JP6389105B2 - 植物栽培方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、魚介類養殖池の水中から、魚が排出した炭酸ガスを抽出し、この炭酸ガスを利用して、植物を栽培する方法と装置に関する。
植物の根元にチッソ等の気体を送ることは、例えば特許文献1に記載されている。また、魚介類養殖水の酸素溶存度を効率的に高めるようにした装置については、例えば特許文献2に記載されている。
特開2009−95293号公報 特開2013−31413号公報
前記、特許文献1に記載の発明によると、苺の苗は、根元を冷やした方が生育がよいという理由で、送風機からダクトによって、冷風をイチゴの根元にかけるというものであり、併せて、植物の育成に適した気体、例えば窒素リッチな気体をかけることも開示されている。
空気中の二酸化炭素量は、約390ppm(0.039vol%=2011年度値)とされているが、この特許文献1には、植物を栽培する場所における、空気中の二酸化炭素量を、増加させるという思想の記載はない。
また特許文献2には、魚介類養殖水中の二酸化炭素の処理に関する記載はない。
一般的に、植物のハウス栽培においては、光度、温度及び肥料管理が適切であるため、植物の発育は旺盛であるが、それに伴い、ハウス内の空気中の二酸化炭素が不足することが知られている。
そのため、炭酸ガスボンベから、二酸化炭素をハウス内に供給することも行われている。
本発明は、魚介類養殖水から抽出される二酸化炭素を、植物のハウス栽培に利用することによって、魚介類養殖と植物栽培との2っの産業に、効用をもたらすことを目的としているものである。
本発明の具体的な内容は、次の通りである。
(1) 魚介類の養殖水から二酸化炭素を抽出する工程により抽出した二酸化炭素を、二酸化炭素槽に溜める工程と植物栽培室に配設した内ガス管に二酸化炭素槽から二酸化炭素を送出し、植物栽培室における室内空気に二酸化炭素を混合させて、自然値よりも二酸化炭素を多く含む空気を植物栽培室に循環させる工程と、植物栽培室内における二酸化炭素の濃度を自動計測し、栽培植物に適する設定濃度以下であることをガス濃度センサが検知した時は、自動開閉バルブを自動制御器により自動操作して、魚介類養殖水由来の二酸化炭素を、植物栽培室内の空気に栽培植物に適する設定濃度として補填供給する工程を有する植物栽培方法。
(2) 前記植物栽培室内の空気中の二酸化炭素の濃度を、390ppm〜2000ppmの範囲内で栽培植物に適する定濃度に設定する前記(1)に記載の植物栽培方法。
(3)前記植物栽培室内の照明灯の光度を、当地における標準的な夏日の日照光度を基準とする光度として点灯する、前記(1)または(2)に記載の植物栽培方法。
(4)前記植物栽培室内の照明灯に、緑色光(波長500-600nm)を発光する灯を混用する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の植物栽培方法。混用する 。
(5)前記植物栽培室には、室内の二酸化炭素を分解、減少させる公知の二酸化炭素分解装置を配設しておく、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の植物栽培方法。
(6) 前記植物栽培室が水耕用であるとき、用水中における二酸化炭素の濃度を、10ppm〜100ppmの範囲で供給する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の植物栽培方法。
(7) 魚介類養殖水中の二酸化炭素を抽出する二酸化炭素除去装置に連係させて二酸化炭素を貯蔵する二酸化炭素槽設け植物栽培室内に配設した複数のノズルを備える内ガス管に、二酸化炭素槽から二酸化炭素を送出する外ガス管を連結して、植物栽培室内にノズルから二酸化炭素の放出を可能とし、植物栽培室内のガス管の基部に内バルブを、その先側には、ガス濃度センサと連係された自動制御器により開閉操作される自動開閉元栓を設け内ガス管に配設された送風機により内ガス管内の二酸化炭素が植物栽培室内にノズルから噴出されて室内空気と混合されるように設定され、ガス濃度センサによる室内の二酸化炭素量の検知数値に基づき、自動制御器の自動操作により、自動制御器に設定された栽培植物に適した空気中の二酸化炭素濃度となるよう、前記自動開閉元栓が自動開閉されるようにした植物栽培装置。
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
前記(1)に記載の発明によると、魚介類を養殖している飼養水から抽出される無用の二酸化炭素を、大気中に放出させることなく貯蔵し、植物栽培に利用するので、大気中の二酸化炭素を効率良く減少させることができる。
二酸化炭素を植物栽培室に供給すると、植物の葉に吸収されやすく、光エネルギーによって還元されて糖を創り出し、植物の成長を促進させることができる。 また、植物栽培室内の二酸化炭素濃度が低下しても、自動的に補填され、循環させられるので、植物に二酸化炭素を斑なく供給することができ、植物の斑のない生育をさせることができる。
前記(2)に記載の発明によると、空気中の二酸化炭素濃度を、390ppm〜2000ppmの範囲内で栽培植物に適した定濃度として、植物栽培室に充填しているので、植物が活発に生育しても、二酸化炭素不足が生じないし、葉に吸収されやすい。
普通の空気中に含まれている二酸化炭素の濃度は、390ppm程度であるから、これを超える濃度とすると、植物に吸収されやすくなる。しかし、二酸化炭素濃度が3容量%を超えると、人の健康に支障が生じる虞があるので、注意が必要となる。
前記(3)に記載の発明によると、植物栽培室内の光度を、当地の標準的な夏日の日照光度を基準として合わせた光度として、光度不足には照明をするので、植物の葉の光合成が十分に行われ、二酸化炭素の糖化が活発化され、植物の生育が効率良く促進される。
前記(4)に記載の発明によると、植物栽培室内の照明として、緑色光(波長500-600nm)も混用しているので、光度が明るい状態では、葉の中まで入り込むことができる緑色光によって、葉の中における光合成も盛んに行われ、二酸化炭素の糖化が活発化され、植物の生育が促進される。
前記(5)に記載の発明によると、植物栽培室に二酸化炭素分解装置を配設してあるので、必要に応じてこれを作動させて、室内の二酸化炭素を分解して減少させ、身体への影響と空気汚染をなくして、外気中へ放出させることができる。
前記(6)に記載の発明は、水耕栽培における水耕用の水に、二酸化炭素を高濃度に含ませるもので、水草の栽培においては、効率のよい成長をさせることができる。
前記(7)に記載の発明は、植物栽培室内の二酸化炭素の濃度を自動検知し、所定濃度以下になると、魚介類養殖水ゆかりの二酸化炭素を、自動的に補填供給するので、植物栽培室内に、常に栽培植物に適する一定量の二酸化炭素を維持して、植物に十分吸収させることが出来、かつ葉の中で光合成による糖化を活発化させ、植物の生育を促進させることができる。
本発明の方法を実施する装置の一実施形態を示す平面図である。 図1におけるII-II線縦断側面図である。 本発明の装置の実施例2を示す図2と同様の断面図である。
以下本発明の実施形態の例を、図面を参照して説明する。
図1に示す植物栽培室1は、強風や積雪に耐えうる構造と強度を有し、屋根2はガラス張り(弾性合成樹脂板でも可)とし、密閉及び解放が可能としてある。
屋根2の下面には、摺動式の日除幕3が張設されており、日除幕3の開閉により、栽培室内への入射光量を調節し得るようにしてある。
室内の光度は、設置される当地における、標準的な夏日の日照光度、及び日照時間を基準として合わせてある。
日除幕3の下面適所に、複数の照明灯4が配設されている。基本的に赤色灯である照明灯4に混じって、個別に点滅可能とした緑色灯4A(波長500-600nm)がバランスよく配設されている。緑色灯4Aは、光度が高いときには、植物の葉の内部にまで達し、光合成を助長する特長を有している。
植物栽培室1の外側における魚介類養殖槽15は、養殖水を循環式としてあり、養殖水の中の二酸化炭素除去装置14のほか、図示しない高濃度酸素水供給手段、循環給水路、スクリーンフィルタ、生物膜処理装置、蛋白質除去装置、清水供給手段等の設備を備えている(例えば特許第5629288号参照)。
通常の空気中には、約390ppmの二酸化炭素が含まれているが、植物栽培室1においては、植物の生育が活発に行われるため、二酸化炭素が不足し、この量より多い二酸化炭素が必要とされる。
すなわち、植物栽培室1内での二酸化炭素を、390ppm以上3000ppmの範囲内とすることによって、どのような植物にも対応させることが出来る。
また、水中の二酸化炭素の量は、一般に0.5ppm前後であるが、魚介類養殖槽15の水中には、魚の種類及び大きさと数量に応じて、魚から排出される相当量の二酸化炭素が溶存されることとなる。
図1に示す魚介類養殖槽15においては、例えば水1屯当り約5ppmの二酸化炭素が溶存されている。この魚介類養殖槽15において魚100kgを養殖すると、活動時に魚体1kgあたり酸素を約800mg消費毎に、二酸化炭素が1104mg放出される。
これによって、水中の溶存酸素の不足を招くこととなる。そのため、魚介類養殖槽15では、曝気式の二酸化炭素除去装置14を配設して、魚介類養殖水中の二酸化炭素を除去し、浄化を行なっている。本発明は、これによって抽出される二酸化炭素を、植物栽培に利用するものである。
図1において、100m2の植物栽培室1の外側に、二酸化炭素槽11を配設し、魚介類養殖槽15内の、二酸化炭素除去装置14に接続されたガス管13を、バルブ13Aを介して二酸化炭素槽11に連結してある。
一般的に魚介類養殖槽において使用されている公知の曝気装置は、高圧気泡が飼養水中に放出され、気泡が水中から水面へと細かな噴水を放出させる。
これによって、気泡中の酸素が養魚槽の水中に取り込まれるとともに、水上に放出された気泡から二酸化炭素が気化、上昇して空気中に拡散される。
この二酸化炭素の拡散は環境破壊をもたらすが、或いは室内型の養魚槽では室内に二炭化炭素が充満することになるため、曝気装置の上に筒体を被せて、その中に二酸化炭素を貯留させ、二酸化炭素除去装置14としている。
本発明はこの二酸化炭素を利用するものである。
図1における二酸化炭素除去装置14から、中に溜まった二酸化炭素は二酸化炭素槽11に外ガス管13の外バルブ13Aを開いて送られる
植物栽培室1の内部における2m程度の高さの箇所に、二酸化炭素槽11に接続された内ガス管5が水平に設けられ、ガス管5から複数のノズル6が下向きに開口されている。
ガス管5の基端部は送風機7に連結され、自動開閉元栓8が閉じられた時には、送風機7によって室内空気が循環させられ、空気を循環させることによって二酸化炭素を斑のないように植物全体に供給することができる。
送風機7の吸気管7Aは、冷気と温気の双方を吸気するように、図示しない温度調節器に連結され、切換えることができ、夏期には冷気、冬期には温気を送風機7で送風して、室温調節ができるようになっている。
また送風機7は、外側に設けた二酸化炭素槽11に、ガス管12を介して連結され、その途中には、自動開閉元栓8が配設され、自動制御器9の制御により、ガス管12から二酸化炭素を吸引し、植物栽培室1内に自動的に送り出し循環させるようになっている。
自動開閉元栓8には、ガス濃度センサ10が検知するガス濃度検知数値に応じて、開閉をコントロールする自動制御器9が連結されているので、植物栽培室内の二酸化炭素の濃度が調節される。
上記の植物栽培室1において、トマトを栽培することとして、室内空気中の二酸化炭素の量を計測したところ、389ppmで、普通よりもやや少ない二酸化炭素量であった。
植付けは、大玉トマトとミニトマトを半々とし、1m2当り9本の苗を植付けて、室温を日中は20℃〜25℃、夜間は10℃〜20℃で管理した。
湿度は65%〜85%とした。室内の光度は、標準的夏日の日照光度を基準として合わせ、光度不足を補うために、照明灯4、4Aを使用した。
苗の背丈が20cmを超えた時点から、ガス管12のバルブ12Aを開いて、送風機7を稼働させ、ノズル6から二酸化炭素を含む空気を噴出させた。
2時間後にガス濃度センサ10を見ると、二酸化炭素濃度は450ppmであったので、日中は、これを維持させることとした。
1週間後、花房が認められたので、二酸化炭素の濃度を500ppmに増加させて維持した。外見的に「花飛び現象」は見られず、二酸化炭素の高濃度がトマトのストレスになっていないことが確認された。葉の肉厚が認められ、葉の色も濃い緑色であることが視認された。
植付け2週間後、背丈も150cmを超えて、花房が5段に着き、結実数も目立っていた。また、葉の大きさが普通の葉と比べて大きいことが確認された。これは、光合成が活発化され、それに対応する機能補充作用のためと考えられる。二酸化炭素濃度の増加の必要性を検討したが、当分は現状を維持することとした。
この時点で、二酸化炭素の再供給を5時間停止した後における、植物栽培室1の二酸化炭素の濃度は421ppmであり、減少していることが認められた。これは、平均的に1時間あたり約16ppmの二酸化炭素の消費があったと考えられる。
ただし、栽培土の水分に吸収された度合いについては、未確認である。
植付け4週間後、背丈は2mを超え、5段においてそれぞれ4〜5個の結実が認められた。5個ある果実の大きさも、粒が揃って他のものと変わらない大きさであった。中には、6段目に結実があるものも認められた。
植付けから55日目、大半の果実が赤く色づいて、収穫可能であった。ミニトマトの中には、まだ開花中のものもあり、生育が盛んなことが認められた。
そこで収穫可能な果実は、収穫することとした。
収穫及び、果実の大きさについては、大玉トマトで平均220g、平均で約12.3%の増加が認められた。ミニトマトでは平均で1果32gであった。
量については、大玉トマトで平均的な量に対して、約14.2%の増加が認められた。ミニトマトでは約17.6%の増加が認められた。糖度は、一般的に大玉トマトで4度前後のところ、平均で5.3度を示し、ミニトマトでは平均で8.7度を示した。
この結果から見て、植物栽培室1の、空気中の二酸化炭素の濃度を500ppm前後に維持すると、トマトについては、期待が持てる効果があることが認められた。 その他の植物として、一般のハウス栽培種のすべてに利用することができる。
ただし、栽培室における栽培では、土壌、肥料、水分、光度、温度が大きく影響するので、そのトータル的な管理が必要である。
空気中の二酸化炭素の濃度は、一般的には3000ppmを超えると、人も呼吸困難になるとされており、そのような大量を使用する必要性はないが、例えば栽培室内のカビ対策、コケ対策などによっては、高濃度の二酸化炭素の使用も必要となる。その場合には、3000ppm程度までに限らず、高濃度で使用される。
二酸化炭素を高濃度で使用する場合、終了後に外気へ放散させることは、空気汚染の点で好ましくないので、必要に応じて公知の二酸化炭素分解装置を設け、高濃度の二酸化炭素を分解し、無害のものとして放出させるようにする。
図3は、本発明の実施例2の植物栽培室を示す側面図である。前例と同じ部材には、同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例2は、水耕栽培とするもので、水耕用水中の二酸化炭素の濃度を高くするものである。
一般的に、水中の二酸化炭素の濃度は0.5ppm前後であり、水道水では、0.6ppm含まれているものもある。水耕栽培としては、例えばトマトの根先を水中に浸漬して栽培する方法と、水草を水中で栽培する方法との2種類がある。
二酸化炭素の濃度を、水中に増加させて高い効果が得られるのは、水草の栽培である。
トマト等の場合には、空気中と水中の双方に二酸化炭素の濃度を高くすることができる。
水草としては、例えば観賞用のリシア、ラージパールグラス、グリーンロタラ、ニードルリーフ、ロタラインディカ等があり、また食用としてはスピルリナ、海苔、その他の藻類がある。
ここでは、鑑賞用ウキゴケ科のリシア(Riccia fluitans)を入れた水量1m3 の水槽を、図3における工場の隅に配置して栽培した。
用水としては、水道水を用い、図示しない金魚飼育用の濾過装置を使用して、図3におけるノズル6から、パイプを濾過装置の吸気口に接続させて供給した。
水道水は概して中性であるが、水草は弱酸性水の方が生育に適している。また二酸化炭素を水に溶存させると、水は弱酸性化するので、水草の生育を、水質の点でも助長することとなる。
水槽の水中に二酸化炭素を放出して溶存させ、二酸化炭素の濃度が15ppmとなった時、これを維持させることとした。
肥料としては、一般的な水耕用水性肥料を使用し、水温は25℃に設定した。
リシアは、直径約3cm程度のものを50個、水面に浮かせた状態で栽培することとした。鑑賞用では、網を被せる等により、水槽の底土に定着させるが、栽培においては、拘束されずに自由に発育できる浮遊状態が好ましい。
2週間目、各リシアは、すべての分枝を伸ばし、緑の絨毯のように水面に広がり、葉の間にキラキラ光る気泡が無数に認められた。
リシアは、この宝石のように輝く気泡が、人気の的となっている。葉も厚くなり、緑色も濃くなっていて、光合成が活発に行われていることが認められた。
4週間目、リシアの葉状体の分枝が目立ち、大きさも平面的に当初の4倍近くの広がりを見せ、水中にも葉状体を複雑に絡ませて、立体的に複雑な群体を作った。葉状体の長さは1cm〜5cmにもなり、葉幅は1mmを超え、厚さは0.2mmにもなっていた。
水耕水のpHは6.3であり、溶存二酸化炭素の濃度は、5時間供給を停止した状態で約13.2ppmである。これは、1時間当り二酸化炭素が0.36ppm消費されたことを示している。この消費には、二酸化炭素の空気中への発散も含まれている。
なお、水草は夜間に呼吸をして、光合成した栄養分と肥料とで成長する。
8週間目、リシアの葉状体の分枝が旺盛で、水槽の水面一面に分枝が広がりを見せた。葉状体の下方への立体的な広がりは、最大10cmにも達していた。これ以上放置すると、透光性が悪化して、葉の色が褪せたり、枯死する部分も生じて商品に向かなくなるので、栽培を中止し、分割して別途栽培することとした。
この実験で、リシアの水耕栽培には、二酸化炭素の使用が有効なことが確認された。なお、リシアの栽培については、水深を15cm程度とし、底面からも光線を反射させて、下側の葉にも光合成を促すことが好ましい。
この場合、棚段状に水槽を重ねると、敷地面積あたりの栽培率が向上する。植物の成長は、光度、温度、肥料その他様々な条件によって変化するので、品種に合った条件設定が必要となる。
水中の二酸化炭素の濃度は、一般には0.6ppm程度であり、これが30ppm以上になると、植物の呼吸がしにくくなり、障害が生じる。
しかし、水耕栽培室において、水中に無用な苔が発生した時等には、その対策として、酸性の二酸化炭素の濃度を、30ppm以上とした弱酸性の水を循環させて、水苔等の除去をさせる。
本発明によると、魚介類の養殖水中に、魚介類由来の炭酸が増加することを防止するために、二酸化炭素を抽出するとともに、この抽出した二酸化炭素を、植物栽培室に供給して、植物の成長を速めるもので、魚介類の養殖と植物栽培との、異なった2っの産業に利用することができる。
植物栽培室
2.屋根
3.日除幕
4.照明灯
4A.緑色照明灯
5.ガス管
6.ノズル
7.送風機
7A.吸気管
8.自動開閉元栓
9.自動制御器
10.ガス濃度センサ
11.二酸化炭素槽
12.元ガス管
13.外ガス管
12A.元バルブ
13A.外バルブ
14.二酸化炭素除去装置
15.魚介類養殖槽

Claims (7)

  1. 魚介類の養殖水から二酸化炭素を抽出する工程により抽出した二酸化炭素を、二酸化炭素槽に溜める工程と植物栽培室に配設した内ガス管に二酸化炭素槽から二酸化炭素を送出し、植物栽培室における室内空気に二酸化炭素を混合させて、自然値よりも二酸化炭素を多く含む空気を植物栽培室内に循環させる工程と、植物栽培室内における二酸化炭素の濃度を自動計測し、栽培植物に適する設定濃度以下であることをガス濃度センサが検知した時は、自動開閉バルブを自動制御器により自動操作して、魚介類養殖水由来の二酸化炭素を、植物栽培室内の空気に栽培植物に適する設定濃度となるように補填供給する工程を有することを特徴とする植物栽培方法。
  2. 前記植物栽培室内の空気中の二酸化炭素の濃度を、390ppm〜2000ppmの範囲内で栽培植物に適する定濃度として設定することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培方法。
  3. 前記植物栽培室内の照明灯の光度を、当地における標準的な夏日の日照光度を基準とする光度として点灯することを特徴とする請求項1または2に記載の植物栽培方法。
  4. 前記植物栽培室内の照明灯に、緑色光(波長500-600nm)を発光する灯を混用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植物栽培方法。
  5. 前記植物栽培室には、室内の二酸化炭素を分解、減少させる公知の二酸化炭素分解装置を配設しておくことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  6. 前記植物栽培室が水耕用であるとき、用水中における二酸化炭素の濃度を、10ppm〜100ppmの範囲で供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の植物栽培方法。
  7. 魚介類養殖水中の二酸化炭素を抽出する二酸化炭素除去装置に連係させて、二酸化炭素を貯蔵する二酸化炭素槽設け植物栽培室内に配設した複数のノズルを備える内ガス管に、二酸化炭素槽から二酸化炭素を送出する外ガス管を連結して、植物栽培室内にノズルから二酸化炭素の放出を可能とし、植物栽培室内のガス管の基部に内バルブを、その先側には、ガス濃度センサと連係された自動制御器により開閉操作される自動開閉元栓を設け内ガス管に配設された送風機により、内ガス管内の二酸化炭素が植物栽培室内にノズルから噴出されて室内空気と混合されるように設定され、ガス濃度センサによる室内の二酸化炭素量の検知数値に基づき、自動制御器の自動操作により、自動制御器に設定された栽培植物に適した空気中の二酸化炭素濃度となるよう、前記自動開閉元栓が自動開閉されるようにしたことを特徴とする植物栽培装置。
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