JP4762463B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の撮像画像において、輝度特性の相関を有する画素ブロック対のズレ量を補間演算付で算出する画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開2000−283753号には、互いに相関を有する画素ブロック対のピクセルレベルの視差を、直線近似によって算出されたサブピクセル成分によって補間する、ステレオ画像を用いた測距装置が開示されている。図13は、従来のサブピクセル成分の算出説明図である。ピクセルレベルの視差Dを与える仮の対応点p1、その直前の隣接点p0、その直後の隣接点p2の3つの点に基づいて、縦軸に対して線対称となる2本の直線L1,L2を算出する。そして、これらの直線L1,L2の交点より、サブピクセル成分Sを算出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では、対応点p0の前後の隣接点p0,p2の双方を用いてサブピクセル成分Sを算出している。前後の対応点p0,p2の内、シティブロック距離の小さい隣接点p2には、真の対応点psubの輝度値が含まれているが、シティブロック距離の大きい対応点p0には、真の対応点psubの輝度値が含まれていない。この手法は、結果的に、真の対応点psubの輝度値が点p0,p1,p2の3点に跨っているものとみなしており、誤差の原因となる隣接点p0を入力変数としてサブピクセル成分Sを算出している。そのため、サブピクセル成分Sの誤差が大きくなり易く、サブピクセル成分Sによって補間されたサブピクセルレベルの視差の算出精度が低下する傾向がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、互いに相関を有する画素ブロック対のズレ量をサブピクセルレベルで精度よく算出し得る、新規な画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理装置を提供する。この画像処理装置は、シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出するステレオ処理手段を有する。また、このステレオ処理手段は、ピクセルレベルのズレ量における最小シティブロック距離を第1の値として設定するとともに、最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離および最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離の内、小さい方のシティブロック距離を第2の値として選択する。また、この画像処理装置は、第1の値と第2の値とに基づいて、サブピクセル成分を算出するとともに、このサブピクセル成分を用いて、ピクセルレベルのズレ量を補間して、サブピクセルレベルのズレ量を算出するサブピクセル処理手段を有し、サブピクセル処理手段は、第1の値と第2の値との比より非線形なサブピクセル比率を算出し、このサブピクセル比率を線形補正することによって、サブピクセル成分を算出する。このような構成を有する第1の発明では、最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離および最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離の内、大きい方のシティブロック距離は対応点の情報を含まないので、それを用いることなく、サブピクセル成分を算出する。
【0008】
また、第1の発明において、ステレオ処理手段は、平均値差分マッチングによりシティブロック距離を算出することが好ましい。
【0009】
さらに、第1の発明において、一対のカメラで構成され、同一の撮像タイミングで撮像した一対の撮像画像を出力するステレオカメラをさらに設けてもよい。
【0010】
第2の発明は、一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理方法を提供する。この画像処理方法は、シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出する第1のステップと、ピクセルレベルのズレ量における最小シティブロック距離を第1の値として設定する第2のステップと、最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離および最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離とを比較して、小さい方のシティブロック距離を第2の値として選択する第3のステップと、第1の値と第2の値とに基づいて、サブピクセル成分を算出する第4のステップと、サブピクセル成分を用いて、ピクセルレベルのズレ量を補間して、サブピクセルレベルのズレ量を算出する第5のステップとを有し、第4のステップは、第1の値と第2の値との比より非線形なサブピクセル比率を算出するステップと、サブピクセル比率を線形補正することによって、サブピクセル成分を算出するステップとを含む
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した画像処理装置の基本構成を示すブロック図である。ステレオカメラ1は、CCDやCMOSイメージセンサ等を内蔵した一対のカメラ1a,1bで構成されており、所定の基線長で互いの撮像面垂直軸が平行となるように取付けられている。メインカメラ1aは、ステレオマッチング処理における基準画像を出力し、サブカメラ1bは比較画像を出力する。カメラ対1a,1bは互いに同期がとれており、これらのシャッタースピードは調節可能である。ステレオカメラ1は、同一のタイミングで撮像した一対の画像を画像入力部2に出力する。なお、ステレオカメラ1は、CCDカメラ等に限らず、赤外線カメラ等を用いてもよい。
【0014】
画像入力部2は、それぞれのカメラ1a,1bから出力された2系統のアナログ画像信号に対する入力処理を行い、所定の輝度階調(例えば、256階調のグレースケール)のデジタル画像に変換する。デジタル化されたこれらの画像(ステレオ画像)は、画像入力部2の一部を構成する補正回路において、輝度補正や画像の幾何学的な変換等が行われる。通常、カメラ1a,1bの取付位置は程度の差こそあれ誤差を含んでいるため、それに起因したずれが左右の画像に存在する。そこで、アフィン変換等によって、画像の回転や平行移動といった幾何学的な変換処理がステレオ画像に対して行われる。これにより、ステレオマッチング処理の前提となる、基準画像の水平線と比較画像の水平線との一致(エピポーラライン)が保証される。以上のような画像処理を経た基準画像データおよび比較画像データが、画像入力部2より出力され、撮像画像における各画素の輝度値を示す元画像データとして元画像メモリ3に格納される。以下、画像平面上の位置は直交座標で定義し、水平方向をi座標、垂直方向をj座標とする。
【0015】
ステレオ処理部4は、加算器、差分器、絶対値演算回路、メモリ等で構成されており、元画像メモリ3にストアされた基準画像データと比較画像データとに基づいて、1フレーム相当の視差(距離と等価)の集合である距離データを算出する。このステレオ処理部4を、このようなハードウェア構成での実現に代えて、ソフトウェアによって実現できることは当然である。視差は、基準画像を構成する画素ブロック(以下「基準画素ブロック」という)毎に1つ算出され、画像全体では最大で1フレーム中の基準画素ブロックの個数分だけ算出される。ある基準画素ブロックに関して算出された視差は、その画素ブロック内に写し出されている対象物までの距離に相当する。算出された視差のそれぞれは、画像平面上の位置(すなわち、座標(i,j))と対応付けられており、画像平面上に視差群を二次元的に配置した構成となる。そこで、1フレーム相当の視差群で構成された距離データを適宜「距離画像」という。
【0016】
ステレオ処理部4は、比較画像を探索することによって、基準画素ブロックの輝度特性と相関を有する画素ブロックを特定する。周知のとおり、ステレオ画像に写し出された対象物までの距離は、視差、すなわち、基準画素ブロックの位置を基準とした比較画素ブロックの相対的なズレ量(水平方向の画素ズレ量)から一義的に算出される。したがって、図2に示すように、ステレオマッチングにより基準画素ブロックAの相関先を探索する場合、比較画像全体を探索範囲とする必要はなく、基準画素ブロックAと同一水平線(エピポーラライン)を探索範囲とすればよい。ステレオ処理部4は、このエピポーラライン上を1画素ずつずらしながら、エピポーラライン上の所定範囲内に存在するすべての画素ブロックB(以下「「比較画素ブロック」という)の相関を、シティブロック距離によって評価する。
【0017】
シティブロック距離は、画素ブロックA,Bの相関性を評価する手法として周知であり、比較的少ない演算量で輝度特性の相関を良好に評価することができる。ここで、例えば、画素ブロックA,Bのサイズ(I×J)を4×4画素とし、基準画素ブロックAを構成する各画素の輝度値をaij(i=0〜3,j=0〜3)、比較画素ブロックBを構成する各画素の輝度値をbij(i=0〜3,j=0〜3)とする。基本的に、シティブロック距離Cは、位置的に対応した二つの輝度値aij,bijの差(絶対値)の画素ブロック全体における総和として定義される。前段の処理(画像入力部2における処理)で、元画像に輝度補正をかけている場合には、両画素ブロックA,Bに関するシティブロック距離Cは、輝度値aij,bijをそのまま用いて、下式に従い算出する(通常のステレオマッチング)。
【数1】
C=Σ|aij−bij|
【0018】
上式からわかるように、2つの画素ブロックA,Bの輝度特性が類似しているほど(すなわち相関が大きいほど)、シティブロック距離が小さくなり、両者がまったく同じであれば0になる。比較画像のエピポーラライン上を左から右へ1画素ずつずらしながら、それぞれの比較画素ブロックBを演算対象としたシティブロック距離を順次算出する。これにより、基準画素ブロックAの位置を基準とした比較画素ブロック(・・・,B[is-1],B[is]、B[is+1],・・・)の相対的なズレ量(・・・,is−1,is,is+1,・・・)に対するシティブロック距離(・・・,C0,C1,C2,・・・)の離散的な分布が求まる。シティブロック距離の算出間隔は、1画素の横方向サイズ相当となる。
【0019】
このようにして算出されたシティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小値Cminとなる比較画素ブロックB[is]を基準画素ブロックAの相関先と判断する。そして、基本的には、相関先と判断された比較画素ブロックB[is]の水平方向のズレ量isが、基準画素ブロックAに関する視差Dとなる。なお、シティブロック距離を算出するためのハード構成を含めたステレオマッチングの詳細については、本願出願人が既に提案した特開平5−114009号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0020】
以上の手法によって、ステレオ処理部4は、1フレームの基準画像におけるすべての基準画素ブロックAに関して視差Dを順次算出し、それをサブピクセル処理部5に出力する。その際、視差Dを与えるズレ量isに関するシティブロック距離C1(=Cmin)、その直前において隣接したシティブロック距離C0、および、その直後において隣接したシティブロック距離C2もサブピクセル処理部5に出力される。
【0021】
シティブロック距離の基本形は上述したとおりであるが、具体的な算出式には数々のバリエーションが存在する。例えば、上述した通常のステレオマッチングに代えて、平均値差分マッチングを行なってもよい。平均値差分マッチングは、撮像画像の高周波成分のみをマッチング対象とし、ハイパスフィルタと等価な作用を有しているため、低周波ノイズを有効に除去する。また、平均値差分マッチングでは、ステレオ画像における輝度の僅かなバランスの狂いに起因した影響、或いは、カメラやアナログ回路部品の経年変化によるゲイン変化に起因した影響等に対し、ミスマッチングを生じることがなく正確な距離情報を得る。そのため、通常のステレオマッチングでは前段の処理として必須となる輝度補正等を省略することができる。その結果、画像入力部2を構成する回路の部品点数を低減し、画像入力部2の回路構成を簡素化できるため、コスト低減や信頼性向上を図ることができる。
【0022】
平均値差分マッチングでは、下式に従いシティブロック距離Cを算出する。ここで、Aaveは基準画素ブロックAの輝度平均値であり、Baveは比較画素ブロックBの輝度平均値である。すなわち、平均値差分マッチングでは、基準画素ブロックAの輝度値aijからその輝度平均値Aaveを差分した値と、比較画素ブロックBの輝度値bijからその輝度平均値Baveを差分した値との差(絶対値)の画素ブロック全体における総和として定義される。なお、平均値差分マッチング処理の詳細については、本願出願人が既に提案した特開平11−234701号公報に詳述されているので、必要ならば参照されたい。
【数2】
C=Σ|(aij−Aave)−(bij−Bave)|
Aave=Σaij/(I×J)
Bave=Σbij/(I×J)
【0023】
また、画素ブロックA,Bの中心部の輝度値(例えば、a22,a23,a32,a33、bijについても同様)を重視する場合には、下式のように、輝度差の絶対値に重み係数wijを乗じてシティブロック距離Cを算出してもよい(重み付けマッチング)。この場合、重み係数wijは、画素ブロックA,Bの内側に向うほど大きな値に設定する。重み付けマッチング処理の詳細については、本願出願人が既に提案した特願2001−063290号において開示されている。
【数3】
C=Σwij|aij−bij|
【0024】
サブピクセル処理部5は、ステレオ処理部4において生成された1画素単位の分解能を有する視差Dに対して、サブピクセル処理による補間を行うことで、1画素単位以下の分解能を有する視差Dを算出する。ステレオ処理部4で算出される視差Dは画素単位(画素の整数倍)であるため、三角測量の原理より、撮像画像に写し出された対象物までの距離が遠くなるにつれて、測距分解能が必然的に低下してしまう。そこで、サブピクセル処理部5は、ズレ量is(=D)に関するシティブロック距離C1(以下「最小シティブロック距離C1」という)と、直前のズレ量is−1(=D−1)に関するシティブロック距離C0(以下「直前の隣接シティブロック距離C0」という)と、直後のズレ量is+1(=D+1)に関するシティブロック距離C2(以下「直後の隣接シティブロック距離C2」という)とを用いて、ピクセルレベルの視差Dに関する1画素以下の小数画素成分、すなわち、サブピクセル成分Sを求める。そして、このサブピクセル成分Sを用いて、ピクセルレベルの視差Dを補間し、サブピクセルレベルの視差Dを算出する。補間された視差群は、距離データとして距離画像メモリ6に順次格納される。なお、後述するように、サブピクセル処理部5において行われる具体的なサブピクセル処理には2つの手法がある。
【0025】
認識部7は、元画像メモリ3に格納された元画像データと、距離画像メモリ6に格納された距離データとに基づき、撮像画像に写し出された対象物、および、その対象物までの距離等を認識する。以上のような構成を有する画像処理装置は、自車両前方の道路形状や先行車等を検出する車外監視装置、障害物検出装置、踏切監視装置、或いは、飛行体の高度計測装置として利用することができる。
【0026】
(第1のサブピクセル処理手法)
図3は、本手法に係るサブピクセル処理のフローチャートである。まず、ステップ1において、ステレオ処理部4で算出された、ある基準画素ブロックAに関する視差Dと、この視差Dに関連付けられたシティブロック距離C0〜C2とが入力される。ステップ2では、隣接シティブロック距離C0,C2の大きさが比較される。直前の隣接シティブロック距離C0が直後の隣接シティブロック距離C2以上の場合(C0≧C2)、直後のシティブロック距離C2が選択される。そして、選択された直後のシティブロック距離C2と、最小シティブロック距離C1とを用いて、下式に従いサブピクセル成分Sが算出される(ステップ3)。すなわち、最大シティブロック距離C1を、最大シティブロック距離C1とその直後の隣接シティブロック距離C2との和で除算した値が、サブピクセル成分Sとなる(Sは正の値)。
【数4】
S=C1/(C1+C2)
【0027】
これに対して、直前の隣接シティブロック距離C0が直後の隣接シティブロック距離C2よりも小さい場合(C0<C2)、下式に従いサブピクセル成分Sが算出される(ステップ4)。すなわち、最大シティブロック距離C1を、最大シティブロック距離C1とその直前の隣接シティブロック距離C0との和で除算した値が、サブピクセル成分Sとなる(Sは負の値)。
【数5】
S=−C1/(C0+C1)
【0028】
サブピクセル成分Sは、ピクセルレベルの視差D(isに相当)とサブピクセルレベルの視差D(後述するisubに相当)とのオフセット値であり、正の値または負の値のいずれかをとる。サブピクセル成分Sが正の場合、サブピクセルレベルの視差Dは、ピクセルレベルの視差Dよりも正方向に存在する。また、サブピクセル成分Sが負の場合、サブピクセルレベルの視差Dは、ピクセルレベルの視差Dよりも負方向に存在する。
【0029】
最後に、ステップ5において、ステップ3またはステップ4で算出されたサブピクセル成分Sを用いて、ステレオ処理部4で算出されたピクセルレベルの視差Dを補間する。具体的には、ピクセルレベルの視差Dにサブピクセル成分Sを加算することにより、1画素以下の分解能を有するサブピクセルレベルの視差Dが算出される。算出されたサブピクセルレベルの視差Dは距離画像メモリ6に格納される。
【0030】
ステレオ処理部4から視差Dが出力される度に、サブピクセル処理部5は上述したサブピクセル処理を行う。これにより、距離画像を構成するすべての視差Dが補間され、1画素以下の分解能を有する距離画像が距離画像メモリ6に格納される。
【0031】
図4は、第1の手法に係るサブピクセル処理部5をハードウェアで実現した場合におけるブロック構成図であり、上述したソフトウェア処理と等価的に機能する。サブピクセル処理部5は、比較器5a、セレクタ5b、演算器5cおよび加算器5dによって構成されている。比較器5aは、隣接シティブロック距離C0,C2の値を比較し、小さい方がセレクタ5bによって選択される。演算器5cは、セレクタ5bによって選択された一方の隣接シティブロック距離C0(またはC2)と、最大シティブロック距離C1とに基づいて、上述した数式4または数式5の演算を行い、サブピクセル成分Sを算出する。加算器5dは、サブピクセル成分Sとピクセルレベルの視差Dとを加算してサブピクセルレベルの視差Dを算出し、距離画像メモリ6に出力する。
【0032】
つぎに、サブピクセル成分Sが数式4または数式5より算出される理由について説明する。従来技術として挙げた特開2000−283753号公報にも言及されているように、1画素のサイズが無限に小さいと仮定した場合、画像平面(i,j)におけるシティブロック距離の分布は、図5に示すように連続的になる。これを、視差検出方向であるi方向の一次元的な分布として捉えた場合には、例えば、図6の破線で示すような連続的な分布となる(C0≧C2のケース)。同図において、横軸iは、基準画素ブロックAに対する比較画素ブロックBの相対的なズレ量であり、縦軸Cはシティブロック距離である。また、破線上に丸印で示した点群(点p0〜p2を含む)は、ステレオ処理部4において算出された離散的なシティブロック距離をプロットしたものである。この連続分布が示すように、対応点psub(シティブロック距離の連続的な分布において最小値をとる点)周りに左右対称になる。ただし、その対称性が理論的に保証されるのは極狭い範囲であり、対応点psubの±1画素以内である。±1画素以上の点では、元画像の画素成分が比較画像の画素成分にまったく含まれないため、対称性が維持されない。画素のサイズ間隔で離散的にプロットした点p0〜p2は、シティブロック距離の連続分布を示す破線上に存在し、この部分においては対称性が維持される。
【0033】
シティブロック距離の離散的な分布において、最小値C1をとる点p1(is,C1)を「仮の対応点」とする。「仮の対応点」と呼ぶ理由は、破線で図示した連続的なシティブロック距離Cの最小値をとる対応点Psub(真の対応点)は、仮の対応点p1近傍にあるものの、仮の対応点P1とは一致しないからである。対応点psubの座標(i,C)を(isub,0)とすると、1画素以下のサブピクセル成分Sは、isとisubとの差より算出できる。ここで、対応点psubのC座標値を0とする理由は、対応点psubは基準画素ブロックAの輝度特性と完全に一致する比較画素ブロックBのズレ量(理想値)を示すからである。そして、画素ブロックA,Bの輝度特性が完全に一致する場合、そのシティブロック距離は原理的に0となるからである。
【0034】
サブピクセル成分Sを算出する場合、まず、仮の対応点p1の前後の隣接点p0,p1のシティブロック距離C0,C2の大小関係より、対応点psubが仮の対応点p1の左右どちらに存在するのかを判断する。図6に示すように、直前の隣接点p0のC座標値が直後の隣接点p2のC座標値以上の場合、換言すれば、直前のシティブロック距離C0が直後のシティブロック距離C2以上の場合には、上述したシティブロック距離Cの対称性より、対応点psubは、i座標ベースで座標値is〜(is+1)の範囲内にあると判断できる。そこで、図7に示すように、二重丸印で示した対応点psubを通る垂直軸に対して、線対称となる2本の直線L1,L2を直線近似で求め、その交点からサブピクセル成分Sを算出する。このケースにおいて、左側の直線L1は、仮の対応点p1(is,C1)と対応点psub(isub,0)を通り、右側の直線L2は、対応点psub(isub,0)と直後の隣接点p2(is+1,C2)とを通る。サブピクセル成分Sは、i軸方向における仮の対応点p1と対応点psubとの間の距離(S=isub−is)として求めることができ、その値は正となる。
【0035】
サブピクセル成分Sを一義的に特定するために、2つの条件を設ける。一つは、直線L1の傾きを−mとし、直線L2の傾きをmとする。これは、対応点Psub周りにおけるシティブロック距離の対称性から、対応点psubを通る垂直軸に対して直線L1と直線L2とが線対称になることを意味している。そして、もう一つは、対応点psubのC座標値を0とする。これは、対応点psubにおけるシティブロック距離が原理的に0になることを利用している。
【0036】
直線L1をC=m×i+aで表すと、直線L1の条件より下式が得られる。ここで、式(1)は仮の対応点p1(is,C1)を通るという条件より得られ、式(2)は対応点psub(isub,0)とを通るという条件から得られる。また、式(3)は、式(1),(2)の連立方程式を解くことにより得られる。
【数6】
C1=m×is+a ・・・・・・(1)
0=m×isub+a ・・・・・・(2)
m=C1/(is−isub) ・・・・・・(3)
【0037】
また、直線L2をC=−m×i+bで表すと、直線L2の条件より下式が得られる。ここで、式(4)は対応点psub(isub,0)を通るという条件より得られ、式(5)は直後の隣接点p2(is+1,C2)を通るという条件から得られる。また、式(6)は、式(3),(4)の連立方程式を解くことにより得られる。
【数7】
0=−m×isub+b ・・・・・・(4)
C2=−m×(is+1)+b ・・・・・・(5)
m=−C2/(is+1−isub) ・・・・・・(6)
【0038】
そして、上述したS=isub−isを用いて、式(3),(6)をサブピクセル成分Sについて解くと、上述した数式4が導出される。
【0039】
一方、図8に示すように、直前の隣接点p0のシティブロック距離C0が直後の隣接点p2のシティブロック距離C2よりも小さい場合(C0<C2)、シティブロック距離の対称性より、対応点psubは、i座標ベースで座標値is−1〜isの範囲内にあると判断できる。そこで、図9に示すように、対応点psubを通る垂直軸に対して、線対称となる2本の直線L1,L2を直線近似で求め、その交点からサブピクセル成分Sを算出する。このケースにおいて、左側の直線L1は、直前の隣接点p0(is−1,C0)と対応点psub(isub,0)を通り、右側の直線L2は、対応点psub(isub,0)と仮の対応点p1(is,C1)とを通る。そして、上述したC0≧C2の場合と同様に、直線L1と直線L2の線対称性と、対応点psubのシティブロック距離0とを用いて、サブピクセル成分Sについて解くと、上述した数式5が導出される。図9から分かるように、このケースにおけるサブピクセル成分Sは負の値となる。
【0040】
ここで、上述した第1のサブピクセル処理手法が従来技術として挙げた特開2000−283753号と相違する点を説明する。本手法も従来技術と同様に、シティブロック距離の連続分布が対応点psub周りで対称になることを利用して、対応点psubを通る縦軸に対して線対称な直線L1(傾きm)と直線L2(傾き−m)を設定している。そして、これらの2本の直線L1,L2を設定するために3つの点を用い、これらの直線L1,L2の交点よりサブピクセル成分Sを算出する点も同様である。しかしながら、3つの点の与え方に関して、本手法と従来技術とは大きく相違する。従来技術は、仮の対応点p1と、その直前の隣接点p0と、その直後の隣接点p2とを用いている。つまり、シティブロック距離C0,C2の大小に拘わらず、双方の隣接点p0,p2を用いている。換言すれば、ステレオマッチングにより直接算出された離散な3点p0,p1,p2を用いている。
【0041】
これに対して、本手法は、仮の対応点p1と、シティブロック距離の小さい方の隣接点p0(またはp2)と、対応点psubとを用いている。つまり、ステレオマッチングにより直接算出された離散点p0,p1,p2の内、サプピクセル成分Sの算出に用いるのは、仮の対応点p1と、シティブロック距離の小さい方の隣接点p0(またはp2)のみであり、大きい方の隣接点p2(またはp0)は用いない。そして、この隣接点p2(またはp0)を用いる代わりに、3つめの点として、シティブロック距離が0となる対応点psubを用いている。
【0042】
本手法のように、シティブロック距離が大きい方の隣接点を用いない理由は、サブピクセル成分Sの算出精度の向上を図るためである。一般に、1画素で撮像できる範囲は、メインカメラ1aもサブカメラ1ブロックも同程度である。カメラ1a,1bの上下ズレがない場合、メインカメラ1aの1画素に撮像される領域は、サブカメラ1bの2画素に跨ってしか撮像されない。そのため、シティブロック距離の大きい方の隣接点は対応点psubの輝度値が含まれないことになる。例えば、図6に示すケース(C0≧C2)では、対応点psubは、is〜is−1の範囲内に存在する。そのため、対応点psubの輝度値は、シティブロック距離の大きい直前の隣接点p0には含まれない(直後の隣接点p2に含まれる)。本手法では、シティブロック距離の大きい方の隣接点を対応点psubの情報を含まない隣接点であるとみなし、この隣接点を用いることなくサブピクセル成分Sを算出する。誤差の原因となる一方の隣接点の使用を避けることで、サブピクセル成分Sの算出精度の向上を図ることができる。
【0043】
(第2のサブピクセル処理手法)
図10は、第2の手法に係るサブピクセル処理のフローチャートである。まず、ステップ11において、ステレオ処理部4で算出された、ある基準画素ブロックAに関する視差Dと、この視差Dに関連付けられたシティブロック距離C0〜C2とが入力される。ステップ12では、隣接シティブロック距離C0,C2の大きさが比較される。
【0044】
直前の隣接シティブロック距離C0が直後の隣接シティブロック距離C2以上の場合(C0≧C2)、ステップ12からステップ13に進む。そして、下式に従い、最小シティブロック距離C1と直後の隣接シティブロック距離C2との比より、サブピクセル比率Smが算出される。
【数8】
Sm=0.5×C1/C2
【0045】
続くステップ14において、下式に示す5次の補正式を用いて、非線形なサブピクセル比率Smを線形化し、正のサブピクセル成分Sが算出される。
【数9】
S=A×Sm5+B×Sm4+C×Sm3+D×Sm2+E×Sm
【0046】
これに対して、直前の隣接シティブロック距離C0が直後の隣接シティブロック距離C2よりも小さい場合(C0<C2)、ステップ12からステップ15に進む。そして、下式に従い、最小シティブロック距離C1と直前の隣接シティブロック距離C0との比より、サブピクセル比率Smが算出される。
【数10】
Sm=0.5×C1/C0
【0047】
続くステップ16において、下記の5次の補正式を用いて、非線形なサブピクセル比率Smを線形化し、負のサブピクセル成分Sが算出される。
【数11】
S=−(A×Sm5+B×Sm4+C×Sm3+D×Sm2+E×Sm)
【0048】
最後に、ステップ17において、ステップ14またはステップ16で算出されたサブピクセル成分Sを用いて、ステレオ処理部4で算出されたピクセルレベルの視差Dを補間する。具体的には、ピクセルレベルの視差Dにサブピクセル成分Sを加算することにより、1画素以下の分解能を有するサブピクセルレベルの視差Dが算出される。算出されたサブピクセルレベルの視差Dは距離画像メモリ6に格納される。
【0049】
ステレオ処理部4において視差Dが算出される度に、サブピクセル処理部5は、上述したサブピクセル処理を行う。これにより、距離画像を構成するすべての視差Dが補間され、1画素以下の分解能を有する距離画像が距離画像メモリ6に格納される。
【0050】
図11は、第2の手法に係るサブピクセル処理部5をハードウェアで実現した場合におけるブロック構成図であり、上述したソフトウェア処理と等価的に機能する。サブピクセル処理部5は、比較器50a、セレクタ50b、演算器50c、補正関数演算器50d、および加算器50eによって構成されている。比較器50aは、隣接シティブロック距離C0,C2の値を比較し、小さい方がセレクタ50bによって選択される。演算器50cは、セレクタ50bによって選択された隣接シティブロック距離C0(またはC2)と、最大シティブロック距離C1とに基づいて、上述した数式8または数式10の演算を行い、サブピクセル比率Smを算出する。補正関数演算器50dは、上述した数式9または数式11の補正関数にサブピクセル比率Smを代入し、線形なサブピクセル成分Sを算出する。
そして、加算器50eは、サブピクセル成分Sとピクセルレベルの視差Dとを加算してサブピクセルレベルの視差Dを算出し、距離画像メモリ6に出力する。
【0051】
つぎに、サブピクセル成分Sが数式8,9または数式10,11より算出される理由について、図6のケース(C0≧C2)を例に説明する。なお、図8のケース(C0<C2)についても、基本的に下記の説明がそのまま該当するので、ここでの説明を省略する。
【0052】
シティブロック距離の連続分布の対称性より、対応点psubが仮の対応点p1に近いほど、仮の対応点p1のシティブロック距離C1は小さくなり、直後の隣接点p2のシティブロック距離C2は大きくなるため、サブピクセル比率Smは小さくなる。逆に、対応点psubが仮の対応点p1から離れるほど、シティブロック距離C1は大きくなり、シティブロック距離C2は小さくなるため、サブピクセル比率Smは大きくなる。また、対応点psubが仮の対応点p1と直後の隣接点p2との中間に存在する場合、シティブロック距離C1,C2が一致するため、サブピクセル比率Smは0.5となる。さらに、対応点psubが仮の対応点p1と完全に一致する場合、シティブロック距離C1が0になるため、サブピクセル比率Smも0となる。このことから、サブピクセル比率Smは、対応点psubの位置(正確には仮の対応点p1に対する対応点psubのズレ量=サブピクセル成分S))と相関を有することが分かる。
【0053】
図12は、コンピュータによるシミュレーションにより得られた、サブピクセル比率Smとサブピクセル成分Sとの関係図である。上記ズレ量に対して非線形となる。同図において、縦軸はサブピクセル比率Smを表し、横軸はサブピクセル成分S(真値)を表す。この図から分かるように、サブピクセル比率Smは、非線形となるため、これを視差Dのサブピクセル成分としてそのまま適用することはできない。
【0054】
そこで、数式9または数式11による補正式を用いて、非線形なサブピクセル比率Smに対して線形補正を施すことにより、線形なサブピクセル成分Sを算出する。このサブピクセル成分Sは、仮の対応点p1を基準とした対応点psubのズレ量を的確に表している。したがって、このサブピクセル成分Sを用いて、ピクセルレベルの視差Dを補間すれば、サブピクセルレベルの視差Dを精度よく算出することができる。なお、この線形補正は、非線形なサブピクセル比率Smを線形化できればどのような形態でもよく、例えば、上述した5次式を含む多項式近似、指数関数、或いは、テーブルによる補正等であってもよい。
【0055】
このように本実施形態によれば、ピクセルレベルの視差D(ズレ量is)を補間することにより、1画素以下の分解能を有するサブピクセルレベルの視差D(ズレ量isub)を算出できる。そのため、システム的に、あたかも1画素以下で視差検出を行ったかのように取り扱うことができる。その結果、ピクセルレベルの視差Dをそのまま用いた場合に生じる、遠距離での測距分解能の低下を抑制でき、近距離から遠距離までの広いレンジで有効な測距分解能を確保することが可能となる。そして、サブピクセルレベルの視差群で構成された距離画像を用いて各種の監視制御を行えば、信頼性の高い監視を行うことができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、隣接点p0,p2の内、シティブロック距離の小さい方の隣接点が対応点psubの輝度値を含む点に着目している。そして、仮の対応点p1のシティブロック距離C1と、対応点psubの輝度値を含む方のシティブロック距離C0(またはC2)とを用いて、サブピクセル成分Sを算出する。その際、対応点psubの輝度値を含まない方のシティブロック距離C2(またはC0)は誤差を生じる要因となるので、そのシティブロック距離は入力変数として用いない。これにより、従来技術と比較して、精度の高いサブピクセル成分Sを算出することができる。
【0057】
特に、上述した第1のサブピクセル処理手法は、第2のサブピクセル処理手法のような線形補正を行う必要がなく、簡易な計算で精度の高いサブピクセル成分Sを算出することができる。
【0058】
なお、上述した実施形態は、ステレオカメラ1を用いたステレオ画像処理について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではく、例えば、1台のカメラで画像内対象物のオプティカルフロー検出を行うといった、2枚以上の画像の対応付けにも適用可能である。この場合、1台のカメラを用いて所定の間隔で繰返し撮像し、時系列的な複数の撮像画像を得る。そして、ある撮像タイミングで得られた一方の撮像画像(基準画像)と、それとは異なる撮像タイミングで得られた他方の撮像画像(比較画像)とを用いて、上述した実施形態と同様にサブピクセル処理を行う。これにより得られたサブピクセルレベルのズレ量isubは、基準画素ブロックAに写し出された対象物に関する、画像平面上の移動量や速度に相当する。
【0059】
【発明の効果】
本発明では、シティブロック距離の離散的な分布において算出された、最小シティブロック距離をとるピクセルレベルのズレ量を、サブピクセル成分で補間することにより、サブピクセルレベルのズレ量を算出する。このサブピクセル成分は、最小シティブロック距離と、一方の隣接シティブロック距離とに基づいて算出される。この一方の隣接シティブロック距離は、最小シティブロック距離の前後に隣接したシティブロック距離の内の小さい方、すなわち、対応点の輝度値を含む方を用いる。これにより、互いに相関を有する画素ブロック対のズレ量をサブピクセルレベルで精度よく算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理装置の基本構成を示すブロック図
【図2】ステレオマッチングの説明図
【図3】第1の手法に係るサブピクセル処理のフローチャート
【図4】第1の手法に係るサブピクセル処理部のブロック構成図
【図5】画像平面におけるシティブロック距離の分布説明図
【図6】C0≧C2における極小点周りのシティブロック距離の分布説明図
【図7】C0≧C2におけるサブピクセル成分の算出説明図
【図8】C0<C2における極小点周りのシティブロック距離の分布説明図
【図9】C0<C2におけるサブピクセル成分の算出説明図
【図10】第2の手法に係るサブピクセル処理のフローチャート
【図11】第2の手法に係るサブピクセル処理部のブロック構成図
【図12】サブピクセル比率とサブピクセル成分との関係図
【図13】従来のサブピクセル成分の算出説明図
【符号の説明】
1 ステレオカメラ
1a メインカメラ
1b サブカメラ
2 画像入力部
3 元画像メモリ
4 ステレオ処理部
5 サブピクセル処理部
6 距離画像メモリ
7 認識部

Claims (4)

  1. 一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理装置において、
    シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出し、当該ピクセルレベルのズレ量における最小シティブロック距離を第1の値として設定し、かつ、前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離および前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離の内、小さい方のシティブロック距離を第2の値として選択するステレオ処理手段と、
    前記第1の値と前記第2の値とに基づいて、サブピクセル成分を算出するとともに、当該サブピクセル成分を用いて、前記ピクセルレベルのズレ量を補間して、サブピクセルレベルのズレ量を算出するサブピクセル処理手段とを有し、
    前記サブピクセル処理手段は、前記第1の値と前記第2の値との比より非線形なサブピクセル比率を算出し、当該サブピクセル比率を線形補正することによって、前記サブピクセル成分を算出することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ステレオ処理手段は、平均値差分マッチングによりシティブロック距離を算出することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。
  3. 一対のカメラで構成され、同一の撮像タイミングで撮像した一対の撮像画像を出力するステレオカメラをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載された画像処理装置。
  4. 一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理方法において、
    シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出する第1のステップと、
    前記ピクセルレベルのズレ量における最小シティブロック距離を第1の値として設定する第2のステップと、
    前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離および前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離とを比較して、小さい方のシティブロック距離を第2の値として選択する第3のステップと、
    前記第1の値と前記第2の値とに基づいて、サブピクセル成分を算出する第4のステップと、
    前記サブピクセル成分を用いて、前記ピクセルレベルのズレ量を補間して、サブピクセルレベルのズレ量を算出する第5のステップとを有し、
    前記第4のステップは、前記第1の値と前記第2の値との比より非線形なサブピクセル比率を算出するステップと、前記サブピクセル比率を線形補正することによって、前記サブピクセル成分を算出するステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
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