次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るICカード製造システム1の構成について、図1〜図15を参照して説明する。
製造システム1は、図1〜図3に示すシステム本体部20を備える。システム本体部20は、機台21と、この機台21から上方に突出する複数の支柱部22…により支持された支持盤23を備える。機台21の上面ほぼ中央位置には、駆動部24を配設し、この駆動部24の軸部24sによりトレーブロック25が支持される。このトレーブロック25は、駆動部24により回転制御及び昇降制御される。この場合、トレーブロック25は、四つのトレー部26a,26b,26c,26dを備え、各トレー部26a…は、軸部24sの周りに90〔゜〕間隔で配される。また、単体で構成される四つのカバー部27…を備え、各カバー部27…は各トレー部26a…の上に重ねて用いる。これにより、各トレー部26a…と各カバー部27…の組合わせによるワークトレー28a,28b,28c,28dがそれぞれ構成される。この際、トレー部26a(他のトレー部26b…も同じ)は、図7及び図10に示すように、コの字形のブラケット部25aにより支持され、カバー部27の後端面及び両側面の後部がブラケット部25aの内面により位置規制される。
図7及び図8に、ワークトレー28a(他のワークトレー28b…も同じ)の具体的な構成を示す。トレー部26aは、枠形に構成したフレーム部29と、平板により形成した矩形のトレー本体部30を備える。トレー本体部30は、四辺から突出した複数の係合片30s…を有し、この係合片30s…がフレーム部29に係合する。この場合、フレーム部29の上面における所定位置に複数の係合凹部を設け、各係合凹部に係合片30s…を収容するとともに、各係合凹部をカバープレート31…で覆うことにより各係合片30s…をフレーム部29に係合させる。これにより、フレーム部29の内側にトレー本体部30が支持される。他方、カバー部27は、トレー部26aに対して上下を反転させる点を除き、基本的な構成はトレー部26aと同じになる。即ち、フレーム部32及びこのフレーム部32の下面に係合するカバー本体部33を備える。また、カバー本体部33の下面には、矩形枠状のシール部34を固着する。トレー部26aとカバー部27は、一定の厚さを有するステンレス材により形成する。これにより、トレー部26aにおけるトレー本体部30の上面に後述するワークWをセットし、上からカバー部27を重ねれば、トレー本体部30とカバー本体部33間に、ワークWを収容する密閉空間Kが形成される。
さらに、トレー部26aにおけるフレーム部29の一側には、逆止弁を内蔵した被吸気口部35を設け、この被吸気口部35はトレー本体部30に形成した吸気孔36に連通接続する。これにより、図8に示すように、脱気装置37を図7に示す被吸気口部35に接続して密閉空間Kの脱気を行うことができる。また、トレー部26aにおけるフレーム部29の他側には、逆止弁を内蔵した給気口部38を設け、この給気口部38はトレー本体部30に形成した給気孔39に連通接続する。これにより、図8に示すように、給気装置40を図7に示す給気口部38に接続して密閉空間Kに対する給気を行うことができる。なお、41…は、トレー部26aにカバー部27を重ねた際に、両者間を位置決めする複数位置に配した位置決め部を示す。
図6に、本実施形態に係る製造システム1に使用するワークWを示す。ワークWは、二つの積層基材M,Mの表裏面に表面形成パネル11のパネル面11fが当接するように、各積層部材M…と三枚の表面形成パネル11…を交互に重ね合わせて構成する。この場合、一つの積層基材Mは、図5に示すように、ICチップEiとアンテナEaを有する電子部品Eが実装された部品シートPが上下一対のシート生地材Ca,Cbで挟まれており、ICカード複数枚分(一般にn×m枚)を連続させて一枚に綴ってある。各シート生地材Ca,Cbは、例えば、外側の樹脂シート(ポリエチレンテレフタレート等)及びこの内側の不織布を有し、各シート生地材Ca,Cbの内面には接着剤が塗布されている。このような積層基材Mは、別工程で製造され、積層された部品シートP及びシート生地材Ca,Cbは、複数位置がスポット溶接等により仮固定されている。また、表面形成パネル11は、厚さ1〔mm〕程度の鏡面仕上げしたステンレス板である。ワークWをこのように構成することにより、同時に複数の積層部材M…を効率的に製造できるとともに、表面形成パネル11…により積層部材M…(ICカード)の表裏面を鏡面仕上げにできるなど、所望の表面処理を容易に行うことができる利点がある。
一方、システム本体部20には、図1〜図3に示すように、駆動部24(軸部24s)の周りを囲むように、ワーク出入部51,予熱部3,熱圧着部4及び前段冷却部5fを配設する。これら各部51,3,4及び5fは、軸部24sの周りに90〔゜〕間隔で配され、ワーク出入部51はシステム本体部20における前側位置、予熱部3はシステム本体部20における左側位置、熱圧着部4はシステム本体部20における後側位置、前段冷却部5fはシステム本体部20における右側位置となり、それぞれ前述した四つのトレー部26a…の位置に対応させる。
この場合、ワーク出入部51には、図9及び図10に示すように、このワーク出入部51に位置するワークトレー28a…の上方に配したカバー開閉機構52と、このワークトレー28a…の下方に配したトレー操作機構53を備える。カバー開閉機構52は、回転支点52cを中心にして上下に回転変位し、先端にフック機構54を有する開閉ロボット55と、カバー部27の先端に設けた係止ピン部56を備える。開閉ロボット55は、駆動シリンダ57と伸縮シャフト58を組合わせ、先端のフック機構54を昇降変位及び伸縮変位させることができる。また、フック機構54は、図9に示すように、係止ピン部56に係止する係止位置又は当該係止を解除する係止解除位置に選択的に変位するフック部59を備え、図中、実線のフック部59が係止解除位置にある状態、仮想線のフック部59sが係止位置にある状態をそれぞれ示す。
他方、トレー操作機構53は、ワークトレー28a…を昇降させるトレー昇降機構61とトレー部26a…の中心位置を押上げて山状に膨出させるトレー押上機構62を備える。トレー昇降機構61は、トレー部26a…の底部を支持する昇降盤63及びこの昇降盤63を昇降させる複数の昇降シリンダ64…を備えるとともに、トレー押上機構62は、トレー部26a…の下面中心位置に当接する押上盤65及びこの押上盤65を昇降させる昇降シリンダ66を備える。
予熱部3は、図2に示すように、支持盤23の下面に取付けた固定プレス盤部3cを備えるとともに、機台21の上面に起立させた複数(例示は四本)の昇降シリンダ67…により昇降する可動プレス盤部3mを備え、固定プレス盤部3cと可動プレス盤部3mには、それぞれ予熱用ヒータを内蔵する。この予熱部3は、ワーク出入部51から回転搬送されたワークトレー28a…(ワークW)に対して正規の加熱温度Tsよりも低い予熱温度Tfを付与し、ワークWを加圧しつつ予熱温度で昇温する機能を有する。
熱圧着部4は、図3に示すように、支持盤23の下面に取付けた固定プレス盤部4cを備えるとともに、機台21の上面に起立させた複数(例示は四本)の昇降シリンダ68…により昇降する可動プレス盤部4mを備え、固定プレス盤部4cと可動プレス盤部4mには、それぞれ加熱用ヒータを内蔵する。この熱圧着部4は、予熱部3から回転搬送されたワークトレー28a…(ワークW)に対して正規の加熱温度Tsを付与して加圧し、ワークWを熱圧着する機能を有する。
前段冷却部5fは、図2に示すように、支持盤23の下面に取付けた固定プレス盤部5fcを備えるとともに、機台21の上面に設置した複数(例示は四本)の昇降シリンダ69…により昇降する可動プレス盤部5fmを備え、固定プレス盤部5fcと可動プレス盤部5fmには、それぞれ冷却水を流すことにより水冷を行うウォータジャケットを有する。この前段冷却部5fは、熱圧着部4から回転搬送されたワークトレー28a…(ワークW)を加圧しつつ冷却する機能を有する。この前段冷却部5fは、後述する後段冷却部5rと組合わさることにより冷却部5を構成する。
また、システム本体部20には、ワークWを投入する投入部2と、冷却部5から搬送されたワークWを取出す取出部6を付設する。さらに、投入部2と予熱部3間には、投入部2から順次投入されるワークWを予熱部3まで順次搬送可能な搬入バッファ部7を配設するとともに、冷却部5と取出部6間には、冷却部5から順次送られたワークWを取出部6まで順次搬送可能な搬出バッファ部8を配設する。この場合、投入部2には、図1に一部抽出側面図で示すように、60〔゜〕程度起立させたワークセット部70を備える。これにより、このワークセット部70にワークWをセットすれば、ワークセット部70が水平位置まで自動で傾倒し、ワークWが前方に送り出される。
搬入バッファ部7には、ワークWを順次搬送する搬入コンベア13を用いる。この搬入コンベア13は、六台のコンベア部13p…を順次配列して構成し、各コンベア部13p…の作動又は停止を個別に制御することにより、六枚のワークW…を搬入コンベア13上に配列(一時貯留)することができる。このような搬入コンベア13を用いて搬入バッファ部7を構成すれば、後付等による比較的簡易な構成によりワーク搬入側のバッファ機能を容易に実現することができる利点がある。さらに、搬入コンベア13の終端位置7eには、この終端位置7eに搬送されたワークWを所定高さHiだけ持ち上げるワークリフタ機構14を付設する。ワークリフタ機構14は、図4に示すように、終端位置7eのコンベア部13pの下方に配した昇降シリンダ71と、この昇降シリンダ71により昇降するワーク載置部72を有し、ワーク載置部72の上端は、搬入コンベア13における搬送面の上方又は下方に昇降変位する。このようなワークリフタ機構14を設ければ、電子部品Eをシート生地材Ca,Cbにより挟んだ積層基材M…を含むワークWであっても当該ワークWを搬送面から浮かせることができるため、搬送ロボットによりワークWを安定かつ確実に把持することができる。
一方、搬出バッファ部8は、ワークWを順次搬送する搬出コンベア15を用いる。この搬出コンベア15は、六台のコンベア部15p…を順次配列して構成し、各コンベア部15p…の作動又は停止を個別に制御することにより、六枚のワークW…を搬出コンベア15上に配列(一時貯留)することができる。この搬出コンベア15は、上述した搬入コンベア13の隣に並べて設置する。このような搬出コンベア15を用いて搬出バッファ部8を構成すれば、後付等による比較的簡易な構成によりワーク搬出側のバッファ機能を容易に実現することができる利点がある。そして、搬出バッファ部8の終端位置8eに対する搬送方向前方の隣接位置には、ワークWを取出す取出部6を配設する。作業者はシステム本体部20により処理されたワークWをこの取出部6から取出すことができる。
他方、搬出コンベア15の始端位置8sの手前、即ち、始端位置8sに対する搬送方向後方の近傍には、前段冷却部5fから搬送されたワークWを冷却する後段冷却部5rを配設する。後段冷却部5rは、図15に示すように、冷却テーブル73を備え、この冷却テーブル73は、下冷却プレート74と、ヒンジ部73hにより開閉する上冷却プレート75を有し、各プレート74と75には冷却水を流すことにより水冷を行うウォータジャケットを有する冷却部74c,75cを付設する。なお、上冷却プレート75は、開閉シリンダ76により開閉することができる。
ところで、このような後段冷却部5rを設けるか否かは任意であり、必要に応じて設置することができる。本実施形態では、ワークWに三枚の表面形成パネル11…を用いており、この表面形成パネル11…は繰り返して使用するため、ワークWが搬出コンベア15で搬送される際には完全に冷却されていることが望ましく、冷却が不完全な場合には、次に使用するワークWに温度上の悪影響が生じる虞れがある。一方、熱圧着部4における加熱温度や加熱時間は使用する積層基材Mの材料の種類や形状等によっても異なる。したがって、処理サイクルに同期する前段冷却部5fのみでは、十分に対応できないことが想定されるため、後段冷却部5rを設けることにより前段冷却部5fを補うようにした。
この場合、後段冷却部5rは前段冷却部5fに対して同一条件に設定することを要しない。図16は、予熱部3による予熱工程,熱圧着部4による熱圧着工程,前段冷却部5fによる前段冷却工程,後段冷却部5rによる後段冷却工程におけるワークWの温度Tの変化特性を示しており、熱圧着工程におけるta時点の温度Tiは、電子部品Eがシート生地材Ca,Cbに埋め込まれる温度、前段冷却工程におけるtb時点の温度Tcは冷却によりシート生地材Ca,Cbの熱変形が生じなくなる温度を示している。したがって、熱変形の生じる虞れがある前段冷却工程では、固定プレス盤部5fcと可動プレス盤部5fmにより所定の加圧力(2〔MPa〕程度)を付加して冷却するとともに、熱変形の生じる虞れがない後段冷却工程では、このような加圧力を付加することなく、単なる上冷却プレート75の重量が付加される圧力(0.05〔MPa〕程度)で足りる。なお、冷却温度は、いずれも20〔℃〕程度に設定される。
よって、このような後段冷却部5rを設ければ、前段冷却部5fが熱圧着部4の処理時間に同期し、冷却時間が不足する場合であっても後段冷却部5rにより不足した冷却時間を補うことができるとともに、熱圧着部4の処理時間を変更した場合であっても容易かつ臨機応変に対応することができる利点がある。
さらに、システム本体部20には、図1〜図3に示すように、ワーク搬送ロボット12を付設する。このワーク搬送ロボット12は、ロボットヘッド77をX方向へ進退移動させるX方向移動部78と、ロボットヘッド77をY方向へ進退移動させるY方向移動部79と、ロボットヘッド77をZ方向へ昇降移動させるZ方向移動部80を備えており、少なくとも、搬入バッファ部7の終端位置7eにおけるワークWを予熱部3側へ搬送する搬入機能及び冷却部5側のワークWを搬出バッファ部8の始端位置8sまで搬送する搬出機能を有する。このロボットヘッド77は、Z方向移動部80に備える可動体80mの下端に支持される。このようなワーク搬送ロボット12を設ければ、搬入バッファ部7及び搬出バッファ部8を設けたことに伴うワークWの搬入及び搬出を円滑に行うことができる利点がある。
ロボットヘッド77は、図10〜図13に示すように、ワークWよりも小さい矩形状に形成した水平のベースプレート82と、このベースプレート82における一対の短手方向端辺の中央に配した位置規制機構部83…と、ベースプレート82における一対の長手方向端辺のそれぞれの二個所に配した把持機構部86p,86q…を備える。位置規制機構部83…は、規制部84…及びこの規制部84…を進退変位させる進退シリンダ85…を備えるとともに、把持機構部86p,86q…は、把持部87p,87q…及びこの把持部87p,87q…を進退変位させる進退シリンダ88p,88q…を備える。
把持部87pは、図13に示すように、進退シリンダ88pに取付ける取付部89pとこの取付部89pの下端に一体形成した断面コの字形の把持本体部90pを有する。把持本体部90pは、ワークWの端辺が係合するスリット部90psを有するとともに、このスリット部90psの下側に位置する係合爪部90pcを有する。この係合爪部90pcは、先端辺LpをワークWの端辺の平面視に対して傾斜させて形成する。これにより、係合爪部90pcは、一端側が他端側に対して漸次幅狭となる。また、係合爪部90pcは、先端辺Lp側をブレード状(刃状)に薄肉形成、望ましくは、図13に示すように、係合爪部90pcの下面(底面)が水平面となり、上面が先端辺Lp側ほど低くなるように傾斜させ、先端辺Lp側を漸次薄肉形成する。これにより、ワークWを傷付けることなく、より円滑かつ安定に把持することができる。一方、他方の把持部87qは、把持部87pに対して左右対称に形成し、把持部87pと87qは、ワークWの一端辺に対して離間した二位置にそれぞれ配するとともに、一対の両端辺にそれぞれ対称的に配する。一端辺における各係合爪部90pcと90qcは、図11に示すように、先端辺LpとLqにおける最先端部LppとLqp同士を端辺に沿って対向させて配する。これにより、双方の最先端部LppとLqpは、湾曲したワークWの端辺の上下方向の傾斜に対して上方側に位置することになる。91…は真空吸引により後述するダミーワークWdを吸着する四つの吸着部を示す。
他方、本実施形態に係る製造システム1には異常対応処理部9を備えている。異常対応処理部9は、少なくとも、搬入バッファ部7における規定の位置XsにワークWが無いとき又は搬出バッファ部8における規定の位置Xtに空きが無いときに異常対応処理を行う。異常対応処理としては、ダミーワークWdを、少なくとも予熱部3に供給し、かつ冷却部5(5f)から回収するダミーワーク供給処理を行うことができ、この際、ダミーワークWd…を保有するダミーワーク保有部16は、図1及び図2に示すように、搬入バッファ部7と予熱部3間に配設する。ダミーワーク保有部16は、ダミーワーク載置テーブル92とこのダミーワーク載置テーブル92の上面に重ねて載置した複数枚のダミーワークWd…を備える。
図14にダミーワークWdの一例を示す。ダミーワークWdは、積層基材Mを含む実際の材料を使用することにより厚さ及び大きさを実際の材料にほぼ一致させて形成することが望ましい。しかし、必ずしも材料を一致させることを要せず、例えば、厚さ及び大きさを実際の材料にほぼ一致させた単一材料であってもよい。したがって、ダミーワークWdは、ワークWに対して疑似形状に形成し、かつ判別手段によりダミーワークWdであることを判別可能な形状上の特異部Wdhを設ければ足りる。例示は一枚のベーク板Bb(厚さ:5〔mm〕,大きさ:A4サイズ)により形成したダミーワークWdである。ダミーワークWdは、形状上の特異部Wdhとして、中心に直径が数十〔mm〕程度の判別孔を設ける。また、ダミーワークWdの四隅は面取りを施すことが望ましい。このようなダミーワーク供給処理を行うことにより、製品の品質に悪影響を与えることなく長時間にわたって製造を中断することができるとともに、ダミーワーク保有部16を搬入バッファ部7と予熱部3間に配設することにより、ダミーワーク供給処理を確実かつ速やかに実行できる利点がある。
その他、異常対応処理部9としては、警報を発する警報発生処理を行ってもよい。この警報発生処理は単独で行ってもよいし、上述したダミーワーク供給処理と同時に行ってもよい。このような警報発生処理を行うことにより、ワークWの投入忘れ等が発生したことを作業者に報知することができるため、作業者は速やかに適切な対応を取ることができる利点がある。
次に、本実施形態に係る製造システム1の動作について、各図を参照しつつ図17〜図19に示すフローチャートに従って説明する。
図17は、製造システム1の全体動作のフローチャートを示す。まず、ワークWを準備する(ステップS1)。ワークWは、図6に示すように、二つの積層基材M,Mの表裏面に表面形成パネル11のパネル面11fが当接するように、各積層部材M…と三枚の表面形成パネル11…を交互に重ね合わせて構成する。例示する製造システム1の場合、ワークW…を順次処理(製造)する周期は120〔秒〕程度(図16参照)となるため、この周期内でワークWを準備することができる。したがって、通常、作業者は取出部6に搬送されたワークWから処理(製造)された積層基材M,Mを取出すとともに、積層基材M,Mを取出した後の表面形成パネル11…を使用して、新たに投入するワークWを準備(組付)する。
また、準備したワークWは投入部2に投入する(ステップS2)。この場合、作業者は、準備したワークWを両手で持ち、図1に示す抽出側面図のように、60〔゜〕程度起立したワークセット部70に立て掛けるようにセットする。この後、ワークセット部70が水平位置まで自動で傾倒し、投入部2に設けたコンベアによりワークWが前方に送り出される。投入部2から送り出されたワークWは、搬入バッファ部7を構成する搬入コンベア13に進入し、この搬入コンベア13により進入方向(矢印Ff方向)へ搬送される(ステップS3)。そして、搬入コンベア13の終端位置7eまで搬送されたなら、この終端位置7eで待機する(ステップS4,S5)。この場合、搬入コンベア13は、六台のコンベア部13p…を順次配列して構成するため、六枚のワークW…を搬入コンベア13上に配列(一時貯留)することができる。したがって、搬入コンベア13が六枚のワークW…で満たされていれば、投入の際において作業者に10〔分〕程度の余裕時間が生じることになる。
一方、システム本体部20の処理サイクルに従って搬入時間になれば、ワーク搬送ロボット12におけるロボットヘッド77は、終端位置7eの上方まで移動し、当該ロボットヘッド77によりワークWを把持する(ステップS6)。この際、終端位置7eでは、ワークリフタ機構14が駆動制御され、ワーク載置部72を上昇させる。これにより、積層基材M…を含むワークWであっても当該ワークWを搬送面から浮かせることができるため、ワーク搬送ロボット12(ロボットヘッド77)によりワークWを安定かつ確実に把持することができる。また、ワークWを把持したロボットヘッド77は、ワークWをワーク出入部51におけるトレー部26aの上方まで搬送し、ワークWをトレー部26a上にセット(載置)する(ステップS7,S8)。
このときのシステム本体部20におけるワーク出入部51の動作について、各図を参照しつつ図18に示すフローチャートに従って説明する。
システム本体部20では、処理サイクルに従って駆動部24を駆動制御し、トレーブロック25を90〔゜〕回転させる。これにより、ワーク出入部51には、前段冷却部5fにより冷却されたワークWを収容したワークトレー28aが回転搬送される(ステップS31)。図9中、仮想線で示すワークトレー28amが搬入時の位置となる。ワーク出入部51にワークトレー28aが搬入されたなら、昇降シリンダ64…を駆動制御して昇降盤63を上昇させる(ステップS32)。そして、給気口部38に給気装置40を接続し、負圧状態の密閉空間Kに対して給気する給気工程を行う(ステップS33)。
次いで、開閉ロボット55を駆動制御し、図9及び図10に示す実線位置まで下降させるとともに、フック機構54を駆動制御し、実線で示す係止解除位置のフック部59を、仮想線で示すフック部59sの位置(係止位置)まで変位させる。これにより、フック部59の孔部に、カバー部27の係止ピン部56が挿入して係止する(ステップS34)。さらに、開閉ロボット55を駆動制御し、略鉛直方向に起立する位置、即ち、仮想線で示す開閉ロボット55oの位置まで変位させる。この場合、カバー部27の後端はブラケット部25aにより規制されるとともに、カバー部27の前端は上方へ回動変位するため、カバー部27は、仮想線で示すカバー部27oの位置まで起立し、カバー部27は開いた状態となる(ステップS35)。
この後、ワーク搬送ロボット12を駆動制御し、図10に示すように、ロボットヘッド77をトレー部26aの上方まで移動させる(ステップS36)。また、昇降シリンダ66を駆動制御し、予め設定した高さまで押上盤65を上昇させる(ステップS37)。これにより、図12に示すように、押上盤65は、トレー部26aにおけるトレー本体部30の下面中心位置を押圧し、この中心位置を上方へ山状に膨出させる。そして、この状態でロボットヘッド77を下降させ、トレー部26a上のワークWを把持する(ステップS38)。
この場合、ロボットヘッド77は、図11に示すように、二つの規制部84…及び四つの把持部87p,87q…を仮想線で示す外側に変位させた状態で下降させ、図12に示す把持位置まで下降したなら四つの把持部87p,87q…を内側へ変位させるとともに、二つの規制部84…を内側に変位させる。これにより、ワークWの長手方向における一対の端辺が四つの把持部87p,87q…によりそれぞれ把持されるとともに、ワークWの短手方向における一対の端辺が二つの規制部84…によりそれぞれ位置決めされる。
この際、トレー本体部30の中心位置が上方へ山状に膨出することにより、図12に示すように、トレー本体部30の上面とワークWの端辺間には隙間が生じているため、把持部87p,87q…における下側の係合爪部90pc,90qc…は、ワークWの下面下方に容易かつ確実に入り込むことができるとともに、特に、各係合爪部90pc,90qc…は、一端側が他端側に対して漸次幅狭となるように傾斜させて形成し、かつ各係合爪部90pc,90qc…の先端辺Lp,Lq…における最先端部Lpp,Lqp…をワークWの端辺の上下方向の傾斜に対して上方側に位置するように配するため、ワークWが湾曲していても、先端辺Lp,Lq…がワークWの端辺に突き当たることなく係合爪部90pc,90qc…が隙間に円滑に入り込むことができる。しかも、各係合爪部90pcと90qc…は、先端辺LpとLq…における最先端部LppとLqp…同士が端辺に沿って対向、即ち、係合爪部90pc,90qc…の一端側(幅狭側)がワークWの長手方向における端辺の反中央側にそれぞれ配されるため、ワークWの端辺の反中央側が垂れ下がった湾曲状態になっていても、把持部87p,87q…によりワークWの一端辺を安定に把持することができる。さらに、規制部84…により、把持部87p,87q…によって把持されたワークWの他方の端辺の位置を定位置に正確に位置決めすることができる。この際、トレー本体部30の上面とワークWの端辺間にも隙間が生じているため、規制部84…がトレー本体部30の上面に当たることが無く、トレー本体部30を傷付ける虞れはない。
一方、ロボットヘッド77がワークWを把持したなら、ワーク搬送ロボット12は、ロボットヘッド77を上昇させ、ワークWをトレー部26aから取出すとともに、後段冷却部5rまで搬送する(ステップS39)。これにより、トレー部26aは空状態となるため、ワーク搬送ロボット12は、上述したように、ロボットヘッド77を終端位置7eの上方まで移動させ、ワークWを把持した後、トレー部26aの上方まで搬送するとともに、ワークWをトレー部26a上にセット(載置)する(ステップS40,ステップS6,S7,S8)。
そして、トレー部26a上に未処理のワークWをセットしたなら、昇降シリンダ66を駆動制御し、押上盤65を下降させる(ステップS41)。また、開閉ロボット55を駆動制御し、図9及び図10に示す実線位置まで下降させてカバー部27を閉じた状態にするとともに、フック機構54を駆動制御し、仮想線で示す係止位置にあるフック部59sを実線で示すフック部59の位置(係止解除位置)まで変位させる(ステップS42,S43)。これにより、フック部59の孔部からカバー部27の係止ピン部56が抜脱して係止が解除される。この後、開閉ロボット55を駆動制御し、所定の待機位置まで上昇させる。次いで、昇降シリンダ64…を駆動制御し、昇降盤63を下降させる(ステップS44)。また、被吸気口部35に脱気装置37を接続して密閉空間Kを脱気する脱気工程を行う(ステップS45)。脱気工程が終了したなら、次の処理サイクルの開始まで待機する(ステップS46,ステップS9)。以下、処理サイクルが継続する限り、ワーク出入部51では同様の動作が繰り返される(ステップS47)。
他方、処理サイクルに従って処理が開始する時間になれば、システム本体部20では、駆動部24を駆動制御し、トレーブロック25を矢印Fr方向へ90〔゜〕回転させる。これにより、ワーク出入部51のワークトレー28aが予熱部3に回転搬送される(ステップS10,S11)。予熱部3では、昇降シリンダ67…を駆動制御し、可動プレス盤3mを上昇させるとともに、駆動部24によりトレーブロック25を上昇させる。これにより、ワークトレー28aは固定プレス盤3cと可動プレス盤3m間に挟まれ、所定の予熱処理が行われる(ステップS12)。この場合、固定プレス盤3cと可動プレス盤3mは、それぞれ予熱用ヒータにより正規の加熱温度Tsよりも低い予熱温度Tf、具体的には、図16に示すように、シート生地材Ca,Cbの変形又は溶着が始まる直前の温度(例えば、70〔℃〕前後)に加熱され、ワークW(積層基材M…)が加圧されつつ予熱温度Tfにより昇温せしめられる。なお、この際の加熱時間は、処理時間が最も重要となる次工程における熱圧着処理の処理時間となる。
次いで、処理時間(例示の場合、120〔秒〕程度)が経過したなら、可動プレス盤3mを下降させるとともに、トレーブロック25を下降させる。また、駆動部24を駆動制御し、トレーブロック25を90〔゜〕回転させる。これにより、予熱部3のワークトレー28aは熱圧着部4に回転搬送される(ステップS13)。この場合、ワークWは、密封状態及び脱気状態のワークトレー28aに収容されているため、ワークWが予熱部3から熱圧着部4に移動しても、加熱状態及び加圧状態の連続性が確保、即ち、ワークWに対する保温性と保圧性が確保される。熱圧着部4では、昇降シリンダ68…を駆動制御し、可動プレス盤4mを上昇させるとともに、駆動部24によりトレーブロック25を上昇させる。これにより、ワークトレー28aが固定プレス盤4cと可動プレス盤4m間に挟まれ、所定の熱圧着処理が行われる(ステップS14)。この場合、固定プレス盤4cと可動プレス盤4mは、それぞれ加熱用ヒータにより正規の加熱温度Ts(例えば、140℃前後)に加熱されており、積層基材M…は加圧及び加熱により熱圧着せしめられる。
処理時間(例示の場合、120〔秒〕程度)が経過したなら、可動プレス盤部4mを下降させるとともに、トレーブロック25を下降させる。また、駆動部24を駆動制御し、トレーブロック25を90〔゜〕回転させる。これにより、熱圧着部4のワークトレー28aが前段冷却部5fに回転搬送される(ステップS15)。前段冷却部5fでは、昇降シリンダ69…を駆動制御し、可動プレス盤5fmを上昇させるとともに、駆動部24によりトレーブロック25を上昇させる。これにより、ワークトレー28aが固定プレス盤5fcと可動プレス盤5fm間に挟まれ、所定の冷却処理が行われる(ステップS16)。この場合、固定プレス盤5fcと可動プレス盤5fmは、それぞれウォータジャケットに流れる冷却水により冷却されており、ワークW(積層基材M…)は加圧されつつ冷却せしめられる。
この後、処理時間(例示の場合、120〔秒〕程度)が経過したなら、可動プレス盤5fmを下降させるとともに、トレーブロック25を下降させる。また、駆動部24を駆動制御し、トレーブロック25を90〔゜〕回転させる。これにより、前段冷却部5fのワークトレー28aがワーク出入部51に回転搬送される(ステップS17)。次いで、ワークトレー28aからのワークWの取出が行われる(ステップS18)。この際のワークWの取出は、前述した図18に示すステップS31〜ステップS39に従って行われる。そして、ワーク搬送ロボット12(ロボットヘッド77)によりワークトレー28aから取出されたワークWは、後段冷却部5rまで搬送され、後段冷却部5rにセットされる(ステップS19,S20)。この場合、後段冷却部5rは冷却テーブル73を備え、ワークWをセットする前は、開閉シリンダ76により上冷却プレート75が図15に実線で示す位置に開いているため、この状態でワークWを下冷却プレート74上にセット(載置)する。下冷却プレート74上にワークWをセットしたなら開閉シリンダ76を駆動制御して上冷却プレート75を閉じる。これにより、上冷却プレート75は、図15に示す仮想線で示す位置に変位し、ワークWが下冷却プレート74と上冷却プレート75間に挟まれるとともに、冷却部74c及び75cにより冷却される(ステップS21)。このときの冷却時間は、システム本体部20における処理サイクルの周期に一致させる。
そして、120〔秒〕程度の時間が経過すれば、開閉シリンダ76を駆動制御して上冷却プレート75を開くとともに、ワーク搬送ロボット12におけるロボットヘッド77が下冷却プレート74上のワークWを取出し、搬出コンベア15の始端位置8sに載置する(ステップS22)。搬出コンベア15に載置されたワークWは、搬出コンベア15により戻り方向(矢印Fb方向)に搬送され、取出部6に至る(ステップS23)。取出部6まで搬送されたワークWは、作業者によりワークWから処理(製造)された積層基材M…が取出される(ステップS24,S25)。この場合、搬出コンベア15は、六台のコンベア部15p…を順次配列して構成するため、六枚のワークW…を搬出コンベア15上に配列(一時貯留)することができる。したがって、搬出コンベア15にワークWが全く存在しない空きの状態であれば、取出において作業者に10〔分〕程度の余裕時間が生じることになる。
以上、一つのワークWの流れについて説明したが、処理サイクル毎に順次ワークWが投入部2に投入され、上述したワーク出入部51,予熱部3,熱圧着部4,冷却部5(前段冷却部5f,後段冷却部5r)の処理が同時に行われる。なお、処理(製造)された積層基材Mは、カッティングすることにより目的のICカードを得ることができる。
ところで、本実施形態に係る製造システム1では、搬入バッファ部7及び搬出バッファ部8を備えるため、投入又は取出において、作業者は所定の余裕時間が生じることになる。しかし、この余裕時間を越えた場合には、製造の中断を余儀なくされてしまう。このため、異常対応処理部9を設け、少なくとも、搬入バッファ部7における規定の位置XsにワークWが無いとき又は搬出バッファ部8における規定の位置Xtに空きが無いときに異常対応処理、具体的には、ダミーワークWd…を、少なくとも予熱部3に供給し、かつ前段冷却部5fから回収するダミーワーク供給処理を行うことができる。
次に、ダミーワーク供給処理に係わる動作について、各図を参照しつつ図19に示すフローチャートに従って説明する。今、正常に通常工程(ステップS51)が行われている最中に、所定のダミー使用条件が発生した場合を想定する。所定のダミー使用条件としては、上述した搬入バッファ部7における規定の位置XsにワークWが無いとき(ステップS52a)又は搬出バッファ部8における規定の位置Xtに空きが無いとき(ステップS52b)をはじめ、作業者が中断モードを選択したとき(ステップS52c)、作業者が自主的に判断してダミーワークWdを投入するとき(ステップS52d)、更には生産が終了したときなどがある。
搬入バッファ部7における規定の位置XsにワークWが無いときとは、搬入コンベア13の終端位置7eにワークWが無い場合であり、搬入コンベア13の終端位置7eに、ワークWの有無を検出するための検出器(光電センサ等)が設置されている。また、搬出バッファ部8における規定の位置Xtに空きが無いときとは、搬出コンベア15の始端位置8sから四番目のワークWが存在する場合であり、搬出コンベア15の始端位置8sから四番目のワークWの存在を検出するための検出器(光電センサ等)が設置されている。
このような所定のダミー使用条件が発生した場合、ワーク搬送ロボット12は、次に搬入するワークWの代わりにダミーワークWdをワーク出入部51にセットする(ステップS53)。この場合、ワーク搬送ロボット12は、ロボットヘッド77をダミーワーク保有部16の上方まで移動させるとともに下降させ、四つの吸着部91…によりダミーワークWdを吸着した後、ワーク出入部51におけるトレー部26a上にセットする。これにより、ダミーワークWdは、通常のワークWと同様に、システム本体部20における予熱部3,熱圧着部4,前段冷却部5fの処理過程を経る(ステップS54)。そして、前段冷却部5からワーク出入部51に戻される(ステップS55)。ダミーワークWdがワーク出入部51に戻されれば、ダミーワークWdであるか否かが判別される(ステップS56)。この場合、ワーク出入部51には、光電センサが設置されており、ダミーワークWdの中央に形成した判別孔Wdhの有無が検出されることにより、ダミーワークWdであるか否かを判別する。この際、ダミーワークWdであると判別した場合には、ワーク搬送ロボット12によりダミーワークWdが取出され(ステップS57)、この後、後段冷却部5rに搬送されること無くダミーワーク保有部16に戻される。即ち、ダミーワークWdの回収が行われる(ステップS58)。このようなダミーワークWdの供給(搬入)は、ダミー使用条件が解除されるまで同様に継続する(ステップS59,S60)。なお、前述したように、ダミーワーク供給処理と同時に作業者に警報を発する警報発生処理を行ってもよい。
よって、このような本実施形態に係るICカード製造システム1によれば、投入部2から順次投入された複数のワークWを予熱部3まで順次搬送可能な搬入バッファ部7及び冷却部5から順次送られた複数のワークWを取出部6まで順次搬送可能な搬出バッファ部8を設け、搬入バッファ部7における規定の位置XsにワークWが無いとき又は搬出バッファ部8における規定の位置Xtに空きが無いときに異常対応処理を行うようにしたため、人為的な要因による投入忘れ等が発生した場合であっても製造の中断を可及的に回避することができる。これにより、時間的な温度サイクルの変動に伴う加熱温度の変動を防止でき、製品の品質向上及び歩留まり率向上を図ることができる。また、作業性の向上を図ることができる。したがって、例えば、作業者が安易にシステム1から離れられないこと、安易に手を休められないことから休息をとったり他の作業が行いにくいこと、ワークの準備を完全に行わなければならないこと、などの作業性低下(不具合)を回避することができる。しかも、プレス機構から離れて作業を行うことができるため、安全性の向上にも寄与できる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、ワークWは、二枚の積層基材M…と三枚の表面形成パネル11…を用いた場合を例示したが、これらの枚数は任意に選択できるとともに、積層部材MのみをワークWとして用いる場合を排除するものではない。また、搬入バッファ部7として搬入コンベア13を用いるとともに、搬出バッファ部8として搬出コンベア15を用いる場合を例示したが、同様のバッファ機能を有する他の構成により置換することができる。さらに、一台の後段冷却部5rを例示したが、必要により二台以上の後段冷却部5r…を利用することができる。なお、製造システム1として、回転式のシステム本体部20を備えるシステムを例示したが、直進式のシステム本体部を備えるシステムなど、他の型式による製造システム1であっても同様に適用することができる。また、ICカードとは、製造において同様の精密性が要求される各種カード類を含む概念である。
1:製造システム,2:投入部,3:予熱部,4:熱圧着部,5:冷却部,5f:前段冷却部,5r:後段冷却部,6:取出部,7:搬入バッファ部,7e:搬入バッファ部の終端位置,8:搬出バッファ部,9:異常対応処理部,11表面形成パネル,11f:パネル面,12:ワーク搬送ロボット,13:搬入コンベア,14:ワークリフタ機構,15:搬出コンベア,16:ダミーワーク保有部,Hi:所定高さ,E:電子部品,Ca:シート生地材,Cb:シート生地材,M…:積層基材,W:ワーク,Wd…:ダミーワーク,Xs:規定の位置,Xt:規定の位置