JP4762801B2 - センサ、センシング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定光入射面上に接触させた試料によって、入射した測定光を異なる物理特性を呈する出射光として出射させて検出するセンサ、これを用いたセンシング装置及びセンシング方法に関するものである。
簡易にバイオセンシング等を行うセンサとして、局在プラズモンセンサが提案されている。局在プラズモンセンサは、金属の自由電子が光の電場に共鳴して振動することにより電場を生じる現象である局在プラズモン共鳴を利用したセンサであり、特に凹凸構造を有する金属層では、凸部の自由電子が光の電場に共鳴して振動することにより凸部周辺に強い電場を生じ、局在プラズモン共鳴が効果的に起こるとされている。
局在プラズモンセンサは装置構成が簡易であり、安価で構造上の制約が少ないという利点を有しているため、高精度化及び種々のセンシングへの適用を目指した局在プラズモンセンサの作製方法及びセンシング装置が開示されている(特許文献1、特許文献2等)。
特許第3452837号公報 特開2004−232027号公報
また、簡易な構成でありながら、局在プラズモン共鳴センサに比して検出感度が良好であり、高精度な分析が可能なセンサが本発明者により出願されている(特許文献3、特許文献4)。
特許文献3に記載のセンサは、測定光の入射側から、ナノスケールの金属メッシュ等の半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、金属等の反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えてなり、第1の反射体の平均複素屈折率と第2の反射体の平均複素屈折率と透光体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示すセンサであり、吸収特性に応じて変化する出射光の物理特性を検出するセンサである。第1の反射体及び第2の反射体の平均複素屈折率は、試料に接触させられることにより変化するため、吸収特性が変化することからセンシングを行うことができる。
特許文献3に記載のセンサは、透光体を2種類の反射体で挟んだ簡易なデバイス構造を有しており、安価で構造上の制約が少ない上、センシングを行う吸収特性の感度が高いため、高精度分析を実施することができる。また特許文献4に記載のセンサは、特許文献3に記載のセンサと同様の構成のセンサを複数の試料の同時分析が可能なマルチチャンネルセンサに適用したものである。
特願2005−173752号(出願時未公開) 特願2005−173976号(出願時未公開)
上記のようなセンサへの試料の接触形態は、直接センサ面に試料を塗布して接触させる形態、及び試料セルに試料を充填させて接触させる形態等が挙げられ、試料セル内に試料を流しながらセンシングを行うような場合は、フローセルを用いて接触させる必要がある。試料セル(フローセルを含む)を用いる形態では、試料セル内にセンサデバイスが備えられている場合とセンサ面上に試料セルが載置されている場合とがあるが、いずれの場合においても、試料セルにおいて測定光及びセンサからの出射光が透過する窓を有している。
上記のような窓を有する試料セルを用いたセンサには、測定光の光源と検出器がセンサ面に対して同じ側に配置されている反射型センサと、反対側に配置されている透過型センサがあり、反射型センサにおいては、試料セルの窓における反射光がセンサからの出射光に重畳されてしまい、センサの検出精度を低下させる恐れがある。
反射光は、ARコート等の反射防止加工を施すことにより抑制することができるが、試料セルの窓には測定光入射側の面とセンサデバイス側の面があり、測定光入射側の面においては反射防止加工が可能であるが、センサデバイス側の面においては接触している媒体の屈折率がセル内に充填されている試料によって変化するため反射防止加工を施すことが難しい。
特許文献1及び2に記載の局在プラズモンセンサは、いずれも透過型及び反射型のどちらの形態をとることもでき、反射型のセンサにおいて試料セルを用いた場合は、上記の窓における反射光による影響が存在する。しかしそれを低減する方法については記載されていない。また、本発明者により発明された、特許文献3及び4に記載のセンサにおいても同様である。
また、試料セルの窓における反射光による検出精度の低下は、局在プラズモンセンサや本発明者により発明された特許文献3及び4に記載のセンサに限らず、試料セルを有する反射型センサに総じて生じる現象である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、試料セルの窓における反射光による検出精度の低下を抑制した高精度なセンシングを行う新規のセンサ、これを用いたセンシング装置、及びセンシング方法を提供することを目的とするものである。
本発明のセンサは、測定光入射面を有し、該測定光入射面上に接触させた試料によって、前記測定光入射面に入射した光を異なる物理特性を呈する出射光として出射する光反射型センサデバイスと、該センサデバイスを備え、前記測定光と前記出射光を透過させる窓を有する試料セルとからなるセンサにおいて、前記出射光が、前記測定光の前記窓における反射光と区別して、検出器により検出されるように、前記測定光入射面と前記窓とが非平行に配置されていることを特徴とするものである。
ここで、「前記出射光が、前記測定光の前記窓における反射光と区別して、検出器により検出される」とは、検出器により検出される光の総光量に対して、測定光の窓における反射光の割合が5%未満であることを意味する。
本発明のセンサにおいて、前記反射光と前記出射光の光軸同士がなす角度θが、下記式(1)を充足することが好ましい。
θ > tan-1(r/L)・・・(1)
(式中Lは前記窓における前記出射光の出射点と前記出射光を検出する検出器の検出面中心との距離、rは該検出器の検出面の半径と反射光のビーム径の半径との和である。)
本発明のセンサにおいて、前記窓は、該窓の前記測定光が入射する側の面が反射防止加工されており、前記反射光は、前記窓の前記センサデバイス側の面で反射されたものであることが好ましい。
前記センサデバイスとしては、圧延したアルミ板を用いたもののように、前記測定光入射面及び/又はセンサデバイス内部において、前記測定光を回折させる構造を有し、前記出射光に回折光成分を含むものがあり、この場合には、前記出射光の前記センサデバイスの表面による回折光の成分の広がりが小さくなる方向に、前記反射光と前記出射光とを分離して検出することが好ましい。
また、前記センサデバイスとしては、局在プラズモンセンサデバイスが挙げられる。
また、前記センサデバイスとしては、前記測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、反射性有する第2の反射体とを順次備えた光共振体からなるセンサデバイスであり、前記測定光が前記光共振体に入射させられると共に、前記光共振体の構造に応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示す、干渉吸収センサデバイスが挙げられる。
干渉吸収センサデバイスの好適な態様としては、前記透光体が、前記第1の反射体側の面において開口した前記測定光の波長よりも小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体からなり、前記第1の反射体が、前記透光体の表面形状に沿って複数の微細孔を有して形成された金属層からなるものが挙げられる。かかる構成において、微細孔の少なくとも一部に金属が充填されていてもよいし、微細孔底部にのみ金属が充填されていてもよい。
透光性微細孔体としては、被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体が好ましく、この場合、前記第2の反射体は前記被陽極酸化金属体の非陽極酸化金属部分からなる。被陽極酸化金属体としてはAlを主成分とする金属が挙げられる。
本明細書において、「主成分」は、含量90質量%以上の成分と定義する。
本発明のセンシング装置は、上記本発明のセンサと、前記センサに前記測定光を照射する測定光照射手段と、前記出射光の前記物理特性を検出する検出器とを備えたことを特徴とするものである。
本発明のセンシング装置は、前記反射光を検出する検出器と、該検出器からの出力を用いて前記測定光照射手段の出力変動による前記出射光の出力誤差を補正する補正手段とを備えていることが好ましい。
本発明のセンシング方法は、測定光入射窓を有する試料セル内の光反射型センサデバイスの測定光入射面上に試料を接触させ、前記測定光入射面に入射した光を該試料により異なる物理特性を呈する出射光として出射させて検出するセンシング方法であって、前記測定光入射面と、前記窓とを非平行に配置して、前記センサデバイスからの出射光を、前記測定光の前記窓における反射光と区別して検出することを特徴とするものである。
本発明のセンシング方法においては、前記反射光を、前記測定光の出力変動による前記出射光の出力誤差を補正するモニタ光として使用することができる。
本発明のセンサは、測定光入射面上に接触させた試料によって、入射した測定光を異なる物理特性を呈する出射光として出射するセンサデバイスと、そのセンサデバイスを備え、測定光と出射光を透過させる窓を有する試料セルとからなるセンサであり、出射光が、測定光の試料セルの窓における反射光と区別して、検出器により検出されるように、測定光入射面と試料セルの窓とが非平行に配置されている。
かかる構成では、検出器により検出される光が、測定光の試料セルの窓における反射光をほとんど含まないため、センサデバイスからの出射光の検出精度を大きく向上させることができる。なお、センサデバイスの測定光入射側の面に反射防止加工を施し、センサデバイス側の面における反射光のみを対象とした場合は、双方の面で生じる反射光の影響を効果的に低減化することができる。
また、センサデバイスからの出射光と試料セルの窓における反射光との区別は、センサデバイスの測定光入射面と試料セルの窓とを非平行に配置するという簡易な配置調整により行うため、ミラー等の素子の追加を必要とせず、構成が簡易である。
また本発明のセンシング装置は、上記本発明のセンサと、センサに測定光を照射する測定光照射手段と、出射光の物理特性を検出する検出器とを備えた構成としている。かかる構成では、上記のとおり、本発明のセンサからの出射光の検出精度が高いため、高精度なセンシングを行うことができる。
なお、本発明のセンシング装置において、本発明のセンサによって分離された試料セルの窓における反射光を検出する検出器と、該検出器からの出力を用いて前記測定光照射手段の出力変動による前記出射光の出力誤差を補正する補正手段とを設けた場合は、精度低下の要因であった試料セルの窓からの反射光を更に有効利用し、測定光照射手段の出力変動による測定誤差が補正され、規格化できるので、より測定精度を向上させることができ、測定光照射手段として出力安定性の良好でない光源を用いた場合にも高い測定精度を維持することができる。
以下に、本発明について詳述する。
「センサ」
図1を参照して、本発明に係る一実施形態のセンサについて説明する。図1はセンサ1及び後記するセンシング装置2の構成を示す概略図である。図1では、視認しやすくするために構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図1に示す如く、本実施形態のセンサ1は、測定光L1と出射光L2を透過させる窓12を有する試料セル11内に光反射型センサデバイス10(以下、センサデバイス10とする)を備え、出射光L2が、検出器31により、測定光L1の窓12における反射光L3を検出する検出器32による検出と区別して検出されるように、測定光入射面Sと窓12とが非平行に配置された構成としている。
測定光L1は検出する物理特性に応じて選択され、単波長光でもブロード光でもよく、また複数の波長ピークを有する一つの光又は複数の光で構成されていてもよい。
センサ1において試料セル11は、試料Xが充填可能な金属等の非透光性材料からなるセル本体に、試料セル11の内部に備えられたセンサデバイス10の測定光入射面Sと対向する位置に透光性窓12が嵌め込まれたものであり、試料の充填形態は特に制限されず、試料Xを連続的に注入、排出するフローセルであってもよい。
センサデバイス10は、測定光入射面Sが試料セル11内に充填された試料Xに接触するように固定されていればよく、図示のように試料セル11の内部にデバイス全体が収容されていてもよいし、試料セル11の窓12と反対側の壁に嵌め込まれていてもよい(固定構造については図示略)。センサデバイス10は試料セル11に対して完全固定でも、着脱可能でもよい。
センサ1において、測定光入射面Sと窓12とは、出射光L2が反射光L3と区別して検出器31により検出される程度非平行に配置されている。出射光L2が反射光L3と区別して検出器31により検出される構成とするには、センサデバイス10を傾けることにより出射光L2の出射方向を変化させることができるので、出射光L2が反射光L3と区別して検出器31により検出される出射方向となるように窓12に対するセンサデバイス10の傾斜角度を調整すればよい。試料セル11において、窓12の設置角度が可変の場合は、窓12の設置角度を変化させることによっても出射光L2の出射方向を調整することができる。
出射光L2と反射光L3の分離に必要な傾斜の度合いは、検出器31とセンサ1の窓12との距離や反射光L3のビーム径、検出器31の検出面の大きさ等によって異なるので、これらのファクタに応じてセンサデバイス10の傾斜角度を設定することが好ましい。具体的には、検出器31の検出面31sの半径と反射光L3のビーム径の半径との和をrとし、センサ1の窓12の測定光入射側の面12sにおける出射光L2の出射点と検出面31sの中心との距離をLとした時に、出射光L2と反射光L3の光軸同士のなす角θが、下記式(1)を充足していることが好ましい。
θ > tan-1(r/L)・・・(1)
式(1)において、検出器31の検出面31sの形状が円でない場合、rは、検出面31sの分離方向の幅の半分の値と、反射光L3のビーム径の半径との和となる。また、反射光L3のビーム径は、例えば、ビームプロファイルがガウス分布である場合は、半値幅に相当する。
本発明のセンサ1において、反射光L3は、窓12の測定光入射側の面12sにおける反射光とセンサデバイス側の面12rにおける反射光とが重畳されたものであるので、反射防止加工が可能である測定光入射側の面12sはARコート等の反射防止加工を施されていることが好ましい。かかる構成とした場合は、反射光L3は、ほとんどが面12rにおける反射光と考えられるので、反射光L3のビーム径の広がりが小さくなり、出射光L2との分離が容易になり好ましい。
本発明のセンサ1において、センサデバイス10は、反射型のセンサデバイスであれば制限なく、局在プラズモンセンサデバイスや干渉吸収センサデバイス等が挙げられる。
センサデバイス10が、測定光入射面S及び/又はデバイス内部に、入射した測定光L1を回折させる構造を有している場合は、出射光L2に回折光成分を含んで一定方向にビーム径が広がるため、センサ1は、その広がりが小さくなる方向に出射光L2と反射光L3が分離されている構成であることが好ましい。
すなわち、センサデバイス10の表面及び/又は内部に、Alを圧延して作製された材料などが用いられている場合、図2に示されるように、その圧延方向に応じて入射された測定光L1は回折光を生じ、回折光成分を含んだ出射光L2となって出射される。出射光L2は回折光成分によってビームに広がりを有し、圧延方向に略垂直な方向に広がった出射光となる。
かかるデバイスにおいては、図3に示されるように、出射光L2の回折光による広がりの小さい方向に出射光L2の出射角度が変化するように、センサデバイス10及び/又は窓12の設置角度が調整された構成とすることにより、分離に必要な角度を小さくすることができ、測定系を小型化することができる。
ここでは、Alを圧延した材料を例に述べたが、測定光入射面S及び/又はデバイス内部に、入射した測定光L1を回折させる構造を有していれば同様の現象を生じることになり、例えば、他の金属等の圧延によるものや、ストライプ状の微細構造等を有している場合にもセンサ1は上記の構成とされることが好ましい。
センサデバイス10の好適な態様としては、図4に示される干渉吸収センサデバイス3が挙げられる。図4〜図7を参照して本実施形態のセンサデバイスの好適な態様である干渉吸収センサデバイス3について説明する。図4は干渉吸収センサデバイス3の斜視図、図5は製造工程図、図6は厚み方向断面図(図4のA−A’断面図)、図7は出射光のスペクトル例である。
図4に示す如く、干渉吸収センサデバイス3(以下センサデバイス3とする。)は、測定光L1の入射側(図示上側)から、半透過半反射性を有する第1の反射体50と、透光体60と、反射性を有する第2の反射体70とを順次備えたデバイス構造を有する。
透光体60は図5に示す被陽極酸化金属体(Al)80の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体(Al)81からなり、第2の反射体70は図5に示す被陽極酸化金属体80の非陽極酸化部分(Al)82からなり、反射性を有する。
被陽極酸化金属体80は、Alを主成分とするものが好ましいため、上記の通り、ここでは、透光体60の製造に用いる被陽極酸化金属体80は、Alを主成分とするものを例として説明するが、陽極酸化可能で生成される金属酸化物が透光性を有するものであれば、任意の金属が使用できる。Al以外では、Ti、Ta、Hf、Zr、Si、In、Zn等が使用できる。被陽極酸化金属体80は、陽極酸化可能な金属を2種以上含むものであってもよい。
透光体60は、第1の反射体50側から第2の反射体70側に延びる略ストレートな複数の微細孔61が開孔された透光性微細孔体である。複数の微細孔61は第1の反射体50側の面において開口し、第2の反射体70側は閉じられている。透光体60において、複数の微細孔61は測定光L1の波長より小さい径及びピッチで略規則的に配列されている。
陽極酸化は、被陽極酸化金属体80を陽極とし陰極と共に電解液に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施できる。被陽極酸化金属体80の形状は制限されず、板状等が好ましい。また、支持体の上に被陽極酸化金属体80が層状に成膜されたものなど、支持体付きの形態で用いることも差し支えない。陰極としてはカーボンやアルミニウム等が使用される。電解液としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。
図5に示す如く、被陽極酸化金属体80を陽極酸化すると、表面80sから該面に対して略垂直方向に酸化反応が進行し、金属酸化物体(Al)81が生成される。陽極酸化により生成される金属酸化物体81は、多数の平面視略正六角形状の微細柱状体81aが隙間なく配列した構造を有するものとなる。各微細柱状体81aの略中心部には、表面80sから深さ方向に略ストレートに延びる微細孔61が開孔され、各微細柱状体81aの底面は丸みを帯びた形状となる。陽極酸化により生成される金属酸化物体の構造は、益田秀樹、「陽極酸化法によるメソポーラスアルミナの調製と機能材料としての応用」、材料技術Vol.15,No.10、1997年、p.34等に記載されている。
規則配列構造の金属酸化物体81を生成する場合の好適な陽極酸化条件例としては、電解液としてシュウ酸を用いる場合、電解液濃度0.5M、液温14〜16℃、印加電圧40〜40±0.5V等が挙げられる。この条件で生成される微細孔61は例えば、径が5〜200nm、ピッチが10〜400nmである。
センサデバイス3において、第1の反射体50は透光体60への金属蒸着等により成膜され、透光体60の表面形状に沿って形成された金属層からなる。透光体60の微細孔61の開口箇所には金属が成膜されないので、第1の反射体50は略中心部に微細孔52を有する平面視略正六角状の金属体51が隙間なく配列した形状を呈する。第1の反射体50の微細孔52は透光体60の微細孔61と同じパターンで開孔されるので、微細孔52は測定光L1の波長より小さい径及びピッチで略規則的に配列されたものとなる。
第1の反射体50の材質としては、任意の反射性金属を使用でき、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、及びこれらの合金等が挙げられる。第1の反射体50はこれら反射性金属を2種以上含むものであってもよい。
上記のように第1の反射体50は反射性金属からなるが、空隙である微細孔52を複数有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。第1の反射体50は、略中心部に微細孔52を有する測定光L1の波長より小さい大きさの平面視略正六角状の金属体51が略規則的に配列されたものであるので、測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有するものとなっている。凹凸構造が光の波長よりも小さいサイズである場合、光に対しては薄膜であり、第1の反射体50は、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては半透過半反射性の薄膜として作用する。
また、センサデバイス3において、複数の微細孔61の底部には金属が充填されている。充填方法は特に制限されず、第1の反射体50の成膜時に同時に蒸着されてもよいし、電解メッキ法や、樹脂バインダを含む溶液として塗布して乾燥する方法等によって充填されてもよい。かかる構成では、微細孔61の底部において局在プラズモン共鳴を生じる。
局在プラズモン共鳴は、任意の金属において生じるので、微細孔61に充填される金属は制限されないが、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等が好ましく、金(Au)、銀(Ag)が特に好ましい。
センサデバイス3は、第1の反射体50及び第2の反射体70が、接触した試料によって平均複素屈折率が変わるセンシング体であり、第1の反射体50及び/又は第2の反射体70に試料を接触させて試料の分析を行うことができる。
特に、第1の反射体50は、平面視略正六角状の金属体51と微細孔52とからなる測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有しているので、第1の反射体50の試料による平均複素屈折率の変化がより高い感度で起こる。これは、第1の反射体50の凹凸構造によって測定光L1の振動等が効果的に起こることなどによると考えられる。したがって、少なくとも第1の反射体50側に試料を接触させて試料の分析を行うことが好ましい。
金属体51のピッチ(微細孔52のピッチ)は測定光L1の波長よりも小さい条件を充足すれば特に制限なく、測定光L1として可視光を用いる場合には例えば200nm以下が好ましい。金属体51のピッチが小さい方が感度の点で好ましい。
隣接する微細孔52の離間距離(隣接する微細孔52の間にある金属体51の幅W)は特に制限なく、感度の点で小さい方が好ましい。幅Wは、光によって金属中で振動する電子の平均自由行程以下であることが好ましく、具体的には50nm以下、特に30nm以下であることが好ましい。金属体51のピッチ及び幅Wが小さい方が、金属体51の表面特性が第1の反射体50の全体特性に反映されやすくなり、より高い感度が得られる。
センサデバイス3においては、図6に示す如く、センサデバイス3に測定光L1が入射すると、第1の反射体50の透過率又は反射率に応じて、一部は第1の反射体50の表面で反射され(図示略)、一部は第1の反射体50を透過して透光体60に入射する(透光体60内の微細孔及び底部等の詳細構造は図示略)。透光体60に入射した光は、第1の反射体50と第2の反射体70との間で反射を繰り返す。すなわち、センサデバイス3は、第1の反射体50と第2の反射体70との間で多重反射が起こる光共振体である。
かかるデバイスでは、多重反射光による多重干渉が起こり、共振条件を満たす特定波長の光が選択的に吸収される吸収特性を示す。共振条件は第1の反射体50の平均複素屈折率と第2の反射体70の平均複素屈折率と透光体60の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクタに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、その吸収特性に応じた測定光L1と異なる物理特性の出射光L2が出射される。
また、センサデバイス3においては、透光性の金属酸化物からなる微細柱状体61a内に形成され、デバイス内に波長以下のピッチで略規則的に配列している複数の微細孔61の底部に、金属が充填されている。従って、センサデバイス3は、粒径均一性が高く、配列も高い規則性を有した金属微細凹凸構造をデバイス内部に有していることになる。
局在プラズモン共鳴は、金属の自由電子が光の電場に共鳴して振動することで電場を生じる現象である。特に凹凸構造を有する金属層では、凸部の自由電子が光の電場に共鳴して振動することで凸部周辺に強い電場を生じ、局在プラズモン共鳴が効果的に起こり、更に凹凸構造の規則性が高いほどより効果的な局在プラズモン共鳴が得られるとされている。上記のとおり、センサデバイス3内部に有する金属微細凹凸構造は測定光L1の波長より小さく略規則的な凹凸構造を有するので、局在プラズモン共鳴が効果的に起こる。
局在プラズモン共鳴が生じる波長(共鳴波長)においては、測定光L1の散乱及び吸収が著しく増大し、センサデバイス3からの出射光強度が著しく低くなる。局在プラズモン共鳴波長及び測定光L1の散乱や吸収の程度は、センサデバイス3の表面の凹凸のサイズ、金属の種類及び表面に接触された試料の屈折率等に依存するので、センサ表面に接触された試料の物理特性により変化する。
第1の反射体50及び/又は第2の反射体70(好ましくは第1の反射体50)に試料を接触させると、反射体と試料との相互作用等によって試料が接触した反射体の平均複素屈折率(実効複素屈折率)が変わり、センサデバイス3の共振条件及び局在プラズモン共鳴条件が変化して、吸収特性が変化する。出射光L2の物理特性も、センサデバイス3の吸収特性によって変化するため、従って出射光L2の物理特性を検出することにより試料の分析を行うことができる。センサデバイス3においては、共振と局在プラズモン共鳴のそれぞれの吸収特性から、物理特性を検出することができるため、高精度な分析を行うことができる。
共振条件は、第1の反射体50の平均複素屈折率(n−ik)と第2の反射体70の平均複素屈折率(n−ik)と透光体60の平均複素屈折率(n−ik)及び厚みdとに応じて変わるが、第1の反射体50の平均複素屈折率と第2の反射体70の平均複素屈折率の変化による変動量は、透光体60の平均複素屈折率及び厚みdの変化による変動量に比して小さいため、多重干渉による共振波長は、数nmのオーダーの精度であれば、透光体60の厚みdによりほぼ決定することができる(−ik、−ik2、−ikは虚数部を示す。本実施形態では、透光体60の平均複素屈折率の虚数部は0であるのでn−ik=nとなる。)。
透光体60の厚みdと透光体60内の平均複素屈折率(n−ik)と共振波長λrとは、数nmオーダーの精度において下記式を略充足しており、従って、透光体60内の平均複素屈折率が同じものであれば、透光体60の厚みdを変えるだけで共振波長を変化させることができる。
d=(m+1)λr/2(n−ik
(式中、dは透光体60の厚み、λrは共振波長、n−ikは透光体60内の平均複素屈折率、mは整数である。)
透光体60が透光性微細孔体からなるので、「透光体60内の平均複素屈折率」とは、透光性微細孔体の複素屈折率とその微細孔内の物質(微細孔内の充填金属及び、試料等)の屈折率とを合わせて平均化した平均複素屈折率を意味する。
式中のmの値によって透光体60の厚みdは複数の値を有し、多重干渉による可視光波長領域の吸収ピーク波長が1つとなり検出が容易なことから300nm以下が好ましく、多重反射が効果的に起こりかつ多重干渉による吸収ピーク波長が可視光域で検出が容易なことから100nm以上が好ましい。ある特定の波長の光における出射光の物理特性を検出したい場合は、透光体60の厚みdにより共振波長を所望の波長にあわせることが容易にできる。
上記に記載の通り、透光体60の平均複素屈折率及び透光体60の厚みdの変化による影響に比してその程度は小さいものの、第1の反射体50及び第2の反射体70の平均複素屈折率や表面状態によっても、共振条件は影響を受けるため、第1の反射体50及び/又は第2の反射体70に試料が接触することにより、出射光の物理特性が変化する。
図7は、センサデバイス3の第1の反射体50に異なる試料A、Bを接触させたときの出射光L2のスペクトル例を示しており、試料を変えることで発光ピーク波長がλ1からλ2に変化する様子が示されている。図7に示されるスペクトルは、測定光L1として白色光を用いた場合のスペクトルである。
また、センサデバイス3において、局在プラズモン共鳴波長と共振波長とは重なる場合もあるし異なる場合もあり、センサデバイス3は、上記のとおり容易に共振波長を調整することが可能であるので、二つの吸収ピークを合わせた構成とすることも可能である。
センサデバイス3では、透光体60内における多重反射回数(フィネス)が最大となるよう、光インピーダンスマッチングを取ったデバイス構造とすることが好ましい。かかる構成とすることで、吸収ピークがシャープになり、より高精度な分析を実施でき、好ましい。
吸収特性によって変化する出射光L2の物理特性としては、出射光L2の光強度又は光強度の変化量、発光ピーク波長又は発光ピーク波長のシフト等が挙げられる。具体的なセンシング装置の構成例については後記する。
センサデバイス3では、試料の屈折率及び/又は濃度を分析することができ、試料の屈折率を分析して試料を同定することもできる。また、試料を接触させる反射体(第1の反射体50及び/又は第2の反射体70)に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから試料を接触させ、センサデバイス3に対して測定光L1を照射し出射光L2を検出することで、試料に含まれる特定物質の有無及び/又は特定物質の量を分析することもできる。特定物質/結合物質の組合せとしては抗原/抗体(いずれを結合物質としてもよい)等が挙げられ、本実施形態では抗原抗体反応等の経時的な分析も可能である。
センサデバイス3は以上のように構成されている。
センサデバイス3では、微細孔61の底部に金属を充填させた構成としているが、センサデバイス3は、第1の反射体50と第2の反射体70が測定光L1の波長より小さい微細凹凸構造を有する金属からなるので、微細孔61の底部に金属を充填させていない構成としても、その効果は金属を充填させた構成と比して小さいものの、第1の反射体50及び第2の反射体70において局在プラズモン共鳴を生じる。
本実施形態において、微細孔61の底部のみに金属が充填された構造を例示したが、微細孔61の内部全体又は一部に金属を充填された構造とすることもできる。微細孔61の内部全体に金属が充填された構成とした場合は、第1の反射体50が反射性となるため、デバイス内部での干渉吸収は生じないことになる。しかし、第1の反射体50は、表面に金属粒子が略規則的に配列した構造を有することになり、効果的な局在プラズモン共鳴を生じるため、この場合は後記するその他のセンサデバイス10の好適な態様である局在プラズモンデバイスとして用いることができる。
被陽極酸化金属体80をAlとした場合は、Alの圧延材料を使用する場合が多く、センサデバイス内部に回折光を生じる構造を有することになる。この場合、本実施形態のセンサ1は、出射光L2の回折光成分の広がりが小さくなる方向に出射光L2と反射光L3が分離している構成とされていることが好ましい。
センサデバイス3において、透光体60の微細孔61及び第1の反射体50の微細孔52が略規則配列されていることが好ましく、製造方法としては、簡易に略規則配列された微細孔を金属酸化物内に形成できる陽極酸化が好ましい。ただし、これら微細孔の配列はランダム配列でもよい。
また、センサデバイス3において、透光体60が金属酸化物体からなる透光性微細孔体である場合について述べたが、透光体60の材質は特に制限なく、ガラスやアルミナ等の透光性セラミック、アクリル樹脂やカーボネート樹脂等の透光性樹脂等が挙げられ、透光体内部における微細孔の有無は制限されない。
微細孔を有していない場合は、第1の反射体50を、金属細線により形成された規則的で測定光の波長より小さい格子状パターンを有する金属メッシュや、透光体60の表面に略同一径の複数の金属粒子をマトリクス状に規則配列して測定光の波長より小さい凹凸構造となるように固着させた金属層等とし、第2の反射体70を任意の金属からなるベタ金属層とすることにより、同様の効果を奏する干渉吸収センサを構成することができる。
本実施形態のセンサ1におけるセンサデバイス10のその他の好適な態様としては、局在プラズモンセンサが挙げられる。
局在プラズモンセンサとしては、(A)表面に局在プラズモン共鳴を起こす金属薄膜(金、銀等)が成膜されたもの(特開平9−257699号公報等)、(B)表面に微細な凹凸構造を有し、少なくともこの表面凹凸構造部が局在プラズモン共鳴を起こす金属からなるものが挙げられる。特に、表面凹凸構造部を有するタイプ(B)は、凸部の自由電子が光の電場に共鳴して振動することで、凸部周辺に強い電場が生じ、局在プラズモン共鳴が効果的に起こるとされている。
上記タイプ(B)の具体的態様としては、(B1)金属体の表面に多数の金属微粒子を固着させたもの(Takayuki Okamoto and Ichirou Yamaguchi, “Local plasmon sensor with gold colloid monolayers deposited upon glass substrates”, OPTICS LETTERS, Vol.25, No.6, 2000年3月15日, p.372-374等)、(B2)表面に凹凸を有する金属体の凹部に金属微粒子を固着させたもの(特開2004−232027号公報等)等が挙げられる。
例示したような局在プラズモンセンサにおいては、測定光を照射すると、ある特定波長において局在プラズモン共鳴が生じて測定光の散乱や吸収が著しく増大し、この特定波長については反射光の強度が著しく低くなる。この局在プラズモン共鳴が生じる波長(共鳴ピーク波長)、及び測定光の散乱や吸収の程度は、センサに接触させる試料の屈折率等に依存する。例えば、屈折率が大きい程、共鳴ピーク波長は長波長側にシフトし、測定光Lの散乱や吸収は増大する。したがって、(1)反射光の共鳴ピーク波長、(2)基本条件からの反射光の共鳴ピーク波長のシフト、(3)反射光の光強度等を検出することで、試料のセンシングが実施できる。
本実施形態のセンサ1は以上のように構成されている。
センサ1は、センサデバイス10が複数試料を同時に分析することが可能なマルチチャンネルセンサである場合にも適用することができる。この場合、センサ1は、分析を行うすべての領域からの出射光L2と反射光L3が分離されている構成となる。
「センシング装置」
図1を参照して、本発明に係る一実施形態のセンシング装置について説明する。
図1に示す如く、本実施形態のセンシング装置2は、本発明のセンサ1と、センサ1に測定光L1を照射する測定光照射手段20と、出射光L2と反射光L3とをそれぞれ検出器31と検出器32とにより区別して検出する検出手段30と、測定光L1の出力変動による出射光L2の出力誤差を、検出器32により検出される反射光L3の光強度により規格化する補正手段40及びデータ処理部41とから構成されている。
かかる構成では、精度低下の要因であった試料セルの窓からの反射光L3と区別して出射光L2を高精度に検出することができ、更に反射光L3を有効利用し、測定光照射手段20の出力変動に起因する測定誤差を、検出器32により検出される反射光L3の光強度により規格化することができるので、より測定精度を向上させることができる。なお、安定性の高いレーザダイオード等の安定性の高い光源を用いた場合など、光源の出力誤差の補正をする必要がない場合は、反射光L3の検出器32及び補正手段40は省略することも可能である。
測定光照射手段20は、光源21を含み、必要に応じて光源21からの出射光をセンサ1に導くための光学手段22を備えている。
光源21としては特に制限されず、単波長光でもブロード光でもよく、複数の光源から構成されていてもよい。一般的にセンサの光源としては出力安定性の良好な光源の方が好ましいとされているが、本実施形態のセンシング装置2は、出力安定性の良好でない光源を用いた場合にも、出力変動による測定誤差の補正手段40を備えているため、高い測定精度を維持することができる。従って、光源21として、発光ダイオード、スーパールミネッセンスダイオード、端面発光ダイオードのいずれか又はその組み合わせからなる光源を用いることもできる。
光学手段22は、必要に応じて備えられればよく、光源21からの出射光を平行光束とするコリメータレンズ及び/又は集光レンズ等を含む光学系が挙げられる。
本実施形態のセンシング装置2は、出射光L2の光強度又は光強度の変化量、発光ピーク波長又は発光ピーク波長のシフト等の物理特性を検出し、試料の屈折率及び/又は濃度を分析するもので、試料の屈折率を分析して試料を同定することもできる。また、センサ1の試料の接触側に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから試料を接触させ、センサ1に対して測定光L1を照射し出射光L2を検出することで、試料に含まれる特定物質の有無及び/又は特定物質の量を分析することもできる。
以下に本実施形態のセンシング装置の、検出する物理特性に応じた構成例を示す。
図8(a)〜(c)に示すセンシング装置4〜6はいずれも、図1と同様、本発明のセンサ1と、センサ1に測定光L1を照射する測定光照射手段20と、出射光L2の物理特性を検出する検出器31と反射光L3の光強度を検出する検出器32とからなる検出手段30と、測定光L1の出力変動による出射光L2出力誤差を、検出器32により検出される反射光L3の光強度により規格化する補正手段40及びデータ処理部41から構成されており、測定光照射手段20と検出手段30の組合せが各々異なっている(センサ1の構成については図示略)。図1においては測定光照射手段20の構成要素に光学手段22が含まれているが、光学手段22は必要に応じて備えられればよいので、図8においては省略する。図8(a)〜(c)において図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して説明は省略する。
センシング装置4は、測定光照射手段20が光源21からなり、光源21は、検出する物理特性により、ハロゲンランプ、キセノンランプ、クリプトンランプ等のブロード光源又はレーザ、発光ダイオード等の単波長光源の中から適宜選択される。
ブロード光源を選択した場合には、検出器31は分光器であり、出射光L2の分光スペクトルから、センサ1により吸収される光の吸収ピーク波長λ又は基準条件からの吸収ピーク波長λのシフトを検出して、試料の分析を行うことができる。(分光スペクトル及び吸収ピーク波長λは図7を参照)。
光源21を単波長光源とした場合には、検出器31はフォトダイオード等の光強度検出器であり、任意の波長の測定光L1について出射光L2の光強度を検出することで、試料の分析を行うことができる。また、単波長光源を用いる代わりに、測定光照射手段20をブロード光源及び光源21からの出射光から特定波長光のみを取り出す分光器等の波長分布可変手段とから構成しても、同様に試料の分析を行うことができる。
センシング装置5は、測定光照射手段20から、複数の波長ピークを有する測定光L1がセンサ1に照射され、出射光L2が波長別に検出されるように配置された複数の検出器31からの出力が補正手段40によりそれぞれ補正される構成としている。
センシング装置5において、測定光照射手段20は、複数の波長ピークを有する一つの光又は複数の光で構成される光源23からなり、光源23は、複数の波長を発光できる発光ダイオードや、同時照射可能な複数の単波長光源等により構成することができる。検出器31は光強度検出器であり、検出器31の前に、各波長に出射光L2を分ける分波手段33が設けられている。分波手段33は、ダイクロイックビームスプリッタとしてもよいし、ビームスプリッタと波長選択フィルタにより構成されていてもよい。かかる構成とした場合は、複数の波長の光強度の変化を同時に検出することで、測定波長毎の差分をとることができ、精度の良い分析を行うことができる。
センシング装置6は、測定光照射手段20が、光源21及び光源21からの出射光から特定波長光のみを取り出しかつ取り出す特定波長光の波長を経時的に変化させることが可能な分光器等の波長分布変化手段24からなり、検出器31が光強度検出器からなる装置である。センシング装置6において光源21はブロード光である。データ処理部41には、波長分布変化手段24から取り出される特定波長光の波長データと、光強度検出器31による光強度のデータを補正手段40によって規格化したものとが入力され、データ処理が行われる。
センシング装置6は、測定光照射手段20によってセンサ1に測定光L1として単波長光を照射すると共に経時的に照射する単波長光の波長を変化させ、検出器31によって出射光L2である反射光の光強度の変化を経時的に測定して、図7に示した分光スペクトルと同様のスペクトルを得、センサ1により吸収される光の吸収ピーク波長λ又は基準条件からの吸収ピーク波長λのシフトを検出して、試料の分析を行うものである。
以上例示したように、検出器31により、出射光L2の光強度又はその変化量、センサ1により吸収される光の吸収ピーク波長λ又はそのシフトのうち少なくとも一つを検出することで、試料の分析が実施できる。
本発明のセンサは、バイオセンサ等として好ましく利用できる。
本発明に係る実施形態のセンサ及びセンシング装置の構成図 Alの圧延材料表面に測定光を入射したときの回折現象を示す概略図 本発明に係る実施形態のセンサにおいて回折光の影響を考慮した場合の測定系構成図 本発明に係る実施形態のセンサにおける好適な態様のセンサデバイスの斜視図 (a)〜(c)は図4のセンサデバイスの製造工程図 図4のセンサデバイスの厚み方向断面図 図4のセンサデバイスから出射光スペクトル例 (a)〜(c)は本発明に係る実施形態のセンシング装置の構成を示す図
符号の説明
1 センサ
2、4〜6 センシング装置
10 光反射型センサデバイス
11 試料セル
12 窓
12s 測定光が入射する側の面
12r センサデバイス側の面
20 測定光照射手段
21 光源
22 光学手段
30 検出手段
31 検出器
32 検出器
33 分波手段
40 補正手段
3 干渉吸収センサデバイス(光共振体)
50 第1の反射体
52 微細孔
60 透光体
61 微細孔
70 第2の反射体
80 被陽極酸化金属体
81 金属酸化物体
82 非陽極酸化部分
L1 測定光
L2 出射光
L3 反射光
θ 出射光と反射光の光軸同士のなす角
X 試料
S 測定光入射面

Claims (14)

  1. 測定光入射面を有し、該測定光入射面上に接触させた試料によって、前記測定光入射面に入射した光を異なる物理特性を呈する出射光として出射する光反射型センサデバイスと、
    該センサデバイスを備え、前記測定光と前記出射光を透過させる窓を有する試料セルとからなるセンサにおいて、
    前記出射光が、前記測定光の前記窓における反射光と区別して、検出器により検出されるように、前記測定光入射面と前記窓とが非平行に配置されており、
    前記センサデバイスが、前記測定光入射面及び/又は前記センサデバイス内部において、前記測定光を回折させる構造を有し、前記出射光に回折光成分を含むセンサデバイスであり、前記出射光の前記回折光成分の広がりが小さくなる方向に、前記反射光と前記出射光とが分離されていることを特徴とするセンサ。
  2. 前記反射光と前記出射光の光軸同士がなす角度θが、下記式(1)を充足することを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
    θ > tan-1(r/L)・・・(1)
    (式中Lは前記窓における前記出射光の出射点と前記出射光を検出する検出器の検出面の中心との距離、rは該検出器の検出面の半径と前記反射光のビーム径の半径との和である。)
  3. 前記窓は、該窓の前記測定光が入射する側の面が反射防止加工されており、
    前記反射光は、前記窓の前記センサデバイス側の面で反射されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ。
  4. 前記センサデバイスが、局在プラズモンセンサデバイスであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセンサ。
  5. 前記センサデバイスが、
    前記測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、反射性有する第2の反射体とを順次備えた光共振体からなるセンサデバイスであり、
    前記測定光が前記光共振体に入射させられると共に、前記光共振体の構造に応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示す、干渉吸収センサデバイスであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセンサ。
  6. 前記透光体が、前記第1の反射体側の面において開口した前記測定光の波長よりも小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体からなり、前記第1の反射体は、前記透光体の表面形状に沿って複数の微細孔を有して形成された金属層から成ることを特徴とする請求項に記載のセンサ。
  7. 前記透光体は、被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体からなり、前記第2の反射体は前記被陽極酸化金属体の非陽極酸化金属部分からなり、前記第1の反射体は、前記透光体に成膜された金属層からなることを特徴とする請求項に記載のセンサ。
  8. 前記透光性微細孔体の前記複数の微細孔の少なくとも一部に、金属が充填されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のセンサ。
  9. 前記透光性微細孔体の前記複数の微細孔の底部に、金属が充填されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のセンサ。
  10. 前記被陽極酸化金属体が、Alを主成分とする材料により構成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のセンサ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のセンサと、
    前記センサに前記測定光を照射する測定光照射手段と、
    前記出射光の前記物理特性を検出する検出器とを備えたことを特徴とするセンシング装置。
  12. 前記センサは、前記出射光が前記反射光と区別して検出されるものであり、前記反射光を検出する検出器と、該検出器からの出力を用いて前記測定光照射手段の出力変動による前記出射光の出力誤差を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする請求項11に記載のセンシング装置。
  13. 前記測定光照射手段が光源を含み、該光源が発光ダイオード、スーパールミネッセンスダイオード、端面発光型発光ダイオードのいずれか又はその組み合わせからなることを特徴とする請求項11又は12に記載のセンシング装置。
  14. 前記光源が、複数の波長ピークを有する一つの光又は複数の光で構成されていることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載のセンシング装置。
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