JP4759076B2 - 流体圧式送り速度制御装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、穴あけを行うドリルユニットのドリルのように往復移動する往復運動体を有する工作機械の送り速度を制御する流体圧式送り速度制御装置に関する。
従来、ドリルユニットにおいて、油の流量を調整することによって、ドリルと一体に移動するラムを往復動させるシリンダ等の送り速度を低速から高速までの任意の送り速度に設定できる流体圧式送り速度制御装置(自動加工ユニットの送り制御装置)が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
図8は、従来のドリルユニットに使用されている流体圧式送り速度制御装置を示す図であり、(a)はピストンロッドが後退位置にあるときの状態を示す断面図、(b)はピストンロッドが前進位置にあるときの状態を示す断面図である。
図8(a)、(b)に示すように、その従来の流体圧式送り速度制御装置100は、ボディ200に内設されたシリンダ300と、筒状のシリンダ300内に形成されたシリンダ室310内を往復動するピストン400と、このピストン400と一体に移動するピストンロッド410と、ピストン400によって押し出されたシリンダ室310内の油を油路500を介して貯油室600に流れる流量を調整する絞り弁700と、この絞り弁700を形成する回転弁体800と、回転弁体800を回動操作するノブ900と、を備えて構成されている。
流体圧式送り速度制御装置100は、ピストン400の急激な負荷変動に対しても速度変化が極めて少なく、安定した送り速度を得ることができるようになっている。その負荷がなくなった場合には、流体圧式送り速度制御装置100に内設された圧縮コイルばねSPのばね力によって、ピストンロッド410が元の位置に復帰するようになっている。
実公昭60−37211号公報(第2図及び第3図参照) 実公昭61−7860号公報(第2図〜第4図参照)
例えば、ドリルユニットで穴あけ加工をしている場合に、ワークに貫通孔が貫通される際には、ドリルを微速送りすることが必要となる。しかしながら、特許文献1,2に記載された装置や、前記流体圧式送り速度制御装置100等の従来の装置では、ノブ900を回動操作して絞り弁700の開度を調整することにより、切削加工時のドリル(ラム等の往復運動体)の送り速度を調節できるものの、送り速度が全ストローク間で一定な切削送りの送り速度にしかできなかった。
このため、従来の装置では、切削加工中に、ワークに貫通孔が貫通される間際のドリルの送り速度を微速送りに調節したり、ストロークの間に低速から微速に切り換わるようにしたりすることができかなった。
従来、この問題点を解消するための手段としては、流体圧式送り速度制御装置100の他に、穴あけの貫通時の微速送り用の流体圧式送り速度制御装置をさらに1つ増設するしかなかった。しかしながら、この場合には、流体圧式送り速度制御装置100を2つドリルユニットに取り付けなければならないので、その2つの流体圧式送り速度制御装置100を取り付けるための設置スペースが必要となるため、装置全体が大型化して重量が増加すると共に、コストアップするという問題点があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決するために創案されたものであり、1つのユニットで速い送りと微速送りの二段階の送り速度の調整が可能な流体圧式送り速度制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の流体圧式送り速度制御装置は、円筒状のボディと、該ボディ内に前後方向に移動可能に配置されたピストンロッドと、前記ボディに内設された円筒状のシリンダと、該シリンダ内に往復動可能に配置されて、前記ピストンロッドが押圧されることによって該ピストンロッドと一体として往復動するピストンと、該ピストンの前方に設けられて、流体が貯溜される流体圧室と、前記ピストンの後方に設けられて、前記流体が貯溜される貯溜室と、該貯溜室に連通すると共に、前記ボディと前記シリンダとの間に設けられた流路と、前記シリンダの前端部に設けられて、前記流体圧室から前記流路に流れる流体の流れを制御することによって前記ピストンの移動速度を調整する送り速度調節機構と、前記貯溜室の後方に配置されて、前記ボディの内周面及び前記ピストンロッドに摺接させつつ前後方向に移動可能に設けられた差動ピストンと、を備え、前記ピストンによって前記流体圧室の流体を、前記送り速度調節機構及び流路を経て前記貯溜室に押し出すことにより、往復運動体の送り速度を調整する流体圧式送り速度制御装置であって、前記送り速度調節機構は、前記シリンダの前端部に配置され、前記流体圧室から前記流路へ流れる流量を調整するための第1絞り弁及び第2絞り弁を備えて構成され、前記ピストンは、前記ピストンロッドによって押圧されて予め設定した所定位置まで移動した際に、該ピストンと一体に移動して前記第1絞り弁を閉弁状態にさせる第2ピストンを有することを特徴とする。
かかる構成によれば、流体圧式送り速度制御装置は、送り速度調節機構がシリンダの前端部に複数配置された第1絞り弁及び第2絞り弁からなることにより、ピストンによって流体圧室内から押し出された流体が第1絞り弁及び第2絞り弁を通過する際に、第1絞り弁と第2絞り弁とによってそれぞれ流量が規制されて、ピストンの動く速度が細かく微調整される。ピストンは、移動した際に、第1絞り弁が第2ピストンによって閉弁状態になる。このため、1つの流体圧式送り速度制御装置によって、ピストン及びピストンロッドと一体に動く切削加工中の往復運動体の送り速度を複数段階に自動的に切り換えることができると共に、ピストンのストロークエンド付近に流動する流体の流量を規制して往復運動体の送り速度を微調整することができる。その結果、装置全体を小型化することができる。
請求項2に記載の流体圧式送り速度制御装置の発明は、請求項1に記載の流体圧式送り速度制御装置であって、前記第1絞り弁及び前記第2絞り弁の少なくとも一方は、前記シリンダ内に回動自在に配置されると共に、前記シリンダに穿設され前記流路に連通する連通孔に流れ込む前記流体圧室からの流体の流量を回動することによって調整する流量調整部を有する回転弁体と、該回転弁体を回動させることが可能なノブと、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1絞り弁及び第2絞り弁の開度を調整する場合は、ノブを回動操作すれば、回転弁体が回動して、シリンダの連通孔に流れ込む流体圧室からの流体の流量を回転弁体の流量調整部によって、送り速度を調整することができる。
そして、第1絞り弁は、ピストンが所定位置まで前進すると閉塞されるので、ピストンの移動によって流動する流体の流量が減少されるため、送り速度を2段階に調整することができる。
請求項3に記載の流体圧式送り速度制御装置の発明は、請求項2に記載の流体圧式送り速度制御装置であって、前記第1絞り弁の前記回転弁体は、前記流体圧室、前記流量調整部に連通する第2シリンダ室を有し、前記第2ピストンは、前記ピストンの前端部に配置された筒部材からなり、前記ピストンと一体に移動して前記第2シリンダ室に内嵌した際に、前記第1絞り弁の前記流量調整部を閉塞すると共に、前記流体圧室内の流体を前記第2シリンダ室内に送るための逃げ孔を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、流体圧式送り速度制御装置は、ピストンが移動すると、ピストンと一体に第2ピストンが移動して第1絞り弁の回転弁体の第2シリンダ室に内嵌し、流量調整部を閉塞する。このように、ピストンが移動した場合には、第1絞り弁の流量調整部が閉弁されて、他方が開弁された状態に維持されることにより、流体圧室から流路側に流れ込む流量が減少される。このため、第1絞り弁の流量調整部が開閉されることによって、ピストン及びピストンロッドと一体に動く往復運動体の送り速度を二段階に調整することができる。この場合、片方の流量調整部のみ流体が流れるので、流れる流量が少量であるため、その流量に応じてストロークエンド付近の送り速度を微調整することができる。
請求項4に記載の流体圧式送り速度制御装置の発明は、請求項3に記載の流体圧式送り速度制御装置であって、前記第1絞り弁の前記回転弁体は、前記第2シリンダ室を形成すると共に前記第2絞り弁の前記回転弁体内に回動可能に内嵌される円筒部と、前記第2シリンダ室の内壁に形成され、前記第1絞り弁の前記流量調整部に連通する第1流入口と、前記第2シリンダ室の内壁に形成され、前記第2絞り弁の前記流量調整部に連通する第2流入口と、を有していることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1絞り弁の回転弁体には、流体圧室に連通する第2シリンダ室の内壁に、第1絞り弁の流量調整部に連通する第1流入口と、第2絞り弁の流量調整部に連通する第2流入口とが形成されていることによって、流体圧室内の流体を第1絞り弁または第2絞り弁の流量調整部に送ることができる。
請求項5に記載の流体圧式送り速度制御装置の発明は、請求項4に記載の流体圧式送り速度制御装置であって、前記第2絞り弁の前記回転弁体は、前記第1絞り弁の前記回転弁体の円筒部に回動可能に外嵌され、前記シリンダ及び前記ボディの開口端部内に回動可能に嵌入されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、第2絞り弁の回転弁体は、第1絞り弁の回転弁体の円筒部に回動可能に外嵌されると共に、シリンダ及びボディの開口端部内に回動可能に嵌入されていることによって、流体圧室内から第2シリンダ室、第1絞り弁の回転弁体を介してボディとシリンダとの間の流路へ流れる流体の流量を調整することができる。
本発明に係る流体圧式送り速度制御装置によれば、1つのユニットで速い送りと微速送りの二段階の送り速度の調整が可能であり、取り付けスペースを削減して装置全体を小型化することができると共に、それに伴いコストダウンを図ることができる。
本発明の実施形態に係る流体圧式送り速度制御装置を搭載したドリルユニットを示す正面図である。 本発明の実施形態に係る流体圧式送り速度制御装置の切削送りの時の状態を示す図であり、図1のV−V拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る流体圧式送り速度制御装置の微速送りの時の状態を示す図であり、図1のV−V拡大断面図である。 図2のX部拡大図である。 図2の第1絞り弁のZ−Z拡大断面図であり、(a)は流体の流量が最大のときの状態を示す、(b)は流体の調整範囲内における一例を示す、(c)は流体の流れを遮断したときの状態を示す。 図2のW部拡大図である。 図2の第2絞り弁のY−Y拡大断面図であり、(a)は流体の流量が最大のときの状態を示す、(b)は流体の調整範囲内における一例を示す、(c)は流体の流れを遮断したときの状態を示す。 従来のドリルユニットに使用されている流体圧式送り速度制御装置を示す図であり、(a)はピストンロッドが後退位置にあるときの状態を示す断面図、(b)はピストンロッドが前進位置にあるときの状態を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る流体圧式送り速度制御装置を説明する。なお、便宜上、図面の前後側を上、下とし、図面の左右側を前、後として説明する。また、本発明の流体圧式送り速度制御装置Bは、油圧や空気圧等の流体圧によって作動する装置であり、以下、油圧で作動する場合を例に挙げて説明する。
本発明の流体圧式送り速度制御装置Bを説明するにあたって、まず始めに、この流体圧式送り速度制御装置Bが搭載される工作機械Kについて説明する。
≪工作機械の構成≫
図1に示すように、工作機械Kは、加工素材であるワーク(図示省略)を切削、研削等して所定の形状に加工する加工機であり、往復移動が可能なラム33と、ラム33と一体のラム駆動ピストン(図示省略)を空気圧等の流体圧で往復動させるピストンシリンダ機構からなる送り装置30と、軸方向に進退移動するラム駆動ピストンの送り速度を調整することが可能な流体圧式送り速度制御装置Bと、を搭載している。
つまり、工作機械Kは、往復動するラム33等の往復運動体を備えた機械、または、工具やワーク等の物体を往復移動させるラム33を搭載した機械であればよく、往復動するラム33を何によって作動させ、どのようなものに使用するかは、特に限定されない。
以下、本発明の実施形態として、ワークに穴あけを行うドリル(図示省略)をラム33で往復動させるドリルユニットAを例に挙げて説明する。
工作機械Kは、ドリル、タップ、リーマ、ミル等の回転工具(図示省略)を回転及び往復動させてワークを加工する自動式のドリルユニットAと、ドリルユニットAに装着された流体圧式送り速度制御装置Bと、を主に備え構成されている。
≪ドリルユニットの構成≫
ドリルユニットAは、回転工具(図示省略)を回転させながら送ることによってワークに穴あけを行う機械であり、例えば、1つの流体圧式送り速度制御装置Bを備えた自動単軸ドリルユニットからなる。ドリルユニットAは、回転工具を把持するチャック31と、チャック31が装着される主軸32と、主軸32を進退移動させるラム33と、主軸32を回転駆動させるための電動モータMと、ラム33を直線往復移動させる送り装置30と、電動モータM及び送り装置30を収納したハウジング34と、このハウジング34に対して進退可能に設けられたバー35と、このバー35に固定された板部材36と、この板部材36に固定された衝接部材37と、ドリルユニットAと流体圧式送り速度制御装置Bとを連結するための連結部材38と、を備えている。
図1に示すように、チャック31は、穴あけ加工するドリル等の回転工具(図示省略)を把持した状態で主軸32と共に軸方向に進退して回転する工具保持機器である。
主軸32は、チャック31に、電動モータMの回転と、進退するラム33の送り(往復動)と、を与える軸部材である。
ラム33は、送り装置30のラム駆動ピストン(図示省略)が空気圧によって往復動することにより共に移動する部材であり、ハウジング34に進退自在に設けられている。このラム33が往復動する速度(送り速度)は、流体圧式送り速度制御装置Bで制動して調節できるようになっている。
電動モータMは、回転工具、チャック31及び主軸32を回転させるための回転駆動源であり、不図示の駆動スイッチを介して電源に電気的に接続されている。
送り装置30は、ラム33を往復動させるピストンシリンダ機構(図示省略)からなる装置であり、不図示の圧縮空気供給制御装置からの圧縮空気が送り込まれるエアシリンダ(図示省略)と、その圧縮空気によって往復動するラム駆動ピストン(図示省略)と、から構成されている。
図1に示すように、ハウジング34は、ドリルユニットAのアウタケースであり、円筒状の部材からなる。
バー35は、ラム33と一体に往復動する棒状部材であり、ハウジング34の後端部にこのハウジング34の軸心状を進退するように配置されている。
板部材36は、基端部がバー35に固定され、先端部の前側に衝接部材37が固定された厚板状の部材であり、バー35に対して直交する方向へ向けて設置されている。
衝接部材37は、流体圧式送り速度制御装置Bのピストンロッド5の後端面5aに対向して配置され、ラム33、ラム駆動ピストン(図示省略)、バー35及び板部材36が前進してドリルによってワークに穴あけ加工する際に、それらと一体に往復動してピストンロッド5の後端面5aを押圧する部材である。
≪流体圧式送り速度制御装置の構成≫
流体圧式送り速度制御装置Bは、油の流量を調整することによって、ドリルユニットAのドリル、ラム33等を往復移動させる送り装置30の送り速度を低速から高速までの任意の送り速度に設定できる制御装置である。図2に示すように、この流体圧式送り速度制御装置Bは、円筒状のボディ1と、このボディ1内に前後方向に移動可能に配置されたピストンロッド5と、ボディ1に内設されたシリンダ2と、このシリンダ2内に往復動可能に配置されたピストン4と、ピストン4の前方に設けられた流体圧室12と、ピストン4の後方に設けられた貯溜室14と、シリンダ2の前端部に設けられた送り速度調節機構Cと、送り速度調節機構C及び貯溜室14に連通する流路13と、貯溜室14の後方に配置された差動ピストン17と、を備えて構成されている。
流体圧式送り速度制御装置Bは、前記衝接部材37に押圧されたピストンロッド5が前進することによって、ピストンロッド5と一体のピストン4を前進させて、流体圧室12内の油を、送り速度調節機構C及び流路13を経て貯溜室14に押し出す構造になっている。つまり、流体圧式送り速度制御装置Bは、ピストン4によって送り出される流体圧室12の油の流量を第1絞り弁10及び第2絞り弁11で調整して、ピストン4の前進速度を制御することにより、ピストンロッド5、図1に示す送り装置30及びラム33の送り速度を調整する装置である。
以下、図2を主に参照しながら、流体圧式送り速度制御装置Bの各部の構成を後側に配置された部材から順に説明する。
≪ピストンロッドの構成≫
図2に示すピストンロッド5は、前記衝接部材37によって後端面5aが押圧されることにより、ピストン4を前進させるための部材であり、円柱状の部材からなる。ピストンロッド5は、蓋部材19、スプリング15及び差動ピストン17を挿通して、前端にベロフラム18及びピストン4が固定されている。
≪ボディの構成≫
ボディ1は、流体圧式送り速度制御装置Bのアウタケースであり、ドリルユニットAの外周部に固定された円筒体からなる。ボディ1の前側には、第2ノブ9及び第1ノブ8が配置され、後側には、ピストンロッド5が配置されている。このボディ1の内周面1a内には、後側から前側へ順に、止め輪21、蓋部材19、スプリング15、差動ピストン17、ベロフラム18、スペーサ20、シリンダ2、流路13、第2回転弁体7及び止め輪22が設けられている。
≪蓋部材及びスプリングの構成≫
図2に示すように、蓋部材19は、ピストンロッド5を進退自在に支持すると共に、ボディ1の後側開口端を閉塞する部材である。蓋部材19は、シール部材23を介在してボディ1に内嵌されて、止め輪21によってボディ1に固定されている。
スプリング15は、ボディ1内の蓋部材19と差動ピストン17との間に圧縮した状態に介在された圧縮コイルばねであり、差動ピストン17及びベロフラム18をばね力で前方向へ押圧している。
≪差動ピストン及びベロフラムの構成≫
前記差動ピストン17は、ボディ1の内周面1a及びピストンロッド5の外周面に摺接させつつ前後方向に移動可能に装着された略円筒状の部材からなる。差動ピストン17は、貯溜室14の後方の位置に、ベロフラム18が介在されて、スプリング15のばね力に抗して貯溜室14内の油の油圧によって移動するようになっている。
ベロフラム18は、貯溜室14と差動ピストン17との間を隔離して、貯溜室14内の油が差動ピストン17側に漏れるのを阻止すると共に、貯溜室14内に流入した油の流量に応じた油圧で差動ピストン17を進退させる筒状弾性部材であり、隔膜状の薄いゴム製部材からなる。ベロフラム18は、内周縁18aがピストンロッド5とピストン4との間に密着され、外周縁18bがボディ1の内周面1aとスペーサ20とに密着されている。
≪貯溜室の構成≫
貯溜室14は、ピストンロッド5が押圧された際に、ピストン4によって流体圧室12内の油が押し出されることより、図3に示すように、流体圧室12、第2シリンダ室6a、送り速度調節機構C、流路13へと流動した油が流れ込んで貯溜されて、その油の油圧によってベロフラム18及び差動ピストン17を後退させる部位である。また、貯溜室14は、衝接部材37が後退してピストンロッド5への前方向への押圧力が開放され、スプリング15のばね力で差動ピストン17が前進したときに、貯溜室14内の油が逆止弁16の弁ばね16bに抗して弁体16aを開弁させて、戻り流路4aから逆止弁16内を通って流体圧室12内に流れ込むようになっている。貯溜室14は、ピストン4の外周面と、スペーサ20の内周面と、ベロフラム18とによって形成されている。
≪スペーサの構成≫
スペーサ20は、ピストン4が軸方向に移動自在に挿入されると共に、ボディ1の内周面1aにシール材24を介在して固定された略円筒状の部材からなる。このスペーサ20は、ピストン4のストッパーの機能も果たす。
≪シリンダの構成≫
シリンダ2は、流体圧室12の内側側壁を形成する円筒状の部材であり、ボディ1の内周面1aに流路13を介して内嵌されている。シリンダ2内の後側寄りには、ピストン4が往復動自在に嵌入され、シリンダ2内の前側寄りには、第1絞り弁10の回転弁体である第1回転弁体6及び、第2絞り弁11の回転弁体である第2回転弁体7が回動可能に内嵌されている。シリンダ2の前側寄りには、第1絞り弁10の第1流量調整部10aに合致した位置に穿設された第1連通孔2aと、第2絞り弁11の第2流量調整部11aに合致した位置に穿設された第2連通孔2bと、が設けられている。
≪ピストンの構成≫
図2に示すように、ピストン4は、ピストンロッド5が衝接部材37に押圧されているときに、ピストンロッド5と一体に往復動して、流体圧室12内の油を押し出して送り速度調節機構Cを介して流路13側へその油を流動させる部材である。ピストン4には、中央部に径方向に穿設された戻り流路4aと、流体圧室12側に略筒状に形成されたピストン流路4bと、貯溜室14側に円柱状に形成された棒状部4cと、を有している。ピストン4は、シール材25を介在してシリンダ2内に往復動自在に挿入されている。
戻り流路4aは、貯溜室14、流路13及びピストン流路4bに連通している。ピストン流路4bには、逆止弁16と、第2ピストン3を介して止め輪28が内設されている。
≪逆止弁の構成≫
逆止弁16は、ピストン4が前進する際に、流体圧室12内の油が第2ピストン3内、ピストン流路4b、戻り流路4aを通って流路13側へ流れるのを阻止するバルブである。逆止弁16は、ピストン流路4bの内底に形成された弁座と、この弁座を閉塞する弁体16aと、この弁体16aを押圧する弁ばね16bと、から構成されている。
弁体16aは、スチールボールにより形成されている。弁ばね16bは、前端が第2ピストン3を前側へ押圧し、後端が弁体16aを後側へ押圧する圧縮コイルばねからなる。
≪第2ピストンの構成≫
第2ピストン3は、ピストン4の前端部に配置されて一体に往復動して、後記する第2シリンダ室6aに内嵌及び離間される略円筒形状の部材からなる。第2ピストン3は、前進した際に、第2シリンダ室6aに挿入されて、この第2シリンダ室6aに形成された第1流量調整部10aを閉塞して第1絞り弁10を閉弁状態にし、後退した際に、第2シリンダ室6aから離間する第1絞り弁10の一部を構成している。図3に示すように、第2ピストン3には、この第2ピストン3が第2シリンダ室6aに内嵌された際に、流体圧室12内の油が第2ピストン3内に流れ込む逃げ孔3aが穿設されている。
その逃げ孔3aは、第2ピストン3が最前端に移動した際に、第2シリンダ室6aの内壁によって閉塞されない後寄りの位置に穿設されている。
≪流体圧室及び流路の構成≫
図2に示すように、流体圧室12は、油が貯溜される部位であり、シリンダ2と、ピストン4と、第2ピストン3と、第1回転弁体6等によって形成されたシリンダ室である。
流路13は、ボディ1の内壁とシリンダ2の外壁との間に形成されて、後記する第1絞り弁10及び第2絞り弁11を通過した油が貯溜室14へ流れるように形成されている。
≪送り速度調節機構の構成≫
送り速度調節機構Cは、流体圧室12から流路13に流れる油(流体)の流れを制御することによってピストン4の移動速度を調整するバルブ装置であり、シリンダ2の前端部に複数配置されている。送り速度調節機構Cは、流体圧室12から流路13へ流れる油の流量を調整するための第1絞り弁10及び第2絞り弁11から主に構成されている。
<第1絞り弁の構成>
図2に示すように、第1絞り弁10は、流路13に連通する第1連通孔2aに流れ込む流体圧室12からの油の流量を調整する第1流量調整部10aを有する第1回転弁体6と、この第1回転弁体6を回動させることが可能な第1ノブ8と、前記第2ピストン3と、を主に備えて構成されている。
<第1回転弁体の構成>
第1回転弁体6は、流体圧室12内から流路13へ流れる油の流量及びピストン4の移動速度を調整する調整部材としての機能を果たす部材であり、シリンダ2及び第2回転弁体7内に回動可能に配置されている。第1回転弁体6は、流体圧室12、第1流量調整部10a及び第2流量調整部11aに連通する第2シリンダ室6aと、第2回転弁体7が回動可能に外嵌される円筒部6bと、第2シリンダ室6aの内壁に形成された第1流入口6c及び第2流入口6dと、第1流入口6cに連通する第1流量調整溝6e(図4参照)と、第1流入口6c及び第1流量調整溝6eが形成された円盤部6fと、第2シリンダ室6aを閉塞する栓29と、円筒部6bに外嵌されて第1回転弁体6を回動させるための第1ノブ8と、を有している。
図3に示すように、第2シリンダ室6aは、第1回転弁体6の円筒部6bと、円筒部6bの後端側に内嵌されたり離間されたりする第2ピストン3と、円筒部6bの前側開口端に内嵌された栓29と、によって形成された油の充填室からなり、流体圧室12に連通している。第2シリンダ室6aは、流体圧室12内から流路13へ流れる油の油路の一部を形成し、その内壁には、第1流入口6cと第2流入口6dが形成されている。
円筒部6bは、流体圧室12内の油が流路13へ流れるための油路(第2シリンダ室6a)の一部を形成すると共に、第2回転弁体7及び第1ノブ8を軸支するための軸部材である。
第1流入口6cは、第2ピストン3が流体圧室12側の位置にある際に、開放状態にあって、油が第2シリンダ室6aから流路13側に向って流れ、第2ピストン3が前進して第2シリンダ室6aに内嵌した際に、第2ピストン3によって閉塞される油路である。第1流入口6cは、第1連通孔2aから第2シリンダ室6aの軸心に向けて穿設されている。第1流入口6cは、第2シリンダ室6a及び第1流量調整部10aに連通している。
第2流入口6dは、第2シリンダ室6a内の油を、円筒部6bの外側にある第2絞り弁11の第2流量調整部11aに送るための油路である。第2流入口6dは、第2シリンダ室6aと第2流量調整部11aとに連通している。第2流入口6dは、円筒部6bにおいて、第2ピストン3が最前端に移動して第2シリンダ室6aに内嵌された際に、第2ピストン3によって閉塞されない前寄りの位置に穿設されている。
図4に示すように、第1流量調整溝6eは、第1流入口6cが開放されて第2シリンダ室6a内の油がその第1流入口6cから流れ込む状態のときに、その油が流路13に流れる流量を調整するための溝である。図5(a)〜(c)に示すように、第1流量調整溝6eは、円盤部6fの外周面の第1流入口6cの付近から略半周以上(約3/4周)に亘って徐々に溝の深さが浅くなるように形成されたV溝からなり、この第1流量調整溝6eとシリンダ2の内壁とによって油路を形成している。
図5に示すように、円盤部6fは、第2シリンダ室6a、第1流入口6c及び第1流量調整溝6eを形成する円盤状の部位であり、流体圧室12の前側に内嵌されている。
栓29は、第2シリンダ室6aの前端部を密閉した状態に閉塞するために、シール材27を介在して円筒部6bの先端に内嵌されている。
<第1ノブの構成>
第1ノブ8は、回動操作することによって第1回転弁体6を回動させて、図5(a)〜(c)に示すように、第1連通孔2aに対する第1流量調整溝6e及び第1流入口6cの位置を調整して、第1流入口6cから流路13へ流れる油の流量を調整するためのボリュームである。
<第2絞り弁の構成>
図2に示すように、第2絞り弁11は、シリンダ2内に回動自在に配置されると共に、シリンダ2に穿設された第2連通孔2bに流れ込む流体圧室12からの油の流量を調整する第2流量調整部11aを有する第2回転弁体7と、この第2回転弁体7を回動させることが可能な第2ノブ9と、を主に備えて構成されている。
第2回転弁体7は、前記第1回転弁体6と同様に、流体圧室12内から流路13へ流れる油の流量及びピストン4の移動速度を調整する調整部材としての機能を果たす。図6に示すように、第2回転弁体7は、第2流入口6dを介して第2シリンダ室6aに連通する弁孔7aと、シリンダ2の前端部に回動可能に内嵌される円筒部7cと、円筒部7cの外周面に形成された第2流量調整溝7bと、ボディ1内に回動可能に内嵌されたボディ閉塞部7dと、図2に示す第2ノブ9が装着されるノブ装着部7eと、を有している。つまり、第2回転弁体7は、第1回転弁体6の円筒部6bに回動可能に外嵌されると共に、シリンダ2及びボディ1の開口端部内に回動可能に嵌入されて、第2ノブ9を回動操作すれば回動して、第2流量調整溝7b内を流れる油の流量が調整できるようになっている。
図6に示すように、弁孔7aは、第2シリンダ室6aの第2流入口6dと流路13との間を流れる油の油路の一部を形成する部位であり、軸心側が第2流入口6dに連通し、外周部側が第2連通孔2bを介して流路13に連通している。
円筒部7cは、この円筒部7cに形成された弁孔7a及び第2流量調整溝7bが、シリンダ2の内壁面によって閉塞及び規制されるように回動可能に内嵌される部位である。
図6に示すように、第2流量調整溝7bは、前記第1流量調整溝6eと同様に、第2流入口6dから流路13に流れる油の流量を調整するための溝である。図7(a)〜(c)に示すように、第2流量調整溝7bは、円筒部7cの外周面の弁孔7aの付近から略半周以上(約3/4周)に亘って徐々に溝の深さが浅くなるように形成されたV溝からなり、この第2流量調整溝7bとシリンダ2の内壁とによって油路を形成している。
図2に示すように、ボディ閉塞部7dは、ボディ1の前側開口端部を閉塞する部位であり、シール材26を介在してボディ1内に回動可能に内嵌されると共に、止め輪22によってボディ1に固定されている。
ノブ装着部7eは、第2ノブ9が外嵌されてねじ止めされると共に、円筒部6bに回動自在に外嵌される部位であり、筒状に形成されている。
<第2ノブの構成>
第2ノブ9は、この第2ノブ9を回動操作することにより第2回転弁体7を回動させる操作部材であり、図7(a)〜(c)に示すように、第2連通孔2bに対する第2流量調整溝7b及び弁孔7aの位置を調整して、第2シリンダ室6aの第2流入口6dから流路13へ流れる油の流量を調整するためのボリュームである。
≪作用≫
次に、各図を参照しながら本発明の実施形態に係る流体圧式送り速度制御装置Bの作用を説明する。
≪ドリルユニットの本体送り工程≫
不図示のドリルをワークの加工面の近傍まで送る加工前のドリルユニットAの本体送り工程では、図1に示すように、衝接部材37がピストンロッド5と非接触状態である。このため、ドリルユニットAの送り装置30は、流体圧式送り速度制御装置Bによって制動されることなく、速い送り速度でドリルを送ることができる。穴あけ加工する場合は、ワークをテーブル(図示省略)に固定して、電動モータMを回転させながら送り装置30を駆動させて主軸32及びラム33を送り、ドリルをワークに近接させる。ドリルは、ラム33、バー35、板部材36及び衝接部材37と一体に前進し、速い送り速度で送られる。
≪切削送り工程≫
不図示のドリルがワークに近接した位置まで送られると、送り装置30の送りは、衝接部材37が、ピストンロッド5の後端面5aに当接して油圧によって制動され、ピストンロッド5に抗して押圧し前進するので、やや低速の切削送り工程になる。この切削送り工程は、ワークに対してドリルが穴あけ加工を始める位置からワークに貫通孔が貫通される寸前までの送り位置である。換言すると、切削送り工程は、図2に示す衝接部材37がピストンロッド5に当接した位置から第2ピストン3が第1流入口6cを閉塞して第1絞り弁10を閉弁状態にするまでの間である。
切削送り工程では、図2に示すように、ピストンロッド5が前進すると、ピストン4及び第2ピストン3が流体圧室12内の油を押圧しながら前進する。流体圧室12から押し出された油は、一方が、第2シリンダ室6aの第1流入口6cから第1流量調整部10a、第1連通孔2a及び流路13を通って貯溜室14内に流れ込み、他方が、第2シリンダ室6aの第2流入口6dから第2流量調整部11a、第2連通孔2b及び流路13を通って貯溜室14内に流れ込む。貯溜室14内に流れ込んだ油は、ベロフラム18及び差動ピストン17を押圧して後退させる。
このように、送り装置30(図1参照)によるドリルの送りが切削送りの速度の場合、流体圧室12内の油は、二つ油路から流路13を通って貯溜室14へ流れるので、貯溜室14へ流れる流量が多く、流動抵抗が小さい。このため、ピストン4及びピストンロッド5は、前進速度が速く、衝接部材37を制動させる制動力が小さい。したがって、切削送り時の送り装置30がドリルを送る速度は、速くなっている。
<切削送り工程での送り速度の調節>
切削送り工程での送り速度を調整したい場合は、作業前に予め、第1ノブ8及び第2ノブ9を回動操作して、第1絞り弁10及び第2絞り弁11の第1流量調整部10a及び第2流量調整部11aを流れる油の流量を調節することによって、送り速度を調整できる。
例えば、第1ノブ8を回動操作して送り速度を調節する場合は、第1ノブ8を図5(a)に示すように、矢印aの右方向の最右側位置まで回動操作すると、第1流入口6cと第1連通孔2aとの間に配置されたV溝からなる第1流量調整溝6eの深さが最も深い位置になり、第1流入口6cから第1流量調整溝6eを介して第1連通孔2aへ流れる油の流量が最大となる。
これと同様に、第2ノブ9を最右側まで回動操作すると、図7(a)に示すように、第2絞り弁11の第2流量調整部11aを流れる油の流量が最大となる。
このように、第1ノブ8及び第2ノブ9を最右側まで回動操作したときが、切削送り時の最速状態になる。
図5(b)に示すように、第1ノブ8(図2参照)を矢印bの左方向の中間位置まで回動操作すると、第1流量調整溝6eの深さが減少し、第1流入口6cから第1流量調整溝6eを介して第1連通孔2aへ流れる油の流量も減少する。これと同様に、第2ノブ9(図2参照)を中間位置まで回動操作すると、図7(b)に示すように、第2絞り弁11の第2流量調整部11aを流れる油の流量が減少される。
このように、第1ノブ8及び第2ノブ9を中間位置まで回動操作した場合には、切削送り時の送り速度を中間速度に調節することができる。
図5(c)に示すように、第1ノブ8(図2参照)を矢印cの左方向の最左側位置まで回動操作すると、第1連通孔2aが第1回転弁体6によって閉塞され、油の流れが停止する。これと同様に、第2ノブ9(図2参照)を最左側位置まで回動操作すると、図7(b)に示すように、第2連通孔2bが第2回転弁体7によって閉塞され、油の流れが停止する。
このように、第1ノブ8及び第2ノブ9を最左側位置まで回動操作すると、送り速度が0となってピストン4、ピストンロッド5及び衝接部材37の移動と、送り装置30(図1参照)の送りとが停止する。
≪微速送り工程≫
図3に示すように、ピストンロッド5が衝接部材37によってさらに押圧されて、ピストン4がさらに前進して、不図示のドリルがワークの貫通孔を貫通させる寸前まで前進すると、第2ピストン3が第2シリンダ室6aに内嵌して第1流入口6c(図4参照)を閉塞する微速送り工程になる。
このため、第1絞り弁10が閉弁され、流体圧室12内の油が逃げ孔3a、第2ピストン3内、第2シリンダ室6a、第2流入口6d、第2流量調整部11a、第2連通孔2b及び流路13を通って貯溜室14内へ流れるようになる。このように、油の流れる油路が一箇所になったことによって、油の流量が減少し、流動抵抗が増大する。このため、流体圧式送り速度制御装置Bは、ピストン4、ピストンロッド5及び衝接部材37の動きが制動されて、送り速度を減速させ、微速送りにさせることができる。
このように、第1絞り弁10を開閉させることにより、流体圧室12内の油がピストン4によって押し出されて貯溜室14側へ流れる流量を二段に規制して、送り速度の速い切削送りと、送り速度の遅い微速送りとの二通りにすることが可能となる。
<微速送り工程での送り速度の調節>
微速送り工程での送り速度の調整したい場合は、作業前に予め、第2ノブ9を回動操作して、第2絞り弁11の第2流量調整部11aを流れる油の流量を微調節することによって、送り速度を調節できる。
第2ノブ9を図7(a)に示すように、矢印dの右方向の最右側まで回動操作すると、弁孔7aと第2連通孔2bとの間に配置されたV溝からなる第2流量調整溝7bの深さが最も深い位置になり、弁孔7aから第2流量調整溝7bを介して第2連通孔2bへ流れる油の流量が最大となる。このため、第2ノブ9を最右側まで回動操作したときが、微速送り時の最速状態になる。
この状態から図7(b)に示すように、第2ノブ9を矢印eの右方向の中間位置まで回動操作すると、第2流量調整溝7bの深さが減少し、弁孔7aから第2流量調整溝7bを介して第2連通孔2bへ流れる油の流量も減少する。このため、第2ノブ9を中間位置まで回動操作すると、微速送り時の送り速度が減少された状態に調節することができる。
図7(c)に示すように、第2ノブ9を矢印fの右方向の最右側位置まで回動操作すると、第2連通孔2bが第2回転弁体7によって閉塞されて、油の流れが停止する。このため、第2ノブ9を最右側位置まで回動操作すると、送り速度が0となり、ピストン4、ピストンロッド5及び衝接部材37の移動と、送り装置30(図1参照)の送りとが停止する。
以上のように、本発明は、ドリルユニットAに1つの流体圧式送り速度制御装置Bを装着することによって、穴あけ加工中の送り装置30による送り速度を、低速な切削送り工程と微速な微速送り工程とに二段階に自動的に変えることができると共に、切削送り工程時及び微速送り工程時の送り速度を適宜な速度に可変できるようにした。これにより、本発明は、ワークの材質等に適合した切削送りと、穴あけ完了間際に微速送りをすることが可能なコンパクトな流体圧式送り速度制御装置Bを提供することができる。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、往復運動体を有する工作機械Kとしては、図1に示すようなドリルユニットAのラム33を送る場合を例に挙げて本発明の一実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、往復移動する往復運動体を有する機械であれば適用させることができ、その他の装置であっても構わない。
また、前記実施形態では、図3に示すように、第2ピストン3が第2シリンダ室6aに内嵌した際に、第1流量調整部10aが第2ピストン3によって閉塞される場合を説明したが、第1流量調整部10aまたは第2流量調整部11aのどちらか一方が第2ピストン3によって閉塞されればよく、第2流量調整部11aが閉塞されるようにしてもよい。
さらに、第1絞り弁10及び第2絞り弁11は、それぞれ1つずつ設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2シリンダ室6a内の第1流入口6c及び第2流入口6dは、軸方向に互いずらした位置に配置して、第2ピストン3によって閉塞される流入口の位置が相違すれば、さらに、絞り弁を増設して数を増やしても構わない。このようにすれば、送り速度を細かく複数段に調整することが可能になり、さらに、穴あけ加工が行われるワークの材質に適合した送り速度に設定できる。
また、第1流入口6cは、送り速度を遅らせたいときに第2ピストン3またはピストン4によって閉塞される位置に設ければよく、他の適宜な位置に設けても構わない。このため、第1流入口6cと第2流入口6dとは、第2ピストン3の形状を変えれば、第1流入口6cと第2流入口6dとの位置を逆にしても構わない。
1 ボディ
1a 内周面
2 シリンダ
2a 第1連通孔(連通孔)
2b 第2連通孔(連通孔)
3 第2ピストン
3a 逃げ孔
4 ピストン
5 ピストンロッド
6 第1回転弁体(第1絞り弁の回転弁体)
6a 第2シリンダ室
6b 円筒部
6c 第1流入口
6d 第2流入口
7 第2回転弁体(第2絞り弁の回転弁体)
8 第1ノブ(ノブ)
9 第2ノブ(ノブ)
10 第1絞り弁(絞り弁)
10a 第1流量調整部(流量調整部)
11 第2絞り弁(絞り弁)
11a 第2流量調整部(流量調整部)
12 流体圧室
13 流路
14 貯溜室
17 差動ピストン
B 流体圧式送り速度制御装置
C 送り速度調節機構

Claims (5)

  1. 円筒状のボディと、
    該ボディ内に前後方向に移動可能に配置されたピストンロッドと、
    前記ボディに内設された円筒状のシリンダと、
    該シリンダ内に往復動可能に配置されて、前記ピストンロッドが押圧されることによって該ピストンロッドと一体として往復動するピストンと、
    該ピストンの前方に設けられて、流体が貯溜される流体圧室と、
    前記ピストンの後方に設けられて、前記流体が貯溜される貯溜室と、
    該貯溜室に連通すると共に、前記ボディと前記シリンダとの間に設けられた流路と、
    前記シリンダの前端部に設けられて、前記流体圧室から前記流路に流れる流体の流れを制御することによって前記ピストンの移動速度を調整する送り速度調節機構と、
    前記貯溜室の後方に配置されて、前記ボディの内周面及び前記ピストンロッドに摺接させつつ前後方向に移動可能に設けられた差動ピストンと、を備え、
    前記ピストンによって前記流体圧室の流体を、前記送り速度調節機構及び流路を経て前記貯溜室に押し出すことにより、往復運動体の送り速度を調整する流体圧式送り速度制御装置であって、
    前記送り速度調節機構は、前記シリンダの前端部に配置され、前記流体圧室から前記流路へ流れる流量を調整するための第1絞り弁及び第2絞り弁を備えて構成され、
    前記ピストンは、前記ピストンロッドによって押圧されて予め設定した所定位置まで移動した際に、該ピストンと一体に移動して前記第1絞り弁を閉弁状態にさせる第2ピストンを有することを特徴とする流体圧式送り速度制御装置。
  2. 前記第1絞り弁及び前記第2絞り弁の少なくとも一方は、前記シリンダ内に回動自在に配置されると共に、前記シリンダに穿設され前記流路に連通する連通孔に流れ込む前記流体圧室からの流体の流量を回動することによって調整する流量調整部を有する回転弁体と、
    該回転弁体を回動させることが可能なノブと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の流体圧式送り速度制御装置。
  3. 前記第1絞り弁の前記回転弁体は、前記流体圧室、前記流量調整部に連通する第2シリンダ室を有し、
    前記第2ピストンは、前記ピストンの前端部に配置された筒部材からなり、前記ピストンと一体に移動して前記第2シリンダ室に内嵌した際に、前記第1絞り弁の前記流量調整部を閉塞すると共に、前記流体圧室内の流体を前記第2シリンダ室内に送るための逃げ孔を有することを特徴とする請求項2に記載の流体圧式送り速度制御装置。
  4. 前記第1絞り弁の前記回転弁体は、前記第2シリンダ室を形成すると共に前記第2絞り弁の前記回転弁体内に回動可能に内嵌される円筒部と、
    前記第2シリンダ室の内壁に形成され、前記第1絞り弁の前記流量調整部に連通する第1流入口と、
    前記第2シリンダ室の内壁に形成され、前記第2絞り弁の前記流量調整部に連通する第2流入口と、
    を有していることを特徴とする請求項3に記載の流体圧式送り速度制御装置。
  5. 前記第2絞り弁の前記回転弁体は、前記第1絞り弁の前記回転弁体の円筒部に回動可能に外嵌され、前記シリンダ及び前記ボディの開口端部内に回動可能に嵌入されていることを特徴とする請求項4に記載の流体圧式送り速度制御装置。
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