石材が繊維状フィラーを含有する場合、砥石材中の繊維状フィラーの含有量(質量%)は、1〜15質量%であることが好ましく、3〜13質量%であることがより好ましく、5〜12質量%であることが更に好ましい。砥石材中の繊維状フィラーの含有量(質量%)は、溶媒を除く原料の合計質量に占める繊維状フィラーの質量(質量)の割合を示すものである。
また、本発明の砥石材は、高分子中空微小球コンポジット(粒子径10〜14μm)、たとえばマツモトマイクロスフェア−MFLシリーズ、無機系中空微小球(シリカ系)等の気泡体を含有していてもよい。
本発明の砥石材の密度は、目的に応じて適宜に設定されるものである。例えば0.4〜3.5g/cmとすることができ、0.8〜3.3g/cmとしてもよく、1.0〜3.0g/cmとすることもできる。
[砥石材の製造]
続いて本発明の砥石材の製造方法について説明する。
本発明の砥石材の製造方法は、上記混合物を重合硬化させることを含む限り、特に制限されない。例えば、特許第6489465号、特許第4357173号、特許第3921056号の記載を適宜に参照することができる。
例えば、少なくとも、芳香族ポリアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物と3価以上のポリオール化合物と有機溶媒との混合液と、砥粒と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物とを混合し、この混合物を重合硬化することにより、本発明の砥石材を得ることができる。この重合硬化反応として、例えば、上記混合物を金型に入れて重合反応を進行させ、金型から脱型し、この硬化物をさらに100〜140℃にて数時間、後硬化して砥石材を得る。
上記有機溶媒は、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチレンジクロライト等のポリアミン化合物に対して溶解性の高い溶媒を単独で使用したり、HFC−365mfc(CFCHCFCH)、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等から選ばれる1種又は2種以上の溶解性の低い溶媒を適度に混合して使用しても良い。このように適度に混合することにより、注型後の脱型時間を短縮する効果があり、好ましい。
次に本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
原料としては下記のものを使用した。
[ポリイソシアネート化合物]
・Liq MDI(液状MDI)、コロネートMX(東ソー社製、NCO含有量29.0質量%)
・CMDI(クルードMDI)、ミリオネートMR200(東ソー社製、NCO含有量31.0質量%、全イソシアネート化合物中、ジイソシアネート化合物を約40質量%、3価以上のポリイソシアネート化合物を約60質量%含有する。)
[芳香族ポリアミンオリゴマー]
・エラスマー1000P:ポリ(テトラメチレンオキシド)−ジ−p−アミノベンゾエート(クミアイ化学工業社製、アミン価98.68KOHmg/g)
[芳香族ジアミン化合物]
・CUA−4:トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾアート)(クミアイ化学工業社製、アミン価351.2KOHmg/g)
・TCDAM:4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロベンゼンアミン)(クミアイ化学工業社製、アミン価319.2KOHmg/g)
・DD1604:4−クロロ−3,5−ジアミノ−ベンゾイックアシッドイソブチルエステル(バイエル社製、アミン価462.4KOHmg/g)
[ポリオール化合物]
・グリセリン(GC)〔カントーケミカル社製〕
・トリメチロールプロパン(TMP)〔カントーケミカル社製〕
・トリエタノールアミン(TEA)〔カントーケミカル社製〕
[有機溶媒]
・アセトン(カントーケミカル社製)
・365mfc:1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(日本ソルベイ社製)
[砥粒]
ダイヤモンド砥粒
・D200−230(粒径#200〜230メッシュ)〔トーメイダイヤ社製〕
・D270−325(粒径#270〜325メッシュ)〔トーメイダイヤ社製〕
・D10−20(粒径10〜20μm)〔トーメイダイヤ社製〕
・D4−6(粒径4〜6μm)〔トーメイダイヤ社製〕
・D2−3(粒径2〜3μm)〔トーメイダイヤ社製〕
[合成例1〜8]
表1に示す配合(質量部)に従って、ビーカーに芳香族ポリアミンオリゴマー、芳香族ジアミン化合物、ポリオール化合物(以下、イソシアネート基と反応するこれらの成分を合わせて「硬化成分」という。)を測り取り、全ての硬化成分の融点以上に加温し、硬化成分を溶解して均一な溶液とした。この溶液を室温まで冷却し、表1に示す配合(質量部)に従って所定量のジイソシアネート化合物、又はジイソシアネート化合物と3価以上のポリイソシアネート化合物(以下、「イソシアネート成分」という。)を混合し、25〜35℃の予熱された金型に注入し、硬化が十分進んだ後、脱型した。得られた硬化物を120℃で6時間加熱処理し、厚さ5mmのシート状の各試料(ポリ尿素樹脂)を作製した。
[滅菌処理試験]
各試料を134℃で3時間のオートクレーブ処理に付して滅菌処理を行った。この滅菌処理は、134℃で10分間のオートクレーブ処理を30回もの多数回繰り返す滅菌処理と同程度の負荷であることを確認している。
Figure 0006742048
1)Liq MDI/CMDI=1/1(質量比)
2)[芳香族ジアミン化合物の使用量(g)/芳香族ジアミン化合物の分子量]/[芳香族ポリアミンオリゴマーの使用量(g)+芳香族ジアミン化合物の使用量(g)]
3)[ジイソシアネート化合物及び3価以上のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基当量]/[芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物のアミノ基当量とポリオール化合物の水酸基当量とを合わせた活性基当量]
4)[ポリオール化合物の使用量(g)/ポリオール化合物の分子量]/[芳香族ポリアミンオリゴマーの使用量(g)+芳香族ジアミン化合物の使用量(g)]
5)厚さ5mmのシート状ポリ尿素樹脂に、上からD型硬度計を押し付け、置針の示す値を硬度とした。
6)100×DMF浸漬後の試料の体積/DMF浸漬前の試料の体積={[試料を22℃で7日間ジメチルホルムアミド(DMF)に浸漬後の膨潤試料の質量(g)−浸漬前の試料の質量(g)]/0.9445+浸漬前の試料の体積(cm)}/浸漬前の試料の体積(cm
・0.9445:DMFの22℃での密度(単位g/cm
・浸漬前の試料の体積(cm)=浸漬前の試料の質量(g)/シート状試料の密度(g/cm
7)100×滅菌処理後の試料の硬度/滅菌処理前の試料の硬度
(滅菌処理後の試料の硬度は、滅菌処理後、80℃で12時間乾燥し、次いで22℃で1週間コンディショニングした後の硬度である。)
8)滅菌処理後の試料のDMF膨潤度/滅菌処理前の試料のDMF膨潤度
上記表1に示されるように、3価以上のポリイソシアネート化合物が配合されていない合成例7のポリ尿素樹脂や、ポリオール化合物が配合されていない合成例8のポリ尿素樹脂は、硬度が小さく、DMF膨潤度は高かった。また、合成例7及び8のポリ尿素樹脂は滅菌処理後の硬度保持率も低く、また、滅菌処理によりDMFへの溶解性が大きく高まる結果となった。
これに対し、本発明の砥石材のバインダー組成を有する合成例1〜6のポリ尿素樹脂は、硬度が比較的高く、DMF膨潤度は低く、これらの特性は滅菌処理によっても良好に維持されていた。
[実施例1〜8]
表2に示す配合(質量部)に従って、ビーカーに硬化成分及び有機溶媒(アセトン/365mfc=7/3(質量比))の混合物を測り取り、均一な溶液とした。この溶液に、表2に示す配合(質量部)に従って、所定量の砥粒を添加して分散した後、所定量のイソシアネート成分を混合し、混合物を室温で、軸が設置された金型に注入した。混合物の重合硬化後、脱型し、120℃で5時間熱処理し、直径6mm、長さ18mmの円柱状軸付き砥石材を得た。この砥石材をプレート状ダイヤモンド砥石により、上部を砲弾状に加工し、砥石材を得た。
ここで、表2中の硬化成分の符号(「A」、「A・G」、「A・M」、「A・E」、「B・G」、「C・G」、「D・G」)は、表1に記載された硬化成分の「略記号」に対応する。すなわち、表1に記載の硬化成分の配合比と同じ配合比で各硬化成分を配合したことを意味する。例えば、表2において略記号がA・Gである実施例1は、E1000P:CUA−4:GC=80:20:4.8(質量比)の配合比で各硬化成分を配合したものを、砥粒100質量部に対して17.7質量部使用したことを意味する。また、表2中のイソシアネート成分の符号「β」は、表1と同じく、Liq MDI/CMDI=1/1(質量比)の混合品である。
<研削・研磨試験>
砥石材を取り付けた電動ハンドグラインダーを、義歯材に見立てたジルコニアワーク面(0.7cm×0.7cmの平面)を回転数10000rpm、約200g重の力で縦方向に15秒かけて研削し、次に横方向に15秒かけて研削し、更に再度縦方向に15秒かけて研削し、ワーク面全体を研削・研磨して仕上げ面を得た。仕上げ面の算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、及び光沢度としてRΔqを、ミツトヨ社製サーフテストST.410により測定した。
Figure 0006742048
1)表1におけるイソシアネートインデックスと同義である。
2)表1における硬度と同様に測定した。
3)100×滅菌処理前の各物性/滅菌処理後の各物性
比較例1の砥石材のバインダーは、表1の合成例8のポリ尿素樹脂と同じ組成である。比較例1の砥石材は、延性モードの研削・研磨ができ、仕上げ面の平滑性や光沢度も良好である。しかし、この砥石材を滅菌処理に付して使用すると、仕上げ面を所望の平滑性や光沢度とすることができなかった。つまり、滅菌処理によって性能が大きく低下する結果となった。
これに対し実施例2〜7の砥石材は、滅菌処理後においても、十分に平滑で光沢度も高い仕上げ面へと仕上げることができるものであった。
[実施例8〜10]
表3に示す配合(質量部)に従って、ビーカーに硬化成分及び有機溶媒(アセトン/365mfc=8/2(質量比)の混合物を測り取り、均一な溶液とした。この溶液に、表3に示す配合(質量部)に従って所定量の砥粒を添加して分散した後、表3に示す配合(質量部)に従って所定量のイソシアネート成分を混合し、混合物を室温で、軸が設置された金型に注入した。混合物の重合硬化後、脱型し、120℃で5時間熱処理し、直径6mm、長さ18mmの円柱状軸付き砥石材を得た。この砥石材をプレート状ダイヤモンド砥石により、上部を砲弾状に加工し、砥石材を得た。
Figure 0006742048
1)表1におけるイソシアネートインデックスと同義である。
2)表1における硬度と同様に測定した。
[研削・研磨性の評価−1]
歯科用に一般的に使用されているビトリファイド砥石を取り付けた電動ハンドグラインダーを、義歯材に見立てたジルコニアワーク面(0.7cm×0.7cmの平面)に回転数10000rpm、約200g重の力で縦方向に15秒かけて粗研削し、次に横方向に15秒かけて粗研削し、更に再度縦方向に15秒かけて、ワーク面全体を粗研削し、粗研削面を得た。
次いで、実施例7の砥石材を取り付けた電動ハンドグラインダーを上記粗研削面に上記条件でかけて研削し、研削面を得た。
その後、実施例8の砥石材を取り付けた電動ハンドグラインダーを上記研削面に上記条件でかけて中仕上げし、中仕上げ面を得た。
最後に、実施例9の砥石材を取り付けた電動ハンドグラインダーを上記中仕上げ面に上記条件でかけて仕上げし、仕上げ面を得た。
上記ビトリファイド砥石による粗研削は脆性モード、実施例7〜9のそれぞれの砥石材による研削・研磨は延性モードであった。上記粗研削面、研削面、中仕上げ面、仕上げ面それぞれの算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、及び光沢度としてRΔqを、ミツトヨ社製サーフテストST.410により測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006742048
砥粒の粒径が異なる3種類の、本発明の砥石材を使用して、今後義歯材として多用されると予想されるジルコニアを研削・研磨することにより、極めて平滑で光沢を有することが確認された。
[研削・研磨性の評価−2]
実施例8の砥石材を取り付けた電動ハンドグラインダーを、表5に示す粗面を有するジルコニアワーク面(0.7cm×0.7cmの平面)とコバルト/クロム合金ワーク面(0.7cm×0.7cmの平面)のぞれぞれに、回転数10000rpm、約200g重の力で縦方向に15秒かけ、次に横方向に15秒かけ、更に再度縦方向に15秒かけて、ワーク面全体を研削・研磨し、中仕上げ面を得た。次いで、実施例9の砥石材を取り付けた電動ハンドグラインダーを上記中仕上げ面に上記条件でかけて仕上げし、仕上げ面を得た。全ての研削・研磨は延性モードで行われた。上記中仕上げ面、仕上げ面それぞれの算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、及び光沢度として二乗平均平方根傾斜RΔqを、ミツトヨ社製サーフテストST.410により測定した。結果を表5に示す。
Figure 0006742048
粒径20μm以下の、砥粒の粒径が異なる2種類の本発明の砥石材を使用して、今後義歯材として多用されると予想されるジルコニア粗面やコバルト/クロム合金粗面を研磨することにより、非常に平滑で光沢度に優れた仕上げ面が得られることがわかる。つまり、従来は精密研磨が難しく、多数の工程を経て所望の仕上げ面とされているジルコニア粗面やコバルト/クロム合金粗面を、本発明の砥石材を用いれば、たった2種類の砥石材の使用で、平滑性に優れ、光沢度にも優れた仕上げ面にできることがわかる。
[研削・研磨性の評価−3]
実施例10の砥石材を取り付けた電動ハンドグラインダーを、表6に示す粗面を有するハイブリッドレジンワーク面(0.7cm×0.7cmの平面)とコンポジットレジンワーク面(0.7cm×0.7cmの平面)のそれぞれに、回転数8000rpm、約200g重の力で縦方向に15秒かけ、次に横方向に15秒かけ、更に再度縦方向に15秒かけて、ワーク面全体を研磨し、仕上げ面を得た。全ての研磨は延性モードで行われた。上記仕上げ面の算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、及び光沢度としてRΔqを、ミツトヨ社製サーフテストST.410により測定した。結果を表6に示す。
Figure 0006742048
本発明の砥石材を使用することにより、従来の砥石材で鏡面化が困難であったハイブリッドレジンやコンポジットレジンに対しても、たった1本の砥石材による研磨だけで、非常に平滑で光沢度にも優れた仕上げ面が得られることがわかる。つまり、本発明の砥石材により、義歯材の精密研磨の作業効率を大きく向上させることができる。

Claims (14)

  1. ポリアミン化合物と、3価以上のポリオール化合物と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物と、砥粒とを含む混合物を重合硬化してなる、義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  2. 前記ポリアミン化合物が下記(a)〜(d)のいずれかを含む、請求項1に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
    (a)芳香族ポリアミンオリゴマー
    (b)芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物
    (c)脂肪族ポリアミンオリゴマー、芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物
    (d)脂肪族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ポリアミンオリゴマー
  3. 前記ポリアミン化合物が芳香族ポリアミンオリゴマー及び芳香族ジアミン化合物を含み、前記混合物中の前記ポリアミン化合物に占める前記芳香族ジアミン化合物の割合が40質量%以下である、請求項2に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  4. 前記芳香族ポリアミンオリゴマーが下記式(I)で表されるポリアミンオリゴマーを含む、請求項2又は3に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
    Figure 0006742048
    式中、Rは、n価の数平均分子量200以上のポリアルキレンポリオール、ポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエステルポリオールの残基を表わし、nは2又は3を表す。但し、当該ポリアルキレン中に不飽和結合を含んでいてもよい。
  5. 前記芳香族ジアミン化合物が、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4−クロロ−3,5−ジアミノベンゾイックアシッドイソブチルエステル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸ジエチルエステル、及び2,2’、3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンの1種又は2種以上を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  6. 前記の3価以上のポリオール化合物が、1分子中に3〜6個の水酸基を有し分子量が92〜600であるポリオール化合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  7. 前記の3価以上のポリオール化合物が、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、及びメチルグルコシドの1種又は2種以上を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  8. 前記ジイソシアネート化合物が、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  9. 前記の3価以上のポリイソシアネート化合物が、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート由来のもの、3価以上のジフェニルメタンジイソシアネートプレポリマー、及び、1,3,5−トリス(6−イソシアナートヘキサ−1−イル)1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンの少なくとも1種を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  10. 前記混合物中、ジイソシアネート化合物と3価以上のポリイソシアネート化合物の各含有量の合計に占めるジイソシアネート化合物の含有量の割合が40質量%以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  11. 前記ジフェニルメタンジイソシアネートがカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを含む、請求項10に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  12. 前記混合物中、前記ポリアミン化合物の含有量100質量部に対し、前記の3価以上のポリオール化合物の含有量が2〜17質量部である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  13. 前記ポリ尿素複合砥石材の密度が0.4〜3.5g/cmである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材。
  14. 芳香族ポリアミンオリゴマーと芳香族ジアミン化合物と3価以上のポリオール化合物と有機溶媒との混合液と、砥粒と、ジイソシアネート化合物と、3価以上のポリイソシアネート化合物とを混合し、この混合物を重合硬化することを含む、義歯材研削・研磨用ポリ尿素複合砥石材の製造方法。
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