JP3054691B2 - フレーム処理型ステレオ画像処理装置 - Google Patents

フレーム処理型ステレオ画像処理装置

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JP3054691B2
JP3054691B2 JP9341441A JP34144197A JP3054691B2 JP 3054691 B2 JP3054691 B2 JP 3054691B2 JP 9341441 A JP9341441 A JP 9341441A JP 34144197 A JP34144197 A JP 34144197A JP 3054691 B2 JP3054691 B2 JP 3054691B2
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茂 木村
勝之 中野
光夫 細井
卓也 坂本
英二 川村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体の認識装置に
関し、異なる位置に配置された複数の撮像手段による画
像情報から三角測量の原理を利用して対象物体までの距
離情報を計測するステレオ画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、撮像手段たる画像センサの撮
像結果に基づき認識対象物体までの距離を計測する方法
として、ステレオビジョン(ステレオ視)による計測方
法が広く知られている。
【0003】この計測は、2次元画像から、距離、深
度、奥行きといった3次元情報を得るために有用な方法
である。
【0004】すなわち、2台の画像センサを例えば左右
に配置し、これら2台の画像センサで同一の認識対象物
を撮像したときに生じる視差から、三角測量の原理で、
対象物までの距離を測定するという方法である。このと
きの左右の画像センサの対は、ステレオ対と呼ばれてお
り、2台で計測を行うことから2眼ステレオ視と呼ばれ
ている。
【0005】図15は、こうした2眼ステレオ視の原理
を示したものである。
【0006】同図に示すように、2眼ステレオ視では、
左右の画像センサ1、2の画像#1(撮像面1a上で得
られる)、画像#2(撮像面2a上で得られる)中の、
対応する点P1、P2同士の位置の差である視差(ディス
パリティ)dを計測する必要がある。一般に視差dは、
3次元空間中の点50a(認識対象物体50上の点)ま
での距離zとの間に、次式で示す関係が成立する。
【0007】z=F・B/ d …(1) ここに、Bは左右の画像センサ1、2間の距離(基線
長)であり、Fは画像センサ1のレンズ31、画像セン
サ2のレンズ32の焦点距離である。通常、基線長Bと
焦点距離Fは既知であるので、視差dが分かれば、距離
zは一義的に求められることになる。
【0008】この視差dは、両画像#1、#2間で、ど
の点がどの点に対応するかを逐一探索することにより算
出することができる。
【0009】このときの一方の画像#1上の点P1に対
応する他方の画像#2上の点P2のことを「対応点」と
以下呼ぶこととし、対応点を探索することを、以下「対
応点探索」と呼ぶことにする。物体50までの距離を仮
定したとき、一方の画像#1上の点P1に対応する他方
の画像#2上の点のことを以下「対応候補点」と呼ぶこ
とにする。
【0010】2眼ステレオ視による計測を行う場合、上
記対応点探索を行った結果、真の距離zに対応する真の
対応点P2を検出することができれば、真の視差dを算
出することができたことになり、このとき対象物50上
の点50aまでの真の距離zが計測できたといえる。
【0011】こうした処理を、一方の画像#1の全画素
について実行することにより、画像#1の全選択画素に
距離情報を付与した画像(距離画像)が生成されること
になる。
【0012】上記対応点を探索して真の距離を求める処
理を、図16、図17、図18を用いて詳述する。
【0013】図18は、従来の2眼ステレオ視による距
離計測装置(物体認識装置)の構成を示すブロック図で
ある。
【0014】基準画像入力部101には、視差d (距
離z)を算出する際に基準となる画像センサ1で撮像さ
れた基準画像#1が取り込まれる。一方、画像入力部1
02には、基準画像#1上の点に対応する対応点が存在
する画像である画像センサ2の撮像画像#2が取り込ま
れる。
【0015】つぎに、対応候補点座標生成部103、局
所情報抽出部104、ウインドウ処理型類似度算出部1
05、距離推定部106における処理を図16を用いて
説明すると、まず、対応候補点座標生成部103では、
基準画像#1の各画素に対して、仮定した距離zn
に、画像センサ2の画像#2の対応候補点の位置座標が
記憶、格納されており、これを読み出すことにより対応
候補点の位置座標を発生する。
【0016】すなわち、基準画像センサ1の基準画像#
1の中から位置(i,j)で特定される画素P1が選択
されるとともに、認識対象物体50までの距離znが仮
定される。そして、この仮定距離znに対応する他方の
画像センサ2の画像#2内の対応候補点P2の位置座標
(X2,Y2)が読み出される。
【0017】つぎに、局所情報抽出部104では、この
ようにして対応候補点座標生成部103によって発生さ
れた対応候補点の位置座標に基づき局所情報を抽出する
処理が実行される。ここで、局所情報とは、対応候補点
の近傍の画素を考慮して得られる対応候補点の画像情報
のことである。
【0018】さらに、ウインドウ処理型類似度算出部1
05では、上記局所情報抽出部104で得られた対応候
補点P2の画像情報と基準画像の選択画素P1の画像情報
との類似度が算出される。具体的には、基準画像#1の
選択された画素の周囲の領域と、画像センサ2の画像#
2の対応候補点の周囲の領域とのパターンマッチングに
より、両画像の領域同士が比較されて、類似度が算出さ
れる。
【0019】すなわち、図16に示すように、基準画像
#1の選択画素P1の位置座標を中心とするウインドウ
WD1が切り出されるとともに、画像センサ2の画像#
2の対応候補点P2の位置座標を中心とするウインドウ
WD2が切り出され、これらウインドウWD1、 WD2
士についてパターンマッチングを行うことにより、これ
らの類似度が算出される。このパターンマッチングは各
仮定距離zn毎に行われる。そして同様のパターンマッ
チングが、基準画像#1の各選択画素毎に全画素につい
て行われる。
【0020】図17は、仮定距離znと類似度の逆数Qs
との対応関係を示すグラフである。
【0021】図16のウインドウWD1と、仮定距離が
n ´のときの対応候補点の位置を中心とするウインド
ウWD2´とのマッチングを行った結果は、図17に示
すように類似度の逆数Qsとして大きな値が得られてい
る(類似度は小さくなっている)が、図16のウインド
ウWD1と、仮定距離がzxのときの対応候補点の位置を
中心とするウインドウWD2とのマッチングを行った結
果は、図17に示すように類似度の逆数Qsは小さくな
っている(類似度は大きくなっている)のがわかる。な
お、類似度は、一般に、比較すべき選択画素と対応候補
点の画像情報の差の絶対値や、差の2乗和として求めら
れる。
【0022】このようにして仮定距離znと類似度の逆
数Qsとの対応関係から、最も類似度が高くなる点(類
似度の逆数Qsが最小値となる点)を判別し、この最も
類似度が高くなっている点に対応する仮定距離zxを最
終的に、認識対象物体50上の点50aまでの真の距離
(最も確からしい距離)と推定する。つまり、図16に
おける仮定距離zxに対応する対応候補点P2が選択画素
1に対する対応点であるとされる。このように、距離
推定部106では、基準画像#1の選択画素について仮
定距離znを順次変化させて得られた各類似度の中か
ら、最も類似度の高くなるものが判別され、最も類似度
が高くなる仮定距離zxが真の距離と推定され、出力さ
れる。
【0023】以上、2眼ステレオ視による場合を説明し
たが、3台以上の画像センサを用いてもよい。3台以上
の画像センサを用いて距離計測(物体認識)を行うこと
を、多眼ステレオ視による距離計測(物体認識)と称す
ることにする。
【0024】多眼ステレオ視は、対応点のあいまいさを
低減できるため、格段に信頼性を向上できるので最近良
く用いられている。この多眼ステレオ視による距離計測
装置(物体認識装置)では、複数の画像センサを、2台
の画像センサからなるステレオ対に分割し、それぞれの
ステレオ対に対し、前述した2眼ステレオ視の原理を繰
り返し適用する方式をとっている。
【0025】すなわち、複数ある画像センサの中から基
準となる画像センサを選択し、この基準画像センサと他
の画像センサとの間で、ステレオ対を構成する。そし
て、各ステレオ対に対して2眼ステレオ視の場合の処理
を適用していく。この結果、基準画像センサから基準画
像センサの視野内に存在する認識対象物までの距離が計
測されることになる。
【0026】従来の多眼ステレオにおけるステレオ対の
関係を図19を参照して説明すると、図16に示す2眼
ステレオでは、基準画像#1と対をなす対応画像は#2
の1つであったが、多眼ステレオでは、基準画像#1と
画像センサ2の画像#2の対、基準画像#1と画像セン
サ3の画像#3の対、…、基準画像#1と画像センサN
の画像#Nの対という具合に複数のステレオ対が存在す
る。こうした対応画像と基準画像の各ステレオ対に基づ
く処理を行う前には、画像センサたるカメラの取付け歪
みなどを考慮する必要があり、通常はキャリブレーショ
ンによる補正処理を前もって行うようにしている。
【0027】多眼ステレオによって対応点を探索して真
の距離を求める処理を、前述した2眼ステレオの図1
6、図18に対応する図19、図20を用いて詳述す
る。
【0028】図20は、従来の多眼ステレオ視による距
離計測装置(物体認識装置)の構成を説明する図であ
る。
【0029】なお、各画像センサ1、2、3、…、N
は、水平、垂直あるいは斜め方向に所定の間隔で配置さ
れているものとする(説明の便宜上、図20では一定間
隔で左右に配置されている場合を示している)。
【0030】基準画像入力部201には、視差d(距離
z)を算出する際に基準となる画像センサ1で撮像され
た基準画像#1が取り込まれる。一方、画像入力部20
2には、基準画像#1上の点に対応する対応点が存在す
る画像である画像センサ2の撮像画像#2が取り込まれ
る。他の画像入力部203、204においても、基準画
像#1に対応する画像センサ3の画像#3が、基準画像
#1に対応する画像センサNの画像#Nがそれぞれ取り
込まれる。
【0031】対応候補点座標生成部205では、基準画
像#1の各画素に対して、仮定した距離zn毎に、画像
センサ2の画像#2の対応候補点の位置座標、画像セン
サ3の画像#3の対応候補点の位置座標、画像センサN
の画像#Nの対応候補点の位置座標がそれぞれ記憶、格
納されており、これらを読み出すことにより各対応候補
点の位置座標を発生する。
【0032】すなわち、基準画像センサ1の基準画像#
1の中から所定位置P1に存在する(i,j)で特定さ
れる画素が選択されるとともに、認識対象物体50まで
の距離znが仮定される。そして、この仮定距離znに対
応する画像センサ2の画像#2内の対応候補点P2の位
置座標(X2,Y2)が読み出される。同様にして、基準
画像#1の選択画素P1(i,j)、仮定距離znに対応
する画像センサ3の画像#3の対応候補点P3の位置座
標が読み出され、基準画像#1の選択画素P1(i,
j)、仮定距離znに対応する画像センサNの画像#N
の対応候補点PNの位置座標が読み出される。そして、
仮定距離znを順次変化させて同様の読み出しが行われ
る。また、選択画素を順次変化させることによって同様
の読み出しが行われる。こうして対応候補点P2の位置
座標(X2,Y2)、対応候補点P3の位置座標(X3,Y
3)、・・・、対応候補点PNの位置座標(XN,YN)が対
応候補点座標生成部205から出力される。
【0033】つぎに、局所情報抽出部206では、この
ようにして対応候補点座標生成部205によって発生さ
れた対応候補点の位置座標に基づき局所情報を抽出する
処理が実行される。同様にして、局所情報抽出部207
では、対応候補点座標生成部205で発生された画像セ
ンサ3の画像#3の対応候補点P3の位置座標に基づい
て、対応候補点P3の局所情報が、局所情報抽出部20
8では、対応候補点座標生成部205で発生された画像
センサNの画像#Nの対応候補点PNの位置座標に基づ
いて、対応候補点PNの局所情報がそれぞれ求められ
る。
【0034】さらに、ウインドウ処理型類似度算出部2
09では、上記局所情報抽出部206で得られた対応候
補点P2の局所情報F2と基準画像#1の選択画素P1
画像情報との類似度が算出される。具体的には、基準画
像#1の選択された画素の周囲の領域と、画像センサ2
の画像#2の対応候補点の周囲の領域とのパターンマッ
チングにより、両画像の領域同士が比較されて、類似度
が算出される。
【0035】すなわち、図19に示すように、基準画像
#1の選択画素P1の位置座標を中心とするウインドウ
WD1が切り出されるとともに、画像センサ2の画像#
2の対応候補点P2の位置座標を中心とするウインドウ
WD2が切り出され、これらウインドウWD1、 WD2
士についてパターンマッチングを行うことにより、これ
らの類似度が算出される。このパターンマッチングは各
仮定距離zn毎に行われる。
【0036】図23(1)は、仮定距離znとステレオ
対(基準画像センサ1と画像センサ2)の類似度の逆数
Qs1との対応関係を示すグラフである。
【0037】図19のウインドウWD1と、仮定距離が
n ´のときの対応候補点の位置座標を中心とするウイ
ンドウWD2´とのマッチングを行った結果は、図23
(1)に示すように類似度の逆数Qs1として大きな値が
得られている(類似度は小さくなっている)が、図19
のウインドウWD1と、仮定距離がzxのときの対応候補
点の位置座標を中心とするウインドウWD2とのマッチ
ングを行った結果は、図23(1)に示すように類似度
の逆数Qs1は小さくなっている(類似度は大きくなって
いる)のがわかる。
【0038】同様にしてウインドウ処理型類似度算出部
210では、基準画像#1の選択画素P1の位置座標を
中心とするウインドウWD1と、画像センサ3の画像#
3の対応候補点P3の位置座標を中心とするウインドウ
WD3とのパターンマッチングが実行され、これらの類
似度が算出される。そして、パターンマッチングが各仮
定距離zn毎に行われることによって、このステレオ対
(基準画像センサ1と画像センサ3)についても図23
(2)に示すような仮定距離znと類似度の逆数Qs2
の対応関係を示すグラフが求められる。同様にしてウイ
ンドウ処理型類似度算出部211では、基準画像#1の
選択画素P1の位置座標を中心とするウインドウWD
1と、画像センサNの画像#Nの対応候補点PN の位置
座標を中心とするウインドウWDNとのパターンマッチ
ングが実行され、これらの類似度が算出される。そし
て、パターンマッチングが各仮定距離zn毎に行われる
ことによって、このステレオ対(基準画像センサ1と画
像センサN)についても図23(N)に示す仮定距離z
nと類似度の逆数QsNとの対応関係が求められる。
【0039】最後に、各ステレオ対毎に得られた仮定距
離znと類似度の逆数との対応関係を仮定距離毎に加算
する。
【0040】さらに図23(融合結果)に示すように、
仮定距離znと類似度の逆数の加算値との対応関係か
ら、最も類似度が高くなる点(類似度の逆数の加算値が
最小値となる点)を判別し、この最も類似度が高くなっ
ている点に対応する仮定距離zxを最終的に、認識対象
物体50上の点50aまでの真の距離(最も確からしい
距離)と推定する。かかる処理は、基準画像#1の各選
択画素毎に全画素について行われる。
【0041】以上のようにして、距離推定部212で
は、仮定距離znを順次変化させて得られた類似度の加
算値の中から、最も類似度の加算値が高くなるものが判
別され、最も類似度の加算値が高くなる仮定距離zx
真の距離と推定され、出力される。そして、かかる距離
推定が基準画像#1の全画素について行われることか
ら、基準画像#1の全選択画素に距離情報を付与した画
像(距離画像)が生成されることになる。
【0042】ここに、論文1「複数の基線長を利用した
ステレオマッチング」(電子情報通信学会論文誌、D-2
VOL .J75-D-2 No.8 1992−8、奥富正敏、金出
武雄)には、ウインドウ毎のマッチングによるステレオ
処理に関する技術が記載されている。
【0043】すなわち、上記論文1には、基準画像の選
択画素の位置を中心とするウインドウを切り出すととも
に、対応画像の対応候補点の位置を中心とするウインド
ウを切り出し、これらウインドウ同士についてパターン
マッチングを行うことにより、基準画像の選択画素につ
いてウインドウ内加算された類似度を演算する技術が記
載されている。具体的には、一方のウインドウ内の画素
の画像情報と、この画素に対応する他方のウインドウ内
の画素の画像情報との差の2乗を、ウインドウ内の各画
素毎に求め、この画像情報の差の2乗値を、ウインドウ
内の全画素について加算したものを、類似度としてい
る。
【0044】また、論文2「ビデオレート・ステレオマ
シン」(日本ロボット学会誌、vol.13 No.3、
金出武雄、木村茂)には、上記論文1に記載されている
ウインドウ毎のマッチングによるステレオ処理を、専用
のハードウエアで実現する技術が記載されている。
【0045】すなわち、ウインドウ内の各画素ごとに求
めた画像情報の差の絶対値を加算する処理を、前回の画
素の処理結果や中間結果などを用いて、高速に行う技術
が記載されている。こうした前回の画素の処理結果や中
間結果などを用いてウインドウ内加算を行う方法を、こ
こでは再帰型のウインドウ内加算方法と呼ぶことにす
る。
【0046】つぎに、図11、図12を参照して、この
再帰型のウインドウ内加算処理について説明する。
【0047】図12は、上記再帰型のウインドウ内加算
処理を行う専用のハードウエアを示すブロック図であ
る。これは、パイプライン化されたハードウエアとして
も実現できる。
【0048】図11は、再帰型のウインドウ内加算処理
の概念図である。
【0049】同図11では、サイズが3×3画素のウイ
ンドウ内で加算が行われる場合を想定している。図11
に示される各画素の箱内には、たとえば画素(i,j−
3)の箱内には、この画素(i,j−3)に対応する類
似度(選択画素(i,j−3)の画像情報とこれの対応
点の画像情報の差の2乗値)が格納されているものとす
る。
【0050】いま、座標位置(i−2,j−1)の画素
のウインドウ内加算した類似度を求めた後に、座標位置
(i−1,j−1)の画素のウインドウ内加算した類似
度を求める場合を考える。
【0051】すると、以下の手順で、類似度(画像情報
の差の2乗値)のウインドウ内加算処理が実行される。
手順1、2ではj方向の演算が、手順3、4ではi方向
の演算が実行される。
【0052】・手順1.座標位置(i,j)の画素につ
いて類似度(画像情報の差の2乗値)を示すデータが入
力されると、この画素(i,j)に対応する類似度は、
前に演算された各画素(i,j−3)、(i,j−
2)、(i,j−1)といったj方向の各画素の類似度
の加算結果に加算される(加算1)。
【0053】・手順2.つぎに、上記手順1の加算結果
(加算1)から、画素(i,j−3)に対応する類似度
が減算される(減算1)。このようにして、各画素
(i,j−2)、(i,j−1)、(i,j)といった
j方向の各画素の類似度を加算したものが求められる。
【0054】・手順3.つぎに、上記手順2の減算結果
(減算1)が、前回のウインドウA(中心画素(i−
2,j−1))のウインドウ内加算結果(中心画素(i
−2,j−1)のウインドウ内加算した類似度)に加算
される(加算2)。
【0055】・手順4.つぎに、上記手順3の加算結果
(加算2)から、先に演算された各画素(i−3,j−
2)、(i−3,j−1)、(i−3,j)といったj
方向の各画素の類似度の加算結果が減算されることで、
今回のウインドウB(中心画素(i−1,j−1))の
ウインドウ内加算結果、つまり中心画素(i−1,j−
1)のウインドウ内加算した類似度が求められる。
【0056】そして、上記手順4で算出されたウインド
ウBの加算結果は、次の画素(i,j−1)を中心とし
たウインドウ内加算を行うときには、ウインドウAの値
として使用される。このようにして、順次ウインドウ内
加算が行われる。
【0057】上記手順は、再帰型ウインドウ内加算の一
例であり、i、jの方向を入れ替えるなど適宜変更が可
能である。
【0058】このように再帰型のウインドウ内加算で
は、今回のウインドウ内加算を行うときに、以前に行っ
たウインドウと領域が重なっている場合には、重なって
いる領域について重複した加算を繰り返し行うのではな
く、前の加算結果を利用することにより、計算量を低減
するようにしている。
【0059】サイズが3×3画素のウインドウの中に
は、9個の類似度のデータがあり、これらについてウイ
ンドウ内加算処理を単純に行うとすると、8回の類似度
の加算(8回の演算)が必要である。
【0060】これに対して図11に示す再帰型ウインド
ウ内加算では、加算1、加算2といった2回の加算と、
減算1、減算2といった2回の減算の合計4回の演算で
済み、計算量が大幅に低減されるのがわかる。
【0061】この処理を、図12に示す処理ブロック図
でみると、手順2で使用される画素(i,j−3)の類
似度のデータは、第1のシフトレジスタ503によって
タイミングを合わせられて、減算1を行う減算1処理部
502に入力される。
【0062】また、加算1に使用される画素(i,j−
3)、(i,j−2)、(i,j−1)の類似度の加算
結果は、減算1の演算が行われたときに、その結果が第
2のシフトレジスタ504に入力され、タイミングを合
わせられて、加算1を行う加算1処理部501に入力さ
れる。
【0063】i方向の演算についても同様に、第3のシ
フトレジスタ507、第4のシフトレジスタ508で
は、第1のシフトレジスタ503、第2のシフトレジス
タ504と同様にしてタイミング調整がなされた上で、
減算2を行う減算2処理部506、加算2を行う加算2
処理部505にデータが入力される。
【0064】
【発明が解決しようとする課題】前述した2眼ステレオ
視による計測処理、多眼ステレオ視による計測処理を行
う場合、その全演算量の中で、類似度のウインドウ内加
算といった演算が大きなウエイトを占めている。したが
って、処理の高速化を達成するには、このウインドウ内
加算という演算を高速に行うことが必要である。
【0065】確かに、前述した図11、図12に示す再
帰型のウインドウ内加算処理を行った場合には、従来よ
りも処理を高速に行うことは可能である。
【0066】しかし、この再帰型のウインドウ内加算
を、パイプライン処理によるハードウエアで実現するた
めには、図12に示すように、 演算手順に合わせてシ
フトレジスタでタイミング調整を行わせるよう専用のハ
ードウエア演算器を開発する必要がある。
【0067】さらに、こうした専用のハードウエアで
は、仮定距離が変わったときの初期化などの制御が複雑
となり、その設計が困難であるという問題がある。
【0068】本発明は、こうした実状に鑑みてなされた
ものであり、類似度のウインドウ内加算を行う際に、演
算手順に合わせて専用のハードウエアを開発する必要が
なく、画像を走査するときに通常用いられる汎用の演算
処理装置を用いることで、高速化を損なうことなく簡易
に演算を行えるようにすることを解決課題とするもので
ある。
【0069】
【課題を解決するための手段および効果】以下に述べる
ことは、容易に多眼ステレオに適用できるが、簡単のた
め2眼ステレオに適用される場合を想定して述べる。
【0070】本発明の第1発明では、上記解決課題を達
成するために、複数の撮像手段を所定の間隔をもって配
置し、これら複数の撮像手段のうちの一の撮像手段で対
象物体を撮像したときの当該一の撮像手段の撮像画像中
の選択画素に対応する他の撮像手段の撮像画像中の対応
候補点の情報を、前記一の撮像手段から前記選択画素に
対応する前記物体上の点までの仮定距離の大きさ毎に抽
出し、前記選択画素の画像情報と前記対応候補点の画像
情報の類似度を算出し、この算出された類似度が最も大
きくなるときの前記仮定距離を、前記一の撮像手段から
前記選択画素に対応する前記物体上の点までの推定距離
とする計測を行うステレオ画像処理装置において、画像
の各画素ごとに、対象画素近傍の局所領域のデータを取
り込み、そのデータに対して並列に演算することによ
り、画像を加工することができる、局所並列型演算器3
11を予め用意するとともに、さらに、各画素にそれぞ
れ、前記選択画素の画像情報と、この選択画素に対応す
る対応候補点の画像情報との類似度を示す画素から構成
される画像を入力し、この画像を所定の走査形式で順次
走査しながら、少なくとも一つ以上の前記局所並列型演
算器を用いることにより、各画素毎に、当該画素の周辺
領域の各画素の類似度の画像情報を融合して、類似度の
安定化を行う類似度安定化手段306を具え、前記類似
度安定化手段から出力された画像に基づいて、各画素毎
に推定距離を求めるようにしている。
【0071】かかる構成によれば、図1に示すように、
各画素データPf(i,j)毎に、対象画素近傍の局所
領域のデータを取り込み、そのデータに対して並列に演
算することにより、画像を加工することができる、局所
並列型演算器311が予め用意される。
【0072】処理実行中のデータの流れを示したものが
図3、図14である。以下、この図3、図14を使って
説明する。
【0073】まず、類似度安定化手段306に対して、
各画素データPf(i,j)にそれぞれ、選択画素P
1(i,j)の画像情報G1(i,j)と、この選択画素
1(i,j)に対応する対応候補点P2(i,j,
n)の画像情報G2(i,j,zn)との類似度Qad
(i,j,zn)を示す画素データから構成される画像
が入力され、この画像をラスタ形式などの所定の形式で
BR>順次走査しながら、少なくとも一つ以上の前記局所
並列型演算器311を用いることにより、各画素データ
毎に、当該画素データの周辺領域の類似度の画像情報Q
ad(i,j,zn)を融合して、当該画素データP
f(i,j)の類似度Qad(i,j,zn)を安定化し
た、安定化類似度Qs(i,j,zn)が求められる。
【0074】そして、こうして求められた安定化類似度
の基づいて、各画素データPf(i,j)毎に推定距離
xが求められる。
【0075】以上のように第1発明では、類似度の安定
化を行う際に、予め、ラスタ形式などの所定の形式の走
査画像を入力とする汎用の局所並列型演算器311を用
いて、類似度を安定化する演算処理を行うようにしたの
で、類似度の安定化のための演算手順に合わせて専用の
ハードウエアを開発する必要がない。この結果、高速化
を損なうことなく簡易に類似度安定化の演算を行うこと
ができる。
【0076】すなわち、従来のステレオ画像処理では、
ウインドウWD1、 WD2同士のパターンマッチングを
行う際に、単純なウインドウ内加算を行うようにしてい
た(ウインドウWD1内の各画素毎に類似度Qadを求
め、これらを加算していた)。そして、この演算を行う
ためのハードウエアを構築する際にも、ウインドウ内加
算にとらわれていたため、特別な演算を行う専用の装置
にならざるを得なかった。
【0077】しかし、ウインドウ内加算の本質は、パタ
ーンマッチングを行う際のウインドウ内の画像情報の安
定化であるにすぎず、ウインドウ内加算にとらわれる必
要はない。
【0078】ここに、本発明者は、一般的な画像処理の
分野では、ラスタ形式の画像データを取り込み、その2
次元の画像中のあるフィルタ領域(ウインドウ領域)に
対して、局所並列型演算器(空間フィルタ)を使って重
み付けと畳み込み積分を行うことで、ウインドウ内の画
像情報を安定化することができることに着目した。
【0079】そこで、類似度Qadを示す画素データから
構成された画像を順次走査しながら、局所並列型演算器
(空間フィルタ)311を使用することで、安定化類似
度Qsの演算を高速に行うようにしたものである。
【0080】ここで用いられる局所並列型演算器311
は、単に、ウインドウ内の画像情報を安定化する演算を
行うものであり(従来の再帰型のウインドウ内加算を行
うものではない)、専用の演算処理装置を特別に開発す
る必要がなく、汎用のもの(汎用の空間フィルタリング
処理用LSI)を使用することができ、装置を簡易に構
築することが可能である。また、ハードウエアの規模も
低減することができる。
【0081】本発明の第2発明では、上記解決課題を達
成するために、複数の撮像手段を所定の間隔をもって配
置し、これら複数の撮像手段のうちの一の撮像手段で対
象物体を撮像したときの当該一の撮像手段の撮像画像中
の選択画素に対応する他の撮像手段の撮像画像中の対応
候補点の情報を、前記一の撮像手段から前記選択画素に
対応する前記物体上の点までの仮定距離の大きさ毎に抽
出し、前記選択画素の画像情報と前記対応候補点の画像
情報の類似度を算出し、この算出された類似度が最も大
きくなるときの前記仮定距離を、前記一の撮像手段から
前記選択画素に対応する前記物体上の点までの推定距離
とする計測を行うステレオ画像処理装置において、画像
の各画素ごとに、対象画素近傍の局所領域のデータを取
り込み、そのデータに対して並列に演算することによ
り、画像を加工することができる局所並列型演算器31
1を予め用意するとともに、さらに、複数の撮像手段の
うちの一の撮像手段の撮像画像中の画素を所定の走査形
式で順次選択し、当該選択画素に対応する他の撮像手段
の撮像画像中の対応候補点の座標位置をデータとして保
持する画素から構成される画像フレームを、仮定距離毎
に、一つの画像フレームとして生成する対応候補点座標
生成手段301と、前記対応候補点座標生成手段で生成
された画像フレームを入力して、画素単位に前記所定の
走査形式で、前記一の撮像手段の撮像画像中の選択画素
の画像情報と当該選択画素に対応する他の撮像手段の撮
像画像中の対応候補点の画像情報を抽出し、これら抽出
された画像情報を、入力された画像フレームに準じた形
式の画像フレームにして出力する対応候補点情報抽出手
段304と、前記対応候補点情報抽出手段から出力され
た画像フレームを入力して、画素単位に前記所定の走査
形式で、前記抽出された画像情報同士の類似度を計算
し、この類似度を、入力された画像フレームに準じた形
式の画像フレームにして出力する類似度算出手段305
と、前記類似度算出手段から出力された画像フレームを
入力して、画素単位に前記所定の走査形式で、少なくと
も1個の前記局所並列型演算器によって対象画素近傍の
類似度を融合することにより類似度の安定化を行い、こ
の安定化された類似度を、入力された画像フレームに準
じた形式の画像フレームにして出力する類似度安定化手
段306と、前記類似度安定化手段から出力された画像
フレームを入力して、仮定距離の変化に対する安定化さ
れた類似度の変化を求め、安定化された類似度が最も大
きくなるときの仮定距離を、画素単位で前記所定の走査
形式で算出し、この安定化された類似度が最も大きくな
るときの仮定距離を、入力された画像フレームに準じた
形式の画像フレームにして出力する距離推定手段307
と、を具え、前記画像フレームを構成する各画素のデー
タを、これら前記対応候補点座標生成手段、前記対応候
補点情報抽出手段、前記類似度算出手段、前記類似度安
定化手段、前記距離推定手段の各手段による処理によっ
て順次更新させつつ、これら各手段の間で、当該画像フ
レームを、画素単位に前記所定の走査形式で転送させな
がら処理するようにしている。
【0082】かかる構成によれば、図1に示すように、
画像の各画素毎に、対象画素近傍の局所領域のデータを
取り込み、そのデータに対して並列に演算することによ
り、画像を加工することができる、局所並列型演算器3
11が予め用意される。
【0083】画像フレームの中のデータの流れを示した
ものが、図3、図14である。
【0084】以下、この図3、図14を使って説明す
る。
【0085】まず、対応候補点座標生成手段301で、
一の撮像手段1による撮像画像#1の各選択画素P
1(i,j)にそれぞれ対応する各画素データPf(i,
j)を有し、これら各画素データPf(i,j)に、対
応する選択画素P1(i,j)の座標位置(i,j)
と、この選択画素P1(i,j)の対応候補点P2(i,
j,zn )の座標位置(X2,Y2)が格納された画像フ
レーム20が、仮定距離zn毎に生成される。
【0086】そして、この画像フレーム20が、対応候
補点情報抽出手段304に入力され、この画像フレーム
20が順次走査されることにより、各画素データP
f(i,j)にそれぞれ格納された、対応する選択画素
1(i,j)の座標位置(i,j)と、この選択画素
1(i,j)の対応候補点P2(i,j,zn )の座標
位置(X2,Y2)から、座標位置(i,j)に対応する
選択画素P1(i,j)の画像情報G1(i,j)と、こ
の選択画素P1(i,j)の対応候補点P2(i,j,z
n)の画像情報G2(i,j,zn)が、各画素データPf
(i,j)毎に求められ、当該両撮像画像#1、#2の
画像情報G1(i,j)、 G2(i,j,zn)が、各画
素データPf(i,j)にそれぞれ格納され、これが画
像フレーム20として出力される。
【0087】そして、この画像フレーム20が、類似度
算出手段305に入力され、この画像フレーム20が順
次走査されることにより、各画素データPf(i,j)
にそれぞれ格納された両撮像画像#1、#2の画像情報
1(i,j)、 G2(i,j,zn)から、これらの類
似度Qad(i,j,zn)が、各画素データPf(i,
j)毎に求められ、当該類似度を示す画像情報Qad
(i,j,zn)が、各画素データPf(i,j)にそれ
ぞれ格納され、これが画像フレーム20として出力され
る。
【0088】そして、この画像フレーム20が、類似度
安定化手段306に入力され、この画像フレーム20を
順次走査しながら、上記局所並列型演算器311を用い
ることにより、各画素データPf(i,j)毎に、当該
画素Pf(i,j)を含む周辺の領域WDfの各画素の類
似度を示す画像情報Qad(i,j,zn)を融合して、
当該画素データPf(i,j)の類似度Qad(i,j,
n)を安定化した安定化類似度Qs(i,j,zn)が
求められ、各画素データPf(i,j)にそれぞれ、安
定化類似度を示す画像情報Qs(i,j,zn)が格納さ
れた画像フレーム20が出力される。
【0089】そして、この画像フレーム20が、仮定距
離zn毎に、距離推定手段307に順次入力され、これ
ら仮定距離zn毎の画像フレーム20が順次走査される
ことにより、各画素データPf(i,j)にそれぞれ格
納された安定化類似度を示す画像情報Qs(i,j,
n)から、安定化類似度Qs(i,j,zn)が最も大
きくなるときの仮定距離zxが、各画素データPf(i,
j)毎に求められ、これが推定距離zx(i,j)とさ
れて、この推定距離を示す画像情報zx(i,j)が、
各画素データPf(i,j)にそれぞれ格納され、これ
が画像フレーム20として出力される。
【0090】以上のように第2発明では、第1発明に加
えて、所定の走査形式(たとえばラスタ形式)の画像フ
レーム20を、各手段間で転送するようにしているの
で、画像表示を行う手段との整合性がよく、簡単なハー
ドウエアで各手段から出力される画像フレーム20の情
報を画像表示することができる。たとえば、最終段の距
離推定手段307から出力される画像フレーム20を画
像表示させるだけではなく、その前段の類似度安定化手
段306から出力された画像フレーム20をそのまま画
像表示させることができる。
【0091】また、第3発明では、第2発明の構成に加
えて、前記対応候補点情報抽出手段および前記類似度算
出手段および前記類似度安定化手段および前記距離推定
手段を対象として、必要に応じて対象となる前記各手段
において、前記対応候補点情報抽出手段では選択画素の
画像情報と対応候補点の画像情報の抽出処理、前記類似
度算出手段では類似度の算出処理、前記類似度安定化手
段では類似度の安定化処理、前記距離推定手段では距離
推定処理、を行わずに、入力された画像フレームの画素
データを保持した形で画像フレームを出力できるように
している。
【0092】かかる構成によれば、図1に示すように、
距離推定手段307から出力される画像フレーム20を
表示する表示手段308を、さらに設ける場合を考える
と、距離推定手段307から出力される各画素P
f(i,j)に、推定距離zx(i,j)が格納された画
像フレーム20だけが、表示手段308に表示されるの
ではなく、たとえば、対応候補点情報抽出手段304お
よび類似度算出手段305および類似度安定化手段30
6および距離推定手段307を対象として、入力された
画像フレーム20の画素データを保持した形で画像フレ
ームを出力させる手段を設けると、対応候補点座標生成
手段301から出力される画像フレーム20が、つま
り、各画素データPf(i,j)に、対応する選択画素
1(i,j)の座標位置(i,j)と、この選択画素
1(i,j)の対応候補点P2(i,j,zn )の座標
位置(X2,Y2)が格納された画像フレーム20が、表
示手段308に表示される。
【0093】あるいは、類似度算出手段305および類
似度安定化手段306および距離推定手段307を対象
として、入力された画像フレーム20の画素データを保
持した形で画像フレームを出力させる手段を設けると、
対応候補点情報抽出手段304から出力される画像フレ
ーム20が、つまり、各画素データPf(i,j)に、
両撮像画像#1、#2の画像情報G1(i,j)、 G2
(i,j,zn)が格納された画像フレーム20が表示
手段308に表示される。
【0094】あるいは、類似度安定化手段306および
距離推定手段307を対象として、入力された画像フレ
ーム20の画素データを保持した形で画像フレームを出
力させる手段を設けると、類似度算出手段305から出
力される画像フレーム20が、つまり、各画素P
f(i,j)に、類似度を示す画像情報Qad(i,j,
n)が格納された画像フレーム20が表示手段308
に表示される。
【0095】あるいは、距離推定手段307を対象とし
て、入力された画像フレーム20の画素データを保持し
た形で画像フレームを出力させる手段を設けると、類似
度安定化手段306から出力される画像フレーム20
が、つまり、各画素Pf(i,j)に、安定化類似度を
示す画像情報Qs(i,j,zn)が格納された画像フレ
ーム20が表示手段308に表示される。
【0096】あるいは、処理途中の類似度安定化手段3
06のみを対象として、入力された画像フレーム20の
画素データを保持した形で画像フレームを出力させる手
段を設けると、距離推定手段307から出力される各画
素データPf(i,j)に、安定化されていない類似度
によって求められた推定距離zx(i,j)が格納さ
れ、その画像フレーム20が表示手段308に表示され
る。
【0097】このように、対応候補点情報抽出手段30
4および類似度算出手段305および類似度安定化手段
306および距離推定手段307を対象として、あるい
は、類似度算出手段305および類似度安定化手段30
6および距離推定手段307を対象として、あるいは、
類似度安定化手段306および距離推定手段307を対
象として、あるいは、距離推定手段307を対象とし
て、演算処理を行うことなく入力された画像フレーム2
0の画素データを保持した形で画像フレームを出力させ
る手段を設けるようにしたので、最終段の距離推定手段
307から出力される画像フレーム20を表示手段30
8に画像表示させることができるだけではなく、その前
段の各手段304、305、306から出力される画像
フレーム20を同じ表示手段308に画像表示させるこ
とができる。
【0098】さらに、対応候補点情報抽出手段304お
よび類似度算出手段305および類似度安定化手段30
6および距離推定手段307の中の、少なくとも一つを
対象として、演算処理を行うことなく入力された画像フ
レーム20の画素データを保持した形で画像フレームを
出力させる手段を設けるようにしたので、途中の演算処
理を省略した場合の、距離推定手段307から出力され
る画像フレーム20を表示手段308に画像表示させる
ことができる。
【0099】以上のように、通常、最終的に得られた距
離画像を表示するものとして設けられている一つの表示
手段308に、途中の演算処理結果および途中の一部の
演算処理を省略した演算処理結果を表示させることがで
きる。
【0100】演算処理結果を表示させることにより、そ
の結果を視覚的に容易に、そして高速に、確認すること
ができることは、デバックの際に非常に有効である。
【0101】したがって、余分なハードウエアを追加し
なくても、小規模なハードウエアでデバック作業を効率
的に行うことができる。
【0102】また、第4発明では、第2発明の構成に加
えて、前記距離推定手段で、各仮定距離と各安定化類似
度との対応関係を、画像フレームの各画素データ毎に求
め、さらに、この対応関係を補間することにより、補間
した対応関係を求め、この補間した対応関係より、安定
化類似度が最も大きくなる点を求め、この点に対応する
仮定距離を推定距離とする演算処理を行うようにしてい
る。
【0103】かかる構成によれば、図21に示すよう
に、距離推定手段307で、各仮定距離znと各安定化
類似度Qsとの対応関係L1が、画像フレーム20の各画
素データPf(i,j)毎に求められ、さらに、この対
応関係L1が補間されることにより、補間した対応関係
(補間曲線)L2が求められ、この補間した対応関係L2
より、安定化類似度Qsが最も大きくなる点(安定化類
似度の逆数が最も小さくなる)が求められ、この点に対
応する仮定距離znを推定距離zxとする演算処理が行わ
れる。
【0104】以上のような補間演算(L1をL2にする曲
線近似)がなされることにより、各画像フレーム20で
仮定距離を…、z8、z9、z10、z11、z12、…と変化
させたときの間隔以下の分解能で、距離を推定すること
が可能となり、高精度に計測を行うことができるように
なる。特に、画像フレーム20を距離推定手段307に
入力させ、これを走査しながら順次処理を行うようにし
たので、小型のハードウエアで高速に処理を行わせるこ
とが可能となる。
【0105】また、第5発明では、第2発明の構成に加
えて、前記撮像手段によって撮像した撮像画像から、前
記対応候補点情報抽出手段によって画像情報を抽出する
前に、少なくとも1個の前記局所並列型演算器を用いて
前記撮像画像の前処理を行う場合に、前記撮像画像の前
処理を行う際には、前記撮像画像が前記局所並列型演算
器に入力され、かつ、この局所並列型演算器によって、
入力された撮像画像の前処理が行われた前処理画像が前
記対応候補点情報抽出手段に出力されるように、前記局
所並列型演算器の入出力を切り換えるとともに、前記類
似度を安定化する処理を行う際には、前記類似度算出手
段から出力された画像フレームが前記局所並列型演算器
に入力され、かつ、この局所並列型演算器によって、入
力された画像フレームの各画素データについて類似度を
安定化する処理が行われた画像フレームが、前記距離推
定手段に出力されるように、前記局所並列型演算器の入
出力を切り換える経路制御手段309、312を具える
ようにしている。
【0106】かかる構成によれば、局所並列型演算器は
係数を設定することによりLoG(Laplacian of Gauss
ian)フィルタをかけた強調処理画像が得られるため、
図6に示すように、複数の撮像手段1、2による撮像画
像#1、#2を原画像とし、当該原画像#1の各画素に
対して、局所並列型演算器311を用いた画像処理を施
すことによって、原画像#1の特徴を強調した前処理画
像#1Aを生成する前処理手段310が、さらに、具え
られる。そして、この前処理手段310で生成された前
処理画像#1Aが、原画像#1の代わりに使用される。
【0107】まず、前処理手段310による前処理が行
われる際には、経路制御手段309、312によって、
局所並列型演算器311が、この前処理を実行できるよ
うに経路がに切り換えられる。
【0108】つまり、撮像手段1の撮像画像、つまり画
像データ入力部302の原画像#1が、局所並列型演算
器311に入力され、この局所並列型演算器311を用
いて前処理手段310により原画像#1の前処理が行わ
れる。そして、前処理画像#1Aが、画像データ記憶部
303を介して対応候補点情報抽出手段304に出力さ
れる。
【0109】そして、類似度安定化手段306による類
似度安定化処理が行われる際には、局所並列型演算器3
11が、この類似度安定化処理を実行できるように経路
が切り換えられる。つまり、類似度算出手段305から
出力された画像フレーム20が、局所並列型演算器31
1に入力され、この局所並列型演算器311を用いて類
似度安定化手段306によって、安定化類似度Qsが演
算される。そして、安定化類似度Qsが各画素毎に演算
された画像フレーム20が、距離推定手段307に出力
される。
【0110】本発明は、局所並列型演算器311は、ウ
インドウ内の画像情報を演算できるものであるので、類
似度を安定化する演算処理にも、原画像の特徴を強調す
るステレオ画像処理の前処理にも、共用できる点に着目
して、なされたものである。
【0111】局所並列型演算器311を、前処理手段3
10側、類似度安定化手段306側に、時間的に切り換
えて、使用し、一つの局所並列型演算器311を共用す
ることにより、ハードウエアの規模を小さくでき、装
置、システムの小型化、軽量化、低コスト化が実現され
る。
【0112】また、第6発明では、第2発明の構成に加
えて、前記距離推定手段から出力される画像フレームを
入力して、入力した画像フレームの一部の画素データの
画像情報に基づいて、当該画像フレームの情報量を圧縮
した圧縮画像フレームを生成して、前記画像フレームお
よび前記圧縮画像フレームを、出力する圧縮手段314
を、さらに具えるようにしている。
【0113】さらに、第7発明では、第6発明の構成に
加えて、前記圧縮手段により圧縮された圧縮画像フレー
ムを、さらに所定回数、当該圧縮手段で繰り返し圧縮す
ることにより、複数の圧縮サイズの異なる圧縮画像フレ
ームを生成し、これら複数の圧縮サイズの異なる圧縮画
像フレームおよび前記画像フレームを出力するようにし
ている。
【0114】かかる第6発明の構成によれば、図8、図
13に示すように、距離推定手段307から出力される
画像フレーム20Aの画素データの画像情報に基づい
て、当該画像フレーム20Bの情報量を圧縮した圧縮画
像フレーム20Cが、圧縮手段314で生成される。
【0115】そして、圧縮手段314から出力された画
像フレームが、物体の認識手段に送られた場合には、こ
の圧縮画像フレーム20Cと、画像フレーム20Bとに
基づいて、物体50が認識される。
【0116】第7発明では、さらに、圧縮画像フレーム
20Cが、さらに所定回数、同じ圧縮手段314で圧縮
されることにより、複数の圧縮サイズの異なる圧縮画像
フレーム20C、20Dが生成される。
【0117】そして、これら複数の圧縮サイズの異なる
圧縮画像フレーム20C、20Dと、画像フレーム20
Bとに基づいて、物体50が認識される。
【0118】このように、多重解像度の画像20B、2
0C、20Dを得るようにしたので、これらに基づき、
物体50の認識を効率良く行うことができる。
【0119】たとえば、まず、情報量が圧縮された画像
20Cないしは20Dから、物体50の大局的な特徴を
つかみ、処理範囲を限定することができる。つぎの段階
では情報量が多い画像20Bの上記限定された処理範囲
について、詳細な処理を行うことで、物体50の形状、
大きさなどの必要な情報を、効率的に取得することがで
きる。
【0120】特に、本発明では、画像フレーム20A
を、圧縮手段314に入力させ、これを走査しながら順
次処理を行うことが可能であり、簡単なハードウエアで
効率的に、多重解像度の画像を得ることができる。
【0121】なお、本発明の局所並列型演算器311
は、図22(a)に示すように、多段の空間フィルタ3
11a、311b、311cで構成することにより、等
価的に大きなウインドウサイズにも対応させることがで
きる。また、図22(b)に示すように、空間フィルタ
311dの出力をバッファ330を介して、所定回数、
同空間フィルタ311dを通過させることにより、等価
的に大きなウインドウサイズに対応させることができ
る。
【0122】以上では、2眼ステレオに適用される場合
を想定して述べたが、多眼ステレオに適用できることは
言うまでもない。
【0123】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0124】図1は、本実施形態の多眼ステレオを利用
したステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図であ
る。なお、以下では、多眼ステレオに適用される場合を
想定しているが、2眼ステレオに適用してもよい。
【0125】図15〜図20で説明した2眼ステレオ、
多眼ステレオ計測装置の基本的構成については、適宜、
省略する。
【0126】図1に示す装置は、フレーム処理形式で、
多眼ステレオによる計測を行うものであり、各処理部3
01、304、305、306、307、308間を、
統一した形式の画像フレーム20が転送され、各処理部
で、パイプライン的に処理が行われる。なお、各処理部
の間に、各出力を記憶するメモリを設けて処理を行うよ
うにしてもよい。
【0127】画像データ入力部302には、視差d(物
体50までの距離z)を算出する際に基準となる画像セ
ンサ1で撮像された基準画像#1が取り込まれる。ま
た、この基準画像#1上の選択画素P1に対応する対応
点P2が存在する画像である画像センサ2の画像#2が
取り込まれる。同様に、画像センサ3の画像#3、…、
画像センサNの画像#Nについてもそれぞれ取り込まれ
る。
【0128】画像データ記憶部303には、画像データ
入力部302に取り込まれた基準画像#1および各画像
センサの画像#2、#3、・・・、#Nが記憶される。
【0129】画像フレーム20は、形式が統一されてお
り、フレーム処理型対応候補点座標生成部301、フレ
ーム処理型対応候補点情報抽出部304、フレーム処理
型類似度算出部305、フレーム処理型類似度安定化部
306、フレーム処理型距離推定部307といった各処
理部で、それぞれラスタ走査で入力され、各処理部で必
要な演算が施されて、画像フレーム20を構成する画素
に、順次演算されたデータが格納されていく。つまり、
画像フレーム20は、各処理部の間を、パイプライン的
に演算され、転送されていく。
【0130】最終段のフレーム処理型距離推定部307
からは、距離画像を含む画像フレーム20が出力され、
表示部308に表示される。
【0131】例えば、フレーム処理型対応候補点座標生
成部301、フレーム処理型対応候補点情報抽出部30
4間は、データ転送のタイミングをとるためのクロック
信号が送出される信号線350、画像フレーム20の開
始SF、終了EFなどの属性を示す信号が送出される信
号線351、仮定距離zn、フレーム処理型対応候補点
座標生成部301での演算結果などのデータが送出され
る信号線352を介して接続されており、画像フレーム
20の属性、仮定距離、データなどが転送される。他の
各処理部の間も同様の転送が行われる。なお、本実施形
態では、クロック信号は、各処理部間で各々専用のクロ
ックを使用するようにしているが、共通のクロックを使
用してもよい。すなわち、一つのクロック発生器から発
生するクロック信号を直接、各処理部に送出するように
してもよい。
【0132】図2は、各処理部間を流れていく画像フレ
ーム20の構成の例を示す図である。同図2に示すよう
に、画像フレーム20は、属性を示す層20aと、仮定
距離znを示す層20bと、データを示す層20cの3
層から成っている例で説明する。
【0133】属性を示す層20aでは、画像フレーム2
0を構成する各画素データ10に、画像フレーム20の
開始を示す情報SF、水平ラインの終了を示す情報E
L、画像フレーム20の終了を示す情報EF、これら以
外であることを示す情報NNのいずれかが対応づけられ
ている。
【0134】仮定距離znを示す層20bでは、画像フ
レーム20を構成する各画素データ10に、同一の仮定
距離znを示す情報が対応づけられている。つまり、仮
定距離zn毎に、画像フレーム20が生成されることを
示している。
【0135】データを示す層20cでは、画像フレーム
20を構成する各画素データ10に、各処理部で行われ
た演算結果に応じたデータが、格納される。
【0136】つぎに、画像フレーム20がパイプライン
的に各処理部で演算されていくときに、このデータがど
のように変遷していくかを、図3および図14を参照し
て説明する。
【0137】まず、フレーム処理型対応候補点座標生成
部301では、各画素データ10に、基準画像#1の選
択画素P1の座標位置を示す位置データ(i,j)と、
この選択画素P1の対応候補点P2、 P3、・・・、PNの座
標位置を示す位置データ(X2,Y2)、(X3,Y3)、
・・・、(XN,YN)を順次出力し、また、仮定距離zn
順次変化していくことで、画像フレーム20が仮定距離
n毎に出力される。
【0138】このとき、画像フレーム20は、クロック
信号線350を流れるクロック信号に同期してラスタ走
査の形式で出力される。具体的には、基準画像#1中の
選択画素P1の座標位置データ(i,j)が、図4
(a)に示す順序で出力されていく。
【0139】図4(a)は、フレーム処理型対応候補点
座標生成部301で行われる画像フレーム生成処理の中
の基準画像#1の選択画素P1の座標位置データ生成を
行う際のフローチャートである。
【0140】図4(a)に示すように、まず、基準画像
#1のi方向の最大座標位置imax、j方向の最大座標
位置jmax、走査開始の座標位置(is,js)、仮定距
離znの最小距離z1、最大距離zmaxは、既知であるの
で予め設定されているものとする。
【0141】そして、仮定距離znを最小距離z1に設定
し、画素の座標位置を、走査開始座標位置(is,js
に初期設定した上で(ステップ401)、iが最大座標
位置imaxに達するまで、基準画像#1を水平方向に走
査(主走査)していく(ステップ402の判断YES、
ステップ403)。
【0142】iが最大座標位置imaxに達すると(ステ
ップ402の判断NO)、jを+1インクリメントした
上で(副走査)、走査開始位置isから水平方向に最大
位置imaxに達するまで、基準画像#1を水平方向に走
査(主走査)していく(ステップ404の判断YES、
ステップ405、ステップ402の判断YES、ステッ
プ403)。
【0143】以上の処理が、jが最大座標位置jmax
達するまで(ステップ404の判断NO)、繰り返され
る。
【0144】このようにして、基準画像#1中の各選択
画素P1が、ラスタ走査の形式で順次選択されていき、
画像フレーム20の各画素データ10にそれぞれ、基準
画像#1の各選択画素P1の座標位置を示す位置データ
(i,j)と、この選択画素P1の対応候補点P2
3、・・・、PNの座標位置を示す位置データ(X2
2)、(X3,Y3)、・・・、(XN,YN)が格納された
ものが生成、出力される。また、この画像フレーム20
(の仮定距離を示す層20b)には、仮定距離znとし
て最小距離z1を示す情報が格納される(図4(b)参
照)。
【0145】以下、仮定距離znを次の仮定距離zn+1
設定し、画素の座標位置を、走査開始座標位置(is
s)に設定し直した上で(ステップ407)、i、j
が最大座標位置imax、jmaxに達するまで、基準画像#
1を走査していく処理を、仮定距離znが最大距離zmax
になるまで(ステップ406の判断NO)、繰り返し行
うことで、各仮定距離z2、z3…zmaxの画像フレーム
20が順次生成されていく(図4(b)参照)。
【0146】こうして、各画素データPf(i,j)1
0に、対応する選択画素P1の座標位置を示す位置デー
タ(i,j)と、この選択画素P1の対応候補点P2
3、・・・、PNの座標位置を示す位置データ(X2
2)、(X3,Y3)、・・・、(XN,YN)が格納された
画像フレーム20が、仮定距離zn毎に生成され、フレ
ーム処理型対応候補点座標生成部301から出力され
る。
【0147】フレーム処理型対応候補点座標生成部30
1から出力される画像フレーム20を、図14(a)に
概念的に示す。画像フレーム20の各画素データP
f(i,j)には、基準画像#1の座標位置の位置デー
タ(i,j)と、この選択画素P1の対応候補点P2
3、・・・、PNの座標位置を示す位置データ(X2
2)、(X3,Y3)、・・・、(XN,YN)が格納されて
いる。
【0148】なお、仮定距離znを変えていく間隔は、
たとえば基準画像#1と画像センサ2の画像#2の視差
dが1画素毎に変化していく間隔に設定される。
【0149】ここで、画像フレーム20は、クロック信
号線350を流れるクロック信号に同期してラスタ走査
の形式でフレーム処理型対応候補点座標生成部301か
ら出力されている。その後段の各処理部においても同様
である。
【0150】すなわち、図5(a)に示す画像フレーム
20は、クロック信号に同期して図5(b)に示す画素
データの順序で、各処理部間をパイプライン的に転送さ
れていくことになる。ここで、図5(b)では、基準画
像#1の座標位置の位置データ(i,j)のみを記述
し、選択画素P1の対応候補点P2、 P3、・・・、PNの座
標位置を示す位置データ(X2,Y2)、(X3,Y3)、
・・・、(XN,YN)は省略している。
【0151】なお、以下の説明では、各画像センサの画
像#2、#3、・・・、#Nについて行われる処理は同じ
であるので、適宜、画像センサ2の画像#2を代表させ
て説明する。
【0152】つぎの、フレーム処理型対応候補点情報抽
出部304では、フレーム処理型対応候補点座標生成部
301で生成された画像フレーム20がラスタ走査の形
式で入力される。
【0153】入力された画像フレーム20の各画素デー
タPf(i,j)には、それぞれ選択画素P1の座標位置
データ(i,j)と、この選択画素P1の対応候補点
2、P3、・・・、PNの座標位置データ(X2,Y2)、
(X3,Y3)、・・・、(XN,YN)が格納されているの
で、この座標位置データに基づき、選択画素P1(i,
j)の画像情報G1(i,j)が画像データ記憶部30
3から読み出されるとともに、この選択画素P1(i,
j)の対応候補点P2(i,j,zn)の画像情報G
2(i,j,zn)が画像データ記憶部303から読み出
される。
【0154】こうして、入力された画像フレーム20の
各画素データPf(i,j)毎に、撮像画像の画像情報
を読み出す処理がなされ、両撮像画像#1、#2の画像
情報G1(i,j)、G2(i,j,zn)が、各画素デ
ータPf(i,j)にそれぞれ格納された上で、画像フ
レーム20として出力される。もちろん、多眼ステレオ
であるので、撮像画像#3の画像情報G3、撮像画像#
Nの画像情報GNも各画素に格納されることになる。
【0155】図14(b)は、フレーム処理型対応候補
点情報抽出部304から出力される画像フレーム20を
概念的に示したものである。画像フレーム20の各画素
データPf(i,j)には、両撮像画像#1、#2の撮
像画像情報G1(i,j)、G2(i,j,zn)が格納
されている。
【0156】つぎに、フレーム処理型対応候補点情報抽
出部304から出力された画像フレーム20は、フレー
ム処理型類似度算出部305にラスタ走査の形式で入力
される。
【0157】入力された画像フレーム20の各画素デー
タPf(i,j)には、それぞれ撮像画像#1、#2の
画像情報G1(i,j)、G2(i,j,zn)が格納さ
れているので、この画像情報G1、G2に基づき、これら
の類似度Qad(i,j,zn)が、下記(3)式のごと
く、求められる。
【0158】 Qad(i,j,zn)=|G2(i,j,zn)−G1(i,j)| …(3) 上記(3)式からわかるようにQadは、両撮像画像#
1、#2の画像情報G1、G2の差の絶対値であり、この
値が大きいほど類似度は低いということを示している。
したがって、Qadは、実際には、類似度の逆数を表して
いるが、本明細書では説明の便宜のため、Qadを、適
宜、「類似度」と称することにする。
【0159】こうして、入力された画像フレーム20の
各画素データPf(i,j)毎に、類似度Qadを演算す
る処理((3)式)がなされ、類似度Qadが各画素デー
タPf(i,j)にそれぞれ格納された上で、画像フレ
ーム20として出力される。もちろん、多眼ステレオで
あるので、従来技術で説明したように、各ステレオ対毎
に、類似度Qadが演算され、各ステレオ対毎に演算され
た類似度Qadを加算した類似度Qadが各画素データに格
納されることになる。
【0160】図14(c)は、フレーム処理型類似度算
出部305から出力される画像フレーム20を概念的に
示したものである。 画像フレーム20の各画素データ
には、類似度を示す画像情報Qadが格納されている。
【0161】つぎに、フレーム処理型類似度算出部30
5から出力された画像フレーム20は、フレーム処理型
類似度安定化部306にラスタ走査の形式で入力され
る。
【0162】ここで、このフレーム処理型類似度安定化
部306には、画像の各画素ごとに、対象画素近傍の局
所領域のデータを取り込み、そのデータに対して並列に
演算することにより、画像を加工することができる、局
所並列型演算器(空間フィルタ)311が予め設けられ
ている。
【0163】さて、局所並列型演算器(空間フィルタ)
311は、一般的な画像処理の分野で使用されているも
のであり、ラスタ形式の画像データを取り込み、その2
次元の画像中のあるフィルタ領域(ウインドウ領域)に
対して、重み付けと畳み込み積分を行うものである。い
ま、フレーム処理型類似度算出部305から出力された
類似度Qadは、クロック信号に同期して画素単位で転送
されているので、この一般的に画像処理の分野で使用さ
れている局所並列型演算器(空間フィルタ)311を使
用して、各画素ごとに、類似度の安定化の処理を、きわ
めて高速に行うことができる。
【0164】ここで、局所並列型演算器311で行われ
る類似度の安定化演算処理について説明する。
【0165】類似度Qad(類似度の逆数)は、上述した
(3)式に示すように、多眼ステレオでは、一般的に
は、下記(4)式で表される。
【0166】 そして、安定化された類似度Qs(安定化された類似度
の逆数)は、上記Qad(i,j,zn)に基づき、下記
(5)式のような演算を行うことによって求められる。
【0167】ここで、空間フィルタのサイズ(ウインド
ウサイズ)は、(2N1+1)×(2N2+1)であると
する。
【0168】 ただし、ここで、 i、j :基準画像#1の選択画素P1(i,j)の座標位置 zn :仮定距離 N :全撮像画像の数(2眼ステレオでは2となる) Gk(i,j,zn):基準画像#1の選択画素位置(i,j)における仮定距離 znでの画像センサkの画像#kの 対応候補点の画像情報 G1(i,j) :基準画像#1の選択画素位置(i,j)における画像情 報 Qad(i,j,zn):基準画像#1の選択画素位置(i,j)における仮定距 離znでの類似度 (値としては類似度の逆数を示す) W(p,q) :類似度の安定化を行う空間フィルタ領域内の位置(p, q)における重み係数 Qs(i,j,zn):基準画像#1の選択画素位置(i,j)における仮定距 離znでの安定化した類似度 (値としては安定化した類似度の逆数を示す) そこで、上記(5)式において、空間フィルタの重み係
数W(p,q)を1とし、空間フィルタ領域の縦横の大
きさN1、N2を同一とすることによって、図24に示す
ように、従来の正方形のウインドウWD1内のウインド
ウ内加算と同等の処理を行うことができる。
【0169】なお、必ずしも、正方形のウインドウWD
1内の加算を行う必要はなく、たとえば、フィルタ領域
を円形とし、この円形の範囲の重み係数W(p,q)を
1とすることによって、円形のウインドウ内加算を行う
ことができる。
【0170】また、空間フィルタの全ての位置の重み係
数W(p,q)を1とする必要はなく、たとえば、ウイ
ンドウの中心付近の重み係数W(p,q)を、中心から
離れた周囲の領域の重み係数W(p,q)よりも大きく
することにより、ウインドウの中心付近の寄与率が高い
ように安定化類似度Qsを演算することができる。
【0171】さらに、空間フィルタの重み係数W(p,
q)が最も大きくなる位置をウインドウの中心からずら
すことにより、寄与率が高くなる場所がウインドウの中
心付近とは異なる位置となるように、安定化類似度Qs
を演算することができる。
【0172】入力された画像フレーム20を順次走査し
ながら、上記局所並列型演算器311を用いることによ
り、各画素データに格納された類似度Qadに基づいて安
定化類似度Qsを演算する処理が順次実行される。
【0173】すなわち、上記(5)式に示されるよう
に、画像フレーム20の各画素データ10毎に、当該座
標位置(i,j)を含む周辺の領域の各画素の類似度Q
ad(i,j,zn)を融合して( WD1とWD2のパター
ンマッチングと同様の処理が行われる)、当該座標位置
(i,j)の類似度Qad(i,j,zn)を安定化した
安定化類似度Qs(i,j,zn)が求められ、各画素デ
ータPf(i,j)にそれぞれ、安定化類似度Qs(i,
j,zn)が格納された画像フレーム20が、フレーム
処理型類似度安定化部306から出力される。
【0174】このように、類似度Qadが各画素に格納さ
れた画像フレーム20を順次走査しながら、局所並列型
演算器(空間フィルタ)311を使用することで、安定
化類似度Qsを演算するようにしたので、処理を高速に
行うことができる。
【0175】しかも、ここで用いられる局所並列型演算
器311は、単に、ウインドウ内の画像情報を安定化す
る演算を行うものであり(従来の再帰型のウインドウ内
加算を行うものではない)、専用の演算器を特別に開発
する必要がなく、汎用のもの(汎用の画像処理用LS
I)を使用することができ、装置を簡易に構築すること
が可能である。また、ハードウエアの規模も低減するこ
とができる。
【0176】図14(d)は、フレーム処理型類似度安
定化部306から出力される画像フレーム20を概念的
に示したものである。画像フレーム20の各画素データ
には、安定化類似度Qsが格納されている。
【0177】つぎに、フレーム処理型類似度安定化部3
06から出力された画像フレーム20が、仮定距離zn
毎に、フレーム処理型距離推定部307に順次入力され
る。
【0178】そして、これら仮定距離zn毎の画像フレ
ーム20が順次走査されることにより、座標位置(i,
j)に、物体50までの真の距離を推定する演算が実行
される。
【0179】ここで、仮定距離znごとの画像フレーム
20の同一座標位置(i,j)には、それぞれ、仮定距
離ごとの安定化類似度Qsが格納されている。そこで、
これら同一座標位置(i,j)について、安定化類似度
Qsの大きさを比較して、最も安定化類似度Qsが大きく
なる(上記(5)式に示す安定化類似度の逆数が最も小
さくなる)ときの仮定距離zxが、全仮定距離z1〜z
maxの中から選択される。そして、この選択した仮定距
離zxが、当該座標位置(i,j)についての推定距離
xであると決定する。この処理が、画像フレーム20
の全ての画素データについて、画像フレーム20を順次
走査しながら、順次実行される。
【0180】こうして、推定距離zx(i,j)が、各
画素データにそれぞれ格納され、これが画像フレーム2
0として、フレーム処理型距離推定部307から出力さ
れる。
【0181】図14(e)は、フレーム処理型距離推定
部307から出力される画像フレーム20を概念的に示
したものである。画像フレーム20の各画素データに
は、推定距離zx(i,j)が格納されている。ここで
は仮定距離として扱っているが、視差の値(画像上のず
れを画素の数で表したもの)で扱ってもよい。
【0182】フレーム処理型距離推定部307から出力
された画像フレーム20は、物体50の距離画像を示し
ている。この距離画像がそのまま、あるいは、適宜処理
が施されて、物体50の3次元的な特徴を示す3次元画
像として生成され、これが表示部308に表示される。
【0183】ここで、表示部308とは、フレーム処理
型距離推定部307から出力された画像を、確認するこ
とができるものであれば、任意であり、CRTなどの画
像表示手段、あるいは、紙などに画像を印刷、表示して
出力するプリンタなどの概念を含むものである。応用の
一例として表示部としているが、たとえば他の物体認識
装置などの装置へのインターフェイスであってもよい
し、他の別の装置であってもよい。
【0184】さて、本実施形態では、フレーム処理型類
似度安定化部306で、類似度の安定化処理を行う際
に、一つの空間フィルタ311で処理を行うようにして
いるが、空間フィルタを多段で使用することなどして、
大きなウインドウサイズに対応させることも可能であ
る。
【0185】たとえば、図22(a)に示すように、複
数の空間フィルタ311a、311b、311cを直列
に連続して配置することにより、等価的に大きなウイン
ドウサイズの空間フィルタを使用したのと同等の効果を
得ることができる。つまり、より大きなウインドウサイ
ズでの類似度の安定化処理を行わせることができる。
【0186】また、図22(b)に示すように、空間フ
ィルタ311dの出力をバッファ330に一時的に記憶
させ、図示しない切換器を制御することにより、その記
憶させた演算結果を再度、同じ空間フィルタ311dで
演算させる処理を所定回数繰り返し行うことでも、等価
的に大きなウインドウサイズの空間フィルタを使用した
のと同等にすることができ、より大きなウインドウサイ
ズでの類似度安定化処理を行わせることができる。
【0187】さらに、空間フィルタをカスケードに接続
することによっても、大きなウインドウサイズの空間フ
ィルタを使用したのと同等の効果を得ることができ、よ
り大きなウインドウサイズでの類似度安定化処理を行わ
せることができる。
【0188】本実施形態では、画像センサ1、2、3、
・・・、Nで撮像された原画像#1、#2、#3、・・・、#
Nをそのまま画像データ記憶部303に入力、記憶さ
せ、これを後段の演算処理で使用しているが、原画像に
対して例えば画像の特徴を強調するような前処理を施し
た上で、後段の演算処理で使用する実施も可能である。
【0189】すなわち、一般的に、画像センサ1、2、
3、・・・、Nで撮像された原画像#1、#2、#3、・・
・、#Nの特徴を強調するために、また画像センサの感
度特性や光学的特性のばらつきを吸収するために、空間
フィルタを使用してLoG(Laplacian of Gaussian)
フィルタなどの前処理を施し、前処理画像#1A 、#
2A 、#3A、・・・、#NAを取得し、これを原画像の
代わりに画像データ記憶部303に取り込む場合があ
る。
【0190】ここで、類似度安定化のために用いられて
いる局所並列型演算器(空間フィルタ)311は、ウイ
ンドウ内の画像情報に対してを演算を行うものであるの
で、類似度を安定化する演算処理にも、原画像#1〜#
Nの特徴を強調するような画像処理にも、共用すること
ができる。
【0191】そこで、この点に着目して、局所並列型演
算器(空間フィルタ)311の前後に入出力信号を切り
換える経路制御部を設け、原画像#1〜#Nの前処理に
使用する空間フィルタと、類似度の安定化のために使用
する空間フィルタを共用する装置構成とすることができ
る。
【0192】図6は、こうした局所並列型演算器311
を共用する実施形態装置を示す図であり、図1と同一構
成要素には同一符号を付している。
【0193】同図6に示すように、まず、前処理部31
0による画像処理が行われる際には、経路制御部30
9、312によって、局所並列型演算器(空間フィル
タ)311が、この前処理を実行できるように経路が切
り換えられ、画像データ入力部302から出力された画
像センサ1〜Nの原画像#1〜#Nが前処理部310に
出力される。この結果、原画像#1〜#Nに対して、局
所並列型演算器311を用いて前処理が行われる。
【0194】すなわち、複数の撮像手段1〜Nによる撮
像画像#1〜#Nを原画像とし、たとえば、原画像#1
であれば、この原画像#1の各画素に対して、局所並列
型演算器311を用いた画像処理を施すことによって、
原画像#1の前処理画像#1Aが生成される。同様に、
他の原画像#2〜#Nについても前処理画像#2A〜#
NAが生成される。
【0195】そして、経路制御部312を介して、前処
理部310で生成された前処理画像#1A 〜#NA
が、後段の画像データ記憶部303に、原画像#1〜#
Nの代わりに記憶される。
【0196】一方、フレーム処理型類似度安定化部30
6による演算処理が行われる際には、経路制御部20
9、312によって、局所並列型演算器(空間フィル
タ)311が、この類似度安定化処理を実行できるよう
に経路が切り換えられ、フレーム処理型類似度算出部3
05から出力された画像フレーム20が、フレーム処理
型類似度安定化部306に出力される。この結果、局所
並列型演算器311を用いて安定化類似度Qsを演算す
る処理が行われる。
【0197】そして、経路制御部312を介して、フレ
ーム処理型類似度安定化部306から出力された画像フ
レーム20が、後段のフレーム処理型距離推定部307
に出力される。
【0198】なお、この図6に示す実施形態装置では、
図1と同様に、パイプライン的に画像フレーム20を流
すようにしているが、図7に示すように、一の処理部か
らつぎの処理部に画像フレーム20を転送する際に、切
り換えを行う構成としてもよい。
【0199】図7の装置では、たとえばクロスバースイ
ッチのように、複数の処理部からの信号を複数の処理部
に自由に選択、切り換えすることができる経路制御部3
13が設けられる。
【0200】各処理部301〜307および310間の
一の処理部からつぎの処理部に信号を入出力される際
に、経路制御部313に応じて、切り換えがなされる。
【0201】特に、画像データ入力部302から原画像
#1〜#Nが出力された際には、経路制御部313を介
して、これが前処理部310に出力され、局所並列型演
算器(空間フィルタ)311を用いて、前処理画像#1
A 〜#NAが生成される。
【0202】また、フレーム処理型類似度算出部305
から画像フレーム20が出力された際には、経路制御部
313を介して、これがフレーム処理型類似度安定化部
306に出力され、局所並列型演算器(空間フィルタ)
311を用いて、類似度の安定化処理が行われることに
なる。
【0203】以上のように、図6、図7に示す実施形態
によれば、局所並列型演算器(空間フィルタ)311
を、前処理部310側、フレーム処理型類似度安定化部
306側に、時間的に切り換えて、使用し、一つの局所
並列型演算器(空間フィルタ)を共用するようにしたの
で、ハードウエアの規模を小さくすることができ、装
置、システムの小型化、軽量化、低コスト化を図ること
ができる。
【0204】さて、図1に示す実施形態では、フレーム
処理型距離推定部307から出力された画像フレーム2
0を、表示部308に画像表示させ、これをもって物体
50の存在の確認を行うことができる。
【0205】ここで、フレーム処理型距離推定部307
から出力される画像フレーム20は、ラスタ走査の形式
になっているため、一般的なラスタ走査を行う画像表示
部308の装置との整合性がよく、簡単なハードウエア
で画像フレーム20の情報を画像表示することができ
る。
【0206】すなわち、フレーム処理型距離推定部30
7から出力される画像フレーム20は、ラスタ走査の形
式になっているため、表示部308としては、入力と表
示のタイミングクロックを変換するだけでよく、入力さ
れた画像フレーム20をアドレス操作が不必要なフィー
ルドメモリに記憶し、画像表示のタイミングでフィール
ドメモリからデータを、入力した順序で読み出すという
小規模のハードウエアで表示部308を構築することが
できる。
【0207】ここで、同じラスタ走査の形式の画像フレ
ーム20が、各処理部301、304、305、30
6、307、308間で転送されているので、各処理部
から出力される画像フレーム20は、同様に、画像表示
を行う表示装置との整合性がよく、簡単なハードウエア
で各処理部から出力される画像フレーム20の情報を画
像表示させることができる。
【0208】このことを利用して、最終段のフレーム処
理型距離推定部307から出力される画像フレーム20
を画像表示させるだけではなく、その前段のフレーム処
理型類似度安定化部306から出力される画像フレーム
20をそのまま画像表示させることができる。
【0209】また、さらに、その前段のフレーム処理型
類似度算出部305、フレーム処理型対応候補点情報抽
出部304から出力される画像フレーム20をそのまま
画像表示させてもよい。
【0210】こうして、途中の画像処理結果を画像表示
させることで、デバック作業を効率的に行うことができ
る。
【0211】また、途中の画像処理結果を画像表示させ
るにあたって、最終段のフレーム処理型距離推定部30
7から出力される画像フレーム20を表示する表示部3
08を、共用する実施も可能である。
【0212】この場合は、フレーム処理型対応候補点情
報抽出部304およびフレーム処理型類似度算出部30
5およびフレーム処理型類似度安定化部306およびフ
レーム処理型距離推定部307を対象として、入力され
た画像フレーム20の画素データを保持した形で画像フ
レームを出力させる手段を設ける。
【0213】この結果、フレーム処理型対応候補点座標
生成部301から出力される画像フレーム20が、その
まま、表示部308に表示される。これにより、表示部
308で、各画素データPf(i,j)に対応する選択
画素P1(i,j)の座標位置(i,j)と、この選択
画素P1(i,j)の対応候補点P2(i,j,zn )の
座標位置(X2,Y2)を確認することができる。
【0214】また、フレーム処理型類似度算出部305
およびフレーム処理型類似度安定化部306およびフレ
ーム処理型距離推定部307を対象として、それぞれ
に、必要な演算を行うことなく、入力された画像フレー
ム20の画素データを保持した形で画像フレームを出力
させる手段を設けてもよい。
【0215】この場合には、フレーム処理型対応候補点
情報抽出部304から出力される画像フレーム20が、
そのまま、表示部308に表示される。これにより、表
示部308で、各撮像画像#1〜#Nの撮像画像情報G
1(i,j)、G2(i,j,zn )、・・・、GN(i,
j,zn )を確認することができる(図14(b)参
照)。
【0216】また、フレーム処理型類似度安定化部30
6およびフレーム処理型距離推定部307を対象とし
て、それぞれに、必要な演算を行うことなく、入力され
た画像フレーム20の画素データを保持した形で画像フ
レームを出力させる手段を設けてもよい。
【0217】この場合には、フレーム処理型類似度算出
部305から出力される画像フレーム20が、そのま
ま、表示部308に表示される。これにより、表示部3
08で、類似度Qad(i,j,zn)を確認することが
できる(図14(c)参照)。
【0218】また、フレーム処理型距離推定部307を
対象として、必要な演算を行うことなく、入力された画
像フレーム20の画素データを保持した形で画像フレー
ムを出力させる手段を設けてもよい。
【0219】この場合には、フレーム処理型類似度安定
化部306から出力される画像フレーム20が、そのま
ま、表示部308に表示される。これにより、表示部3
08で、安定化類似度Qs(i,j,zn)を確認するこ
とができる(図14(d)参照)。
【0220】あるいは、処理途中の類似度安定化部30
6のみを対象として、入力された画像フレーム20の画
素データを保持した形で画像フレームを出力させる手段
を設けると、距離推定部307から出力される各画素デ
ータに、安定化されていない類似度によって求められた
推定距離zx(i,j)が格納され、その画像フレーム
20が表示部308に表示される。
【0221】すなわち、対応候補点情報抽出部304お
よび類似度算出部305および類似度安定化部306お
よび距離推定部307の中の、少なくとも一つを対象と
して、演算処理を行うことなく入力された画像フレーム
20の画素データを保持した形で画像フレームを出力さ
せる手段を設けると、途中の演算処理を省略した場合
の、距離推定部307から出力される画像フレーム20
を表示部308に画像表示させることができる。
【0222】以上のように、通常、最終的に得られた距
離画像を表示するものとして設けられている一つの表示
部308に、途中の演算処理結果および途中の一部の演
算処理を省略した演算処理結果を表示させることができ
るので、余分なハードウエアを追加しなくても、小規模
なハードウエアで、デバック作業を効率的に行うことが
可能となる。
【0223】また、本実施形態では、フレーム処理型距
離推定部307から出力された距離画像を示す画像フレ
ーム20をそのまま表示させるようにしているが、情報
量、解像度の異なる複数の画像フレームを取得し、これ
らを物体の認識処理を行うような別の装置に送ることに
より、これらに基づき物体の認識処理を効率的に行うよ
うにしてもよい。
【0224】本実施形態では、図8に示すように、フレ
ーム処理型距離推定部307から出力される画像フレー
ム20A(図13参照)の画素の画像情報に基づいて、
当該画像フレーム20Aの情報量を、所定回数、圧縮し
て、情報量、解像度の異なる圧縮画像フレーム20C、
20Dを生成、出力するデータ圧縮処理部314が、設
けられる。特に、本実施形態では、ラスタ走査の形式の
画像フレーム20Aを、データ圧縮処理部314に入力
させ、これを走査しながら順次処理を行うことが可能で
あり、簡単なハードウエアで効率的に、多重解像度の画
像20B、20C、20Dを得ることができる。
【0225】すなわち、フレーム処理型距離推定部30
7から画像フレーム20Aが、このデータ圧縮処理部3
14に入力されると、最初は、経路制御部315によ
り、この画像フレーム20Bが、出力される。この結
果、後段の物体認識装置などでは、図13に示すよう
に、入力画像フレーム20Aと情報量、解像度が同じ画
像フレーム20Bが入力されることになる。
【0226】画像フレーム20Bに出力されているとき
に、同時に、画像フレーム20Bはフィルタ部316に
入力される。
【0227】後段の間引き処理部317で画像データを
間引く処理を行うことによって意図しない信号成分が発
生するので、フィルタ部316では、この意図しない信
号成分による画像劣化を避けるために、間引き処理を行
う前に、事前に空間フィルタによって、各画素毎に、近
傍の画像情報(距離情報)との融合を行う画像処理が行
われる。
【0228】間引き処理部317では、入力された画像
フレーム20Bのうち、縦方向の全画素のうち、半分だ
けの画素、横方向でも、全画素のうち、半分だけの画素
が選択、間引きされ、これら選択された画素を用いて、
情報量が、画像フレーム20Bの半分に圧縮された圧縮
画像フレーム20Cが生成される(図13参照)。ここ
で、間引く間隔は、画像中で等間隔であるものとする。
【0229】こうして、画像フレーム20Bの全画素の
うち1/4の画素の画像情報に基づいて、当該画像フレ
ーム20Bの情報量が1/4に圧縮された圧縮画像フレ
ーム20Cが生成され、これが記憶部318に記憶され
る。
【0230】フレーム処理型距離推定部307からの画
像フレーム20Bの出力が終了すると、経路制御部31
5によって、記憶部318に記憶された圧縮画像フレー
ム20Cが、後段の物体認識装置などに出力され始めら
れる。このときも、同時に、圧縮画像フレーム20Cが
フィルタ部316に出力される。
【0231】以下、この圧縮画像フレーム20Cについ
ても同様の処理が繰り返し実行され、圧縮画像フレーム
20Cの全画素のうち1/4の画素の画像情報に基づい
て、当該圧縮画像フレーム20Cの情報量が1/4に圧
縮(画像フレーム20Bの情報量の1/16に圧縮)さ
れた圧縮画像フレーム20Dが、後段の物体認識装置な
どに出力されることになる(図13参照)。さらに、同
様の処理を1回ないし2回以上繰り返してもよい。
【0232】また、圧縮処理を1回だけにし、圧縮画像
フレーム20Cを出力させるにとどめてもよい。
【0233】この結果、後段の物体認識装置には、情報
量、解像度のそれぞれ異なる画像フレーム20B、圧縮
画像フレーム20C、20Dが入力されることになり、
物体50の認識処理が実行される。
【0234】認識処理の手順としては、まず、情報量が
圧縮された画像20Cないしは20Dから、物体50の
大局的な特徴をつかむ処理が実行される。
【0235】たとえば、車両前方の障害物を撮像しなが
ら車両が走行する場合を想定すると、画像20Cないし
は20Dは大局的な情報をもっているので、障害物の有
無の認識を迅速に行うことができる。障害物が存在する
画像領域と障害物が存在しない画像領域を区別できたな
らば、詳細に画像処理を行うべき範囲を限定することが
できる。
【0236】つぎの段階では、情報量が多い画像20B
の上記限定された処理範囲について、詳細な画像処理が
行われる。たとえば、物体50が車両前方の障害物であ
るとすると、画像処理をすべき範囲がすでに限定されて
いるので、この障害物の形状、大きさなど、車両制御に
必要な情報を、迅速に取得することができる。
【0237】つぎに、フレーム処理型距離推定部307
で行われる演算処理について、図9、図10を併せ参照
して説明する。
【0238】同図9に示すフレーム処理型距離推定部3
07では、画像列として順次入力される(安定化)類似
度の逆数Qsを、前回の仮定距離の画像フレームに対す
る演算結果と比較しつつ、類似度の逆数Qsが最も小さ
くなる(類似度Qsが最も大きくなる)ときの仮定距離
n、そのときの類似度の逆数QC、この仮定距離zn
前後の仮定距離zn-1、zn+1に対応する類似度の逆数Q
L、QRが求められ、これらの情報から、図21に示すよ
うに類似度の逆数Qsの離散的な分布L1が求められる。
さらに、曲線近似によって得られる補間曲線L2から、
類似度の逆数Qsが最も小さくなる(類似度Qsが最も大
きくなる)仮定距離zxが、設定された仮定距離z1、z
2、…、zmaxの間隔以下の分解能をもって、高精度に求
められる。
【0239】すなわち、このフレーム処理型距離推定部
307には、フレーム処理型類似度安定化部306から
出力された画像フレーム20がラスタ走査の形式で、図
5(b)に示す画素データの順序で入力されるので、入
力データ320の内容は、順次更新される。つまり、現
在入力された画素に格納された類似度の逆数Qs、およ
び現在入力されている画像フレーム20に対応づけられ
ている仮定距離znは、順次、更新される。
【0240】類似度比較部322では、前のデータ32
1の内容と、入力データ320の内容とを比較して、類
似度の逆数の大小関係を比較し、この比較結果を、保存
データの作成部323に送出する。この保存データ作成
部323では、類似度比較部322の比較結果に基づい
て、保存データ324の内容を順次更新する。
【0241】保存データ324の内容は、QL、QC、Q
R、zm、POS、QX、QYである。QL、QC、QRは、連続
する仮定距離zn-1、zn、zn+1に対応する類似度の逆
数を表す。zmは、類似度の逆数の最小値が検出された
仮定距離znを表す。また、POSは、QL、QC、QRの中
のいずれが類似度の逆数の最小値であることを特定する
符号である。 QLが最小の場合には、POSは、(10
0)となり、QCが最小の場合には、POSは、(010)
となり、QRが最小の場合には、POSは、(001)とな
る。
【0242】また、QXは、2回前の類似度の逆数Qsを
表し、QYは、前回の類似度の逆数Qsを表す。
【0243】保存データ324の内容QL、QC、QR、
m、POS、QX、QYは、フィールドメモリである記憶部
325に記憶、格納される。
【0244】記憶部325の書き込み、および読み出し
制御は、今回の仮定距離znの座標位置(i,j)の保
存データ324の内容であるQL、QC、QR、zm、PO
S、QX、QYが書き込まれるとともに、前回の仮定距離
n-1の、ラスタ走査の形式の次の座標位置(i,j+
1)の保存データが読み出され、このデータの中の類似
度の逆数と、次の入力データの中の、今回の仮定距離z
nの座標位置(i,j+1)の類似度の逆数Qsとの比較
を行うことができるようになっている。
【0245】いま、説明の便宜のため、画像フレーム2
0の画素データの座標位置を固定して、仮定距離zn
順次変化した場合を想定し、類似度比較部322、保存
データ作成部323で実行される処理について図10を
参照しつつ説明する。
【0246】いま、図10(a)に示すように、類似度
比較部322で、前のデータ321の内容と、入力デー
タ320の内容とを比較して、現在、入力された類似度
の逆数Qs(仮定距離z10)が最小であった場合(前回
のQC(仮定距離z4)よりもQsが小さい)には、保存
データ作成部323では、zm(類似度の逆数の最小値
を検出した仮定距離)の内容を、この入力データQsに
対応する仮定距離z10にするとともに、QL、QC、QR
の内容をそれぞれ、QX(仮定距離z8)、QY(仮定距
離z9)、Qs(仮定距離z10)にした上で、保存データ
324として出力する。また、このとき中心のQR(仮
定距離z10)に最小値があるので、POS=(001)と
した内容を保存データ324として出力する。
【0247】しかし、図10(c)に示すように、類似
度比較部322で、前のデータ321の内容と、入力デ
ータ320の内容とを比較して、入力データ320の類
似度の逆数Qs(仮定距離z10)が最小ではなく、前回
の類似度の逆数QY(仮定距離z9)が最小でもなかった
場合(前回のQC(仮定距離z4)が最小)には、zm
QL、QC、QRの内容を、前回のデータと同じ内容とし
たままで、保存データ324として出力する。ただし、
QX、QYの内容は更新される。
【0248】また、図10(b)に示すように、類似度
比較部322で、前のデータ321の内容と、入力デー
タ320の内容とを比較して、入力された類似度の逆数
Qs(仮定距離z11)が最小ではなく、前回の入力デー
タQY(仮定距離z10)が最小であった場合には(POS=
(001))、保存データ作成部323では、zmの内
容を前回のzmの内容のまま(仮定距離z10)で、これ
を保存データ324として出力する。また、QL、QC、
QRの内容をそれぞれ、QX(仮定距離z9)、QY(仮定
距離z10)、Qs(仮定距離z11)にした上で、これを
保存データ324として出力する。また、このとき中心
のQC(仮定距離z10)に最小値があるので、POS=(0
10)とした内容を、保存データ324として出力す
る。
【0249】こうして、出力データ326のPOSの内容
が(001)から(010)になった場合には、図21
に示すように、連続した3つの仮定距離zn-1、zn、z
n+1(z9,z10,z11)のうち、中心の仮定距離z
n(z10)に対応する類似度の逆数QCが最小となってい
る場合なので、この類似度の逆数の離散的な分布L1を
曲線近似することで、類似度の最小値および最小値をと
る仮定距離をより詳細に求めることが可能になる。
【0250】そこで、曲線近似部327では、中心の仮
定距離zn(z10)に対応する類似度の逆数QCが最小と
なっている離散的な分布L1に対して、曲線近似による
補間処理を施す。
【0251】そして、この補間曲線L2から、類似度の
逆数Qsが最も小さくなる(類似度Qsが最も大きくな
る)仮定距離zxを求める。
【0252】このようにして、物体50までの真の距離
(推定距離)zxが、予め設定された仮定距離z1
2、…、zmaxの間隔以下の分解能をもって、高精度に
求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態の装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図2は画像フレームの構成の例を示す図であ
る。
【図3】図3は画像フレームのデータの変遷を示す図で
ある。
【図4】図4は画像フレームを生成する処理手順を示す
フローチャートである。
【図5】図5(a)、(b)はラスタ走査によるデータ
の流れを説明するために用いた図である。
【図6】図6は前処理部を備えた装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図7】図7はクロスバースイッチを備えた装置の構成
を示すブロック図である。
【図8】図8はデータ圧縮処理部を示すブロック図であ
る。
【図9】図9は曲線補間により距離を推定する処理が行
われる距離推定部のブロック図である。
【図10】図10(a)、(b)、(c)は図9に示す
保存データの内容の変遷を説明する図である。
【図11】図11は再帰型のウインドウ内加算を説明す
る図である。
【図12】図12は再帰型のウインドウ内加算処理を行
う演算器のブロック図である。
【図13】図13は図8に示すデータ圧縮処理部で行わ
れるデータ圧縮の様子を説明するために用いた図であ
る。
【図14】図14(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)は、画像フレームのデータの内容の変遷を説明す
るために用いた図である。
【図15】図15は従来の2眼ステレオの画像処理の原
理を示した図である。
【図16】図16は従来の2眼ステレオの距離計測の処
理を説明するために用いた図である。
【図17】図17は2眼ステレオの場合の仮定距離と類
似度の逆数との対応関係を示すグラフである。
【図18】図18は従来の2眼ステレオ装置の構成を示
したブロック図である。
【図19】図19は従来の多眼ステレオの距離計測の処
理内容を説明するために用いた図である。
【図20】図20は従来の多眼ステレオ装置の構成を示
したブロック図である。
【図21】図21は推定距離を補間によって求める様子
を示す図である。
【図22】図22(a)、(b)は多段の空間フィルタ
を説明する図である。
【図23】図23は多眼ステレオの場合の仮定距離と類
似度の逆数との対応関係を示すグラフである。
【図24】図24はウインドウ領域を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1〜N 画像センサ 20 画像フレーム 301 フレーム処理型対応候補点座標生成部 302 画像データ入力部 303 画像データ記憶部 304 フレーム処理型対応候補点情報抽出部 305 フレーム処理型類似度算出部 306 フレーム処理型類似度安定化部 307 フレーム処理型距離推定部 308 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 勝之 東京都目黒区中目黒2−2−30 (72)発明者 細井 光夫 神奈川県平塚市四之宮2597 株式会社 小松製作所 特機事業本部 研究部内 (72)発明者 坂本 卓也 神奈川県平塚市四之宮2597 株式会社 小松製作所 特機事業本部 研究部内 (72)発明者 川村 英二 神奈川県川崎市宮前区有馬2丁目8番24 号 株式会社 サイヴァース内 (56)参考文献 特開 平9−204524(JP,A) 特開 平10−320561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の撮像手段を所定の間隔をもって
    配置し、これら複数の撮像手段のうちの一の撮像手段で
    対象物体を撮像したときの当該一の撮像手段の撮像画像
    中の選択画素に対応する他の撮像手段の撮像画像中の対
    応候補点の情報を、前記一の撮像手段から前記選択画素
    に対応する前記物体上の点までの仮定距離の大きさ毎に
    抽出し、前記選択画素の画像情報と前記対応候補点の画
    像情報の類似度を算出し、この算出された類似度が最も
    大きくなるときの前記仮定距離を、前記一の撮像手段か
    ら前記選択画素に対応する前記物体上の点までの推定距
    離とする計測を行うステレオ画像処理装置において、 画像の各画素ごとに、対象画素近傍の局所領域のデータ
    を取り込み、そのデータに対して並列に演算することに
    より、画像を加工することができる、局所並列型演算器
    (311)を予め用意するとともに、さらに、 各画素にそれぞれ、前記選択画素の画像情報と、この選
    択画素に対応する対応候補点の画像情報との類似度を示
    す画素から構成される画像を入力し、この画像を所定の
    走査形式で順次走査しながら、少なくとも一つ以上の、
    前記局所並列型演算器を用いることにより、各画素毎
    に、当該画素の周辺領域の各画素の類似度の画像情報を
    融合して、類似度の安定化を行う類似度安定化手段(3
    06)を具え、前記類似度安定化手段から出力された画
    像に基づいて、各画素毎に推定距離を求めるようにした
    ことを特徴とするステレオ画像処理装置。
  2. 【請求項2】 複数の撮像手段を所定の間隔をもって
    配置し、これら複数の撮像手段のうちの一の撮像手段で
    対象物体を撮像したときの当該一の撮像手段の撮像画像
    中の選択画素に対応する他の撮像手段の撮像画像中の対
    応候補点の情報を、前記一の撮像手段から前記選択画素
    に対応する前記物体上の点までの仮定距離の大きさ毎に
    抽出し、前記選択画素の画像情報と前記対応候補点の画
    像情報の類似度を算出し、この算出された類似度が最も
    大きくなるときの前記仮定距離を、前記一の撮像手段か
    ら前記選択画素に対応する前記物体上の点までの推定距
    離とする計測を行うステレオ画像処理装置において、 画像の各画素ごとに、対象画素近傍の局所領域のデータ
    を取り込み、そのデータに対して並列に演算することに
    より、画像を加工することができる、局所並列型演算器
    (311)を予め用意するとともに、さらに、 複数の撮像手段のうちの一の撮像手段の撮像画像中の画
    素を所定の走査形式で順次選択し、当該選択画素に対応
    する他の撮像手段の撮像画像中の対応候補点の座標位置
    をデータとして保持する画素から構成される画像フレー
    ムを、仮定距離毎に、一つの画像フレームとして生成す
    る対応候補点座標生成手段(301)と、 前記対応候補点座標生成手段で生成された画像フレーム
    を入力して、画素単位に前記所定の走査形式で、前記一
    の撮像手段の撮像画像中の選択画素の画像情報と当該選
    択画素に対応する他の撮像手段の撮像画像中の対応候補
    点の画像情報を抽出し、これら抽出された画像情報を、
    入力された画像フレームに準じた形式の画像フレームに
    して出力する対応候補点情報抽出手段(304)と、 前記対応候補点情報抽出手段から出力された画像フレー
    ムを入力して、画素単位に前記所定の走査形式で、前記
    抽出された画像情報同士の類似度を計算し、この類似度
    を、入力された画像フレームに準じた形式の画像フレー
    ムにして出力する類似度算出手段(305)と、 前記類似度算出手段から出力された画像フレームを入力
    して、画素単位に前記所定の走査形式で、少なくとも1
    個の前記局所並列型演算器によって対象画素近傍の類似
    度を融合することにより類似度の安定化を行い、この安
    定化された類似度を、入力された画像フレームに準じた
    形式の画像フレームにして出力する類似度安定化手段
    (306)と、 前記類似度安定化手段から出力された画像フレームを入
    力して、仮定距離の変化に対する安定化された類似度の
    変化を求め、安定化された類似度が最も大きくなるとき
    の仮定距離を、画素単位で前記所定の走査形式で算出
    し、この安定化された類似度が最も大きくなるときの仮
    定距離を、入力された画像フレームに準じた形式の画像
    フレームにして出力する距離推定手段(307)と、を
    具え、 前記画像フレームを構成する各画素のデータを、これら
    前記対応候補点座標生成手段、前記対応候補点情報抽出
    手段、前記類似度算出手段、前記類似度安定化手段、前
    記距離推定手段の各手段による処理によって順次更新さ
    せつつ、これら各手段の間で、当該画像フレームを、画
    素単位に前記所定の走査形式で転送させながら処理する
    ことを特徴とするステレオ画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記対応候補点情報抽出手段および
    類似度算出手段および類似度安定化手段および距離推定
    手段を対象として、必要に応じて対象となる前記各手段
    において、 前記対応候補点情報抽出手段では選択画素の画像情報と
    対応候補点の画像情報の抽出処理、 前記類似度算出手段では類似度の算出処理、 前記類似度安定化手段では類似度の安定化処理、 前記距離推定手段では距離推定処理、を行わずに、入力
    された画像フレームの画素データを保持した形で画像フ
    レームを出力するようにできることを特徴とする、 請求項2記載のステレオ画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記距離推定手段は、各仮定距離と
    各安定化された類似度との対応関係を、画像フレームの
    各画素毎に求め、さらに、この対応関係を補間すること
    により、補間した対応関係を求め、この補間した対応関
    係より、安定化された類似度が最も大きくなる点を求
    め、この点に対応する仮定距離を推定距離とする演算処
    理(327)を行うものである、 請求項2記載のステレオ画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記撮像手段によって撮像した撮像
    画像から、前記対応候補点情報抽出手段によって画像情
    報を抽出する前に、少なくとも1個の前記局所並列型演
    算器を用いて前記撮像画像の前処理を行う場合に、 前記撮像画像の前処理を行う際には、前記撮像画像が前
    記局所並列型演算器に入力され、かつ、この局所並列型
    演算器によって、入力された撮像画像の前処理が行われ
    た前処理画像が前記対応候補点情報抽出手段に出力され
    るように、前記局所並列型演算器の入出力を切り換える
    とともに、 前記類似度を安定化する処理を行う際には、前記類似度
    算出部から出力された画像フレームが前記局所並列型演
    算器に入力され、かつ、この局所並列型演算器によっ
    て、入力された画像フレームの各画素について類似度を
    安定化する処理が行われた画像フレームが、前記距離推
    定手段に出力されるように、前記局所並列型演算器の入
    出力を切り換える経路制御手段(309、312)を具
    えるようにしたことを特徴とする、 請求項2記載のステレオ画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記距離推定手段から出力される画
    像フレームを入力して、入力した画像フレームの一部の
    画素の画像情報に基づいて、当該画像フレームの情報量
    を圧縮した圧縮画像フレームを生成して、前記入力した
    画像フレームおよび前記圧縮画像フレームを、出力する
    圧縮手段(314)を、さらに具えるようにしたことを
    特徴とする、 請求項2記載のステレオ画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記圧縮手段により圧縮された圧縮画
    像フレームを、さらに所定回数、当該圧縮手段で繰り返
    し圧縮することにより、複数の圧縮サイズの異なる圧縮
    画像フレームを生成し、これら複数の圧縮サイズの異な
    る圧縮画像フレームおよび前記入力した画像フレームを
    出力するようにしたことを特徴とする、 請求項6記載のステレオ画像処理装置。
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