JP4761238B2 - 動植物の育成方法 - Google Patents

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Landscapes

  • Mushroom Cultivation (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明効果により、観葉植物や水草、花等の植物、レタス、トマト、キュウリ、イチゴ等の野菜や果実、熱帯魚、サンゴ、爬虫類等の動物を鮮やかに見せる鑑賞上の効果だけでなく、その維持・成長にも多大に寄与する動植物の育成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、熱帯魚(淡水魚又は海水魚)や水草等を入れた鑑賞用水槽の照明には、色を鮮やかに見せる演色性の問題、水槽内全体の照明の必要性、ランプ寿命等から、もっぱら蛍光灯が用いられている。
【0003】
蛍光物質の発光を利用する蛍光灯は、種々の波長の明かりを作りやすく、その用途に応じて光の色が異なり、生鮮食品展示用蛍光灯をはじめ、鑑賞魚用蛍光灯、植物育成用蛍光灯なども市販されている。
【0004】
鑑賞用水槽の照明についていえば、照明器具は単に鑑賞用という以外に、水槽内の生物の維持・成長のためという重要な役割を担っているが、水槽という限られたスペースでは設置できる蛍光灯の本数も制約があり(例えば60cm型水槽で20W型を4〜6灯)、自然の太陽光に比べるとはるかに暗く、生育環境としては劣悪といえる。
【0005】
また、水槽に入れたサンゴは、蛍光灯の光ではソフトコーラルは多少育つものの、ハードコーラルは育たないといわれている。
【0006】
そこで、従来から鑑賞用水槽の照明としてより太陽光に近い照度で、かつ水槽内の水草やサンゴ、熱帯魚等がより鮮やかに見え、しかもそれらの維持成長に適した生育環境を現出する蛍光灯が望まれている。
【0007】
また、レタスやキュウリ、しいたけ、もやし、トマト、サクランボ、モモ等の野菜や果実は、最近ではハウス栽培や屋内栽培が行われており、成長促進のために夜間でも蛍光灯を点灯しているが、より収穫期間が短く、より色付きのよいものが得られるように、更に照度の高い蛍光灯が渇望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような動植物の維持や成長に照明の面から寄与するもので、従来の照明灯よりも動植物の外観が鮮やかで、成長速度も格段に向上する動植物の育成方法に関するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、200Hz(ヘルツ)以上の高周波で点灯するいわゆるインバータ方式の蛍光管にその定格電力より格段に大きな電力を入力して高照度の光を発生させ、その下に動植物を置いて育成するようにしたものである。
【0010】
蛍光管に定格以上の電力を入力する方法としては、電力増幅回路を付加することにより簡単に解決することができる。例えば、
(1)8W型高周波点灯式蛍光管(管径15.5mm、管長287mm)の場合は、ランプ電力:16W以上
(2)20W型高周波点灯式蛍光管(管径25.5mm、管長588.5mm)の場合は、ランプ電力:28W以上
(3)30W型高周波点灯式蛍光管(管径32.5mm、管長630mm)の場合は、ランプ電力:45W以上
(4)32W型高周波点灯式蛍光管(管径32.5mm、管長830mm)の場合は、ランプ電力:50W以上
(5)40W型高周波点灯式蛍光管(管径25.5mm、管長1198mm)の場合は、ランプ電力:60W以上
でそれぞれ入力する。
【0011】
本発明で、高周波点灯方式の蛍光管を使用するのは、高出力点灯が可能であり、それ以外の点灯方式(スタータ式、ラピッドスタート式)では定格以上の電力を通電すると著しく寿命が短くなるためである。
【0012】
そして、上記のような蛍光管による高照明下での育成対象が、熱帯魚や淡水魚、水草、サンゴ等の特に鑑賞用水槽に入れて育成するものにあっては、色温度が9000K(ケルビン)以上の少なくとも青白色の高周波点灯式蛍光管を用いるとよく、これにより水槽内の水がクリヤで非常に透明に見え、育成対象も鮮やかに見えるだけでなく、育成効果も格段に向上する。
【0013】
また、育成対象が観葉植物やラン、セントポーリア等の花の鉢植え、レタス、トマト、キュウリ、もやし、しいたけ、イチゴ、サクランボ、モモ等のハウスで栽培する野菜や果物の場合には、9000K以上の少なくとも緑色を含まない青−赤の混合色の光を発する高周波点灯式蛍光管を用いるとよく、これにより炭酸同化作用が活性化して成長が促進され、色付きも格段に向上する。
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施例1
幅60cm×奥行き45cm×高さ45cmの鑑賞用水槽内に淡水魚と水草を入れ、上方に20W型で色温度12000Kの青白色ランプ(高周波点灯式蛍光管、以下実施例は同じ。)と同じく20W型で20000Kの緑色を含まない青−赤混合色ランプをそれぞれ2灯づつ装着し、それぞれに電力増幅回路を付加し、各ランプに28Wを通電して連続90日間点灯した。
【0015】
その結果、水槽内の水はクリアで限りなく透明に見え、水中では通常光が当たると茶苔が非常に生えやすくなるが、全く茶苔も生じず、水草の表面からは沢山の気泡が発生し、炭酸同化作用が活性化しているのが分かった。また、水草の節と節の間も短く、太くガッシリと育っており、水中で特にきわだって鮮明に見えた。しかも、淡水魚は色付きが更に良くなり、順調に育っている。
【0016】
比較例1
実施例1と同じ大きさの鑑賞用水槽に同じ種類の淡水魚と水草を入れ、昼光色(6500K)20W型ランプ(スタータ点灯式蛍光管)を計4灯装着して、それぞれ定格電力の20Wを通電して連続90日間点灯した。
【0017】
その結果、14日目から赤苔の発生が見られ、水槽水の透明度は悪くなって次第に濁り、水草はひょろひょろと細長くなり、淡水魚は鮮やかさが少なくなった。
【0018】
実施例2
実施例1と同じ大きさの水槽にサンゴ(ミドリイシとエダサンゴ)と海水熱帯魚を入れ、色温度17000Kの20W青白色ランプ計4灯を使用し、電力増幅回路を介してそれぞれ30Wを通電して連続30日間点灯した。
【0019】
その結果、ミドリイシやエダサンゴのようなハードコーラルは、普通蛍光灯の光では育たないといわれているが、ミドリイシ、エダサンゴとも一斉にポリプ出しており、成長している様子がよく分った。また、熱帯魚も色落ちが全くなく、サンゴと共に槽内の海水中で極めて鮮明であった。いずれの現象も、色温度が高く、強い明かりが作用しているものと考えられる。
【0020】
比較例2
実施例1と同じ大きさの水槽内にサンゴ(ミドリイシとエダサンゴ)と海水熱帯魚を入れ、色温度6500Kの20W型昼光色ランプ(スタータ点灯式蛍光管)計4灯を装着して、それぞれ定格20Wを通電して連続30日間点灯した。
【0021】
その結果、サンゴのポリプが出なくなって茶色に変色し、熱帯魚は色落ちして鮮やかさが低下し、また槽内の海水の鮮明度が落ちて来た。
【0022】
実施例3
しいたけを栽培する地下トンネル内の照明として色温度20000Kで緑色を含まない青−赤混合色の20W型ランプを用い、電力増幅回路を介して28Wを通電する試験を行った。
【0023】
その結果、しいたけの発芽からの収穫期間を半分とすることができた。
【0024】
実施例4
イチゴを栽培する屋内工場の照明として色温度20000Kで緑色を含まない青−赤混合色の40W型ランプを用い、電力増幅回路を介して60Wを通電し連続点灯した。
【0025】
その結果、イチゴの色付きが通常よりも早いことが確認された。
【0026】
【発明の効果】
本発明は上述のようにしてなり、育成対象を定格電力より格段に大きな電力を通電した高周波点灯式蛍光灯の照明下で育成することにより、育成対象が水槽内で育成する淡水魚や熱帯魚、水草、サンゴ等の鑑賞用の動・植物であるときには、鮮やかに見えるという外観上の効果だけでなく、その成長に適した生育環境を生み出すことができるのである。
【0027】
また、育成対象が観葉植物やラン、セントポーリア等の花、レタス、トマト、キュウリ、もやし、しいたけ、イチゴ、サクランボ、モモ等の野菜や果物であるときには、その成長速度を促進させ、色付きも鮮やかとなる。
【0028】
更に、育成対象がヘビやトカゲ、ワニ等のは虫類の場合には、その体色の色落ちが少なくなるという効果もある。

Claims (3)

  1. 育成対象を定格電力より大きな電力を通電した高周波点灯式蛍光灯の照明下で育成する動植物の育成方法であって、上記蛍光灯が、8W型の場合には16W以上、20W型の場合には28W以上、30W型の場合には45W以上、32W型の場合には50W以上、40W型の場合には60W以上でそれぞれ通電し、育成対象が熱帯魚や淡水魚、水草、サンゴ等の鑑賞用水槽内で育成するものは、色温度が9000K以上の少なくとも青白色の光を発する高周波点灯式蛍光管を用いることを特徴とする動植物の育成方法。
  2. 育成対象を定格電力より大きな電力を通電した高周波点灯式蛍光灯の照明下で育成する動植物の育成方法であって、上記蛍光灯が、8W型の場合には16W以上、20W型の場合には28W以上、30W型の場合には45W以上、32W型の場合には50W以上、40W型の場合には60W以上でそれぞれ通電し、育成対象が観葉植物やラン、セントポーリア等の花の鉢植え、レタス、トマト、キュウリ、もやし、しいたけ、イチゴ、サクランボ、モモ等のハウス栽培する野菜や果物の場合には、色温度が9000K以上の少なくとも緑色を含まない青−赤混合色の光を発する高周波点灯式蛍光管を用いることを特徴とする動植物の育成方法。
  3. 熱帯魚や淡水魚、水草、サンゴ等の水槽内で育成するもののための鑑賞用水槽であって、該水槽には照明用として定格電力より大きな電力を通電可能な回路を有しかつ色温度が9000K以上の少なくとも青白色の光を発する高周波点灯式蛍光管を備えてなることを特徴とする鑑賞用水槽。
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