JP4650485B2 - 復号装置 - Google Patents
復号装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4650485B2 JP4650485B2 JP2007328492A JP2007328492A JP4650485B2 JP 4650485 B2 JP4650485 B2 JP 4650485B2 JP 2007328492 A JP2007328492 A JP 2007328492A JP 2007328492 A JP2007328492 A JP 2007328492A JP 4650485 B2 JP4650485 B2 JP 4650485B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- signal
- output
- unit
- decoding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Error Detection And Correction (AREA)
Description
その誤り訂正技術の一つとして、低密度パリティ検査(LDPC:Low-Density Parity-Check)符号と、その復号法であるsum−product復号法とが注目されている。
このLDPC符号では、白色ガウス通信路のシャノン(Shannon)限界まで、0.004dBという復号特性が得られることが知られている。また、sum-product復号法や、これを簡略化したmin-sum復号法は、並列処理による復号処理を実行するため、符号長を長くすることができるとともに処理能力を向上させることができる。
下記特許文献1は、このようなLDPC符号の復号装置の構成を開示している。
復号装置に用いられるアナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器ともいう)としては、一つの比較器で大小比較を何度も繰り返し実行する逐次比較型や、多数の比較器を並列に並べてアナログの入力信号を基準信号と一斉に比較するフラッシュ型等が挙げられる。上記復号装置では、高速な処理が求められるため、入力信号を一斉に比較することでA/D変換に係る処理速度の向上に有利なフラッシュ型のA/D変換器が用いられる。
前記コンパレータ回路では、例えば、約−8Vから約8Vまでの範囲で入力されるアナログの受信信号を量子化する場合、−8Vから8Vまでの間に、電圧間隔が等しい複数の参照電圧値に対応する比較器を複数並べ、入力されるアナログの受信信号を、全ての比較器で一度に比較し、量子化するように構成されている。
以上の理由から、製造コストを抑えつつ、その処理速度を高めることができる復号装置が嘱望されていた。
また、識別レベル値の個数を減らしたとしても、信頼度が小さくなる基準値の周辺においては、比較的細かい間隔で識別レベル値を設定できるので、軟判定復号部による軟判定を確実に行うことができる。すなわち、誤りの生じやすい基準値の周辺部において、識別レベル値の分解能を高めることができ、この分解能が高められた情報を軟判定復号部に出力することができる。その結果、当該復号装置の誤り訂正能力を高めることができる。
さらに、本発明は、上記のように、複数の識別レベル値を、対数的に増加させた値に設定することで、受信信号を量子化する際における識別レベル値の個数を減らしたので、量子化部が軟判定復号部に出力する情報量(信号数)を減らすことができる。このため、軟判定復号部が行う処理の負荷を軽減することができ、その結果、当該復号装置の行う復号処理の処理速度を高めることができる。
N = log2M
上記復号装置では、複数の識別レベル値が基準値に対する差の絶対値を順次対数的に増加させた値に設定されているので、量子化部は、自身が出力する量子化値を、sum-product復号法又はmin-sum復号法による復号処理を考慮した値とすることができる。すなわち、量子化部から出力される量子化値は、sum−product復号法、又はmin−sum復号法に基づく復号処理に適した信号として出力されるので、軟判定復号部の行う軟判定復号処理の処理速度をより高めつつ、その復号精度を高めることができる。
この場合、受信信号は量子化されるとき、その絶対値がより小さい識別レベル値で近似されて量子化される。min-sum復号法では、事前値対数比の真値に対して最小値を求める際、この最小値は常に真値よりも大きくなる。本復号装置の場合、この事前値対数比に加えられる量子化値を、上記のように、受信信号の実際の値よりも小さめの識別レベル値で近似され量子化されるので、min-sum復号法にて前記最小値を求める上で、より真値に近い値を得ることができ、より復号精度を高めることができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
〔通信システムの全体構成〕
図1は、本発明の第一の実施形態に係る復号装置を有する通信システムの構成の一例を示す図である。図1において、通信システムは、送信部側において、送信情報に誤り訂正用の冗長ビットを付加して送信符号を生成する符号化器1と、この符号化器1からの(K+M)ビットの符号を所定の方式に従って変調して通信路3へ出力する変調器2とを含む。
例えば、本実施形態において、通信路3が光ファイバとした場合、変調器2は、自身が備えるレーザダイオードの輝度を送信情報ビット値に応じて変更させることにより、光の強度変調(一種の振幅変調)を行なう。例えば、送信データビットが“0”の場合には、”+1”に変換して、レーザダイオードの発光強度を強くして送信する。また、送信データビットが“1”の場合、”−1”に変換して、レーザダイオードの発光強度を弱くして送信する。
復号装置4は、受信した変調信号を復調する復調器5により生成された復調信号を(K+M)ビットの量子データに変換するA/D変換器6と、この(K+M)ビットの量子データにパリティ検査行列に基づく復号処理を施して元のKビットの情報を再生する復号化器7とを有している。
また、復調器5は、上記のように通信路3が光ファイバとした場合、受光した前記レーザダイオードによる光信号を、光電変換によって、電気信号に変換した復調信号を出力する。なお、この復調信号には、(K+M)ビットの符号化データXnが含まれる。
復調器5が受信する光信号の光強度は、通信路3による伝達損失等により、最も強い強度から最も弱い強度までの間のアナログ的な強度分布を有する。復調器5は、光信号のアナログ的な光強度分布を電気信号の電圧値に置き換えることで、復調信号をアナログ信号として出力する。
すなわち、A/D変換器6は、アナログの復調信号について、予め定められた複数の電圧レベルで量子化する。従って、復調信号は、ビットごとそれぞれが前記複数の電圧レベルで量子化された量子データに変換される。
なお、このA/D変換器6の構成については、後に詳述する。
A/D変換器6が出力する量子データは、上述のようにビットごとに量子化したデータである。また、A/D変換器6は、後述するように、復調器5のアナログ信号を線形的に量子化するのではなく、それぞれ基準値から対数的に増加させた値に設定された複数の識別レベル値に基づいて、ビットごとに量子化し、量子化した識別レベル値を量子データ(量子化値)として出力する。つまり、A/D変換器6は、復号化器7によるsum-product復号法又はmin-sum復号法に基づいた復号処理を考慮した量子化を行っている。以下の説明では、A/D変換器6が出力する量子データをλnと称する。
行処理部9及び列処理部10は、復号法がsum-product復号法である場合、次式(1)及び(2)に従って演算処理を行い、パリティ検査行列の行の各要素(非零要素)についての処理(行処理)、及び列についての各要素(非零要素)についての処理(列処理)を繰り返し実行する。
具体的には、行処理部9が、次式(1)に従って外部値対数比αmnを算出する演算を行い、列処理部10が、次式(2)に従って事前値対数比βmnを算出する演算を行う。
外部値対数比αmnについては、n’≠nであり、事前値対数比βmnについては、m’≠mである。また、αおよびβの行列内の位置を示す添え字“mn”は、通常は下付文字で示されるが、本明細書においては、読みやすさのために、「横並びの文字」で示す。
なお、式(1)中において、fは、ギャラガ(Gallager)のf関数である。
A(m)={n:Hmn=1} …(4)
B(n)={m:Hmn=1} …(5)
A(2)={3,4}
A(3)={4,5,6}
B(1)=B(2)={1}
B(3)={1,2}
B(4)={2,3}
B(5)=B(6)={3}
すなわち、図4に示すように、変数ノード1,2,3は、チェックノードX(第1行)に接続され、変数ノード3,4は、チェックノードY(第2行)に接続される。また、変数ノード4,5,6は、チェックノードZ(第3行)に接続される。この変数ノードが検査行列Hの列に対応し、チェックノードX,Y及びZが、この検査行列Hの各行に対応する。従って、図3に示す検査行列は、情報ビットが3ビット、冗長ビットが3ビットの合計6ビットの符号長の符号に対して適用される。
この変数ノードとチェックノードの間で各条件確率P(Xi|Yi)を伝播させ、MAPアルゴリズムに従って、もっともらしい符号を各変数ノードについて決定する。ここで、条件付確率P(Xi|Yi)は、Yiの条件下でXiとなる確率を示す。
なお、式(2)及び式(7)は同じものである。
また、ループ判定部11は、復号演算の反復が終了した後、外部値対数比αmnと、量子データλnとを用いて符号を判定する機能を有している。
具体的には、ループ判定部11は、次式(10)に従って、Qnを算出する。
図5は、A/D変換器6及び行処理部9の構成を示す図である。A/D変換器6は、参照電圧発生回路12と、7個の比較器13aを有するコンパレータ回路13と、バッファ回路14とを備えている。参照電圧発生回路12は、コンパレータ回路13が参照する7水準の参照電圧を設定する。コンパレータ回路13は、参照電圧発生回路12による参照電圧と、復調器5から供給される復調信号とを比較し、この復調信号を7水準の参照電圧によって量子化する。各比較器13aは、それぞれが参照する参照電圧値と、入力信号(復調器5からの復調信号)による入力電圧値Vinとを比較し、入力電圧値Vinの方が大きいか否かを示す出力信号をバッファ回路14に出力する。
バッファ回路14は、コンパレータ回路13から出力された出力信号を(K+M)ビットのデータを量子化した量子データλnとして、復号化器7に出力する。
コンパレータ回路13は、これら入力電圧値Vinの内、0Vを基準値として、−8V,−4V,−2V,−1V,1V,2V,4Vに設定された7水準の参照電圧値に対して入力電圧値Vinの比較を行うように構成されている。図中、out1は、コンパレータ回路13の有する、参照電圧値−8Vで比較する比較器13aの出力部であり、このout1からは、−8Vに対する比較結果が上記出力信号として出力される。
out2〜7も同様であり、図において対応する各参照電圧値に対して比較結果が出力信号として出力される。
上記のように7水準の参照電圧値が設定されたコンパレータ回路13によって、入力電圧値Vinは、8段階のレベルで量子化される。本実施形態のA/D変換器6では、参照電圧値は、基準値(0V)に対する差の絶対値が当該基準値から順次対数的に増加させた値に設定されており、具体的には、−8V,−4V,−2V,−1V,1V,2V,4Vに設定されており、正負の両方に2のべき乗で表される数値に設定されている。
図7は、入力信号の電圧値Vinに対して、バッファ回路14が出力する信号を示した表である。図7に示すように、バッファ回路14は、各out1〜out7からの出力それぞれに対応して、“0”又は“1”を配列した信号を量子データλnを示す信号として出力する。つまり、本実施形態のA/D変換器6は、コンパレータ回路13の比較器13aの出力を、変換テーブル等で変換することなく、比較器13aの出力そのままの態様を信号として生成する。
すなわち、コンパレータ回路13は、入力電圧値Vinについて、各参照電圧値に基づいて比較した結果、入力電圧値Vinが隣り合う二つの識別レベル値の間の値であるとき、これら二つの識別レベル値の内、その絶対値が小さい方の値を量子データλnに対応づけるように処理を行う。このため、入力電圧値Vinは、その値を小さく丸められて量子化される。
これによって、A/D変換器6は、量子データλnを、復号化器7によるsum-product復号法又はmin-sum復号法による復号処理を考慮した値とすることができ、復号化器7における復号処理に適した値として出力することができる。この結果、復号化器7の行う軟判定復号処理の処理速度をより高めつつ、その復号精度を高めることができる。この点については、後に詳述する。
例えば、上記従来例で示したA/D変換器では、通常、16段階のレベルで量子化するために15個の比較器それぞれから出力される15個の信号を4ビットの信号に変換するための変換テーブルを用いて信号を出力する。
これに対して、本実施形態のA/D変換器6では、比較器13aの出力を変換テーブル等で変換することなく、そのままの態様で信号として復号化器7に出力するので、構成を簡易にできるとともに、A/D変換に要する処理速度を高めることができる。
また、この「量子データλnを示す信号」は、対応する量子データの絶対値|λn|が大きくなるに従って信号の内の“1”の個数が多くなるように設定されており、対応する値の絶対値を、連続する“1”の個数で表現したビット群を含んだ信号として構成されている。
図8は、変調器2の出力、復号装置4の受光レベル、A/D変換器6に入力される入力電圧値Vin、及び量子データλnの対応関係を一覧にして示した図である。図8において、変調器2は、上述のように、送信データビットが“0”の場合には、”+1”に変換して、レーザダイオードの発光強度を強くして送信する。また、送信データビットが“1”の場合、”−1”に変換して、レーザダイオードの発光強度を弱くして送信する。
A/D変換器6は、この入力信号の入力電圧値Vinを、上述のように8段階のレベルで量子化することで、光信号の受光レベルを8段階で検出する。光信号の受光レベルは、図8に示すように、受光レベルが7のときには光強度がかなり強く、受光レベルが0のときには光強度がかなり弱い状態である。
次に、上記A/D変換器6が出力する量子データλnの処理について説明する。
図5を参照して、A/D変換器6が出力する量子データλnは、まず、行処理部9に出力される。なお、ここでは、上述のmin−sum復号法によって復号処理を行う場合について説明する。
行処理部9は、上記式(6)に従って外部値対数比αmnを演算するための機能部として、式(6)中のデータ符号情報の部分の演算を行うための符号処理部21と、式(6)中、行処理においてデータ信頼度の部分の最小値の演算を行うための最小値探索部22と、符号処理部21及び最小値探索部22の演算結果に基づいて外部値対数比αmnを演算する符号乗算部23とを有している。
また、復号処理を繰り返す際には、列処理部10からの事前値対数比βmnに対して量子データλnを加算した後、符号部分の演算を行い、その結果を符号乗算部23に出力する。
A/D変換器6から演算部22aに出力される量子データλnは、「量子データλnを示す信号」(図7参照)として出力される。
この信号を受けた復号化器7の演算部22aは、図9に示すように、各信号全てについて、対応する列ごとに論理積を求める。なお、図中、「|λn+βmn|」の欄は、各信号に対応する量子データ及び事前値対数比の和の絶対値を示しており、演算部22aは、量子データλnと事前値対数比βmnの和の絶対値の内の最小値を求める演算を行う。また、「値」の欄は、各信号に対応する数値を示している。この演算部22aでは、この「値」の欄の数値は直接演算処理に関係しないが、理解を容易とするために表示している。なお、事前値対数比βmnは、初期値は0であり、A/D変換器6からの出力を受けた現段階では0であるので、ここでの演算は、量子データλnのみに関する演算が行われる。
このとき、量子データλnを示す各信号は、上述したように、対応する値の絶対値|λn|が大きくなるに従って信号の内の“1”の個数が多くなるように設定されており、対応する値の絶対値を、信号の構成要素である“1”の個数で表現している。このため、上記の演算によって、量子データの絶対値|λn|の内の最小値となる値を求めることができる。
演算部22aは、量子データの絶対値|λn|の最小値を、図9中の演算結果の欄に示す信号として出力する。
この場合、多数の信号について一度に演算し、上記最小値を求めることができるので、例えば、各信号をそれぞれ個別的にトーナメント方式を採って、各量子データの絶対値|λn|を比較して最小値を求める場合と比べて、より高速な処理を行うことができる。
このため、演算部22aは、量子データλnの値が正である場合(図9(a))と、負である場合(図9(b))の二通りの場合それぞれについて、ビットごとの論理積を求める。
その後、演算部22aは、上記二通りの場合で得られた二つの信号が有する“1”の個数を比較し、“1”の個数が少ない方の信号を、最小値を示す信号として出力する。
図10中、グラフに示す曲線は、ギャラガ(Gallager)のf関数を示している。sum−product法において、上記式(1)中のデータ信頼度の部分となる|αmn|は、各|λn+βmn|にギャラガのf関数を適用して求められる値の総和dを求め、さらに、この総和dに対してギャラガのf関数を逆関数として適用することにより得られる。
ここで、量子データλnは、上述したように、A/D変換器6によって量子化される際に、入力電圧値Vinが隣り合う二つの識別レベル値の間の値であるとき、これら二つの識別レベル値の内、その絶対値が小さい方の値を量子データλnとして対応づけられている。
このため、量子データλnは、量子化の際、隣り合う二つの識別レベル値の間に位置する値の絶対値はすべてその絶対値が小さい方の識別レベル値に揃えられるため、実際の値(絶対値)よりも、小さい値(絶対値)で近似されて(丸められて)量子化されることになる。
すなわち、演算部22aによって、真値よりも常に大きい値として演算される、量子データの絶対値|λn|(|λn+βmn|)の最小値は、A/D変換器6による量子化の段階で、予めその値が小さめの値となるように近似されている。このため、演算部22aにて行われる最小値演算全体としては、より真値に近い値を得ることができ、復号処理における復号精度をより高めることができる。
特に、min−sum復号法により復号処理を行う場合においては、量子データの絶対値|λn|が、上述のように実際の値(絶対値)よりも、小さい値(絶対値)で近似されて(丸められて)量子化されることで、より真値に近い値(|αmn|)を得ることができ、復号処理における復号精度をより高めることができる。従って、|αmn|の近似値を求めるmin−sum復号法により復号処理を行う場合には、高い復号精度を得つつ、sum−product復号法よりも処理を簡略化することができる。
図11は、第二変換部22bが行う変換の態様を示した図である。第二変換部22bは、量子データの絶対値|λn|の最小値を示す信号を、それぞれに対応する値に変換する。A/D変換器6から出力されたときに負の値であった量子データλn(図中上の4段)については、その負の値を絶対値とするように変換する。
さらに、上記変換によって対応する値に変換された最小値は、符号乗算部23に出力される。
そして、符号乗算部23は、上記最小値と、符号処理部21からの符号部分に関する演算結果とから、上記式(6)に基づいて、外部値対数比αmnを演算する。
最小値探索部22の演算部22aは、上述のように、対応する値の絶対値を、“1”の個数で表現したビット群を含む信号を処理するように構成されている。このため、第一変換部22cは、列処理部10から数値として出力されるデータを、演算部22aにて演算可能な信号に変換する。
図12は、第一変換部22cが行う変換の態様を示した図である。第一変換部22cは、λn+βmnを、その値に応じて、それぞれ、図12に示す|λn+βmn|を示す信号に変換する。|λn+βmn|を示す信号は、図12に示すように、各値に対応付けられている。
上述したように、演算部22aによって演算される最小値は、真値よりも常に大きい値として演算される。上記の場合、演算部22aによる演算の前段階で、予め演算対象の値が小さめの値となるように近似されるので、後に演算部22aにて行われる最小値演算全体としては、より真値に近い値を得ることができる。
以上のようにして、復号化器7の行処理部9及び列処理部10は、それぞれ行処理及び列処理を繰り返し、復号処理を行う。
また、識別レベル値の個数を減らしたとしても、信頼度が小さくなる基準値の周辺においては、比較的細かい間隔で識別レベル値を設定できるので、復号化器7による軟判定を確実に行うことができる。すなわち、誤りの生じやすい基準値の周辺部において、識別レベル値の分解能を高めることができ、この分解能が高められた情報を復号化器7に出力することができる。その結果、当該復号装置4の誤り訂正能力を高めることができる。
さらに、本実施形態の復号装置4は、上記のように、複数の識別レベル値を、対数的に増加させた値に設定することで、受信信号を量子化する際における識別レベル値の個数を減らしたので、A/D変換器6が復号化器7に出力する量子データλnを示す信号の本数を減らすことができる。このため、復号化器7が行う処理の負荷を軽減することができ、その結果、当該復号装置4の行う復号処理の処理速度を高めることができる。
また、
これに対して、本実施形態では、上記のように、A/D変換器6は、比較器13aの出力を、変換テーブル等で変換することなく、そのまま信号として生成し、復号化器7に出力する。さらに、この信号を受けた復号化器7の演算部22aは、この信号を変換テーブル等で変換することなく、そのまま最小値演算を行うように構成されている。つまり、従来の復号装置のように、A/D変換器からの出力、及び復号化器への信号の入力のそれぞれにおいて変換テーブルを介する必要がないので、構成を簡易にできるとともに、復号処理に要する処理速度を高めることができる。
図13は、本発明の第二の実施形態に係る復号装置4のA/D変換器6を示す模式図である。本実施形態と上記第一の実施形態との相違点は、コンパレータ回路13において、参照電圧−8Vの比較器13aが省略されている点と、第一〜第三論理和回路15a〜15cを備えている点である。
図14は、入力信号の電圧値Vinに対するコンパレータ回路13の出力信号、及びこれに対応して出力される各論理和回路15a〜15cの演算結果に係る信号を示した表である。本実施形態におけるA/D変換器6は、参照電圧値が6水準設定されており、入力電圧値Vinを7個の数値範囲で量子化し、その7個の領域ごとに対応付けられた識別レベル値(−4,−2,−1,0,1,2,4)を量子データλnとして出力する。
A/D変換器6は、図14中に示すように、各出力部Y1〜Y4からの出力に対応して、Low出力の場合には“0”、High出力の場合には“1”を配列した信号を量子データλnを示す信号として生成する。
また、出力部Y4は、out4からの出力をそのまま出力するので、量子データλnが正の値となる場合には“0”、負の値となる場合には“1”を出力する。
このように、出力部Y1〜Y3に対応する信号は、量子データλnの絶対値の大きさを、連続する“1”の個数で表現し、出力部Y4に対応する信号は、量子データλnの正負を示している。
なお、演算部22aによる最小値演算は、第一の実施形態で示した通りである。また、本実施形態では、量子データλnの絶対値の大きさを、第一番目から第三番目のビットによって表現されているので、上記第一の実施形態のように量子データλnの値が正負の場合で場合分けを行うこと無く、最小値演算を行うことができる。
さらに、上記変換によって対応する値に変換された最小値は、符号乗算部23に出力される。
そして、符号乗算部23は、上記最小値と、符号処理部21から得られる量子データλnの符号を表す部分(出力部Y4に相当する部分)に基づく符号部分に関する演算結果とから、上記式(6)に基づいて、外部値対数比αmnを演算する。
これによって、量子データλnの値が「0」である場合においても、実際の入力電圧値Vinの値が正であるのか(0V以上でかつ1Vより小さいのか)、負であるのか(−1Vより大きくかつ0Vより小さいのか)を、出力部Y4による出力信号によって表すことができる。すなわち、量子データλnの値が「0」である場合、正の場合の「0」と負の場合の「0」の2通りの信号が出力され、実際の入力電圧値Vinの値の正負を、より精度よく出力信号に反映させることができる。
図18(a)は、本発明の第三の実施形態に係る復号装置4のA/D変換器6における、入力信号の電圧値Vinに対するコンパレータ回路13の出力信号、及びこれに対応して出力される量子データλnを示す信号を示した表である。
本実施形態と上記第二の実施形態との主な相違点は、図18(a)に示すように、A/D変換器6の変換回路16が、量子データλnを示す信号を、3ビットで表される信号として生成する点である。
すなわち、変換回路16は、図18(a)に示すような、出力部Y1〜Y4の出力の組み合わせに対応して、予め定めた3ビットで表される信号が割り当てられた変換テーブルを有しており、これに準じて、量子データλnを示す信号を3ビットの信号として出力する。
図18(b)は、第一変換部22cが行う変換の態様を示した図である。第一変換部22cにおいて行われる、事前値対数比βmnに量子データλnを加算した値に対する変換は、後の演算部22aにおいて行われる最小値演算が可能な態様の出力信号に変換する。
なお、演算部22aによる最小値演算は、第一の実施形態で示した通りであり、第二変換部22bによる最小値の数値変換は、第二の実施形態にて説明した通りである。
従って、これら値を最小のビット数で表すと、図18(a)に示すように3ビットの信号に割り当てて表現することができる。
つまり、A/D変換器6は、識別レベル値がM個で構成されているとすると、入力電圧値VinをM個の数値範囲で量子化し、量子データλnを、下記式(13)により求められる数Nを越える最小の整数をビット数とする信号として生成することで、A/D変換器6が出力する量子データλnを示す信号のビット数を最小に抑えることができる。
N = log2M ・・・・(13)
図20は、本発明の第四の実施形態に係る復号装置4のA/D変換器6における、入力信号の電圧値Vinに対するコンパレータ回路13の出力信号、及びこれに対応して出力される量子データλnを示す信号を示した表である。
本実施形態と上記第三の実施形態との主な相違点は、図20に示すように、A/D変換器6の変換回路16が、量子データλnを示す信号を、4ビットで表される信号として生成する点である。
すなわち、変換回路16は、図20に示すような、出力部Y1〜Y4の出力の組み合わせ及びその量子データλnに対応して、4ビットで表される信号が割り当てられた変換テーブルを有しており、これに準じて、量子データλnを示す信号を4ビットの信号として出力する。
例えば、図20中、量子データλnが正の値である「4」の値を採る場合、それを示す信号は、「0,1,0,0」であり、4を2進数で表現している。また、絶対値が「4」である負の値「−4」を採る量子データλnを示す信号は、「1,1,0,0」であり、量子データλnが「4」である場合の信号に対して2の補数として表現されている。
本実施形態における演算部22aは、量子データλnを示す信号が、量子データλnの値を示す2進数及びそれに対する2の補数によって表現されているので、これらの内、量子データの絶対値|λn|の最小値を演算し、その結果を符号乗算部23に出力するように構成されている。
5 復調器 6 A/D変換器 7 復号化器 9 行処理部
10 列処理部 11 ループ判定部 12 参照電圧発生回路
13 コンパレータ回路 13a 比較器 14 バッファ回路
15a 第一論理和回路 15b 第二論理和回路 15c第三論理和回路
16 変換回路 21 符号処理部 22 最小値探索部
22a 演算部 22b 第二変換部 22c 第一変換部
23 符号乗算部
Claims (6)
- 受信信号を複数の識別レベル値で量子化した量子化値を出力する量子化部と、
前記量子化部が出力する前記量子化値に基づいて軟判定を行い前記受信信号を復号する軟判定復号部と、を有し、
前記軟判定復号部は、前記量子化部が出力する前記量子化値と、所定の基準値との差の絶対値を前記受信信号の信頼度として軟判定を行うものであり、
前記複数の識別レベル値は、前記基準値に対する差の絶対値が前記基準値から順次対数的に増加させた値に設定され、
前記量子化部は、正負が異なるが前記基準値からの絶対値が同じである前記受信信号については、正負が異なるが絶対値が同じ識別レベル値を量子化値として出力するように、前記受信信号の量子化を行う
ことを特徴とする復号装置。 - 前記量子化部は、前記量子化値を、前記量子化値の絶対値を“0”又は“1”の個数で表現したビット群と、前記量子化値の正負を示すビットとを含む信号として出力する請求項1に記載の復号装置。
- 前記量子化部は、前記識別レベル値がM個で構成されているとすると、前記量子化値を、下記式により求められる数Nを越える最小の整数をビット数とする信号として出力する請求項1に記載の復号装置。
N = log2M - 前記量子化部は、前記量子化値を2の補数として表した信号として出力する請求項1に記載の復号装置。
- 前記軟判定復号部は、sum−product復号法、又はmin−sum復号法に基づいて前記受信信号を軟判定し復号する請求項1〜4のいずれか一項に記載の復号装置。
- 前記量子化部は、前記受信信号と、前記複数の識別レベル値とを比較した結果、前記受信信号が隣り合う二つの識別レベル値の間の値であるとき、これら二つの識別レベル値の内、その絶対値が小さい方を前記量子化値とする請求項5に記載の復号装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007328492A JP4650485B2 (ja) | 2007-12-20 | 2007-12-20 | 復号装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007328492A JP4650485B2 (ja) | 2007-12-20 | 2007-12-20 | 復号装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009152829A JP2009152829A (ja) | 2009-07-09 |
JP4650485B2 true JP4650485B2 (ja) | 2011-03-16 |
Family
ID=40921454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007328492A Expired - Fee Related JP4650485B2 (ja) | 2007-12-20 | 2007-12-20 | 復号装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4650485B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5556570B2 (ja) * | 2010-10-13 | 2014-07-23 | 富士通株式会社 | 信号処理回路及び受信装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002534893A (ja) * | 1998-12-31 | 2002-10-15 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | 通信システムでの反復デコーダに対する量子化方法 |
JP2005506733A (ja) * | 2001-10-10 | 2005-03-03 | フラリオン テクノロジーズ,インコーポレーテッド | パリティチェックデコーダで使用するノードプロセサ |
-
2007
- 2007-12-20 JP JP2007328492A patent/JP4650485B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002534893A (ja) * | 1998-12-31 | 2002-10-15 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | 通信システムでの反復デコーダに対する量子化方法 |
JP2005506733A (ja) * | 2001-10-10 | 2005-03-03 | フラリオン テクノロジーズ,インコーポレーテッド | パリティチェックデコーダで使用するノードプロセサ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009152829A (ja) | 2009-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3891186B2 (ja) | 復号装置および前処理装置 | |
US7178081B2 (en) | Simplified message-passing decoder for low-density parity-check codes | |
KR101496182B1 (ko) | 최소거리가 확장된 극 부호 생성 방법 및 장치 | |
CN100581064C (zh) | 低密度奇偶校验码解码装置和方法 | |
CN110402565B (zh) | 信号整形装置、整形终止装置、信号整形方法以及光传输方法 | |
WO2018053130A1 (en) | Probabilistic signal shaping and codes therefor | |
US20110066917A1 (en) | Method and Apparatus for Elementary Updating a Check Node During Decoding of a Block Encoded with a Non-binary LDPC Code | |
KR102059002B1 (ko) | 무선 통신 시스템에서 ldpc 부호의 패리티 검사 행렬을 기반으로 부호화를 수행하는 방법 및 이를 이용한 단말 | |
JP4650485B2 (ja) | 復号装置 | |
CN111164897B (zh) | 广义低密度奇偶校验码 | |
EP3547572A1 (en) | A method for generating optical signal, and associated optical transmitter and optical receiver | |
JP5056247B2 (ja) | 復号器、受信装置、符号化データの復号方法及び通信システム | |
JP4645645B2 (ja) | 復号装置及び検査行列生成方法 | |
JP4618293B2 (ja) | 復号装置及び検査行列生成方法 | |
JP4645640B2 (ja) | 復号器、受信装置及び符号化データの復号方法 | |
US11791844B2 (en) | Systems and methods for using special nodes for polar encoding in polar codes | |
JP4985843B2 (ja) | 復号装置 | |
JP2009182421A (ja) | 復号化方法及び復号化装置 | |
JP2007323515A (ja) | 比較装置および復号装置 | |
JP4341646B2 (ja) | 復号装置 | |
JP2008288710A (ja) | 復号回路及び部分処理回路 | |
JP4766013B2 (ja) | 復号器、受信装置及び符号化データの復号方法 | |
JP2011160491A (ja) | 復号器 | |
JP2008153874A (ja) | 軟判定復号装置、軟判定復号方法および軟判定復号プログラム | |
JP4973647B2 (ja) | 誤り訂正符号の復号評価装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100803 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101004 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101116 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101129 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4650485 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |