JP4758570B2 - 吸音板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸音板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の後部のトランクルームの底部には、吸音板が配設されており、外部の騒音がトランクルームを経て車室内に侵入することが防止されている。
【0003】
そして、従来、例えば上記のような吸音板は、次のような構成を有している。
図14に示すように、その吸音板210は、合成樹脂からなるほぼ平板状の基材220を有し、基材220の端部にはフランジ部222が形成されている。基材220のおもて面には、表皮材230が設けられている。
基材220の裏面の側には、複数のリブ224が立設されている。隣接するリブ224間の空間(フランジ部222とリブ224との間の空間を含む)(以下、吸音材配設空間という)には、ウレタンからなる吸音材250が配設されている。
【0004】
吸音材250は、吸音材配設空間に合わせてウレタンがカットされて形成され、そのカットされた各吸音材250が、各吸音材配設空間内において、基材220の裏面に対して接着剤によって接着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、各吸音材配設空間の寸法に合わせてウレタンをカットし、そのカットされたウレタン(吸音材250)を各吸音材配設空間に各々配設する(基材220に接着する)という作業は、非常に煩雑である。
また、吸音材250は各吸音材配設空間の寸法に合わせてカットされて形成されようとするのではあるが、実際には、寸法誤差等によって、吸音材250とリブ224との間に若干の隙間が生じていしまい、その点で吸音効果が減殺されている。
【0006】
そこで、本発明は、高い吸音効果を有する吸音板及びその容易な製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、裏面の側に複数のリブを有するほぼ板状の合成樹脂の基材と、前記基材の前記裏面に付着している発泡性吸音材とを有し、前記発泡性吸音材は、前記基材の前記複数のリブ間の空間に存在するとともに、前記複数のリブのうちの少なくとも一部の基端部の少なくとも左右のいずれかの側部において当該リブと一体化した一体化部として存在し、前記一体化部は、当該リブを形成することになる硬化前の合成樹脂が当該一体化部が形成されることになる位置に存在する前記発泡性吸音材に含浸した状態で硬化することによって当該リブとともに形成されたものである、吸音板である。
【0008】
「左右のいずれかの側部」とは、リブの長さ方向とは直角方向の平面でリブを仮想的に切断した際の断面における左右のいずれかの側部のことをいう。
【0009】
この発明の吸音板では、複数のリブのうちの少なくとも一部においては、その基端部の少なくとも左右のいずれかの側部において、発泡性吸音材が当該リブと一体化した一体化部が形成されている。
そして、その一体化部は、リブを形成することになる硬化前の合成樹脂が当該一体化部が形成されることになる位置に存在する発泡性吸音材に含浸した状態で硬化することによって当該リブとともに形成されたものである
このため、少なくともその一体化部が形成されている部分においては、発泡性吸音材(正確には、そのうち、隣接するリブ間の部分)とリブとは密接した状態となっており、発泡性吸音材とリブとの間に隙間が生じていない。
このため、この発明の吸音板では、発泡性吸音材とリブとの間に隙間が生じている場合と比較して、その隙間による吸音効果の減殺がなく、大きな吸音効果が得られる。
【0010】
なお、この発明に関連して、この発明の「その基端部の少なくとも左右のいずれかの側部において、」が「その基端部の少なくとも左右の各側部において、」と限定された態様も考えられる。
また、「前記複数のリブのうちの少なくとも一部においては、」が「前記複数のリブにおいては、」と限定された態様も考えられる。
【0011】
請求項2に係る発明は、型面にリブ形成用溝部を有する第1型の当該型面の側に発泡性吸音材を配設する発泡性吸音材配設工程と、前記発泡性吸音材配設工程によって配設された前記発泡性吸音材よりも第2型の型面の側に硬化前の合成樹脂を供給する硬化前合成樹脂供給工程と、前記第1型と前記第2型とを接近させて型締めして、前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部に対応しない部分を圧縮して当該部分に前記硬化前の合成樹脂が流入することを制限しつつ、前記硬化前の合成樹脂を前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部の少なくとも左右の各側部に対応する部分に含浸させるとともに当該部分を通過させて前記リブ形成用溝部に充填し、その合成樹脂を硬化させる型締め工程と、前記第1型と前記第2型とを離隔させて型開きする型開き工程とを有する吸音板製造方法である。
【0012】
この発明の吸音板製造方法においては、発泡性吸音材配設工程において第1型の型面の側に発泡性吸音材が配設され、硬化前合成樹脂供給工程において発泡性吸音材よりも第2型の型面の側に硬化前の合成樹脂が供給され、型締め工程において第1型と第2型とが接近されて型締めされる。
【0013】
その型締めの際、発泡性吸音材のうちリブ形成用溝部に対応しない部分は圧縮されて、硬化前の合成樹脂の流入が制限される。一方、第1型のうちリブ形成用溝部においては第2型へ向かう方向の反発押圧力が作用しない(又は小さい)ため、発泡性吸音材のうち第1型のリブ形成用溝部に対応する部分は他の部分よりも圧縮されず基本的には硬化前の合成樹脂の流入は制限されない。
こうして、硬化前の合成樹脂が、発泡性吸音材のうちリブ形成用溝部の少なくとも左右の各側部に対応する部分に含浸するとともに、当該部分を通過してリブ形成用溝部に流入し、そのリブ形成用溝部に充填される。
【0014】
その状態で、合成樹脂が硬化することにより、第2型と発泡性吸音材とによって挟まれた部分の合成樹脂によってほぼ板状の基材が形成される。
一方、リブ形成用溝部内の合成樹脂、及び、発泡性吸音材のうちリブ形成用溝部(少なくともその左右の各側部)に対応する部分に含浸している合成樹脂によって、リブが形成される。すなわち、発泡性吸音材のうち、リブ形成用溝部(少なくともその左右の各側部)に対応する部分は、リブと一体化し、一体化部が形成される。
なお、発泡性吸音材のうちリブ形成用溝部に対応する部分の一部は、流入する合成樹脂によって切断され、一体化部が形成されない場合もあり得る。
【0015】
そして、その後に型開きされることによって、請求項1に係る発明の吸音板が容易に製造される。
このように、この製造方法では、吸音効果の高い吸音板が効率良く製造される。すなわち、基材の裏面のリブ間の空間内に各々発泡性吸音材を配設(接着)する必要がないとともに、リブの基端部の少なくとも左右の各側部において、発泡性吸音材が当該リブと一体化した一体化部が形成されるのである。
【0016】
請求項3に係る発明は、型面にリブ形成用溝部を有する下型の当該型面の上に発泡性吸音材を配設する発泡性吸音材配設工程と、前記発泡性吸音材の上に硬化前の合成樹脂を供給する硬化前合成樹脂供給工程と、前記下型と上型とを接近させて型締めして、前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部に対応しない部分を圧縮して当該部分に前記硬化前の合成樹脂が流入することを制限しつつ、前記硬化前の合成樹脂を前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部の少なくとも左右の各側部に対応する部分に含浸させるとともに当該部分を通過させて前記リブ形成用溝部に充填し、その合成樹脂を硬化させる型締め工程と、前記下型と前記上型とを離隔させて型開きする型開き工程とを有する吸音板製造方法である。
【0017】
この発明は、請求項2に係る発明がより具体的に限定されたものである。この発明の「下型」,「上型」は、各々、請求項2に係る発明の「第1型」,「第2型」に対応する。
【0018】
すなわち、この発明の吸音板製造方法においては、発泡性吸音材配設工程において下型の型面の上に発泡性吸音材が配設され、硬化前合成樹脂供給工程において発泡性吸音材の上に硬化前の合成樹脂が供給され、型締め工程において下型と上型とが接近されて型締めされる。そして、その後、型開きされる。
こうして、請求項2に係る発明と同様の作用効果が得られる。
【0019】
また、この発明の吸音板製造方法では、「下型」及び「上型」に限定されているため、次の特有な作用効果が得られる。
すなわち、発泡性吸音材は、下型の型面の上に載置されることにより、重力によって、当該下型(第1型)の型面の側に安定的に配設された状態とされる。また、硬化前の合成樹脂も、発泡性吸音材の上に供給されることにより、重力によって、発泡性吸音材よりも上型(第2型)の型面の側に安定的に位置する状態とされる。このため、請求項1に係る発明の吸音板がより容易に製造され得る。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に係る発明の吸音板製造方法であって、前記発泡性吸音材配設工程の前に、前記リブ形成用溝部内に補強材を配設する補強材配設工程を有する吸音板製造方法である。
【0021】
この発明の吸音板製造方法では、請求項2又は請求項3に係る発明の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、リブ形成用溝部内に予め補強材が配設されることによって、補強材を内在するリブが容易に形成される。こうして、強度の高い吸音板が容易に製造される。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、この吸音板10は、ほぼ平板状の基材20を有している。基材20の端部にはフランジ部22が形成されている。基材20は、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成されている。
基材20のおもて面には、表皮材30が設けられている。表皮材30は、ポリエステル等の合成樹脂によって形成されている。表皮材30(ポリエステル等)は、基材20(ポリプロピレン等)よりも融点の高い材質のものである。
【0023】
基材20の裏面の側には、補強用に複数のリブ24が立設されている。リブ24は、基材20と一体的に形成されている。すなわち、リブ24もポリプロピレン等の合成樹脂によって形成されている。リブ24は、縦方向及び横方向に複数設けられている。
複数のリブ24のうちの一部は、隣接して平行に延びる一対の突出部25からなる2重リブ24Bとされている。2重リブ24B内には、金属からなる補強材40が内蔵されている。補強材40は、2重リブ24Bの断面に沿った断面を有し、2重リブ24Bの長さ方向に延びている。すなわち、補強材40は、上板部41と左右の脚部42を有している。
2重リブ24B以外の一般のリブ24(単独で延びる突出部)のことを単独リブ24Aともいうこととする。
【0024】
基材20の裏面には、吸音材50(発泡性吸音材)が付着された状態とされている。吸音材50は、発泡性のウレタンによって板状に形成されている。吸音材50は、隣接するリブ24間の空間(フランジ部22とリブ24との間の空間を含む)に位置するとともに、リブ24の基端部(少なくともその左右の各側部)においては当該リブ24と一体化しており、一体化部52が形成されている。
【0025】
このため、この吸音板10では、吸音材50のうち隣接するリブ24間の部分(すなわち、リブ24と一体化している一体化部52等以外の部分)とリブ24(その基端部)とは密接した状態となっており、両者間には隙間が生じておらず、高い吸音効果が得られる。
【0026】
次に、上記の吸音板10の製造方法について、図3〜図13に基づいて説明する。
まず、図3(a)に示すように、下型100(第1型に該当する)及び上型110(第2型に該当する)が用意される。下型100及び上型110とも冷型であり、例えば、その温度は40℃である。
下型100の型面102と上型110の型面112とは対応しており、両者が接近した際に、上述の吸音板10の基材20にほぼ対応する空間が生ずるようにされている。上型110の周縁部には下方へ突出した突出部111が形成されており、下型100の周縁部には、それに対応して、段差部101が形成されている。段差部101の内側には、フランジ部形成用段差部103が形成されている。
【0027】
下型100の型面102には、複数のリブ形成用溝部104が形成されている。リブ形成用溝部104は、前述の吸音板10のリブ24(単独リブ24A,2重リブ24B)に対応している。リブ形成用溝部104には、単独リブ形成用溝部104A(図10(a)等も参照)及び2重リブ形成用溝部104B(図12(a)等も参照)がある。なお、図3〜図7においては、便宜上、単独リブ形成用溝部104A及び2重リブ形成用溝部104Bが、各々1つのみ示されている。
2重リブ形成用溝部104Bは、隣接して平行に延びる一対の溝部105を有している。別の見方をすれば、2重リブ形成用溝部104Bは、一対の溝部105にまたがる1つの幅広の溝部(符号省略)を有し、その内側に内側凸状部106が形成されているともいえる。内側凸状部106の上面は、下型100の型面102(リブ形成用溝部104以外の部分)よりも低く形成されている。
【0028】
次に、図3(b)に示すように、上型110に表皮材30がセットされる。
図8に示すように、上型110に対する表皮材30のセットにあたっては、表皮材セット枠130が使用される。表皮材30は、平面状をしている。表皮材30のおもて面には多数の毛が形成されており(図示省略)、少なくともその一部はループ状をしている。
表皮材セット枠130は、上型110の突出部111に対応した枠状をしており、表皮材セット枠130の裏面には面ファスナ(オス)132が接着されている。
【0029】
そして、面ファスナ(オス)132に対して表皮材30の毛(そのうちのループ状のもの)が結合される。その際、表皮材30のループ状の毛は、面ファスナ(メス)として機能する。こうして、表皮材セット枠130(その裏面)に対して、表皮材30(そのおもて面)が取り付けられる。
上型110の突出部111には、ほぼL字状の断面を有する一対のセット枠取付部134が設けられている(図8(b)では、そのうちの一方を示す)。
そして、表皮材セット枠130がセット枠取付部134に取り付けられることによって、表皮材30が上型110(突出部111)に取り付けられる。
【0030】
なお、表皮材30のおもて面にループ状の毛が形成されていない場合は、表皮材30のおもて面のうちの周縁部(最終製品にならない部分)に、予め面ファスナ(メス)が設けられる。そして、その面ファスナ(メス)が面ファスナ(オス)132に対して結合される。また、この際は、面ファスナ(オス)・面ファスナ(メス)が逆でもよい。
【0031】
次に、図4(a)及び図9に示すように、2重リブ形成用溝部104Bに、補強材40がセット(収容)される(図12(a)も参照)。
図9(a)等に示すように、一般的な断面において、2重リブ形成用溝部104Bの内側面と補強材40との間には隙間が存在している。すなわち、各溝部105の内側面と補強材40の各脚部42との間に隙間が存在し、内側凸状部106の上面と補強材40の上板部41との間にも隙間が存在している。
【0032】
なお、図9(b)に示すように、2重リブ形成用溝部104Bの長さ方向の数ヶ所においては、内側凸状部106の上面に小突起部106aが形成され、補強材40の上板部41が支持される。
また、図9(c)に示すように、2重リブ形成用溝部104Bの長さ方向の他の数ヶ所においては、内側凸状部106が補強材40(その内側面)に沿った大きさとされており(すなわち、一般的な断面における内側凸状部106よりも大きい)、補強材40の当該断面の全体が、その内側凸状部106に支持される。
こうして、図9(a)に示すように、一般的な断面においては、2重リブ形成用溝部104Bの内側面と補強材40とは接触せず、両者間に隙間が存在するようにされているのである。
【0033】
次に、図4(b)に示すように、下型100の型面102に吸音材50がセット(載置)される。前述したように、吸音材50は、発泡性のウレタンによって形成されており、板状をしている。吸音材50の密度は、20〜60kg/m3 である。特に、そのうち、35kg/m3 程度が好ましい。吸音材50の厚さは、例えば10〜30mmである。特に、そのうち、20mm程度が好ましい。
【0034】
次に、図5(a)→(b)に示すように、押出機140によって、硬化前の合成樹脂120が、吸音材50の上に供給(載置)される。合成樹脂120は、基材20及びリブ24を形成するためのものであり、200〜200℃のポリプロピレン等である。硬化前の状態(ゲル状)であり、流動性を有する。
【0035】
次に、図6(a)→(b)に示すように、上型110が下降されて型締めされ、吸音材50及び硬化前の合成樹脂120が加圧される(図10(a)→(b)→図11(a),図12(a)→(b)→図13(a)も参照)。その圧力は、例えば、49×105 Pa(50kgf/cm2 )であり、その型締めの時間は、例えば45秒である。
その際、表皮材30には引っ張り力が作用して、表皮材30が伸びるとともに、表皮材セット枠130の面ファスナ(オス)132と表皮材30との結合が外れる。
【0036】
図10(a)→(b)及び図12(a)→(b)に示すように、上記のように型締めされることによって、吸音材50のうち一般的な部分(すなわち、リブ形成用溝部104に対応する部分以外の部分)が圧縮される。自然状態の吸音材50(ウレタン)は発泡性のため、無数の微小な隙間が存在するが、圧縮状態の吸音材50(リブ形成用溝部104に対応する部分以外)は、その微小な隙間がほとんど存在していない状態となっている。
【0037】
また、同じく、図10(a)→(b)及び図12(a)→(b)に示すように、上記のように型締めされることによって、硬化前の合成樹脂120は、横方向に広がって、表皮材30と上述の圧縮状態の吸音材50(後述の上板部対応部51を含む)とによって挟まれた空間内に充填された状態となる。
その際、上述のように圧縮状態の吸音材50には微小な隙間がほとんど存在していない状態となっているため、その圧縮状態の吸音材50には硬化前の合成樹脂120は含浸しない。
【0038】
一方、図10(b)に示すように、吸音材50のうち、単独リブ形成用溝部104Aに対応する部分は、下型100の型面102による反発押圧力を受けないため、自然状態に近い状態となっており、単独リブ形成用溝部104A内に入り込んだ状態となっている。
このため、硬化前の合成樹脂120は、吸音材50のうち単独リブ形成用溝部104Aに対応する部分(微小な隙間が多数存在している)に含浸し、さらにはその部分を貫通して流動し、単独リブ形成用溝部104Aに流入する。
そして、図11(a)に示すように、単独リブ形成用溝部104Aが硬化前の合成樹脂120によって充填される。
【0039】
また、図12(b)に示すように、吸音材50のうち、2重リブ形成用溝部104Bに対応する部分は、次のとおりである。
吸音材50のうち、2重リブ形成用溝部104Bのうちの補強材40の上板部41に対応する部分(上板部対応部51ということとする)は、前述した吸音材50のうちの一般的な部分と同様に(又はそれ以上に)圧縮状態とされ、その部分には硬化前の合成樹脂120は含浸しない。
【0040】
一方、吸音材50のうち、2重リブ形成用溝部104Bの各溝部105のうちの補強材40の各脚部42よりも外側の空間(溝部内脚部外側空間107ということとする)に対応する部分は、上述した吸音材50のうちの単独リブ形成用溝部104Aに対応する部分(図10(b))と同様に、下型100の型面102による反発押圧力を受けない。このため、当該部分は、自然状態に近い状態となっており、2重リブ形成用溝部104Bの溝部内脚部外側空間107内に入り込んだ状態となっている。
このため、硬化前の合成樹脂120は、吸音材50のうち溝部内脚部外側空間107に対応する部分(微小な隙間が多数存在している)に含浸し、さらにはその部分を貫通して流動し、2重リブ形成用溝部104Bの各溝部105(溝部内脚部外側空間107)に流入し、補強材40の各脚部42の内側の空間に回り込んでいく。
こうして、図13(a)に示すように、2重リブ形成用溝部104Bが硬化前の合成樹脂120によって充填される。
【0041】
以上の状態で、下型100及び上型110(ともに前述したように冷型である)によって、硬化前の合成樹脂120が冷却され、硬化する。
そして、図6(b),図11(a),図13(a)に示すように、表皮材30と吸音材50とによって挟まれた空間内の合成樹脂120によって基材20が形成される。
【0042】
また、リブ形成用溝部104内の合成樹脂120、及び、リブ形成用溝部104と上記基材20との間の部分の合成樹脂120によって、リブ24が形成される。すなわち、リブ形成用溝部104内の合成樹脂120がリブ24となるとともに、吸音材50のうちのリブ形成用溝部104に対応する部分(前述したように合成樹脂120が含浸状態となった部分)に合成樹脂120が残り、その部分もリブ24の一部となる。
なお、このように、吸音材50のうち、リブ24(24A,24B)と一体化してリブ24(24A,24B)の一部となっている部分を一体化部52(52A,52B)ということとする。
【0043】
次に、図7,図11(b),図13(b)に示すように、上型110が上昇されて型開きされることによって、それまで圧縮状態であった吸音材50(リブ形成用溝部104に対応する部分以外)が、もとの自然状態に復元する。なお、吸音材50のうち一体化部52の近傍は、圧縮状態が残った状態とされる。
また、吸音材50のうち上板部対応部51は、圧縮状態のままとされる。
【0044】
以上のように、隣接するリブ24間の空間(フランジ部22とリブ24との間の空間を含む)に吸音材50が位置し、吸音材50が基材20の裏面に付着された状態とされる。
それとともに、吸音材50は、一体化部52Aにおいて単独リブ24A(その基端部)と一体化し(図11(b)参照)、2重リブ24Bの左右の各側部では、一体化部52Bにおいて2重リブ24B(その基端部)と一体化した状態となる(図13(b)参照)。
【0045】
なお、その後、図7において表皮材30のうちの周縁部(基材20の周縁部からはみ出している部分)が、除去(切除)される。
【0046】
以上のようにして、前述の吸音板10(図1,図2等参照)が製造される。
そして、この製造方法によれば、隣接するリブ24間の空間に対応して吸音材50をカットして、そのカットされたウレタンを各空間内に各々配設する(基材20に接着する)よりも、きわめて容易に吸音板10が製造される。
すなわち、基材20(表皮材30と一体化された基材20)を製造する複数の工程の間に、吸音材50を配設する工程が挿入されることによって、吸音材50を有する吸音板10を容易に製造することができるのである。
【0047】
また、前述したように、この製造方法によって製造された吸音板10では、吸音材50が、リブ24の基端部(少なくともその左右の各側部)において、当該リブ24と一体化しているため(一体化部52)、吸音材50のうち隣接するリブ24間の部分(上板部対応部51及び一体化部52以外の部分)がリブ24と密接状態とされており、大きな吸音効果が得られるのである。
【0048】
なお、吸音材50のうちリブ形成用溝部104に対応する部分の一部は、前述したように合成樹脂120が流入する際に、その流入する合成樹脂120によって切断され、一体化部52が形成されない場合もあり得る。
【0049】
なお、上記のものはあくまで本発明の一実施形態にすぎず、当業者の知識に基づいて種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の吸音板を示す斜視図(下方から見た斜視図)である。
【図2】本発明の一実施形態の吸音板の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の吸音板製造方法を示す断面図である。その初期の工程を示す。
【図4】 本発明の一実施形態の吸音板製造方法を示す断面図である。図3の工程の次の工程を示す。
【図5】本発明の一実施形態の吸音板製造方法を示す断面図である。図4の工程の次の工程を示す。
【図6】本発明の一実施形態の吸音板製造方法を示す断面図である。図5の工程の次の工程を示す。
【図7】本発明の一実施形態の吸音板製造方法を示す断面図である。図6の工程の次の工程を示す。
【図8】(a)は、本発明の一実施形態の吸音板製造方法において使用される表皮材セット枠を表皮材とともに示す斜視図である。(b)は表皮材セット枠に表皮材が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態の吸音板製造方法において使用される下型の2重リブ形成用溝部に補強材がセットされた状態を示す拡大断面図(端面図)である。
【図10】(a)は、図6(a)の状態における単独リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。(b)は、図6(a)及び図6(b)の間の状態における単独リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。
【図11】(a)は、図6(b)の状態における単独リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。(b)は、図6(b)及び図7の間の状態における単独リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。
【図12】(a)は、図6(a)の状態における2重リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。(b)は、図6(a)及び図6(b)の間の状態における2重リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。
【図13】(a)は、図6(b)の状態における2重リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。(b)は、図6(b)及び図7の間の状態における2重リブ形成溝部及びその周辺を拡大して示す図である。
【図14】従来の吸音板及びその製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
10 吸音板
20 基材
24 リブ
24A 単独リブ
24B 2重リブ
40 補強材
50 吸音材(発泡性吸音材)
52 一体化部
100 下型(第1型)
102 型面
104 リブ形成用溝部
104A 単独リブ形成用溝部
104B 2重リブ形成用溝部
110 上型(第2型)
112 型面
120 合成樹脂

Claims (4)

  1. 裏面の側に複数のリブを有するほぼ板状の合成樹脂の基材と、
    前記基材の前記裏面に付着している発泡性吸音材とを有し、
    前記発泡性吸音材は、前記基材の前記複数のリブ間の空間に存在するとともに、前記複数のリブのうちの少なくとも一部の基端部の少なくとも左右のいずれかの側部において当該リブと一体化した一体化部として存在し、
    前記一体化部は、当該リブを形成することになる硬化前の合成樹脂が当該一体化部が形成されることになる位置に存在する前記発泡性吸音材に含浸した状態で硬化することによって当該リブとともに形成されたものである、
    吸音板。
  2. 型面にリブ形成用溝部を有する第1型の当該型面の側に発泡性吸音材を配設する発泡性吸音材配設工程と、
    前記発泡性吸音材配設工程によって配設された前記発泡性吸音材よりも第2型の型面の側に硬化前の合成樹脂を供給する硬化前合成樹脂供給工程と、
    前記第1型と前記第2型とを接近させて型締めして、前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部に対応しない部分を圧縮して当該部分に前記硬化前の合成樹脂が流入することを制限しつつ、前記硬化前の合成樹脂を前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部の少なくとも左右の各側部に対応する部分に含浸させるとともに当該部分を通過させて前記リブ形成用溝部に充填し、その合成樹脂を硬化させる型締め工程と、
    前記第1型と前記第2型とを離隔させて型開きする型開き工程と
    を有する吸音板製造方法。
  3. 型面にリブ形成用溝部を有する下型の当該型面の上に発泡性吸音材を配設する発泡性吸音材配設工程と、
    前記発泡性吸音材の上に硬化前の合成樹脂を供給する硬化前合成樹脂供給工程と、
    前記下型と上型とを接近させて型締めして、前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部に対応しない部分を圧縮して当該部分に前記硬化前の合成樹脂が流入することを制限しつつ、前記硬化前の合成樹脂を前記発泡性吸音材のうち前記リブ形成用溝部の少なくとも左右の各側部に対応する部分に含浸させるとともに当該部分を通過させて前記リブ形成用溝部に充填し、その合成樹脂を硬化させる型締め工程と、
    前記下型と前記上型とを離隔させて型開きする型開き工程と
    を有する吸音板製造方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の吸音板製造方法であって、
    前記発泡性吸音材配設工程の前に、前記リブ形成用溝部内に補強材を配設する補強材配設工程を有する吸音板製造方法。
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