JP4759364B2 - 出湯口開孔用ドリル - Google Patents
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Description
一方、溶融炉の出湯口を穿つ出湯口開孔用ドリルにおいては、特に使用環境が高温であるので、軸部からヘッド部に冷却、及び切削した耐火物を排出するために圧縮空気が送られているが、従来の出湯口開孔用ドリルにおいては、冷却が十分でないので、出湯口開孔用ドリル自体の寿命が短いという問題があった。
前記軸部と前記ヘッド部が一体となって、前記軸部に設けられた前記送気孔は前記ヘッド部の先端まで連通し、
前記ヘッド部は先端に向けて徐々に拡大していると共に、該ヘッド部の周囲3方には、前記ヘッド部の周囲の一部を残した状態で、先端から基部側にかけて側部切欠きが形成され、
前記ヘッド部の先端部分には、前記ヘッド部の先端に開口する前記送気孔からの圧縮空気を前記側部切欠きに向けてそれぞれ流す3つの通気溝が放射状に形成され、
更に、前記3つの通気溝の間に形成される先端面には、該ヘッド部の側周部まで延長されて前記削り刃となる耐摩耗性の硬質材を肉盛り溶接している。
送気孔の直径が軸部の直径の0.3倍未満であると、送気量が減少し、0.5倍を超えると軸部の肉厚が薄くなって軸部の強度が下がる。
また、ヘッド部は先端に向けて徐々に拡大していると共に、該ヘッド部の周囲3方には、ヘッド部の周囲の一部を残した状態で先端から基部側にかけて側部切欠きが形成されているので、削り刃によって切削された耐火物等は側部切欠きから軸部方向に圧縮空気によって押し流されて効率的に排出されると共に、軸部からヘッド部先端に向かって流れる空気がヘッド部及び軸部の冷却を行い、より効率的に出湯口開孔用ドリルを冷却し、長期の寿命となる。
また、削り刃が耐摩耗性の硬質材を肉盛り溶接して形成されているので、ヘッド部本体を形成する地金と一体化し、削り刃が脱落する等の事故が減少し、長期の寿命を有する出湯口開孔用ドリルとなる。
ここで、図1、図2は本発明の一実施の形態に係る出湯口開孔用ドリルのヘッド部の一部切欠き斜視図、図3(A)は同正面図、(B)は同側面図である。
ヘッド部12の周囲3方には周方向均等に先端から基部側にかけて平面状の側部切欠き(即ち、切り落とし面)13〜15が形成されている。この側部切欠き13〜15は、先端位置の角度が30〜50度の範囲で形成される横断面円弧状の3つの側周部16〜18をヘッド部12の周方向均等に残した状態で形成されている。
なお、図1に示すように、この側部切欠き13〜15は、軸部11の稜線a1の延長線をその中央位置に含むように形成するのが好ましいが、側部切欠き13〜15の幅方向の中心線m1が軸部11の稜線a1の延長線に対して、外側に開くように形成してもよい。
また、このような構造となっているので、ヘッド部12を正面から見た場合、図2、図3(A)に示すように、角部が円弧状となった三角形に見える。
この削り刃28〜30は溶接ビードのままであるが、予め製造した削り刃を鑞付け又は溶接する場合に比較して、より強固にヘッド部12の本体に固着する。これによって、この出湯口開孔用ドリル10の寿命がより長くなる。肉盛り溶接する耐摩耗性を有する硬質材は、超鋼材料であるのが好ましいが、例えば、Hv硬度350以上の硬化肉盛り用の材質であってもよい。
また、側周部16〜18に溶接される削り刃28〜30は同じ高さであってもよいが、ヘッド部12の先端から基部側にかけて徐々に厚く(高く)し、側周部16〜18に形成される削り刃28〜30の頂部(即ち、溶接ビードの頂部)の位置をヘッド部12の軸心から実質同一距離になるようにしてもよい。
この削り刃28〜30は肉盛り溶接のままであってもよいが、形状を整えるため、グラインダー等によって成形してもよい。
なお、軸部11の基端部には雄ねじが形成され、回転駆動される動力軸に連結され、所定方向の回転動力を伝えるようになっている。
この出湯口開孔用ドリル10を回転駆動される動力軸にねじによって結合し、必要な場合には、この出湯口開孔用ドリル10の軸部11をガイドローラ等で支持しておく。次に、送気孔19に圧縮空気を送りながら、溶融炉の所定の位置にこの出湯口開孔用ドリル10を当てて、出湯口開孔用ドリル10に衝撃を与えながら回転させると、先端に設けられている削り刃28〜30によって穿孔が行われる。この場合、耐火材等の削り滓は、側部切欠き13〜15から軸部11の周囲を通って孔外に排出される。
出湯口開孔用ドリル10の回転数及び衝撃力は、出湯口開孔用ドリル10の先端に設けられている削り刃28〜30が異常磨耗を生じない程度とし、インバータ制御(即ち、モータの回転制御)することによって自由に回転数及び衝撃力を制御できる。
Claims (4)
- 外形断面が円形かつ長尺の軸部と、削り刃を有し前記軸部の先部に設けられたヘッド部とを有し、前記軸部の中央には前記ヘッド部に圧縮空気を導く送気孔が設けられた出湯口開孔用ドリルであって、
前記軸部と前記ヘッド部が一体となって、前記軸部に設けられた前記送気孔は前記ヘッド部の先端まで連通し、
前記ヘッド部は先端に向けて徐々に拡大していると共に、該ヘッド部の周囲3方には、前記ヘッド部の周囲の一部を残した状態で、先端から基部側にかけて側部切欠きが形成され、
前記ヘッド部の先端部分には、前記ヘッド部の先端に開口する前記送気孔からの圧縮空気を前記側部切欠きに向けてそれぞれ流す3つの通気溝が放射状に形成され、
更に、前記3つの通気溝の間に形成される先端面には、該ヘッド部の側周部まで延長されて前記削り刃となる耐摩耗性の硬質材を肉盛り溶接していることを特徴とする出湯口開孔用ドリル。 - 請求項1記載の出湯口開孔用ドリルにおいて、前記ヘッド部の先端位置の最大半径は、前記軸部の半径の1.3〜1.8の範囲にあることを特徴とする出湯口開孔用ドリル。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の出湯口開孔用ドリルにおいて、前記送気孔の直径は、前記軸部の直径の0.3〜0.5となって、前記各通気溝の断面積は、前記送気孔の断面積の0.3〜0.6の範囲にあることを特徴とする出湯口開孔用ドリル。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の出湯口開孔用ドリルにおいて、前記各側部切欠きはそれぞれ平面状となって、前記ヘッド部の周囲に均等配置され、かつ円弧状となった前記各側周部の先端位置の角度は30〜50度の範囲にあることを特徴とする出湯口開孔用ドリル。
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