JPH07155088A - 閉鎖環境下における動植物の育成装置および育成方法 - Google Patents

閉鎖環境下における動植物の育成装置および育成方法

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JPH07155088A
JPH07155088A JP30434793A JP30434793A JPH07155088A JP H07155088 A JPH07155088 A JP H07155088A JP 30434793 A JP30434793 A JP 30434793A JP 30434793 A JP30434793 A JP 30434793A JP H07155088 A JPH07155088 A JP H07155088A
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light
closed environment
plants
animals
wavelength
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JP30434793A
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Hironobu Ota
廣信 太田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 照明の光量を制御することによって、動植物
に自然環境に近づいた環境を提供し、もって動植物が適
正にかつ健康に活力のある状態で生育することができる
環境を提供する。 【構成】 外界と隔離状態の動植物の生存空間が形成さ
れ、かつ、この生存空間が外界から観察可能に構成され
た閉鎖環境下における動植物の育成装置(水槽1)にお
いて、上記閉鎖環境に光を供給する光源が設けられ、こ
の光源は波長の異なる光を照射する少なくとも2種類の
照明手段(ハロゲンランプ3および蛍光ランプ4)から
形成され、これら照明手段のON・OFFおよび光量を
制御する制御手段6が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水槽や檻等の閉鎖環境
下において、観賞用として動植物を適正に育成するため
の動植物の育成装置および育成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】観賞用として動物を飼育するためには、
それが水棲動物である場合は閉鎖環境として水槽等が用
いられ、陸棲動物である場合は閉鎖環境として檻等が用
いられる。このような閉鎖環境をできるだけ自然環境に
近づけるために、その動物が棲息している地域の植物が
閉鎖環境内に植設されることが多く、結局閉鎖環境下に
おいては植物の繁茂にも意を払った動植物の育成を行わ
なければならない状況になる。
【0003】そしてこのような閉鎖環境下での動植物育
成が動物園等のように大規模で行われる場合には、少な
くとも日照に関しては自然環境がそのまま取り入れられ
た状況にすることは容易であり、日中は非常に明るいか
ら観賞に関しては特に問題はない。しかし熱帯魚等を対
象にした観賞用の水槽など小規模なものは、通常屋内に
配置されるため、自然光が充分に供給されず観賞に適さ
ない状態になる。そこで、動植物育成用の閉鎖環境が屋
内に配置されるようなときは、人工照明が適用され、適
宜この照明が点灯されて観賞の用に供される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
のような小規模の閉鎖環境においては、動植物の観賞に
主眼が置かれているため、観賞の用に供するときのみ照
明が点灯されたり、逆に終日照明が点灯された状態が継
続されたりすることが多い。しかし、このような不自然
な照明では、光の照射が自然環境とかけ離れた状態にな
ることから、閉鎖環境内下で棲息している動植物が本来
持っている棲息上のリズムが狂い、好ましからざるスト
レスが発生するなど生育上好ましい状態にはならない。
【0005】そのようなことから、光の照射状態が不自
然な閉鎖環境下においては動植物は正常に発育せず、従
って、動植物を正常な状態で観賞することができないば
かりか、それらを短命に終わらせてしまうという不都合
が生じる。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、照明の光量を制御すること
によって、動植物に自然環境に近づいた環境を提供し、
もって動植物が適正にかつ健康に活力のある状態で生育
することができる環境を現出する閉鎖環境下における動
植物の育成装置および育成方法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
閉鎖環境下における動植物の育成装置は、外界と隔離状
態の動植物の生存空間が形成され、かつ、この生存空間
が外界から観察可能に構成された閉鎖環境下における動
植物の育成装置において、上記閉鎖環境に光を供給する
光源が設けられ、この光源のON・OFFおよび光量を
制御する制御手段が設けられていることを特徴とするも
のである。
【0008】本発明の請求項2記載の閉鎖環境下におけ
る動植物の育成装置は、請求項1記載の閉鎖環境下にお
ける動植物の育成装置において、上記光源は少なくとも
2種類の360nm〜440nmの平均波長の光を照射
する短波長照明手段と、640nm〜830nmの平均
波長の光を照射する長波長照明手段とから形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0009】本発明の請求項3記載の閉鎖環境下におけ
る動植物の育成装置は、請求項2記載の閉鎖環境下にお
ける動植物の育成装置において、上記短波長照明手段と
して蛍光ランプが適用され、上記長波長照明手段として
ハロゲンランプが適用されていることを特徴とするもの
である。
【0010】本発明の請求項4記載の閉鎖環境下におけ
る動植物の育成装置は、請求項1、2、または3記載の
閉鎖環境下における動植物の育成装置において、上記閉
鎖環境の温度を低下させる冷却装置が設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項5記載の閉鎖環境下におけ
る動植物の育成装置は、請求項1、2、3または4記載
の閉鎖環境下における動植物の育成装置において、上記
閉鎖環境の温度を上昇させる加温装置が設けられている
ことを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項6記載の閉鎖環境下におけ
る動植物の育成方法は、外界と隔離状態の動植物の生存
空間が形成され、かつ、この生存空間が外界から観察可
能に構成された閉鎖環境下における動植物の育成方法に
おいて、上記生存空間に光を供給する光源を設け、この
光源のON・OFFおよび光量を経時的に制御すること
を特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項7記載の閉鎖環境下におけ
る動植物の育成方法は、請求項6記載の閉鎖環境下にお
ける動植物の育成方法において、上記光源による上記閉
鎖環境への光の照射を自然環境に合致させるように制御
することを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項8記載の閉鎖環境下におけ
る動植物の育成方法は、請求項6記載の閉鎖環境下にお
ける動植物の育成方法において、上記光源は波長の異な
る光を照射する少なくとも2種類の照明手段から形成
し、これら少なくとも2種類の照明手段から照射される
それぞれの光量の割合を経時的に調節することを特徴と
するものである。
【0015】
【作用】上記請求項1記載の閉鎖環境下における動植物
の育成装置によれば、制御手段の制御によって動植物育
成用の閉鎖環境に光を供給する光源のON・OFF操作
および光量の調節が自動的に行われる。従って、予め上
記ON・OFFのタイミングおよび光量の経時変化を制
御手段内に入力しておけば、閉鎖環境は面倒な人的操作
を行うことなく必要なときに光の照射が行われる。
【0016】上記請求項2記載の閉鎖環境下における動
植物の育成装置によれば、動植物が生育している閉鎖環
境には少なくとも2種類の照明手段から波長の異なる光
が照射されるため、光はより自然光に近づき閉鎖環境は
より自然に近づいた状態になる。
【0017】そして、短波長照明手段によって360n
m〜440nmの平均波長の光(短波長光)が照射さ
れ、長波長照明手段によって640nm〜830nmの
平均波長の光(長波長光)が照射されるため、これら2
種類の波長の光により、平均値を中心として相当の範囲
の波長の光が照射されるようになることとも相俟って、
照明手段による照射光は自然光の可視光線の波長範囲で
ある360nm〜830nmの範囲内の波長の光が全て
含まれた状態になり、閉鎖環境はより自然に近づいた状
況になる。
【0018】また、短波長光と長波長光の同時照射によ
って、特に植物の光合成が活発に行われるようになる。
さらに、短波長照明手段からは可視光線の下限値よりも
波長の短い紫外線も照射され、この紫外線の殺菌作用で
閉鎖環境は清潔になる。
【0019】上記請求項3記載の閉鎖環境下における動
植物の育成装置によれば、短波長照明手段としての蛍光
ランプからは360nm〜440nmの平均波長の光が
得られ、上記長波長照明手段としてのハロゲンランプか
らは640nm〜830nmの平均波長の光が得られ
る。また、ハロゲンランプを用いれば、閉鎖環境が水槽
である場合など、水槽内の隅々まで光がよくとどき、観
賞上好都合である。
【0020】また、上記波長範囲の蛍光ランプおよびハ
ロゲンランプは民生品として市販されており、安価に入
手可能であるため、民生品を適用して育成装置を安価に
製造することができる。
【0021】上記請求項4記載の閉鎖環境下における動
植物の育成装置によれば、照明手段の照射によって閉鎖
環境の温度が上昇した場合には、冷却装置を駆動させる
ことによって上昇した温度を低下させることが可能にな
る。特にハロゲンランプを用いると閉鎖環境内の温度が
高くなる傾向がみられるが、そのようなときに冷却装置
は偉力を発揮する。
【0022】上記請求項5記載の閉鎖環境下における動
植物の育成装置によれば、冬期等の低温時に加温装置を
稼働させることによって低い閉鎖環境の温度を適温に上
昇させることができる。
【0023】上記請求項6記載の閉鎖環境下における動
植物の育成方法によれば、動植物育成用の閉鎖環境に光
を供給する光源のON・OFF操作および光量の経時的
な変化が自動的に制御される。従って、予め上記ON・
OFFのタイミングおよび光量の経時変化を制御手段内
に入力しておけば、閉鎖環境は面倒な人的操作を行うこ
となく必要なときに光の照射が行われる。
【0024】上記請求項7記載の閉鎖環境下における動
植物の育成方法によれば、照明手段の制御によって動植
物が生育している閉鎖環境に対して自然環境に合致した
光の照射が行われるため、閉鎖環境下で生育している動
植物の閉環境ストレスが緩和され、自然な成長が促進さ
れる。
【0025】また、自然環境に合致するように徐々に照
明手段に電力が供給されるため、例えば照明手段として
ハロゲンランプを適用したような場合には、照明手段の
寿命を延長させることが可能になる。
【0026】上記請求項8記載の閉鎖環境下における動
植物の育成方法によれば、閉鎖環境内に好む波長の範囲
が異なる動植物が同居している場合、少なくとも2種類
の照明手段から照射されるそれぞれの光量の割合を経時
的に調節することによって、時間分割でそれぞれの好む
波長の光を動植物に与えることができる。
【0027】
【実施例】図1は、本発明の閉鎖環境下における動植物
の育成装置の一例を示す一部切欠き斜視図である。この
図に示すように、本実施例においては、閉鎖環境下にお
ける動植物の育成装置として、水棲の動植物を育成する
ための水槽1が適用されている。この水槽1は、平面視
が矩形状を呈した筒状のガラス製品からなる本体部11
と、この本体部11の底部を形成する底板12と、本体
部11の上縁部に環状に冠設された上縁部材13とから
構成されている。この水槽1の中に水が充填され、この
中に金魚やメダカや熱帯魚のような小動物が放たれると
ともに、藻や水草等の水棲植物が植設される。
【0028】上記上縁部材13の内周部には、内方に向
かって環状の足場14が突設され、この足場14に外観
視が直方体状の照明器具支持体2が載置されている。こ
の照明器具支持体2は、角筒状本体21と、この角筒状
本体21の上部開口を閉止するカバー体22と、角筒状
本体21の四隅の下部に下方に向かって開脚状態で付設
された4本の脚部23とから構成されている。上記カバ
ー体22はビス止めその他で角筒状本体21に固定され
ている。
【0029】これら脚部23の互いに対向した下端部間
の距離は、上記水槽1の上部に形成された上縁部材13
の互いに対向した内寸法と略同じかあるいは若干小さめ
に寸法設定されているため、角筒状本体21に水平状態
を維持させながら4本の脚部23の下部先端を水槽1内
に没入させることによって4本の脚部23先端が足場1
4に当止し、照明器具支持体2が水槽1上に装着された
状態になる。
【0030】このようなカバー体22の裏面部には、長
手方向に延びる中心線上に、長波長照明手段としての一
対のハロゲンランプ3が取り付けられている。そして本
発明においては、これらのハロゲンランプ3は、照射さ
れる光の平均波長が640nm〜830nmのものが適
用されている。ハロゲンランプ3は、ガラス管内にわず
かなよう素または臭素が封入された電球であり、長波長
光を好適に照射する性能を有している。
【0031】また、カバー体22の裏面幅方向両側部に
は、カバー体22の長手方向に延びるように短波長照明
手段としての一対の蛍光ランプ4が取り付けられてい
る。そして本発明においては、これらの蛍光ランプ4
は、照射される光の平均波長が360nm〜440nm
のものが採用されている。蛍光ランプ4は通常短波長光
を照射する。
【0032】なお、本実施例においては、長波長照明手
段としてハロゲンランプ3が適用され、短波長照明手段
として蛍光ランプ4が適用されているが、本発明の照明
手段は上記ハロゲンランプ3および蛍光ランプ4に限定
されるものではなく、照射光の平均波長が上記範囲に含
まれる限り、フィラメントが内装された通常の白熱電
球、水銀が封入された水銀ランプ、水銀の他によう化イ
ンジウム、よう化タリウム、よう化ナトリウム等が封入
されたメタルハイランドランプ、高圧状態でナトリウム
が特殊なセラミック管に封入された高圧ナトリウムラン
プ等が長波長照明手段あるいは短波長照明手段として適
用可能である。
【0033】そして、上記カバー体22の中央部には、
円形の通気口51が穿設されており、この通気口51に
対向して冷却装置としての電力の供給を得て駆動するフ
ァン5が設けられている。このファン5を駆動させるこ
とによって、水槽1に満たされている水の上面に空気を
供給し、貯水Wを冷却する用に供することができる。特
にハロゲンランプ3の照射光に含まれる赤外線による温
度上昇を有効に防止することが可能になる。
【0034】また、水槽1の底には加温装置としての電
力の供給を得て発熱するヒータ50が配置されている。
このヒータ50に電力を供給することによって水槽1内
の水温を上昇させることができる。
【0035】つぎに、図2〜図4を基に、本発明の閉鎖
環境下における動植物の育成装置の制御について説明す
る。図2は、図1に例示した水槽1の制御系統を説明す
るための説明図である。この図に示すように、水槽1の
近傍には、ハロゲンランプ3および蛍光ランプ4の光照
射状況を制御し、さらに水槽1内の貯水Wの温度を制御
する制御手段6が設けられている。この制御手段6は、
いわゆるマイクロコンピュータで構成されており、予め
入力されたプログラムに応じて、ハロゲンランプ3およ
び蛍光ランプ4の照射状況および水槽1内の貯水Wの温
度が、予め設定されたものになるような制御を行う制御
信号を発信するようになっている。
【0036】そして、この制御手段6の内部には、ハロ
ゲンランプ3と蛍光ランプ4の照射時間を制御するため
のタイマー61が内蔵されており、このタイマー61が
刻む時刻が参照されて制御信号が発信される。また、ハ
ロゲンランプ3および蛍光ランプ4が照射する光量を調
節するための制御信号が、上記タイマー61との連係で
発信されるようになっており、時刻の範囲設定と光量と
を組み合わせて制御手段6に入力することによって、時
間の経過に従った光量の漸増、漸減および一定の光量の
保持が図れるようになっている。
【0037】さらに、水槽1の内部には、貯水Wの温度
を測定する温度センサ62が付設されており、この温度
センサ62からの温度検出信号が常時制御手段6内に入
力されるようになっている。一方、制御手段6内には予
め貯水Wの設定温度が入力されており、上記常時入力さ
れる温度センサ62の検出温度と設定温度との比較演算
が行われ、検出温度が設定温度よりも高いときにはファ
ン5を稼働させるための制御信号が発信されるようにな
っているとともに、検出温度が設定温度よりも低いとき
にはヒータ50に通電されるようになっている。
【0038】そして、上記種々の制御信号は、制御手段
6に隣接して設けられた電力調整機構7に向けて発信さ
れるように構成されている。この電力調整機構7は、電
力線71を介してハロゲンランプ3、蛍光ランプ4、フ
ァン5およびヒータ50に供給される電力の中継器の一
種であって、供給電力量の調整が可能になっている。こ
の電力調整機構7は、上記制御手段6が発信する制御信
号を受けて、その制御信号が意味する内容の電力の中継
を行い、ハロゲンランプ3、蛍光ランプ4、ファン5お
よびヒータ50に所定の電力を供給するとともに、電力
のON・OFFをも司るようになっている。
【0039】従って、ハロゲンランプ3および蛍光ラン
プ4の照射時刻の範囲、この照射が光量の漸増、漸減を
伴うものであるのか、あるいは一定の光量を維持するも
のであるのかの別を制御手段6に予め入力しておくこと
によって、ハロゲンランプ3および蛍光ランプ4はタイ
ムスケジュールに従ったON・OFFおよび所定の光量
の照射を行うことになる。なお、蛍光ランプ4の光は水
に対する透過度は低いが、ハロゲンランプ3の光は透過
度が大きく、ハロゲンランプ3を用いることによって水
槽1の隅々まで明るくすることが可能になり、観賞上好
都合である。
【0040】また、制御手段6に貯水Wの設定温度を入
力しておくことにより、貯水Wが設定温度よりも高くな
ったときにはファン5に電力が供給され、ファン5が稼
働して貯水Wの温度を低下させることになる。設定温度
よりも水温が低下するとファン5への電力の供給が停止
されファン5は止まるとともに、今度はヒータ50に電
力が供給され、ヒータ50の発熱によって貯水Wの温度
を上昇させる。このように、適宜ファン5またはヒータ
50が稼働させられるため、貯水Wは常に設定された適
温になり、動植物の育成上好都合である。
【0041】そして、本発明においては、図3に示すよ
うに、自然環境に合わせて日の出とともにハロゲンラン
プ3に電力が供給され、この長波長の光量は時間の経過
に伴って漸増するように設定されている。そして、予め
設定された時刻が到来すると、上記光量は一定に保持さ
れ、この光量の保持状態は数時間継続するように設定さ
れている。この光量一定状態は予め設定された時刻が到
来すると中断され、以後日没に向かって光量が漸減する
ように設定されている。このように光量を徐々に変化さ
せることによって、動植物に無用のストレスが与えられ
ず正常な育成上好ましい。
【0042】また、短波長の光を照射する蛍光ランプ4
も上記長波長のハロゲンランプ3と同様の照射制御が行
われるが、照射時間の幅はハロゲンランプ3の場合より
も短く設定されている。このように長波長の光の照射
と、短波長の光の照射を組み合わせることによって、動
植物を育成する閉鎖環境をより自然環境に近づいたもの
にすることが可能になる。
【0043】さらに、図4に示すように、時間の経過に
従って長波長の光量と短波長の光量の割合を変化させる
ことも可能である。このようにすれば、短波長の光を多
く受ける時間帯と長波長の光を多く受ける時間帯とが設
定可能であり、例えば青色を好む植物は短波長光時間帯
に多くの恩恵を受け、赤色を好む植物は長波長光時間帯
に多くの恩恵を受けることができる等、時間分割によっ
て各種の植物に平等に大きな効果を及ぼすことが可能に
なり好都合である。
【0044】以上の実施例においては、閉鎖環境として
水棲動植物を育成するための水槽を挙げたが、本発明は
閉鎖環境が水槽に限定されるものではなく、哺乳類、爬
虫類、両棲類や昆虫類等の陸棲動物や草木等の陸上植物
を育成する外部と隔離された生存空間を閉鎖空間とし、
この閉鎖空間に本発明の育成装置を適用することも可能
である。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の閉鎖環境下
における動植物の育成装置は、外界と隔離状態の動植物
の生存空間が形成され、かつ、この生存空間が外界から
観察可能に構成された閉鎖環境下における動植物の育成
装置において、上記閉鎖環境に光を供給する光源が設け
られ、この光源のON・OFFおよび光量を制御する制
御手段が設けられてなるものであり、同育成方法は上記
装置を用いて光源のON・OFFおよび光量を制御する
ものである。従って、予め上記ON・OFFのタイミン
グおよび光量の経時変化を制御手段内に入力しておけ
ば、閉鎖環境は面倒な人的操作を行うことなく必要なと
きに光の照射が行われている状況になり、上記閉鎖環境
の照明管理を行う上で極めて好都合である。
【0046】上記閉鎖環境に少なくとも2種類の照明手
段から波長の異なる光が照射されるようにすれば、閉鎖
環境に少なくとも2種類の照明手段から波長の異なる光
が照射され、光はより自然光に近づき閉鎖環境はより自
然に近づいた状態になる。
【0047】上記光源として360nm〜440nmの
平均波長の光(短波長光)を照射する短波長照明手段
と、640nm〜830nmの平均波長の光(長波長
光)を照射する長波長照明手段とを設ければ、これら2
種類の波長の光の照射により、平均値を中心として相当
の範囲の波長の光が照射されるようになることとも相俟
って、照明手段による照射光は自然光の可視光線の波長
範囲である360nm〜830nmの範囲内の波長の光
が全て含まれた状態になり、閉鎖環境はより自然に近づ
いた状況になり、動植物の育成上好都合である。
【0048】また、短波長光と長波長光の同時照射によ
って、特に植物の光合成が活発に行われるようになる。
さらに短波長光を照射する短波長照明手段からは可視光
線の下限値よりも波長の短い紫外線も照射されるため、
この紫外線の殺菌作用で閉鎖環境を清潔に保持すること
が可能になる。
【0049】さらに、短波長照明手段としての蛍光ラン
プを採用し、上記長波長照明手段としてのハロゲンラン
プを採用すれば、蛍光ランプからは360nm〜440
nmの平均波長の光が照射され、ハロゲンランプからは
640nm〜830nmの平均波長の光が賞され、容易
に閉鎖環境内を自然環境に近づけることが可能になる。
そして、ハロゲンランプを用いているため、閉鎖環境が
水槽である場合など、水槽内の隅々まで光がよくとど
き、観賞上好都合である。また、上記波長範囲の蛍光ラ
ンプおよびハロゲンランプは民生品として安価に入手可
能であるため、民生品を適用して育成装置の製造コスト
を低減させることができ、結果として育成装置を需要者
に安価に供給することができる。
【0050】加えて、閉鎖環境の温度を調節するために
冷却装置および加温装置の双方またはいずれか一方を設
ければ、それらを適宜稼働させることによって閉鎖環境
内の温度を常に適温に管理することが可能になり、動植
物の育成上有効である。
【0051】特に、照明手段の照射によって閉鎖環境の
温度が上昇した場合には、冷却装置を駆動させることに
よって上昇した温度を低下させることが可能になる。そ
して長波長照明手段からは赤外線が放射されるため、閉
鎖環境の温度は上昇しがちになるが、閉鎖環境の温度制
御上このような冷却装置は威力を発揮する。
【0052】そして、特に上記閉鎖環境への光の照射を
自然環境に合致させるように制御すれば、閉鎖環境は自
然環境が再現された状態になるため、閉鎖環境下で生育
している動植物の閉環境ストレスが緩和され、自然な成
長の促進が行われる等正常な動植物の育成上好都合であ
る。
【0053】また、自然環境に合致するように徐々に照
明手段に電力を供給するようにすれば、例えば照明手段
としてハロゲンランプを適用したような場合には、照明
手段の寿命を延長させることが可能になる。
【0054】さらに、上記少なくとも2種類の照明手段
から照射されるそれぞれの光量の割合を経時的に調節す
るようにすれば、閉鎖環境内に好む波長の範囲が異なる
動植物が同居している場合、少なくとも2種類の照明手
段から照射されるそれぞれの光量の割合を経時的に調節
することによって、時間分割でそれぞれの好む波長の光
を動植物に与えることができ、異種類の動植物の共存育
成上有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉鎖環境下における動植物の育成
装置の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図1の育成装置の制御系統を説明するための説
明図である。
【図3】時刻に応じて変化させる光量の推移を例示する
グラフである。
【図4】短波長照明手段および長波長照明手段から照射
される短波長光および長波長光の光量の割合を経時的に
変化させた状況を例示するグラフである。
【符号の説明】
1 水槽 11 本体部 12 底板 13 上縁部材 14 足場 2 照明器具支持体 21 角筒状本体 22 カバー体 3 ハロゲンランプ 4 蛍光ランプ 5 ファン 6 制御手段 61 タイマー 62 温度センサ 7 電力調整機構 W 貯水

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外界と隔離状態の動植物の生存空間が形
    成され、かつ、この生存空間が外界から観察可能に構成
    された閉鎖環境下における動植物の育成装置において、
    上記閉鎖環境に光を供給する光源が設けられ、この光源
    のON・OFFおよび光量を制御する制御手段が設けら
    れていることを特徴とする閉鎖環境下における動植物の
    育成装置。
  2. 【請求項2】 上記光源は少なくとも2種類の360n
    m〜440nmの平均波長の光を照射する短波長照明手
    段と、640nm〜830nmの平均波長の光を照射す
    る長波長照明手段とから形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の閉鎖環境下における動植物の育成装
    置。
  3. 【請求項3】 上記短波長照明手段として蛍光ランプが
    適用され、上記長波長照明手段としてハロゲンランプが
    適用されていることを特徴とする請求項2記載の閉鎖環
    境下における動植物の育成装置。
  4. 【請求項4】 上記閉鎖環境の温度を低下させる冷却装
    置が設けられていることを特徴とする請求項1、2、ま
    たは3記載の閉鎖環境下における動植物の育成装置。
  5. 【請求項5】 上記閉鎖環境の温度を上昇させる加温装
    置が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3
    または4記載の閉鎖環境下における動植物の育成装置。
  6. 【請求項6】 外界と隔離状態の動植物の生存空間が形
    成され、かつ、この生存空間が外界から観察可能に構成
    された閉鎖環境下における動植物の育成方法において、
    上記生存空間に光を供給する光源を設け、この光源のO
    N・OFFおよび光量を経時的に制御することを特徴と
    する閉鎖環境下における動植物の育成方法。
  7. 【請求項7】 上記光源による上記閉鎖環境への光の照
    射を自然環境に合致させるように制御することを特徴と
    する請求項6記載の閉鎖環境下における動植物の育成方
    法。
  8. 【請求項8】 上記光源は波長の異なる光を照射する少
    なくとも2種類の照明手段から形成し、これら少なくと
    も2種類の照明手段から照射されるそれぞれの光量の割
    合を経時的に調節することを特徴とする請求項6記載の
    閉鎖環境下における動植物の育成方法。
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