JP4762322B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP4762322B2
JP4762322B2 JP2009042609A JP2009042609A JP4762322B2 JP 4762322 B2 JP4762322 B2 JP 4762322B2 JP 2009042609 A JP2009042609 A JP 2009042609A JP 2009042609 A JP2009042609 A JP 2009042609A JP 4762322 B2 JP4762322 B2 JP 4762322B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
width direction
lug groove
pneumatic tire
tire width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009042609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010195204A (ja
Inventor
将明 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2009042609A priority Critical patent/JP4762322B2/ja
Publication of JP2010195204A publication Critical patent/JP2010195204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4762322B2 publication Critical patent/JP4762322B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

サイドウォール面に開口するラグ溝をトレッド面に備える空気入りタイヤに関し、特に悪路走行を目的とした空気入りタイヤに関する。
悪路走行を目的とした空気入りタイヤ(いわゆるオフロード用タイヤ)においては、平坦な舗装路や未舗装路を走行することのみならず、泥濘地を含む不整地悪路を走行することをも考慮している。特に泥濘地を走行する場合は、空気入りタイヤが埋没し、タイヤ自身の轍によって進路変更が困難になる状況が多々ある。進路変更が困難な状況下で、運転者の意図する走行ラインを走行できない場合は、さらに悪条件な路面状態の領域に進み、最悪な場合はタイヤが泥濘に埋没して走行不可能な状態に陥る、いわゆるスタックを引き起こすこととなる。
ここで、下記特許文献1では、ラグ溝を有する空気入りタイヤにおいて、該ラグ溝の溝底に突条を形成することにより、泥濘地を走行する際、ラグ溝が泥土にて充填される現象を防止する技術が提案されている。また、下記特許文献2では、ラグ溝を有する空気入りタイヤにおいて、該ラグ溝の底部の表面を低硬度の弾性体層よりなる泥付着防止層によって被覆し、該泥付着防止層の表面に所定長さの略直線状の複数の溝を、ラグ溝の長手方向に所定の間隔を置いて配設することにより、泥濘地を走行する際、ラグ溝が泥土にて充填される現象を防止する技術が提案されている。しかしながら、これらの技術ではラグ溝内に充填された泥土の排除性が不十分であり、トレッド面におけるトラクション性能が十分に発揮されない。このため、下記特許文献1および2に記載の空気入りタイヤでは、悪路走破性が悪化する傾向がある。
また、下記特許文献3では、タイヤの表面に、複数のブロックを形成したブロックパターンの空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向接地端に開口する横溝を備え、前記横溝の溝底に、前記横溝方向に沿って伸びる突起を備え、前記突起は、タイヤ正面視において、接地端よりもセンター側に始点を持ち、該接地端を越えて、該接地端よりも外方に終点を持つことを特徴とする空気入りタイヤが記載されている。かかる空気入りタイヤは、泥濘地におけるラグ溝の泥詰まりが効果的に抑制され、トレッド面におけるトラクション性能が向上する。しかし、かかる空気入りタイヤでは、ラグ溝内に充填された泥土の排除性についてもさらなる改良の余地があることがわかった。
さらに、下記特許文献4では、バットレス部に高さが5mm以上の複数の突起が周方向に間隔をおいて配置され、前記突起の表面の周方向の長さ及びタイヤ半径方向の長さが前記突起の高さよりも長く、かつ、前記突起の表面から底面にかけて面積が増大し、前記突起の底面の面積が前記突起の表面の面積の2倍以上である空気入りラジアルタイヤが記載されている。かかる空気入りタイヤは、サイドウォール面でのトラクション性能には優れるが、ラグ溝内に充填された泥土の排除性を考慮した場合、悪路走破性の点でさらなる改良の余地があることがわかった。
実開昭60−118502号公報 特開平10−230708号公報 特開2008−49751号公報 特開2004−291936号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は悪路走破性に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール面に開口するラグ溝をトレッド面に備える空気入りタイヤにおいて、前記ラグ溝は、サイドウォール面側開口端よりもタイヤ幅方向内側位置から、前記サイドウォール面側開口端に向けて溝幅が漸増され、かつ前記ラグ溝の溝底は、前記ラグ溝の延在方向に沿って延びる突条部が配設され、前記突条部は、タイヤ正面視において、タイヤ幅方向接地端よりもタイヤ幅方向内側位置にて複数に分岐し、タイヤ幅方向接地端を超えて延びる分岐部を有することを特徴とする。
上記空気入りタイヤでは、悪路を走行する際、ラグ溝が泥土にて充填されることで、配設された突条部が泥土の負荷抵抗を受けて振動する。ここで、上記空気入りタイヤでは、突条部が、タイヤ正面視において、タイヤ幅方向接地端よりもタイヤ幅方向内側位置にて複数に分岐し、タイヤ幅方向接地端を超えて延びる分岐部を有するため、泥土の負荷抵抗を受けた際の突条部の振動量が増幅される。これにより、上記空気入りタイヤでは、悪路走行時においてラグ溝内に充填された泥土が、突条部の振動により迅速かつ容易に排除され、ラグ溝および突条部によるトラクション性能が効果的に発揮され、悪路走行時であってもトレッド面にてトラクション性能が効果的に発揮される。その結果、本発明に係る空気入りタイヤは、優れた悪路走破性を備える。
上記空気入りタイヤにおいて、複数の前記分岐部の突条高さが、互いに異なるものであることが好ましい。かかる構成によれば、泥土の負荷抵抗を受けた際、突条部の振動量がより増幅される。その結果、かかる構成を備える空気入りタイヤは、悪路走行時であってもトレッド面にてトラクション性能が効果的に発揮され、より優れた悪路走破性を備える。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向接地端を含み、前記ラグ溝の延在方向と直交する断面において、前記分岐部と、前記分岐部と隣接する側のラグ溝壁と、のラグ溝幅方向間隔をT1、複数の前記分岐部同士のラグ溝幅方向間隔をT2としたとき、T1≦T2であることが好ましい。かかる構成によれば、泥土の負荷抵抗を受けた際の分岐部の振動により、特にラグ溝壁面側に付着した泥土が剥がれ易くなる。これにより、かかる構成を備えた空気入りタイヤでは、悪路走行時においてラグ溝内に充填された泥土が、さらに迅速かつ容易に排除され、悪路走行時であってもトレッド面にてトラクション性能が効果的に発揮される。その結果、かかる構成を備えた空気入りタイヤでは、さらに優れた悪路走破性を備える。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向接地端よりもタイヤ幅方向外側に位置する前記突条部は、タイヤ幅方向接地端よりもタイヤ幅方向内側に位置する前記突条部に比べて、その突条高さが高く形成されたものであることが好ましい。かかる構成によれば、悪路走行時における突条部の振動量がより増幅する。これにより、悪路走行時においてラグ溝内に充填された泥土が、さらに迅速かつ容易に排除される。その結果、かかる構成によれば、空気入りタイヤの悪路走破性がさらに優れたものとなる。
上記空気入りタイヤにおいて、前記サイドウォール面は、隆起部が配設され、前記突条部は、前記ラグ溝のサイドウォール面側開口端を越えて、前記隆起部に連設されたものであることが好ましい。
悪路走行時においては、空気入りタイヤが埋没し、トレッド面だけでなくサイドウォール面も接地する場合がある。ここで、上記構成を備える空気入りタイヤでは、サイドウォール面に隆起部が配設されているため、悪路走行時であってもサイドウォール面にてトラクション性能が効果的に発揮される。特に、車の進路変更時に、タイヤ自身の轍の壁面を隆起部により削り、轍の壁面に引っ掛かる要素となり得るため、上記構成を備える空気入りタイヤではハンドリング性能が向上する。
さらに、上記構成を備える空気入りタイヤでは、突条部が、ラグ溝のサイドウォール面側開口端を越えて、隆起部に連設されている。上述したとおり、上記構成を備える空気入りタイヤでは、悪路走行時においては、サイドウォール面に配設された隆起部にて、トラクション性能が効果的に発揮されるが、その際、隆起部が泥土などの負荷抵抗を受けて振動する。ここで、上記構成を備える空気入りタイヤでは、隆起部と突条部とが連設されているため、隆起部と連動して、悪路走行時に突条部が振動する。これにより、上記構成を備える空気入りタイヤでは、悪路走行時においてラグ溝内に充填された泥土が、突条部の振動により迅速かつ容易に排除され、ラグ溝および突条部によるトラクション性能が効果的に発揮される。このため、上記構成を備える空気入りタイヤでは、悪路走行時であってもトレッド面にてトラクション性能が効果的に発揮される。サイドウォール面およびトレッド面にて、トラクション性能が効果的に発揮される結果、上記構成を備える空気入りタイヤは、特に優れた悪路走破性を備える。
上記空気入りタイヤにおいて、前記隆起部は、周方向にて連続的に延びるものであることが好ましい。隆起部が周方向にて連続的に延びるものであると、悪路走行時において、隆起部により駆動力が確実に確保され、かつ進路変更が容易となる。その結果、かかる構成によれば、空気入りタイヤの悪路走破性がより優れたものとなる。加えて、かかる構成によれば、周方向にて連続的に延びる隆起部が、悪路走行時に接地するため、接地圧力が分散することで、タイヤのフローテーション性能(タイヤの沈下防止性能)が向上する。
本発明に係る空気入りタイヤの正面図の一例 本発明に係る空気入りタイヤの断面を含む要部斜視図の一例 図2のA−A’矢視断面図 図2のB−B’矢視断面図 本発明に係る空気入りタイヤの断面を含む要部斜視図の他の例 本発明に係る空気入りタイヤの断面を含む要部斜視図の他の例 比較例1に係る空気入りタイヤの正面図
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの正面図の一例である。図2は、本発明に係る空気入りタイヤの断面を含む要部斜視図の一例であり、図3は、図2のA−A’矢視断面図であり、図4は、図2のB−B’矢視断面図である。図において、「WD」はタイヤ幅方向を意味し、「PD」はタイヤ周方向を意味するものとする。
図2に示すとおり、本実施形態の空気入りタイヤは、一対のビードコア2、ビードコア2を巻回しトロイダル形状を成すカーカス3、カーカス3のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたベルト層4を備える。トレッド面1には、実質的にタイヤ幅方向に延び、サイドウォール面5に開口するラグ溝6を備える。
図1および図2に示すとおり、本発明に係る空気入りタイヤでは、サイドウォール面側開口端Sよりもタイヤ幅方向内側位置P1から、サイドウォール面側開口端Sに向けて溝幅が漸増されたラグ溝6をトレッド面1に備える。ラグ溝6は、その溝底において、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向内側より始端し、ラグ溝6の延在方向に沿って延びる突条部7が配設されている。この突条部7は、タイヤ正面視において、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向内側位置P2にて複数に分岐し、タイヤ幅方向接地端Tを超えて延びる分岐部7aを有する。この実施形態では、突条部7として、タイヤ幅方向接地端Tを超えて延びる2本の分岐部7aを有する例を示す。
図3に示すとおり、タイヤ正面視において、P2よりもタイヤ幅方向内側に位置する突条部7の突条幅をW1、ラグ溝6の溝幅をWとした場合、1/10×W≦W1≦1/4×Wとすることが好ましい。また、タイヤ正面視において、P2よりもタイヤ幅方向内側に位置する突条部7の突条高さをH1、ラグ溝6の溝深さをHとした場合、1/3×H≦H1≦1/6×Hとすることが好ましい。かかる範囲内で、P2よりもタイヤ幅方向内側に位置する突条部7の突条幅および突条高さを設定することにより、悪路走行時においてラグ溝6内に充填された泥土が、より迅速かつ容易に排除される。突条部7の断面形状としては特に限定されるものではないが、図3に示した矩形形状が挙げられる。本発明において、P1よりもタイヤ幅方向内側でのラグ溝6の溝幅Wとしては、20〜30mmのものが挙げられ、ラグ溝6の周方向間隔は50〜70mmのものが挙げられる。
また、タイヤ正面視において、P2よりもタイヤ幅方向内側に位置する突条部7の突条幅W1と突条高さH1との関係は、0.7≦W1/H1≦1.5であることが好ましい。W1/H1がこの範囲外であると、ラグ溝6内に充填された泥土内で突条部7が十分に振動できない場合がある。
本実施形態の空気入りタイヤのように、突条部7が、タイヤ正面視において、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向内側位置P2にて2本に分岐し、タイヤ幅方向接地端Tを超えて延びる分岐部7aを有する場合、泥土の負荷抵抗を受けた際の突条部7の振動量が増幅される。これにより、悪路走行時においてラグ溝6内に充填された泥土が、突条部7の振動により迅速かつ容易に排除され、ラグ溝6および突条部7によるトラクション性能が効果的に発揮され、悪路走行時であってもトレッド面1にてトラクション性能が効果的に発揮される。
図4に示すとおり、本実施形態においては、タイヤ幅方向接地端Tを含み、ラグ溝6の延在方向と直交する断面(図2のB−B’矢視断面)において、一方の分岐部7aと、この分岐部7aと隣接する側のラグ溝壁と、のラグ溝幅方向間隔をT1、2本の分岐部7a同士のラグ溝幅方向間隔をT2としたとき、T1≦T2に設定している。この場合、泥土の負荷抵抗を受けた際の分岐部7aの振動により、特にラグ溝壁面側に付着した泥土が剥がれ易くなる。ここで、T1およびT2は、分岐部7aのラグ溝深さ方向の深さ位置において測定した、ラグ溝幅方向間隔を意味するものとする。本実施形態では、図4に示すとおり、2本の分岐部7aの突条高さH2を、それぞれ同じに設定し、かつ突条幅もそれぞれ同じに設定している。悪路走行時においてラグ溝6内に充填された泥土の排除性を考慮すると、ラグ溝6の延在方向と直交する断面における分岐部7aの突条幅W2とラグ溝6の溝幅W’との関係は、1/10×W’≦W2≦1/4×W’とすることが好ましく、ラグ溝6の延在方向と直交する断面における分岐部7aの突条高さH2とラグ溝6の溝深さH’との関係は、1/3×H’≦H2≦1/6×H’とすることが好ましい。
ここで、本発明において、ラグ溝6内に充填された泥土の排除性が向上する理由について詳しく説明する。タイヤ回転に際し、土壁をラグ溝6および突条部7がそれぞれ削ることにより、引っ掛かり効果を得、推進力を発生する。この際、ラグ溝6には泥土が圧縮され充填されるとともに、突条部7はタイヤ回転方向後ろ側へ「しなる」様な変形を生ずる。この状態で、タイヤ幅方向接地端Tを超えて延びる分岐部7aを有する突条部7が露出したときに、突条部7を「撓らせていた」泥土は、タイヤ回転力によりタイヤ表面より剥離し、突条部7に作用する負荷が消失するために、突条部7はそれ自身の形状を復元する。この際にラグ溝6内の突条部7も連動変形し、ラグ溝6内に充填された泥土をラグ溝6内部より「こじる」動きを生じ、部分的にラグ溝6内壁面より剥離した泥土は核となり、泥自身の粘着性により周囲の泥を巻き込み、剥離範囲を広げながら周囲の泥と共に剥離する。本発明においては、突条部7がタイヤ幅方向接地端Tを超えて延びる複数の分岐部7aを有するため、突条部7が分岐部7aを有しない場合に比べて、ラグ溝6内に充填された泥土が容易に剥離し易い。その結果、ラグ溝6内に充填された泥土の排除性が向上する。
本実施形態では、タイヤ幅方向接地端Tを境に、タイヤ幅方向内側とタイヤ幅方向外側とで突条部7の突条高さを異ならせている。具体的には、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向外側に位置する突条部7は、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向内側に位置する突条部7に比べて、その突条高さが高く形成されている。特に本実施形態では、タイヤ幅方向接地端Tを境に、タイヤ幅方向外側に向かって、突条部7の突条高さを漸増させている。かかる構成によれば、悪路走行時において、突条部7の振動量がより増幅する。これにより、悪路走行時においてラグ溝6内に充填された泥土が、より迅速かつ容易に排除される。その結果、かかる構成によれば、空気入りタイヤの悪路走破性がさらに優れたものとなる。特に、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向外側に位置する突条部7が、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向内側に位置する突条部7に比べて、その突条幅が広く形成されている場合、悪路走行時において、突条部7の振動量が特に増幅するため好ましい。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、2本の分岐部7aの突条高さH2を、それぞれ同じに設定した例を示した。しかしながら、本発明においては、複数の分岐部7aの突条高さが、互いに異なるものであってもよい。かかる構成によれば、泥土の負荷抵抗を受けた際、突条部7の振動量がより増幅される。その結果、かかる構成を備える空気入りタイヤは、悪路走行時であってもトレッド面1にてトラクション性能が効果的に発揮され、より優れた悪路走破性を備える。突条部7の振動量を適切に増幅するためには、低い方の分岐部7aの突条高さに対して、高い方の分岐部7aの分岐高さを1.3〜2.0倍とすることが好ましい。より具体的には、例えば、低い方の分岐部7aの突条高さを4mmとしたとき、高い方の分岐部7aの分岐高さを6〜8mmとした場合、突条部7の振動量を特に増幅することができる。
(2)図5に示すとおり、本発明においては、サイドウォール面5にて隆起部8を配設し、ラグ溝6のサイドウォール面側開口端Sを越えて延びる突条部7の分岐部7aと隆起部8とを連設してもよい。この場合、サイドウォール面5およびトレッド面1にて、トラクション性能が効果的に発揮される結果、上記構成を備える空気入りタイヤは、特に優れた悪路走破性を備える。加えて、車の進路変更時に、タイヤ自身の轍の壁面を隆起部8により削り、轍の壁面に引っ掛かる要素となり得るため、上記構成を備える空気入りタイヤではハンドリング性能が向上する。
サイドウォール面5にてトラクション性能が効果的に発揮されるためには、隆起部8の隆起高さは、3mm以上であることが好ましい。隆起部8の表面形状としては特に限定されるものではないが、例えば図5に示すとおり、矩形形状のものが挙げられる。本実施形態では、隆起部8は、ラグ溝6のサイドウォール面側開口端Sに対応するタイヤ周方向位置と略同じ周方向位置にて、間隔をおいて配設されている。サイドウォール面5でのトラクション性能を向上するためには、隣接する隆起部8同士のタイヤ周方向の間隔は、10mm〜30mmであることが好ましい。また、隆起部8の表面形状が矩形形状である場合、隆起部8の周方向長さは30〜40mmであることが好ましい。
突条部7の分岐部7aと隆起部8とを連接する場合、連設部分は隆起部8により拘束されるが、この拘束力により連設部分に応力が集中し易く、連設部分にてクラックの発生などが懸念される。したがって、かかる連設部分での応力集中を緩和するためには、突条部7と隆起部8との連設部分はなだらかに形成されていることが好ましい。また、ラグ溝6の延在方向と直交する断面における分岐部7aの突条高さH2は、隆起部8の隆起高さの半分以上とすることが好ましい。この場合、サイドウォール面5から突出した分岐部7a自身の引っ掛かり効果(トラクション性能)がより向上する。加えて、分岐部7aが隆起部8に連設された場合に分岐部7a自身の剛性が確保され、これによりラグ溝6内に配設された突条部7への振動が伝達されることから、ラグ溝6内に充填された泥土の排除性を促すことができる。一方、H2が隆起部8の隆起高さの半分未満であると、サイドウォール面5にて分岐部7aの剛性が高くなるため、分岐部7aが撓みにくくなり、結果としてラグ溝6内に配設された分岐部7aへ伝達される振動量が少なくなる。加えて、分岐部7a自身の引っ掛かり効果が少なることから、突条部7の分岐部7aと隆起部8とを連接する場合の効果が十分に発揮できない場合がある。
サイドウォール面5にてトラクション性能を向上し、かつラグ溝6内に充填された泥土の排除性を向上するためには、サイドウォール面5における隆起部8のタイヤ径方向外側端の配設位置は、空気入りタイヤのタイヤ幅方向最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置することが好ましい。
(3)図6に示すとおり、本発明においては、周方向にて連続的に延びる隆起部8をサイドウォール面5に配設し、ラグ溝6のサイドウォール面側開口端Sを越えて延びる突条部7の分岐部7aと隆起部8とを連設してもよい。隆起部8が周方向にて連続的に延びるものであると、悪路走行時において、隆起部8により駆動力が確実に確保され、かつ進路変更が容易となる。その結果、かかる構成によれば、空気入りタイヤの悪路走破性がより優れたものとなる。加えて、かかる構成によれば、周方向にて連続的に延びる隆起部8が、悪路走行時に接地するため、接地圧力が分散することで、タイヤのフローテーション性能(タイヤの沈下防止性能)が向上する。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。なお、タイヤの各性能評価は、次のようにして行った。
(1)悪路走破性
タイヤ(タイヤサイズLT265/75R16;標準リム装着、TRA規格の規格内圧に設定)を4輪駆動のPick up車に装着し、パネラー3名により泥濘地走行時のフィーリング評価を実施した。なお、評価は、従来品(比較例1)を100としたときの指数で示し、数値が大きいほど悪路走破性が良好であることを示す。
(2)トラクション性能
タイヤ(タイヤサイズLT265/75R16;標準リム装着、TRA規格の規格内圧に設定)を4輪駆動のPick up車に装着し、ベッド上に200kgの固定荷重を与えた条件で、泥濘地路200m走行時の加速評価を実施して到達時間を測定した。なお、評価は、従来品(比較例1)を100としたときの指数で示し、数値が大きいほどトラクション性能が良好であることを示す。
(3)泥土の排除性
上記トラクション性能評価を終えた後、低定速にて舗装路面を100mm走行し、タイヤサイド部およびリム部を清掃してからそれぞれのタイヤ重量を測定した。なお、評価は、従来品(比較例1)を100としたときの指数で示し、数値が大きいほど泥土の排除性が良好であることを示す。
(4)ハンドリング性能(操舵性)
タイヤ(タイヤサイズLT265/75R16;標準リム装着、TRA規格の規格内圧に設定)を4輪駆動のPick up車に装着し、ベッド上に200kgの固定荷重を与えた条件で、軟弱路面(タイヤのリム部は路面内に埋没しないものの、サイドウォール面5は路面内に埋没する程度の路面)に形成したクローズド/オバール(楕円形)コースを走行し、自車の轍を一旦形成した後、再度、この轍に侵入し、脱出する際の脱出性能をハンドリング性能として、パネラー3名によりフィーリング評価を実施した。なお、評価は、従来品(比較例1)を100としたときの指数で示し、数値が大きいほどハンドリング性能が良好であることを示す。
(5)フローテーション性
タイヤ(タイヤサイズLT265/75R16;標準リム装着、TRA規格の規格内圧に設定)を4輪駆動のPick up車に装着し、ベッド上に200kgの固定荷重を与えた条件で、過度の軟弱路面(タイヤのリム部の略半分が路面内に埋没する程度の路面)に形成したクローズド/オバール(楕円形)コースを走行し、パネラー3名によりその走行性能のフィーリング評価を実施した。なお、評価は、従来品(比較例1)を100としたときの指数で示し、数値が大きいほどハンドリング性能が良好であることを示す。
比較例1
図7に示すとおり、タイヤ正面視において、タイヤ幅方向接地端Tよりもタイヤ幅方向内側に始点を有し、タイヤ幅方向接地端Tを越えて、ラグ溝6のサイドウォール面側開口端Sよりもタイヤ幅方向内側に終点を有する突条部7’をラグ溝6’の溝底に配設した空気入りタイヤ(ラグ溝6’の溝幅W=25mm、ラグ溝6’の溝深さH=15mm、突条部7’の突条幅W2=3mm、突条部7’の突条高さH2=3mm)を製造した。かかる空気入りタイヤを用いて、上記評価を行った結果を表1に示す。
実施例1
図1〜図4に示す構成を備える空気入りタイヤ(P1よりもタイヤ幅方向内側でのラグ溝6の溝幅W=25mm、ラグ溝6の溝深さH=15mm、サイドウォール面側開口端Sにおけるラグ溝6の溝幅を32mm、P2よりもタイヤ幅方向内側に位置する突条部7の突条幅W1=3mm、突条高さH1=3mm、タイヤ幅方向接地端Tを含み、ラグ溝6の延在方向と直交する断面における分岐部7aの突条高さH2=3mm、突条幅W2=3mm、ラグ溝幅方向間隔T1、2本の分岐部7a同士のラグ溝幅方向間隔T2を、ともに6mm(T1=T2))を製造した。かかる空気入りタイヤを用いて、上記評価を行った結果を表1に示す。
実施例2
図5に示すとおり、サイドウォール面5にて隆起部8(隆起部8の高さ5mm)を配設し、ラグ溝6のサイドウォール面側開口端Sを越えて延びる突条部7の分岐部7aと隆起部8とを連設した以外は、実施例1と同じ構成である空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
実施例3
隆起部8が、図5に示すとおり、周方向にて連続的に延びること以外は、実施例2と同じ構成である空気入りタイヤを製造した。かかるタイヤを用いて、上記の各性能評価を行った結果を表1に示す。
Figure 0004762322
表1の結果から、実施例1および実施例2の空気入りタイヤは、比較例1の空気入りタイヤに比べて、悪路走破性が著しく向上し、加えてトラクション性能、泥土の排除性、ハンドリング性能およびフローテーション性のいずれもが向上することがわかる。なお、実施例2の空気入りタイヤは、サイドウォール面5にて隆起部8を配設し、ラグ溝6のサイドウォール面側開口端Sを越えて延びる突条部7の分岐部7aと隆起部8とを連設したことから、トラクション性能と泥土の排除性とが特に向上することがわかる。さらに、実施例3の空気入りタイヤは、周方向にて連続的に延びる隆起部8をサイドウォール面5に配設したことにより、フローテーション性が特に向上することがわかる。
1:トレッド面
5:サイドウォール面
6:ラグ溝
7:突条部
7a:分岐部
8:隆起部

Claims (6)

  1. サイドウォール面に開口するラグ溝をトレッド面に備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ラグ溝は、サイドウォール面側開口端よりもタイヤ幅方向内側位置から、前記サイドウォール面側開口端に向けて溝幅が漸増され、かつ前記ラグ溝の溝底は、前記ラグ溝の延在方向に沿って延びる突条部が配設され、
    前記突条部は、タイヤ正面視において、タイヤ幅方向接地端よりもタイヤ幅方向内側位置にて複数に分岐し、タイヤ幅方向接地端を超えて延びる分岐部を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 複数の前記分岐部の突条高さが、互いに異なるものである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ幅方向接地端を含み、前記ラグ溝の延在方向と直交する断面において、
    前記分岐部と、前記分岐部と隣接する側のラグ溝壁と、のラグ溝幅方向間隔をT1、複数の前記分岐部同士のラグ溝幅方向間隔をT2としたとき、T1≦T2である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ幅方向接地端よりもタイヤ幅方向外側に位置する前記突条部は、タイヤ幅方向接地端よりもタイヤ幅方向内側に位置する前記突条部に比べて、その突条高さが高く形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイドウォール面は、隆起部が配設され、前記突条部は、前記ラグ溝のサイドウォール面側開口端を越えて、前記隆起部に連設されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記隆起部は、周方向にて連続的に延びるものである請求項5に記載の空気入りタイヤ。
JP2009042609A 2009-02-25 2009-02-25 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP4762322B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009042609A JP4762322B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009042609A JP4762322B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010195204A JP2010195204A (ja) 2010-09-09
JP4762322B2 true JP4762322B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=42820397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009042609A Expired - Fee Related JP4762322B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4762322B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5785009B2 (ja) * 2011-07-13 2015-09-24 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP5427944B1 (ja) * 2012-11-20 2014-02-26 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP6756360B2 (ja) * 2016-02-26 2020-09-16 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6964042B2 (ja) * 2018-05-15 2021-11-10 株式会社ブリヂストン 二輪車用タイヤ
JP7159827B2 (ja) * 2018-12-04 2022-10-25 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62196705A (ja) * 1986-02-22 1987-08-31 Hitachi Ltd デジタルシ−ケンス制御方法及び装置
JPH0393202A (ja) * 1989-09-05 1991-04-18 Sanyo Electric Co Ltd 正特性サーミスタ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010195204A (ja) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4654301B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5763663B2 (ja) タイヤ
JP4886812B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4272244B2 (ja) 不整地走行用空気入りタイヤ
CN101835636B (zh) 充气轮胎
JP5044289B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5165975B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5250017B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP5270417B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2012011981A (ja) 空気入りタイヤ
JP4762322B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4732379B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2008105480A (ja) 空気入りタイヤ
JPWO2014061514A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5298914B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2011140254A (ja) 空気入りタイヤ
JP5168804B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5001623B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4505290B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5258502B2 (ja) タイヤ
JP4505515B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4325944B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4473689B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2002234313A (ja) 空気入りタイヤ
JP4421432B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110531

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4762322

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees