JP2007024870A - センサ、センシング装置、及びセンシング方法 - Google Patents

センサ、センシング装置、及びセンシング方法 Download PDF

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【課題】構成が簡易で検出感度が良好な新規のセンサを提供する。
【解決手段】センサS1は、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と、透光体20と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体30とを順次備えてなり、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30が、試料に接触させられると共に試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、第1の反射体10の平均複素屈折率と、第2の反射体30の平均複素屈折率と、透光体20の平均複素屈折率及び厚みとに応じて、特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性を含む光学特性により測定光L1の特性が変化されて、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30から出射光L2が出射されるものであり、上記光学特性に応じて変化する出射光L2の物理特性が検出されるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定光が入射されると共に測定光が試料によって物理特性の異なる出射光となって出射され検出されるセンサ、これを用いたセンシング装置及びセンシング方法に関するものである。
生体分子の分析等に使用されるセンサとして、表面プラズモン共鳴によって特定波長の反射光の光強度が減衰する現象を利用するセンサが提案されており、プリズム状の誘電体ブロックとその表面に形成され試料に接触させられる金属膜とを基本構成とする表面プラズモンセンサが開示されている(特許文献1等)。このセンサは、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じるようにセンサに測定光を照射し、上記界面で全反射した反射光の強度を測定して全反射減衰の状態を検出することで、試料の屈折率や濃度、試料の同定等を実施するものである。
上記表面プラズモンセンサではプリズム状の誘電体ブロックが必要であるため、高コストで、また構造上の制約が大きく小型化や多数試料の同時分析への対応が難しい。そこで、局在プラズモン共鳴によって特定波長の反射光の光強度が減衰する現象を利用するセンサが提案されており、基板の表面に局在プラズモン共鳴を効果的に起こす金属微細凹凸構造を有する局在プラズモンセンサが開示されている(特許文献2、非特許文献1等)。
特開平06−167443号公報 特開2004−232027号公報 Takayuki Okamoto and Ichirou Yamaguchi, "Local plasmon sensor with gold colloid monolayers deposited upon glass substrates", OPTICS LETTERS, Vol.25, No.6, 2000年3月15日, p.372-374
上記局在プラズモンセンサでは、プリズム状の誘電体ブロックを必要としないため、表面プラズモンセンサに比して構成が簡易であり、安価で構造上の制約が少ない。しかしながら、局在プラズモンセンサでは、表面プラズモンセンサに比して検出感度が良好でなく高精度分析を行うことが難しい。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、表面プラズモンセンサに比して構成が簡易でしかも検出感度が良好な新規のセンサ、これを用いたセンシング装置及びセンシング方法を提供することを目的とするものである。
本発明のセンサは、測定光が入射されると共に、該測定光が試料によって物理特性の異なる出射光となって出射され検出されるセンサにおいて、
前記測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えてなり、
前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体が、前記試料に接触させられると共に該試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、
前記第1の反射体の平均複素屈折率と、前記第2の反射体の平均複素屈折率と、前記透光体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて、特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性を含む光学特性により前記測定光の特性が変化されて、前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体から前記出射光が出射されるものであり、
前記光学特性に応じて変化する前記出射光の物理特性が検出されるものであることを特徴とするものである。
本明細書において、「半透過半反射性」とは透過性と反射性を共に有することを意味し、透過率と反射率は任意である。
本発明のセンサにおいて、前記試料に接触させられる前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体は、前記測定光の波長よりも小さい凹凸構造を有するものであることが好ましい。
本明細書において、「測定光の波長よりも小さい凹凸構造」とは、凸部及び凹部(ここで言う「凹部」には反射体を厚み方向に貫通する空隙も含まれる)の平均的な大きさ(ここで言う「大きさ」は最大幅を示す)と平均的なピッチが測定光の波長よりも小さいことを意味する。
本発明のセンサの好適な態様としては、前記試料に接触させられる前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体が、前記透光体の表面に金属がパターン形成された金属パターン層からなるものが挙げられる。
かかる態様では、前記吸収特性と前記金属パターン層における局在プラズモン共鳴現象とによって前記測定光の特性が変化されるセンサを提供することができる。
本発明のセンサの他の好適な態様としては、前記試料に接触させられる前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体が、前記透光体の表面に複数の金属粒子が固着された金属粒子層からなるものが挙げられる。
かかる態様では、前記吸収特性と前記金属粒子層における局在プラズモン共鳴現象とによって前記測定光の特性が変化されるセンサを提供することができる。
本発明のセンサの他の好適な態様としては、前記第1の反射体が、前記試料に接触させられると共に該試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、
前記透光体は、前記第1の反射体側の面において開口した前記測定光の波長よりも小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体からなり、
前記第1の反射体は、前記透光体の表面形状に沿って複数の微細孔を有して形成された金属層からなるものが挙げられる。
本発明のセンサの他の好適な態様としては、前記第1の反射体が、前記試料に接触させられると共に該試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、
前記透光体は、前記第1の反射体側の面において開口した前記測定光の波長よりも小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体からなり、前記第1の反射体は、前記透光体の表面形状に沿って複数の微細孔を有して形成された金属層からなり、
前記透光体の前記複数の微細孔の内部に、部分的に金属が充填されたものが挙げられる。
かかる態様では、前記吸収特性と、前記第1の反射体、前記第2の反射体、及び前記透光体の前記複数の微細孔の内部に部分的に充填された前記金属のうち、少なくとも一つで起こる局在プラズモン共鳴現象とによって、前記測定光の特性が変化されるセンサを提供することができる。
上記吸収特性は光の干渉効果によるものであるので、上記態様等では、光の干渉効果と局在プラズモン共鳴現象とによって測定光の特性が変化されるセンサを提供することができる。かかるセンサ自体も新規であり、本発明に含まれる。
本発明の試料セル付きセンサは、上記の本発明のセンサが前記試料を充填可能な試料セルに固定された試料セル付きセンサであって、前記センサの前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体が前記試料セル内の前記試料に接触するよう、前記センサが前記試料セルに固定されたものであることを特徴とするものである。
本発明のセンシング装置は、上記の本発明のセンサと、前記センサに前記測定光を照射する測定光照射手段と、前記出射光の前記物理特性を検出する検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
前記検出手段としては、前記出射光の光強度又は光強度の変化量、前記センサにより吸収される光の吸収波長又は吸収波長のシフトのうち少なくとも一つを検出するものが好ましい。
本発明のセンシング装置では、前記試料の屈折率及び/又は濃度を分析することができ、前記試料の屈折率を分析して前記試料を同定することもできる。
本発明のセンシング方法は、上記の本発明のセンサの前記試料の接触側に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから前記試料を接触させ、該センサに対して前記測定光を照射し、前記出射光の前記物理特性を検出して、前記試料に含まれる前記特定物質の有無及び/又は前記特定物質の量を分析することを特徴とするものである。
本発明のセンサは、測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えたものである。
かかる構成では、第1の反射体を透過して透光体に入射した光が第1の反射体と第2の反射体との間で反射を繰り返して多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こる。本発明のセンサにおいて、多重干渉条件は第1の反射体の平均複素屈折率と第2の反射体の平均複素屈折率と透光体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、第1の反射体及び/又は第2の反射体から吸収特性に応じた測定光と異なる物理特性の出射光が出射される。
本発明のセンサにおいては、第1の反射体及び/又は第2の反射体が、試料に接触させられると共に試料によって平均複素屈折率が変化するものである。かかる構成では、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わるので、吸収特性によって変化する出射光の物理特性を検出することで、試料の分析を行うことができる。
本発明のセンサは透光体を2種類の反射体で挟んだデバイス構造を有しており、表面プラズモンセンサに比してはるかに構成が簡易であり、安価で構造上の制約が少ない。
本発明のセンサでは、多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光に対して強い吸収が起こるので、従来の局在プラズモンセンサに比して検出感度も高く、高精度分析を実施できる。
「センサの第1実施形態」
図1を参照して、本発明に係る第1実施形態のセンサについて説明する。図1(a)は斜視図、図1(b)は厚み方向断面図(A−A’断面図)、図1(c)は出射光のスペクトル例である。
図1に示す如く、本実施形態のセンサS1は、測定光L1の入射側(図示上側)から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と、透光体20と、完全反射性を有する第2の反射体30とを順次備えたデバイス構造を有する。測定光L1は単波長光でもブロード光でもよく、検出する物理特性に応じて選択される。
透光体20は透光性平坦基板からなり、第1の反射体10は透光体20の一方の面に金属細線11が規則的な格子状パターンで形成された金属パターン層からなり、第2の反射体30は透光体20の他方の面に形成されたベタ金属層からなる。
透光体20の材質は特に制限なく、ガラスやアルミナ等の透光性セラミック、アクリル樹脂やカーボネート樹脂等の透光性樹脂等が挙げられる。
第1の反射体10及び第2の反射体30の材質としては、任意の反射性金属を使用でき、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、及びこれらの合金等が挙げられる。第1の反射体10及び第2の反射体30はこれら反射性金属を2種以上含むものであってもよい。
ベタ金属層である第2の反射体30は、例えば金属蒸着等により成膜できる。第1の反射体10は例えば、金属蒸着等によりベタ金属層を成膜した後、公知のフォトリソグラフィー加工を実施することで形成できる。
第1の反射体10は反射性金属からなるが、空隙であるパターン間隙12を複数有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。第1の反射体10の金属細線11の線幅及びピッチは測定光L1の波長よりも小さく設計されており、第1の反射体10は測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有するものとなっている。かかる測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造の第1の反射体10は、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては半透過半反射性の薄膜として作用する。
本実施形態のセンサS1では、第1の反射体10及び第2の反射体30が、接触した試料によって平均複素屈折率が変わるセンシング体であり、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30に試料を接触させて試料の分析を行うことができる。
特に、第1の反射体10は、金属細線11とパターン間隙12との測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有しているので、第1の反射体10の試料による平均複素屈折率の変化がより高い感度で起こる。これは、第1の反射体10の凹凸構造によって測定光L1の振動等が効果的に起こることなどによると考えられる。したがって、少なくとも第1の反射体10側に試料を接触させて試料の分析を行うことが好ましい。
金属細線11のピッチは測定光L1の波長よりも小さい条件を充足すれば特に制限なく、測定光L1として可視光を用いる場合には例えば200nm以下が好ましい。金属細線11のピッチは小さい方が感度の点で好ましい。
金属細線11の線幅は特に制限なく、感度の点で小さい方が好ましい。金属細線11の線幅は光によって金属中で振動する電子の平均自由行程以下であることが好ましく、具体的には50nm以下、特に30nm以下であることが好ましい。
金属細線11のピッチ及び線幅が小さい方が、1本の金属細線11に占める表面の割合が相対的に大きくなるため、金属細線11の表面特性が第1の反射体10の全体特性に反映されやすくなり、より高い感度が得られる。具体的には、金属細線11のピッチ及び線幅が小さい方が、試料の相違による第1の反射体10の誘電率変化がより大きくなり、試料の相違による第1の反射体10の平均複素屈折率(実効複素屈折率)の変化がより大きくなり、より高い感度が得られる。
図1(b)に示す如く、センサS1に測定光L1が入射すると、第1の反射体10の透過率と反射率に応じて、一部は第1の反射体10の表面で反射され(図示略)、一部は第1の反射体10を透過して透光体20に入射する。透光体20に入射した光は、第1の反射体10と第2の反射体30との間で反射を繰り返す。すなわち、センサS1は、第1の反射体10と第2の反射体30との間で多重反射が起こる共振構造を有している。
かかるデバイスでは、多重反射光による多重干渉が起こり、特定波長の光が選択的に吸収される吸収特性を示す。多重干渉条件は第1の反射体10の平均複素屈折率と第2の反射体30の平均複素屈折率と透光体20の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。そして、吸収特性に応じた測定光L1と異なる物理特性の出射光L2が出射される。本実施形態のセンサS1は、第2の反射体30が完全反射性を有するので、出射光L2が第1の反射体10からのみ出射される反射型センサである。
第1の反射体10の平均複素屈折率をn−ik、透光体20の平均複素屈折率をn、第2の反射体30の平均複素屈折率をn−ik、透光体20の厚みをdとする(k及びkは消衰係数であり、−ik及び−ikは虚数部を示す。本実施形態では、透光体20の平均複素屈折率の虚数部は0である。)。
本発明者は、測定光L1が略垂直入射光の場合、多重干渉により吸収される光のピーク波長(吸収ピーク波長)λは、透光体20の平均複素屈折率nと厚みdとに大きく依存し、これらは概ね下記式の関係にあることを見出している。すなわち、本発明者は、多重干渉による吸収ピーク波長λは下記式で表される波長の付近に現れ、下記式で表される波長の付近で、第1の反射体10の平均複素屈折率n−ikと、第2の反射体30の平均複素屈折率n−ikと、透光体20の平均複素屈折率n及び厚みdとに応じて変わることを見出している。
d≒(m+1)/2×λ、
λ≒(m+1)×2n
式中、mは任意の整数(0,±1,±2,・・・・)である。
特に、第1の反射体10、透光体20、第2の反射体30のうち少なくとも1つを複素誘電率の虚数部が0でない光吸収体により構成すると、吸収ピークがシャープになり、特定波長の光に対して強い吸収を示すものとなる。本実施形態では、金属層である第1の反射体10及び第2の反射体30が虚数部が0でない光吸収体である。
透光体20の厚みdは制限なく、多重干渉による可視光波長領域の吸収ピーク波長が1つとなり検出が容易なことから300nm以下が好ましく、多重反射が効果的に起こりかつ多重干渉による吸収ピーク波長が可視光域で検出が容易なことから100nm以上が好ましい。
センサS1では、透光体20内における多重反射回数(フィネス)が最大となるよう、光インピーダンスマッチングを取ったデバイス構造とすることが好ましい。かかる構成とすることで、吸収ピークがシャープになり、より高精度な分析を実施でき、好ましい。
第1の反射体10及び/又は第2の反射体30(好ましくは第1の反射体10)に試料を接触させると、反射体と試料との相互作用等によって試料が接触した反射体の平均複素屈折率(実効複素屈折率)が変わり、多重干渉条件が変わる。すなわち、試料によって多重干渉による吸収特性が変わる。
測定光L1として白色光を照射し、第1の反射体10に異なる試料A、Bを接触させたときの反射光スペクトル例(出射光スペクトル例)を図1(c)に示す。図1(c)には、試料を変えることで、吸収ピーク波長λがλ1からλ2に変化する様子が示されている。
センサS1では、吸収特性によって変化する出射光L2の物理特性を検出することで、試料の分析を行うことができる。吸収特性によって変化する出射光L2の物理特性としては、出射光L2の光強度又は光強度の変化量、センサS1により吸収される光の吸収波長又は吸収波長のシフト等が挙げられる。具体的なセンシング装置の構成例については後記する。
本実施形態のセンサS1では、試料の屈折率及び/又は濃度を分析することができ、試料の屈折率を分析して試料を同定することもできる。また、試料を接触させる反射体(第1の反射体10及び/又は第2の反射体30)に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから試料を接触させ、センサS1に対して測定光L1を照射し出射光L2を検出することで、試料に含まれる特定物質の有無及び/又は特定物質の量を分析することもできる。特定物質/結合物質の組合せとしては抗原/抗体(いずれを結合物質としてもよい)等が挙げられ、本実施形態では抗原抗体反応等の経時的な分析も可能である。
本実施形態のセンサS1は以上のように構成されている。
本実施形態のセンサS1は、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と透光体20と完全反射性を有する第2の反射体30とを順次備えたものである。
かかる構成では、第1の反射体10を透過して透光体20に入射した光が第1の反射体10と第2の反射体30との間で反射を繰り返して多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こる。本実施形態のセンサS1において、多重干渉条件は第1の反射体10の平均複素屈折率と第2の反射体30の平均複素屈折率と透光体20の平均複素屈折率及び厚みとに応じて変わるので、これらファクターに応じて特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、第1の反射体10から吸収特性に応じた測定光L1と異なる物理特性の出射光L2が出射される。
本実施形態のセンサS1においては、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30が、試料に接触させられると共に試料によって平均複素屈折率が変化するものである。かかる構成では、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わるので、吸収特性によって変化する出射光L2の物理特性を検出することで、試料の分析を行うことができる。
本実施形態のセンサS1は透光体20を2種類の反射体10、30で挟んだデバイス構造を有しており、表面プラズモンセンサに比してはるかに構成が簡易であり、安価で構造上の制約が少ない。
本実施形態のセンサS1では、多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光に対して強い吸収が起こるので、従来の局在プラズモンセンサに比して検出感度も高く、高精度分析を実施できる。
本実施形態のセンサS1ではまた、金属パターン層からなる第1の反射体10の表面で局在プラズモン共鳴を効果的に起こすことができる。
局在プラズモン共鳴は、金属の自由電子が光の電場に共鳴して振動することで電場を生じる現象である。特に凹凸構造を有する金属層では、凸部の自由電子が光の電場に共鳴して振動することで凸部周辺に強い電場を生じ、局在プラズモン共鳴が効果的に起こるとされている。本実施形態では、第1の反射体10が測定光L1の波長より小さい凹凸構造を有するので、局在プラズモン共鳴が効果的に起こる。
局在プラズモン共鳴が生じる波長については、測定光L1の散乱や吸収が著しく増大し、この特定波長については反射光の強度が著しく低くなる。この局在プラズモン共鳴が生じる光波長(共鳴ピーク波長)、及び測定光L1の散乱や吸収の程度は、センサS1の表面にある試料の屈折率等に依存する。
本実施形態では、光の干渉効果による上記吸収特性と、第1の反射体10における局在プラズモン共鳴現象とによって測定光L1の特性が変化されるセンサを提供することができる。かかるセンサでは、光の干渉効果による上記吸収特性に応じて変化する出射光L2の物理特性1と、局在プラズモン共鳴現象に応じて変化する出射光L2の物理特性2との双方を検出して、試料の分析を行うことができる。また、これらの物理特性1と物理特性2との相関関係を検出して、試料の分析を行うことができる。
通常、多重干渉による吸収ピークと局在プラズモン共鳴による吸収ピークとは異なる波長に現れるので、本実施形態のセンサS1では、多重干渉現象と局在プラズモン共鳴現象による物理変化を各々検出することで、より高精度な分析を実施することが可能である。図1(c)では局在プラズモン共鳴による吸収ピークを省略してある。なお、多重干渉による吸収ピークと局在プラズモン共鳴による吸収ピークは重なる場合もある。
第1の反射体10及び第2の反射体30の材質としては、上記の如く、局在プラズモン共鳴によるセンシングも実施できることから金属が好ましいが、金属以外の反射性材料を用いてもよい。
本実施形態では、第1の反射体10が規則的な格子状パターンの場合について説明したが、第1の反射体10のパターン形状は任意であり、ランダムパターンでもよい。ただし、構造規則性が高い方が共振構造の面内均一性が高く、特性が集約されるので、感度等の点で好ましい。
「センサの第2実施形態」
図2を参照して、本発明に係る第2実施形態のセンサについて説明する。図2(a)は第1実施形態の図1(b)に対応する断面図、図2(b)は出射光のスペクトル例である。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
図2(a)に示す如く、本実施形態のセンサS2は、第1実施形態と同様、測定光L1の入射側から、第1の反射体10と透光体20と第2の反射体30とを順次備えたデバイス構造を有する。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、第1実施形態では第2の反射体30がベタ金属層からなり完全反射性を有する反射体であったのに対して、第2の反射体30が第1の反射体10と同様に、金属細線31が規則的な格子状パターンで形成された金属パターン層からなり半透過半反射性を有する点である(第2の反射体30の斜視図は図1(a)の第1の反射体10と同様)。
本実施形態のセンサS2においても、第1の反射体10及び第2の反射体30が、接触した試料によって平均複素屈折率が変わるセンシング体であり、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30に試料を接触させて試料の分析を行うことができる。本実施形態では、第1の反射体10及び第2の反射体30がいずれも、測定光L1の波長より小さい凹凸構造を有するので、いずれに試料を接触させても、試料による反射体の平均複素屈折率の変化が高感度に起こる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1の反射体10と第2の反射体30との間で多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。第1の反射体10及び/又は第2の反射体30に試料を接触させると、試料を接触させた反射体の平均複素屈折率(実効複素屈折率)が変わるので、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わる。したがって、第2の反射体30が半透過半反射性を有する場合も、吸収特性によって変化する出射光L2の物理特性を検出することで、試料の分析を行うことができる。
第2の反射体30が完全反射性を有する第1実施形態では反射型センサのみが得られるのに対し、第2の反射体30が半透過半反射性を有する本実施形態では、第1の反射体10の平均複素屈折率と第2の反射体30の平均複素屈折率と透光体20の平均複素屈折率及び厚みとに応じて、第1の反射体10からのみ出射光L2が出射される反射型センサ、第2の反射体30からのみ出射光L2が出射される透過型センサ、第1の反射体10及び第2の反射体30から測定光L2が出射される半透過半反射型センサのいずれかとなる。
反射型センサ又は半透過半反射型センサにおいて、第1の反射体10から出射される出射光L2(反射光)のスペクトル例は第1実施形態と同様である。透過型センサ又は半透過半反射型センサにおいて、第2の反射体30側から出射される出射光L2(透過光)のスペクトル例を図2(b)に示す。図2(b)は吸収スペクトルである。図2(b)には、試料を変えることで、吸収ピーク波長λがλ1からλ2に変化する様子が示されている。
本実施形態のセンサS2では、第1の反射体10と第2の反射体30とがいずれも金属パターン層からなるので、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30の表面で局在プラズモン共鳴を効果的に起こすことができる。したがって、本実施形態では、光の干渉効果による上記吸収特性と、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30における局在プラズモン共鳴現象とによって測定光L1の特性が変化されるセンサを提供することができる。かかるセンサでは、光の干渉効果による上記吸収特性に応じて変化する出射光L2の物理特性1と、局在プラズモン共鳴現象に応じて変化する出射光L2の物理特性2との双方を検出して、試料の分析を行うことができる。また、これらの物理特性1と物理特性2との相関関係を検出して、試料の分析を行うことができる。
本実施形態のセンサS2は以上のように構成されており、第2の反射体30が半透過半反射性を有する点を除けば第1実施形態と基本的な構成は同様であるので、第1実施形態と同様の効果を奏する。本実施形態では、第1の反射体10及び第2の反射体30が同一パターンからなる場合について説明したが、異なるパターンでもよい。
「センサの第3実施形態」
図3を参照して、本発明に係る第3実施形態のセンサについて説明する。図3(a)は第1実施形態の図1(a)に対応する斜視図、図3(b)はセンサの上面図である。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
図3に示す如く、本実施形態のセンサS3は、第1実施形態と同様、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と透光体20と完全反射性を有する第2の反射体30とを順次備えたデバイス構造を有する。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は、第1実施形態では第1の反射体10がパターン形成された金属層であったのに対して、第1の反射体10が透光体20の表面に略同一径の複数の金属粒子13がマトリクス状に規則配列して固着された金属粒子層からなる点である。金属粒子13の材質は制限なく、第1実施形態の第1の反射体10と同様の金属が例示できる。
上記第1の反射体10は例えば、透光体20の表面に金属粒子13の分散溶液をスピンコート法等により塗布し乾燥することで形成できる。分散溶液に樹脂や蛋白質等のバインダを含有させ、バインダを介して金属粒子13を透光体20の表面に固着させることが好ましい。バインダとして蛋白質を用いる場合には、蛋白質同士の結合反応を利用して、金属粒子13を透光体20の表面に固着させることも可能である。
第1の反射体10は反射性金属からなるが、空隙である粒子間隙14を複数有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。金属粒子13の径及びピッチは測定光L1の波長よりも小さく設計されており、第1の反射体10は測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有するものとなっている。本実施形態においても、第1の反射体10は、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては半透過半反射性の薄膜として作用する。
本実施形態のセンサS3においても、第1の反射体10及び第2の反射体30が、接触した試料によって平均複素屈折率が変わるセンシング体であり、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30に試料を接触させて試料の分析を行うことができる。
特に、第1の反射体10は、金属粒子13と粒子間隙14との測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有しているので、第1実施形態と同様の理由で、第1の反射体10の試料による平均複素屈折率の変化がより高い感度で起こる。したがって、少なくとも第1の反射体10側に試料を接触させて試料の分析を行うことが好ましい。
金属粒子13のピッチは測定光L1の波長よりも小さい条件を充足すれば特に制限なく、測定光L1として可視光を用いる場合には例えば200nm以下が好ましい。金属粒子13のピッチは小さい方が感度の点で好ましい。
金属粒子13の径は特に制限なく、感度の点で小さい方が好ましい。金属粒子13の径は光によって金属中で振動する電子の平均自由行程以下であることが好ましく、具体的には50nm以下、特に30nm以下であることが好ましい。
第1実施形態の金属細線11と同様、金属粒子13のピッチ及び径が小さい方が、1個の金属粒子13に占める表面の割合が相対的に大きくなるため、金属粒子13の表面特性が第1の反射体10の全体特性に反映されやすくなり、より高い感度が得られる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1の反射体10と第2の反射体30との間で反射を繰り返して多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。本実施形態においても、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30の平均複素屈折率(実効複素屈折率)が試料によって変わり、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わるので、第1実施形態と同様に、試料の分析を行うことができる。
本実施形態のセンサS3ではまた、金属粒子層からなる第1の反射体10の表面で局在プラズモン共鳴を効果的に起こすことができる。したがって、本実施形態では、第1実施形態と同様に、光の干渉効果による上記吸収特性と、第1の反射体10における局在プラズモン共鳴現象とによって測定光L1の特性が変化されるセンサを提供することができる。かかるセンサでは、光の干渉効果による上記吸収特性に応じて変化する出射光L2の物理特性1と、局在プラズモン共鳴現象に応じて変化する出射光L2の物理特性2との双方を検出して、試料の分析を行うことができる。また、これらの物理特性1と物理特性2との相関関係を検出して、試料の分析を行うことができる。
本実施形態のセンサS3は以上のように構成されている。
本実施形態のセンサS3は、第1の反射体10が金属粒子層からなる点を除けば第1実施形態と基本的な構成は同様であるので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
本実施形態では、第1の反射体10が略同一径の複数の金属粒子13がマトリクス状に規則配列して固着された金属層からなる場合について説明したが、金属粒子13は径に分布があってもよく、配列パターンも任意であり、ランダム配列でもよい。また、第2の反射体30がベタ金属層からなる場合について説明したが、第2の反射体30についても第1の反射体10と同様に金属粒子層により構成することができる。この場合には、第2の反射体30が半透過反射性を有するものとなり、第2実施形態と同様に分析を実施できる。
「センサの第4実施形態」
図4及び図5を参照して、本発明に係る第4実施形態のセンサについて説明する。図4はセンサの斜視図、図5は製造工程図である。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
図4に示す如く、本実施形態のセンサS4は、第1実施形態と同様、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と透光体20と完全反射性を有する第2の反射体30とを順次備えたデバイス構造を有する。
本実施形態では、第1実施形態と異なり、透光体20は図5に示す被陽極酸化金属体(Al)40の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体(Al)41からなり、第2の反射体30は図5に示す被陽極酸化金属体40の非陽極酸化部分(Al)42からなる。第2の反射体30は完全反射性を有する。
透光体20は、第1の反射体10側から第2の反射体30側に延びる略ストレートな複数の微細孔21が開孔された透光性微細孔体である。複数の微細孔21は第1の反射体10側の面において開口し、第2の反射体30側は閉じられている。透光体20において、複数の微細孔21は測定光L1の波長より小さい径及びピッチで略規則的に配列されている。
陽極酸化は、被陽極酸化金属体40を陽極とし陰極と共に電解液に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施できる。被陽極酸化金属体40の形状は制限されず、板状等が好ましい。また、支持体の上に被陽極酸化金属体40が層状に成膜されたものなど、支持体付きの形態で用いることも差し支えない。陰極としてはカーボンやアルミニウム等が使用される。電解液としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。
図5に示す如く、被陽極酸化金属体40を陽極酸化すると、表面40sから該面に対して略垂直方向に酸化反応が進行し、金属酸化物体(Al)41が生成される。陽極酸化により生成される金属酸化物体41は、多数の平面視略正六角形状の微細柱状体41aが隙間なく配列した構造を有するものとなる。各微細柱状体41aの略中心部には、表面40sから深さ方向に略ストレートに延びる微細孔21が開孔され、各微細柱状体41aの底面は丸みを帯びた形状となる。陽極酸化により生成される金属酸化物体の構造は、益田秀樹、「陽極酸化法によるメソポーラスアルミナの調製と機能材料としての応用」、材料技術Vol.15,No.10、1997年、p.34等に記載されている。
規則配列構造の金属酸化物体41を生成する場合の好適な陽極酸化条件例としては、電解液としてシュウ酸を用いる場合、電解液濃度0.5M、液温14〜16℃、印加電圧40〜40±0.5V等が挙げられる。この条件で生成される微細孔21は例えば、径が5〜200nm、ピッチが10〜400nmである。
本実施形態において、第1の反射体10は透光体20への金属蒸着等により成膜され、透光体20の表面形状に沿って形成された金属層からなる。透光体20の微細孔21の開口箇所には金属が成膜されないので、第1の反射体10は略中心部に微細孔16を有する平面視略正六角状の金属体15が隙間なく配列した形状を呈する。第1の反射体10の微細孔16は透光体20の微細孔21と同じパターンで開孔されるので、微細孔16は測定光L1の波長より小さい径及びピッチで略規則的に配列されたものとなる。
第1の反射体10は反射性金属からなるが、空隙である微細孔16を複数有しているので光透過性を有し、半透過半反射性を有する。第1の反射体10は、略中心部に微細孔16を有する測定光L1の波長より小さい大きさの平面視略正六角状の金属体15が略規則的に配列されたものであるので、測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有するものとなっている。本実施形態においても、第1の反射体10は、いわゆる電磁メッシュシールド効果により光に対しては半透過半反射性の薄膜として作用する。
本実施形態のセンサS4においても、第1の反射体10及び第2の反射体30が、接触した試料によって平均複素屈折率が変わるセンシング体であり、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30に試料を接触させて試料の分析を行うことができる。
特に、第1の反射体10は、平面視略正六角状の金属体15と微細孔16との測定光L1の波長よりも小さい凹凸構造を有しているので、第1実施形態と同様の理由で、第1の反射体10の試料による平均複素屈折率の変化がより高い感度で起こる。したがって、少なくとも第1の反射体10側に試料を接触させて試料の分析を行うことが好ましい。
金属体15のピッチ(微細孔16のピッチ)は測定光L1の波長よりも小さい条件を充足すれば特に制限なく、測定光L1として可視光を用いる場合には例えば200nm以下が好ましい。金属体15のピッチが小さい方が感度の点で好ましい。
隣接する微細孔16の離間距離(隣接する微細孔16の間にある金属体15の幅W)は特に制限なく、感度の点で小さい方が好ましい。幅Wは、第1、第3実施形態の金属細線11の幅、金属粒子13の径に相当する。幅Wは、光によって金属中で振動する電子の平均自由行程以下であることが好ましく、具体的には50nm以下、特に30nm以下であることが好ましい。
第1実施形態の金属細線11と同様、金属体15のピッチ及び幅Wが小さい方が、金属体15の表面特性が第1の反射体10の全体特性に反映されやすくなり、より高い感度が得られる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1の反射体10と第2の反射体30との間で反射を繰り返して多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。本実施形態においても、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30の平均複素屈折率(実効複素屈折率)が試料によって変わり、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わるので、第1実施形態と同様に、試料の分析を行うことができる。
本実施形態のセンサS4は以上のように構成されている。
本実施形態のセンサS4は、透光体20が第1の反射体10側の面において開口した複数の微細孔21を有する透光性微細孔体からなり、第1の反射体10が透光体20の表面形状に沿って複数の微細孔16を有して形成された金属層からなる点を除けば、第1実施形態と基本的な構成は同様であるので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
本実施形態のセンサS4は、陽極酸化を利用して製造されたものであるので、透光体20の微細孔21及び第1の反射体10の微細孔16が略規則配列されたセンサS4を簡易に製造でき、好ましい。ただし、これら微細孔の配列はランダム配列でもよい。
本実施形態では、透光体20の製造に用いる被陽極酸化金属体40の主成分としてAlのみを挙げたが、陽極酸化可能で生成される金属酸化物が透光性を有するものであれば、任意の金属が使用できる。Al以外では、Ti、Ta、Hf、Zr、Si、In、Zn等が使用できる。被陽極酸化金属体40は、陽極酸化可能な金属を2種以上含むものであってもよい。
本実施形態では、第2の反射体30が完全反射性を有する場合について説明したが、被陽極酸化金属体40の全体を陽極酸化する、あるいは、被陽極酸化金属体40の一部を陽極酸化し、さらに被陽極酸化金属体40の非陽極酸化部分42及びその近傍部分を除去することで、微細孔21が透光体20を貫通する透光体20が得られる。微細孔21が透光体20を貫通する透光体20に透光体20の表面形状に沿って第2の反射体30を形成すれば、第1の反射体10と同様に微細孔を有し半透過反射性を有する第2の反射体30を形成することができ、第2実施形態と同様に分析を実施できる。
「センサの第5実施形態」
図6を参照して、本発明に係る第5実施形態のセンサについて説明する。図6はセンサの斜視図であり、本実施形態において、第4実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。
本実施形態のセンサS5は、第4実施形態のセンサS4と基本構成は同様であり、透光体20に開孔された複数の微細孔21の底部に金属22が充填されたものでる。
例えば、第1の反射体10を金属蒸着により成膜する際に、同時に微細孔21内にも金属が蒸着される条件で、第1の反射体10を成膜することで、透光体20の微細孔21の底部に第1の反射体10の構成金属と同種の金属22を充填することができる。
また、上記のように同種の金属で第1の反射体10の成膜と金属22の充填とを実施した後、第1の反射体10を除去し、新たに別種の金属で金属蒸着を行って第1の反射体10を成膜すれば、第1の反射体10と透光体20の微細孔21に充填される金属22の種類を異ならせることも可能である。
金属22の充填は第1の反射体10の成膜と同様に実施できるので、金属22としては第1実施形態で挙げた第1の反射体10の構成金属と同様の金属を用いることができる。すなわち、金属22としては任意の金属を使用でき、Au、Ag、Cu、Al、Pt、Ni、Ti、及びこれらの合金等が挙げられる。金属22はこれら金属を2種以上含むものであってもよい。
本実施形態においても、第4実施形態と同様に、第1の反射体10と第2の反射体30との間で反射を繰り返して多重反射(共振)が効果的に起こり、多重反射光による多重干渉が効果的に起こり、特定波長の光を吸収する吸収特性を示す。本実施形態においても、第1の反射体10及び/又は第2の反射体30の平均複素屈折率(実効複素屈折率)が試料によって変わり、試料によって多重干渉条件が変わり吸収特性が変わるので、第4実施形態と同様に、試料の分析を行うことができる。
本実施形態ではまた、第1の反射体10、第2の反射体30、及び透光体20の複数の微細孔21の内部に部分的に充填された金属22のうち少なくとも一つの表面で、局在プラズモン共鳴を起こすことができる。本発明者は特に、透光体20の複数の微細孔21に部分的に充填された金属22の表面で、局在プラズモン共鳴を効果的に起こすことができることを見出している。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、光の干渉効果による上記吸収特性と、局在プラズモン共鳴現象とによって測定光L1の特性が変化されるセンサを提供することができる。かかるセンサでは、光の干渉効果による上記吸収特性に応じて変化する出射光L2の物理特性1と、局在プラズモン共鳴現象に応じて変化する出射光L2の物理特性2との双方を検出して、試料の分析を行うことができる。また、これらの物理特性1と物理特性2との相関関係を検出して、試料の分析を行うことができる。
「設計変更例」
本発明のセンサは上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更できる。
本発明のセンサにおける第1の反射体10及び第2の反射体30の構成やこれらの組合せは適宜設計変更できる。例えば、第1〜第4実施形態を組み合わせて第1の反射体10及び第2の反射体30を構成し、本発明のセンサを構成することができる。
「試料セル付きセンサの実施形態」
図7(a)を参照して、本発明に係る実施形態の試料セル付きセンサの構成について説明する。図7(a)は図1(b)等に対応した概略断面図である(センサのハッチングは省略)。
センサSは上記実施形態のセンサS1〜S5のうちいずれかであり、測定光L1の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体10と、透光体20と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体30とを順次備えたデバイス構造を有するものである。
センサSは、第2の反射体30が完全反射性を有するとき、出射光L2が第1の反射体10から出射される反射型センサとなる。センサSは、第2の反射体30が半透過半反射性を有するとき、出射光L2が第1の反射体10からのみ出射される反射型センサ、第2の反射体30からのみ出射光L2が出射される透過型センサ、第1の反射体10及び第2の反射体30から測定光L2が出射される半透過半反射型センサのいずれかとなる。本実施形態の試料セル付きセンサC1は、いずれのタイプのセンサSにも対応可能なものである。
試料セル付きセンサC1は、センサSの第1の反射体10及び第2の反射体30が試料セル50内の試料Xに接触するよう、センサSが試料セル50内に固定されたものである(固定構造については図示略)。センサSは、試料セル50に対して完全固定でも着脱自在でもよい。
試料セル50は、試料Xが充填可能な金属等の非透光性材料からなるセル本体51を主とし、セル本体51に透光性窓52、53が嵌め込まれたものである。透光性窓52、53は各々、センサSの第1の反射体10、第2の反射体30の対向部分に嵌め込まれている。
試料セル付きセンサC1では、測定光L1は試料セル50の外側から透光性窓52を介してセンサSの第1の反射体10に入射される。反射型センサでは、出射光L2である反射光が透光性窓52を介して試料セル50の外側に出射されて検出され、透過型センサでは、出射光L2である透過光が透光性窓53を介して試料セル50の外側に出射されて検出され、半透過半反射型センサでは、出射光L2である反射光及び/又は透過光が透光性窓52及び/又は透光性窓53を介して試料セル50の外側に出射されて検出される。
本実施形態では、第1の反射体10及び第2の反射体30が試料セル50内の試料Xに接触するよう、センサSが試料セル50内に固定されているので、試料Xによって第1の反射体10及び第2の反射体30の平均複素屈折率が変わり、試料Xの分析を実施できる。
本実施形態では、センサSの第1の反射体10及び/又は第2の反射体30に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから試料セル50内に試料Xを充填し、出射光L2の検出を行うことで、試料Xに含まれる特定物質の有無及び/又は特定物質の量を分析することができる。特定物質/結合物質の組合せとしては抗原/抗体(いずれを結合物質としてもよい)等が挙げられ、本実施形態では抗原抗体反応の経時的な分析も容易に実施できる。
センサSを試料セル付きセンサC1の形態で使用することで、バイオ分析等を簡易に効率よく高精度に実施できる。
本実施形態では、セル本体51の第1の反射体10、第2の反射体30の対向部分に透光性窓52、53が各々嵌め込まれた構成について説明したが、第1の反射体10から出射光L2が出射される反射型センサ又は半透過半反射型センサでは、少なくとも透光性窓52を設ける構成とすればよく、第2の反射体30から出射光L2が出射される透過型センサ又は半透過半反射型センサでは、少なくとも透光性窓53を設ける構成とすればよい。
第1の反射体10から出射光L2が出射される反射型センサ又は半透過半反射型センサでは、図7(b)に示す如く、第2の反射体30のみが試料セル50内の試料Xに接触するよう、センサSを試料セル50内に固定し、出射光L2である反射光を検出する構成とすることもできる。
かかる構成では、測定光L1と出射光L2がいずれも試料Xを通ることなく検出を実施できるので、試料Xによる分析への影響が抑えられ、より高精度な分析を実施できる。例えば、試料Xの液温等の変化によって、センサSの試料Xに接した部分の屈折率が僅かながらも変化して測定精度に影響を与える恐れがあるが、図7(b)に示す構成では、第1の反射体10側は試料Xに接しないので、試料Xの液温等の変化による第1の反射体10の屈折率の変化が抑制され、高精度な分析を実施できる。
「センシング装置」
図8に基づいて、本発明に係る第1〜第3実施形態のセンシング装置の構成について説明する。反射型センサ又は半透過半反射型センサを用い、反射光を検出する反射型のセンシング装置を例として説明する。
図8(a)〜(c)に示すセンシング装置A1〜A3はいずれも、上記実施形態のS1〜S5のうちいずれかであるセンサSと、センサSに測定光L1を照射する測定光照射手段60と、出射光L2である反射光の物理特性を検出する検出手段70とから構成されており、測定光照射手段60と検出手段70との組合せが各々異なっている。同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
センシング装置A1は、測定光照射手段60がハロゲンランプ、キセノンランプ、クリプトンランプ等のブロード光源61からなり、検出手段70が分光器71及びデータ処理部72からなる装置である。測定光照射手段60には必要に応じて、光源61からの出射光を平行光束とするコリメータレンズ及び/又は集光レンズ等を含む導光光学系が備えられる。
センシング装置A1は、測定光照射手段60によってセンサSに測定光L1としてブロード光を照射し、検出手段70によって出射光L2である反射光の分光スペクトルを得、センサSにより吸収される光の吸収ピーク波長λ又は基準条件からの吸収ピーク波長λのシフトを検出して、試料の分析を行うものである(分光スペクトル及び吸収ピーク波長λは図1(c)を参照)。
センシング装置A2は、測定光照射手段60がレーザ、発光ダイオード等の単波長光源62からなり、検出手段70がフォトダイオード等の光強度検出器73及びデータ処理部72からなる装置である。センシング装置A2においても、測定光照射手段60には必要に応じてコリメータレンズ及び/又は集光レンズ等を含む導光光学系が備えられる。
センシング装置A2は、測定光照射手段60によってセンサSに測定光L1として単波長光を照射し、検出手段70によって出射光L2である反射光の光強度を検出して、試料の分析を行うものである。測定光L1の波長は任意である。図1(c)には、任意のある波長に着目したとき、試料によって該波長の光強度が変わることが示されている。換言すれば、図1(c)には、任意の波長の測定光L1について出射光L2の光強度を検出することで、試料の分析を実施できることが示されている。
センシング装置A2においては、測定光照射手段60として単波長光源62を用いる代わりに、測定光照射手段60をブロード光源61及び光源61からの出射光から特定波長光のみを取り出す分光器等の波長分布可変手段とから構成しても、同様に試料の分析を行うことができる。
センシング装置A3は、測定光照射手段60が、ブロード光源61及び光源61からの出射光から特定波長光のみを取り出しかつ取り出す特定波長光の波長を経時的に変化させることが可能な分光器等の波長分布変化手段63からなり、検出手段70が光強度検出器73及びデータ処理部72からなる装置である。データ処理部72には、波長分布変化手段63から取り出される特定波長光の波長データと光強度検出器73による光強度のデータとが入力され、データ処理が行われる。センシング装置A3においても、測定光照射手段60には必要に応じてコリメータレンズ及び/又は集光レンズ等を含む導光光学系が備えられる。
センシング装置A3は、測定光照射手段60によってセンサSに測定光L1として単波長光を照射すると共に経時的に照射する単波長光の波長を変化させ、検出手段70によって出射光L2である反射光の光強度の変化を経時的に測定して、図1(c)に示した分光スペクトルと同様のスペクトルを得、センサSにより吸収される光の吸収ピーク波長λ又は基準条件からの吸収ピーク波長λのシフトを検出して、試料の分析を行うものである。
以上例示したように、検出手段70により、出射光L2の光強度又はその変化量、センサSにより吸収される光の吸収ピーク波長λ又はそのシフトのうち少なくとも一つを検出することで、試料の分析が実施できる。
センシング装置A1〜A3では、試料の屈折率及び/又は濃度を分析することができ、試料の屈折率を分析して試料を同定することもできる。また、センサSの試料の接触側に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから試料を接触させ、センサSに対して測定光L1を照射し出射光L2を検出することで、試料に含まれる特定物質の有無及び/又は特定物質の量を分析することもできる。
反射型のセンシング装置A1〜A3では、検出手段70は、第1の反射体10から出射された出射光L2の散乱光等の非正反射成分のみを受光して出射光L2の検出を行う構成とすることが好ましい。正反射成分は光強度が強すぎて本来検出したい特性が良好に検出されない恐れがあるが、散乱光等の微弱な光を検出することで、より高精度な分析を実施することができる。また、同様の理由から、反射型のセンシング装置A1〜A3では、測定光照射手段60がセンサSの光入射面に対して非垂直方向から測定光L1を照射する位置に配置されていることが好ましい。
反射型のセンシング装置についてのみ例示したが、透過型センサ又は半透過半反射型センサを用い、透過光を検出する透過型のセンシング装置では、検出手段70を第2の反射体30側に配置するなどして、検出手段70が透過光を検出するように構成すればよい。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1、2)
第4実施形態のセンサS4(実施例1)と第5実施形態のセンサS5(実施例2)について、FD−TD法による電磁場解析シミュレーションソフトを用いて、それぞれ反射光スペクトルをシミュレーションした。微細孔21内に水を充填したという条件で、計算を実施した。計算条件は以下の通りとした。
<計算条件>
第1の反射体10:Au(20nm厚)、
透光体20:Al(200nm厚)、微細孔21のピッチ:100nm、微細孔21の孔径:50nm、
第2の反射体30:Al、
実施例2のセンサにおいて、微細孔21内に充填する金属22:Au(20nm厚)、
測定光L1:白色光(垂直入射)。
物質の複素屈折率は入射光の波長によって異なる。透光体20は微細孔21の開口率とその内部の充填物(実施例1では水、実施例2では水とAu)とを考慮して算出した。第1の反射体10の平均複素屈折率は、微細孔21の開口率を考慮して算出した。第2の反射体30は孔がないので、その平均複素屈折率はAlの複素屈折率と同じである。
結果を図9に示す。
微細孔21内に金属22を充填しない実施例1のセンサと、微細孔21内に金属22を充填した実施例2のセンサのいずれについても、いずれも400〜500nmと850〜950nmの範囲に多重干渉による吸収ピークが見られた。微細孔21内に金属22を充填した実施例2のセンサでは、干渉による上記吸収ピークに加えて、700nm付近に局在プラズモン共鳴による吸収ピークが見られた。
本発明者は、いずれのセンサについても微細孔21内に充填する試料を変えることでスペクトルが変化し、実施例1、2のセンサにより試料の分析が可能であることを確認している。
本発明のセンサは、バイオセンサ等として好ましく利用できる。
(a)は本発明に係る第1実施形態のセンサの斜視図、(b)は厚み方向断面図、(c)は出射光のスペクトル例 (a)は本発明に係る第2実施形態のセンサの厚み方向断面図、(b)は出射光のスペクトル例 (a)は本発明に係る第3実施形態のセンサの斜視図、(b)は上面図 本発明に係る第4実施形態のセンサの斜視図 (a)〜(c)は図4のセンサの製造工程図 本発明に係る第5実施形態のセンサの斜視図 (a)は本発明に係る実施形態の試料セル付きセンサの構成を示す概略断面図、(b)は設計変更例を示す図 (a)〜(c)は本発明に係る第1〜第3実施形態のセンシング装置の構成を示す図 実施例1、2のシミュレーション結果を示す図
符号の説明
S1〜S5、S センサ
10 第1の反射体
11 金属細線
12 パターン間隙
13 金属粒子
14 粒子間隙
16 微細孔
20 透光体
21 微細孔
22 金属
30 第2の反射体
31 金属細線
32 パターン間隙
40 被陽極酸化金属体
41 金属酸化物体
42 非陽極酸化部分
C1 試料セル付きセンサ
50 試料セル
A1〜A3 センシング装置
60 測定光照射手段
70 検出手段
L1 測定光
L2 出射光
X 試料

Claims (19)

  1. 測定光が入射されると共に、該測定光が試料によって物理特性の異なる出射光となって出射され検出されるセンサにおいて、
    前記測定光の入射側から、半透過半反射性を有する第1の反射体と、透光体と、完全反射性又は半透過半反射性を有する第2の反射体とを順次備えてなり、
    前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体が、前記試料に接触させられると共に該試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、
    前記第1の反射体の平均複素屈折率と、前記第2の反射体の平均複素屈折率と、前記透光体の平均複素屈折率及び厚みとに応じて、特定波長の光を吸収する吸収特性を示し、該吸収特性を含む光学特性により前記測定光の特性が変化されて、前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体から前記出射光が出射されるものであり、
    前記光学特性に応じて変化する前記出射光の物理特性が検出されるものであることを特徴とするセンサ。
  2. 前記試料に接触させられる前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体は、前記測定光の波長よりも小さい凹凸構造を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記試料に接触させられる前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体は、前記透光体の表面に金属がパターン形成された金属パターン層からなることを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
  4. 前記吸収特性と前記金属パターン層における局在プラズモン共鳴現象とによって、前記測定光の特性が変化されるものであることを特徴とする請求項3に記載のセンサ。
  5. 前記試料に接触させられる前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体は、前記透光体の表面に複数の金属粒子が固着された金属粒子層からなることを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
  6. 前記吸収特性と前記金属粒子層における局在プラズモン共鳴現象とによって、測定光の特性が変化されるものであることを特徴とする請求項5に記載のセンサ。
  7. 前記第1の反射体が、前記試料に接触させられると共に該試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、
    前記透光体は、前記第1の反射体側の面において開口した前記測定光の波長よりも小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体からなり、前記第1の反射体は、前記透光体の表面形状に沿って複数の微細孔を有して形成された金属層からなることを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
  8. 前記第1の反射体が、前記試料に接触させられると共に該試料によって平均複素屈折率が変化するものであり、
    前記透光体は、前記第1の反射体側の面において開口した前記測定光の波長よりも小さい径の複数の微細孔を有する透光性微細孔体からなり、前記第1の反射体は、前記透光体の表面形状に沿って複数の微細孔を有して形成された金属層からなり、
    前記透光体の前記複数の微細孔の内部に、部分的に金属が充填されたものであることを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
  9. 前記吸収特性と、前記第1の反射体、前記第2の反射体、及び前記透光体の前記複数の微細孔の内部に部分的に充填された前記金属のうち、少なくとも一つで起こる局在プラズモン共鳴現象とによって、前記測定光の特性が変化されるものであることを特徴とする請求項8に記載のセンサ。
  10. 前記透光体は被陽極酸化金属体の一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体からなり、前記第2の反射体は前記被陽極酸化金属体の非陽極酸化部分からなり、前記第1の反射体は前記透光体に成膜された金属層からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のセンサ。
  11. 測定光が入射されると共に、該測定光が試料によって物理特性の異なる出射光となって出射され検出されるセンサにおいて、
    光の干渉効果と局在プラズモン共鳴現象とによって前記測定光の特性が変化されて、前記出射光が出射されるものであることを特徴とするセンサ。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のセンサが前記試料を充填可能な試料セルに固定された試料セル付きセンサであって、
    前記センサの前記第1の反射体及び/又は前記第2の反射体が前記試料セル内の前記試料に接触するよう、前記センサが前記試料セルに固定されたものであることを特徴とする試料セル付きセンサ。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のセンサと、
    前記センサに前記測定光を照射する測定光照射手段と、
    前記出射光の前記物理特性を検出する検出手段とを備えたことを特徴とするセンシング装置。
  14. 前記検出手段は、前記出射光の光強度又は光強度の変化量、前記センサにより吸収される光の吸収波長又は吸収波長のシフトのうち少なくとも一つを検出するものであることを特徴とする請求項13に記載のセンシング装置。
  15. 前記センサは、少なくとも前記第1の反射体から前記出射光が出射されるものであり、前記検出手段は、前記第1の反射体から出射された前記出射光の非正反射成分のみを受光して前記物理特性を検出するものであることを特徴とする請求項13又は14に記載のセンシング装置。
  16. 前記測定光照射手段は、前記センサの光入射面に対して非垂直方向から前記測定光を照射する位置に配置されていることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載のセンシング装置。
  17. 前記試料の屈折率及び/又は濃度を分析するものであることを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載のセンシング装置。
  18. 前記試料の屈折率を分析して、前記試料を同定するものであることを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載のセンシング装置。
  19. 請求項1〜11のいずれかに記載のセンサの前記試料の接触側に特定物質と特異的に結合する結合物質を固定してから前記試料を接触させ、該センサに対して前記測定光を照射し、前記出射光の前記物理特性を検出して、前記試料に含まれる前記特定物質の有無及び/又は前記特定物質の量を分析することを特徴とするセンシング方法。
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