JP6389105B2 - 植物栽培方法及び装置 - Google Patents
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Description
空気中の二酸化炭素量は、約390ppm(0.039vol%=2011年度値)とされているが、この特許文献1には、植物を栽培する場所における、空気中の二酸化炭素量を、増加させるという思想の記載はない。
また特許文献2には、魚介類養殖水中の二酸化炭素の処理に関する記載はない。
一般的に、植物のハウス栽培においては、光度、温度及び肥料管理が適切であるため、植物の発育は旺盛であるが、それに伴い、ハウス内の空気中の二酸化炭素が不足することが知られている。
そのため、炭酸ガスボンベから、二酸化炭素をハウス内に供給することも行われている。
本発明は、魚介類養殖水から抽出される二酸化炭素を、植物のハウス栽培に利用することによって、魚介類養殖と植物栽培との2っの産業に、効用をもたらすことを目的としているものである。
二酸化炭素を植物栽培室に供給すると、植物の葉に吸収されやすく、光エネルギーによって還元されて糖を創り出し、植物の成長を促進させることができる。 また、植物栽培室内の二酸化炭素濃度が低下しても、自動的に補填され、循環させられるので、植物に二酸化炭素を斑なく供給することができ、植物の斑のない生育をさせることができる。
普通の空気中に含まれている二酸化炭素の濃度は、390ppm程度であるから、これを超える濃度とすると、植物に吸収されやすくなる。しかし、二酸化炭素濃度が3容量%を超えると、人の健康に支障が生じる虞があるので、注意が必要となる。
屋根2の下面には、摺動式の日除幕3が張設されており、日除幕3の開閉により、栽培室内への入射光量を調節し得るようにしてある。
室内の光度は、設置される当地における、標準的な夏日の日照光度、及び日照時間を基準として合わせてある。
すなわち、植物栽培室1内での二酸化炭素を、390ppm以上3000ppmの範囲内とすることによって、どのような植物にも対応させることが出来る。
これによって、気泡中の酸素が養魚槽の水中に取り込まれるとともに、水上に放出された気泡から二酸化炭素が気化、上昇して空気中に拡散される。
この二酸化炭素の拡散は環境破壊をもたらすが、或いは室内型の養魚槽では室内に二炭化炭素が充満することになるため、曝気装置の上に筒体を被せて、その中に二酸化炭素を貯留させ、二酸化炭素除去装置14としている。
本発明はこの二酸化炭素を利用するものである。
植物栽培室1の内部における2m程度の高さの箇所に、二酸化炭素槽11に接続された内ガス管5が水平に設けられ、内ガス管5から複数のノズル6が下向きに開口されている。
自動開閉元栓8には、ガス濃度センサ10が検知するガス濃度検知数値に応じて、開閉をコントロールする自動制御器9が連結されているので、植物栽培室内の二酸化炭素の濃度が調節される。
湿度は65%〜85%とした。室内の光度は、標準的夏日の日照光度を基準として合わせ、光度不足を補うために、照明灯4、4Aを使用した。
2時間後にガス濃度センサ10を見ると、二酸化炭素濃度は450ppmであったので、日中は、これを維持させることとした。
ただし、栽培土の水分に吸収された度合いについては、未確認である。
そこで収穫可能な果実は、収穫することとした。
収穫及び、果実の大きさについては、大玉トマトで平均220g、平均で約12.3%の増加が認められた。ミニトマトでは平均で1果32gであった。
ただし、栽培室における栽培では、土壌、肥料、水分、光度、温度が大きく影響するので、そのトータル的な管理が必要である。
この実施例2は、水耕栽培とするもので、水耕用水中の二酸化炭素の濃度を高くするものである。
トマト等の場合には、空気中と水中の双方に二酸化炭素の濃度を高くすることができる。
用水としては、水道水を用い、図示しない金魚飼育用の濾過装置を使用して、図3におけるノズル6から、パイプを濾過装置の吸気口に接続させて供給した。
肥料としては、一般的な水耕用水性肥料を使用し、水温は25℃に設定した。
リシアは、この宝石のように輝く気泡が、人気の的となっている。葉も厚くなり、緑色も濃くなっていて、光合成が活発に行われていることが認められた。
なお、水草は夜間に呼吸をして、光合成した栄養分と肥料とで成長する。
しかし、水耕栽培室において、水中に無用な苔が発生した時等には、その対策として、酸性の二酸化炭素の濃度を、30ppm以上とした弱酸性の水を循環させて、水苔等の除去をさせる。
2.屋根
3.日除幕
4.照明灯
4A.緑色照明灯
5.内ガス管
6.ノズル
7.送風機
7A.吸気管
8.自動開閉元栓
9.自動制御器
10.ガス濃度センサ
11.二酸化炭素槽
12.元ガス管
13.外ガス管
12A.元バルブ
13A.外バルブ
14.二酸化炭素除去装置
15.魚介類養殖槽
Claims (7)
- 魚介類の養殖水から二酸化炭素を抽出する工程により抽出した二酸化炭素を、二酸化炭素槽に溜める工程と、植物栽培室に配設した内ガス管に二酸化炭素槽から二酸化炭素を送出し、植物栽培室における室内空気に二酸化炭素を混合させて、自然値よりも二酸化炭素を多く含む空気を植物栽培室内に循環させる工程と、植物栽培室内における二酸化炭素の濃度を自動計測し、栽培植物に適する設定濃度以下であることをガス濃度センサが検知した時は、自動開閉バルブを自動制御器により自動操作して、魚介類養殖水由来の二酸化炭素を、植物栽培室内の空気に栽培植物に適する設定濃度となるように補填供給する工程を有することを特徴とする植物栽培方法。
- 前記植物栽培室内の空気中の二酸化炭素の濃度を、390ppm〜2000ppmの範囲内で栽培植物に適する定濃度として設定することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培方法。
- 前記植物栽培室内の照明灯の光度を、当地における標準的な夏日の日照光度を基準とする光度として点灯することを特徴とする請求項1または2に記載の植物栽培方法。
- 前記植物栽培室内の照明灯に、緑色光(波長500-600nm)を発光する灯を混用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植物栽培方法。
- 前記植物栽培室には、室内の二酸化炭素を分解、減少させる公知の二酸化炭素分解装置を配設しておくことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の植物栽培方法。
- 前記植物栽培室が水耕用であるとき、用水中における二酸化炭素の濃度を、10ppm〜100ppmの範囲で供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の植物栽培方法。
- 魚介類養殖水中の二酸化炭素を抽出する二酸化炭素除去装置に連係させて、二酸化炭素を貯蔵する二酸化炭素槽を設け、植物栽培室内に配設した複数のノズルを備える内ガス管に、二酸化炭素槽から二酸化炭素を送出する外ガス管を連結して、植物栽培室内にノズルから二酸化炭素の放出を可能とし、植物栽培室内の内ガス管の基部に内バルブを、その先側には、ガス濃度センサと連係された自動制御器により開閉操作される自動開閉元栓を設け、内ガス管に配設された送風機により、内ガス管内の二酸化炭素が植物栽培室内にノズルから噴出されて室内空気と混合されるように設定され、ガス濃度センサによる室内の二酸化炭素量の検知数値に基づき、自動制御器の自動操作により、自動制御器に設定された栽培植物に適した空気中の二酸化炭素濃度となるよう、前記自動開閉元栓が自動開閉されるようにしたことを特徴とする植物栽培装置。
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