JP4762554B2 - アクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロピレンと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造する方法に関する。
モリブデン−ビスマス含有金属酸化物触媒は、プロピレン、イソブテン、ターシャリーブタノール等の有機化合物のアンモ酸化反応触媒として知られている(特許文献1〜3等参照)。また、該触媒の流動層が設けられた反応器と、反応器内に原料ガスを供給する原料ガススパージャーと、ガスと触媒とを分離するサイクロンとを具備する製造装置を用いたアンモ酸化反応における反応条件、例えば、サイクロンの入口におけるガス線速度、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度等の好ましい範囲については、特許文献4、非特許文献1等により知られている。しかし、反応器とサイクロンと間の触媒循環の条件については、特許文献5に、反応器とサイクロンと間の1時間あたりの触媒循環量を全触媒量の50〜200質量%とするの例が記載されている程度である。
また、非特許文献2には、アンモ酸化反応において良好な反応収率を得るには、モリブデン−ビスマス含有金属酸化物触媒中のβ型の二価金属モリブデイト結晶相を安定化させることが重要であることが記載され、同文献には、β型の二価金属モリブデイト結晶相の安定化のための好適な組成が提案されている。実際に、近年、二価金属モリブデイト結晶相がほぼ全てβ型である触媒が実用化されている。
しかしながら、アンモ酸化反応の反応条件によっては、特に副生成物である一酸化炭素の収率が高くなり、アクリロニトリルの収率が低くなることがある。また、経時的な反応収率の安定性についても、未だ充分とはいえない。
特公昭36−3563号公報 特公昭36−5870号公報 特公昭38−17967号公報 特開平4−202171号公報 特公昭43−29569号公報 化学工学協会編,「流動層反応装置〜工業化の実際と新技術」,化学工業社,1987年,p.158−165 G.Ertl,H.Knozinger,J.Weitkamp著,「ハンドブック・オブ・ヘテロジニアス・キャタリシス(Handbook of Heterogeneous Catalysis)」,第5巻,(独国)、WILEY−VCH,1997年,4.6.6節,p.2302−2326
本発明の目的は、反応初期において高いアクリロニトリル収率を示すとともに、経時的なアクリロニトリル収率の低下を抑制し、長期にわたって安定的にアクリロニトリルを製造できるアクリロニトリルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題のうちアクリロニトリル収率の向上を図るべく、反応条件の中で反応器とサイクロンとの間の触媒循環に着目した。その結果、触媒循環の頻度を増加させると、一酸化炭素の収率が減少することがわかった。意外なことに、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量が、全触媒量(100質量%)の200〜300質量%程度では不十分であり、さらに循環量を増加させる必要のあることがわかった。この原因についてはよくわからないが、反応器上部の酸素欠乏雰囲気に晒される時間、サイクロンのディップレッグ内で受けるパージ空気による再酸化が、なんらかの関与をしている可能性がある。
また、本発明者らは、上記課題のうち経時的なアクリロニトリル収率の低下を解決するべく、触媒の経時変化を調べた。二価金属モリブデイト結晶相がほぼ全てβ型である触媒を用いてアクリロニトリルの製造を実施し、製造途中で触媒を抜き出して分析したところ、新品触媒ではほとんど検出されないα型の二価金属モリブデイト結晶相が生成していることを見出した。また、その生成量は、アクリロニトリルの製造条件によって様々であることも見出した。
さらに詳しく検討した結果、サイクロンによってガスと触媒とを分離する際、および原料ガススパージャーを介して空気、酸素、不活性ガス、プロピレン、アンモニア等を反応器へ供給する際に、触媒粒子に衝撃が与えられてα型の二価金属モリブデイト結晶相が生成することをつきとめた。また、サイクロンを通過する触媒量が増加しても、α型の二価金属モリブデイト結晶相が加速することがわかった。このように、触媒粒子に与えられる衝撃の強さおよび頻度が増加すると、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成量も増加すること、および経時的なα型の二価金属モリブデイト結晶相の生成量の増加がアクリロニトリル収率の低下を招くことを見出した。
α型の二価金属モリブデイト結晶相が生成する原因、およびα型の二価金属モリブデイト結晶相の生成に伴ってアクリロニトリル収率が低下する原因については、充分には解明されていない。本発明者らは、α型の二価金属モリブデイト結晶相が生成する原因については、触媒内に結晶化せずに存在していた微少の二価金属モリブデイト前駆体が、物理的な衝撃を受けることにより、反応温度で安定な結晶相であるα型に結晶化すると推定している。また、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成に伴ってアクリロニトリル収率が低下する原因については、α型の二価金属モリブデイト結晶相と、活性相であるビスマスモリブデイトとの結晶面の整合性が、β型の二価金属モリブデイト結晶相よりも劣るために、モリブデイト間の酸素および電子の移動が阻害されてアクリロニトリル収率が低下する可能性を考えている。
従来、サイクロンの入口における流速、原料ガススパージャーのノズルにおける流速については詳細に検討されており、触媒粒子へ加わる衝撃力の制御に関して相応の配慮がされてきた。一方、触媒がサイクロンを通過する頻度については驚くほど注意を払われていなかった。触媒粒子が破壊されなければ何も問題ない、というのが今までの考え方であったためである。さらには、衝撃を受けるたびに徐々に進行する、メカノケミカル的な結晶変化、およびそれに伴う触媒性能劣化について全く知られていなかったためである。
このように、経時的なアクリロニトリル収率の低下を抑えるためには、触媒粒子へ加わる衝撃力および衝撃頻度の両方を制御することが極めて重要であることが明らかとなった。
よって、本発明のアクリロニトリルの製造方法は、モリブデン、ビスマス、鉄、ニッケル、およびシリカを必須成分として含有する触媒の流動層が設けられた反応器と、該反応器からのガスと触媒とを分離し、触媒を流動層に返送するサイクロンとを具備する製造装置を用い、触媒の存在下、プロピレンと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造する方法において、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量を全触媒量(100質量%)の500〜3000質量%の範囲とすることを特徴とする。
本発明のアクリロニトリルの製造方法においては、サイクロンの流入口のガス線速度を3〜40m/sの範囲とすることが好ましい。
また、製造装置が、反応器内にプロピレン、分子状酸素、およびアンモニアを供給する原料ガススパージャーをさらに具備し、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度を3〜100m/sの範囲とすることが好ましい。
本発明のアクリロニトリルの製造方法によれば、反応初期において高いアクリロニトリル収率を示すとともに、経時的なアクリロニトリル収率の低下を抑制し、長期にわたって安定的にアクリロニトリルを製造できる。
<触媒>
本発明における触媒は、モリブデン、ビスマス、鉄、ニッケル、およびシリカを必須成分として含有するものである。触媒としては、アクリロニトリル収率の観点から、下記式で表される組成のものが好適である。
Mo10Bia Feb Nicdefgx ・(SiO2y
式中、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、Niはニッケル、Oは酸素を示し、Dはコバルト、マグネシウム、マンガン、および亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、Eはイットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、およびサマリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を示し、Gはニオブ、タングステン、アンチモン、アルミニウム、ホウ素、リン、クロム、鉛、カドミウム、およびカルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を示し、Hはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびタリウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を示す。
また、式中の添字a〜g、x、およびyは原子比を表す。aは0.1≦a≦3、好ましくは0.2≦a≦2.5を充足する。bは0.1≦b≦5、好ましくは0.2≦b≦4を充足する。cは1≦c≦10、好ましくは2≦c≦8を充足する。dは0≦d≦10、好ましくは0.1≦d≦7を充足する。eは0≦e≦10、好ましくは0.1≦e≦7を充足する。fは0≦f≦10、好ましくは0≦f≦7を充足する。gは0.01≦g≦2、好ましくは0.02≦g≦1.5を充足する。yは10≦h≦100、好ましくは15≦h≦90を充足する。xは各成分の原子価を充足するのに必要な酸素原子比であり、金属組成に応じて自然に決定されるものである。
触媒を調製するための原料としては、各元素の酸化物、あるいは強熱することにより酸化物になり得る塩化物、硫酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩、炭酸塩、水酸化物、有機酸塩、酸素酸、酸素酸塩、ヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩、またはそれらの混合物が挙げられる。
モリブデン成分の原料としては、例えば、三酸化モリブデン等の酸化物;モリブデン酸、パラモリブデン酸アンモニウム、メタモリブデン酸アンモニウム等のモリブデン酸またはその塩;リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸等のモリブデンを含むヘテロポリ酸またはその塩等を用いることができる。
ビスマス成分の原料としては、例えば、硝酸ビスマス、炭酸ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマス等のビスマス塩;三酸化ビスマス;金属ビスマス等を用いることができる。これらの原料は、固体のまま、あるいは水溶液や硝酸水溶液、またはそれらの水溶液から生じるビスマス化合物のスラリーとして用いることができる。中でも、硝酸塩、あるいはその溶液、またはその溶液から生じるスラリーを用いることが好ましい。
鉄成分の原料としては、例えば、酸化第一鉄、酸化第二鉄、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、硝酸鉄、塩化鉄、鉄有機酸塩、水酸化鉄等を用いることができる。また、金属鉄を加熱した硝酸に溶解したものを用いてもよい。鉄成分の原料を含む溶液は、アンモニア水等でpH調整して用いてもよい。pH調整する際、鉄成分の原料を含む溶液にキレート剤を共存させることで、鉄成分の沈殿を防ぐことができる。ここで用いることができるキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等が挙げられる。鉄イオンとキレート剤とを含む水溶液をつくる場合には、これら原料を酸あるいは水に溶解して用いることが好ましい。
ニッケル成分の原料としては、例えば、水酸化ニッケル、酸化ニッケル、硝酸ニッケルを用いることができる。
シリカ成分の原料としては、コロイダルシリカが好ましく、市販のものから適宜選択して用いることができる。
その他の成分の原料としては、通常、酸化物、あるいは強熱することにより酸化物になり得る硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩、水酸化物等、またはそれらの混合物が用いられる。
本発明における触媒は、各成分の原料を所望の組成になるように緊密に混合することによって調製される。
まず、コロイダルシリカまたは水中に、各成分の原料を固体または溶液の状態で加え、これらを混合することによってスラリーを調製する。混合工程の途中または調製完了時にpH調整、加熱処理、またはホモジナイザー処理を行うこともできる。ここで、コロイダルシリカまたは水中に加えられる各成分の原料は、あらかじめ一部の複数成分を水等に溶解した状態のものでもよいし、さらにpH調整や加熱処理やホモジナイザー処理を施した状態のものでもよいし、乾燥・焼成して粉砕した状態のものでもよい。
ついで、このように調製されたスラリーを、噴霧乾燥により実質的に球状の粒子に成形することが好ましい。その際、加圧ノズル式、二流体ノズル式、回転円盤式等の噴霧乾燥機が使用される。噴霧乾燥機にかけるスラリー濃度は、触媒を構成する元素の酸化物に換算して、10〜50質量%が好ましい。
噴霧乾燥品を500〜750℃の範囲の温度で焼成することにより、望ましい触媒活性構造が形成される。焼成の時間については特に限定はないが、短すぎると良好な触媒が得られないため、少なくとも1時間以上は焼成することが好ましい。焼成の方法についても特に制限はなく、汎用の焼成炉を用いることができ、中でも、ロータリーキルン、流動焼成炉等が特に好ましく用いられる。この際用いるガス雰囲気は、酸素を含んだ酸化性ガス雰囲気でも、例えば窒素等の不活性ガス雰囲気でもよいが、空気を用いるのが便利である。また、この焼成に際しては、乾燥品を即座に500〜750℃の範囲の温度で焼成してもよく、一旦250〜400℃程度の温度および/または400〜500℃程度の温度で1〜2段階の予備焼成を行った後、500〜750℃の範囲の温度での焼成を行ってもよい。
<アクリロニトリルの製造方法>
アクリロニトリルは、このように調製された触媒の流動層が設けられた反応器と、該反応器からのガスと触媒とを分離し、触媒を流動層に返送するサイクロンとを具備する製造装置を用い、触媒の存在下、プロピレンと分子状酸素およびアンモニアとを反応させることによって製造される。
図1は、製造装置の一例を示す縦断面図である。この製造装置は、内部に流動層1を備えた反応器2を主体として構成されている。反応器2内には、プロピレン、分子状酸素、およびアンモニアを供給する原料ガススパージャー3と、反応生成物であるアクリロニトリルを含むガスと、触媒とを分離するサイクロン4とが設けられている。
原料ガススパージャー3は、反応器2の底部に設けられ、かつ反応器2の底面に向かって開口したノズル5を有するものである。ノズル5はその奥にある口径のさらに小さなノズル孔6とその外側のシュラウド(短管)とで構成されている。図2に示すように、プロピレン等の原料ガス7は、ノズル5から反応器2の底面に向けて高速で噴出された後、反応器2内を上昇し、循環する。また、ノズル5は複数設けられており、これによって、一配管から供給されたガスは分岐(分散)されて、反応器2内に供給される。なお、原料ガススパージャーの構造は図示するものに限定されず、適宜設計変更可能である。例えば、ノズル5ごとに独立に原料ガスを供給するように構成してもよい。ノズルの形成箇所についても適宜設計できる。
反応開始後、反応器2内は、アクリロニトリルを含むガスと触媒とが混ざり合った状態となる。サイクロン4の流入口8に流入したこれらの混合物は、サイクロン4内を高速旋回する間に、アクリロニトリルを含むガスと触媒とに分離される。分離されたアクリロニトリルを含むガスはサイクロン4のガス流出管9から反応器2外に排出され、触媒は触媒返送管10(ディップレッグ)を介して流動層1に返送される。触媒返送管10内には、酸素または空気がパージされている。
本発明者らは、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成速度は、触媒粒子と触媒粒子との衝突、および触媒粒子と製造装置の各機器との衝突における、物理的衝撃力および衝突の頻度に依存すると推定している。具体的に該当する主な要因としては、サイクロンの流入口のガス線速度、反応器本体とサイクロンとの間の触媒循環量、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度が挙げられ、特に反応器本体とサイクロンとの間の触媒循環量が重要である。
反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は、全触媒量(100質量%)の500〜3000質量%の範囲であり、1000〜2500質量%の範囲がさらに好ましい。該触媒循環量が規定範囲の上限を超えた条件でアクリロニトリルの製造を行うと、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成量が増加し、アクリロニトリル収率は著しく低下する。触媒循環量が規定範囲の下限未満の場合は、副生成物である一酸化炭素が多くなってしまう。
本発明において、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は、サイクロンの流入口付近の温度および圧力下において、サイクロンの流入口を通過する、触媒を含むガスの1時間あたりの流量と、そのガス中の触媒密度との積を、反応器内の全触媒量で除した質量パーセント値とする。ガス中の触媒密度は、サイクロンの流入口付近のガスを分取して、ガス量およびその中に含まれる触媒質量を計測することにより求める。また、流入口が複数ある場合は、全流入口における流量の和(総流量)を求める。また、複数のサイクロンが直列で設けられている場合、最も上流の(反応器に最も近い)サイクロン(第一サイクロン)における触媒循環量を求める。
サイクロンの流入口のガス線速度は、3〜40m/sの範囲が好ましく、10〜30m/sの範囲がさらに好ましい。該ガス線速度が規定範囲の上限を超えた条件でアクリロニトリルの製造を行うと、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成量が増加し、アクリロニトリル収率が低下するおそれがある。また、触媒の磨耗が著しく増加するおそれがある。サイクロンの流入口のガス線速度が規定範囲の下限未満の場合は、流動性不良となったり、生産量を制約せざるを得なくなったりするおそれがある。
本発明において、サイクロンの流入口のガス線速度は、サイクロンの流入口付近の温度および圧力下において、サイクロンの流入口を通過する、触媒を含むガスの1秒あたりの流量を、サイクロンの流入口の断面積で除した値とする。また、流入口が複数ある場合は、全流入口の流量の和(総流量)および断面積の和(総断面積)を求める。また、複数のサイクロンが直列で設けられている場合、最も上流の(反応器に最も近い)サイクロン(第一サイクロン)における流入口のガス線速度を求める。
原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は、3〜100m/sが好ましく、10〜80m/sがさらに好ましい。該線速度が規定範囲の上限を超えた条件でアクリロニトリルの製造を行うと、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成量が増加し、アクリロニトリル収率が低下するおそれがある。また、触媒磨耗が著しく増加するおそれがある。原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度が規定範囲の下限未満の場合は、流動性不良となったり、生産量を制約せざるを得なくなったりするおそれがある。
原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は、噴出直後の温度と圧力下において、ノズル孔から噴出する1秒あたりの原料ガス流量を、全ノズルのシュラウドの断面積の和で除した値とする。
なお、原料ガスは、例えば、空気、プロピレン、アンモニア等を別々の原料ガススパージャーのノズルから噴出させてもかまわないが、それぞれの線速度が規定範囲に収まっている必要がある。
原料ガス中のプロピレンの濃度は、広い範囲で変えることができ、1〜20容量%が適当であり、特に3〜15容量%が好ましい。また、メタノールまたは他の有機ガスを一度にまたは分割して加えることもできる。酸素源としては、経済上の理由から空気が好んで用いられるが、空気を適当に酸素で富化してもよい。原料ガス中のプロピレン対酸素のモル比は1:1.5〜1:3、プロピレン対アンモニアのモル比は1:1〜1:1.5が好ましい。また、必要に応じて不活性ガス、例えば窒素、水蒸気などを供給してもよい。反応圧力は、常圧ないし数気圧までである。反応温度は400〜500℃の範囲が好ましい。
本発明でいうところのα型の二価金属モリブデイト結晶相は、α−CoMoO4 型の結晶(モリブデンの酸素イオン配位は6配位、二価金属の酸素イオン配位は6配位)を指す。また、β型の二価金属モリブデイト結晶相は、α−MnMoO4 型の結晶(モリブデンの酸素イオン配位は4配位、二価金属の酸素イオン配位は6配位)を指す。
図4に、触媒の粉末X線回折測定例を示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約5000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)においては、使用中の衝撃によって、α型の二価金属モリブデイト結晶相が生成している。二価金属モリブデイト結晶相のうち、α型、β型に由来するX線回折ピークは、各々d値が6.3A付近、6.8A付近に現れる。なお、粉末X線回折法のPDF−2データベースによると、β型の二価金属モリブデイト結晶相にはd値6.3A付近にも微少の回折ピークが現れるとされているが、本発明者らは、β型のみが存在する場合、図4の(b)に示すように、当該回折ピークが現れないことを確認している。
本発明における粉末X線回折測定は、粉末X線回折装置である理学電機株式会社製「RINT1100」を用い、管球:Cu、管電圧:40mV、管電流:40mA、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.15mm、モノクロメータ使用、モノクロ受光スリット:0.8mm、ステップ幅:0.02°、計数時間:4secとして行うこととする。
また、通常の粉末X線回折法による測定では、試料を粉砕し、これを成型して測定に供するが、本発明では、粉砕時に触媒に衝撃が加わり、β型の二価金属モリブデイト結晶相がかなりの割合でα型に転位し、正確な評価ができないため、粉砕は実施せずに、測定を行うものとする。
以上説明した本発明のアクリロニトリルの製造方法にあっては、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量を全触媒量(100質量%)の500〜3000質量%の範囲としているため、副生成物である一酸化炭素の生成を抑えつつ、かつα型の二価金属モリブデイト結晶相の生成を長期にわたって抑えることができ、結果、反応初期において高いアクリロニトリル収率を示すとともに、経時的なアクリロニトリル収率の低下を抑制し、長期にわたって安定的にアクリロニトリルを製造できる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例におけるプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率は以下のように定義される。
プロピレンの転化率(%)=Q/P×100
アクリロニトリルの収率(%)=R/P×100
アクリロニトリルの選択率(%)=R/Q×100
一酸化炭素の収率(%)=S/P×100
ここで、Pは供給したプロピレンのモル数、Qは反応したプロピレンのモル数、Rは生成したアクリロニトリルのモル数、Sは生成した一酸化炭素のモル数を表す。また、反応生成ガスの分析は、ガスクロマトグラフィーにより行うことができる。
[実施例1]
実験式がMo10Bi0.5Fe4.3Ni6Cr0.4Ce0.4Sb3.50.20.20.253.75(SiO240で表される酸化物組成物(触媒)を以下のように調製した。
(スラリー(A)の調製)
32質量%硝酸水溶液2050質量部に電解鉄粉139質量部を少しずつ加え溶解した。三酸化アンチモン粉末800質量部を上記の鉄の硝酸溶液に加え、このスラリーをよく攪拌しながら100℃で2時間加熱した。スラリーを50℃に冷却後、これにホウ酸19.5質量部、ついで75質量%リン酸水溶液41.3質量部を攪拌しながら加えた。これを、回転円盤式噴霧乾燥機を用い、導入口温度を320℃に、出口温度を160℃にコントロールしながら、噴霧乾燥した。得られた粒子を250℃で加熱処理し、さらに950℃で3時間焼成した。この焼成した粒子から152質量部を採取し、これに純水380部を加え、平均粒径が1.2μmとなるまでアトライタで粉砕してスラリー(A)を得た。
(スラリー(B)の調製)
純水1200質量部にパラモリブデン酸アンモニウム327質量部を40℃にて溶解し、この溶液に、硝酸ニッケル325質量部、40質量%硝酸第二クロム水溶液74.0質量部、硝酸カリウム3.7質量部、クエン酸30.0質量部、および硝酸ビスマス36.3質量部を3質量%硝酸水溶液320質量部に溶解したものを攪拌しながら加えた。ついで、これに、硝酸第一セリウム32.3質量部を純水100質量部に溶解したものを攪拌しながら加えた。ついで、これに、20質量%コロイダルシリカ2190質量部を攪拌しながら加えた。ついで、これに、硝酸第二鉄82.0質量部およびクエン酸30.0質量部を純水320質量部に溶解したものを攪拌しながら加えた。このスラリーを15質量%アンモニア水でpH2.2(40℃)に調整し、99℃で1.5時間加熱処理した。これをスラリー(B)とした。
(触媒の調製)
スラリー(B)を50℃に降温した後、これにスラリー(A)380質量部を攪拌しながら加え、ホモジナイザー処理を施して、スラリーを完成させた。完成したスラリーのpHは1.7(40℃)であった。その後、このスラリーを、回転円盤式噴霧乾燥機を用い噴霧乾燥した。得られた粒子を250℃で加熱処理し、さらに640℃で3時間焼成して触媒を得た。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として塔径0.20m、高さ9mの反応塔を使用した。プロピレン、アンモニア、および空気は、原料ガススパージャーを分けて供給した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は22m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は32m/s(プロピレン、アンモニア)および25m/s(空気)、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の800質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表1に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は80.3%、アクリロニトリル選択率は82.1%、一酸化炭素収率は3.2%であった。運転開始1000時間以降はアクリロニトリル収率は79.8%前後、アクリロニトリル選択率は81.8%前後、一酸化炭素収率は3.1%前後で安定推移した。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図5に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、触媒の受ける衝撃がよく制御されて、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成が少ないことがわかる。
[実施例2]
実施例1の触媒を用いてアクリロニトリルの製造を行った。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として塔径0.25m、高さ16mの反応塔を使用した。プロピレン、アンモニア、および空気は、共通の原料ガススパージャーから供給した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は30m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は22m/s、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の2300質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表2に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は80.5%、アクリロニトリル選択率は82.1%、一酸化炭素収率は2.5%であった。運転開始1000時間以降はアクリロニトリル収率は80.0%前後、アクリロニトリル選択率は82.1%前後、一酸化炭素収率は2.5%前後で安定推移した。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図6に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、触媒の受ける衝撃がよく制御されて、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成が少ないことがわかる。
[比較例1]
実施例1の触媒を用いてアクリロニトリルの製造を行った。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として実施例1の反応塔を使用した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は30m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は44m/s(プロピレン、アンモニア)および34m/s(空気)、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の3500質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表3に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は80.3%、アクリロニトリル選択率は81.8%、一酸化炭素収率は2.5%であった。しかし、これらの数値は徐々に減少し、運転開始3000時間にはアクリロニトリル収率は78.3%、アクリロニトリル選択率は80.1%、一酸化炭素収率は4.0%になった。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図7に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、使用中の衝撃によって、α型の二価金属モリブデイト結晶相が顕著に生成していることがわかる。
[実施例3]
実験式がMo10Bi0.4Fe1.5Ni4.3Mg1.5Mn0.2La0.50.1Rb0.139.7(SiO240で表される酸化物組成物(触媒)を以下のように調製した。
(スラリー(C)の調製)
17質量%硝酸水溶液399質量部に、硝酸ニッケル277質量部、硝酸マグネシウム85.0質量部、硝酸マンガン12.6質量部、硝酸ランタン47.6質量部、硝酸第二鉄133質量部、硝酸カリウム2.2質量部、硝酸ルビジウム3.3質量部、および硝酸ビスマス43.1質量部を順に攪拌しながら加えてスラリー(C)を得た。
(スラリー(D)の調製)
20質量%コロイダルシリカ2600質量部を、40℃にて攪拌しながら混合して、そこにパラモリブデン酸アンモニウム388質量部を純水780質量部に溶解したものを攪拌しながら加えてスラリー(D)を得た。
(触媒の調製)
そして、スラリー(D)にスラリー(C)を攪拌しながら加えて、ホモジナイザー処理を施して、スラリーを完成させた。完成したスラリーのpHは0.9(40℃)であった。その後、このスラリーを、回転円盤式噴霧乾燥機を用い噴霧乾燥した。得られた粒子を250℃で加熱処理し、さらに590℃で3時間焼成して触媒を得た。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として実施例2の反応塔を使用した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は18m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は12m/s、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の700質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表4に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は81.0%、アクリロニトリル選択率は82.6%、一酸化炭素収率は2.8%であった。運転開始1000時間以降はアクリロニトリル収率は80.7%前後、アクリロニトリル選択率は82.3%前後、一酸化炭素収率は2.7%前後で安定推移した。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図8に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、触媒の受ける衝撃がよく制御されて、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成が少ないことがわかる。
[実施例4]
実施例3の触媒を用いてアクリロニトリルの製造を行った。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として実施例1の反応塔を使用した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は27m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は40m/s(プロピレン、アンモニア)および30m/s(空気)、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の2700質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表5に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は81.5%、アクリロニトリル選択率は83.2%、一酸化炭素収率は2.2%であった。運転開始1000時間以降はアクリロニトリル収率は80.9%前後、アクリロニトリル選択率は82.7%前後、一酸化炭素収率は2.3%前後で安定推移した。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図9に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、触媒の受ける衝撃がよく制御されて、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成が少ないことがわかる。
[比較例2]
実施例4の触媒を用いてアクリロニトリルの製造を行った。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として実施例1の反応塔を使用した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は17m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は24m/s(プロピレン、アンモニア)および19m/s(空気)、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の400質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表6に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は79.8%、アクリロニトリル選択率は81.4%、一酸化炭素収率は3.9%であった。運転開始1000時間はアクリロニトリル収率は79.6%、アクリロニトリル選択率は81.4%であり、一酸化炭素収率は3.7%と高かった。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図10に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約1000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、使用中の衝撃は僅かで、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成も僅かであることがわかる。
[実施例5]
実験式がMo10Bi0.4Fe1.3Ni4Mg2Cr0.4Ce0.60.15Cs0.0540.15(SiO240で表される酸化物組成物(触媒)を以下のように調製した。
(スラリー(E)の調製)
17質量%硝酸水溶液398質量部に、硝酸ニッケル257質量部、硝酸マグネシウム113質量部、40質量%硝酸第二クロム水溶液87.5質量部、硝酸第一セリウム57.3質量部、硝酸第二鉄114質量部、硝酸カリウム3.3質量部、硝酸ルビジウム2.1質量部、および硝酸ビスマス42.9質量部を順に攪拌しながら加えてスラリー(E)を得た。
(スラリー(F)の調製)
20質量%コロイダルシリカ2590質量部を、40℃にて攪拌しながら混合して、そこにパラモリブデン酸アンモニウム387質量部を純水778質量部に溶解したものを攪拌しながら加えてスラリー(F)を得た。
(触媒の調製)
そして、スラリー(F)にスラリー(E)を攪拌しながら加えて、ホモジナイザー処理を施して、スラリーを完成させた。完成したスラリーのpHは0.9(40℃)であった。その後、このスラリーを、回転円盤式噴霧乾燥機を用い噴霧乾燥した。得られた粒子を250℃で加熱処理し、さらに580℃で3時間焼成して触媒を得た。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として実施例2の反応塔を使用した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は25m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は18m/s、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の1200質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表7に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は82.2%、アクリロニトリル選択率は84.0%、一酸化炭素収率は2.0%であった。運転開始1000時間以降はアクリロニトリル収率は81.7%前後、アクリロニトリル選択率は83.5%前後、一酸化炭素収率は1.9%前後で安定推移した。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図11に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、触媒の受ける衝撃がよく制御されて、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成が少ないことがわかる。
[比較例3]
実施例5の触媒を用いてアクリロニトリルの製造を行った。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として実施例2の反応塔を使用した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は36m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は27m/s、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の3300質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表8に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は82.0%、アクリロニトリル選択率は83.5%、一酸化炭素収率は2.1%であった。しかし、これらの数値は徐々に減少し、運転開始3000時間にはアクリロニトリル収率は80.4%、アクリロニトリル選択率は82.3%、一酸化炭素収率は3.4%になった。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図12に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、使用中の衝撃によって、α型の二価金属モリブデイト結晶相が顕著に生成していることがわかる。
[比較例4]
実施例5の触媒を用いてアクリロニトリルの製造を行った。
(アクリロニトリルの製造)
反応器として実施例2の反応塔を使用した。
以下の条件は、反応が定常に到達以降の反応条件である。サイクロンの流入口のガス線速度は13m/s、原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度は8m/s、反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量は全触媒量(100質量%)の200質量%とした。
プロピレン、アンモニアおよび空気は、1/1.2/11(モル比)の割合で供給した。反応温度は440℃、反応圧力は200kPaとした。また、触媒量に対して実験式Mo0.02相当量の三酸化モリブデンを100時間ごとに添加した。
反応開始後、20〜28時間ごとにプロピレンの転化率、アクリロニトリルの収率、アクリロニトリルの選択率、および一酸化炭素の収率を測定した。結果を1000時間ごとに抜粋して表9に示す。
Figure 0004762554
定常反応条件到達時のアクリロニトリル収率は79.8%、アクリロニトリル選択率は81.4%、一酸化炭素収率は4.2%であった。運転開始1000時間にはアクリロニトリル収率は79.7%、アクリロニトリル選択率は81.3%であり、一酸化炭素収率は4.1%と高かった。
(触媒中の二価金属モリブデイト結晶相)
触媒の粉末X線回折測定結果を図13に示す。(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約1000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。(a)の回折線から、使用中の衝撃は僅かで、α型の二価金属モリブデイト結晶相の生成も僅かであることがわかる。
本発明の技術を採用することにより、アクリロニトリル収率が高く、かつ経時的なアクリロニトリル収率の低下が小さく、長時間安定して、アクリロニトリルの製造を行うことができる。
アクリロニトリルの製造装置の一例を示す縦断面図である。 原料ガススパージャーのノズル孔の一例を示す断面図である。 サイクロンの一例を示す斜視図である。 触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約5000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 実施例1における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 実施例2における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 比較例1における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 実施例3における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 実施例4における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 比較例2における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約1000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 実施例5における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 比較例3における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約3000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。 比較例4における触媒の粉末X線回折測定結果を示す図であり、(a)はアクリロニトリルの製造を開始して約1000時間経過後、(b)はアクリロニトリル製造開始前の回折線である。
符号の説明
1 流動層
2 反応器
4 サイクロン

Claims (3)

  1. モリブデン、ビスマス、鉄、ニッケル、およびシリカを必須成分として含有する触媒の流動層が設けられた反応器と、該反応器からのガスと触媒とを分離し、触媒を流動層に返送するサイクロンとを具備する製造装置を用い、触媒の存在下、プロピレンと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造する方法において、
    反応器とサイクロンとの間の1時間あたりの触媒循環量を全触媒量(100質量%)の500〜3000質量%の範囲とすることを特徴とするアクリロニトリルの製造方法。
  2. サイクロンの流入口のガス線速度を3〜40m/sの範囲とする、請求項1に記載のアクリロニトリルの製造方法。
  3. 製造装置が、反応器内にプロピレン、分子状酸素、およびアンモニアを供給する原料ガススパージャーをさらに具備し、
    原料ガススパージャーのノズル孔から噴出したガスと触媒とが接触する部分の線速度を3〜100m/sの範囲とする、請求項1または2に記載のアクリロニトリルの製造方法。
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