JPWO2015162791A1 - 非可逆機構 - Google Patents

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Abstract

この非可逆機構(1)は、回転可能な入力軸(3)と、入力軸に従って回転する出力軸(4)と、出力軸側からのバックドライブトルクを軸方向力に変換する変換機構(5)と、第1ブレーキ面(61)を有するブレーキ部(6)と、出力軸と一体回転するように設けられ、変換機構の軸方向力に応じて第1ブレーキ面に押圧される第2ブレーキ面(56)とを備える。第1ブレーキ面および第2ブレーキ面は、変換機構の軸方向力の作用方向に向かって先細るテーパ面からなる。

Description

この発明は、非可逆機構に関し、特に、出力軸側から伝達されるバックドライブトルクを入力軸側へ伝達することを阻む非可逆機構に関する。
従来、出力軸側から伝達されるバックドライブトルクを入力軸側へ伝達することを阻む非可逆機構が知られている。このような非可逆機構は、たとえば、特開2007−332986号公報に開示されている。
上記特開2007−332986号公報に開示されている非可逆機構は、入力軸と、出力軸と、多板ブレーキと、出力軸と多板ブレーキとを接続するネジ送り機構とを備えている。多板ブレーキは、ハウジングに取り付けられた複数の第1の摩擦板と、ネジ送り機構に取り付けられた複数の第2の摩擦板とを含む。第1の摩擦板と第2の摩擦板とは、それぞれ半径方向に沿って設けられ、軸方向に交互に並ぶように配置されている。出力軸にバックドライブトルクが作用すると、出力軸の回転をネジ送り機構が軸方向変位に変換して、第2の摩擦板を第1の摩擦板に押圧させる。これにより、出力軸にバックドライブトルクが作用した場合に出力軸が固定され、入力軸側へのバックドライブトルクの伝達が阻まれる。
このような非可逆機構は、航空機や一般産業機械等の動力伝達系に適用される。たとえば航空機では、操舵用の舵面(フラップ)駆動装置などに適用し、舵面側(出力軸側)からのバックドライブトルクが入力軸側に伝達されることを阻止することができる。
特開2007−332986号公報
上記特開2007−332986号公報の非可逆機構では、複数(多数)の摩擦板によって多板ブレーキを構成しているため、部品点数が多くなる傾向がある。また、上記特開2007−332986号公報の非可逆機構では、多板ブレーキの複数の摩擦板を軸方向に沿って並べて配置しているため、非可逆機構の軸方向の全長が大きくなる傾向がある。そのため、非可逆機構としては、部品点数の増加を抑制して構造の簡素化を図るとともに、軸方向の全長を抑制することが望ましい。
特に、非可逆機構を航空機の動力伝達系に適用する場合、燃費への影響から、全長を抑制することによる非可逆機構の小型化や軽量化が重要となる。また、航空機の分野では安全性が特に重要視されることから、部品点数を削減して構造の簡素化を図ることは、非可逆機構の信頼性向上のために重要である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数の増加を抑制して構造の簡素化を図るとともに、軸方向の全長を抑制することが可能な非可逆機構を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における非可逆機構は、回転可能な入力軸と、入力軸に従って回転する出力軸と、出力軸と接続され、出力軸側からのバックドライブトルクを軸方向力に変換する変換機構と、第1ブレーキ面を有し回転不能に設けられたブレーキ部と、第1ブレーキ面と対向し、出力軸と一体回転するように設けられ、変換機構の軸方向力に応じて第1ブレーキ面に押圧される第2ブレーキ面とを備え、第1ブレーキ面および第2ブレーキ面は、変換機構の軸方向力の作用方向に向かって先細るテーパ面からなる。
この発明の一の局面による非可逆機構では、上記のように、第1ブレーキ面を有し回転不能に設けられたブレーキ部と、第1ブレーキ面と対向し、出力軸と一体回転するように設けられ、変換機構の軸方向力に応じて第1ブレーキ面に押圧される第2ブレーキ面とを設け、第1ブレーキ面および第2ブレーキ面を、変換機構の軸方向力の作用方向に向かって先細るテーパ面により構成する。これにより、出力軸にバックドライブトルクが作用した場合に、先細りのテーパ面からなる第1ブレーキ面に対して第2ブレーキ面を押し込むように軸方向力を作用させて摩擦トルク(制動トルク)を発生させることができる。この結果、テーパ面のいわゆる倍力効果によって、第1ブレーキ面と出力軸側の第2ブレーキ面との間に大きな摩擦トルク(制動トルク)を発生させることができる。これにより、半径方向に沿った複数(多数)の摩擦板同士を軸方向に押圧する多板ブレーキの構成と異なり、多数の摩擦板を設けなくとも十分な摩擦トルク(制動トルク)を発生させることができる。その結果、本発明によれば、部品点数の増加を抑制して構造の簡素化を図ることができるとともに、軸方向の全長を抑制することができる。また、以上により、非可逆機構の全長を抑制することによって小型軽量化を図ることができるとともに、構造の簡素化によって非可逆機構の信頼性を向上させることができるので、本発明によれば、燃費(小型軽量化)および安全性(高信頼性)が特に重要視される航空機分野特有の要請にも合致した非可逆機構を提供することができる。
上記一の局面による非可逆機構において、好ましくは、変換機構は、出力軸側に設けられた第1部材と、第2ブレーキ面側に設けられた第2部材と、第1部材と第2部材との間に配置された中間部材とを含み、第1ブレーキ面および第2ブレーキ面は、中間部材よりも半径方向の外側に配置されている。このように構成すれば、摩擦トルクの発生部位である第1ブレーキ面および第2ブレーキ面の出力軸からの距離(半径)を大きくすることができる。その結果、摩擦トルク(制動トルク)を大きくすることができる。これにより、簡素かつ軸方向の全長の小さな構造を実現しながら、より大きな摩擦トルク(制動トルク)を発生させることができる。
この場合、好ましくは、第1ブレーキ面および第2ブレーキ面は、変換機構と軸方向に重なる位置に配置されている。このように構成すれば、第1ブレーキ面および第2ブレーキ面の出力軸からの距離(半径)を大きくしながら、非可逆機構の軸方向の全長をさらに抑制することができる。
上記第1ブレーキ面および第2ブレーキ面が変換機構と軸方向に重なる位置に配置される構成において、好ましくは、第2ブレーキ面は、変換機構の第2部材に一体的に設けられている。このように構成すれば、第2ブレーキ面が形成されたブレーキ部材を別途設ける必要がないので、その分、部品点数を減少させることができる。これにより、部品点数を減少させて更なる構造の簡素化を図ることができる。
この場合、好ましくは、変換機構は、ボールランプ部を有する一対のカム部材を第1部材および第2部材として含むとともに、一対のカム部材の間でボールランプ部に配置されるボールを中間部材として含むボールランプ機構であり、第1ブレーキ面は、ブレーキ部の円周状の内周面に設けられ、第2ブレーキ面は、カム部材の円周状の外周面に形成されている。このように構成すれば、ボールランプ機構によって、容易かつコンパクトに、バックドライブトルクを軸方向力に変換する構造を得ることができる。また、第1ブレーキ面および第2ブレーキ面を円周状に形成することができる。これにより、第1ブレーキ面と第2ブレーキ面との接触面積を容易に増大させることができる。その結果、大きな摩擦トルクを発生させる場合にも、第1ブレーキ面と第2ブレーキ面との接触面圧の増大を効果的に抑制することができる。
上記一の局面による非可逆機構において、好ましくは、回転不能に設けられた第3ブレーキ面と、変換機構を介さずに出力軸と一体回転するように設けられ、変換機構の軸方向力によって第3ブレーキ面に押圧される第4ブレーキ面とをさらに備える。このように構成すれば、出力軸にバックドライブトルクが作用した場合に、第3ブレーキ面と第4ブレーキ面との間で摩擦トルク(制動トルク)を発生させることができる。これにより、発生した摩擦トルク(制動トルク)の分だけ、出力軸から変換機構に入力されるトルクを低減することができる。この結果、変換機構から第2ブレーキ面に付与される軸方向力も低減されるので、第1ブレーキ面と第2ブレーキ面との間の摩擦トルク(制動トルク)も小さくすることができる。ここで、非可逆機構の作動中に、バックドライブトルクと同じ方向に入力軸を回転させる場合(いわゆる助勢駆動時)、入力軸には、出力軸から変換機構に入力されるトルクと、第1ブレーキ面と第2ブレーキ面との間の摩擦トルク(制動トルク)との差分の駆動トルクを入力すればよい。したがって、摩擦トルクの大きさを小さくすることができるので、たとえば第1ブレーキ面や第2ブレーキ面の摩擦係数が変動する場合にも、摩擦トルクの変動幅を小さく抑えることができる。その結果、助勢駆動時の駆動トルクの変動を抑制することができる。
この場合において、好ましくは、ブレーキ部には、第1ブレーキ面および第3ブレーキ面がそれぞれ設けられている。このように構成すれば、第1ブレーキ面および第3ブレーキ面を共通のブレーキ部に形成することができる。これにより、第1ブレーキ面に加えて第3ブレーキ面を設ける場合にも、部品点数が増加するのを抑制することができる。
上記一の局面による非可逆機構において、好ましくは、ブレーキ部は、単一の部材により構成されている。このように構成すれば、半径方向に沿った多数の摩擦板同士を軸方向に押圧する多板ブレーキの構成と異なり、部品点数が増加するのを抑制することができる。その結果、より一層、構造の簡素化を図ることができる。
上記のように、本発明によれば、部品点数の増加を抑制して構造の簡素化を図るとともに、軸方向の全長を抑制することができる。
本発明の一実施形態による非可逆機構を示した模式的な縦断面図である。 図1の200−200線に沿った模式的な断面図である。 変換機構を説明するための模式図である。 図1に示した非可逆機構において作用するトルクおよび軸方向力を説明するための図である。 非可逆機構の作動時において変換機構の第1カム部と第2カム部とが回転位相差を生じた状態を示した模式図である。 図5において非可逆機構の助勢駆動を行う場合を説明するための模式図である。 図5において非可逆機構の反抗駆動を行う場合を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態による非可逆機構の変形例を示した模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による非可逆機構1の全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態による非可逆機構1は、入力軸3に入力された駆動トルクを出力軸4に伝達する一方、出力軸4にバックドライブトルクが作用した場合には、出力軸4の回転を阻止することにより、そのバックドライブトルクが入力軸3側に伝達されるのを阻む機構である。入力軸3は、駆動トルク(入力トルク)を発生させる図示しないアクチュエータ側に接続される。また、出力軸4は、アクチュエータの駆動トルクの伝達先である機器または機械要素等に接続される。バックドライブトルク(以下、BDトルクという)とは、出力軸4側の機器や機械要素で発生し、出力軸4に作用するトルクである。
このような非可逆機構は、航空機や一般産業機械等の動力伝達系に適用される。たとえば航空機では、操舵用の舵面(フラップ)の駆動系などに適用することができる。舵面は、入力軸3側のアクチュエータ駆動によって、所定角度に回動される。飛行中に舵面には空気力が作用するため、空気力によって舵面側から出力軸4にBDトルクが作用する。この場合、非可逆機構1は、BDトルクによる出力軸4の回転を阻止して舵面角度を保持するとともに、アクチュエータ(入力軸3)側へのBDトルクの伝達を阻むように機能する。非可逆機構は、バックトルクリミッタなどとも呼ばれる。
本実施形態による非可逆機構1は、ハウジング2と、入力軸3と、出力軸4と、変換機構5と、ブレーキ部6とを主として備えている。また、非可逆機構1は、出力側ブレーキ部材7と、プリロードバネ8と、バネ受け部材9とを備えている。ブレーキ部6には、第1ブレーキ面61および第3ブレーキ面62が形成されている。変換機構5には、第1ブレーキ面61と当接する第2ブレーキ面56が設けられている。また、出力側ブレーキ部材7には、第3ブレーキ面62と当接する第4ブレーキ面72が設けられている。以下では、入力軸3および出力軸4の回転中心軸Oの延びるA方向を軸方向という。また、軸方向Aと直交し、中心軸Oを中心とする半径方向をB方向として示す。
ハウジング2は、上記の各部を収容する箱状部材である。ハウジング2は、入力軸3と出力軸4とを、それぞれ回転可能に支持している。また、ハウジング2は、内周面に、軸方向Aに延びるスプライン部21を有する。
入力軸3は、軸部31と、入力フランジ部32と、キー部33とを含む回転軸である。軸部31は、ハウジング2によって中心軸O回りに回転支持されている。入力フランジ部32は、軸部31の出力軸4側(A1側)の先端部から、半径方向Bに張り出すように円板(円環)形状に形成されている。キー部33は、入力フランジ部32の外周縁から、出力軸4側(A1側)に向けて軸方向Aに突出するように形成された柱状部分である。キー部33は、図2に示すように、入力フランジ部32の外周縁において、回転方向に等角度(約120度)間隔で複数(3つ)設けられている。キー部33は、後述するように、所定の隙間CLを隔てて出力軸4および変換機構5の両方と回転方向に係合している。キー部33は、駆動トルクを出力軸4に伝達して出力軸4を回転させる機能を有する。
図1に示すように、出力軸4は、入力軸3に従って回転する回転軸(従動軸)である。出力軸4は、軸部41と、出力フランジ部42とを含んでいる。軸部41は、ハウジング2によって中心軸O回りに回転支持されている。また、軸部41の外周部には、軸方向Aに延びるスプライン部43と、ネジ部44とが形成されている。軸方向Aにおいて、スプライン部43は、ネジ部44と出力フランジ部42との間の位置に設けられている。出力フランジ部42は、軸部41の入力軸3側(A2側)の先端部から、半径方向Bに張り出すように円板(円環)形状に形成されている。図2に示すように、出力フランジ部42の外周面部には、入力軸3のキー部33と係合する溝部(半径方向の溝)45が形成されている。溝部45は、キー部33に対応するように、回転方向に等角度(約120度)間隔で複数(3箇所)設けられている。また、後述するように、出力フランジ部42は、変換機構5の第1カム部51を兼ねている。
図1に示すように、変換機構5は、出力軸4と接続され、出力軸4側からのBDトルクを軸方向力に変換するように構成されている。変換機構5は、出力軸4側に設けられた第1カム部51と、第2ブレーキ面56側に設けられた第2カム部52と、第1カム部51と第2カム部52との間に配置されたボール53とを含む。すなわち、変換機構5は、ボールランプ部54を有する一対のカム部材(第1カム部51と第2カム部52)を含むとともに、一対のカム部材の間でボールランプ部54に配置されるボール53を含むボールランプ機構である。第1カム部51は、本発明の「第1部材」および「カム部材」の一例であり、第2カム部52は、本発明の「第2部材」および「カム部材」の一例である。また、ボール53は、本発明の「中間部材」の一例である。
変換機構5は、入力軸3から駆動トルクが入力される駆動時には、出力軸4と一体で回転するように構成されている。また、変換機構5は、出力軸4にBDトルクが作用する場合には、BDトルクをA方向の軸方向力Wに変換して、第2ブレーキ面56をブレーキ部6の第1ブレーキ面61に押圧するように構成されている。
具体的には、第1カム部51は、出力軸4の出力フランジ部42に一体的に形成されている。第1カム部51は、出力フランジ部42のA1側表面に形成されたボールランプ部54を有している。ボールランプ部54は、図3に示すように、ボール53が嵌り込む凹状の斜面部である。
図1に示すように、第2カム部52は、出力軸4の外周側に配置された環状部材(図2参照)である。第2カム部52は、出力フランジ部42を内側に収容するように凹状に形成されている。第2カム部52は、第1カム部51(出力フランジ部42)と軸方向Aに対向する位置に形成されたボールランプ部54を有している。また、第2カム部52には、図2に示すように、入力軸3のキー部33と係合する溝部(半径方向の溝)55が形成されている。溝部55は、キー部33に対応するように、回転方向に等角度(約120度)間隔で3箇所設けられている。また、第2カム部52は、円環状形状を有する。そして、図1に示すように、第2カム部52の円周状の外周面に、第2ブレーキ面56が形成されている。
このように、第2ブレーキ面56は、変換機構5の第2カム部52に一体的に設けられている。より具体的には、第2カム部52の外周面は、変換機構5の軸方向力Wの作用方向であるA1方向に向かって先細るテーパ面からなる。そして、第2カム部52のテーパ面からなる外周面に、第2ブレーキ面56が形成されている。また、第2ブレーキ面56は、第1ブレーキ面61と対向し、出力軸4と一体で回転するように設けられている。第2ブレーキ面56は、第2カム部52の外周面において、A2側端部の近傍を除く軸方向長さL1の範囲に渡って形成されている。
ボール53は、図3に示すように、第1カム部51のボールランプ部54と第2カム部52のボールランプ部54とに嵌り込む状態を安定状態として、第1カム部51と第2カム部52との間に保持されている。ボール53(およびボールランプ部54)は、回転方向に等角度(約120度)間隔で複数(3つ)設けられ、それぞれ3つのキー部33(および溝部45、溝部55)の間の位置に配置されている。ボールランプ部54にボール53が収まる安定状態(図3参照)において、出力フランジ部42(第1カム部51)の溝部45と、第2カム部52の溝部55とは、図2に示すように互いの回転角度位置(回転位相)が一致した状態となるように構成されている。
図3に示すように、出力軸4にBDトルクが作用すると、ボール53は、第1カム部51からのトルクTによってボールランプ部54を乗り上げるようにしてA1方向(軸方向)に変位する。この際、出力フランジ部42(第1カム部51)の溝部45は、第2カム部52の溝部55に対して回転位相差PD(図5参照)を有するように位置ずれ(回動)する。そして、ボール53のA1方向(軸方向)の変位によって、A1方向の軸方向力Wが発生する。この結果、第2カム部52の第2ブレーキ面56は、図1に示すように、A1方向の軸方向力Wに応じて第1ブレーキ面61に押圧される。なお、図2に示すように、入力軸3のキー部33と、出力フランジ部42の溝部45および第2カム部52の溝部55の内表面との間の隙間CLは、出力フランジ部42(溝部45)と第2カム部52(溝部55)との回転位相差PDを十分吸収できるだけの余裕を持たせるように構成される。なお、図2および図5〜図7等では、便宜的に、隙間CLの大きさを誇張して図示している。
図1に示すように、ブレーキ部6は、出力軸4の出力フランジ部42および変換機構5(第1カム部51、第2カム部52およびボール53)の外周側(半径方向外側)の位置に配置されている。ブレーキ部6は、第1ブレーキ面61と、第3ブレーキ面62とを有する単一の部材(本体部63)により構成されている。本体部63は、円環状(図2参照)に形成されている。また、ブレーキ部6は、本体部63の外周面に、ハウジング2のスプライン部21と係合するスプライン部64を有している。これにより、ブレーキ部6は、軸回りに回転不能で、かつ、軸方向Aには移動可能となっている。したがって、第1ブレーキ面61および第3ブレーキ面62は、共に軸回りに回転不能となっている。
ここで、本実施形態では、第1ブレーキ面61は、本体部63の円周状の内周面に設けられている。つまり、第1ブレーキ面61は、円周状(円環状)に形成されている。また、第1ブレーキ面61は、本体部63の内周面において、軸方向Aの略全長に渡って形成されている。第1ブレーキ面61は、第2ブレーキ面56と同様、変換機構5の軸方向力Wの作用方向A1に向かって先細るテーパ面からなる。
第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56は、一定のテーパ角度で傾斜している。第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56のテーパ角度は同一である。したがって、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56は互いに面接触して摩擦トルク(制動トルク)を発生させるように構成されている。第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56は、テーパ面の倍力効果(くさび効果)によって、軸方向力Wに比較して大きな垂直抗力Nを発生させるように構成されている。第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56の接触部分では、この垂直抗力Nと中心軸Oからの距離(半径)とに比例する摩擦トルク(制動トルク)が発生する。
また、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56は、変換機構5のボール53よりも半径方向Bの外側に配置されている。また、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56は、変換機構5の第1カム部51(出力軸4の出力フランジ部42)よりも半径方向Bの外側に配置されている。また、軸方向Aにおいて、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56は、変換機構5と軸方向Aに重なる位置に配置されている。第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56の接触部分の軸方向Aの長さは、L1である。長さL1は、変換機構5の軸方向Aの長さL2よりも小さい。そして、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56は、接触部分が変換機構5の軸方向Aの長さL2の範囲内に収まるように配置されている。
第3ブレーキ面62は、ブレーキ部6の出力側(A1側)の円周状(環状)の端面に形成されている。すなわち、第3ブレーキ面62は、ブレーキ部6の半径方向Bに沿う面(軸方向Aに対する垂直面)からなり、円周状に形成されている。
出力側ブレーキ部材7は、ブレーキ部6に対してA1方向側に隣接するように配置されている。また、出力側ブレーキ部材7は、内周部に、出力軸4のスプライン部43と係合するスプライン部71を有している。これにより、出力側ブレーキ部材7は、出力軸4と一体で回転するとともに、出力軸4に対して軸方向Aに相対移動可能となっている。出力側ブレーキ部材7には、変換機構5を介さずに出力軸4と一体回転するように設けられ、変換機構5の軸方向力Wによって第3ブレーキ面62に押圧される第4ブレーキ面72が形成されている。第4ブレーキ面72は、第3ブレーキ面62と対向するように出力側ブレーキ部材7のA2側表面に形成されている。第4ブレーキ面72は、第3ブレーキ面62に対応する円周状に形成されている。第4ブレーキ面72は、第3ブレーキ面62と同様に、半径方向Bに沿う面(軸方向Aに対する垂直面)からなる。第3ブレーキ面62および第4ブレーキ面72は、半径方向Bにおいて、変換機構5のボール53よりも外側の位置に配置されている。
プリロードバネ8は、軸方向Aに付勢力を発生させる圧縮コイルバネである。プリロードバネ8は、出力側ブレーキ部材7とバネ受け部材9との間に配置されている。このバネ受け部材9は、出力側ブレーキ部材7のA1方向側で、プリロードバネ8の一端を支持している。また、バネ受け部材9は、内周部に、出力軸4のスプライン部43と係合するスプライン部91を有している。これにより、バネ受け部材9は、出力軸4と一体で回転するとともに、出力軸4に対して軸方向Aに相対移動可能となっている。バネ受け部材9のA1方向側には、出力軸4のネジ部44に締結(螺合)された固定ナット46が設けられている。プリロードバネ8は、A1側をバネ受け部材9および固定ナット46に支持された状態で、出力側ブレーキ部材7をA2方向に付勢している。このプリロードバネ8の付勢力は、第1ブレーキ面61と第2ブレーキ面56との間の初期摩擦トルクを発生させ、BDトルク発生時の第1ブレーキ面61と第2ブレーキ面56との滑り(空回り)を防止する。なお、BDトルク発生時のボール53のA1方向の変位は、出力側ブレーキ部材7とバネ受け部材9との間の僅かな隙間によって吸収される。A1方向の軸方向力Wは、最終的に固定ナット46により受け止められる。また、軸方向力Wの反作用として第1カム部51側に作用するA2方向の軸方向力(図示せず)は、出力軸4を介して最終的に固定ナット部46により受け止められる。
次に、図4〜図7を参照して、本実施形態による非可逆機構1の動作を説明する。
(BDトルク伝達を阻止する動作)
まず、出力軸4にBDトルクが作用した場合に、非可逆機構1が入力軸3側へのトルク伝達を阻止する動作(非可逆機構1の作動時の動作)について説明する。
図4に示すように、出力軸4にBDトルク(回転トルク)が作用すると、BDトルクTBDによって、出力軸4、出力側ブレーキ部材7およびバネ受け部材9が、ハウジング2およびブレーキ部6に対して回転するように駆動される。この際、プリロードバネ8の付勢力に応じた初期摩擦トルクが第1ブレーキ面61と第2ブレーキ面56との間(摩擦面Pとする)に発生し、第2カム部52を制動する。また、プリロードバネ8の付勢力に応じた初期摩擦トルクが、第3ブレーキ面62と第4ブレーキ面72との間(摩擦面Qとする)に発生する。
これに対して、BDトルクTBDが出力軸4に作用する結果、変換機構5のボール53にはトルクTが入力される。これにより、出力軸4側の第1カム部51が第2カム部52に対して回転位相差PD(図5参照)を発生させるように位置ずれする。この結果、A1方向の軸方向力Wが発生する。
第2カム部52に作用する軸方向力Wによって、第2ブレーキ面56が第1ブレーキ面61に向けてA1方向に押圧される。これにより、摩擦面Pにおいて、摩擦トルク(制動トルク)Tが発生する。摩擦面Pでは、テーパ面の倍力効果(くさび効果)によって、単純に軸方向力Wを摩擦面Pに作用させる場合よりも大きな摩擦トルクTが発生する。また、BDトルクTBDが大きくなると、第1カム部51からボール53に入力されるトルクTが増大する。その結果、第2カム部52に作用する軸方向力Wが増大するため、摩擦面Pにおいて発生する摩擦トルクTがさらに増大する。
第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56(摩擦面P)は、発生する摩擦トルクTがBDトルクの許容値(TBDの最大値)よりも大きくなるように、半径方向Bの位置(平均半径R)、接触面積(軸方向Aの長さL1)、テーパ角度や摩擦係数などが設定される。このため、摩擦面Pの摩擦トルクTが常にBDトルクTBDよりも大きい状態が維持され、出力軸4の回転が阻止される。また、出力軸4の回転が阻止されるので、入力軸3側へトルク(回転)が伝達されることが防止される。なお、上記の動作は、いずれの回転方向にBDトルクTBDが作用した場合でも、同様である。回転方向によって、第2カム部52に対する第1カム部51の回転位相差PDの生じる方向が変化するだけである。
次に、非可逆機構1の作動中(出力軸4にBDトルクが作用した場合)に、入力軸3を駆動する動作について説明する。ここでは、BDトルクTBDの作用方向と同じ方向に駆動トルクTinを入力する場合を助勢駆動という。また、BDトルクTBDの作用方向と反対方向に駆動トルクTinを入力する場合を反抗駆動という。
(助勢駆動時の動作)
助勢駆動の場合、非可逆機構1が作動中の状態であるので、図5に示すように、第1カム部51が第2カム部52に対して回転位相差を有した状態にある。ここでは、図5の時計方向にBDトルクTBDが作用し、入力軸3を同じ時計方向に駆動するケースについて説明する。
入力軸3を時計方向に駆動(回転)すると、図6に示すように、入力軸3のキー部33は、第1カム部51とは当接せずに、第2カム部52の溝部55の内面に当接する。このため、入力軸3の駆動トルクTinは、第1カム部51には作用せずに、第2カム部52に直接作用する。図4に示すように、第2カム部52には、BDトルクTBDによってボール53に入力されるトルクTと、駆動トルクTin(図6参照)とが同方向に作用する一方、摩擦面Pの摩擦トルクTが反対方向に作用する。このため、トルクTと摩擦トルクTとの差分に相当する大きさの駆動トルクTinで入力軸3を駆動すれば、第2カム部52が回転する。
助勢駆動の場合、第2カム部52が回転を始めても、出力軸4(第1カム部51)側にはBDトルクTBDが作用し続ける。そのため、出力軸4は、図6に示すように、第2カム部52の回転分だけ、第1カム部51と第2カム部52とが回転位相差PDを有したまま回転することになる。
(反抗駆動時の動作)
反抗駆動の場合も、非可逆機構1が作動中の状態であるので、図5に示すように、第1カム部51が第2カム部52に対して回転位相差PDを有した状態にある。ここでは、図5に示す時計方向にBDトルクTBDが作用し、入力軸3を反時計方向に駆動するケースについて説明する。
入力軸3を反時計方向に駆動(回転)すると、入力軸3のキー部33は、第2カム部52とは当接せずに、第1カム部51の溝部45の内面に当接する。このため、入力軸3の駆動トルクTinは、第2カム部52には作用せずに、第1カム部51に直接作用する。駆動トルクTinによって第1カム部51を回転させることにより、図7に示すように、第1カム部51と第2カム部52との回転位相差PDが解消される。この結果、軸方向力Wが無くなり、摩擦面Pの摩擦トルクTが解除される。これにより、出力軸4と変換機構5(第2カム部52)とが一体で回転するようになる。
回転位相差PDが解消された後、キー部33が溝部45の内周面と溝部55の内周面との両方と当接し、出力軸4と第2カム部52との両方を回転させる。BDトルクTBDとプリロードバネ8の付勢力に応じた初期摩擦トルクとの合計分に相当する駆動トルクTinで駆動すれば、出力軸4を回転させることが可能となる。上記の動作は、いずれの回転方向にBDトルクTBDが作用した場合でも、同様である。
なお、BDトルクTBDが作用していない場合には、第1カム部51と第2カム部52とに回転位相差PDが発生していない安定状態で、入力軸3を駆動することになる。この場合、BDトルクTBDが作用しないだけで、動作としては、図7に示した回転位相差PDが解消された後の反抗駆動の動作と同じである。
次に、本実施形態による非可逆機構1の第3ブレーキ面62および第4ブレーキ面72の作用(摩擦面Qの作用)について説明する。
図4に示すように、助勢駆動の場合、ボール53に入力されるトルクTの大きさは、BDトルクTBDと摩擦面Qにおいて発生する摩擦トルクTとの差分に相当する。つまり、第3ブレーキ面62と第4ブレーキ面72とを設けることによって、ボール53に入力されるトルクTが減少することになる。図3から分かるように、ボール53に入力されるトルクTが小さくなると、その分軸方向力Wが小さくなり、摩擦面Pにおいて発生する摩擦トルクTが減少する。したがって、発生したBDトルクTBDに対して、ボール53に入力されるトルクTと摩擦面Pにおいて発生する摩擦トルクTとを抑制することができる。
具体的には、ボール53に入力されるトルクTは、BDトルクTBDと摩擦面Qの摩擦トルクTとにより、下式(1)で表される。
=TBD−T ・・・(1)
摩擦面Qの摩擦トルクTは、下式(2)で表される。
=μ×R×W ・・・(2)
ここで、μは摩擦面Qの摩擦係数である。R(図4参照)は、回転軸から摩擦面Qまでの平均距離(半径)である。Wは、ボール53に入力されるトルクTにより発生する変換機構5の軸方向力である。
また、軸方向力Wは、図3および図4から分かるように、下式(3)で表される。
=T/(R×tanθ) ・・・(3)
ここで、Rは、回転軸からボール53の中心までの距離(半径)である。また、θは、ボールランプ部54の傾斜角である。
上式(1)〜(3)より、下式(4)が得られる。
=TBD×R×tanθ/(R×tanθ+μ×R
=TBD×α/(α+μ×R)・・・(4)
なお、α=R×tanθ(定数)である。
上式(4)により、摩擦面Q(第3ブレーキ面62および第4ブレーキ面72)を設けることによって、式(4)の右辺分母の(μ×R)の分だけボール53に入力されるトルクTが小さくなることが分かる。そして、摩擦面P(第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56)の摩擦トルクTは、トルクTにより発生する軸方向力Wに応じて発生することから、摩擦面Pの摩擦トルクTも減少することになる。
助勢作動時の駆動トルクTinは、下式(5)となる。
in=T−T ・・・(5)
摩擦面Q(第3ブレーキ面62および第4ブレーキ面72)によって、摩擦トルクTおよびボール53に入力されるトルクTの両方が小さくなる。そのため、摩擦面Pの摩擦係数が変動する場合などにも、摩擦トルクTの変動幅を小さく抑えることが可能となる。その結果、助勢駆動時に要求される駆動トルクTinの変動が小さく抑えられる。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、第1ブレーキ面61を有し回転不能に設けられたブレーキ部6を非可逆機構1に設ける。また、第1ブレーキ面61と対向し、出力軸4と一体回転するように設けられ、変換機構5の軸方向力Wに応じて第1ブレーキ面61に押圧される第2ブレーキ面56を非可逆機構1に設ける。そして、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56を、変換機構5の軸方向力Wの作用方向に向かって先細るテーパ面により構成する。これにより、テーパ面の倍力効果によって、第1ブレーキ面61と出力軸4側の第2ブレーキ面56との間に大きな摩擦トルク(制動トルク)Tを発生させることができる。これにより、多数の摩擦板を設けなくとも十分な摩擦トルク(制動トルク)Tを発生させることができる。その結果、本実施形態の非可逆機構1によれば、部品点数の増加を抑制して構造の簡素化を図ることができるとともに、軸方向Aの全長を抑制することができる。また、以上により、非可逆機構1の全長を抑制することによって小型軽量化を図ることができるとともに、構造の簡素化によって非可逆機構1の信頼性を向上させることができる。そのため、本実施形態では、燃費および安全性が特に重要視される航空機分野特有の要請にも合致した、航空機搭載に好適な非可逆機構1を提供することができる。
また、本実施形態では、上記のように、出力軸4側に設けられた第1カム部51と、第2ブレーキ面56側に設けられた第2カム部52と、第1カム部51と第2カム部52との間に配置されたボール53とを含む変換機構5を設ける。そして、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56を、ボール53よりも半径方向Bの外側に配置する。これにより、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56の出力軸4からの距離(半径R)を大きくすることができる。その結果、摩擦トルクTを大きくすることができる。これにより、簡素かつ軸方向Aの全長の小さな構造を実現しながら、より大きな摩擦トルク(制動トルク)Tを発生させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56を、変換機構5と軸方向Aに重なる位置に配置する。これにより、非可逆機構1の軸方向Aの全長をさらに抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2ブレーキ面56を、変換機構5の第2カム部52に一体的に設ける。これにより、第2ブレーキ面56が形成されたブレーキ部材を別途設ける必要がないので、その分、部品点数を減少させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、変換機構5を、ボールランプ部54を有する一対のカム部材(第1カム部51および第2カム部52)と、第1カム部51および第2カム部52の間でボールランプ部54に配置されるボール53とを含むボールランプ機構により構成する。また、第1ブレーキ面61を、ブレーキ部6(本体部63)の円周状の内周面に設ける。また、第2ブレーキ面56を、第2カム部52の円周状の外周面に形成する。これにより、ボールランプ機構によって、容易かつコンパクトに、BDトルクTBDを軸方向力Wに変換する構造を得ることができる。また、第1ブレーキ面61と第2ブレーキ面56との接触面積を容易に増大させることができる。これにより、大きな摩擦トルクTを発生させる場合にも、第1ブレーキ面61と第2ブレーキ面56との接触面圧の増大を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転不能に設けられた第3ブレーキ面62を非可逆機構1に設ける。また、変換機構5を介さずに出力軸4と一体回転するように設けられ、変換機構5の軸方向力Wによって第3ブレーキ面62に押圧される第4ブレーキ面72を非可逆機構1に設ける。これにより、上記の通り、助勢駆動時の駆動トルクTinの変動を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ブレーキ部6に、第1ブレーキ面61および第3ブレーキ面62をそれぞれ設ける。これにより、第1ブレーキ面61に加えて第3ブレーキ面62を設ける場合にも、部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ブレーキ部6を、単一の部材(本体部63)により構成する。これにより、多板ブレーキの構成と異なり、部品点数が増加するのを抑制することができる。その結果、より一層、構造の簡素化を図ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、変換機構5の第1カム部51を出力軸4の出力フランジ部42に一体的に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。第1カム部51は、出力軸4と一体で形成されていなくともよい。すなわち、第1カム部51を出力フランジ部42とは別体で構成し、出力フランジ部42のA1側表面に、円環状の第1カム部51を取り付ける構造であってもよい。また、円環状の第1カム部51および出力フランジ部42の部分を出力軸4とは別体で構成して、出力軸4の軸部41に、第1カム部51および出力フランジ部42の部分を取り付ける構造であってもよい。
また、上記実施形態では、変換機構5をボールランプ機構により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、変換機構は、BDトルク(出力軸の回転)を軸方向力に変換する機構であれば、どのようなものでもよい。たとえば、変換機構は、出力軸のBDトルクを軸方向力に変換するボールネジ機構でもよい。
また、上記実施形態では、変換機構5の第2カム部52に第2ブレーキ面56を一体的に形成した例を示したが、図8に示す変形例のように、第2カム部152と第2ブレーキ面156とを別体で構成してもよい。すなわち、第2カム部152の外周面部分に、第2ブレーキ面156を有するブレーキ部材157を取り付けてもよい。これによっても、第2ブレーキ面156と第1ブレーキ面61との間(摩擦面P)のくさび効果によって、上記実施形態と同様の摩擦トルクTを増大させる効果を得ることができる。ただし、この変形例の場合、ブレーキ部材157を設ける分だけ部品点数が増加する。そのため、上記実施形態のように第2カム部52に第2ブレーキ面56を一体的に形成することは、部品点数削減の観点から好ましい。
また、上記実施形態では、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56を、変換機構5と軸方向Aに重なる位置に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、軸方向Aにおいて、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56を、変換機構5とは重ならない位置に配置してもよい。たとえば、第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56を、変換機構5のボール53のA1方向側(第2カム部52のA1方向側)に配置してもよい。ただし、この場合、非可逆機構1の軸方向Aの全長が大きくなり易い。そのため、軸方向Aの全長を小さくするためには、上記実施形態のように第1ブレーキ面61および第2ブレーキ面56を、変換機構5と軸方向Aに重なる位置に配置することが好ましい。
また、上記実施形態では、第3ブレーキ面62と第4ブレーキ面72とを不可逆機構1に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第3ブレーキ面と第4ブレーキ面とを設けなくともよい。
また、上記実施形態では、第3ブレーキ面62と第4ブレーキ面72とを、半径方向Bに沿う面(軸方向Aに対する垂直面)により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図8に示す変形例のように、第3ブレーキ面162と第4ブレーキ面172とを、第1および第2ブレーキ面と同じようにテーパ面としてもよい。これにより、第3ブレーキ面162と第4ブレーキ面172との間(摩擦面Q)でも、倍力効果によって摩擦トルクTを増大させる効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、第1ブレーキ面61と第3ブレーキ面62とを、ブレーキ部6の本体部63に一体形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ブレーキ部を複数部材で構成することにより、第1ブレーキ面61と第3ブレーキ面62とを互いに別体で構成してもよい。たとえば、図8の変形例において、ブレーキ部106の本体部163を、破線Sの部分で分割したような構成であってもよい。その場合、個別のブレーキ部材を設ける分だけ部品点数が増加する。そのため、上記実施形態のように第1ブレーキ面61と第3ブレーキ面62とをブレーキ部6に一体形成する方が、部品点数削減の観点から好ましい。
1 非可逆機構
3 入力軸
4 出力軸
5 変換機構
6 ブレーキ部
51 第1カム部(第1部材、カム部材)
52 第2カム部(第2部材、カム部材)
53 ボール(中間部材)
54 ボールランプ部
56 第2ブレーキ面
61 第1ブレーキ面
62 第3ブレーキ面
72 第4ブレーキ面
BD バックドライブ(BD)トルク
軸方向力

Claims (8)

  1. 回転可能な入力軸と、
    前記入力軸に従って回転する出力軸と、
    前記出力軸と接続され、前記出力軸側からのバックドライブトルクを軸方向力に変換する変換機構と、
    第1ブレーキ面を有し回転不能に設けられたブレーキ部と、
    前記第1ブレーキ面と対向し、前記出力軸と一体回転するように設けられ、前記変換機構の軸方向力に応じて前記第1ブレーキ面に押圧される第2ブレーキ面とを備え、
    前記第1ブレーキ面および前記第2ブレーキ面は、前記変換機構の軸方向力の作用方向に向かって先細るテーパ面からなる、非可逆機構。
  2. 前記変換機構は、前記出力軸側に設けられた第1部材と、前記第2ブレーキ面側に設けられた第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に配置された中間部材とを含み、
    前記第1ブレーキ面および前記第2ブレーキ面は、前記中間部材よりも半径方向の外側に配置されている、請求項1に記載の非可逆機構。
  3. 前記第1ブレーキ面および前記第2ブレーキ面は、前記変換機構と軸方向に重なる位置に配置されている、請求項2に記載の非可逆機構。
  4. 前記第2ブレーキ面は、前記変換機構の前記第2部材に一体的に設けられている、請求項3に記載の非可逆機構。
  5. 前記変換機構は、ボールランプ部を有する一対のカム部材を前記第1部材および前記第2部材として含むとともに、前記一対のカム部材の間で前記ボールランプ部に配置されるボールを前記中間部材として含むボールランプ機構であり、
    前記第1ブレーキ面は、前記ブレーキ部の円周状の内周面に設けられ、
    前記第2ブレーキ面は、前記カム部材の円周状の外周面に形成されている、請求項4に記載の非可逆機構。
  6. 回転不能に設けられた第3ブレーキ面と、
    前記変換機構を介さずに前記出力軸と一体回転するように設けられ、前記変換機構の軸方向力によって前記第3ブレーキ面に押圧される第4ブレーキ面とをさらに備える、請求項1に記載の非可逆機構。
  7. 前記ブレーキ部には、前記第1ブレーキ面および前記第3ブレーキ面がそれぞれ設けられている、請求項6に記載の非可逆機構。
  8. 前記ブレーキ部は、単一の部材により構成されている、請求項1に記載の非可逆機構。
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