JP4053282B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の撮像画像において、輝度特性の相関を有する画素ブロック対のズレ量を1画素以下の分解能で算出する画像処理装置および画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開2000−283753号には、互いに相関を有する画素ブロック対のピクセルレベルの視差を、直線近似によって算出されたサブピクセル成分によって補間する、ステレオ画像を用いた測距装置が開示されている。図9は、従来のサブピクセル成分の算出説明図である。ピクセルレベルの視差Dを与える仮の対応点p1、その直前の隣接点p0、その直後の隣接点p2の3つの点に基づいて、縦軸に対して線対称となる2本の直線L1,L2を算出する。そして、これらの直線L1,L2の交点より、サブピクセル成分Sを算出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では、対応点p0の前後の隣接点p0,p2の双方を用いてサブピクセル成分Sを算出している。前後の対応点p0,p2の内、シティブロック距離の小さい隣接点p2には、真の対応点psubの輝度値が含まれているが、シティブロック距離の大きい対応点p0には、真の対応点psubの輝度値が含まれていない。この手法は、結果的に、真の対応点psubの輝度値が点p0,p1,p2の3点に跨っているものとみなしており、誤差の原因となる隣接点p0を入力変数としてサブピクセル成分Sを算出している。そのため、演算量が比較的大きくなる割にはサブピクセル成分Sの誤差が大きくなり易く、サブピクセル成分Sによって補間されたサブピクセルレベルの視差の算出精度が低下する傾向がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、互いに相関を有する画素ブロック対のズレ量(典型的には視差)をサブピクセルレベルで精度よく算出し得る、新規な画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理装置を提供する。この画像処理装置は、シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出する算出手段と、他方の撮像画像に関して、互いに隣接した画素間の輝度をサブピクセルレベルで補間することによって、輝度の補間データを生成する生成手段と、補間データを用いて、一方の撮像画像との間でステレオマッチングを行うことで、ズレ量のサブピクセル成分を算出するとともに、ピクセルレベルのズレ量とサブピクセル成分とに基づいて、サブピクセルレベルのズレ量を出力する出力手段とを有する。
【0006】
ここで、第1の発明において、上記生成手段は、最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離と最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離との大きさを判定し、この判定結果に基づいて、補間データの生成範囲を決定することが好ましい。また、上記補間データは、サブピクセルレベルの比較画素ブロックの少なくとも一つの集合であってもよい。さらに、一対のカメラで構成され、同一の撮像タイミングで撮像した一対の撮像画像を出力するステレオカメラをさらに設けてもよい。
【0007】
第2の発明は、一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理方法を提供する。この画像処理装置は、シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出する第1のステップと、他方の撮像画像に関して、互いに隣接した画素間の輝度をサブピクセルレベルで補間することによって、輝度の補間データを生成する第2のステップと、補間データを用いて、一方の撮像画像との間でステレオマッチングを行うことで、ズレ量のサブピクセル成分を算出する第3のステップと、ピクセルレベルのズレ量とサブピクセル成分とに基づいて、サブピクセルレベルのズレ量を算出する第4のステップとを有する。
【0008】
ここで、第2の発明において、上記第2のステップは、最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離と最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離との大きさを判定するステップと、この判定結果に基づいて、補間データの生成範囲を決定するステップとを含むことが好ましい。また、補間データは、サブピクセルレベルの比較画素ブロックの少なくとも一つの集合であってもよい。さらに、ステレオカメラを用いて、同一の撮像タイミングで撮像した一対の撮像画像を出力する第5のステップを設けてもよい。
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した画像処理装置の基本構成を示すブロック図である。ステレオカメラ1は、CCDやCMOSイメージセンサ等を内蔵した一対のカメラ1a,1bで構成されており、所定の基線長で互いの撮像面垂直軸が平行となるように取付けられている。メインカメラ1aは、ステレオマッチング処理における基準画像を出力し、サブカメラ1bは比較画像を出力する。カメラ対1a,1bは互いに同期がとれており、これらのシャッタースピードは調節可能である。ステレオカメラ1は、同一のタイミングで撮像した一対の画像を画像入力部2に出力する。なお、ステレオカメラ1は、CCDカメラ等に限らず、赤外線カメラ等を用いてもよい。
【0009】
画像入力部2は、それぞれのカメラ1a,1bから出力された2系統のアナログ画像信号に対する入力処理を行い、所定の輝度階調(例えば、256階調のグレースケール)のデジタル画像に変換する。デジタル化されたこれらの画像(ステレオ画像)は、画像入力部2の一部を構成する補正回路において、輝度補正や画像の幾何学的な変換等が行われる。通常、カメラ1a,1bの取付位置は程度の差こそあれ誤差を含んでいるため、それに起因したズレが左右の画像に存在する。そこで、アフィン変換等によって、画像の回転や平行移動といった幾何学的な変換処理がステレオ画像に対して行われる。これにより、ステレオマッチング処理の前提となる、基準画像の水平線と比較画像の水平線との一致(エピポーラライン)が保証される。以上のような画像処理を経た基準画像データおよび比較画像データが、画像入力部2より出力され、撮像画像における各画素の輝度値を示す元画像データとして元画像メモリ3に格納される。元画像メモリ3に格納された1フレーム相当の元画像データは、後段のサブピクセル処理部5および認識部7において用いられる。なお、以下、画像平面上の位置は直交座標で定義し、水平方向をi座標、垂直方向をj座標とする。
【0010】
ステレオ処理部4は、加算器、差分器、絶対値演算回路、メモリ等で構成されており、元画像メモリ3にストアされた基準画像データと比較画像データとに基づいて、1フレーム相当の視差(距離と等価)の集合である距離データを算出する。このステレオ処理部4を、このようなハードウェア構成での実現に代えて、ソフトウェアによって実現できることは当然である。視差は、基準画像を構成する画素ブロック(以下「基準画素ブロック」という)毎に1つ算出され、画像全体では最大で1フレーム中の基準画素ブロックの個数分だけ算出される。ある基準画素ブロックに関して算出された視差は、その画素ブロック内に写し出されている対象物までの距離に相当する。算出された視差のそれぞれは、画像平面上の位置(すなわち、座標(i,j))と対応付けられており、画像平面上に視差群を二次元的に配置した構成となる。そこで、1フレーム相当の視差群で構成された距離データを適宜「距離画像」という。
【0011】
ステレオ処理部4は、比較画像を探索することによって、基準画素ブロックの輝度特性と相関を有する画素ブロックを特定する。周知のとおり、ステレオ画像に写し出された対象物までの距離は、視差、すなわち、基準画素ブロックの位置を基準とした比較画素ブロックの相対的なズレ量(水平方向の画素ズレ量)から一義的に算出される。したがって、図2に示すように、ステレオマッチングにより基準画素ブロックAの相関先を探索する場合、比較画像全体を探索範囲とする必要はなく、基準画素ブロックAと同一水平線(エピポーラライン)を探索範囲とすればよい。ステレオ処理部4は、このエピポーラライン上を1画素ずつずらしながら、エピポーラライン上の所定範囲内に存在するすべての画素ブロックB(以下「「比較画素ブロック」という)の相関を、シティブロック距離によって評価する。
【0012】
シティブロック距離は、画素ブロックA,Bの相関性を評価する手法として周知であり、比較的少ない演算量で輝度特性の相関を良好に評価することができる。ここで、例えば、画素ブロックA,Bのサイズ(I×J)を4×4画素とし、基準画素ブロックAを構成する各画素の輝度値をaij(i=0〜3,j=0〜3)、比較画素ブロックBを構成する各画素の輝度値をbij(i=0〜3,j=0〜3)とする。基本的に、シティブロック距離Hは、位置的に対応した二つの輝度値aij,bijの差(絶対値)の画素ブロック全体における総和として定義される。前段の処理(画像入力部2における処理)で、元画像に輝度補正をかけている場合には、両画素ブロックA,Bに関するシティブロック距離Hは、輝度値aij,bijをそのまま用いて、下式に従い算出する(通常のステレオマッチング)。
【数1】
H=Σ|aij−bij|
【0013】
上式からわかるように、2つの画素ブロックA,Bの輝度特性が類似しているほど(すなわち相関が大きいほど)、シティブロック距離が小さくなり、両者がまったく同じであれば0になる。比較画像のエピポーラライン上を左から右へ1画素ずつずらしながら、それぞれの比較画素ブロックBを演算対象としたシティブロック距離を順次算出する。これにより、基準画素ブロックAの位置を基準とした比較画素ブロック(・・・,B[is-1],B[is]、B[is+1],・・・)の相対的なズレ量(・・・,is−1,is,is+1,・・・)に対するシティブロック距離(・・・,H0,H1,H2,・・・)の離散的な分布が求まる。シティブロック距離の算出間隔は、1画素の横方向サイズ相当となる。
【0014】
このようにして算出されたシティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小値Hminとなる比較画素ブロックB[is]を基準画素ブロックAの相関先と判断する。そして、基本的には、相関先と判断された比較画素ブロックB[is]の水平方向のズレ量isが、基準画素ブロックAに関する視差Dとなる。ステレオ処理部4において算出される視差Dは、ピクセル単位、すなわち1画素の整数倍の値として算出されるので、このピクセルレベルの視差Dを「ピクセル視差D」という。なお、シティブロック距離を算出するためのハード構成を含めたステレオマッチングの詳細については、本願出願人が既に提案した特開平5−114009号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0015】
以上の手法によって、ステレオ処理部4は、1フレームの基準画像を構成するそれぞれの基準画素ブロックに関してピクセル視差Dを順次算出し、それをサブピクセル処理部5に出力する。その際、このピクセル視差Dを与えるズレ量isに関するシティブロック距離H1(=Hmin)、その直前において隣接したシティブロック距離H0、および、その直後において隣接したシティブロック距離H2もサブピクセル処理部5に出力される。
【0016】
シティブロック距離の基本形は上述したとおりであるが、具体的な算出式には数々のバリエーションが存在する。例えば、上述した通常のステレオマッチングに代えて、平均値差分マッチングを行なってもよい。平均値差分マッチングは、撮像画像の高周波成分のみをマッチング対象とし、ハイパスフィルタと等価な作用を有しているため、低周波ノイズを有効に除去する。また、平均値差分マッチングでは、ステレオ画像における輝度の僅かなバランスの狂いに起因した影響、或いは、カメラやアナログ回路部品の経年変化によるゲイン変化に起因した影響等に対し、ミスマッチングを生じることがなく正確な距離データを得る。そのため、通常のステレオマッチングでは前段の処理として必須となる輝度補正等を省略することができる。その結果、画像入力部2を構成する回路の部品点数を低減し、画像入力部2の回路構成を簡素化できるため、コスト低減や信頼性向上を図ることができる。
【0017】
平均値差分マッチングでは、下式に従いシティブロック距離Hを算出する。ここで、Aaveは基準画素ブロックAの輝度平均値であり、Baveは比較画素ブロックBの輝度平均値である。すなわち、平均値差分マッチングでは、基準画素ブロックAの輝度値aijからその輝度平均値Aaveを差分した値と、比較画素ブロックBの輝度値bijからその輝度平均値Baveを差分した値との差(絶対値)の画素ブロック全体における総和として定義される。なお、平均値差分マッチング処理の詳細については、本願出願人が既に提案した特開平11−234701号公報に詳述されているので、必要ならば参照されたい。
【数2】
H=Σ|(aij−Aave)−(bij−Bave)|
Aave=Σaij/(I×J)
Bave=Σbij/(I×J)
【0018】
また、画素ブロックA,Bの中心部の輝度値(例えば、a22,a23,a32,a33、bijについても同様)を重視する場合には、下式のように、輝度差の絶対値に重み係数wijを乗じてシティブロック距離Hを算出してもよい(重み付けマッチング)。この場合、重み係数wijは、画素ブロックA,Bの内側に向うほど大きな値に設定する。重み付けマッチング処理の詳細については、本願出願人が既に提案した特願2001−063290号において開示されている。
【数3】
H=Σwij|aij−bij|
【0019】
サブピクセル処理部5は、ステレオ処理部4において生成された1画素単位の分解能を有するピクセル視差Dに対して、サブピクセル処理による補間を行うことで、1画素単位以下の分解能を有するサブピクセルレベルの視差Ds(以下、「サブピクセル視差Ds」という)を算出する。ステレオ処理部4で算出されるピクセル視差Dは画素単位(画素の整数倍)であるため、三角測量の原理より、撮像画像に写し出された対象物までの距離が遠くなるにつれて、測距分解能が必然的に低下してしまう。そこで、サブピクセル処理部5は、ズレ量is(=D)に関するシティブロック距離H1(以下「最小シティブロック距離H1」という)と、直前のズレ量is-1(=D-1)に関するシティブロック距離H0(以下「直前の隣接シティブロック距離H0」という)と、直後のズレ量is+1(=D+1)に関するシティブロック距離H2(以下「直後の隣接シティブロック距離H2」という)と、後述する輝度の補間データとを入力データとし、ステレオマッチングを再度行い、ピクセル視差Dに関する1画素以下の小数画素成分、すなわち、サブピクセル成分Sを求める。この補間データは、元画像メモリ3に格納された比較画像データに基づき生成され、比較画像における互いに隣接した画素間の輝度値をサブピクセルレベルで補間することによって生成される。そして、算出されたサブピクセル成分Sを用いて、ピクセルレベルの視差Dを補間し、サブピクセルレベルの視差Dsを算出する。サブピクセル視差Ds群は、距離データとして距離画像メモリ6に順次格納される。
【0020】
認識部7は、元画像メモリ3に格納された元画像データと、距離画像メモリ6に格納された距離データとに基づき、撮像画像に写し出された対象物、および、その対象物までの距離等を認識する。以上のような構成を有する画像処理装置は、自車両前方の道路形状や先行車等を検出する車外監視装置、障害物検出装置、踏切監視装置、或いは、飛行体の高度計測装置として利用することができる。
【0021】
図3は、サブピクセル処理部5が行うサブピクセル視差Dsの算出手順を示すフローチャートである。まず、ステップ1において、ステレオ処理部4で算出された、ある基準画素ブロックAに関する視差D(すなわち、ズレ量is)と、この視差Dに関連付けられたシティブロック距離H0,H1,H2とが入力される。ステップ2では、直前の隣接シティブロック距離H0と直後の隣接シティブロック距離H2との大きさが比較される。直前の隣接シティブロック距離H0が直後の隣接シティブロック距離H2以上の場合(H0≧H2)、補間データの生成範囲として画素ズレ量is〜(is+1/2)が設定される(ステップ3)。これに対して、直前の隣接シティブロック距離H0が直後の隣接シティブロック距離H2よりも小さい場合(H0<H2)、補間データの生成範囲として画素ズレ量(is-1/2)〜isが設定される(ステップ4)。このように、補間データの生成範囲を、(is-1)〜isまたはis〜(is+1)のいずれかに絞り込む理由は、続くステップ6におけるサブピクセルレベルのステレオマッチングに要する演算量の低減を図り、処理の高速化を図るためである。
【0022】
従来技術として挙げた特開2000−283753号公報にも言及されているように、1画素のサイズが無限に小さいと仮定した場合、画像平面(i,j)におけるシティブロック距離Hの分布は、図4に示すように連続的になる。これを、視差検出方向であるi方向の一次元的な分布として捉えた場合には、例えば、図5の破線で示すような連続的な分布となる。同図において、横軸iは、基準画素ブロックAに対する比較画素ブロックBの相対的なズレ量であり、縦軸Hはシティブロック距離である。また、破線上に丸印で示した点群(点p0〜p2を含む)は、ステレオ処理部4において算出された離散的なシティブロック距離をプロットしたものである。この連続分布が示すように、対応点psub(シティブロック距離の連続的な分布において最小値をとる点)周りに左右対称になる。ただし、その対称性が理論的に保証されるのは極狭い範囲であり、対応点psubの±1画素以内である。±1画素以上の点では、元画像の画素成分が比較画像の画素成分にまったく含まれないため、対称性が維持されない。画素のサイズ間隔で離散的にプロットした点p0〜p2は、シティブロック距離の連続分布を示す破線上に存在し、この部分においては対称性が維持される
【0023】
このようなシティブロック距離の対称性に鑑みると、直前の隣接シティブロック距離H0が直後の隣接シティブロック距離H2よりも大きい場合(図5のケース)、対応点psubは、仮の対応点p1(離散的なシティブロック距離の分布において最小シティブロック距離となる点)よりも右側(シティブロック距離が小さい点側)に位置する。換言すれば、対応点psubは、is〜(is+1)の範囲内に存在し、(is-1)〜isの範囲内には存在しない。この場合、対応点psubが存在する範囲であるis〜(is+1)を補間データの生成範囲とする。
【0024】
シティブロック距離が大きい方の範囲(is-1)〜isを補間データの生成範囲としない理由は、サブピクセル成分Sの算出精度の向上を図るためである。一般に、1画素で撮像できる範囲は、メインカメラ1aもサブカメラ1bも同程度である。これらのカメラ1a,1bの上下ズレが存在しない場合、メインカメラ1aの1画素に撮像される領域は、サブカメラ1bの2画素に跨ってしか撮像されない。そのため、シティブロック距離の大きい方の隣接点は対応点psubの輝度値が含まれないことになる。例えば、図5に示すケース(H0>H2)では、対応点psubは、is〜(is+1)の範囲内に存在する。そのため、対応点psubの輝度値は、シティブロック距離の大きい直前の隣接点p0には含まれない(直後の隣接点p2に含まれる)。本手法では、シティブロック距離の大きい方の隣接点を対応点psubの情報を含まない隣接点であるとみなし、この隣接点を用いることなくサブピクセル成分Sを算出する。誤差の原因となる一方の隣接点の使用を避けることで、サブピクセル成分Sの算出精度の向上を図ることができる。
【0025】
ステップ5において、サブピクセル処理部5は、元画像メモリ3より比較画像データを読み出し、ステップ3,4で設定された範囲内で輝度値の補間データを生成する。図2に示したように、この補間データは、最小シティブロック距離H1を与える比較画素ブロックB[is]と、その前方または後方の比較画素ブロックB[is-1],B[is+1]との間の輝度値を補間することによって作成される。ここで、それぞれの比較画素ブロックB[is-1],B[is],B[is+1]が、図6に示すような輝度特性を有するものとする。補間データは、4×4画素の画素ブロック単位で作成され、実際の画素の輝度値を線形補間することにより算出される。比較画素ブロックB[is]と比較画素ブロックB[is+1]との間、つまり、画素ズレ量is〜(is+1)の範囲内を補間する場合、下記の補間式により、サブピクセルレベルの補間画素の輝度値bijが算出される。ここで、B(is)ij,B(is+1)ijは、それぞれ比較画素ブロックB[is],B[is+1]を構成する画素群の輝度値である。また、Lは、補間解像度(定数)であり、Iは、補間画素の位置を示すパラメータ(0≦I≦L)であり、整数値を取る。
【数4】
bij =B(is)ij+I×(B(is+1)ij−B(is)ij)/L
【0026】
一方、比較画素ブロックB[is-1]と比較画素ブロックB[is]との間、つまり、画素ズレ量(is-1)〜isの範囲内を補間する場合、下記の補間式により、サブピクセルレベルの補間画素の輝度値bijが算出される。
【数5】
bij =B(is-1)ij+I×(B(is)ij−B(is-1)ij)/L
【0027】
つまり、補間によって求めようとする架空の画素(補間画素)の位置を、補間解像度に応じて(つまり、1/L画素単位で)移動させながら、補間解像度L相当の個数分だけ、仮想的な比較画素ブロックを得る。例えば、補間解像度Lが256の場合、補間データとして、255個の比較画素ブロックが得られる。
【0028】
なお、比較画素ブロックB[is-1],B[is],B[is+1]は、互いに水平ライン方向に1画素ずつずらしたものであるから、比較画素ブロックB[is-1]におけるi行j列目の画素と、比較画素ブロックB[is]におけるi行j-1列目の画素と、比較画素ブロックB[is+1]におけるi行j-2列目の画素とは同一の輝度値になる(例えば、B(is-1)13=B(is)12=B(is+1)11)。
【0029】
ステップ6において、サブピクセル処理部5は、先のステップ5で生成された補間データを用いて、サブピクセルレベルのステレオマッチングを行う。すなわち、補間データを構成する比較画素ブロック毎に、基準画素ブロックとのステレオマッチングを行い、視差dを求める。このステレオマッチング自体については、ピクセルレベルのステレオマッチングと同様である。算出された視差dは、画素ズレ量is(=視差D)の位置を基準としたズレ量であり、1/L画素単位になる。
【0030】
ステップ7では、ステップ6で算出された視差dを補間解像度Lで除算することにより、サブピクセル成分Sが算出される。サブピクセル成分Sは、ピクセルレベルの視差D(isに相当)とサブピクセルレベルの視差Ds(isubに相当)とのオフセット値に相当する。
【0031】
最後に、ステップ8において、ステップ7で算出されたサブピクセル成分Sを用いて、ステレオ処理部4で算出されたピクセルレベルの視差Dを補間する。具体的には、ピクセルレベルの視差Dにサブピクセル成分Sを加算することにより、1画素以下の分解能を有するサブピクセル視差Dsが算出される。算出されたサブピクセル視差Dsは距離画像メモリ6に格納される。
【0032】
ステレオ処理部4から視差Dが出力される度に、サブピクセル処理部5は上述したサブピクセル処理を行う。これにより、距離画像を構成するすべての視差Dが補間され、1画素以下の分解能を有するサブピクセル視差Ds群が距離画像として距離画像メモリ6に格納される。
【0033】
図7は、サブピクセル処理部5をハードウェアで実現した場合におけるブロック構成図であり、上述したソフトウェア処理と等価的に機能する。サブピクセル処理部5は、比較器5a、セレクタ5b、線形補間器5c、ステレオ演算器5dおよび加算器5eによって構成されている。比較器5aは、隣接シティブロック距離H0,H2の値を比較し、小さい方がセレクタ5bによって選択される。線形補間器5cは、セレクタ5bからの選択結果を参照し、元画像メモリ3から読み出された元画像データを用いて、サブピクセルレベルの比較画素ブロック群よりなる補間データを生成する。ステレオ演算器5dは、補間データと、元画像データ3より読み出した基準画素ブロックとに基づいて、上述したサブピクセルレベルのステレオマッチングを行い、サブピクセル成分Sを算出する。加算器5eは、サブピクセル成分Sとピクセルレベルの視差Dとを加算してサブピクセル視差Dsを算出し、距離画像メモリ6に出力する。
【0034】
このように、本実施形態では、物理的に隣接した画素間の輝度値を補間することにより、仮想的な輝度値の集合である比較画素ブロック(補間データ)を生成する。そして、この補間データと基準画素ブロックとを用いて、サブピクセルレベルのステレオマッチングを行う。これにより、撮像素子の物理的な解像度以上の解像度を有するサブピクセルレベルの視差Dsを高精度で算出できるため、システム的に、あたかも1画素以下で視差検出を行ったかのように取り扱うことができる。その結果、ピクセルレベルの視差Dをそのまま用いた場合に生じる、遠距離での測距分解能の低下を抑制でき、近距離から遠距離までの広いレンジで有効な測距分解能を確保することが可能となる。そして、サブピクセルレベルの視差Ds群で構成された距離画像を用いて各種の監視制御を行えば、信頼性の高い監視を行うことができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、補間データの生成範囲を限定することにより、サブピクセルレベルのステレオマッチング処理の高速化を図ることができる。すなわち、隣接点p0,p2の内、シティブロック距離の小さい方の隣接点が対応点psubの輝度値を含む点に着目し、仮の対応点p1のシティブロック距離H1と、対応点psubの輝度値を含む方のシティブロック距離H0(またはH2)との範囲で補間データを生成する。これにより、ステレオマッチングの探索範囲を限定できるので、処理の高速化を図ることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、いわゆる線形補間によって補間データを作成していた。しかし補間データ作成のための演算手法はこれに限定されるものではなく、例えば、ラグランジュ補間等を用いてもよい。また、ステレオカメラ1に採用するイメージセンサが十分に高解像度である場合には、隣接3点ではなく、5点、7点を入力とし、最小2乗法を用いて2次曲線に近似しての補間してもよい。
【0037】
また、演算量の一層の低減を図るために、下記のような変形例が考えられる。シティブロック距離H0は、ピクセルレベルでのシティブロック距離の最小値である。したがって、上述した原理から考えて、サブピクセルレベルでのシティブロック距離が最小となる位置は、画素ズレ量(is+1)の位置(あるいは、画素ズレ量(is−1)の位置)よりも、画素ズレ量isの位置に近い領域にあるはずである。たとえば、H0>H2の場合には、サブピクセルレベルでのシティブロック距離が最小となる位置は、画素ズレ量is〜(is+1/2)の領域にあると推定できる。したがって、画素ズレ量(is+1/2)〜(is+1)の領域についての補間データの作成およびステレオマッチングを省略することができる。また、H0<H2の場合も同様に、画素ズレ量(is−1)〜(is−1/2)の領域については、演算を省略することができる。これにより、演算量すなわち処理に要する時間を半減できる。以上のように上述した原理を2回適用することで、演算量は、当初の演算対象領域である画素ズレ量(is−1)〜(is+1)の範囲全体について演算を行う場合のほぼ1/4にまで減らすことができる。
【0038】
なお、本実施形態は、後述する第2の実施形態も含めて、ステレオカメラ1を用いたステレオ画像処理について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではく、例えば、1台のカメラで画像内対象物のオプティカルフロー検出を行うといった、2枚以上の画像の対応付けにも適用可能である。この場合、1台のカメラを用いて所定の間隔で繰返し撮像し、時系列的な複数の撮像画像を得る。そして、ある撮像タイミングで得られた一方の撮像画像(基準画像)と、それとは異なる撮像タイミングで得られた他方の撮像画像(比較画像)とを用いて、上述した実施形態と同様にサブピクセル処理を行う。これにより得られたサブピクセルレベルのズレ量isubは、基準画素ブロックに写し出された対象物に関する、画像平面上の移動量や速度に相当する。
【0039】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、サブピクセルレベルのステレオマッチングの実行に先立ち、サブピクセルレベルの分解能相当の補間データを予め生成しておく必要がある。また、補間データを構成するすべての比較画素ブロックについて、基準画素ブロックとのシティブロック距離を計算する必要がある。これに対して、本実施形態は、第1の実施形態よりも演算量の低減を図り、処理の一層の高速化を図るものである。なお、本実施形態に係る画像処理装置の基本構成は、第1の実施形態と同様なので、図1の符号と同一の符号を付してここでの説明を省略する。
【0040】
図8は、本実施形態に係るサブピクセル視差の算出手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3のステップ3,5,6の一連の手順を置き換えたもので、直前の隣接シティブロック距離H0が直後の隣接シティブロック距離H2以上の場合(H0≧H2)を示す。
【0041】
まず、このフローチャートで登場する主な変数の意味について述べる。変数VLは、補間データ生成範囲の左端位置におけるシティブロック距離を保持する変数である。変数VRは、補間データの生成範囲の右端位置におけるシティブロック距離を保持する変数である。これらの変数VL,VRを比較し、その比較結果に応じて処理が進行する。また、変数f,k,Iは、補間を行う位置を管理する変数である。変数fは、補間を行う位置を変更する向き(左/右)を保持する変数であり、1または−1の値を取る。変数kは、補間を行う位置(補間画素の画素位置)の変更量を保持する変数である。変数Iは、補間を行う位置(補間画素の画素位置)を保持する変数であり、第1の実施形態で述べた変数Iと同様の意味を有する。初期状態である演算対象領域の左端位置では、I=0、右端位置ではI=補間解像度となる。変数Cは、適用回数を管理する変数である。
【0042】
まず、ステップ100において、サブピクセル処理部5は、各種変数の初期設定を行う。具体的には、変数VLをH1、変数kを64、変数Iを128、変数Cを8、変数f=−1にセットする。
【0043】
ステップ101において、サブピクセル処理部5は、画素ズレ量is〜(is+1)の範囲におけるI番目(ここでは、I=128)の補間データを作成する。補間データとして今回生成される比較画素ブロックは、第1の実施形態で述べた補間手法を用いて生成する。ステップ102では、今回作成した比較画素ブロックと基準画素ブロックとの間で、サブピクセルレベルでのステレオマッチングを行い、シティブロック距離H(I)を求める。そして、今回求めたシティブロック距離H(I)(初回はH(128))が変数VRに代入され(ステップ103)、カウンター変数Cから1が減算される(ステップ104)。
【0044】
続くステップ105において、変数VRと変数VLとの大きさ判定が行われる。上述したように初回は、VR=H(128)、VL=H1である。ここでの判定結果が否定である場合(VL≦VR)、シティブロック距離の最小値が画素ズレ量(is+1/4)〜(is+1/2)の範囲内に存在する。また、次回の画素補間を行う位置は、この新たな演算対象領域の左端位置(つまり、画素ズレ量(is+1/4)の位置)である。そこで、この場合にはステップ106〜110の処理が実行される。
【0045】
まず、ステップ106の変数Iの更新処理として、Iの現在値にf・kを加算した値を新たなIとして設定する。このときには、fおよびkは初期値(f=−1,k=64)のままである。したがって、新たなIは64となる。つまり、次回の補間位置は、前回の補間位置(I=128)から、左へ64補間画素だけ移動した位置となる。
【0046】
ステップ107において、この新たなI(ここでは、64)番目の補間データ(比較画素ブロック)を作成する。続くステップ108において、今回作成した比較画素ブロックと基準画素ブロックとの間で、サブピクセルレベルでのステレオマッチングを行い、シティブロック距離を求め、算出されたシティブロック距離H(I)をVLに代入する(ステップ109)。ここでは、I=64であるため、VL=H(64)となる。
【0047】
ステップ110では、変数f,kの更新処理として、次回のkの値は、これまでの値の1/2にされる。例えばk=64ならばk=32に更新される。一方、fには1が設定される。これは、先のステップ107で作成された補間データ(比較画素ブロック)の位置は補間データの生成範囲の左端位置であり、次回の補間を行う位置は、前回に補間を行った位置よりも必ず右方向に移動するからである。ステップ106,111の処理内容から明らかなとおり、補間を行う位置(I)は、fが1であれば右方向へ、また、−1であれば左方向へ、kだけ移動する。続くステップ116において、C=1か否かが判定される。判定結果が否定の場合(C≠1)、ステップ104に戻る。ここでは、まだ、Cは7であるため、ステップ104へと戻り、Cが更新されてC=6になる。この後は、ステップ105において、再び、VRとVLとの大小が比較される。以下、ステップ105における判定結果がVL<VRであったものとして説明を行う。
【0048】
ステップ105における判定の結果がVL<VRであったため、ステップ111〜115の処理が行われる。まず、ステップ111において、Iの更新処理が行われ、ステップ106と同様に、Iの現在値にf・kを加算した値を新たなIとして設定される。このときには、f=1,k=32であるため、新たなIは96となる。つまり、次回の補間位置は、前回の補間位置(I=64)から、右へ32補間画素だけ移動した位置となる。
【0049】
ステップ112において、新たなI(ここでは96)番目の補間データ(比較画素ブロック)が作成される。続くステップ113において、このとき作成した比較画素ブロックと基準画素ブロックとの間で、サブピクセルレベルでのステレオマッチングを行い、シティブロック距離を求める。そして、このとき求めたシティブロック距離H(I)がVRに代入される(ステップ114)。ここでは、I=96であるため、VR=H(96)となる。そして、ステップ115において、f、kの更新処理が行われ、次回のkの値は、ステップ110と同様、これまでの1/2にされる。すなわち、k=32ならばk=16に更新される。一方、f=−1とする。これは、先にステップ112で作成した比較画素ブロックの位置は、演算対象領域の右端位置であり、次回の補間を行う位置は、前回に補間を行った位置よりも必ず左方向に移動することになるからである。
【0050】
続くステップ116において、C=1であるか否かが判定され、この判定結果が否定ならば(C≠1)、ステップ104へ戻る。ここでは、まだ、Cは6であるため、ステップ104へと戻る。
【0051】
これ以降も同様にステップ105での結果に応じて、ステップ106〜110の処理またはステップ111〜115の処理を選択的に行うループが、C=1になるまで繰り返される。ステップ116においてC=1であると判定された場合、すなわち、目的とする補間解像度(ここでは、256)にまで達した場合、サブピクセル処理部5は、この繰り返しを抜けて、ステップ117に進む。
【0052】
ステップ117において、サブピクセル処理部5は、その時点でのIを、視差dに変換する。ところで、Iは、初期的な演算対象領域の左端位置を基準(0)として表現されている。また、この図8に示した処理では、初期的な演算対象領域が画素ズレ量is〜(is+1)の範囲である。つまり、Iは、視差nと同様、画素ズレ量isの位置を基準としている。したがって、ここではそのまま、n=Iとする。
【0053】
なお、直前の隣接シティブロック距離H0が直後の隣接シティブロック距離H2よりも小さい場合(H0<H2)も、以下の点以外は、図8の手順と同様である。すなわち、H0<H2の場合は、補間データの生成範囲が画素ズレ量(is−1)〜isとなる。したがって、ステップ100の初期設定においてf=1にセットされる。ステップ117では、d=I−256とする。H0≧H2の場合、視差dは画素ズレ量isの位置を基準として表現されるのに対して、H0<H2の場合、画素ズレ量(is−1)の位置を基準位置として表現されるからである。したがって、画素ズレ量isの位置を基準とする視差dに変換するために、補間解像度分(=256)を差し引いている。
【0054】
以上説明したとおり本実施形態では、第1の実施形態に較べて、サブピクセルレベルでの視差dを求めるのに必要な演算処理量がより少ない。具体的には、補間解像度L=256のレベルでの視差Dsを求める場合には、補間、サブピクセルレベルでのステレオマッチングを8回行えばよい。したがって、第1の実施形態と比べて、処理時間の短縮化が可能である。
【0055】
本実施形態では、求めようとする補間解像度が256であるため、サブピクセルレベルのステレオマッチングを8回行っている。しかしながら、この実行回数は補間解像度に応じて任意に選択すればよいし、補間解像度に対応する実行回数以上の実行回数を設定してもよい。
【0056】
【発明の効果】
このように、本発明では、隣接した画素間の輝度値を補間することにより補間データを生成し、この補間データに基づいてサブピクセルレベルのステレオマッチングを行う。これにより、撮像素子の物理的な解像度以上の分解能を有する高精度な画素ズレ量(典型的には視差)を算出できる。その結果、ピクセルレベルの画素ズレ量を視差としてそのまま用いた場合に生じる、遠距離での測距分解能の低下を抑制でき、近距離から遠距離までの広いレンジで有効な測距分解能を確保することが可能となる。そして、サブピクセルレベルの視差群で構成された距離画像を用いて各種の監視制御を行えば、信頼性の高い監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理装置の基本構成を示すブロック図
【図2】ステレオマッチングの説明図
【図3】サブピクセル視差の算出手順を示すフローチャート
【図4】画像平面におけるシティブロック距離の分布説明図
【図5】H0>H2における極小点周りのシティブロック距離の分布説明図
【図6】比較画素ブロックの輝度特性を示す図
【図7】サブピクセル処理部のブロック構成図
【図8】第2の実施形態に係るサブピクセル視差の算出手順を示すフローチャート
【図9】従来のサブピクセル成分の算出説明図
【符号の説明】
1 ステレオカメラ
1a メインカメラ
1b サブカメラ
2 画像入力部
3 元画像メモリ
4 ステレオ処理部
5 サブピクセル処理部
6 距離画像メモリ
7 認識部

Claims (12)

  1. 一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理装置において、
    シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出する算出手段と、
    前記他方の撮像画像に関して、互いに隣接した画素間の輝度をサブピクセルレベルで補間することによって、輝度の補間データを生成する生成手段と、
    前記補間データを用いて、前記一方の撮像画像との間でステレオマッチングを行うことで、前記ズレ量のサブピクセル成分を算出するとともに、前記ピクセルレベルのズレ量と前記サブピクセル成分とに基づいて、サブピクセルレベルのズレ量を出力する出力手段と
    を有し、
    前記生成手段は、最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離と前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離との大きさを判定し、当該判定結果に基づいて、補間データの生成範囲を決定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記補間データは、サブピクセルレベルの比較画素ブロックの少なくとも一つの集合であることを特徴とする請求項に記載された画像処理装置。
  3. 一対のカメラで構成され、同一の撮像タイミングで撮像した一対の撮像画像を出力するステレオカメラをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載された画像処理装置。
  4. 前記生成手段は、前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離と、前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離との大きさを比較し、小さいほうのシティブロック距離に関するズレ量と、前記最小シティブロック距離に関するズレ量との間を補間データの生成範囲として設定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された画像処理装置。
  5. 前記生成手段は、前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離が、前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離以上の場合、前記最小シティブロック距離に関するズレ量と、前記直後に隣接したシティブロック距離に関するズレ量との間を補間データの生成範囲として設定することを特徴とする請求項4に記載された画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離が、前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離よりも小さい場合、前記直前に隣接したシティブロック距離に関するズレ量と、前記最小シティブロック距離に関するズレ量との間を補間データの生成範囲として設定することを特徴とする請求項4に記載された画像処理装置。
  7. 一方の撮像画像における画素ブロックと他方の撮像画像における画素ブロックとの輝度特性の相関をシティブロック距離によって評価し、他方の画像における画素ブロックを画素単位でずらしながら、画素ブロックのズレ量に対するシティブロック距離の離散的な分布を求める画像処理方法において、
    シティブロック距離の離散的な分布において、シティブロック距離が最小となるピクセルレベルのズレ量を算出する第1のステップと、
    前記他方の撮像画像に関して、互いに隣接した画素間の輝度をサブピクセルレベルで補間することによって、輝度の補間データを生成する第2のステップと、
    前記補間データを用いて、前記一方の撮像画像との間でステレオマッチングを行うことで、前記ズレ量のサブピクセル成分を算出する第3のステップと、
    前記ピクセルレベルのズレ量と前記サブピクセル成分とに基づいて、サブピクセルレベルのズレ量を算出する第4のステップと
    を有し、
    前記第2のステップは、最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離と前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離との大きさを判定するステップと、当該判定結果に基づいて、補間データの生成範囲を決定するステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
  8. 前記補間データは、サブピクセルレベルの比較画素ブロックの少なくとも一つの集合であることを特徴とする請求項に記載された画像処理方法。
  9. ステレオカメラを用いて、同一の撮像タイミングで撮像した一対の撮像画像を出力する第5のステップをさらに有することを特徴とする請求項7または8に記載された画像処理方法。
  10. 前記判定するステップは、前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離と、前記前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離との大きさを比較し、
    前記決定するステップは、当該比較で小さいほうのシティブロック距離に関するズレ量と、前記最小シティブロック距離に関するズレ量との間を補間データの生成範囲として設定することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載された画像処理装置。
  11. 前記判定するステップにおいて、前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離が、前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離以上の場合、
    前記決定するステップは、前記最小シティブロック距離に関するズレ量と、前記直後に隣接したシティブロック距離に関するズレ量との間を補間データの生成範囲として設定することを特徴とする請求項10に記載された画像処理装置。
  12. 前記判定するステップにおいて、前記最小シティブロック距離の直前に隣接したシティブロック距離が、前記最小シティブロック距離の直後に隣接したシティブロック距離よりも小さい場合、
    前記決定するステップは、前記直前に隣接したシティブロック距離に関するズレ量と、前記最小シティブロック距離に関するズレ量との間を補間データの生成範囲として設定することを特徴とする請求項10に記載された画像処理装置。
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