JP2007120535A - トルク伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルク制限機構と非可逆機構とを備えながらも、部品点数削減化、重量軽減化、及び低コスト化が可能なトルク伝達装置を提供する。
【解決手段】一般産業機械、航空機器等の動力伝達系に用いられ、入力軸1に加わる規定値以上の入力トルクが出力軸2に伝達することを防止するトルク制限機構Pと、出力軸2に加わるバックドライブトルクが入力軸1に伝達することを防止する非可逆機構Qとを具備する装置であって、前記トルク制限機構Pが、第1動作変換部P1と、トルク断続部P2とを備えてなるものであり、前記非可逆機構Qが、位相差発生部Q1と、第2動作変換部Q2と、ブレーキ部Q3とを備えてなるものであり、さらに前記第1動作変換部P1の一部と第2動作変換部Q2の一部とを共通の部材で構成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般産業機械、航空機器等の動力伝達系に用いられ、入力軸に加わる規定値以上の入力トルクが出力軸に伝達することを防止するトルク制限機構と、出力軸に加わるバックドライブトルクが入力軸に伝達することを防止する非可逆機構とを有するトルク伝達装置に関する。
従来から、入力軸に加わる規定値以上の入力トルクが出力軸に伝達することを防止するトルク制限機構と、出力軸に加わるバックドライブトルクが入力軸に伝達することを防止する非可逆機構とを有するトルク伝達装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
米国特許第5944148号明細書
しかしながら、従来の構成では、同一ASSY(例えば、FLAP ACUTUATOR)内でトルク制限機能と非可逆機能とが要求される場合、各々別要素としてレイアウトされる。
このように、別要素としてレイアウトすると、ハウジングの巨大化等により重量増加及び加工、材料コストが高騰する傾向にあるといった問題点を有している。また、システム上に構成される場合においても、別ASSYとしてレイアウトされることにより、より多くの結合部(カップリング等)を必要とし、重量、コストが多大にかかるといった問題点を有している。さらに、これらの機構自身においても別要素となることにより部品点数の増加につながり、材料、加工コストの増加を招来するといった問題点を有している。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、トルク制限機構と非可逆機構とを備えながらも、部品点数削減化、重量軽減化、及び低コスト化が可能なトルク伝達装置を提供することにある。
すなわち、本発明のトルク伝達装置は、一般産業機械、航空機器等の動力伝達系に用いられ、入力軸に加わる規定値以上の入力トルクが出力軸に伝達することを防止するトルク制限機構と、出力軸に加わるバックドライブトルクが入力軸に伝達することを防止する非可逆機構とを具備する装置であって、前記トルク制限機構が、前記入力軸に規定値以上の入力トルクが加わった際に、その入力トルクによる前記入力軸の回転動作を利用して軸方向変位を発生させる第1動作変換部と、当該第1動作変換部で前記軸方向変位が生じていない場合に入力トルクを前記出力軸に伝達するトルク伝達状態と、前記第1動作変換部で発生した前記軸方向変位に応じて前記トルク伝達状態を解除するトルク伝達解除状態との間で作動するトルク断続部とを備えてなるものであり、前記非可逆機構が、正転時には一対のプレート同士を同一位相で回転させる一方、バックドライブトルクが加わった際には、前記一対のプレート間に回転方向位相差を発生する位相差発生部と、位相差発生部での回転方向位相差の発生により作動を開始し、バックドライブトルクによる出力軸の回転動作を利用して軸方向変位を発生させる第2動作変換部と、前記第2動作変換部で発生した軸方向変位に応じて出力軸の回転動作を妨げる摩擦トルクを増大させるブレーキ部とを備えてなるものであり、さらに前記第1動作変換部の一部と第2動作変換部の一部とを共通の部材で構成していることを特徴とする。
このようなものであれば、入力軸側から駆動する場合に、規定値以上のトルクが入力されると、第1動作変換部が作動し、これによりトルク断続部がトルク伝達解除状態となるため、確実にそのトルク値以上が出力軸側に伝達することを防止することができる。また、出力軸にバックドライブトルクが加わった場合には、第2動作変換部が動作してブレーキ部に出力軸の回転動作を妨げる摩擦トルクを発生させるため、確実にブレーキをかけ、そのトルクを入力側に伝達することを防止することができる。また、第1動作変換部の一部と第2動作変換部の一部とを共通の部材で構成しているため、部品点数削減化、重量軽減化、及び低コスト化を行うことができる。
すなわち、トルク制限機構と非可逆機構とを備えながらも、部品点数削減化、重量軽減化、及び低コスト化が可能なトルク伝達装置を提供することができる。
本発明の望ましい態様としては、前記第1動作変換部が、対をなす第1プレート及びこれら第1プレート間の安定位置又は乗り上げ位置で保持する第1ボールを備えてなり且つ規定値以上の入力トルクを受けた際に第1ボールを安定位置から乗り上げ位置に移動させ一方の第1プレートを軸方向変位させる第1ボールランプ部と、前記第1ボールを安定位置で保持し、且つ規定トルクを決定するように第1ボールランプ部を付勢する第1付勢部材とを備えてなるものであり、前記第2動作変換部が、前記一対のプレートとしての対をなす第2プレート及びこれら第2プレート間の安定位置又は乗り上げ位置で保持する第2ボールを備えてなり且つバックドライブトルクを受けた際に第2ボールを安定位置から乗り上げ位置に移動させ一方の第2プレートを軸方向変位させる第2ボールランプ部と、前記第2ボールを安定位置で保持し、且つ第2ブレーキ部に初期摩擦トルクを発生するように第2ボールランプ部及びブレーキ部を付勢する第2付勢部材とを備えてなるものであり、前記一方の第1プレートと一方の第2プレートとを共通の部材で構成しているものが挙げられる。
以上説明したように本発明のトルク伝達装置によれば、入力軸側から駆動する場合に、規定値以上のトルクが入力されると、第1動作変換部が作動し、これに応じてトルク断続部がトルク伝達状態からトルク伝達解除状態となるため、規定値以上のトルクが出力軸側に伝達することを確実に防止することができる。また、出力軸にバックドライブトルクが加わった場合には、第2動作変換部が動作してブレーキ部に出力軸の回転動作を妨げる摩擦トルクを発生させるため、確実にブレーキをかけ、そのトルクを入力側に伝達することを防止することができる。また、第1動作変換部の一部と第2動作変換部の一部とを共通の部材で構成しているため、部品点数削減化、重量軽減化、及び低コスト化を行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るトルク伝達装置Zは、図1に示すように、入力軸1と、出力軸2と、これら入力軸1及び出力軸2の共通の軸心m上に回動可能に配されトルク伝達用のトルク伝達体3と、このトルク伝達体3の一部を環装する位置に設けた作動体4と、この作動体4の一部をさらに環装する位置に設けた外側作動体5と、これら各部を収容するためのハウジング6とを具備するに加え、これら各部を利用して、入力軸1に加わる規定値以上の入力トルクが出力軸2に伝達することを防止するトルク制限機構Pと、出力軸2に加わるバックドライブトルクが入力軸1に伝達することを防止する非可逆機構Qとしての機能を発揮するように構成している。以下、各部を具体的に説明する。
入力軸1は、出力側を入力側よりも拡開させた開口部11を有し、この開口部11内にトルク制限機構Pの一部及び非可逆機構Qの一部を配してなるようにしたものである。
出力軸2は、入力側を出力側よりも拡開させた開口部21を有し、この開口部21内にトルク制限機構Pの一部を配してなるようにしたものである。
トルク伝達体3は、前記軸心mに沿って伸びる略軸状のトルク伝達体本体31と、このトルク伝達体本体31の入力側の端部近傍から略直角に外側へ屈曲させた略環状の鍔部32とを一体に備えたものである。そして、本実施形態では、トルク伝達体本体31の出力側の端部が、ベアリングb1を介して外側出力軸部21をその内側から支持する一方、鍔部32の近傍部位が、ベアリングb2を介して入力軸1をその内側から支持するようにしている。
作動体4は、前記軸心mに沿って伸びる略円筒状の作動体本体41と、この作動体本体41の入力側の端部から略直角に外側及び内側へ屈曲させた略環状の第1鍔部42と、作動体本体41の出力側の端部から略直角に外側へ屈曲させた略環状の第2鍔部43とを一体に備えたものである。
外側作動体5は、前記軸心mに沿って伸びる略円筒状の外側作動体本体51と、この外側作動体本体51の入力側の端部から略直角に外側へ屈曲させた略環状の鍔部52とを一体に備えたものである。
トルク制限機構Pは、常時は入力トルクを出力軸2に伝達し、且つ、入力軸1に規定値以上の入力トルクが加わった際に、その入力トルクによる入力軸1の回転動作を利用して軸方向変位を発生させる第1動作変換部P1と、第1動作変換部P1で軸方向変位が生じていない場合に入力トルクを出力軸2に伝達するトルク伝達状態(図1参照)と、第1動作変換部P1で発生した軸方向変位に応じてトルク伝達状態を解除するトルク伝達解除状態(図示省略)との間で作動するトルク断続部P2とを備えてなるものである。
より具体的に、第1動作変換部P1は、トルク伝達体3の鍔部32及び作動体4の第1鍔部42(これら鍔部32と第1鍔部42とが本願発明の「対をなす第1プレートP111」に相当する)と、これら鍔部32と第1鍔部42との間の、図示する安定位置又は乗り上げ位置(図示省略)で保持する第1ボールP112とから構成されてなり且つ規定値以上の入力トルクを受けた際にその入力トルクに対応した第1ボールランプ部P11で発生する軸力が第1付勢部材P12の付勢力に打ち勝つため第1ボールP112を安定位置から乗り上げ位置に移動させ作動体4を軸方向変位させる第1ボールランプ部P11と、第1ボールP112を安定位置で保持し、且つ規定トルクを決定するように作動体4を付勢する第1付勢部材P12とを備えてなるものである。本実施形態では、第1付勢部材P12に、バックドライブトルクにて第1ボールランプ部P11で発生する軸力では撓まないだけの荷重を有するスプリングを用いている。そして、この第1付勢部材P12を、トルク伝達体本体31の外側と作動体本体41の内側とに配しつつ、その一端部がトルク伝達体本体31の外周に設けた突出部311に当接支持され、他端部が作動体4の第1鍔部42の一部に当接支持されるようにしている。なお、第1ボールランプ部P11及び後述する第2ボールランプ部Q21の具体的な構成については、特願2005−028161号記載の「出力側ボールランプ部」と同様であるので説明を省略する。
トルク断続部P2は、トルク伝達体本体31の外周にスプライン嵌合され且つトルク伝達体3と同期回転する第1挟持部材P21と、この第1挟持部材P21に対して進退移動可能に設けられている第2挟持部材P22と、第1挟持部材P21に所定ピッチでスプライン嵌合され且つトルク伝達体3と同期回転する複数の第1摩擦板P23と、これら各第1摩擦板P23間に介在させて設けられ出力軸2の内周にスプライン嵌合されている複数の第2摩擦板P24と、これら第1摩擦板P23と第2摩擦板P24とが相互に押圧する方向に前記第2挟持部材P22を付勢し且つこれら第1摩擦板P23と第2摩擦板P24に摩擦トルクを発生させる第3付勢部材P25と、トルク伝達状態を解除するトルク伝達状態解除部材P26とを備えたものである。
第1挟持部材P21は、トルク伝達体本体31の外周にスプライン嵌合可能な嵌合部を有し且つ前記軸心mと略平行な略円筒状の第1円筒部P211と、この第1円筒部P211の入力側の端部から略直角に外側へ屈曲させた略環状の鍔部P212と、鍔部P212の所定部位から前記軸心mと略平行をなすように出力軸2側に向かって延伸する第2円筒部P213とを一体に有するものである。そして、第1円筒部P211と鍔部P212との接続部位がトルク伝達体本体31の外周に設けた突出部311に当接することにより第1挟持部材P21がそれ以上入力軸1側へ移動することを防止している。また、鍔部P212のうち、第2円筒部P213よりも内側の所定部位に軸心m方向に沿って貫通し且つ後述するトルク伝達状態解除部材P26の挿通軸部P261が挿通可能な貫通孔P214を形成している。さらに、第2円筒部P213の外側に、内面部を第2円筒部P213に当接又は近接させ且つ一端部を鍔部P212に当接又は近接させてなるスペーサSを配置している。
第2挟持部材P22は、第1挟持部材P21の第2円筒部P213の内側に当接又は近接し且つ前記軸心mと略平行な略円筒状の第1円筒部P221と、この第1円筒部P221の出力側の端部から略直角に外側へ屈曲させた略環状の鍔部P222と、鍔部P222の入力側の端部から入力軸1側に向かって延出する第2円筒部P223とを一体に備えたものである。そして、この第2円筒部P223と、第1挟持部材P21に関連付けて設けた前記スペーサSとの間に、前記複数の第1摩擦板P23と、前記複数の第2摩擦板P24とを前記軸心mと平行な方向に相互に重なり合うように配列し、第3付勢部材P25によって第2挟持部材P22を第1挟持部材P21に近付く方向に付勢することにより、これら第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24が第2円筒部P223とスペーサSとの間で挟持された状態となり、これら第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24に軸方向荷重が作用し、摩擦トルクが発生する。このように、第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24に摩擦トルクが発生している状態が「トルク伝達状態」である。本実施形態では、第3付勢部材P25として、スプリングを適用している。
トルク伝達状態解除部材P26は、第1挟持部材P21の鍔部P212に形成した貫通孔P214に挿通可能な略棒状の挿通軸部P261と、挿通軸部P261の入力側の端部から略直角に外側へ屈曲させた略環状の鍔部P262とを一体に備えたものである。挿通軸部P261の先端部(出力側の端部)が第2挟持部材P22の第1円筒部P221の一端部(入力側の端部)に当接し且つ、鍔部P262と第1挟持部材P21の鍔部P212とが軸方向に沿って若干離間している。
非可逆機構Qは、正転時には作動体4の第1鍔部42及び外側作動体5の鍔部52(これら第1鍔部42と鍔部52とが本願発明の「対をなす第2プレートQ211」に相当する)を同一位相で回転させる一方、バックドライブトルクが加わった際には、第1鍔部42及び鍔部52に回転方向位相差を発生する位相差発生部Q1と、位相差発生部Q1での回転方向位相差の発生により作動を開始し、バックドライブトルクによる出力軸2の回転動作を利用して軸方向変位を発生させる第2動作変換部Q2と、前記第2動作変換部Q2で発生した軸方向変位に応じて出力軸2及び作動体4の回転動作を妨げる摩擦トルクを増大させるブレーキ部Q3とを備えてなるものである。
より具体的に、位相差発生部Q1は、非可逆機構Qが作用している場合は、入力軸1にキー結合される第1鍔部42及び鍔部52とによって、回転方向位相差が発生するようにし、且つ、このキー結合部分に、その回転方向位相差を十分吸収できるだけの方向余裕を持たせるように構成したものである。
第2動作変換部Q2は、作動体4の第1鍔部42及び外側作動体5の鍔部52(すなわち、対をなす第2プレートQ211)と、これら第1鍔部42と鍔部52との間の、図示する安定位置又は乗り上げ位置(図示せず)で保持する第2ボールQ212とから構成されてなり且つバックドライブトルクを受けた際に第2ボールQ212を安定位置から乗り上げ位置に移動させ鍔部52を軸方向変位させる第2ボールランプ部Q21と、前記第2ボールQ212を安定位置で保持するように外側作動体本体51を付勢する第2付勢部材Q22とを備えてなるものである。本実施形態では、第2付勢部材Q22として、ブレーキ部Q3に初期摩擦トルクを発生させるスプリングを適用している。そして、この第2付勢部材Q22を、その一端部が作動体4の第2鍔部43に当接支持され、他端部がブレーキ部Q3の第1摩擦板Q31、第2摩擦板Q32に間接的に当接支持されるようにしている。
ブレーキ部Q3は、外側作動体本体51の外周にスプライン嵌合されている複数の第1摩擦板Q31と、ハウジング6の内周にスプライン嵌合されている複数の第2摩擦板Q32とを備え、これら第1摩擦板Q31及び第2摩擦板Q32を、前記軸心mと平行な方向に相互に重なり合うように配列したものである。なお、本実施形態では、このブレーキ部Q3が、最大バックドライブトルクに対して十分対抗できるだけの摩擦トルクが発生できるように構成している。
以下、トルク伝達装置Zの動作について具体的に説明する。
(1)入力軸1からドライブする場合
1)入力軸1からトルクを入力すると、非可逆機構Qが作動している場合は、入力軸1の回転により、作動体4及び外側作動体5間の回転位相差を戻すとともに、第2ボールランプ部Q21の軸方向変位を戻すため、ブレーキ部Q3のブレーキトルクが解除されて、入力軸1から、作動体4、第1ボールP112及びトルク伝達体3(すなわち第1ボールランプ部P11)を介して出力軸2にトルクを伝達することができる。
2)入力軸1に規定値以上のトルクが入力されると、第1ボールランプ部P11で発生する軸力が、第1付勢部材P12の付勢力に打ち勝ちトルク伝達体3の鍔部32と作動体4の第1鍔部42との間に軸方向変位が発生する。
このとき、第2ボールランプ部Q21は、入力軸1の回転により、同位相を維持するため、この第2ボールランプ部Q21の軸方向変位は発生しない。
3)トルク伝達体3の鍔部32及び作動体4の第1鍔部42間の軸方向変位により、作動体4の第2鍔部43がトルク伝達状態解除部材P26の鍔部P262に接触し、これにより、トルク伝達状態解除部材P26が第3付勢部材P25の付勢力に抗して第1挟持部材P21に近付く方向に押圧され、トルク伝達状態解除部材P26の挿通軸部P261に圧接される第2挟持部材P22が第1挟持部材P21から離間する方向に軸心mに沿って移動し、トルク断続部P2の第2挟持部材P22、第1摩擦板P23、第2摩擦板24のみに作用していた第3付勢部材P25の軸方向荷重がトルク伝達状態解除部材P26に分散する。そして、入力トルクの増加に伴い、トルク伝達状態解除部材P26へ分散される荷重の割合がトルク断続部P2の第2挟持部材P22、第1摩擦板P23、第2摩擦板24へ分散される荷重の割合よりも大きくなり、トルク断続部P2の第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24に発生している軸方向荷重を低減し、発生摩擦トルクを低下させる。したがって、トルク断続部P2の第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24の許容摩擦トルクよりも入力トルクが大きい場合、トルク断続部P2の第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24がそれぞれ空転し、これら第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24に摩擦トルクが発生していない「トルク伝達解除状態」となる。
4)このように、入力軸1から規定値以上のトルクが入力された場合、トルク断続部P2がトルク伝達解除状態となることにより、規定値以上のトルクを出力軸2に伝達することを防止するトルク制限を好適に行うことができる。また、この際、入力軸2からの回転を停止させることがなく、システム急停止によるサージトルクの発生をも有効に防止することができる。
(2)出力軸2側からバックドライブされた場合
1)第2付勢部材Q22の初期プリロードによりブレーキ部Q3に、初期摩擦トルクが発生している。
2)出力側バックドライブトルクにより、第2ボールランプ部Q21にて軸力が発生するため、ブレーキ部Q3の摩擦トルクが増加する。このとき、バックドライブトルクはトルク制限規定値より小さいため、第1ボールランプ部P11はロードパスのみであり、作動はしない。すなわち、第1付勢部材P12は、バックドライブトルクによっては撓まない。また、第2ボールランプ部Q21で発生する軸力は、作動体4→第2ボールQ212→外側作動体5→ブレーキ部Q3→第2付勢部材Q22→作動体4をループしているため、第1付勢部材P12に伝達されることはない。
3)ブレーキ部Q3は、最大バックドライブトルクに対して十分対抗できるだけの摩擦トルクが発生できるように構成されているため、バックドライブトルクと摩擦トルクとが釣り合う状態となり、入力軸1側にトルクが伝達することを防止できる。
このように、本実施形態に係るトルク伝達装置Zによれば、入力軸1側から駆動する場合に、規定値以上のトルクが入力されると、第1動作変換部P1の第1ボールランプ部P11が軸方向変位を起こし、この軸方向変位に応じてトルク断続部P2の第1摩擦板P23及び第2摩擦板P24に発生している軸方向荷重を低減させて、発生摩擦トルクを低下させることによりトルク断続部P2の空転作動を発生させ、その結果、入力軸1の回転を停止させることなく規定値以上のトルクが出力軸2へ伝達されることを確実に防止することができる。また、出力軸2にバックドライブトルクが加わった場合には、第2動作変換部Q2の第2ボールランプ部Q21が動作してブレーキ部Q3に出力軸2の回転動作を妨げる摩擦トルクを発生させるため、確実にブレーキをかけ、そのトルクを入力側に伝達することを防止することができる。また、第1動作変換部P1の一部と第2動作変換部Q2の一部とを共通の部材(すなわち、第1ボールランプ部P11及び第2ボールランプ部Q21にそれぞれ共通に用いる作動体4)で構成しているため、部品点数削減化、重量軽減化、及び低コスト化を行うことができる。
すなわち、トルク制限機構Pと非可逆機構Qとを備えながらも、部品点数削減化、重量軽減化、及び低コスト化が可能なトルク伝達装置Zを提供することができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、入力軸や出力軸などの形状は、本実施形態のものに限られず、実施態様に応じて適宜変更可能である。
また、第1動作変換部及び第2動作変換部に、ボールランプ部を用いているが、軸力又は軸方向変位を適宜発生させ得る機構(例えばローラや楔を利用したものなど)を用いることができる。
また、トルク断続部は、トルク伝達状態とトルク伝達解除状態との間で作動するものであればよく、具体的形状や構成を適宜変更しても構わない。
また、各付勢部材として、皿ばね等を適用してもよい。
トルク伝達体、作動体、外側作動体などの構成や形状や配置についても本実施形態のものに限られず、実施態様に応じて適宜変更可能である。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係るトルク伝達装置の構造断面を模式的に示す図。
符号の説明
1・・・・・・入力軸
2・・・・・・出力軸
4・・・・・・共通の部材(作動体)
P・・・・・・トルク制限機構
P1・・・・・第1動作変換部
P2・・・・・トルク断続部
P11・・・・第1ボールランプ部
P12・・・・第1付勢部材
P111・・・第1プレート
P112・・・第1ボール
Q・・・・・・非可逆機構
Q1・・・・・位相差発生部
Q2・・・・・第2動作変換部
Q3・・・・・ブレーキ部
Q21・・・・第2ボールランプ部
Q22・・・・第2付勢部材
Q211・・・第2プレート
Q212・・・第2ボール
Z・・・・・・トルク伝達装置

Claims (2)

  1. 一般産業機械、航空機器等の動力伝達系に用いられ、入力軸に加わる規定値以上の入力トルクが出力軸に伝達することを防止するトルク制限機構と、前記出力軸に加わるバックドライブトルクが前記入力軸に伝達することを防止する非可逆機構とを具備する装置であって、
    前記トルク制限機構が、
    前記入力軸に規定値以上の入力トルクが加わった際に、その入力トルクによる前記入力軸の回転動作を利用して軸方向変位を発生させる第1動作変換部と、
    当該第1動作変換部で前記軸方向変位が生じていない場合に入力トルクを前記出力軸に伝達するトルク伝達状態と、前記第1動作変換部で発生した前記軸方向変位に応じて前記トルク伝達状態を解除するトルク伝達解除状態との間で作動するトルク断続部とを備えてなるものであり、
    前記非可逆機構が、
    正転時には一対のプレート同士を同一位相で回転させる一方、バックドライブトルクが加わった際には、前記一対のプレート間に回転方向位相差を発生する位相差発生部と、
    当該位相差発生部での回転方向位相差の発生により作動を開始し、バックドライブトルクによる前記出力軸の回転動作を利用して軸方向変位を発生させる第2動作変換部と、
    当該第2動作変換部で発生した軸方向変位に応じて前記出力軸の回転動作を妨げる摩擦トルクを増大させるブレーキ部とを備えてなるものであり、
    さらに前記第1動作変換部の一部と第2動作変換部の一部とを共通の部材で構成していることを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 前記第1動作変換部が、対をなす第1プレート及びこれら第1プレート間の安定位置又は乗り上げ位置で保持する第1ボールを備えてなり且つ規定値以上の入力トルクを受けた際に前記第1ボールを安定位置から乗り上げ位置に移動させ一方の第1プレートを軸方向変位させる第1ボールランプ部と、前記第1ボールを安定位置で保持し、且つ規定トルクを決定するように前記第1ボールランプ部を付勢する第1付勢部材とを備えてなるものであり、
    前記第2動作変換部が、前記一対のプレートとしての対をなす第2プレート及びこれら第2プレート間の安定位置又は乗り上げ位置で保持する第2ボールを備えてなり且つバックドライブトルクを受けた際に前記第2ボールを安定位置から乗り上げ位置に移動させ一方の第2プレートを軸方向変位させる第2ボールランプ部と、前記第2ボールを安定位置で保持し、且つ前記ブレーキ部に初期摩擦トルクを発生するように前記第2ボールランプ部及び前記ブレーキ部を付勢する第2付勢部材とを備えてなるものであり、
    前記一方の第1プレートと一方の第2プレートとを共通の部材で構成していることを特徴とする請求項1記載のトルク伝達装置。
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