JP5937859B2 - 栽培植物観察用照明具 - Google Patents

栽培植物観察用照明具 Download PDF

Info

Publication number
JP5937859B2
JP5937859B2 JP2012070712A JP2012070712A JP5937859B2 JP 5937859 B2 JP5937859 B2 JP 5937859B2 JP 2012070712 A JP2012070712 A JP 2012070712A JP 2012070712 A JP2012070712 A JP 2012070712A JP 5937859 B2 JP5937859 B2 JP 5937859B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
irradiation
light source
plant
blue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012070712A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013201902A (ja
Inventor
安田 剛規
剛規 安田
廣志 鈴木
廣志 鈴木
博則 荒
博則 荒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2012070712A priority Critical patent/JP5937859B2/ja
Publication of JP2013201902A publication Critical patent/JP2013201902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5937859B2 publication Critical patent/JP5937859B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

本発明は、栽培植物観察用照明具に関する。より詳しくは、人工光照射環境下で栽培される植物を観察するために用いる照明具に関する。
従来、植物栽培において、植物苗を人工光で照射して育苗を促す技術が取り入れられている。植物の生長を促進することで、栽培期間を短縮して、同一場所での収穫回数を増やすことができる。また、同じ栽培期間であっても、植物をより大きく生長させることができれば、収穫量を増やすことができる。
人工光の照射を利用した植物栽培方法として、例えば特許文献1には、植物を緑色光と白色光で交互に照射するように構成した植物の照明装置が開示されている。この照明装置は、波長500〜570nmの緑色光と300〜800nmの白色光とで交互に照射することにより昼夜の変化を構成し、植物の転流作用を円滑にして植物の育成を図るものである。
また、例えば特許文献2には、青色光(400〜480nm)を放射する発光ダイオードと赤色光(620〜700nm)を放射する発光ダイオードを同時もしくは交互に点灯することにより、植物の培養、生育、栽培及び組織培養のための光エネルギーを照射する植物栽培用光源が開示されている。この植物栽培用光源は、葉緑素の光吸収ピーク(450nm付近及び660nm付近)に一致する波長の光のみを照射することによって、エネルギー効率良く植物を栽培しようとするものである。
特許文献2には、青色光と赤色光を同時に照射しても交互に照射してもよいことが規定されている(当該文献「請求項1」参照)。しかし、特許文献2は、青色光単独照射、赤色光単独照射、青色光及び赤色光の同時照射の比較において、同時照射下では日光下での栽培と同様の健全な生長(単独照射における徒長などの不健全な生長と比較して)が確認されたというものであり(当該文献段落「0011」参照)、青色光と赤色光を交互に照射した場合の生長促進効果は確認していない。従って、特許文献2は、青色光と赤色光の交互照射による植物栽培方法を実質的開示するものとはなっていない。
特開平6−276858号公報 特開平8−103167号公報
上述のように、生長を促進することを目的として植物を特定波長域の光で照射した場合、植物の生育状況を観察しづらい場合がある。例えば赤色光照射下では、白色光あるいは自然光による照射下と異なり、葉などが黒く見えてしまう。また、例えば青色光と赤色光とで同時に照射する場合、葉などの色が黒みがかって見えてしまうことに加えて、照射光がピンク色となるために観察者が目の疲れを感じたり、気分が悪くなったりする場合もあった。
そこで、本発明は、特定波長域の光の照射下で栽培される植物を、白色光の照射下と同様に観察するための照明具を提供することを主な目的とする。
上記課題解決のため、本発明は、発光波長域が異なる複数の光源を含む照明部と、発光する光源を切り換え可能な波長選択部と、を備え、所定波長域の照射光による照射環境下の植物に対して、前記光源のうち前記照射光の波長域と異なる発光波長域の光源を選択的に発光させられるように構成された栽培植物観察用照明具を提供する。
この栽培植物観察用照明具によれば、所定波長域の照射光による照射環境下の植物に対し、前記照射光と波長域が異なる光を補光して、白色光あるいは自然光による照射環境下と同様に前記植物の観察を行うことができる。 この栽培植物観察用照明具において、前記照明部は、赤色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となる赤色光照射環境用光源と、青色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となる青色光照射環境用光源と、を含むことが好ましい。この場合において、前記赤色光照射環境用光源は、発光中心波長505〜515nmかつ半値幅130nm以上の青光源からなり、前記青色光照射環境用光源は、発光中心波長515〜525nmかつ半値幅130nm以上の緑光源と、発光中心波長615〜625nmかつ半値幅115nm以上の赤光源と、がピーク強度比1:1で合成された光源からなるものとできる。
この栽培植物観察用照明具は、前記光源の発光強度を調整するための強度調節部を有することが好ましい。また。前記照明部は、前記光源の光を平行光線として出射させる反射板を備えることが好適となる。
この栽培植物観察用照明具において、前記光源はLEDとできる。
また、本発明は、所定波長域の照射光を植物に照射する植物照射装置と、発光波長域が異なる複数の光源を含む照明部と、発光する光源を切り換え可能な波長選択部と、を備え、前記植物照射装置による照射環境下の前記植物に対して、前記光源のうち前記照射光の波長域と異なる発光波長域の光源を選択的に発光させられるように構成された栽培植物観察用照明具と、を含む植物栽培システムをも提供する。
この植物照射装置は、赤色光及び青色光の光源を含む照射部と、該照射部を制御して赤色光及び青色光のいずれか一方を照射させる制御部と、を備える。
また、この栽培植物観察用照明具の前記照明部は、前記植物照射装置の前記赤色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となる赤色光照射環境用光源と、前記植物照射装置の前記青色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上の青色光照射環境用光源と、を含むものとされる。
本発明において、「植物」には、葉菜類、果樹類及び穀類が少なくとも含まれ、コケ類なども広く包含されるものとする。
本発明により、特定波長域の光の照射下で栽培される植物を、白色光の照射下と同様に観察するための照明具が提供される。
本発明の第一実施形態に係る栽培植物観察用照明具Aの構成を説明する模式図である。 栽培植物観察用照明具Aの回路図である。 本発明に係る植物照射装置の制御パターンの一例(第一の制御パターン)を説明する図である。 本発明に係る植物照射装置の制御パターンの一例(第二の制御パターン)を説明する図である。 本発明に係る植物照射装置の制御パターンの一例(第三の制御パターン)を説明する図である。 赤色光環境下において好適な照明具光源のシミュレーション結果を示す図である(実施例1)。 青色光環境下において好適な照明具光源のシミュレーション結果を示す図である(実施例2)。 試験例1における発芽7日後の生育結果を示す図面代用写真である。 試験例1における発芽14日後の生育結果を示す図面代用写真である。 試験例1における発芽21日後の生育結果を示す図面代用写真である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。説明は以下の順序で行う。

1.第一実施形態に係る栽培植物観察用照明具
(1)照明部
(2)波長選択部
(3)強度調節部
2.第一実施形態に係る栽培植物観察用照明具の変形例
3.植物照射装置
(1)照射部
(2)制御部
(2−1)制御パターン
(2−2)波長
(2−3)光量
(2−4)照射時間
4.植物栽培システム
5.栽培植物
(1)葉菜類
(2)果樹類
(3)穀類
(4)コケ類など
1.第一実施形態に係る栽培植物観察用照明具
(1)照明部
図1は本発明の第一実施形態に係る栽培植物観察用照明具A(以下、単に「照明具A」ともいう)の構成を説明する模式図である。また、図2は、照明具Aの回路図である。
照明具Aは、電源2として電池を収容する本体1と、発光波長域が互いに異なる複数の光源41,42,43が設けられた照明部3と、から構成されている。ここでは、光源41が青緑光源、光源42が赤光源、光源43が緑光源であるものとして説明する。ただし、本発明に係る栽培植物観察用照明具において、光源は1色以上の光源が配されていればよく、目的とする効果が奏される限りにおいて配設される光源の色数は限定されない。また、各色の光源は、それぞれ2以上を配することも当然に可能である。
光源としては、従来公知の各種光源を用いることができるが、所望の発光波長域の光源の入手が容易であり、有効波長域の光エネルギーの占める割合が大きい光を放射する発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)などの光半導体素子を用いることが好ましい。以下、光源41,42,43を発光素子41,42,43とも称するものとする。エレクトロルミネッセンス(EL)を用いる場合、ELは有機であっても無機であってもよい。光半導体素子は、小型で寿命が長く、材料によって特定の波長域で発光して不要な熱放射がないためエネルギー効率が良く、植物に近接照射しても葉焼け等の障害が起こらない。
本発明者らは、人工光の照射による植物の生長促進効果について鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、赤色光と青色光を交互に照射するという簡便な手法によって非常に顕著な効果が得られることを見出している(試験例参照)。赤色光のみで植物に照射する手順と、青色光のみで植物を照射する手順と、を一定期間内に別個独立に行うことによって植物の生長を促進するこの植物栽培方法を「執行メソッド(Shigyo Method)」と称する。
照明具Aは、執行メソッドに特に好適に用いられるものあって、照明部3に赤色光照射環境用光源と青色光照射環境用光源とを備える。
赤色光照射環境用光源は、植物に照射される赤色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となるような一つの光源あるいは複数の光源の組み合わせによってなる。
赤色光照射環境用光源は、例えば、発光中心波長を505〜515nmかつ半値幅を130nm以上とした青緑発光素子41から構成することができる。
青色光照射環境用光源は、植物に照射される青色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となる一つの光源あるいは複数の光源の組み合わせによってなる。
青色光照射環境用光源は、例えば、発光中心波長515〜525nmかつ半値幅130nm以上の緑発光素子43と、発光中心波長615〜625nmかつ半値幅115nm以上の赤発光素子42とから構成することができる。青色光照射環境用光源は、赤発光素子42と緑発光素子43がピーク強度比1:1で合成された光源とされることが好ましい。
なお、赤色光照射環境用光源及び青色光照射環境用光源は、それぞれ一つの発光素子あるいは3以上の発光素子から構成することもできる(後述する変形例も参照)。
照明部3には、青緑発光素子41、赤発光素子42及び緑発光素子43を保護し、これらの発光素子の光を透過させるレンズ5と、発光素子の光を平行光線として出射させる反射板6とが設けられている。反射板6は一般的な放物面であってよい。反射板6を設けることにより、栽培植物との間に距離がある場合にも、照明具Aにより良好に栽培植物を照明して観察を行うことができる。
(2)波長選択部
本体1には、発光する光源を切り換え可能な切換スイッチ(波長選択部)7が設けられている。切換スイッチ7は、青緑発光素子41、赤発光素子42及び緑発光素子43への給電を切り換えて、いずれか一以上の発光素子を発光させるために機能する。なお、図中、符号9は、主電源スイッチを示す。
切換スイッチ7の機能により、照明具Aでは、所定波長域の照射光による照射環境下の栽培植物を、照射光の波長域と異なる発光波長域の光源を選択的に発光させて照明することが可能である。
例えば、赤色光照射環境下にある栽培植物に対しては、青緑発光素子41から構成される赤色光照射環境用光源からの光を照明する。このように赤色光照射環境下の栽培植物に対し、照射光と波長域が異なる赤色光照射環境用光源からの光を補光することで、栽培植物を白色光の照射下と同様に観察することができる。
また、例えば、青色光照射環境下にある栽培植物に対しては、緑発光素子43と赤発光素子42とから構成される青色光照射環境用光源からの光を照明する。このように照射光と波長域が異なる青色光照射環境用光源からの光を補光することで、青色光照射環境下の栽培植物についても白色光の照射下と同様に観察することができる。
特に赤色光照射環境用光源は、植物に照射される赤色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となるようにされている。また、青色光照射環境用光源も、植物に照射される青色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となるようにされている。このため、照明具Aによれば、赤色光あるいは青色光の照射環境下にある栽培植物の葉などの色を白色光照射下と同様の自然な緑色として観察することができ、植物の生育状況や病害の有無などを的確に把握することが可能となる。また、観察者が目の疲れを感じたり、気分が悪くなったりすることも防止できる。
(3)強度調節部
照明具Aには、各光源の発光強度を調整するための強度調節部を設けることが好ましい。強度調節部は、本体1に設けられた調節つまみと、回路に挿入された可変抵抗と、によって構成できる。ここでは、青緑発光素子41、赤発光素子42及び緑発光素子43に対して、それぞれ調節つまみ81,82,83と可変抵抗811,821,831を設けている。
回路に一定値の定格電流を流すときに、各発光素子の電圧が揃わない場合には、回路に制限抵抗を挿入する。図2では、赤発光素子42に関し、可変抵抗821との間に制限抵抗822を挿入した例を示した。
2.第一実施形態に係る栽培植物観察用照明具の変形例
上述の照明具Aでは、複数の発光素子41,42,43の組み合わせにより、照射光の波長域を補光して、演色性に優れた合成光を得る例を説明した。実施例1において後述するように、例えば赤色照射光に対しては、スペクトル幅の広い緑色光を補色すれば、高い演色性を得ることができる。
従って、本発明に係る栽培植物観察用照明具において、赤色光照射環境用光源は、上述した青緑発光素子に替えて、スペクトル幅の広い緑色発光素子のみから構成することも可能な場合がある。
また、スペクトル幅の広い緑色光を得るため赤色光照射環境用光源としては、(イ)複数色の発光ダイオードの組み合わせ、(ロ)キセノンフラッシュランプ、(ハ)キセノンランプ、(ニ)ショートアーク型メタルハライドランプを用いることもできる。このうち、(イ)複数色の発光ダイオードの組み合わせは、昇圧電源が不要であり、照明具を小型化できることから好ましい。(ロ)キセノンフラッシュランプ及び(ハ)キセノンランプについては光学フィルタを用いて赤外光をカットして使用することが望ましい。
3.植物照射装置
(1)照射部
本発明に係る植物照射装置は、執行メソッドを実行可能なものである。この植物照射装置は、赤色光及び青色光を植物に照射する照射部と、照射部を制御して、赤色光のみで植物を照射するステップと、青色光のみで植物を照射するステップと、を一定期間内に別個独立に実行する制御部と、を備える。
照射部には、赤色光又は青色光を放射する光源が含まれる。赤色光は波長570〜730nmの光をいい、635〜660nmの波長を中心波長をとする光が好適に用いられる。また、青色光は、波長400〜515nmの光をいい、中心波長を450nmとする光が好適に用いられる。赤色光及び青色光は、上記波長を中心波長として所定の波長域を有するものであってよい。波長域としては、例えば青色光であれば、450±30nm、好ましくは450±20nm、さらに好ましくは450±10nmとできる。
赤色光及び青色光の光源には、従来公知の光源を用いることができる。光源には、波長選択が容易で、有効波長域の光エネルギーの占める割合が大きい光を放射する発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)などの光半導体素子を用いることが好ましい。エレクトロルミネッセンス(EL)を用いる場合、ELは有機であっても無機であってもよい。
光半導体素子は、小型で寿命が長く、材料によって特定の波長で発光して不要な熱放射がないためエネルギー効率が良く、植物に近接照射しても葉焼け等の障害が起こらない。このため、光半導体素子を光源に用いることで、他の光源に比べて、より低電力コストで、より省スペースで栽培を行うことが可能となる。
光源には、1つの赤色光半導体素子と1つの青色光半導体素子を組み合わせて実装したSMD(2 Chips Surface Mount Device)を線状に配列したSMDライン光源や、赤色光半導体素子あるいは青色光半導体素子のどちらか一方のみを線状あるいは面状に配列した単色ライン光源あるいは単色パネル光源などを使用できる。
半導体素子は、原理上、数メガヘルツ(MHz)以上もの高い周波数で点滅駆動が可能である。このため、光半導体素子を光源に用いることで、赤色光のみで植物を照明するステップと、青色光のみで植物を照明するステップとの切り替えを極めて高速に行うことも可能となる。
上記波長域の光を放射するLEDとしては、例えば赤色LEDには、昭和電工株式会社から製品番号HRP−350Fとして販売されているアルミニウム・ガリウム・インジウム・リン系発光ダイオード(ガリウム・リン系基板、赤色波長660nm)などがあり、青色LEDには同社製品番号GM2LR450Gの発光ダイオードなどがある。
発光ダイオード以外の光源としては、例えば直管形及びコンパクト形の蛍光ランプ及び電球形蛍光ランプ、高圧放電ランプ、メタルハライドランプ、レーザーダイオードなどが挙げられる。これらの光源に組み合わせて、上記波長域の光を選択的に利用するための光学フィルタを用いてもよい。
(2)制御部
(2−1)制御パターン
制御部は、照射部から放射される赤色光及び青色光の光量(強度)、波長及び/又は照射時間を所定値に維持するか、あるいは所定のパターンで変化させる。
制御部は、汎用のコンピューターを用いて構成することができる。例えば光源としてLEDを用いる場合、制御部は、メモリやハードディスクに予め保持、記憶された制御パターンに基づいて、LEDの駆動電流の大きさを調整し、赤色光及び青色光の光量及び照射時間を変化させる。また、制御部は、制御パターンに基づいて、異なる波長域の光を放射する複数のLEDを切り替えて駆動し、照射される光の波長域を変化させる。
制御部の制御パターンについて詳しく説明する。制御部は、赤色光のみを植物に照射する手順(以下「赤色光照射ステップ」とも称する)と、青色光のみを植物に照射する手順(以下「青色光照射ステップ」とも称する)と、を一定期間内に別個独立に実行する。
ここで、「一定期間」とは、植物栽培中の任意時間長の期間を意味する。この期間は最長で栽培全期間である。また、最短の期間は、目的とする効果が奏される限りにおいて任意に設定できる。この期間は、例えば時間(hr)を時間長の単位とするものであってよく、さらにより長い時間長単位(例えば日(day))あるいはより短い時間長単位(例えば分(minutes))とするものであってもよい。
なお、執行メソッドは、種子が発芽した直後あるいは苗を植えた直後から収穫までの植物の栽培全期間において、任意のタイミングで開始あるいは終了され、任意時間長で適用され得るものである。
また、「別個独立」とは、上記期間内に、赤色光照射ステップと青色光照射ステップとが別々に存することを意味する。赤色光照射ステップと青色光照射ステップは、上記期間内に少なくとも一工程ずつ含まれていればよい。
赤色光照射ステップと青色光照射ステップは交互に連続して行ってもよく、両ステップの間に赤色光及び青色光を植物に同時照射する手順又は植物への光照射を休止する手順を挟んで不連続に繰り返して行ってもよい。ただし、植物生長効果を高めるためには交互に連続して行うことが好ましい。
図3は、第一の制御パターンを説明する図である。この実施形態は、赤色光照射ステップと青色光照射ステップを交互に連続して行うものである。
図中、符号Sは赤色光照射ステップ、符号Sは青色光照射ステップを示す。本実施形態では、赤色光照射ステップSと青色光照射ステップSが交互に連続して行われ、赤色光照射ステップSと青色光照射ステップSとからなる照射サイクルが繰り返し行われる。
このように、植物に対して赤色光と青色光を交互に照射することにより、生長を顕著に促進することができる(試験例参照)。また、徒長を抑制して、収穫量を向上させることも可能である。
ここでは、第1回目の照射サイクルCにおいて赤色光照射ステップSから手順を開始する場合を例に説明したが、各照射サイクルにおいて赤色光照射ステップS及び青色光照射ステップSのいずれを先に行うかは任意である。
図4は、第二の制御パターンを説明する図である。この実施形態は、赤色光照射ステップと青色光照射ステップとを、両ステップの間に赤色光及び青色光を植物に同時照射する手順(以下「同時照射ステップ」とも称する)を挟んで不連続に繰り返して行うものである。
図中、符号Sは、同時照射ステップを示す。本実施形態では、赤色光照射ステップSと青色光照射ステップSが、同時照射ステップSを挟んで不連続に行われ、赤色光照射ステップS、同時照射ステップS及び青色光照射ステップSとからなる照射サイクルが繰り返し行われる。
ここでは、第1回目の照射サイクルCにおいて同時照射ステップSから手順を開始する場合を例に説明したが、各照射サイクルにおいて赤色光照射ステップS、同時照射ステップS及び青色光照射ステップSのいずれを先に行うかは任意である。
図5は、第三の制御パターンを説明する図である。この実施形態は、赤色光照射ステップと青色光照射ステップとを、両ステップの間に植物への光照射を休止する手順(以下「休止ステップ」とも称する)を挟んで不連続に繰り返して行うものである。
図中、符号Sは、休止ステップを示す。本実施形態では、赤色光照射ステップSと青色光照射ステップSが、休止ステップSを挟んで不連続に行われ、赤色光照射ステップS、休止ステップS及び青色光照射ステップSとからなる照射サイクルが繰り返し行われる。
ここでは、第1回目の照射サイクルCにおいて休止ステップSから手順を開始する場合を例に説明したが、各照射サイクルにおいて赤色光照射ステップS、休止ステップS及び青色光照射ステップSのいずれを先に行うかは任意である。
(2−2)波長
上述した各制御パターンにおいて、赤色光及び青色光の波長は上述した波長域の範囲内で変化させてもよく、例えば第N回目(Nは1以上の整数)の照射サイクルCにおいて波長が変化してもよい。また、第N回目の照射サイクルCと第M回目(MはNと異なる1以上の整数)の照射サイクルCとで波長が上記波長域の範囲内で異なっていてもよい。
さらに、上述の赤色光照射ステップS、同時照射ステップS及び青色光照射ステップSにおいて、赤色光及び青色光に加えて、他の波長域の光を組み合わせて複数の波長域の光によって照射を行ってもよい。
(2−3)光量
赤色光照射ステップS、青色光照射ステップS及び同時照射ステップSにおける赤色光及び青色光の光量(強度)は、特に限定されないが、例えば光合成光量子束密度(Photosynthetic Photon Flux Density:PPFD)でそれぞれ1〜1000μmol/ms、好ましくは10〜500μmol/ms、特に好ましくは50〜250μmol/ms程度とされる。
また、上記各ステップにおける赤色光及び青色光の光量(強度)比は、例えば「赤:青」あるいは「青:赤」で1:1、2:1、4:1、10:1、20:1などのように任意に設定され得る。
また、赤色光及び青色光の光量は上記範囲内で変化させてもよく、例えば第N回目(Nは1以上の整数)の照射サイクルCにおいて光量が変化してもよい。また、第N回目の照射サイクルCと第M回目(MはNと異なる1以上の整数)の照射サイクルCとで光量を上記範囲内で変化させてもよい。
(2−4)照射時間
上述した各制御パターンにおいて、一つの照射サイクルの時間は、最長で栽培全期間である。また、最短の時間は、本発明の効果が奏される限りにおいて任意に設定できる。一つの照射サイクルは、例えば時間(hr)を時間長の単位とするものであってよく、さらにより長い時間長単位(例えば日(day))あるいはより短い時間長単位(例えば分(minutes))とするものであってもよい。
例えば、赤色光照射ステップSと青色光照射ステップSを交互に連続して行う第一の制御パターンにおいて、一つの照射サイクルを一日とする場合、赤色光照射ステップSを12時間、青色光照射ステップSを12時間とすることができる。また、例えば、一日に照射サイクルを4回繰り返す場合、一つの照射サイクルは6時間となり、赤色光照射ステップSを3時間、青色光照射ステップSを3時間とすることができる。
一つの照射サイクルの時間は、第N回目の照射サイクルCと第M回目(MはNと異なる1以上の整数)の照射サイクルCとで変化させてもよい。例えば、照射サイクルCを12時間とし、続く照射サイクルCN+1を6時間とすることもできる。
また、一つの照射サイクル内における赤色光照射ステップS、青色光照射ステップS、同時照射ステップS及び休止ステップSの時間比は、任意であってよい。例えば、上述の第一の制御パターンにおいて、一つの照射サイクルを一日とする場合、「赤色光照射ステップS・青色光照射ステップS」を「12時間・12時間(1:1)」、「16時間・8時間(2:1)」、「21時間・3時間(7:1)」などのように任意に設定し得る。
4.植物栽培システム
本発明に係る植物栽培システムは、上記の栽培植物観察用照明具と植物照射装置とを含む。
この植物栽培システムでは、植物照射装置によって所定の波長域の照射光で照射される栽培植物に対して、栽培植物観察用照明具を用いて照射光と波長域が異なる光を補光し、栽培植物の状態を観察することができる。
例えば、植物照射装置が赤色光照射ステップを実行する間には、照明具Aによって青緑発光素子41から構成される赤色光照射環境用光源からの光を栽培植物に対して補光する。このように赤色光照射環境下の栽培植物に対し、照射光と波長域が異なる赤色光照射環境用光源からの光を補光することで、栽培植物を白色光の照射下と同様に観察することができる。
また、例えば、植物照射装置が青色光照射ステップを実行する間には、照明具Aによって緑発光素子43と赤発光素子42とから構成される青色光照射環境用光源からの光を栽培植物に対して補光する。このように照射光と波長域が異なる青色光照射環境用光源からの光を補光することで、青色光照射環境下の栽培植物についても白色光の照射下と同様に観察することができる。
特に照明具Aの赤色光照射環境用光源は、植物に照射される赤色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となるようにされている。また、青色光照射環境用光源も、植物に照射される青色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となるようにされている。このため、照明具Aによれば、赤色光あるいは青色光の照射ステップ実行中も栽培植物の葉などの色も白色光照射下と同様の自然な緑色として観察することが可能となる。
5.栽培植物
本発明が対象とする栽培植物は、特に限定されることなく、野菜類、いも類、きのこ類、果実類、豆類、穀物類、種実類、藻類、観賞用植物類、コケ類などとできる。また、これらの植物の栽培形態も、特に限定されることなく、水耕栽培、土耕栽培などであってよい。
(1)葉菜類
葉菜類としては、レタス類、ネギ、ミズナ、サラダナ、シュンギク、パセリ、ミツバ、コマツナ、カラシミズナ、カラシナ、ワサビナ、クレソン、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、セルリー、ホウレンソウ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ、各種ハーブ等が挙げられる。また、いわゆる「ベービーリーフ」と称され、主として若葉で食されるデトロイト、ロロロッサ、ルッコラ、ピノグリーン、レッドロメイン、チコリー等の葉菜類も挙げられる。
レタス類には、結球性レタス、非結球レタス及び半結球レタスなどが含まれ、例えば、リーフレタス、フリルレタス、ロメイン、グリーンウェーブ、グリーンリーフ、レッドリーフ、フリルアイス(登録商標)、リバーグリーン(登録商標)、フリルリーフ、フリンジグリーン、ノーチップ、モコレタス、サンチュ、チマ・サンチュが挙げられる。
各種ハーブには、例えば、バジル、イタリアンパセリなどが含まれる。
また、トマト、メロン、キュウリ、イチゴ、カボチャ、スイカ、ナス、ピーマン、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、トウモロコシ等の果菜類、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、ワサビ、レンコン等の根菜類なども栽培対象とできる。
(2)果樹類
果樹類としては、マンゴー、パイナップル、イチジク、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、ボイセンベリー、ブドウ、ユスラウメ、クランベリー、ハスカップ、スグリ、フサスグリ、パパイア、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ等が挙げられる。
(3)穀類
穀類としては、アマランサス、アワ、エンバク、オオムギ、キビ、コムギ、コメ、モチゴメ、ソバ、トウモロコシ、ハトムギ、ヒエ、ライムギが例示できる。
(4)コケ類など
コケ類としては、マゴケ綱に属するコケ類が含まれる。例えば、エゾスナゴケ(Racomitrium japonicum)等、いわゆる砂苔と称される、キボウシゴケ目(Grimmiales)ギボウシゴケ科シモフリゴケ属のコケ類が挙げられる。
また、観賞用植物類としては、バラ、ミニバラ、リンドウなどに加えて、種々の観葉植物が栽培対象とできる。
<実施例1>
本実施例では、赤色光環境下において高い演色性を示し得る照明具光源を検討した。
赤色照射光の光源には、昭和電工株式会社製品番号HRP−350Fアルミニウム・ガリウム・インジウム・リン系発光ダイオード(ピーク波長662nm、半値幅16.5nm、色温度7841K、色度座標(0.72, 0.28)、平均演色評価数-81)を想定した。
上記照射光光源に対して合成光の演色性が90以上となる照明具光源をシミュレーションした。結果を図6に示す。図(A)は照射光光源のスペクトル、(B)は照明具光源のスペクトル、(C)は合成光のスペクトルを示す。
ピーク波長510nm、ガウシアンデルタ55nm、半値幅130nm、色温度8004K、色度座標(0.28, 0.36)、平均演色評価数72の光源((B)参照)と照射光光源との合成光は、色温度6523K、色度座標(0.31, 0.36)、平均演色評価数92となった((C)参照)。
シミュレーションの結果、スペクトル幅の広い緑色光源が、赤色照射光との合成光の演色性に優れ、赤色光環境下における照明具光源として適切であることが分かった。
<実施例2>
本実施例では、青色光環境下において高い演色性を示し得る照明具光源を検討した。
青色照射光の光源には、昭和電工株式会社製品番号GM2LR450Gの発光ダイオード(ピーク波長448nm、半値幅21.0nm、色温度1745K、色度座標(0.16, 0.02)、平均演色評価数-69)を想定した。
上記照射光光源に対して合成光の演色性が90以上となる照明具光源をシミュレーションした。結果を図7に示す。図(A)は照射光光源のスペクトル、(B)は照明具光源のスペクトル、(C)は合成光のスペクトルを示す。
ピーク波長520nm、ガウシアンデルタ55nm、半値幅130nmの光源と、ピーク波長620nm、ガウシアンデルタ50nm、半値幅118nmの光源と、のピーク強度比1:1の混合光源であって、色温度4009K、色度座標(0.40, 0.45)、平均演色評価数85の光源((B)参照)と照射光光源との合成光は、色温度6195K、色度座標(0.32, 0.31)、平均演色評価数91となった((C)参照)。
シミュレーションの結果、スペクトル幅の広い緑色光源と橙色光源との混合光源が、青色照射光との合成光の演色性に優れ、青色光環境下における照明具光源となり得ることが分かった。
<試験例1>
本発明に関連して、生育時の光環境の異なる試験群1〜8を用意し、これらを比較することによって、人工光の照射パターンと植物への生長促進効果との相関を検証した。
A.材料と方法
(材料)
本試験例では、生育状態の観察対象としてリーフレタス(品種:サマーサージ)を用いた。まず、リーフレタスの種子を6粒、育成ピートバンに等間隔に播種し、蛍光灯下(12時間日長)において発芽させた。播種から発芽までの3日間は、何れの試験群においても、同一の光環境下に置いた。
発芽後、レタスは、光環境の異なる各々の人工気象器内に置き、21日間生育させた。人工気象器の環境は、光照射条件以外、全て同一として、気温25〜27℃、湿度50%とした。
(光源)
本試験例の光環境のための光源には、赤色LED(中心波長:660nm、昭和電工製HRP−350F)、赤色LED(中心波長:635nm、昭和電工製HOD−350F)青色LED(中心波長:450nm、昭和電工製GM2LR450G)、白色LED(近紫外405nm励起、京セラ製TOP−V5000K)の、3種類のLED及び蛍光灯を用いた。各LEDの1セットの実装数は、赤色LEDが660nm、635nm共に各240個、青色LEDが240個、白色LEDが128個である。
各光源を用いて、表1に示す試験群1〜10の光環境を作った。光源の光量は、光合成光量子束密度(PPFD、μmolm‐2‐1)で、育成ピートバンの中心部において約140μmolm‐2‐1(試験群8のみ約80μmolm‐2‐1)になるように調節した。複数の波長の光を同時に照射、又は交互に照射する場合は、各照射光のPPFDの合計が約140μmolm‐2‐1になるように調整した。試験群1〜10の光環境における光合成光量子束密度(PPFD、μmolm‐2‐1)は、育成ピートバンに入った土壌表面付近の高さにおける、5点の平均値により示した。また、各試験群の光環境、照射光及び照射パターンの詳細については、以下に説明する。
(試験群1)
本試験群では、レタスに、赤色光(660nm)と青色光(450nm)を12時間ずつ交互に照射した。本試験群においては、何れの光も照射しない時間は設けていない。
本試験群における光環境は、赤色光(660nm)についてはPPFDが平均80.7μmolm‐2‐1であった。青色光(450nm)については、PPFDが平均56.4μmolm‐2‐1であった。
(試験群2)
本試験群では、レタスに、赤色光(660nm)と青色光(450nm)を12時間同時に照射し、その後12時間は、何れの光も照射しない時間を設け、これを繰り返した。
(試験群3)
本試験群では、レタスに、赤色光(660nm)と青色光(450nm)を24時間同時に照射した。本試験群においては、何れの光も照射しない時間は設けていない。
本試験群における光環境は、赤色光(660nm)と青色光(450nm)との合計で、PPFDが平均145.3μmolm‐2‐1であった。なお、試験群2についても同様である。
(試験群4)
本試験群では、レタスに、赤色光(635nm)と青色光(450nm)を12時間ずつ交互に照射した。本試験群においては、何れの光も照射しない時間は設けていない。
(試験群5)
本試験群では、レタスに、赤色光(635nm)と青色光(450nm)を12時間同時に照射し、その後12時間は、何れの光も照射しない時間を設け、これを繰り返した。
(試験群6)
本試験群では、レタスに、赤色光(660nm)のみを12時間照射し、その後12時間、何れの光も照射しない時間を設け、これを繰り返した。
本試験群における光環境は、PPFDが平均139.3μmolm‐2‐1であった。
(試験群7)
本試験群では、レタスに、赤色光(635nm)のみを12時間照射し、その後12時間、何れの光も照射しない時間を設け、これを繰り返した。
本試験群における赤色光(635nm)のPPFDは、試験群6と同程度である。
(試験群8)
本試験群では、レタスに、青色光(450nm)のみを12時間照射し、その後12時間、何れの光も照射しない時間を設け、これを繰り返した。
本試験群における光環境は、PPFDが平均84.1μmolm‐2‐1、であった。
(試験群9)
本試験群では、レタスに、白色光(405nm励起)のみを12時間照射し、その後12時間、何れの光も照射しない時間を設け、これを繰り返した。
本試験群における光環境は、PPFDが平均142.0μmolm‐2‐1であった。
(試験群10)
本試験群では、レタスに、蛍光灯のみを12時間照射し、その後12時間、何れの光も照射しない時間を設け、これを繰り返した。
本試験群における光環境は、PPFDが平均139.8μmolm‐2‐1であった。
B.結果
上述の試験群1〜10は、発芽後、異なる光環境下で生育を開始し、7日後(種子の播種10日後)、14日後(播種17日後)、21日後(播種24日後)の各々の時点で、生育状態を観察、測定し、試験群間の比較を行った。
(生育7日後)
図8は、異なる光環境下で生育を開始してから7日後の各々の試験群の生育状態を写真で示す。また、表2には、同時点の、各試験群における、茎長(mm)、第1葉長(cm)、本葉数(枚)、葉幅長(cm)の測定結果を示す。各項目の測定値は、同一の育成ピートバン内に播種された、6サンプルの「平均値」又は「最小値−最大値」を記載している。
図8及び表2に示されるように、生育7日後において、試験群1の赤色光(660nm)と青色光(450nm)の交互照射下のレタスは、他の試験群に比べ、第1葉長と葉幅長が長いことが示された。
(生育14日後)
図9は、異なる光環境下で生育を開始してから14日後の各々の試験群の生育状態を写真で示す。なお、各写真において、育成ピートバンの大きさは同一である。また、表3には、同時点の、各試験群における、茎長(mm)、第1葉長(cm)、本葉数(枚)、葉幅長(cm)の測定結果を示す。各項目の測定値は、表2と同様、6サンプルの「平均値」又は「最小値−最大値」を記載している。
図9及び表3から、生育14日後において、試験群1の赤色光(660nm)と青色光(450nm)の交互照射下のレタスは、他の試験群と比較して、第1葉長が長いという特徴が見られた。また、試験群1の本葉数は、他の試験群と比べ、1、2枚程度多かった。
(生育21日後)
図10は、異なる光環境下で生育を開始してから21日後の各々の試験群の生育状態を写真で示す。なお、各写真において、育成ピートバンの大きさは同一である。また、表4は、同時点の各試験群における、地上部新鮮重(g)、地上部乾燥重(g)、本葉数(枚)、茎長(cm)、葉身長(cm)、葉幅長(cm)、葉柄長(cm)について、試験群10(蛍光灯下)の生育結果を100%とした、比較結果を示す。各項目の測定値は、表2と同様、6サンプルの「平均値」を記載している。
表4において、試験群1の赤色光(660nm)と青色光(450nm)の交互照射下のレタスは、地上部新鮮重が、試験群10(蛍光灯下)に比べ2倍以上重くなった。また、試験群4の赤色光(635nm)と青色光(450nm)の交互照射下のレタスも、地上部新鮮重が試験群10と比べ、2倍程度であった。一方、試験群2及び5の赤色光と青色光の同時照射のレタスは、地上部新鮮重が試験群10に比べて重いものの、交互照射を行った試験群1や試験群4には及ばなかった。また、試験群3の赤色光(660nm)と青色光(450nm)24時間同時に照射したレタスの地上部新鮮重は、照射時間が半分である試験群2の重量と同程度であった。この結果から、赤色光と青色光の交互照射は、植物の生長を促進することが示された。
試験群1の本葉数は、生育14日後と異なり、21日後の時点では、試験群2や試験群10と同程度であった。これは、試験群1における葉数を増やす生長が、生育14日後から21日後の間で停滞状態に達したためであると考えられる。
試験群1及び試験群4では、葉身長と葉幅長が試験群10に比べ長かった。この傾向は試験群2、3及び5の赤色光と青色光との同時照射条件でのレタスでは認められなかった。一方、試験群2及び試験群5においては、茎長が試験群10に比べ長かった。この結果から、赤色光と青色光の交互照射では、同時照射に比して、茎の徒長を抑止しつつ葉の生長のみを促進できることが示された。
表5は、異なる光環境下で生育を開始してから21日後の各々の試験群の、地上部新鮮重(g)及び地上部乾燥重(g)における同化器官(g)及び非同化器官(g)の各々全重量における割合(%)と、乾燥重(g)の新鮮重(g)に対する割合(%)と、を示している。
試験群1における地上部新鮮重及び地上部乾燥重は、試験群2群に比べ、同化器官の割合が高い結果となった。また、試験群4は、試験群5に比べ、同化器官の割合が、地上部新鮮重において高かった。この結果は、表4に示した、試験群1及び試験群4における葉部分の生長促進の結果及び図10における生育状態の観察結果と一致する。
C.まとめ
本試験例の結果から、赤色光と青色光の交互照射は、植物の生長を促進することが示された。また、前記交互照射は葉の生長を促進する一方、茎の徒長は促進しないことが示された。この効果は、赤色光と青色光の同時照射や、いずれか一方の単独照射下においては再現されず、赤色光と青色光の交互照射によってのみ得られることが明らかとなった。
本発明に係る植物栽培システムによれば、簡便な手法によって植物の生長を促進し、単位時間あたりの収穫回数及び収穫量などを増加させることができる。また、特定波長域の光の照射下で栽培される植物を、白色光の照射下と同様に観察することができる。このため、本発明に係る植物栽培システム等は、葉菜類、果実及び穀類などの人工栽培に好適に用いられ得る。
A:栽培植物観察用照明具、1:本体、2:電源、3:照明部、41:青緑発光素子、42:赤発光素子、43:緑発光素子、5:レンズ、6:反射板、7:切換スイッチ、81,82,83:調節つまみ、811,821,831:可変抵抗、822:制限抵抗、S:赤色光照射ステップ、S:青色光照射ステップ、S:同時照射ステップ、S:休止ステップ、C、C:サイクル

Claims (5)

  1. 発光波長域が異なる複数の光源を含む照明部と、
    発光する光源を切り換え可能な波長選択部と、を備え、
    所定波長域の照射光による照射環境下の植物に対して、前記光源のうち前記照射光の波長域と異なる発光波長域の光源を選択的に発光させられるように構成された栽培植物観察用照明具、及び
    赤色光照射ステップと青色光照射ステップとを一定期間内に別個独立に交互に連続して実行する植物照射装置
    を含む植物栽培システムであって、
    前記栽培植物観察用照明具は、
    前記発光波長域が異なる複数の光源が、発光中心波長505〜515nmかつ半値幅130nm以上の青緑光源、及び発光中心波長515〜525nmかつ半値幅130nm以上の緑光源と発光中心波長615〜625nmかつ半値幅115nm以上の赤光源とがピーク強度比1:1で合成された光源からなり、
    前記所定波長域の照射光が赤色光のときに、前記波長選択部により前記青緑光源に切り換え、
    前記所定波長域の照明光が青色光のときに、前記波長選択部により前記緑光源と赤光源とが合成された光源に切り換え可能である、
    前記植物栽培システム
  2. 前記照明部は、赤色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となる赤色光照射環境用光源と、青色光との合成光が色温度5000〜7000Kかつ平均演色評価数90以上となる青色光照射環境用光源と、を含む請求項1記載の植物栽培システム
  3. 前記光源の発光強度を調整するための強度調節部を有する請求項1又は2に記載の植物栽培システム
  4. 前記照明部は、前記光源の光を平行光線として出射させる反射板を備える請求項1〜のいずれか一項に記載の植物栽培システム
  5. 前記光源は、LEDである請求項1〜のいずれか一項に記載の植物栽培システム
JP2012070712A 2012-03-27 2012-03-27 栽培植物観察用照明具 Active JP5937859B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012070712A JP5937859B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 栽培植物観察用照明具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012070712A JP5937859B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 栽培植物観察用照明具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013201902A JP2013201902A (ja) 2013-10-07
JP5937859B2 true JP5937859B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=49521689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012070712A Active JP5937859B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 栽培植物観察用照明具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5937859B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0744166B2 (ja) * 1990-07-31 1995-05-15 三菱電機株式会社 半導体ウエハ洗浄装置
JP6264151B2 (ja) * 2014-03-31 2018-01-24 信越半導体株式会社 植物育成用照明装置及び植物育成方法
CN110419352A (zh) * 2019-08-30 2019-11-08 上海应用技术大学 一种光混合植物照射装置及植物栽培系统

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6337503A (ja) * 1986-07-30 1988-02-18 島谷 清一郎 居室内の居住環境向上システム
JPH04349823A (ja) * 1991-01-30 1992-12-04 Iwasaki Electric Co Ltd 植物育成装置
JP2516523B2 (ja) * 1992-04-21 1996-07-24 協和株式会社 植物の育成方法と装置
JPH06276858A (ja) * 1993-03-31 1994-10-04 Iwasaki Electric Co Ltd 閉鎖空間の植物の照明装置
JPH08103167A (ja) * 1994-10-05 1996-04-23 Kensei Okamoto 植物栽培用光源
JPH0937648A (ja) * 1995-07-28 1997-02-10 Mitsubishi Chem Corp 光半導体を光源とした植物栽培方法
JP4388664B2 (ja) * 2000-03-31 2009-12-24 三菱電機株式会社 植物照明装置
JP4761238B2 (ja) * 2001-08-21 2011-08-31 和昭 小川 動植物の育成方法
EP2095017A1 (en) * 2006-12-20 2009-09-02 Philips Intellectual Property & Standards GmbH Illuminating device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013201902A (ja) 2013-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5729786B2 (ja) 植物栽培方法及び植物栽培装置
JP5779677B2 (ja) 植物栽培方法及び植物栽培装置
JP5722820B2 (ja) 植物栽培用ledランプ
JP6817284B2 (ja) 近赤外及び可視光による植物の育成及び発育の刺激方法及び装置
JP5779604B2 (ja) 植物栽培方法
JP3180774U (ja) 植物栽培用ledランプ及び植物栽培用ledランプシステム
JP5779678B2 (ja) 植物栽培用ランプおよびこれを用いた植物栽培方法
TWI590757B (zh) Plant breeding lighting device and plant breeding method
WO2014112189A1 (ja) 果菜類の栽培方法
JP3198211U (ja) 植物栽培用光源及び植物栽培用光源装置
JP5723900B2 (ja) 植物栽培方法
JP5723903B2 (ja) 植物栽培方法
JP5724002B2 (ja) 植物栽培方法
JP2018121589A (ja) 人工光による植物苗の栽培方法
WO2015163217A1 (ja) 植物栽培方法
JP5937859B2 (ja) 栽培植物観察用照明具
JP5723904B2 (ja) 植物栽培方法
JP3858104B2 (ja) 植物の育成装置
JP2004121173A (ja) 植物育成照明装置およびその方法
JP2004121172A (ja) 植物育成照明装置およびその方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5937859

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S801 Written request for registration of abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311801

ABAN Cancellation due to abandonment
R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350