JP4760797B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般産業機械、航空機器等の動力伝達系に用いられ、入力軸に加わる規定値以上の入力トルクが出力軸に伝達することを防止するトルク制限機構を有する駆動力伝達装置に関する。
従来から、従来、入力軸が回転駆動力の入力を受け付け、出力軸がこの入力軸から回転駆動力の伝達を受けて回動し、出力軸側から入力軸側には回転駆動力が伝達されないようにしている種々の駆動力伝達装置が考えられている。特に、出力軸側に正逆両方向の逆駆動力が作用するような場合には、ウォームギア等を利用してその逆駆動力が入力軸側に伝達されるのを阻止するようにした駆動力伝達装置が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
また、何らかの理由で出力軸の回転に大きな摩擦を受けるようになったのを受け、この出力軸を無理に回転させようとすべく入力軸に所定以上の大きな駆動力が入力された際に、出力軸への駆動力の伝達を抑制するトルク制限機構を有する駆動力伝達装置も種々考えられている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平9−86430号公報 特開2007−120535号公報
ところで、特許文献1記載のようなウォームギアを利用する態様は、入力軸側から出力軸側への動力伝達効率と比較してその逆方向の動力伝達効率が著しく低く、出力軸側に入力された回転駆動力が入力軸側にほとんど伝達されないことを利用している。しかし、ウォームギアを利用した場合、入力軸側から出力軸側への動力伝達効率も高くないので、出力軸側に接続した各種機構を作動させる際に入力軸側に非常に大きな駆動力を入力する必要がある場合がある。また、出力軸側から入力軸側への動力伝達効率は温度や潤滑油量等に左右され不安定であるので、出力軸側に駆動力が入力された際に出力軸の回動を抑止する制動性能もまた不安定であり、必ずしも所望の制動性能が得られない場合もある。
また、不可逆機構とトルク制限機構との両方を駆動力伝達装置に備えさせるようにすると、従来は不可逆機構とトルク制限機構とを直列に接続するほかななく、従って、部品点数が増大し、さらにこのような動力伝達装置を収納するケーシングを大きなものとする必要がある。
本発明は、上記問題を解決するために、少ない部品点数で、入力軸から出力軸に効率よく動力を伝達できるとともに、安定した制動性能を有し、トルク制限機能を兼ね備えた駆動力伝達装置を実現するものである。
すなわち、本発明に係る動力伝達装置は、駆動力の入力を受け付ける入力軸と、この入力軸と一体的に回動可能な出力軸と、この出力軸の回転を軸心方向への付勢力を利用して抑止する制動機構と、この制動機構による出力軸の回転の抑止状態を前記入力軸に入力された駆動力を利用して解除すべく、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸からのトルクを感知するボール及びこのボールを収めるボールランプを有するボールランプ部を利用して形成した制動解除機構とを具備するものであって、前記ボールランプ部が、入力軸の回転の際にボールと圧接して入力軸の回転トルクを前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換可能な傾斜面を有する動作変換部と、入力軸が所定以上の駆動力を受けボールが前記動作変換部の傾斜面を乗り越した際に回転トルクを前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換不可能な状態でボールを収納可能なトルク制限部とを有することを特徴とする。
このようなものであれば、制動機構により出力軸の回転を抑止し、入力軸に入力された駆動力を利用して前記抑止状態を解除するようにした上で出力軸を入力軸と一体的に回動可能にしているので、入力軸に駆動力が入力されていない状態で出力軸の回動を抑止しつつ、入力軸側から出力軸側への動力伝達効率の向上を図ることができる。その上で、入力軸が所定以上の駆動力を受けボールが前記動作変換部の傾斜面を乗り越した際には、前記トルク制限部に、回転トルクを前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換不可能な状態でボールを収納できるので、前記制御解除機構のボールランプ部に、トルク制限機構としての機能を付加することができる、従って、少ない部品点数で不可逆機構及びトルク制限機構を有する動力伝達装置を実現できる。
このようなボールランプ部を簡単な構成で実現するための態様の一つとして、ボールを斜面に圧接させることにより回転力を前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換可能な斜面部と、この斜面部と回転方向に隣接して設けられ軸心方向と平行な端面とを有するものが挙げられる。
さらに、前記ボールランプのトルク制限部が、前記傾斜面部の傾斜面と連続する逆傾斜面をさらに有するものであれば、入力軸を逆方向に回転させるとボールがこの逆傾斜面を乗り越し前記傾斜面部に移動するので、入力軸の逆方向への回転トルクを出力軸に伝達させることは許容させることができる。
本発明に係る動力伝達装置の構成によれば、入力軸が所定以上の駆動力を受けた際に、ボールが動作変換部の傾斜面を乗り越し、回転トルクを入力軸の軸心方向への作用に変換不可能な状態でボールを収納可能なボール収納部に収納されるので、不可逆機構のボールランプ部にトルク制限機構としての機能を付加することができ、少ない部品点数で制限解除機構及びトルク制限機構を有する動力伝達装置を実現できる。
本発明の好ましい実施形態を図1〜図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る駆動装置1は、図1に概略を示すように、第1の入力軸11及び第2の入力軸12から駆動力の入力を選択的に受けて最終出力軸13に接続した駆動対象Dに伝達し、この駆動対象Dを駆動する。ここで、第1の入力軸11には、制動機能を有する駆動源、例えば図示しないブレーキ機能付きモータを接続するようにしている。そして、第1の入力軸11がこの制動機能を有する駆動源からの動力を受け付けるようにしている。一方、前記第2の入力軸12には、図示しないハンドル等を接続していて、第2の入力軸12が手動による駆動力を受け付けるようにしている。
具体的には、この駆動装置1は、前記図1に示すように、本発明に係る駆動力伝達装置2と、差動機構9とを具備してなる。差動機構9は、第1、第2の入力端9a、9bと、出力端9cとを有してなり、前記第1の入力軸11から第1の入力端9aに入力された動力及び第2の入力軸12から第2の入力端9bに入力された動力を選択的に出力端9cに伝達し出力するようにしたものである。この差動機構9の第2の入力端9bと前記第2の入力軸12との間に前記駆動力伝達装置2を介設している。
さらに具体的に説明すると、前記差動機構9は、前記図1、及びこの差動機構9の概略図である図2に示すように、前記第1の入力軸11からの駆動力を受け付ける太陽歯車91と、この太陽歯車91に噛合させているとともにこの太陽歯車91の周りを公転可能である遊星歯車92と、この遊星歯車92の回転軸を保持し該遊星歯車92の公転回転力を駆動対象Dを駆動するための最終出力軸13に向け出力するキャリア93と、前記遊星歯車92に内接するとともに該遊星歯車92に噛合させてなる内歯車94a及び外周に設けられ前記第2の入力軸12からの駆動力を受け付ける外歯車94bを有する外輪94とを具備する。ここで、前記太陽歯車91が前記第1の入力端9aに相当し、前記外歯車94bが前記第2の入力端9bに相当する。さらに、前記キャリア93が前記出力端9cに相当する。
前記第1の入力軸11と前記差動機構9の第1の入力端9aたる太陽歯車91との間には、これらを接続すべく第1の歯車伝達機構110を設けている。この第1の歯車伝達機構110は、前記図1に示すように、前記第1の入力軸11に軸装させてなる第1の駆動歯車11aと、この第1の駆動歯車11aに噛合させてなる第1の従動歯車14aと、この第1の従動歯車14aを一端部に軸装するとともに前記太陽歯車91を他端部に軸装する伝達軸14とを具備する。
一方、前記差動機構9の出力端たるキャリア93と駆動対象Dを駆動するための最終出力軸13との間には、これらを接続すべく、第2の歯車伝達機構120を設けている。この第2の歯車伝達機構120は、前記図1に示すように、前記キャリア93と一体的に回転可能な出力側駆動歯車93aと、この出力側駆動歯車93aに噛合するとともに前記最終出力軸13に軸装させてなる出力側従動歯車13aと具備する。
しかして、前記駆動装置1の第2の入力軸12と前記差動機構9の外輪94との間には、上述したように前記駆動力伝達装置2を介設している。この駆動力伝達装置2は、図3に概略を示すように、前記駆動装置1の第2の入力軸12からの駆動力の入力を受け付ける入力軸3と、この入力軸3と一体的に回動可能であり駆動力を前記差動機構9の外輪94に向け出力する出力軸4と、この出力軸4の回転を抑止する制動機構5と、この制動機構5による出力軸4の回転の抑止状態を前記入力軸3に入力された駆動力を利用して解除する制動解除機構6とを具備する。
本実施形態では、図3に示すように、前記駆動装置1の第2の駆動軸12と、この駆動力伝達装置2の入力軸3とを一体的に回転可能に構成している。なお、前記駆動装置1の第2の駆動軸12及びこの駆動力伝達装置2の入力軸3を別体に構成してこれらの間に前記第2の入力軸12の回転駆動力を前記入力軸3に伝達する動力伝達部を設けてもちろんよい。
一方、この駆動力伝達装置2の出力軸4と前記差動機構9との間には、前記図1に示すように、前記差動機構9の外輪94の外歯車94bに噛合するとともに前記出力軸4に軸装させてなる手動側出力歯車4aを設けている。すなわち、前記出力軸4と前記差動機構9との間に、前記手動側出力歯車4a及び前記外歯車94bを利用した第3の歯車伝達機構を設け、この第3の歯車伝達機構により前記出力軸4と前記差動機構9の第2の入力端9bすなわち外歯車94bとを接続している。
前記駆動力伝達装置2についてさらに詳述すると、前記入力軸3は、上述したように、前記駆動装置1の第2の駆動軸12と一体的に回転可能であり、手動駆動力の入力を受け付ける。
前記出力軸4は、本実施形態では、前記図3に示すように前記入力軸3とボールランプ部7を介して一体的に回動可能に接続している。また、この出力軸4は、第1及び第2の転がり軸受41a、41bを介してケーシング8に支持させている。
前記制動機構5は、本実施形態では、前記図3に示すように、付勢力たるプリロードが作用している場合に前記ケーシング8を足場として前記出力軸4に制動を掛ける制動機構本体51と、この制動機構本体51にプリロードを作用させるためのプリロード付加手段52とを具備してなる。
さらに詳述すると、前記制動機構本体51は、前記出力軸4にスプライン結合により回転拘束された複数枚の回転プレート511と、ケーシング8にスプライン結合により回転拘束された複数枚の静止プレート512とを交互に前記出力軸4の軸方向に重合させて構成している。また、この制動機構本体51の一端側には、この制動機構本体51を矢印x方向に移動不可能にすべく、ロックナットN1及びスペーサS1を設けている。そして、この制動機構本体51に他端側からプリロードが作用している際に、前記回転プレート511と前記静止プレート512とが互いに密接し、これらの間に強い摺動摩擦力が発生するようにしている。
一方、プリロード付加手段52は、制動機構本体51に対向させて前記入力軸3に設けた圧接面3bと、この圧接面3bを設けた前記入力軸3を前記制動機構本体51に向けて矢印x方向に付勢しているプリロードスプリング521と、この圧接面3bと制動機構本体51との間に設けた第1のスラストベアリングSB1とを具備する。前記プリロードスプリング521は、本実施形態では、小さなストロークで大きな付勢力を得ることができるようにすべく、皿バネを利用して形成している。そして、このプリロードスプリング521の前記入力軸3と接する側と反対の側には、このプリロードスプリング521の矢印xと逆方向への移動を抑止すべく、ロックナットN2及びスペーサS2を配している。さらに、このプリロードスプリング521と前記スペーサS2との間には、第2のスラストベアリングSB2を設けている。そして、このプリロードスプリング521の付勢力が、前記入力軸3、及び前記第1のスラストベアリングSB1を経て、制動機構本体51にプリロードとして作用するようにしている。加えて、本実施形態では、前記ロックナットN2を矢印x方向又はその逆の方向に移動させ、プリロードスプリング521が制動機構本体51に付与する付勢力を調整することにより、プリロードの調節を行うことができるようにしている。
一方、前記制動解除機構6は、前記制動機構5の前記プリロード付加手段52の機能を弱めるか又は解除することにより、前記制動機構5を弱めるか又は機能しないようにするものである。さらに詳述すると、この制動解除機構6は、入力軸3と出力軸4との間に設けたボールランプ部7を利用して形成している。このボールランプ部7は、入力軸3からのトルクを感知するボール71と、このボール71を収めるボールランプ72とを具備する。
しかして本実施形態では、前記図4に概略を示すように、前記ボールランプ72は、入力軸3と、出力軸4との双方に形成されており、2つの傾斜面72a、72aを有し断面視略V字溝状をなしてこれら2つの傾斜面間にボール71を収納可能な傾斜面部721と、この傾斜面部721の周方向両側に設けられ、軸心方向に平行な端面72bと前記傾斜面部721の傾斜面72aと接続する逆傾斜面72cとの間にボール71を収納可能なトルク制限部722とを有する。一方、前記ボール71は、入力軸3側のボールランプ72と出力軸4側のボールランプ72とに挟まれた状態にある。通常は、前記プリロード付加手段52の作用により、前記図4の(a)に示すように、このボール71が前記ボールランプ72の傾斜面部721の傾斜面72a、72a間に位置している。そして、この駆動力伝達装置2の入力軸3が駆動機構1の第2の入力軸12から駆動力を受け付けた際に、前記ボールランプ部7が、前記入力軸3に伝達された回転トルクを前記プリロード付加手段52によるプリロードを打ち消す方向への動作に変換し、前記制動機構本体51が受けるプリロードを小さくする、又は消滅させるようにしている。具体的には、前記図4の(b)に示すように、前記ボール71が前記ボールランプ72の傾斜面72aに圧接し、入力軸3を前記プリロード付加手段52によるプリロードと逆方向に移動させつつ、前記入力軸3と前記出力軸4との間に位相差を発生させる。すなわち、前記制動機構本体51の回転プレート511と静止プレート512との間に発生する摺動摩擦力を小さくする、又は消滅させるようにしている。それから、前記入力軸3と前記出力軸4との間の位相差が所定値に達すると、その後はボール71がボールランプ72内にある状態を保ち、このボール71を介して前記入力軸3から前記出力軸4に回転駆動力の大部分が伝達されるようにしている。すなわち、前記入力軸3と前記出力軸4との間の位相差が所定値に達した後は、前記入力軸3と前記出力軸4とが一体的に移動するようにしている。また、何らかの理由で出力軸4が大きな回転摩擦力を受け、この状態で出力軸4を回転させようとすべく第2の入力軸12に大きな駆動力の入力があった際には、ボール71が前記傾斜面72aを越えてトルク制限部722に収納される。すなわち、前記図4の(c)に示す状態を経て同図の(d)に示す状態に移行する。この場合、これ以上入力軸3を回転させると、ボール71はこのトルク制限部722の端面72bに当接し、駆動装置1の第2の駆動軸12からこの駆動力伝達装置2の入力軸3に伝達された回転駆動力はボール71を介してトルク制限部722の端面72bから略全量がこの駆動力伝達装置2の出力軸4に伝達される。すなわち、前記ボール71は、回転トルクをプリロードを打ち消す方向への動作に変換不可能な状態でトルク制限部722に収納される。そして、この際には、前記プリロードの全量が制動機構本体51に作用するので、出力軸4の回転は抑制される。
ここで、本実施形態に係る駆動装置1の動作について述べる。
第1の入力軸11からの駆動力により前記駆動対象Dを駆動する際は、この第1の入力軸11からの駆動力が、まず、前記第1の駆動歯車11a、前記第1の従動歯車14a、及び伝達軸14を経て前記差動機構9の太陽歯車91に伝達され、この太陽歯車91が回転する。次いで、この太陽歯車91に噛合させた遊星歯車92がこの太陽歯車91の周りを公転する。そして、この遊星歯車92の公転回転力がキャリア93、出力側駆動歯車93a、及び出力側従動歯車13aを介して最終出力軸13に出力され、駆動対象Dが駆動される。その際、前記遊星歯車92に外輪94の内歯車94aを噛合させているので、この外輪94の外歯車94b、及びこの外歯車94bに噛合させた手動側出力歯車4aを介して出力軸4に電動駆動力が伝達される。しかし、この出力軸4には上述したように制動機構本体51の回転プレート511が接続されていて、制動機構本体51には前記プリロード付加手段52によりプリロードが付加されている。すなわち、前記回転プレート511と前記静止プレート512とは互いに密接していて、これらの間には大きな摺動摩擦力が発生し、制動機構5が機能する。このようにして、この出力軸4、及びこの出力軸4に接続した差動機構9の外輪94の回動が抑止される。従って、第1の入力軸11からの回転駆動力は前記差動機構9の外輪94の回転駆動力に空費されることなく、キャリア93、出力側駆動歯車93a、出力側従動歯車13a、及び最終出力軸13を経て前記駆動対象Dに伝達される。なお、前述した作用は、第1の駆動軸11に正転側、逆転側のいずれの回転駆動力が入力された場合であっても、同様に発生する。すなわち前記出力軸4に正転側、逆転側のいずれの回転駆動力が伝達された場合であっても、制動機構5は機能する。
一方、この駆動装置1の第1の入力軸11に接続したモータのブレーキを機能させた状態でこの駆動装置1の第2の入力軸12に駆動力の入力があった際には、まずこの駆動装置1の第2の入力軸12と前記動力伝達装置2の入力軸3とが一体的に回転する。すると、この入力軸3と出力軸4との間に位相差が発生し、制動解除機構6が機能する。具体的には、前記入力軸3は、前記ボールランプ部7から前記プリロードスプリング52による付勢力に反して出力軸4と離間する方向に作用を受ける。その際、前記プリロード付加手段52から前記制動機構本体51に付加されるプリロード、すなわち前記回転プレート511と前記静止プレート512とを互いに密接させる力が弱まり、又は消滅する。これにつれて、これら回転プレート511と前記静止プレート512との間の摺動摩擦力もまた弱まり、又は略消滅する。そして、この摺動摩擦力が入力軸3から出力軸4に伝達される回転駆動力を下回ると、出力軸4が回転する。そして、出力軸4が回転すると、この出力軸4に伝達された回転駆動力は、前記作動機構の外輪94を介して遊星歯車92の公転回転力に変換される。その一方で、上述したように第1の入力軸11に接続したモータのブレーキを機能させているので、この公転回転力は太陽歯車91の回転力に変換されることなく、キャリア93、出力側駆動歯車93a、出力側従動歯車13a、及び出力軸13を経て前記駆動対象Dに伝達される。なお、前述した作用は、第2の駆動軸12に正転側、逆転側のいずれの回転駆動力が入力された場合であっても、同様に発生する。すなわち前記入力軸4に正転側、逆転側のいずれの回転駆動力が伝達された場合であっても、制動解除機構6は機能する。そして、前述したように、何らかの理由で出力軸4が大きな回転摩擦力を受け、この状態で出力軸4を回転させようとすべく第2の入力軸12に大きな駆動力の入力があった際には、ボール71が前記傾斜面72aを越えてトルク制限部722に収納され、回転トルクをプリロードを打ち消す方向への動作に変換不可能な状態でボール71がトルク制限部722に収納される。そして、この際には、前記プリロードの全量が制動機構本体51に作用するので、出力軸4の回転は抑制される。なお、このようにボール71がトルク制限部722に収納された後に、出力軸4の回転が大きな摩擦を受ける等の問題が解消された際には、前記第2の入力軸に逆方向への回転操作力を加え、ボール71が逆傾斜面72cを乗り越えるようにすることによりボール71を動作変換部721に戻すようにしている。
本実施形態に係る駆動力伝達装置2は、以上に述べたように、入力軸3に入力された駆動力の一部をボールランプ部7により入力軸3を前記付勢力に反して移動させる作用に変換してプリロードを弱めることにより制動解除機構6を機能させ、出力軸4の制動状態を解除できるようにしている。そして、出力軸4を入力軸3と一体的に回動可能にしているので、手動入力軸Hから駆動力が入力されて入力軸3に伝達された際には、この駆動力の大部分を出力軸4側へ効率よく動力を伝達できる。その上で、入力軸3に大きな回転駆動力を受けた際には、ボール71にボールランプ72の傾斜面72aを乗り越えさせてトルク制限部722に収納させることにより、それ以上回転させた場合にはトルク制限部722の端面72bに当接して回転トルクを前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換不可能な状態にできるので、制動機構5が機能し、何らかの理由で出力軸4が大きな回転摩擦力を受けた場合にこの駆動力伝達装置2を介して回転駆動力が出力軸4に伝達されて出力軸4が回転して出力軸4の先方にある機構を破壊するなどの不具合の発生を防ぐことができる。すなわち、これらボール71及びボールランプ72を有するボールランプ部7を利用して、不可逆機構だけでなくトルク制限機構を構成することもでき、少ない部品点数で制限解除機構及びトルク制限機構を有する動力伝達装置を実現できる。
さらに、制動機構5の構成は出力軸4の回動を直接的に抑止するものであるので、より安定した制動性能の実現を図ることもできる。すなわち、本実施形態では、前記制動機構本体51が生成する制動力が回転プレート511と静止プレート512との間に発生する摺動摩擦力であるので、温度や潤滑油量等に左右されず、制動機構5に所定の摺動摩擦力を発生させることができる。
なお、本発明は、以上に述べたような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上述した実施形態において、トルク制限部は、軸心方向に平行な端面と、軸心方向に対して傾斜を有する傾斜面とを有し、ボールが動作変換部の傾斜面を乗り越した際のボールの動作の延長上に端面を設けているが、軸心方向に平行な端面をボールの回転動作方向両側に設けてももちろんよい。
また、駆動源側から回転駆動力の入力を受け付けて駆動対象側へ回転駆動力を効率よく伝達する必要があるとともに、駆動対象側から駆動源側への回転駆動力の伝達を抑止する必要がある箇所全般に、本発明に係る駆動力伝達装置を用いてもよい。本発明に係る駆動力伝達装置の入力軸を駆動源側に、該駆動力伝達装置の出力軸を駆動対象側に接続すれば、駆動対象側から出力軸に回転駆動力の入力があった場合に出力軸の回転を抑止しつつ、駆動源側から入力軸に回転駆動力の入力があった場合には制動解除機構を機能させつつ入力軸と出力軸とを一体的に回転させ、入力された回転駆動力の大部分を出力軸の回転駆動力として伝達できるからである。なお、駆動源側は、モータや内燃機関等から供給される作動力を駆動軸に伝達する構成の入力部を前記入力軸に接続する構成でもよい。また、駆動源側は、手動による駆動力をハンドル等の入力受付手段により受け付け駆動軸に伝達する構成の入力部を前記入力軸に接続する構成でもよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
本発明の一実施形態を示す駆動力伝達装置を利用した駆動装置を示す概略図。 同実施形態における駆動装置に用いられる差動機構を示す概略図。 同実施形態における駆動力伝達装置を示す概略図。 同実施形態におけるボールランプ部を示す概略図。
符号の説明
2…駆動力伝達装置
3…入力軸
4…出力軸
5…制動機構
6…制動解除機構
7…ボールランプ部
71…ボール
72…ボールランプ
721…動作変換部
722…ボール収納部

Claims (3)

  1. 駆動力の入力を受け付ける入力軸と、この入力軸と一体的に回動可能な出力軸と、この出力軸の回転を軸心方向への付勢力を利用して抑止する制動機構と、この制動機構による出力軸の回転の抑止状態を前記入力軸に入力された駆動力を利用して解除すべく、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸からのトルクを感知するボール及びこのボールを収めるボールランプを有するボールランプ部を利用して形成した制動解除機構とを具備するものであって、
    前記ボールランプ部が、入力軸の回転の際にボールと圧接して入力軸の回転トルクを前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換可能な傾斜面を有する動作変換部と、入力軸が所定以上の駆動力を受けボールが前記動作変換部の傾斜面を乗り越した際に回転トルクを前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換不可能な状態でボールを収納可能なトルク制限部とを有することを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 前記ボールランプが、ボールを傾斜面に圧接させることにより回転力を前記付勢力を打ち消す方向への動作に変換可能な動作変換部たる傾斜面部と、この傾斜面部と回転方向に隣接して設けられ、軸心方向と平行な端面とを有するトルク制限部とを有することを特徴とする請求項1記載の駆動力伝達装置。
  3. 前記ボールランプのトルク制限部が、前記傾斜面部の傾斜面と連続する虐政斜面をさらに有することを特徴とする請求項2記載の駆動力伝達装置。
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