JP4760141B2 - 情報記録媒体及び情報記録媒体の秘匿情報検知装置 - Google Patents

情報記録媒体及び情報記録媒体の秘匿情報検知装置 Download PDF

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Description

本発明は、肉眼で認知することのできない秘匿情報を保持する情報記録媒体とこの情報の有無及び内容を検知する検知装置に関する。本発明に係る秘匿情報は、基板の表面に設けられた反射型回折格子によって保持されており、その反射回折光の方向によって前記秘匿情報を再現するものである。
基板表面に反射型回折格子を設けてこの回折格子に秘匿情報を保持させ、特定の光源からの照射光に応答して発生した反射回折光の方向で前記秘匿情報を再現する情報記録媒体は公知である。
このような情報記録媒体は、一般に、転写技術を利用して製造されており、その秘匿情報は情報記録媒体、すなわち、製品の真正を認証する認証情報として利用されている。
転写箔9は、例えば、図6Aの断面図に示すようなものである。図6Aにおいて、91は転写箔の基材を示しており、この転写箔基材91上に、剥離層92を介して、順次、保護層93、光反射層94、接着層95が積層されている。保護層93は透明な樹脂から構成されており、光反射層94は保護層93上に真空成膜されて設けられている。この光反射層94は、アルミニウムや銅などの金属、あるいは前記保護層93と屈折率の異なる透明材料から構成されており、前記保護層93と光反射層94との境界で光反射するように構成されている。
基材91側から見た斜視図を図6Bに示す。この図6Bに示すように、転写箔9の表面は多数の領域に区分されている。これら多数の領域のそれぞれにおいて、前記保護層93と光反射層94との境界面に凹凸の形態で回折格子が配置されている(以下、これら各領域のそれぞれに設けられた回折格子を「回折格子要素」と呼ぶ)。この回折格子要素9a,9b,‥に対して光を照射すると、その照射光の波長や照射方向、回折格子要素9a,9b,‥に設けられた回折格子の方向、ピッチ(又は空間周波数)に対応する回折方向に反射回折光を発生する。
これら回折格子要素9a,9b,‥の一部または全部は、肉眼で認知することのできない秘匿情報を保持しており、この情報は、回折格子要素に対し、予め定められた点光源から読み取り光線を照射し、この読み取り光線に応答して発生する反射回折光の回折方向によって再現される。そして、この反射回折光の回折方向の組み合せによって、その秘匿情報の全体を構成するのである。例えば、前記回折格子要素9a,9b,‥のそれぞれを、回折方向の異なる2種類の回折格子のいずれかで構成すると共に、それぞれの回折格子に1または0の二値データを対応させ、これら二値データの組み合せで秘匿情報の全体を構成することができる。秘匿情報としては、後述する製品(基板)の真正を保障する認証情報などが例示できる。
そして、前記転写箔を製品(基板)8に転写することで、情報記録媒体が得られる(図6C参照)。製品(基板)8としては種々のものが使用されているが、例えば、プラスチック・カードなどのプラスチック製品である。そして、この製品(基板)上で、予め定められた点光源から読み取り光を照射し、反射回折光を光センサーで受光してCPUで解析することにより、その秘匿情報を解読することが可能である。
しかしながら、反射回折光の回折方向は、読み取り光線の波長と照射方向、回折格子の方向とピッチ(空間周波数)によって定まるため、読み取り光線を照射する点光源の位置と光センサーの位置が分かると、これら位置をもとに情報記録媒体を偽造することが可能である。
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その偽造を一層困難ならしめた情報記録媒体を提供することを目的とする。また、本発明は、このような情報記録媒体から、秘匿情報を確実に読み取り、解読することのできる検知装置を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板と、この基板上に積層された情報保持層とから成り、情報保持層が光反射層を具備しており、前記情報保持層表面が多数の領域に区分され、この多数の領域のそれぞれに回折格子要素が配置されており、この回折格子要素は、前記光反射層表面に凹凸の形態で設けられた回折格子で構成されており、この回折格子要素のうち少なくとも一部の回折格子要素が、その反射回折光の方向を秘匿情報の全部又は一部とする情報記録媒体から前記秘匿情報を検知する装置であって、前記情報記録媒体に光照射する光源と、前記光源からの照射光に応答して発生した反射回折光を検知する読み取り手段とから成る秘匿情報検知装置において、前記光源が面光源から成り、前記面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素の中心とを結ぶ線をL、その反対側の面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素の中心とを結ぶ線をMとするとき、LとMのなす角度が5度以上であることを特徴とする秘匿情報検知装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、前記基板表面のJISB0601−1994に基づく中心線表面粗さRaが1.0以上であることを特徴とする情報記録媒体としたものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、反射回折光の方向を秘匿情報の一部とする回折格子要素が複数存在し、これら複数の回折格子要素の反射回折光の全体で秘匿情報の全部を構成していることを特徴とする情報記録媒体としたものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、前記複数の回折格子要素のうち特定の回折格子要素は、その回折格子要素に対し特定の光源から光照射して前記秘匿情報の一部を再現するものであり、他の回折格子要素は、この回折格子要素に対し前記特定の光源とは異なる方向に配置された光源から光照射して前記秘匿情報の一部を再現するものであることを特徴とする情報記録媒体としたものである。
そして、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、前記回折格子要素の全体が可視画像を表現していることを特徴とする情報記録媒体としたものである。
請求項1に記載の発明は、情報記録媒体を使用して、その秘匿情報を確実に読み取ることのできる検知装置に関するものである。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、回折格子要素に光照射する光源を面光源とし、しかも、その面積を、面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素の中心とを結ぶ線をL、その反対側の面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素の中心とを結ぶ線をMとするとき、LとMのなす角度が5度以上であるように、大面積としたため、前記回折格子要素に種々の方向から読み取り光が照射され、回折格子要素から発生する反射回折光も種々の回折方向に出射する。そして、このため、基板表面が凹凸を有し、回折格子要素の回折格子が基板凹凸を反映して変形していても、その反射回折光が確実に読み取り手段に到達して、その読み取り及び解読を可能とするのである。
請求項2に記載の発明によれば、基板表面の中心線表面粗さRaが1.0以上と大きいため、この表面に積層された情報保持層も基板表面の凹凸に沿って変形し、凹凸の形態で設けられた回折格子も変形する。このため、単一の点光源から読み取り光線を照射しても、その読み取り光線に応答して発生する反射回折光の回折方向は、予め定められた回折方向とは異なることとなり、光センサーによって検知することができない。そして、このため、その偽造が一層困難となる。なお、かかる秘匿情報は、後述する検知装置によって確実に読み取り、かつ、解読することが可能である。
次に、請求項3に記載の発明は、秘匿情報を複数の回折格子要素のそれぞれに分散させて保持させ、これら複数の回折格子要素からの反射回折光の回折方向のすべてを、正確に検知しない限り、秘匿情報の解読を不可能としたものである。
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、複数の回折格子要素の反射回折光の全体で秘匿情報の全部を構成しているため、これら回折格子要素の反射回折光の全体を検知しないかぎり、秘匿情報の全部を解読することができない。しかるに、基板表面が凹凸を有し、この凹凸が回折格子に反映して回折格子が変形しているため、単一の点光源からの読み取り光で、これら複数の回折格子要素の反射回折光を検知することは困難である。そして、このため、秘匿情報の全部を検知することが困難となる。なお、秘匿情報の一部とは、例えば、二値データの一部である「1」または「0」などの信号であり、秘匿情報の全部とは、例えば、前記「1」または「0」の信号を組み合わせて構成され、意味を持つ情報である。
次に、請求項4に記載の発明は、前記複数の回折格子要素の秘匿情報を再現させる読み
取り光が、回折格子要素に応じて異ならせて、一層偽造を困難としたものである。
請求項4に記載の発明によれば、回折格子要素に応じて、秘匿情報の再現に要する光源が異なるため、その偽造が一層困難となる。
最後に、請求項5に記載の発明は、秘匿情報を保持することのない回折格子要素の中に、秘匿情報を保持する回折格子要素を混在せしめて、これら秘匿情報を保持する回折格子要素の存否及びその位置を隠し、こうして、その偽造を一層困難としたものである。
すなわち、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の発明を前提とし、前記回折格子要素の全体が可視画像を表現していることを特徴とするものである。
なお、前記基板が平坦な場合はもちろん、基板表面の中心線平均粗さRaが1.0の場合でも、LとMのなす角度が5度以上であれば、正確に読み取ることが可能である。これに対し、5度未満の場合には、基板表面の中心線平均粗さRaが1.0の場合、秘匿情報
を正確に読み取れないことがある。
請求項に記載の発明によれば、単一の点光源から読み取り光線を照射しても、光センサーによって検知することができず、その偽造が一層困難となる。
請求項に記載の発明によれば、回折格子要素の反射回折光の全体を検知しないかぎり、秘匿情報の全部を解読することができない。しかるに、単一の点光源からの読み取り光で、これら複数の回折格子要素の反射回折光を検知することは困難であり、その偽造が一層困難となる。
請求項に記載の発明によれば、回折格子要素に応じて、秘匿情報の再現に要する光源が異なるため、その偽造が一層困難となる。
請求項に記載の発明によれば、秘匿情報を保持することのない回折格子要素の中に、秘匿情報を保持する回折格子要素を混在せしめて、その存否及びその位置を隠したため、その偽造が一層困難となる。
請求項に記載の発明によれば、回折格子要素に光照射する光源を面光源とし、しかも、その面積を大面積としたため、回折格子要素の回折格子が基板凹凸を反映して変形していても、その反射回折光が確実に読み取り手段に到達して、その読み取り及び解読を可能とする。
本発明に係る情報記録媒体1は、図1の断面図に示すように、基板11と、この基板11上に積層され、かつ、秘匿情報を保持する情報保持層12とで構成されるものである。基板11は任意のもので良いが、秘匿情報の読み取りを困難にせしめてその偽造を防止するため、表面の凹凸の大きいものである必要がある。具体的には、JIS B0601−1994に基づく中心線表面粗さRaが1.0以上のものである。なお、中心線表面粗さが大きくなればなるほど、その読み取りと偽造とが困難となるが、秘匿情報の再生も困難となるため、前記表面粗さRaが10以下であることが望ましい。
このような基板11としては、例えば、紙を材質とするものが例示できる。紙にはさまざまな表面粗さを有するものがあるから、これら種々の紙材料から、適切な表面粗さを有するものを選択して利用すれば良い。選択は、前記JIS B0601−1994に基づいて容易に行うことができる。
また、この紙を材質とする基板11としては、種々の製品が使用できる。例えば、この紙製品そのものに偽造防止機能を要するもので、紙幣、小切手や商品券等の有価証券、預金通帳、パスポート等の各種証明書類等である。また、この基板11を包装材料とし、この包装材料によって包装される内容物に偽造防止機能を要する場合も好適に利用できる。
次に、情報保持層12は、保持する秘匿情報によって基板1の真正を証明するものである。基板11が紙幣や有価証券、あるいは各種証明書類等である場合には、秘匿情報の存在によって基板11そのものの真正が証明でき、そうでない場合には偽造と判別できる。また、基板11が包装材料である場合には、この基板(包装材料)11で包装された内容物の真偽を判別することができる。
この秘匿情報は、肉眼で読み取ることができず、特定の検知装置を利用して読み取ることができるもので、次のような形態で情報保持層12に保持されている。
すなわち、情報保持層12は、少なくとも光反射層124を具備している。この光反射層124は、後述するように、凹凸の形態を有しており、この凹凸で反射型回折格子を構成し、その反射回折光の方向を前記秘匿情報の全部または一部としている。また、この光反射層124の凹凸には前記基板11表面のランダムな凹凸が反映され、こうして回折格子を構成する凹凸と基板11表面の凹凸とを重畳して、その秘匿情報の再生を困難としている。図1に示す情報記録媒体においては、この光反射層124を基板11に接着する接着層125を具備しているが、このように基板11と光反射層124との間に他の層が介在する場合であっても、この介在層は、基板11表面の凹凸が光反射層124の凹凸に反映できるものでなくてはならない。なお、図1において、123は光反射層124を傷や汚れから保護する保護層である。
また、図2の斜視図に示すように、情報保持層12表面は多数の領域に区分されており、この領域のそれぞれに回折格子要素12a,12b,‥が配置されている。そして、この回折格子要素12a,12b,‥は前記回折格子から構成されており、これら多数の回折格子要素12a,12b,‥のうち少なくとも一部の回折格子要素12aが、前記秘匿情報の全部または一部を保持している。他の回折格子要素12x,12y,‥はダミーであって、秘匿情報を保持することのないものである。そして、このダミーの回折格子要素12x,12y,‥を混在させることによって、秘匿情報を保持する回折格子要素12aの存否及びその位置を隠している。なお、このダミーの回折格子要素12x,12y,‥を含めてこれら多数の回折格子要素12a,12b,‥のそれぞれを画素とし、その全体で可視画像を構成した場合には、角度によって色彩や画像が変化する美麗な可視画像を表示して、この美麗な可視画像中に秘匿情報を紛れ込ませることが可能となり、その存否及び位置の発見を一層困難とすることができる。また、この回折格子要素12a,12b,‥の大きさは任意であってよいが、縦横1mm以上の大きさを有することが望ましい。1mmに達しない場合、肉眼では、その秘匿情報を明確に読み取れないことがある。
そして、秘匿情報を保持する回折格子要素12aに対し、特定の光源2から照射光を照射し、これに応答して発生した反射回折光の方向を検知して秘匿情報の有無及び内容を読みとることができる。光源2としては、図3に示すように、照明光角度範囲θが5度以上の面光源を使用する必要がある。なお、ここでいう照明光角度範囲θは、面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素12aの中心とを結ぶ線をL、その反対側の面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素12aの中心とを結ぶ線をMとして、そのLとMのなす角度をいう。図3においては、回折格子要素12aの中心に立てた法線をz軸とし、回折格子要素12aを含む面内の任意の方向に互いに直交するx軸及びy軸をとり、このz軸とx軸とを含むzx平面に面光源を投影したとき、その投影図形の両端と回折格子要素12aの中心とを結ぶ線を、それぞれ、L,Mとしている。このLとMとは回折格子要素12aの中心で交叉するが、この交差する角度を照明光角度範囲θとしている。なお、これと直交するzy平面(z軸とy軸を含む平面)に面光源2を投影した場合も同様である。
前述のように、回折格子を構成する光反射層124の凹凸には基板1のランダムな凹凸が重畳されており、その基板11の凹凸の影響によって回折方向が変動する。このため、光源として点光源や照明光角度範囲5度未満の面光源を使用した場合には、前記回折光を確実に検知することが困難である。他方、照明光角度範囲5度以上の面光源を光源として使用した場合には、前記回折格子要素12aに種々の方向から読み取り光が照射され、回折格子要素12aから発生する反射回折光も種々の回折方向に出射する。そして、このため、回折格子要素12aの回折格子が基板の凹凸を反映して変形していても、その反射回折光が確実に読み取り手段に到達して、その読み取り及び解読を可能とする。そして、このため、点光源等による情報記録媒体1の偽造が困難となり、他方、照明光角度範囲5度
以上の面光源を光源として、確実にその回折光を検知して秘匿情報を再生することが可能となる。
反射回折光の検知は、例えば、予め予定された位置に光センサーを配置することによって可能である。また、予め予定された位置に投影スクリーンを配置して前記回折光をこのスクリーン上に出射させ、こうして得られた光点の有無をカメラなどで撮影することも可能である。また、反射回折光をスクリーン上に画像状に集光させ、得られた画像を撮影して秘匿情報を読み取ることも可能である。
また、秘匿情報の一部を保持する回折格子要素12a,12b,‥を複数設けて、これら複数の回折格子要素12a,12b,‥の反射回折光の全体で秘匿情報の全部を構成することも可能である。この場合には、これら複数の回折格子要素12a,12b,‥の反射回折光を投影スクリーン上に出射させ、こうして得られた光点の有無をカメラなどで撮影することで秘匿情報を検知することが可能となる。図4は、秘匿情報の一部を保持する回折格子要素として、12a,12b,12c、及び12dの4個の回折格子要素を利用し、同一の面光源2からの照射光に応答して出射した4本の反射回折光を投影スクリーン3に照射せしめ、この光点をカメラ4などで撮影する方法を示す説明図である。図中、5はCPUなどの判断手段を示している。
なお、秘匿情報の一部としては、例えば二値データの一部である「1」または「0」などの信号であり、秘匿情報の全部とは、例えば、前記「1」または「0」の信号を組み合わせて構成され、意味を持つ情報である。
また、前記反射回折光をスクリーン3上に画像状に集光させる場合には、一部の回折格子要素12aの反射回折光で画像の一部を再現し、他の回折格子要素12bの反射回折光で画像の他の部分を再現し、これらの全体で秘匿情報を読み取ることも可能である。画像としては、例えば、ヘンとツクリから構成される漢字が例示でき、その一部としてはヘンまたはツクリが例示できる。
また、これら複数の回折格子要素12a,12b,‥のそれぞれに対し異なる方向に配置された面光源から読み取り光を照射することによって秘匿情報を再現することもできる。すなわち、これら複数の回折格子要素のうち、一部の回折格子要素12a,12bに対し特定の光源21から光照射して前記秘匿情報の一部を再現し、他の回折格子要素12c,12dに対し前記特定の光源21とは異なる方向に配置された光源22から光照射して前記秘匿情報の一部を再現する。図5は、この様子を示す説明図で、回折格子要素12a及び12bに対し光源21から読み取り光を照射し、他方、回折格子要素12c及び12dに対し光源22から読み取り光を照射して反射回折光を発生させている。なお、これら回折格子要素12a,12b,12c,12dからの反射回折光は、いずれも、投影スクリーン3に照射されており、レンズ6を介してカメラ4で撮影されている。なお、図中、71及び72は、光源21と22の切り替えのための切り替え手段である。
次に、本発明に係る情報記録媒体の製造方法について説明する。本発明に係る情報記録媒体は、基板11として、JIS B0601−1994に基づく中心線表面粗さRaが1.0以上のものを使用する外、公知の方法で製造することが可能である。すなわち、まず、原盤を製造する。原盤は、基材上にレジストを塗布し、このレジスト層を多数の領域に区分して、その領域ごとにレジスト層表面に回折格子の凹凸を設ける。この凹凸は、周知の二光束干渉法または電子線描画法によって可能である。二光束干渉法による場合には前記レジストとしてフォトレジストを使用し、電子線描画法による場合にはEBレジストを使用する必要がある。なお、この凹凸は、情報記録媒体の回折格子を構成するものであるから、予めその反射回折方向を設計する必要がある。そして、得られた原盤から、その
表面の凹凸を反転する工程を繰り返し、実用版を製造する。この実用版は、前記原盤の凹凸を正確に反映したものである。
他方、転写箔基材上に剥離層及び保護層をこの順に塗布する。転写箔基材としては、例えば、ポリエステルフィルムなどのプラスティックフィルムが使用できる。また、剥離層としては、シリコーン樹脂が使用できる。保護層としては、透明性の高い樹脂が好ましく、例えば、アクリル系樹脂が使用できる。
そして、前記実用版を熱圧して、その表面の凹凸を保護層表面に転写する。次に、この凹凸表面に光反射層を形成する。光反射層としては、アルミニウムや銅などの金属が使用できる。また、前記保護層と屈折率の異なる透明材料を使用することも可能である。このような透明材料としては、酸化チタン、硫化亜鉛などが例示できる。これら光反射層は、真空蒸着やスパッタリングなどの真空成膜法によって設けることが望ましい。なお、保護層表面に光反射層を設けた後、この光反射層表面に前記実用版を熱圧することで、凹凸を転写することも可能である。
次に、この光反射層表面に接着層を塗布して、転写箔を得ることができる。そして、この転写箔を前記基板に重ね、接着層、光反射層及び保護層を転写し、転写箔基材と剥離層とを剥離除去して、情報記録媒体を得ることができる。
また、本発明に係る秘匿情報検知装置は、情報記録媒体の回折格子要素に対応して面光源と読み取り手段とを配置し、固定して製造することができる。
<試験例1>
プラスティックフィルムを箔基材とし、この箔基材上に剥離層及び保護層を設け、この保護層上に別途製造した実用版を熱圧して、この保護層表面に凹凸を転写した。この凹凸は、縦方向の回折格子と横方向の回折格子を構成している。また、この回折格子は縦5mm、横5mmの方形である。次に、この面にアルミニウムを真空蒸着して光反射層を設け、さらに接着層を塗布して転写箔を製造した。
こうして得られた転写箔を平滑な基板に重ね、接着層、光反射層及び保護層を転写した。そして、予め予定された方向から読み取り光を照射し、その反射回折光が予定された方向に出射することを確認した。この読み取り光の照射方向を基準照射方向、出射方向を基準回折方向として、次の試験を行った。
すなわち、JIS B0601−1994に基づく中心線表面粗さRaが2.34μmの紙に前記転写箔を重ね、接着層、光反射層及び保護層を転写した。
こうして得られた紙上の回折格子に対して、面光源から読み取り光を照射して、その反射回折光の回折方向を調べた。すなわち、前記基準読み取り方向に面光源を配置すると共に、その一部をマスクで覆って面光源の面積を変え、前記基準回折方向で回折光が観察できる面光源の面積を測定した。そして、この面光源の面積から、照明光角度範囲を算出した。
<試験例2>
基板として、中心線表面粗さRaが1.48のものを使用したほかは実施例1と同様に試験を行った。
<試験例3>
回折格子として、縦2.5mm、横2.5mmの方形のものを使用したほかは実施例1
と同様に試験を行った。
<試験例4>
基板として、中心線表面粗さRaが1.48のものを使用したほかは実施例3と同様に試験を行った。
<考察>
試験例1〜4の結果を表1に示す。
Figure 0004760141
表1の結果から、回折格子の大きさが1mm×1mmの場合について、回折光が観察できる照明光角度範囲を算出した。この結果、Ra=2.34μmの場合には17.6度、Ra=1.48μmの場合には9.6度であることが分かった。
次に、この算出結果に基づき、回折の大きさが1mm×1mmで、かつ、Ra=1.0μmの場合について、回折光が観察できる照明光角度範囲を算出した。この結果、5.1度であることが確認できた。
本発明の実施形態に係る情報記録媒体の断面図。 本発明の実施形態に係る情報記録媒体の斜視図。 本発明の実施形態における秘匿情報読み取り方法を説明する説明図。 本発明の他の実施形態における秘匿情報読み取り方法を説明する説明図。 本発明の他の実施形態における秘匿情報読み取り方法を説明する説明図。 図6Aは従来の秘匿情報を有する転写箔の断面図。図6Bはその斜視図。図6Cは転写して得られた情報記録媒体の断面図。
符号の説明
1‥情報記録媒体
11‥基板
12‥情報保持層
124‥光反射層
12a,12b,12c,12d‥秘匿情報を保持する回折格子要素
12x,12y‥ダミーの回折格子要素
2,21,22‥光源
3‥投影スクリーン3
4‥カメラ
θ‥照明光角度範囲

Claims (5)

  1. 基板と、この基板上に積層された情報保持層とから成り、情報保持層が光反射層を具備しており、前記情報保持層表面が多数の領域に区分され、この多数の領域のそれぞれに回折格子要素が配置されており、この回折格子要素は、前記光反射層表面に凹凸の形態で設けられた回折格子で構成されており、この回折格子要素のうち少なくとも一部の回折格子要素が、その反射回折光の方向を秘匿情報の全部又は一部とする情報記録媒体から前記秘匿情報を検知する装置であって、前記情報記録媒体に光照射する光源と、前記光源からの照射光に応答して発生した反射回折光を検知する読み取り手段とから成る秘匿情報検知装置において、前記光源が面光源から成り、前記面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素の中心とを結ぶ線をL、その反対側の面光源の端部と前記秘匿情報を有する回折格子要素の中心とを結ぶ線をMとするとき、LとMのなす角度が5度以上であることを特徴とする秘匿情報検知装置。
  2. 請求項1に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、前記基板表面のJISB0601−1994に基づく中心線表面粗さRaが1.0以上であることを特徴とする情報記録媒体。
  3. 請求項1又は2に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、反射回折光の方向を秘匿情報の一部とする回折格子要素が複数存在し、これら複数の回折格子要素の反射回折光の全体で秘匿情報の全部を構成していることを特徴とする情報記録媒体。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、前記複数の回折格子要素のうち特定の回折格子要素は、その回折格子要素に対し特定の光源から光照射して前記秘匿情報の一部を再現するものであり、他の回折格子要素は、この回折格子要素に対し前記特定の光源とは異なる方向に配置された光源から光照射して前記秘匿情報の一部を再現するものであることを特徴とする情報記録媒体。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の秘匿情報検知装置によって前記秘匿情報が検知される情報記録媒体であって、前記回折格子要素の全体が可視画像を表現していることを特徴とする情報記録媒体。
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