JP2007101241A - センシング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成が簡易で検出感度が良好な新規のセンサを用いたセンシング装置を提供する。
【解決手段】半透過半反射性を有する第1の反射体11と、透光体12と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体13とを順次備えてなるセンサ10に対して、
波長選択手段が組み込まれた発振波長安定化手段を備えた測定光照射手段20により、センサ10の第1の反射体11側から測定光L1を入射させる。センサ10の構成とセンサ10に接触された試料17により決まるセンサ10の吸収特性に応じて変化する出射光L2の物理特性を出射光検出手段30により検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定光が入射されると共に測定光が試料によって物理特性の異なる出射光となって出射され検出されるセンサを用いたセンシング装置に関するものである。
生体分子の分析等に使用されるセンサとして、表面プラズモン共鳴によって特定波長の反射光の光強度が減衰する現象を利用するセンサが提案されており、プリズム状の誘電体ブロックとその表面に形成され試料に接触させられる金属膜とを基本構成とする表面プラズモンセンサが開示されている(特許文献1等)。このセンサは、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じるようにセンサに測定光を照射し、上記界面で全反射した反射光の強度を測定して全反射減衰の状態を検出することで、試料の屈折率や濃度、試料の同定等を実施するものである。
上記表面プラズモンセンサではプリズム状の誘電体ブロックが必要であるため、高コストで、また構造上の制約が大きく小型化や多数試料の同時分析への対応が難しい。そこで、局在プラズモン共鳴によって特定波長の反射光の光強度が減衰する現象を利用するセンサが提案されており、基板の表面に局在プラズモン共鳴を効果的に起こす金属微細凹凸構造を有する局在プラズモンセンサが開示されている(特許文献2、非特許文献1等)。
特開平06−167443号公報 特開2004−232027号公報 Takayuki Okamoto and Ichirou Yamaguchi, "Local plasmon sensor with gold colloid monolayers deposited upon glass substrates", OPTICS LETTERS, Vol.25, No.6, 2000年3月15日, p.372-374
上記局在プラズモンセンサでは、プリズム状の誘電体ブロックを必要としないため、表面プラズモンセンサに比して構成が簡易であり、安価で構造上の制約が少ない。しかしながら、局在プラズモンセンサでは、表面プラズモンセンサに比して検出感度が良好でなく高精度分析を行うことが難しい。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、表面プラズモンセンサに比して構成が簡易でしかも検出感度が良好な新規のセンサを用いたセンシング装置を提供することを目的とするものである。
本発明によるセンシング装置は、測定光が入射されると共に、測定光が試料によって物理特性の異なる出射光となって出射され検出されるセンサと、センサに測定光を照射する測定光照射手段と、出射光の物理特性を検出する検出手段とを備えてなるセンシング装置であり、センサが、測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えてなり、第1の反射体及び/又は第2の反射体が、試料に接触させられると共に試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、第1の反射体の平均複素屈折率と第2の反射体の平均複素屈折率と透光体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、第1の反射体及び/又は第2の反射体から吸収特性に応じて変化した出射光が出射されるものであり、測定光照射手段が、波長選択手段が組み込まれた発振波長安定化手段を備えたレーザを用いたものであることを特徴とするものである。
本明細書において、「半透過半反射性」とは透過性と反射性を共に有することを意味し、透過率と反射率は任意である。
上記のセンサにおいては、試料に接触させられる第1の反射体及び/又は第2の反射体は、測定光の波長よりも小さい凹凸構造を有するものであることが好ましい。
本明細書において、「測定光の波長よりも小さい凹凸構造」とは、凸部及び凹部(ここで言う「凹部」には反射体を厚み方向に貫通する空隙も含まれる)の平均的な大きさ(ここで言う「大きさ」は最大幅を示す)と平均的なピッチが測定光の波長よりも小さいことを意味する。
上記センサの好適な態様としては、試料に接触させられる第1の反射体及び/又は第2の反射体が、透光体の表面に金属がパターン形成された金属層からなるものが挙げられる。
上記センサの他の好適な態様としては、試料に接触させられる第1の反射体及び/又は第2の反射体が、透光体の表面に複数の金属粒子が固着された金属層からなるものが挙げられる。
上記センサの他の好適な態様としては、第1の反射体が、試料に接触させられると共に試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、透光体が、第1の反射体側の面において開口した測定光の波長よりも小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体からなり、第1の反射体が、透光体の表面形状に沿って複数の微細孔を有して形成された金属層からなるものが挙げられる。
上記の測定光照射手段に用いるレーザとしては、装置を小型軽量化する上で有利な半導体レーザを好適に用いることができる。そしてその場合、発振波長安定化手段としては、例えば半導体レーザから射出されたレーザビームの一部を半導体レーザにフィードバックさせる光学系と、このフィードバックされるレーザビームの波長を選択する回折格子(グレーティング)やバンドパスフィルタ等の波長選択手段とからなるものを用いることができる。
上記の波長選択手段を例えばバルクグレーティングから構成する場合は、上述の光フィードバックを行なう光学系を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームの光路に配されてレーザビームの一部を分岐させる光分岐手段と、この光分岐手段で分岐されたレーザビームを逆向きの光路を辿るように反射させる反射型グレーティングとから構成し、この反射型グレーティングを波長選択手段として兼ねて用いることができる。
また、光フィードバックを行なう光学系および波長選択手段を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームの光路に配されてレーザビームの一部を反射させる部分反射型グレーティングによって構成することも可能である。
さらに、光フィードバックを行なう光学系および波長選択手段を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームとは反対方向に出射した後方出射光を反射させる反射型グレーティングによって構成することも可能である。
一方、上記の波長選択手段を例えば狭透過帯域バンドパスフィルタから構成する場合は、光フィードバックを行なう光学系を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームの光路に配されてレーザビームの一部を分岐させる光分岐手段と、この光分岐手段で分岐されたレーザビームを逆向きの光路を辿るように反射させるミラーとから構成し、このミラーと半導体レーザとの間のレーザビームの光路に狭透過帯域バンドパスフィルタを配して用いることができる。
また、光フィードバックを行なう光学系を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームの光路に配されてレーザビームの一部を反射させるハーフミラーから構成し、このハーフミラーと半導体レーザとの間のレーザビームの光路に狭透過帯域バンドパスフィルタを配して用いることもできる。
さらに、光フィードバックを行なう光学系を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームとは反対方向に出射した後方出射光を反射させるミラーから構成し、このミラーと半導体レーザとの間のレーザビームの光路に狭透過帯域バンドパスフィルタを配して用いることもできる。
また上記波長選択手段としては、コアに複数の屈折率変化部が等間隔に形成された光ファイバーからなり、レーザビームを反射回折させるファイバーグレーティングを適用することも可能である。
このようなファイバーグレーティングを適用する場合、例えば光フィードバックを行なう光学系を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームの光路に配されてレーザビームの一部を分岐させる光分岐手段と、この光分岐手段で分岐されたレーザビームを逆向きの光路を辿るように反射させるファイバーグレーティングとから構成し、このファイバーグレーティングを波長選択手段として兼ねて用いることができる。
また、上記の光フィードバックを行なう光学系および波長選択手段を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームの光路に配されてレーザビームの一部を反射させる部分反射型ファイバーグレーティングによって構成することもできる。
さらに、光フィードバックを行なう光学系および波長選択手段を、半導体レーザから誘電体ブロックに向かうレーザビームとは反対方向に出射した後方出射光を反射させるファイバーグレーティングによって構成することもできる。
他方、上述のような光フィードバックは行なわないで発振波長を安定化することもできる。例えば、光ビームを発生させる光源として、DFB(distributedfeedback:分布帰還型)レーザや、DBR(distributed Bragg reflector :分布ブラッグ反射型)レーザを用いることにより、発振波長を安定化することができる。
さらに、発振波長安定化手段は上述のものに限らず、その他、レーザの駆動電流や温度を電気的に精密に制御する手段等を用いることもできる。
上記の検出手段としては、出射光の光強度又は光強度の変化量、センサにより吸収される光の吸収波長又は吸収波長のシフトのうち少なくとも一つを検出するものが好ましい。
本発明のセンシング装置によれば、センサは、測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えたものであり、かかる構成では、第1の反射体を透過して透光体に入射した光が第1の反射体と第2の反射体との間で反射を繰り返して多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こる。多重干渉条件は第1の反射体の平均複素屈折率と第2の反射体の平均複素屈折率と透光体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、第1の反射体及び/又は第2の反射体から吸収特性に応じた測定光と異なる物理特性の出射光が出射される。第1の反射体及び/又は第2の反射体が、試料に接触させられると共に試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わるので、吸収特性によって変化する出射光の物理特性を検出することで、試料の分析を行うことができるものである。
このセンサは透光体を2種類の反射体で挟んだデバイス構造を有しており、表面プラズモンセンサに比してはるかに構成が簡易であり、安価で構造上の制約が少ない。またこのセンサでは、多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光に対して強い吸収が起こるので、局在プラズモンセンサに比して検出感度も高く、高精度分析を実施できる。
このようなセンサを用いて測定を行う場合、測定光の波長の変動に対して測定結果が敏感に変化し、それにより測定精度の低下を招くことが分かっているが、本発明においてはさらに測定光照射手段に波長選択手段が組み込まれた発振波長安定化手段を備えたレーザを用いることにより、測定光の波長の変動を抑制することができるため、十分に高い測定精度が実現される。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態のセンシング装置の構成について説明する。図1は上記センシング装置の概略構成図、図2(a)は上記センシング装置のセンサの斜視図、図2(b)は厚み方向断面図(A−A’断面図)、図2(c)は出射光のスペクトル例、図3は上記センシング装置の測定光照射手段の概略構成図である。
センシング装置1は、測定光L1が入射されると共に、測定光L1が試料17によって物理特性の異なる出射光L2となって出射され検出されるセンサ10と、センサ10および試料17を収容する試料セル15と、センサ10に測定光L1を照射する測定光照射手段20と、出射光L2の物理特性を検出する出射光検出手段30と、出射光検出手段30により検出された信号に基づいて試料17の分析を行うデータ処理手段40とから構成されている。
最初にセンサ10について説明する。図2(a)に示す如く、本実施の形態のセンサ10は、測定光L1の入射側(図示上側)から、半透過半反射性を有する第1の反射体11と、透光体12と、完全反射性を有する第2の反射体13とを順次備えたデバイス構造を有する。
透光体12は透光性平坦基板からなり、第1の反射体11は透光体12の一方の面に金属細線11aが規則的な格子状パターンで形成された金属層からなり、第2の反射体13は透光体12の他方の面に形成されたベタ金属層からなる。
透光体12の材質は特に制限なく、ガラスやアルミナ等の透光性セラミック、アクリル樹脂やカーボネート樹脂等の透光性樹脂等が挙げられる。
第1の反射体11及び第2の反射体13の材質としては、任意の反射性金属を使用でき、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、及びこれらの合金等が挙げられる。第1の反射体11及び第2の反射体13はこれら反射性金属を2種以上含むものであってもよい。
ベタ金属層である第2の反射体13は、例えば金属蒸着等により成膜できる。第1の反射体11は例えば、金属蒸着等によりベタ金属層を成膜した後、公知のフォトリソグラフィー加工を実施することで形成できる。
第1の反射体11は反射性金属からなるが、空隙であるパターン間隙11bを複数有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。第1の反射体11の金属細線11aの線幅及びピッチは測定光L1の波長よりも小さく設計されており、第1の反射体11は測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有するものとなっている。かかる測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造の第1の反射体11は、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては半透過半反射性の薄膜として作用する。
本実施の形態のセンサ10では、第1の反射体11及び第2の反射体13が、接触した試料によって平均複素屈折率が変わるセンシング体であり、第1の反射体11及び/又は第2の反射体13に試料を接触させて試料の分析を行うことができる。
特に、第1の反射体11は、金属細線11aとパターン間隙11bとの測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有しているので、第1の反射体11の試料による平均複素屈折率の変化がより高い感度で起こる。これは、第1の反射体11の凹凸構造によって測定光L1の振動等が効果的に起こることなどによると考えられる。したがって、少なくとも第1の反射体11側に試料を接触させて試料の分析を行うことが好ましい。
金属細線11aのピッチは測定光L1の波長よりも小さい条件を充足すれば特に制限なく、測定光L1として可視光を用いる場合には例えば200nm以下が好ましい。金属細線11aのピッチは小さい方が感度の点で好ましい。
金属細線11aの線幅は特に制限なく、感度の点で小さい方が好ましい。金属細線11aの線幅は光によって金属中で振動する電子の平均自由行程以下であることが好ましく、具体的には50nm以下、特に30nm以下であることが好ましい。
金属細線11aのピッチ及び線幅が小さい方が、1本の金属細線11aに占める表面の割合が相対的に大きくなるため、金属細線11aの表面特性が第1の反射体11の全体特性に反映されやすくなり、より高い感度が得られる。具体的には、金属細線11aのピッチ及び線幅が小さい方が、試料の相違による第1の反射体11の誘電率変化がより大きくなり、試料の相違による第1の反射体11の平均複素屈折率(実効複素屈折率)の変化がより大きくなり、より高い感度が得られる。
図2(b)に示す如く、センサ10に測定光L1が入射すると、第1の反射体11の透過率と反射率に応じて、一部は第1の反射体11の表面で反射され(図示略)、一部は第1の反射体11を透過して透光体12に入射する。透光体12に入射した光は、第1の反射体11と第2の反射体13との間で反射を繰り返す。すなわち、センサ10は、第1の反射体11と第2の反射体13との間で多重反射が起こる共振構造を有している。
かかるデバイスでは、多重反射光による多重干渉が起こり、特定波長の光が選択的に吸収される吸収特性を示す。多重干渉条件は第1の反射体11の平均複素屈折率と第2の反射体13の平均複素屈折率と透光体12の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。そして、吸収特性に応じた測定光L1と異なる物理特性の出射光L2が出射される。本実施の形態のセンサ10は、第2の反射体13が完全反射性を有するので、出射光L2が第1の反射体11からのみ出射される反射型センサである。
第1の反射体11の平均複素屈折率をn−ik、透光体12の平均複素屈折率をn、第2の反射体13の平均複素屈折率をn−ik、透光体12の厚みをdとする(−ik、−ikは虚数部を示す。本実施の形態では、透光体12の平均複素屈折率の虚数部は0である。)。第1の反射体11で反射されたときの位相ずれφ1、第2の反射体13で反射されたときの位相ずれφ2は、各々下記式で表される。
φ1=tan−1[2n/(n −n −k )]
φ2=tan−1[2n/(n −n −k )]
多重干渉により吸収される光のピーク波長λは、下記式で表される。
λ=4πnd/(2π−φ1−φ2)
特に、第1の反射体11、透光体12、第2の反射体13のうち少なくとも1つを複素誘電率の虚数部が0でない光吸収体により構成すると、吸収ピークがシャープになり、特定波長の光に対して強い吸収を示すものとなる。本実施の形態では、金属層である第1の反射体11及び第2の反射体13が虚数部が0でない光吸収体である。
透光体12の厚みdは制限なく、多重干渉による可視光波長領域の吸収ピーク波長が1つとなり検出が容易なことから300nm以下が好ましく、多重反射が効果的に起こりかつ多重干渉による吸収ピーク波長が可視光域で検出が容易なことから100nm以上が好ましい。
センサ10では、透光体12内における多重反射回数(フィネス)が最大となるよう、光インピーダンスマッチングを取ったデバイス構造とすることが好ましい。かかる構成とすることで、吸収ピークがシャープになり、より高精度な分析を実施でき、好ましい。
第1の反射体11及び/又は第2の反射体13(好ましくは第1の反射体11)に試料を接触させると、反射体と試料との相互作用等によって試料が接触した反射体の平均複素屈折率(実効複素屈折率)が変わり、多重干渉条件が変わる。すなわち、試料によって多重干渉による吸収特性が変わる。
測定光L1として白色光を照射し、第1の反射体11に異なる試料A、Bを接触させたときの反射光スペクトル例(出射光スペクトル例)を図2(c)に示す。図2(c)には、試料を変えることで、吸収ピーク波長λがλ1からλ2に変化する様子が示されている。
センサ10では、吸収特性によって変化する出射光L2の物理特性を検出することで、試料の分析を行うことができる。吸収特性によって変化する出射光L2の物理特性としては、出射光L2の光強度又は光強度の変化量、センサ10により吸収される光の吸収波長又は吸収波長のシフト等が挙げられる。具体的なセンシング装置の構成例については後記する。
上記センサ10では、試料の屈折率及び/又は濃度を分析することができ、試料の屈折率を分析して試料を同定することもできる。また、試料を接触させる反射体(第1の反射体11及び/又は第2の反射体13)に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから試料を接触させ、センサ10に対して測定光L1を照射し出射光L2を検出することで、試料に含まれる特定物質の有無及び/又は特定物質の量を分析することもできる。特定物質/結合物質の組合せとしては抗原/抗体(いずれを結合物質としてもよい)等が挙げられ、本実施の形態では抗原抗体反応等の経時的な分析も可能である。
本実施の形態のセンサ10は以上のように構成されている。
本実施の形態のセンサ10は、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体11と透光体12と完全反射性を有する第2の反射体13とを順次備えたものである。
かかる構成では、第1の反射体11を透過して透光体12に入射した光が第1の反射体11と第2の反射体13との間で反射を繰り返して多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こる。本実施の形態のセンサ10において、多重干渉条件は第1の反射体11の平均複素屈折率と第2の反射体13の平均複素屈折率と透光体12の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、第1の反射体11から吸収特性に応じた測定光L1と異なる物理特性の出射光L2が出射される。
本実施の形態のセンサ10においては、第1の反射体11及び/又は第2の反射体13が、試料に接触させられると共に試料によって平均複素屈折率が変化するものである。かかる構成では、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わるので、吸収特性によって変化する出射光L1の物理特性を検出することで、試料の分析を行うことができる。
本実施の形態のセンサ10は透光体12を2種類の反射体11、13で挟んだデバイス構造を有しており、表面プラズモンセンサに比してはるかに構成が簡易であり、安価で構造上の制約が少ない。
本実施の形態のセンサ10では、多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光に対して強い吸収が起こるので、局在プラズモンセンサに比して検出感度も高く、高精度分析を実施できる。
本実施の形態のセンサ10ではさらに、第1の反射体11と第2の反射体13が自由電子を有する金属からなるので、第1の反射体11と第2の反射体13の表面で局在プラズモン共鳴を起こすことができる。
局在プラズモン共鳴は、金属の自由電子が光の電場に共鳴して振動することで電場を生じる現象である。特に凹凸構造を有する金属層では、凸部の自由電子が光の電場に共鳴して振動することで凸部周辺に強い電場を生じ、局在プラズモン共鳴が効果的に起こるとされている。本実施の形態では、第1の反射体11が測定光L1の波長より小さい凹凸構造を有するので、局在プラズモン共鳴が効果的に起こる。
局在プラズモン共鳴が生じる波長については、測定光L1の散乱や吸収が著しく増大し、この特定波長については反射光の強度が著しく低くなる。この局在プラズモン共鳴が生じる光波長(共鳴ピーク波長)、及び測定光L1の散乱や吸収の程度は、センサ10の表面にある試料の屈折率等に依存する。
通常、多重干渉による吸収ピークと局在プラズモン共鳴による吸収ピークとは異なる波長に現れるので、本実施の形態のセンサ10では、多重干渉現象と局在プラズモン共鳴現象による物理変化を各々検出することで、より高精度な分析を実施することも可能である。図2(c)では局在プラズモン共鳴による吸収ピークを省略してある。なお、多重干渉による吸収ピークと局在プラズモン共鳴による吸収ピークは重なる場合もある。
第1の反射体11及び第2の反射体13の材質としては、上記の如く、局在プラズモン共鳴によるセンシングも実施できることから金属が好ましいが、金属以外の反射性材料を用いてもよい。
本実施の形態では、第1の反射体11が規則的な格子状パターンの場合について説明したが、第1の反射体11のパターン形状は任意であり、ランダムパターンでもよい。ただし、構造規則性が高い方が共振構造の面内均一性が高く、特性が集約されるので、感度等の点で好ましい。
試料セル15は、センサ10および試料17を収容するものであり、上記センサ10の第1の反射体11及び第2の反射体13が試料セ試料17に接触するよう、センサ10が試料セル15内に固定されたものである(固定構造については図示略)。センサ10は、試料セル15に対して完全固定でも着脱自在でもよい。
試料セル15は、試料17が充填可能な金属等の非透光性材料からなるセル本体を主とし、測定光L1および出射光L2に対して透過性を有する透光性窓16がセル本体に嵌め込まれたものである。透光性窓16はセンサ10の第1の反射体11の対向部分に嵌め込まれている。
測定光照射手段20は、測定光としての光ビームL1を照射する半導体レーザ100と、光ビームL1を平行光化するコリメーターレンズ120と、発振波長安定化手段130とから構成されている。
発振波長安定化手段130について説明する。この発振波長安定化手段130は、光ビームL1の偏光を制御するλ/2板131と、このλ/2板131を通過した光ビームL1を一部反射、分岐させるビームスプリッタ132と、分岐された光ビームL1Rが入射する位置に配された反射型グレーティング(回折格子)133とから構成されている。
分岐されて反射型グレーティング133に入射した光ビームL1Rは、このグレーティング133において極めてスペクトルが狭い状態に波長選択されて、入射光路を逆向きに辿るように反射する。この光ビームL1Rはビームスプリッタ132およびλ/2板131を介して半導体レーザ100にフィードバックされる。このようにして、半導体レーザ100の後方端面と反射型グレーティング133とで外部共振器が構成される形となり、半導体レーザ100の発振波長は反射型グレーティング133の選択波長にロックされる。
以上のようにして半導体レーザ100の発振波長が安定化すると、発振波長変動により測定信号にノイズが発生することが防止され、試料分析に関して高い測定精度が実現される。
出射光検出手段30は、出射光L2の光強度を検出するフォトダイオードにより構成されている。
上記センシング装置1においては、測定光照射手段20および出射光検出手段30には必要に応じてコリメーターレンズ及び/又は集光レンズ等を含む導光光学系が備えられる。
上記のように構成されたセンシング装置1は、測定光照射手段20によってセンサ10に測定光L1として単波長光を照射し、出射光検出手段30によって出射光L2である反射光の光強度を検出して、試料の分析を行うものである。測定光L1の波長は任意である。図2(c)には、任意のある波長に着目したとき、試料によって波長の光強度が変わることが示されている。換言すれば、図2(c)には、任意の波長の測定光L1について出射光L2の光強度を検出することで、試料の分析を実施できることが示されている。
センシング装置1では、試料の屈折率及び/又は濃度を分析することができ、試料の屈折率を分析して試料を同定することもできる。
また、センサ10の試料の接触側に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから試料を接触させ、センサ10に対して測定光L1を照射し出射光L2を検出することで、試料に含まれる特定物質の有無及び/又は特定物質の量を分析することもできる。なお、この様にして測定を行った場合、特表平11−512518号公報、特表2002−517720号公報、もしくは特表2003−527606号公報等に記載されている方法により、試料中の特定物質とセンサ10に固定した結合物質とを分離することによって、センサ10を再利用することが可能である。
なお、上記のような反射型のセンサ10を用いたセンシング装置1では、出射光検出手段30は、第1の反射体11から出射された出射光L2の散乱光等の非正反射成分のみを受光して出射光L2の検出を行う構成とすることが好ましい。正反射成分は光強度が強すぎて本来検出したい特性が良好に検出されない恐れがあるが、散乱光等の微弱な光を検出することで、より高精度な分析を実施することができる。また、同様の理由から、測定光照射手段20はセンサ10の光入射面に対して非垂直方向から測定光L1を照射する位置に配置されていることが好ましい。
また、本実施の形態において試料セル15の構成は上記に限るものではなく、第1の反射体11から出射光L2が出射される反射型センサ又は半透過半反射型センサでは、第2の反射体13のみが試料セル15内の試料17に接触するように試料セル15を構成する等、種々の態様とすることができる。
次に、図4を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なおこれ以降に説明する実施の形態の装置は全て、図1および図3に示したセンシング装置と比べると、基本的に発振波長安定化手段のみが異なるものであり、その他は同様に構成されている。また図4において、図3中のものと同等の要素については同番号を付し、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する(以下、同様)。
この第2の実施の形態の装置の発振波長安定化手段130Aは、光フィードバックを行なう光学系および波長選択手段を兼ねる部分反射型グレーティング134によって構成されている。この部分反射型グレーティング134は、半導体レーザ100からセンサ10に向かう光ビームL1の光路に配されて、光ビームL1の一部を反射させる。
この反射した光ビームL1は半導体レーザ100にフィードバックされ、それにより半導体レーザ100の発振波長は、部分反射型グレーティング134の選択波長にロックされる。
次に、図5を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態の装置の発振波長安定化手段130Bは、反射型グレーティング133およびコリメーターレンズ135によって構成されている。
反射型グレーティング133は、コリメーターレンズ135とともに光フィードバックを行なう光学系を構成する一方、波長選択手段も兼ねている。すなわち、半導体レーザ100からセンサ10とは反対方向に出射した後方出射光L1Qは、コリメーターレンズ135によって平行光化された後、反射型グレーティング133に入射する。
この反射型グレーティング133で反射した後方出射光L1Qは半導体レーザ100にフィードバックされ、それにより半導体レーザ100の発振波長が、反射型グレーティング133の選択波長にロックされる。
次に、図6を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態の装置の発振波長安定化手段140は、ビームスプリッタ132により分岐された光ビームL1Rが入射する位置に配された狭透過帯域バンドパスフィルタ141と、そこを透過した光ビームL1Rを集光する集光レンズ142と、この集光レンズ142による光ビームL1Rの収束位置に配設されたミラー143とで構成されている。
光ビームL1Rは上記狭透過帯域バンドパスフィルタ141により、極めてスペクトルが狭い状態に波長選択された後、ミラー143で反射して入射光路を逆向きに辿る。この光ビームL1Rはビームスプリッタ132およびλ/2板131を介して半導体レーザ100にフィードバックされる。それにより、半導体レーザ100の発振波長が狭透過帯域バンドパスフィルタ141の選択波長にロックされ、この場合も高い測定精度が実現される。
なお、上記ビームスプリッタ132の代わりに、ハーフミラーを用いることも可能である。
次に、図7を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態の装置の発振波長安定化手段140Aは、半導体レーザ100からセンサ10に向かう光ビーム(レーザビーム)L1の光路に順次配された狭透過帯域バンドパスフィルタ141、集光レンズ144、ハーフミラー145およびコリメーターレンズ146から構成されている。
集光レンズ144およびハーフミラー145は光フィードバックを行なう光学系を構成している。つまり光ビームL1の一部は、集光レンズ144による収束位置に配されたハーフミラー145で反射して、半導体レーザ100にフィードバックされる。
その際光ビームL1は、狭透過帯域バンドパスフィルタ141により波長選択されて半導体レーザ100にフィードバックされる。それにより、半導体レーザ100の発振波長が狭透過帯域バンドパスフィルタ141の選択波長にロックされ、この場合も高い測定精度が実現される。
次に、図8を参照して本発明の第6の実施の形態について説明する。この第6の実施の形態の装置の発振波長安定化手段140Bは、半導体レーザ100から出射する後方出射光L1Qを平行光化するコリメーターレンズ147と、コリメーターレンズ147を通過した後の後方出射光L1Qの光路に配された狭透過帯域バンドパスフィルタ141と、そこを透過した後方出射光L1Qを集光する集光レンズ142と、この集光レンズ142による後方出射光L1Qの収束位置に配設されたミラー143とで構成されている。
上記集光レンズ142およびミラー143は、光フィードバックを行なう光学系を構成し、狭透過帯域バンドパスフィルタ141は波長選択手段を構成している。すなわち、後方出射光L1Qは上記狭透過帯域バンドパスフィルタ141により波長選択され、ミラー143で反射して入射光路を逆向きに辿り、半導体レーザ100にフィードバックされる。それによりこの場合も、半導体レーザ100の発振波長が狭透過帯域バンドパスフィルタ141の選択波長にロックされる。
次に、図9を参照して本発明の第7の実施の形態について説明する。この第7の実施の形態の装置の発振波長安定化手段150は、半導体レーザ100から出射した光ビームL1を一部反射、分岐させるビームスプリッタ151と、分岐された光ビームL1Rを反射させるミラー152と、そこで反射した光ビームL1Rを集光する集光レンズ153と、この集光レンズ153による光ビームL1Rの収束位置に一端面が位置するように配された反射型ファイバーグレーティング154とから構成されている。
反射型ファイバーグレーティング154は、クラッド内にそれよりも高屈折率のコアが埋め込まれてなり、そしてコアには複数の屈折率変化部が等間隔に形成された光ファイバーである。この反射型ファイバーグレーティング154は、一例としてクラッド外径が125μm、コア径が約10μmの光通信用光ファイバーのコアに、紫外域のエキシマレーザ光を用いて二光束干渉露光により干渉縞を形成させ、コアの光が照射された部分の屈折率を変化(上昇)させることにより作成される。なおこの屈折率変化は、コアにドープされている酸化ゲルマニウムが紫外線照射により化学変化を起こすことによって生じると考えられている。
集光レンズ153により集光された光ビームL1Rは、反射型ファイバーグレーティング154の端面からコア内に入射し、そこを伝搬する。コアに形成された上記屈折率変化部は、光ビームL1Rの伝搬方向に沿ったグレーティング(回折格子)を構成している。このグレーティングは、コアを伝搬する光ビームL1Rのうち、その周期に対応した特定波長の光のみを反射回折させ、半導体レーザ100にフィードバックさせる。そこで、半導体レーザ100の発振波長が反射型ファイバーグレーティング154の選択波長にロックされる。
次に、図10を参照して本発明の第8の実施の形態について説明する。この第8の実施の形態の装置の発振波長安定化手段150Aは、半導体レーザ100から出射した光ビームL1を集光する集光レンズ155と、ファイバーカップラを構成する第1のファイバー156および第2のファイバー157とから構成されている。第1のファイバー156は前述したような屈折率変化部を有するものであり、第2のファイバー157は第1のファイバー156に結合されている。
上記第2のファイバー157に一端面側から入射してそこを伝搬する光ビームL1は、一部が両ファイバー156、157の結合部分において第1のファイバー156の方に移って、二系統に分岐される。第2のファイバー157を伝搬してその他端面から出射した光ビームL1は、測定光として用いられる。
一方、第1のファイバー156に移った光ビームL1は、該第1のファイバー156を伝搬してその屈折率変化部において反射回折する。反射回折した光ビームL1は、集光レンズ155を介して半導体レーザ100にフィードバックされ、半導体レーザ100の発振波長が第1のファイバー156の選択波長にロックされる。
次に、図11を参照して本発明の第9の実施の形態について説明する。この第9の実施の形態の装置の発振波長安定化手段150Bは、半導体レーザ100から出射した光ビームL1を集光する集光レンズ155と、この集光レンズ155による光ビームL1の収束位置に一端面が位置するように配された部分反射型ファイバーグレーティング158とから構成されている。
部分反射型ファイバーグレーティング158は、基本的に前記反射型ファイバーグレーティング154と同様のものであり、コアを伝搬する光ビームL1のうち、その周期に対応した特定波長の光のみを一部反射回折させ、半導体レーザ100にフィードバックさせる。そこで、半導体レーザ100の発振波長が部分反射型ファイバーグレーティング158の選択波長にロックされる。
なおこの場合、部分反射型ファイバーグレーティング158を透過した光ビームL1が、測定光として用いられる。
次に、図12を参照して本発明の第10の実施の形態について説明する。この第10の実施の形態の装置の発振波長安定化手段150Cは、半導体レーザ100から出射した後方出射光L1Qを収束させる集光レンズ159と、この集光レンズ159による後方出射光L1Qの収束位置に一端面が位置するように配された反射型ファイバーグレーティング154とから構成されている。
この反射型ファイバーグレーティング154で反射した後方出射光L1Qは半導体レーザ100にフィードバックされ、それにより半導体レーザ100の発振波長が、反射型ファイバーグレーティング154の選択波長にロックされる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明に用いるセンサは上記に限定されるものではなく、種々の態様に変更することができる。
例えば、図13に示すような態様としてもよい。図13(a)はセンサの斜視図、図13(b)はこのセンサの上面図である。本説明において、上記実施の形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
図13に示す如く、このセンサ10aは、上記実施の形態と同様、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体11と透光体12と完全反射性を有する第2の反射体13とを順次備えたデバイス構造を有する。
このセンサ10aが上記第1の実施の形態と異なる点は、上記実施の形態では第1の反射体11がパターン形成された金属層であったのに対して、第1の反射体11が透光体12の表面に略同一径の複数の金属粒子11cがマトリクス状に規則配列して固着された金属層からなる点である。金属粒子11cの材質は制限なく、上記実施の形態の第1の反射体11と同様の金属が例示できる。
第1の反射体11は反射性金属からなるが、空隙である粒子間隙11dを複数有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。金属粒子11cの径及びピッチは測定光L1の波長よりも小さく設計されており、第1の反射体11は測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有するものとなっているため、第1の反射体11は、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては半透過半反射性の薄膜として作用する。
このようなセンサ10aを用いても上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、図14に示すような態様としてもよい。図14はセンサの斜視図である。本説明において、上記実施の形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
図14に示す如く、このセンサ10bは、上記実施の形態と同様、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体11と透光体12と完全反射性を有する第2の反射体13とを順次備えたデバイス構造を有する。
このセンサ10bは上記実施の形態と異なり、透光体12は被陽極酸化金属体(Al)の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体(Al)からなり、第2の反射体13は被陽極酸化金属体の非陽極酸化部分(Al)からなる。第2の反射体13は完全反射性を有する。
透光体12は、第1の反射体11側から第2の反射体13側に延びる略ストレートな複数の微細孔12aが開孔された透光性微細孔体である。複数の微細孔12aは第1の反射体11側の面において開口し、第2の反射体13側は閉じられている。透光体12において、複数の微細孔12aは測定光L1の波長より小さい径及びピッチで略規則的に配列されている。
第1の反射体11は透光体12への金属蒸着等により成膜され、透光体12の表面形状に沿って形成された金属層からなる。透光体12の微細孔12aの開口箇所には金属が成膜されないので、第1の反射体11は略中心部に微細孔11fを有する平面視略正六角状の金属体11eが隙間なく配列した形状を呈する。第1の反射体11の微細孔11fは透光体12の微細孔12aと同じパターンで開孔されるので、微細孔11fは測定光L1の波長より小さい径及びピッチで略規則的に配列されたものとなる。
第1の反射体11は反射性金属からなるが、空隙である微細孔11fを複数有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。第1の反射体11は、略中心部に微細孔11fを有する測定光L1の波長より小さい大きさの平面視略正六角状の金属体11eが略規則的に配列されたものであるので、測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有するものとなっているため、第1の反射体11は、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては半透過半反射性の薄膜として作用する。
このようなセンサ10bを用いても上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、透光体12の製造に用いる被陽極酸化金属体の主成分としてAlのみを挙げたが、陽極酸化可能で生成される金属酸化物が透光性を有するものであれば、任意の金属が使用できる。Al以外では、Ti、Ta、Hf、Zr、Si、In、Zn等が使用できる。被陽極酸化金属体40は、陽極酸化可能な金属を2種以上含むものであってもよい。
また、第2の反射体13が完全反射性を有する場合について説明したが、被陽極酸化金属体の全体を陽極酸化する、あるいは、被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化し、さらに被陽極酸化金属体の非陽極酸化部分及びその近傍部分を除去することで、微細孔12aが透光体12を貫通する透光体12が得られる。微細孔12aが透光体12を貫通する透光体12に透光体12の表面形状に沿って第2の反射体13を形成すれば、第1の反射体11と同様に微細孔を有し半透過反射性を有する第2の反射体13を形成することができる。
また、図15に示すような態様としてもよい。図15はセンサの断面図である。本説明において、上記実施の形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
図15に示す如く、このセンサ10cは、上記実施の形態と同様、測定光L1の入射側から、第1の反射体11と透光体12と第2の反射体13とを順次備えたデバイス構造を有する。このセンサ10cが上記実施の形態と異なる点は、上記実施の形態では第2の反射体13がベタ金属層からなり完全反射性を有する反射体であったのに対して、第2の反射体13が第1の反射体11と同様に、金属細線13aが規則的な格子状パターンで形成された金属層からなり半透過半反射性を有する点である。この場合、第1の反射体11及び第2の反射体13がいずれも、測定光L1の波長より小さい凹凸構造を有するので、いずれに試料を接触させても、試料による反射体の平均複素屈折率の変化が高感度に起こる。
このようなセンサ10cを用いても上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上記以外にも、センサにおける第1の反射体11及び第2の反射体13の構成やこれらの組合せは本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更できる。例えば、センサ10、10a、10b、10cの形態を組み合わせて第1の反射体11及び第2の反射体13を構成し、センサを構成することができる。
また、上記のように第2の反射体13を半透過半反射性とした場合、センシング装置においては出射光L2を第2の反射体13側で検出するように構成してもよい。その場合、試料セル15の透光性窓16の位置や出射光検出手段30の配置等は、出射光L2の出射位置に合わせて適宜変更すればよい。
第1の実施の形態のセンシング装置の構成図 上記センシング装置のセンサの斜視図(a)、図2(a)中のA−A’線断面図(b)、上記センサから出射される出射光のスペクトル例(c) 上記センシング装置の測定光照射手段の構成図 第2の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第3の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第4の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第5の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第6の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第7の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第8の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第9の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 第10の実施の形態のセンシング装置の測定光照射手段の構成図 本発明のセンシング装置に用いることが可能なセンサの斜視図(a)、上面図(b) 本発明のセンシング装置に用いることが可能なその他のセンサの斜視図 本発明のセンシング装置に用いることが可能なその他のセンサの断面図
符号の説明
1 センシング装置
10 センサ
11 第1の反射体
12 透光体
13 第2の反射体
15 試料セル
16 透光性窓
17 試料
20 測定光照射手段
30 出射光検出手段
40 データ処理手段
100 半導体レーザ
130、130A、130B 発振波長安定化手段
131 λ/2板
132 ビームスプリッタ
133 反射型グレーティング
134 部分反射型グレーティング
135 コリメーターレンズ
140、140A、140B 発振波長安定化手段
141 狭透過帯域バンドパスフィルタ
142 集光レンズ
143 ミラー
144 集光レンズ
145 ハーフミラー
146、147 コリメーターレンズ
150、150A、150B、150C 発振波長安定化手段
151 ビームスプリッタ
152 ミラー
153、155、159 集光レンズ
154 反射型ファイバーグレーティング
156 第1のファイバー
157 第2のファイバー
158 部分反射型ファイバーグレーティング
L1 測定光
L2 出射光

Claims (1)

  1. 測定光が入射されると共に、該測定光が試料によって物理特性の異なる出射光となって出射され検出されるセンサと、
    該センサに前記測定光を照射する測定光照射手段と、
    前記出射光の物理特性を検出する検出手段とを備えてなるセンシング装置であり、
    前記センサが、前記測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えてなり、
    前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体が、前記試料に接触させられると共に該試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、
    前記第1の反射体の平均複素屈折率と前記第2の反射体の平均複素屈折率と前記透光体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体から前記吸収特性に応じて変化した前記出射光が出射されるものであり、
    前記測定光照射手段が、波長選択手段が組み込まれた発振波長安定化手段を備えたレーザを用いたものであることを特徴とするセンシング装置。
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