JP4760769B2 - 復号回路及び部分処理回路 - Google Patents
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このLDPC符号では、白色ガウス通信路のシャノン(Shannon)限界まで、0.004dBという復号特性が得られることが知られている。また、sum-product復号法は、並列処理による復号処理を実行するため、符号長を長くすることができるとともに処理能力を向上させることができる。
特許文献1は、このようなLDPC符号の復号装置の構成を開示している。
しかし、符号長を長くするには、いくつかの問題がある。
例えば、符号長が長くなると(例えば、4000bit以上)、演算量が多くなるため、集積度の限界のため一つの復号回路を一つの半導体チップで構成することが困難となる。
つまり、復号回路を複数の部分処理回路に分割すれば、部分処理回路間で、処理に必要な情報を共有する必要が生じる。つまり、部分処理回路間で共有される情報をやりとりする配線が必要となる。したがって、符号長が長くなれば、共有すべき情報も増大するため、非常に多くの配線が必要となる。
よって、復号回路を分割するには、適切な分割方法が必要である。
そこで、復号回路を、行処理を行う行処理用半導体チップと列処理を行う列処理用半導体チップとで構成したとする。
行処理の結果である外部値対数比の数は、符号長に応じて多くなるため、符号長が膨大になれば、膨大な数の配線が両チップ間に必要となる。この結果、符号長が長くなった場合、復号回路を複数の半導体チップ(部分処理回路)で構成することは、現実的ではなくなる。
さらに、検査行列を分割した際、検査行列の各要素は、いずれかの部分検査行列のみに含まれている必要はなく、検査行列中のある要素が、複数の部分検査行列に含まれていてもよい。つまり、部分検査行列同士に重複部分があってもよい。
また、前記部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての行処理を行うとともに、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての列処理を行うよう構成されているのが好ましい。検査行列を列方向に分割しても、列処理には影響がないため、各部分処理回路に列処理を含めると効率的である。
同様の理由により、前記列処理には、検査行列又は部分検査行列に基づく列処理のほか、検査行列又は部分検査行列の「転置行列」に基づく行処理を含むものである。
前記部分処理回路は、一つの半導体チップで構成されているのが好ましい。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る復号回路を有する通信システムの構成の一例を示す図である。図1において、通信システムは、送信側において、送信情報に誤り訂正用の冗長ビットを付加して送信符号を生成する符号化器1と、この符号化器1からの(K+M)ビットの符号を所定の方式に従って変調して通信路3へ出力する変調器2とを含む。
図2においては、8段階に受光レベルが量子化された場合の受信信号強度を示す。すなわち、受光レベルがデータ7のときには、発光強度がかなり強く、受光レベルが0のときには、光強度がかなり弱い状態である。各受光レベルは、符号付きデータに対応づけられ、復調器4から出力される。この復調器4の出力は、受光レベルが7のときにはデータ3が出力され、受光レベルが0のときには、データ−4が出力される。したがってこの復調器4からは、1ビットの受信信号に対し、多値量子化された信号が出力される。
このアナログ/デジタル変換回路4bの出力データXnが復号化器5へ与えられる。この復号化器5へ与えられるデータXnは、L値(L≧2)のデータである。以下、データXnは、多値量子化データであるため、シンボルと称す。復号化器5は、この入力シンボルXn系列に対しsum-product復号法又はmin-sum復号法などの復号法に従って復号処理を行なって符号ビットCnを生成する。
しかしながら、本実施の形態においては、この対数尤度比算出部6は、バッファ回路または定数乗算回路で形成され、対数尤度比nは、Xn・fで与えられる。ここで、fは非ゼロの正の数である。また、min-sum復号方法においては、検査行列に基づく復号処理(行処理)において、最小値を利用して演算を行なうため、信号処理において線形性が維持される。このため、ノイズ情報に従って出力データを正規化するなどの処理は不要である。この場合ノイズ情報を利用せずに、対数尤度比を算出することにより、回路構成が簡略化され、また計算処理も簡略化される。
具体的には、行処理部9が、次式(1)にしたがって外部値対数比(第1変数)αmnを算出する演算を行い、列処理部10が、次式(2)にしたがって事前値対数比βmnを算出する演算を行う。
外部値対数比αmnについては、n’≠nであり、事前値対数比βmnについては、m’≠mである。また、αおよびβの行列内の位置を示す添え字mnは、通常は下付文字で示されるが、本明細書においては、読みやすさのために、「横並びの文字」で示す。
なお、式(1)中において、fは、ギャラガ(Gallager)のf関数である。
A(m)={n:Hmn=1} …(4)
B(n)={m:Hmn=1} …(5)
A(2)={3,4}
A(3)={4,5,6}
B(1)=B(2)={1}
B(3)={1,2}
B(4)={2,3}
B(5)=B(6)={3}
なお、式(2)及び式(7)は同じものである。
まず、行処理及び列処理で用いられる値の記憶部について、図8に基づいて説明する。
図8(a)は行処理部9が算出する外部値対数比(第1変数)αmnの記憶部を示し、図8(b)は列処理部19が算出する事前値対数比(第2変数)βmnの記憶部を示している。図8(a)(b)に示すように、両変数αmn,βmnの記憶部は、検査行列Hにおいて1が立っている要素(非零要素)に関して設けられていればよい。
また、図9(b)に示すように、また、式(7)又は式(2)で示す事前値対数比βmnを求める列処理演算は、αmnからβmnを求める演算ということができる。
さて、本実施形態では、処理部7が複数の部分処理回路に分割して構成されている。図15は、本実施形態における処理部7の分割方法の基本的概念を示している。図15には、処理部7の構成要素として、行処理及び列処理の手順に従い、上から順に、(λn+βmn)加算器30A,30B、(λn+βmn)記憶部31A,31B、行演算処理部19A,19B、αmn記憶部32A,32B、列演算処理部20A,20B、βmn記憶部33A,33Bを示した。
ここで、図16に示すように、図6の検査行列Hを列方向に複数(2つ)に分割した部分検査行列HA,HB(図16参照)を考える。
図15の第1部分処理回路は、部分検査行列HAの非零要素に関する行処理及び列処理を行う回路である。また、図15の第2部分処理回路は、部分検査行列HBの非零要素に関する行処理及び列処理を行う回路である。
これに対し、処理対象の行に含まれる非零要素が、分割された複数の部分検査行列HA,HBに跨っている場合、一つの部分処理回路単独では、行処理を行うことができない。なぜなら、行処理を行うには、処理対象の行に含まれる非零要素すべてに対応する行処理演算情報が必要である。換言すると、検査行列Hを列方向に分割した部分検査行列HA,HBを作ったとしても、行処理はあくまでも検査行列Hで行わなければならないのである。
すなわち、図13及び図14に示すように、列処理は、検査行列Hの各列について列方向に演算を行うだけであるから、検査行列Hを列方向に複数に分割すれば、各部分処理回路は、当該部分処理回路に対応する部分検査行列HA,HBに基づいて、列処理を行えば足りる。
つまり、LDPCでは、非零要素の数は行列の大きさに比べて十分に少ないため、検査行列中の比較的多くの行(例えば、半分以上の行)については、自然に、非零要素がいずれかの部分検査行列一つだけに集中して存在することになる。したがって、検査行列のすべての行について、行処理演算情報を交換する必要がなく、各部分処理回路間で行処理演算情報を交換するための配線の数の増加を抑えることができる。
また、検査行列のある要素が、複数の部分検査行列において含まれていてもよい。
図4に戻り、上記基本概念に沿って設計された処理部7のハードウェア基本構成について説明する。
図4の処理部7は、複数(2つ)の部分処理回路71,72を有している。これらの第1部分処理回路71及び第2部分処理回路72は、それぞれ、半導体チップ(半導体チップパッケージ)として構成されている。第1部分処理回路71を構成する第1半導体チップと第2部分処理回路72を構成する第2半導体チップとは、それぞれ、処理部7を構成する回路基板上に配置され、両半導体チップ71,72間には、行処理演算情報を交換するための配線74(複数本の配線)が形成されている。
前記S/P変換部8は、入力データλnを、それぞれの部分処理回路71,72へ振り分ける機能をもつ。また、前記P/S変換部は、それぞれの部分処理回路71,72から出力された符号Cnをまとめる機能をもつ。
具体的には、判定部110A,110Bは、次式(10)に従って、Qnを算出する。
図17に示す行処理部90A,90B及び100A,100Bは、図15に示すものとほぼ対応しており、行処理部90A,90Bは、加算器30A,30Bと行演算処理部19A,19Bを含み、列処理部100A,100Bは、列演算処理部20A,20Bを含む。
なお、図17では、図15に示す(λn+βmn)記憶部31A,31B、αmn記憶部32A,32B記憶部、βmn記憶部33A,33Bを図示していないが、これらの記憶部も、必要に応じて部分処理回路71,72に含ませることができる。
パリティ検査行列Hは、検査行列Hの行方向にX個のブロック(H1,H2・・・,HXに分割される。例えば、行重みが6(各行の非零要素の数が6)の場合に、まず、第1ブロック(H1)において、第1行目の第1列目〜第6列目に「1」(非零要素)が配置され、第2行目の第7〜第12列目に「1」(非零要素)が配置され、以下同様に、第1ブロック内の以下の行についても「1」(非零要素)が配置される。ここでは、第1ブロックにおける各列の列重みが1となるように配置される。
第2ブロック以降についても、第1ブロックと同様に乱数(他のブロックとは別の乱数)を用いて列の入れ替え処理を行い、非零要素の配置が各ブロックで異なるようにする。
以上の処理をX個のブロックについて行えば、列重みがXのパリティ検査行列が生成される。
なお、行処理部90Aの(λn+βmn)加算器30Aは、第1ブロック行演算処理部10A−1に対応する第1加算器30A−1と、第2ブロック行演算処理部19A−2に対応する第2加算器30A−2と、第3ブロック行演算処理部19A−3に対応する第3加算器30A−3と、を備える。
なお、行処理部90Bの(λn+βmn)加算器30Bは、第1ブロック行演算処理部10B−1に対応する第1加算器30B−1と、第2ブロック行演算処理部19B−2に対応する第2加算器30B−2と、第3ブロック行演算処理部19B−3に対応する第3加算器30B−3と、を備える。
図20に示すように、検査行列Hの第1ブロックH1の各行についてみた場合、ある行に含まれる複数の非零要素は、2つの部分検査行列HA,HBのいずれか一方のみに偏在する。
したがって、第1部分検査行列HAの第1ブロックH1部分に対応する第1ブロック行演算処理部19A−1、及び第2部分検査行列HBの第1ブロックH1部分に対応する第1ブロック行演算処理部19B−1は、他方の行演算処理部19A−1,19B−1が保有する行処理演算情報(λn+βmn)を取得しなくとも、自己が保有する行処理演算情報(λn+βmn)だけでαmnを演算することができる。
したがって、第1部分検査行列HAの第2ブロックH2部分に対応する第2ブロック行演算処理部19A−2、及び第2部分検査行列HBの第2ブロックH2部分に対応する第2ブロック行演算処理部19B−2は、他方の行演算処理部19A−2,19B−2が保有する行処理演算情報(λn+βmn)を取得しなければ、αmnを演算することができない。
情報交換部142A,142Bは、それぞれ、情報送信部142A−1,142B−1と、情報受信部(情報取得部;単に「取得部」ともいう)142A−2,142B−2とを有している。
図21の例では、情報交換部142A,142Bは、行処理の演算情報として、検査行列の非零要素に対応する(λn+βmn)のやり取りを行う。
第1部分処理回路71の情報受信部(情報取得部142A−2)は、第2部分処理回路72の情報送信部142B−1から、X5,X6を取得する。
同様に、第2部分処理回路72の情報受信部(情報取得部142B−2)は、第1部分処理回路71の情報送信部142A−1から、X1〜X4を取得する。
すなわち、各部分処理回路71,72の行演算処理部は、情報を交換することで、検査行列全体に従った行処理が可能なのである。
部分符号情報Asign及びBsignの演算式は下記式(10)(11)の通りである。
Bsign=Sign(X5)Sign(X6)…(11)
部分信頼度A,Bの演算式は、下記式(12)(13)の通りである。
B=f(|X5|)+f(|X6|)…(13)
したがって、各部分処理回路71,72は、Asign,Bsign,A,及びBの情報(行処理演算情報)を保有する。
ami=Sign(Xi)×Asign×Bsign×f{A+B−f(|Xi|)} …(14)
Bsign=Sign(X5)Sign(X6)…(16)
B=min(|X5|,|X6|)…(18)
行演算処理部19A−2,19B−2に含まれる最小値演算部151は、図23のように接続されていることによって、
αm1を求めるための信頼度:min(X2,X3,X4,B)
αm2を求めるための信頼度:min(X1,X3,X4,B)
αm3を求めるための信頼度:min(X1,X2,X4,B)
αm4を求めるための信頼度:min(X1,X2,X3,B)
αm5を求めるための信頼度:min(A,X6)
αm6を求めるための信頼度:min(A,X5)
を算出することができる。
X1sign=Sign(X2)・Sign(X3)・Sign(X4)・Bsign
…(19)
X2sign=Sign(X1)・Sign(X3)・Sign(X4)・Bsign
…(20)
X3sign=Sign(X1)・Sign(X2)・Sign(X4)・Bsign
…(21)
X4sign=Sign(X1)・Sign(X2)・Sign(X3)・Bsign
…(22)
X5sign=Asign・sign(X6) …(23)
X6sign=Asign・sign(X5) …(24)
例えば、部分信頼度A,Bである「最小値」は、最小値そのもの以外に、最小値を近似したものを含む。
また、一つの情報(最小値)が6bitで表される場合、当該情報は、0〜63の64種類の値をとることができるが、これを、例えば、0,1,2,4,8,16,32の7つの値に丸めて表現し、これら7つの値を示すインデックスで表現すれば、3bitあれば足りる。このように、部分信頼度A,Bである「最小値」は、最小値そのもの以外に、最小値の近似値のインデックスをも含む。
図24の例では、行演算処理部19Aの各行の行演算処理部単位で、行処理演算情報(λn+βmn等)のやり取りを行う。したがって、検査行列Hにおいて非零要素が2つの行に跨っている行の数に応じて、情報を交換するための配線数を用いることにすれば、他の行処理に影響されず、情報を高速にやり取りできる。
なお、複数の行処理演算情報のやりとりを行う共通配線74は、1本である必要はなく、複数本であってもよく、この場合、配線数を抑えつつ、高速化も図ることができる。
ところが、行処理演算情報の送信順序が、1行目からの単純な昇順であると、800行分の行処理演算情報の送信が完了しなければ、800行目の行処理が完了しない。
したがって、列処理部100Aは、少なくとも1〜800行目までの行処理が完了するまで、1列目の列処理を実行開始することができない。この結果、実質的には、行処理がすべて完了しなければ、列処理を実行することができないことになり、行処理と列処理の並列処理が妨げられる。
図27は、第2実施形態に係る処理部7を示している。なお、第2実施形態において説明を省略する点については、第1実施形態と同様である。
図27の第2実施形態では、行処理部90A,90B及び列処理部100A,100Bは、検査行列Hそのものに対応しているのではなく、検査行列Hの列同士を入れ替えた列入替検査行列H’に対応している。
列を適切に入れ替えることで、非零要素が複数の部分検査行列HA’,HB’に跨る行が少なくなる。この結果、部分処理回路71,72間でやりとりする情報が少なくなり、部分処理回路71,72間の配線数を少なくすることができる。
図29では、入力データλnを2つの部分処理回路71,72に振り分けて与えるのではなく、全入力データλnをそれぞれの部分処理回路71,72に与えるようにしている。そして、与えられた入力データのうち、各部分処理回路71,72が必要なものを使用し、必要ないものは使用しないことで、列入替検査行列H’の部分検査行列H1’,H2’がどのようなものであっても対応できる。
なお、全入力データを各部分処理回路71,72に与える点については、入替検査行列H’を採用した場合に限らず、通常の検査行列を採用した場合についても適用できる。
図30は、第3実施形態を示している。なお、第3実施形態において説明を省略した点については、第1及び第2実施形態と同様である。
第3実施形態では、処理部が、行処理及び列処理を行う第1段処理部7−1と、第1段処理部において行処理及び列処理を実行した結果を受け取って更に行処理及び列処理を行う第2段処理部7−2とを有した、多段構成の処理部として構成されている。
第1段処理部7−1及び第2段処理部7−2は、それぞれ、複数の部分処理回路71,72,73によって構成されている。
第1段処理部7−1の部分処理回路71,72,73が行処理及び列処理を実行したそれぞれの結果は、前記第2段処理部に与えられる。
第3実施形態では、各処理部7−1,7−2における、行処理及び列処理の繰り返しがなく、図30に示すように、複数の処理部7を多段接続することで、行処理及び列処理を繰り返すのと等価な結果を得ている。なお、多段の処理部7の最終段に、符号を判定して推定符号語を生成する判定部を設けても良い。
なお、第1段処理部7−1は、行処理及び列処理の結果として、Qnに代えて、行処理αmn又はβmnと入力データλnとを第2段処理部7−2に与えてもよい。例えば、第1段処理部7−1が、βmnを第2段処理部7−2に与える場合、第2段処理部7−2では、与えられたβmnを初期値として行処理及び列処理を行うことができる。
また、処理部の段数は、2つに限られるものではなく、3以上の任意の段数としてもよい。また、部分処理回路で構成される処理部は、すべての段でなくてもよく、複数段の処理部の一部の段の処理部だけであってもよい。
図31は、上記実施形態における処理部の分割方法とは異なる分割方法を示している。
図31の分割方法では、行処理部と列処理部の間に分割ライン(点線)があることから明らかなように、図31の左側は行処理部を構成する部分処理回路(行処理部チップ)とし、図31の右側は列処理部を構成する部分処理回路(列処理チップ)としたものである。なお、図31では、行処理部及び列処理部は、検査行列の3つのブロック毎に描かれている。
図31の場合、3つの行処理部ブロックから3つの列処理部ブロックへ延びる計6本の線が分割ラインと交差する。したがって、行処理部チップと列処理部チップとの間で、6n(nは符号長)の線が必要となる。ここで、符号長n=6000、1符号あたり6本(6bit)必要であるとすると、216,000本もの膨大な数の配線が必要となる。
よって、図31の分割方法は、符号長が長くなった場合には、現実的ではない。
そして、部分処理回路間の双方向のやりとりを考慮すれば、1行あたり、2本必要となるため、2×6×1000=12,000本となる。このように、図31の例に比べて、1/18の配線数で済むことになる。
つまり、検査行列を行方向に複数に分割して、ブロック単位で部分処理回路を構成したものである。
この場合、一つの行処理部ブロックには、n列分のn個の変数(α)があり、一つの行処理ブロックから出力されたn個のαを他の2つのブロックの列処理部に与えればよい。このため、符号長n=6000、1符号あたり6本(6bit)必要であるとすると、72,000本の配線でよく、図31の分割方法に比べると配線数を削減できる。
なお、検査行列を行方向に複数に分割する場合、ブロック単位で分割する必要はなく、任意の位置で分割することができる。
また、部分処理回路間で交換される演算情報は、行処理演算情報に限らず、列処理演算情報であってもよい。すなわち、検査行列のある列の列処理を行うために、複数の部分処理間で列処理のための演算情報を交換する必要がある場合には、行処理演算情報と同様に、複数の部分処理回路間で列処理演算情報を交換すればよい。
5 復号化器
6 対数尤度比算出部
7 復号処理部(処理部)
19A 行演算処理部
19B 行演算処理部
20A 列演算処理部
20B 列演算処理部
71 部分処理回路
72 部分処理回路
74 配線(情報送信配線)
90A 行処理部
100A 列処理部
142A 情報交換部(取得部;送信部)
142B 情報交換部(取得部;送信部)
143A 情報交換部(取得部;送信部)
143B 情報交換部(取得部;送信部)
200 入替部
201 入替部
210A 制御部
220B 制御部
Claims (22)
- 複数の入力データに対して、検査行列に基づく処理を行う処理部を備えたLDPC復号回路であって、
前記処理部は、前記検査行列を複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応する複数の部分処理回路によって構成され、
それぞれの部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての処理を行うよう構成され、
前記部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素における処理の演算を行うために必要とされる演算情報のうち、他の部分処理回路が有する演算情報を、当該他の部分処理回路から取得するための取得部を備え、
前記取得部は、
事前値対数比及び入力データの対数尤度比、又は
事前値対数比及び入力データの対数尤度比を用いた演算によって得られた値、
を前記演算情報として、他の部分処理回路から取得することを特徴とするLDPC復号回路。 - 複数の入力データに対して、検査行列に基づく処理を行う処理部を備えたLDPC復号回路であって、
前記処理部は、前記検査行列を複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応する複数の部分処理回路によって構成され、
それぞれの部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての処理を行うよう構成され、
前記部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素における処理の演算を行うために必要とされる演算情報のうち、他の部分処理回路が有する演算情報を、当該他の部分処理回路から取得するための取得部を備え、
前記取得部は、他の部分処理回路が行った部分演算結果を、前記演算情報として、当該他の部分処理回路から取得するよう構成され、
前記部分演算結果は、行処理の演算又は列処理の演算における部分的な演算を前記他の部分処理回路が行った演算結果であり、
前記部分的な演算は、部分検査行列の非零要素について入力データの部分符号情報を求める符号演算、及び、部分検査行列の非零要素について入力データの部分信頼度を求める演算であることを特徴とするLDPC復号回路。 - 複数の入力データに対して、検査行列に基づく処理を行う処理部を備えたLDPC復号回路であって、
前記処理部は、前記検査行列を複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応する複数の部分処理回路によって構成され、
それぞれの部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての処理を行うよう構成され、
前記部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素における処理の演算を行うために必要とされる演算情報のうち、他の部分処理回路が有する演算情報を、当該他の部分処理回路から取得するための取得部を備え、
前記取得部は、他の部分処理回路が行った部分演算結果を、前記演算情報として、当該他の部分処理回路から取得するよう構成され、
前記部分演算結果は、行処理の演算又は列処理の演算における部分的な演算を前記他の部分処理回路が行った演算結果であり、
前記部分的な演算は、
事前値対数比と当該事前値対数比に対応する入力データの対数尤度比との和の絶対値を変数とするギャラガのf関数値に関し、部分検査行列の非零要素に対応するギャラガのf関数値の和を求める演算、又は
事前値対数比と当該事前値対数比に対応する入力データの対数尤度比との和の絶対値に関し、部分検査行列の非零要素に対応する前記絶対値の最小値を求める最小値演算、
を含むことを特徴とするLDPC復号回路。 - 複数の入力データに対して、検査行列に基づく処理を行う処理部を備えたLDPC復号回路であって、
前記処理部は、前記検査行列を複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応する複数の部分処理回路によって構成され、
それぞれの部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての処理を行うよう構成され、
前記部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素における処理の演算を行うために必要とされる演算情報のうち、他の部分処理回路が有する演算情報を、当該他の部分処理回路から取得するための取得部を備え、
前記取得部は、他の部分処理回路が行った部分演算結果を、前記演算情報として、当該他の部分処理回路から取得するよう構成され、
前記部分演算結果は、行処理の演算又は列処理の演算における部分的な演算を前記他の部分処理回路が行った演算結果であり、
前記部分的な演算は、
事前値対数比と当該事前値対数比に対応する入力データの対数尤度比との和から求めた符号情報に関し、部分検査行列の非零要素に対応する符号情報の積を求める符号演算、
を含むことを特徴とするLDPC復号回路。 - 前記情報取得部は、他の部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素それぞれに対応する演算情報を、当該他の部分処理回路から取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のLDPC復号回路。
- 複数の入力データに対して、検査行列に基づく処理を行う処理部を備えたLDPC復号回路であって、
前記処理部は、前記検査行列を複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応する複数の部分処理回路によって構成され、
それぞれの部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての処理を行うよう構成され、
前記部分検査行列は、前記検査行列を列方向に複数に分割したものであり、
前記複数の部分処理回路は、列同士が入れ替えられた検査行列を、列方向に複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応するよう構成されていることを特徴とするLDPC復号回路。 - 複数の入力データが、列同士が入れ替えられた検査行列に対応するように、複数の入力データ同士の入れ替えを行うデータ入替部を備えていることを特徴とする請求項6記載のLDPC復号回路。
- 前記部分処理回路は、前記複数の入力データのうち、当該部分処理回路が対応する部分検査行列についての処理を行うために必要なデータを選択するように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のLDPC復号回路。
- 前記部分処理回路は、複数の演算情報を、共通の情報送信配線を介して、他の部分処理回路へ送信するための情報送信部を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のLDPC復号回路。
- 複数の入力データに対して、検査行列に基づく処理を行う処理部を備えたLDPC復号回路であって、
前記処理部は、前記検査行列を複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応する複数の部分処理回路によって構成され、
それぞれの部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての処理を行うよう構成され、
前記部分処理回路は、複数の演算情報を、共通の情報送信配線を介して、他の部分処理回路へ送信するための情報送信部を備え、
前記情報送信部が送信する演算情報の順序を制御する制御部を備えていることを特徴とするLDPC復号回路。 - 前記制御部は、列処理が実行される列の順序に応じて、送信される行処理演算情報の順序を制御することを特徴とする請求項10記載のLDPC復号回路。
- 複数の入力データに対して、検査行列に基づく処理を行う処理部を備えたLDPC復号回路であって、
前記処理部は、前記検査行列を複数に分割した複数の部分検査行列にそれぞれ対応する複数の部分処理回路によって構成され、
それぞれの部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての処理を行うよう構成され、
前記複数の部分処理回路は、行処理及び列処理を実行した結果から推定符号を判定する判定部をそれぞれ備え、
前記判定部によって判定した推定符号がそれぞれの部分処理回路から出力されることを特徴とするLDPC復号回路。 - 前記部分検査行列は、前記検査行列を列方向に複数に分割したものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のLDPC復号回路。
- 前記部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての行処理を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のLDPC復号回路。
- 前記部分処理回路は、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての行処理を行うとともに、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素についての列処理を行うよう構成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のLDPC復号回路。
- 復号回路を構成する部分処理回路であるとともに、他の部分処理回路と協調して、複数の入力データに対して行処理を行う行処理部を備えた部分処理回路であって、
前記処理部が、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素における行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路から取得する取得部と、
他の部分処理回路が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路へ送信する送信部と、
を備え、
前記取得部及び送信部によって、前記行処理演算情報を他の部分処理回路との間で交換することにより、他の部分処理回路と協調して行処理を行うように構成され、
前記取得部は、
事前値対数比及び入力データの対数尤度比、又は
事前値対数比及び入力データの対数尤度比を用いた演算によって得られた値、
を前記演算情報として、他の部分処理回路から取得する
ことを特徴とする部分処理回路。 - 復号回路を構成する部分処理回路であるとともに、他の部分処理回路と協調して、複数の入力データに対して行処理を行う行処理部を備えた部分処理回路であって、
前記処理部が、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素における行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路から取得する取得部と、
他の部分処理回路が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路へ送信する送信部と、
を備え、
前記取得部及び送信部によって、前記行処理演算情報を他の部分処理回路との間で交換することにより、他の部分処理回路と協調して行処理を行うように構成され、
前記取得部は、他の部分処理回路が行った部分演算結果を、前記行処理演算情報として、当該他の部分処理回路から取得するよう構成され、
前記部分演算結果は、行処理の演算における部分的な演算を前記他の部分処理回路が行った演算結果であり、
前記部分的な演算は、部分検査行列の非零要素について入力データの部分符号情報を求める符号演算、及び、部分検査行列の非零要素について入力データの部分信頼度を求める演算である
ことを特徴とする部分処理回路。 - 復号回路を構成する部分処理回路であるとともに、他の部分処理回路と協調して、複数の入力データに対して行処理を行う行処理部を備えた部分処理回路であって、
前記処理部が、当該部分処理回路が対応する部分検査行列の非零要素における行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路から取得する取得部と、
他の部分処理回路が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路へ送信する送信部と、
を備え、
前記取得部及び送信部によって、前記行処理演算情報を他の部分処理回路との間で交換することにより、他の部分処理回路と協調して行処理を行うように構成され、
前記取得部は、他の部分処理回路が行った部分演算結果を、前記行処理演算情報として、当該他の部分処理回路から取得するよう構成され、
前記部分演算結果は、行処理の演算における部分的な演算を前記他の部分処理回路が行った演算結果であり、
前記部分的な演算は、
事前値対数比と当該事前値対数比に対応する入力データの対数尤度比との和から求めた符号情報に関し、部分検査行列の非零要素に対応する符号情報の積を求める符号演算、
を含むことを特徴とする部分処理回路。 - 復号回路を構成する部分処理回路であるとともに、列同士が入れ替えられた検査行列を列方向に複数に分割した部分検査行列のうちの一の部分検査行列に対応する部分処理回路であって、前記複数に分割した部分検査行列のうちの他の部分検査行列に対応する他の部分処理回路と協調して、複数の入力データに対して行処理を行う行処理部を備えた部分処理回路であって、
前記処理部が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路から取得する取得部と、
他の部分処理回路が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路へ送信する送信部と、
を備え、
前記取得部及び送信部によって、前記行処理演算情報を他の部分処理回路との間で交換することにより、他の部分処理回路と協調して行処理を行うように構成されていることを特徴とする部分処理回路。 - 復号回路を構成する部分処理回路であるとともに、他の部分処理回路と協調して、複数の入力データに対して行処理を行う行処理部を備えた部分処理回路であって、
前記処理部が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路から取得する取得部と、
他の部分処理回路が行処理の演算を行うために必要な複数の行処理演算情報を、共通の情報送信配線を介して、他の部分処理回路へ送信する送信部と、
を備え、
前記取得部及び送信部によって、前記行処理演算情報を他の部分処理回路との間で交換することにより、他の部分処理回路と協調して行処理を行うように構成され、
前記送信部が送信する演算情報の順序を制御する制御部を備えている
ことを特徴とする部分処理回路。 - 復号回路を構成する部分処理回路であるとともに、他の部分処理回路と協調して、複数の入力データに対して行処理を行う行処理部及び列処理を行う列処理部を備えた部分処理回路であって、
前記処理部が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路から取得する取得部と、
他の部分処理回路が行処理の演算を行うために必要な行処理演算情報を、他の部分処理回路へ送信する送信部と、
を備え、
前記取得部及び送信部によって、前記行処理演算情報を他の部分処理回路との間で交換することにより、他の部分処理回路と協調して行処理を行うように構成され、
さらに、行処理及び列処理を実行した結果から推定符号を判定する判定部を備え、前記判定部によって判定した推定符号が部分処理回路から出力される
ことを特徴とする部分処理回路。 - 一つの半導体チップで構成されていることを特徴とする請求項17〜21のいずれか1項に記載の部分処理回路。
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